北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年43号の感想

 『サイボーグクロちゃん』の新作が発表されたからみんな読めよ、読んでね、読んでみたら、読んだ方がいい。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 中文。『若君』。漢字と本作の相性が良いというか、普通にそれっぽく見えてしまうから面白い。てか、『若君』って日本以外の国だとどういう風に読まれてるんですかね。歴史の中でもほとんど扱われることのなかった時代、みたいな部分が日本だと最初の印象としてある(ありがち)と思うんですけど。

表紙

 『dr.stone』。芸術の秋ならぬ創造の秋。ペンキばらまいてるので『スプラトゥーン3』情報解禁記念、みたいな雰囲気ある。

読者プレゼント

 ロミオとジュリエット。「受理エット」は面白くて普通に好きなんですが、「あげロミオ」が意味不明すぎてすごい。何がどうかかったダジャレなのかが分からない。
 各グッズ紹介のところで有名な一節を土台にしたダジャレに……なってるんだと思うんですが、お恥ずかしいことに全然知らない。今までの人生、シェイクスピアなんて読まなくて大丈夫だろ、とか思ってましたけど、このページで当たり前に出てきたネタが分からないとなると急に不安になるというか、いろいろヤバい気がしてきた。

巻頭カラー『Dr.STONE

 巻頭カラー。 “新メデューサによる世界石化から8年” と何だか感動的に煽ってるけど、そもそも石化したのお前らじゃねぇかって話ですよね。なんかマッチポンプを感じる。前も書いた気がするけど、千空たちの知らないところに、知らない理由で人間が生きてる可能性は否定できないわけで、それを一切無視して地球全土を石化ってなかなか危うい判断なんじゃないの? と多少の引っかかりは感じた。
 本編。石化と復活の間にギャップがあると人々の間に年齢の差が生まれたり、差が埋まったり。ここらへんちょっと『アベンジャーズ エンドゲーム』後の話みたいですね。ただ、本作はそこに「動物はノーカン」といいう別の要素が入ってくるので面白い。とはいえ、石の壁勝手に作ってくれて感動、みたいな話はさすがに無理あったと思う。調教したならともかく、勝手に判断して、石像が壊れないように壁作るって無理でしょ。しかもイノシシおるし。いや、イノシシの知能について詳しくないんですけど。イノシシだとスイカのことを覚えてることすら期待できない、とか偏見込みで思っちゃう。
 そんな動物たち。過度なデフォルメが可愛く見えるコマもなくはないけど、いやそれはやりすぎだろ……みたいなコマも少なくない。ここらへんのデフォルメとそのキャラの動かし方って絵のうまさの中でも特殊なスキルなんでしょうね。
 感動的に煽った直後に “バイバイ” ってなるのはちょっと感情の起伏が激しすぎた。壁の件がない再会だったらもうちょっと飲み込みやすかったかもしれない。
 「終決章」って言葉初めて聞いた。初めてすぎて一瞬誤字を疑ってしまったレベル。最終章の発表でひと盛り上がり狙う作品も多いので、その中で何とか差別化をはかりたい、とかそんなノリかしら。

ONE PIECE

 2匹の龍が対峙する激アツな展開に気を取られてたけど、龍がいる→雷雲発生→月が隠れる→スーロン解除、という事実は完全に見落としてた。ちょっと考えれば想像できそうなもんだったのにな。これはうまいことやられたわ。
 とか思ってたら、そっからルフィの頑張りによって月復活となるのでマジ最高でした。単純に空が割れる絵面だけでぶち上げ必至なんですけど、そこに月が出ることの意味が別に乗っかるのですごい。なんか最近の『ONE PIECE』乗りに乗ってる気がする。
 モモがルフィに助けられるだけではなく、モモも一緒に戦う。そして、ルフィがハッパをかけ、それが中継されることでチーム全体を鼓舞することになる、という連鎖が素晴らしい。ルフィとしてはモモ1人に対して言ってるつもりなんだけど、それが図らずもルフィの船長としての資質(何なら海賊王としての資質と言ってもいい)を痛感させる言動になってる。
 これは勝手な私のイメージなんですが、ジャックが負けるのは全然分かるんだけど、ペロペロが負けるのには「もうちょっと強いと思ってた」みたいな印象が少し湧いた。どっちも四皇の最高幹部だからそれほどおかしくもないんですが。

僕のヒーローアカデミア

 ボロカス状態の人を癒すのに42度は高いと思う。
 申し訳ないけど、A組のみんななんてお茶子に比べたらどうでもいいレベルの関心度になってしまうんですが、お茶子は一番頑張ったので既に寝てる。お茶子を除外したのは良い判断だったと思う。このワチャワチャしたノリの中、今のお茶子を置くのはさすがに無理がある。何をしても「それよりデクとの話があるだろ!」ってなっちゃうと思うので。
 デク。ボロ雑巾状態のデクがちょっとかっこよかったので、風呂入って復活した姿に少し寂しさも感じたw 目のクマとか少し残ってるっぽいけどね。

『SAKAMOTO DAYS』

 先週の感想で、シンだったらどう考えても格上の相手でも心を読むことで善戦できるかもしれない、と書いたんですが、今週それが即否定されるので笑った。とはいえ、1ページ目に “こいつは殺しが趣味のイカレ野郎だ” というセリフを置き、そこからイカレ野郎だから思考が読めない、と展開させたのはうまい。非常に読みやすい、分かりやすい。
 じゃあどうすんの、と思ったらすごいベタな覚醒展開になるのでした。これは意外。坂本の言い方からして、殺し屋として(格闘の技術が)レベルアップするのかと思ったらエスパーの能力だったのでこれはちょっと笑った。そっちかい。そっちのことは坂本素人だろうに。
 あと、 “傷はすぐ消毒すんのが肝心だ” の直後にルーの “お酒飲みたいネ…” を置いたのも面白い。こっからルーが酒(エタノール)飲んで復活&パワーアップしてもいいし、しなくても単にこのページの中の対比として面白い。

『呪術廻戦』

 オカ研!! オカ研じゃないか!!
 ……という感想には少しウソがありまして。正直なところ、冒頭の場面では誰だか分かりませんでした。いや無理っしょー。とはいえ、オカ研再登場は本当に嬉しい。ちゃんと劇中でも「虎杖が最も幸せだったかもしれない一時」という扱いになってるのも熱い。こういう特別扱いをしてくれるのがニクいよなぁ。単に登場させるだけではない。彼女も特別な存在であった、と本作においてめちゃくちゃすごい人に言わせてるのが熱いし、もちろん「この人こんなこと言うんだ」的なオモシロも発生してる。すごい重要な話だとは思うんですが、正直オカ研の衝撃がすべてを持って行ってしまったな。私の中では。

センターカラー『PPPPPP』

 サブタイ「ライフエクスペンタンシー」。体験型の音楽のことを指す言葉だと思われる。
 本編。音楽学校の実態というか、具体的にどんな授業やってんのかみたいな話、めちゃくちゃ面白い。すげぇ興味ある。少年漫画的なオブラート抜きでもいいのでもっとやってほしい。まぁ、そこまで極端なのも難しいんだろうけど。
 母は余命1年。このことを主人公が知るくだりがちょっと雑というか、病院側が迂闊すぎるので少し萎えた。申し訳程度でもいいので、「やべっ バレちゃった」というワンロジック、ひと展開欲しい。
 DADA先生、まさかの本名らしいので笑った。本作はどこも変な名前ということなのですね。ここまで尖って意味がないとは思えないので、たぶん何かしらの音楽要素だと思うんですが、ダダ……分からんw
 先週、結局主人公も特殊な才能持ってんじゃん、と否定的に感じたんですが、今週いきなりその件についてのロジックが出てきたでござる。ちゃんと病院での時間が強みになってた、とドラマチックな内容なので良かった。こうなるともう先週の感想がすべて無駄だった気がしてしまうよねw いや、毎週1話ずつの感想を書くこと、読むことはそれ独自のオモシロがあるとは分かってるんですが、こうも直後にあっさり出てくるとは。

『僕とロボコ』

 きのこたけのこ論争。対立してる「フリ」で、遊びだというのは分かってはいるけど、遊びだとしてもこういう対立煽りに魅力は感じなくなってしまった。フリをしてまで対立ごっこに意味あるの? ちょっと話それるけど、そもそももう出涸らしだろこのネタ、とも思う。
 この話題が出たらみんな律儀に「きのこだ」「いやたけのこだ」と主張し出すけど、正直なところ、もうそんなに食べてないだろ。どっちも。今も定期的に食べる人少ないだろ(小学生が出てくる漫画という事実を忘れた文章)。要するに、この論争を出すことで、どっちも食べる習慣がない大人に対して2択を強いて、どちらかを選択してあーだこーだ言い出すことで、「久しぶりに食べてみるか」となるのを狙ってるのよ。論争を起こすことで商品売ろうとしてるんですよ。戦争商人と同じだよ。やり方が汚い。そして消費者側も、論争のためにお菓子食ってんじゃないよ。
 いつからこういう対立煽りを、甘噛みだと分かったとしても楽しめなくなったのだろう、と我ながら不思議だったんですよ。そしたら『ロボコ』を読み進めた分かった。『ニセコイ』だわ。そうそう、あの頃の先鋭化されたノリについていけなくなって、過激派の言い分、過激派の存在に嫌気がさしたんだった。嫌気がさしたというか、完全に飽きた、興味が枯れた、というのが近いかもしれない。掘り進めるほど面白いテーマではない、と夢から覚めた。
 どうでもいいけど、ガチゴリラは「小野寺」呼び捨て派なんだ、とか懐かしい気持ちになりつつ思った。
 どうしたら2人の意見を合わせられるのかと思っていたら、相変わらず2人の意見が対立した上で和解するラストは良かった。意外かつ納得。

ブラッククローバー

 悪魔の力を使って、悪魔の心臓を持つ。それはもうほとんど悪魔。このロジックは面白かった。こうなると「じゃあ悪魔でいいじゃん」となるんだけど、要するにゼノンのまま悪魔になる、というのが大事なのですね。そのための先週の回想だったのでしょう。ゼノンが、あのドラマを抱えたままの状態で悪魔になる。それがユノたちの前に立ちはだかる。先週の感想の内容がユノと合わせ鏡になってるのは明らかですが、だからこそそのゼノンがユノのドラマを否定してくる。 “仲間ごとオレの心臓を貫いていれば オマエの勝ちだった” が見事でした。あそこで仲間を貫くかどうかがユノとゼノンの分かれ道だったのですね。
 んで、話はユノではなくランギルスへ。ここで兄弟同士が文字通り手を取り合って戦う、という最後の絵面が最高でした。ああいう絵を見ると反射的に「おやおや『ダブルアーツ』ですか?」とか考えてしまう悪い癖があるんですが、そんな雑念があったとしても感動的だったと思います。こないだのユノとランギルスもそうだけど、1人では勝てなくとも2人でなら、というドラマが熱いよね。契約による強化のゼノンにはない魅力なのでしょう。

こち亀

 重大発表で4ページ漫画。そもそも重大発表なんてな、というメタ的な話がいかにも『こち亀』らしい。ネタバラシ的なギャグかと思ったんですが、 “2年間で300巻達成する!!!” というプロジェクトには「マジか! 面白くなってきたな……」と一瞬真に受けてしまったw いや無茶な話なのは承知だけど、『こち亀』ならあるいは……とかちょっと考えちゃったのよ。全雑誌掲載って企画なら前にもやってたし。
 メタついでに『ゴルゴ13』についても言及してほしかったかな、とか無い物ねだりを言い出すとキリがない。麻生先生ネタも欲しかったですし。せっかく麻生先生連載してないわけだし。まぁ、現在連載中じゃない作家の名前出して遊ぶってのは今の読者に対して不親切、ということなのかな。『こち亀』完結したのもう5年前らしいですし……って5年前という事実を受け止められない。

センターカラー『アオのハコ』

 大会開始。本格スポーツ漫画っぽい雰囲気になるので驚く。本作がどこまでスポーツ描写にチカラを注ぐのか未だによく分かってない。強敵紹介のくだりとか、因縁を描きながら互いのキャラを立てていく感じとかめちゃくちゃスポーツ漫画的な王道を感じてワクワクする場面であった。兵藤くんが明らかに今までの男性キャラとは系統の違う顔つきをしてるってのも本作にとっての新しい風を感じる。
 財布拾うくだりもそう。めちゃくちゃ王道って感じで好き。というか、端的に言って『ハイキュー』か。まぁ、私の中で『ハイキュー』の存在が大きすぎてすべて『ハイキュー』に感じてしまう、という偏りはあるのかな。
 どうでもいいけど、たかだか高校スポーツの話で「カンスト」という表現をしてしまうのは如何なものかと思った。いくら何でも視野が狭すぎる。まぁ、そう思ってしまうほど、それが世界のすべてだと思ってしまう現象は学生時代のあるあるですけどね。『テニスの王子様』の感想でよく「この世界のプロはどんな試合をするんだ……」って言われてたのと同じ話。今どうなってるかは知らないです。どうやらタイムスリップしてラップしてるらしい。

『マッシュル-MASHLE-』

 出場枠の譲渡は面白かった。面白かったけど、その方法、その過程が恐喝なのはちょっと陳腐だったかな。シンプルで分かりやすいと見ることもできるけど。さすがにあんなバレバレな方法は運営的に認めちゃダメでしょ、っていう。
  “兄より優れた弟はこの世に存在しないからね” 。兄を育てたノウハウ、教育のノウハウを効率的に弟に注げるので一般論としてより優れた弟が育つ可能性は高いと思う。特にスポーツ界とか。魔法を教育することは可能なはずなので、本作の世界でもこの話は通じると思う。もちろんそういうことを言ってるんじゃないのは分かるけど、こういう話は一般論としても通じる(通じそうな)内容じゃないとダメだと思うの。
 んで、友達参戦。過去の強敵たちが……という展開は普通にめちゃくちゃ熱いし、まんまとアガってしまったんですが、ルール的にこれがどういう扱いになってるのかよく分からない。まぁ、そもそも譲渡の件がグチャグチャっとしてるのでバイブス重視ってのは分かるんだけど、それにしても申し訳程度の説明はさすがにあると思う。次回。

『逃げ上手の若君』

 敵チーム紹介。若返りを果たしたことをアイドル的な人気として描くのは面白い。この手の歴史のスターがアイドル的な人気と相性が良いってのは周知の事実ですが、歴史劇としてそのまんまやるのが良い。まぁ、それぞれキャラが立ってて、その対比や関係性にまた別の魅力が生じる、ってのは(少年)漫画的にも大事なファクターですよね。
 んで、それに対して「若いと言っても最年少13歳でしょ?」とするラストも痛快。そりゃ若さなら負けるはずないわ。若すぎて普通に考えたらダメなんだけど、屁理屈として好き。
 1人年齢が分かってない人いたけど、あれはどういうことなの。資料がないからということなのかしら。それは漫画側が勝手に設定しちゃえばいいと思うんだけど。それともここで年齢を隠すことが今後物語上のトリックになったりするのかしら。

 本編後の漫画賞のページ、定宗が愛され悪役の代表みたいな扱いになってるので笑いました。いや、分かるけど。その通りなんだけど。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』

 サイダーように言葉が湧き上がりそうなカラー扉だ。予告しか知らないけど。
 ショタ誰!? と思ったらサブタイがネタバレだったわ。まぁ、よく見れば分かるか。
 シスコンの男が幼児返りして、大きくなった妹と対面するってどんな感情になるんだ……とか興味深いんですが、どうやら記憶も戻るらしい。むしろ、シスコンと思えた性格も子供のやることだと思えば 尊い!!!” となることが面白い。何かいろいろ学びがありそうな話だ。もちろん大人になるにつれてかなりこじらせてるので、一概に同じとは言えないけど。
 例によって子供に弱い夜桜一同。ウンコマンのくだりは笑ったわ。笑ったんだけど、あのウンコを「リアル」と評されると途端に気持ち悪い気がしてくるから不思議。
 あと、ちゃんとアイさん出てきたので嬉しい。正直話的に関係ないんだけど、とりあえず1コマ出しました、という扱いが嬉しい。なかったらキレてたよ。
 微笑ましくも一家の過酷さと優しさが詰まった良い一話完結でした……と思ったら次号がすごいことになってるので笑った。100話記念とはいえ、頑張りすぎだよw

『破壊神マグちゃん』

 殻に閉じこもるキョーちゃんを強引に引きずり出す。「部屋=殻」という扱いが見事でしたね。そして、その強引さのあまり、メガネが外れる、というアクションが素晴らしい。メガネも殻であり、心の蓋のような扱いですね。それを一旦、無理矢理に引っ剥がす。そしてキョーちゃんが剥き出しになったタイミングでグラッシーが直球の愛の言葉を投げかける。だからあの言葉はキョーちゃんの心に響くのであった、という話。ナイスメガネ。
 一方ウニ助。こちらは理詰め。 “表裏のない尾瀬様には効かない” はずだった、というロジックがうまい。こちらも策もなく突っ込むだけで、絵面的な面白さもあちらに比べたら乏しいんだけど、その分理屈が強い。
 んで、マグちゃんが「破滅」によってキョーちゃんを救い出す、という展開にしてる……のは分かるんだけど、勉強を捨てて友情を取る、という安易な方法が良かったのか正直疑問です。先週の感想にも書いたけど、友情のために適切な学力の進学を諦める、とういのが良い話とは思えないんだよなぁ。どちらも両立する話にできないなら、別の学校に行っても友情は続く、みたいな方が全然良かったと思う。この結論を良い話にしちゃう感覚にはちょっと引いちゃうな。友情が学力を奪うって不気味だよ。本作に対する膨大な信頼が少し減った。我ながらびっくりである。絶対本作ならその問題も何とかクリアしてくると思ったのに。
 まぁ、好意的に見るならば、受験のことなんか1つも知らないマグちゃんたちが救いをもたらす話なので、ああいう安易な、短絡的な方法になるのは仕方ない。とは思うけどさぁ、マグちゃんだから出せた答えというのが「勉強なんかやめちまえ」ってなぁ。正直そんな答えでいいなら誰でも思いつくよ。思いつくけどダメだから先週悩んでたんじゃん。この結論にするにしても、もうちょっとキョーちゃんは勉強するのが苦しい、みたいな話を強調するとかした方が良かったと思う。

『アンデッドアンラック』

 冒頭の怒濤の連携が楽しい。読者的にも初見だけど、アンディと風子の能力を考えれば、ゆっくり順を追って見れば理解できる。スローモーションのような時間の流れが良かったですね。
 細かいことを言うと、冒頭の右腕を飛ばして室内に入ってくる場面は、右手に刀を持ってたので、次のコマでも右手に刀のが良かった、分かりやすかったとは思う。まぁ、絵の構図的な都合もあるんだろうけど。風子を抱き抱えたアンディを右向きにすると左手のが収まりが良いってのは分かる。じゃあ左腕を飛ばせよ、という話。
 不運弾に対処するビリーが銃使ってるのがちょっと意外でした。かっこいいから好きなんだけど、あの能力はウソだからもう使わないと思ってた。いや、能力自体は本物だから使って当然なんだけど。
 組織外の能力を使うのもアリらしい。もうこうなると何でもアリになっちゃいそうなんですが、そこは「アン○○」の縛りがあるからセーフなのかな。今回のアンバランスは収まり良くてめっちゃ気持ちよかったですし。マイアンサーNo.1、快感のワンダーランド、階段を上がんなら、そう今じゃない、今はアンバランス。……韻キチぶりがすげぇわ。
 アンディに銃を突きつけても意味ないよね。そこは風子に突きつけるべきでしょ……と思ったので「実は風子いませんでした」という前フリとして少しわざとらしかったと思う。

『高校生家族』

 春香の将棋部。完全に『クイーンズギャンビット』だw(マジ面白いからネトフリ加入者で未見の方は是非)
 絶え間なくギャグはあるのに、しっかり物語は進行して、その物語がかなり真面目な内容になってるのがすごい。前から本作はそうだけど、本話は特にそのバランスがすごかったと思う。
 相手のことを考えすぎてしまって自分が損をしてでも演技をしてしまう、というラストだけど、冒頭の将棋盤もらうくだりで “やめたいって言いづら…” と春香の性格を端的に描いてるのが秀逸ですよね。単に断れないことがギャグとしても楽しいんだけど、春香のキャラクター、そしてその悩みを取り払ってくれるのが将棋の、勝負の世界なんだ、という結論。表面はギャグなんだけど、めちゃくちゃちゃんとしてるし、何なら感動的ですらある。

『あやかしトライアングル』

 すず脳内独り会議。めちゃくちゃ面白いな。というか、めっちゃ便利なのでは。先週あんだけシリアスにキスシーンを描いてからの、今週 “キスだよね あれはもう” と独りガールズトークしてみせるの面白すぎでしょ。
 からの “なに恋緒先輩に話してんの……” も笑った。真っ先にツッコむのがそこなのか、というのが目から鱗だった。
 んで、画楽。既にカゲメイと会ってたらしい。ん? ということは? って展開が良かった。 “メガネ割れました” も最初は変な言い回しとしか思わなかったけど、最後にメガネ外す場面に繋がるのが良いよね。裏切り者のメガネ外しは定番ですが、その前フリが良い。
 どうでもいいけど「画呪術」ってめっちゃ言いにくいね。「呪術」は『呪術廻戦』でお馴染みのワードなはずなんだけど、そこに1文字加わるだけでめっちゃ噛む。

『二人の殺し屋』谷本達哉

 読切。ジャンプショートフロンティア。以前、といっても2017年とかなり前、『グーとグー』で1回お会いしてる。かなり面白かった作品というのを記憶しております。調べてみたら年間ベストで8位。当時の感想読み返してみたら、冨樫フォロワーというのを強く感じたらしい。そんな気もしてきた。
 殺し屋の凸凹バディもの……と思ったら、というオチが良い。2人のキャラとアクションだけでまとめるタイプの読切かと思ったら、しっかりどんでん返し系だったわけね。あの手の戦闘狂キャラも少年漫画の世界では、扱いようによっては主人公っぽく見えてしまう、というトリックが秀逸でした。魅力的な少年漫画の雰囲気を整えられるからこそのトリック。読者として「こういう凸凹バディ良いよねぇ魅力的だよねぇ」と勝手に「こういうもん」と決めつけてしまってました。これは見事だわ。短期決戦のショートフロンティアらしい良さがある。
 アクションの始まりを告げる顔チョンパの描写も簡素で省略してるけど、「いやこれめっちゃグロくね?」となるバランスも良かったと思う。絵としては全然グロくないんだけど、描かれてるものを想像すると「めっちゃグロいやん!」となる。
  “あ やっと目が合ったな” のセリフ、気が利いてて良いよね。オシャレでありつつ、バトル開始のゴングのような場面で緊張感を誘う。そして、ここでショッポが目を合わせたのは相手の煽りに反応したのではなく、最後の標的に向けて仕事を始めるから、とオチを知ってから読むと別の意味も生じてくる。
 終わり。すげぇ良かったわ。シンプルながら完成度が高いと思う。ワンアイディア勝負なんだけど、そのアイディアの見せ方、盛り上げ方がうまいというか。

『ウィッチウォッチ』

 細かいし、どうでもいいし、好みによるんだろうけど、 “オレは真面目にやったんだ” “真面目か!” はおかしいと思う。「真面目か」ってツッコミ、割と定番だけど、自ら真面目と言ってる人に使っても面白くないと思うの。
 話としては、モイちゃんが煩悩に目覚める。どうせ煩悩以外の抑圧も解放されちゃってたんだろ。お前のやり方は分かってんだよ篠原ァァァ!!……とめちゃくちゃ身構えながら読んだら普通にラブコメして終わったのでずっこけた。ごめんよ篠原先生……。まともな読み方が出来ない呪いにかかってしまった。
 せっかくだからモイちゃん学校でモテる件を持ってきても面白かったと思うけど、そこまでやると本当にモイちゃんが堕落してしまうのかもしれませんね。ある意味先週の人狼と同じ話だw
 映画館デートの次の場面でいきなり学校になってるので落丁とか疑ってしまった。

『NERU-武芸道行-』

 はみ出し者の小屋。そこで針術専攻の先輩と出会う。針術良いね。リアルにあるのは分かるけど、どこまででもハッタリかますことが出来るオモシロ題材だと思う。私としては映画『キスオブザドラゴン』思い出すな。あとは『トリコ』のノッキングとか。
 ネルの武芸書を雑に扱う件、それによって彼が悪役となるわけでもなく、彼が謝罪するわけでもなく、ネルが怒って逆転するわけでもない。このバランス、落とし所はすげぇ意外で面白かった。まぁ、確かに、本を床に捨てただけなので、そこまで絶対的な悪というわけではないんだけどね。とはいえ、漫画的に、物語的に定番の描写なので定番通りに行かないのが面白かった。
 教室でのワイワイ。前からその気はあったけど、本作こういうのめちゃくちゃ良いですね。いつの間にかめっちゃ魅力的なキャラが揃ってるし、今までそれほど絡んでなかったキャラ同士にも十二分マジックが生じてる。「ラブコメやんけ」と驚くオチとか最高だったわ。まぁ、みきおを生み出した作品(作者)なのでこういうキャラの魅力、友達同士の関係性で魅了するのはお手の物なのでしょうね。みきお、すげぇもんな。
 石積み。先輩うますぎる。いやデカすぎぃ!! という驚きに溢れたコマが良かった……と思ったら最後、とんでもないインフレを遂げるので笑った。 “芯が分かりゃこんなもん永遠に積める” ので、石の数や大きさは関係ない。あれが原理として可能なのは分かるけど、単純に手が届かないよねw さすがに投げたとは考えづらいですし。

『レッドフード』

 試験だから殺せない、だから強気に攻める。作戦としては理解できるけど、じゃあそもそも試験内容おかしい気もする。別に手錠作戦関係ないのよ。殺しちゃうから戦いづらいの件は。
 そんな話の直後に “対人戦のグリムは” “危険すぎる…!!” と言われても「けど殺されないんでしょう?」とか思っちゃう。殺せない件は正論だけど「それを言っちゃあおしまいよ」でもある。そもそもデボネアも半殺しにする方法あった気がしちゃう。
 ボンカースの回想。イメージが違いすぎる。たった10年で立派になったな……。
 火事場泥棒を見て人の悪意を知る。おとぎ話的な短いエピソードなのは分かるけど、怪我&火傷してる子供を見て「お前がやったのか!」とはならないんじゃないかなぁ、とか。あの場で喋れなくするためってのは分かるけど、単にパニックでうまく言葉が出てこないとかでも全然いい気がする。死体が時計持ってたのも悪い方に働いてしまうくだりもちょっと飲み込みづらいというか、あの泥棒の相方も泥棒だったってバレると思うし、そうなったら彼の言い分に説得力はなくなるし……とか。いや、泥棒ということは認めて「殺されそうになった」を押し通すのかな。そのくらいムカつくことはしてきそうだ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9/27に週ちゃんのLINEスタンプが発売開始したからみんな買ってね! という話。
 からのジャンプのスタンプ特集。『高校生家族』の謎の残像は笑ったわ。意図が分からないし、スタンプとしてどう使えばいいのか分からないw

次号予告

 『夜桜さんち』100話記念、10巻発売記念、2周年記念、世界累計100万部突破記念。表紙&巻頭……&一挙2話掲載。景気が良すぎるので笑った。そもそもジャンプだとあまりやらない企画だよね。一挙2話。めちゃくちゃなことになってる。アニメ化発表でもしないと割が合わないような気もするんですが、そこらへんどうなのでしょうか。
 『ダンダダン』が出張。『ダダダダーン』が連載化したというこのタイミングで。ややこしい。

目次

1話で速攻ミスしました!すみませんでしたごめんなさいもうしません多分!!
(『PPPPPP』)

 何のミスをしたか言ってよ……。

レッドブルが好きです!なんか目が覚めるような気がします。味もおいしいです
(『SAKAMOTO DAYS』)

 レッドブルは味が良いんだよなぁ。エナドリ的な側面はさておき、超絶おいしい炭酸飲料。エナジー要素抜いていいからコーラみたいなサイズ感で売ってほしい。……いや、あのサイズだからうまいのかもしれない。味濃いし。

娘がスタッフ達を「にぃに!ねぇね!」と呼び膝に座りアイドルと化してます。
(『ブラッククローバー』)

 微笑ましい&羨ましい。てか、よく考えたら親が「アイドルを化してます」とストレートに言っちゃうの、結構な親バカだよね。実際可愛くてアイドル化してるのは明らかなんだけど。

四国八十八ヶ所巡りにちょっと憧れる。今の体力ではきっと1か所で限界。
(『あやかしトライアングル』)

突然スーパーカブが欲しくなったけど行く場所と乗る時間がないのでやめました。
(『ウィッチウォッチ』)

 憧れてはすぐ言い訳を探して諦めてる大人たち。てか、義兄弟じゃねぇか、揃って後ろ向きすぎるw

愛読者アンケート

 今年映画館に行った回数。10回以上。
 観た映画。『竜とそばかすの姫』『ゴジラvsコング』『ヒロアカ』『ワイスピ』『るろ剣』『るろ剣』『ファブル』『ブラックウィドウ』『ジャングルクルーズ』『孤狼の血』『新スースク』『フリーガイ』『シャンチー』『ピーターラビット2』。
 複数回観た映画。ない。今年は去年のしわ寄せでせわしなく新作が公開されてて複数回行く余裕はなかったなぁ。そもそも複数行くこと少ないけど。
 音楽のサブスク。主にspotifyだけど有料に入ったり抜けたり。たまにyoutubeも使う。

総括

 先週あたりからブログが大忙しでした。フル回転なのですよ。ワシは感想書く機械なんじゃ……と自分に言い聞かせて黙々と書いてた。正直マジ疲れた。けど、ジャンプ横に置いてブログ書く姿勢になるとすらすら書けるというか、集中力を吸い取られる感覚。僕、文字書く仕事なんで、こういう適当なタッチの文章なら際限なく書けちゃう。
 ネタですからね。

 今週のベスト作品。読切。面白かったです。
 次点『高校生家族』。ベストにしてもよかったくらいなんだけど、読切がとびきり良かったので。

 今週のベストコマ。『ONE PIECE』の割れる空。

 最後に今週のベストキャラ決めて終わります。こちら。

  • オカ研 『呪術廻戦』
    • 良かったですね。単にレアキャラ出してサプライズ、だけで終わらないのが良い(それは彼女の仕事ではないが)。

gohomeclub.hatenablog.com