北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年44号の感想

 まだ暑い。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in 英語。『ウィッチウォッチ』モイちゃん。短く簡素な文なので決めシーン、決めゼリフっぽい雰囲気を感じる。例によってどんな使われ方をしたか覚えてないんですが、「No」と来たら「I'm not weak」と続くのが正しいんじゃない? 日本人が間違えやすい英語みたいなのでなかったけ、こういうの。

表紙

 『夜桜さんち』。ゴリアテはいるけどアイさんは不在。つらい……と思ったら一挙2話掲載で歓喜することになる。

第15回J金未来杯開催

 次号からだそうです。エントリーされた5作品の紹介がされてるんですが、煽り文句みたなのが添えられてるのが印象的。前からこういうのあったっけ? すごい新鮮でした。
 たぶん誰も知らないと思う。絵も名前もピンとこない。まぁ、これで調べたら感想書いたことあった、なんて可能性もありますが(来週以降調べる)。
 現連載陣だと『ブラクロ』『夜桜さんち』が人気なので金未来杯的にもありがたいでしょうね。まぁ、金未来杯のときの作品の連載化ではないんだけど。
 あと、これ毎回書いてると思うけど、一応建前としては、ルールとしては、連載権を争う大会ではないです。たぶん毎回優勝作が連載化してると思うけど、別に優勝しなくても連載にはなる。たまに優勝した人より優勝逃した人が先に連載になって「なんでやねん」となったりする。じゃあ優勝したら何がもらえるのかというと、「優勝おめでとう」のみ。普段の連載と何が違うのかは、永遠の謎です。いや、アンケートハガキに「支持する/しない」の枠が発生するので、たくさんの人から直接可否の判断を下されることにはなる。あと多少は話題になるので通常の読切よりはさすがにオイシイとは思う。

読者プレゼント

 杉田玄白。メインの「買いたい新商品 タンマリ・アゲトミア」がなかなか良い。ターヘルアナトミアもうちょっと良いのなかったのか、とか思わんでもないけど。

巻頭カラー『夜桜さんちの大作戦』

 ボイスドラマ&ボイスカレンダー化だそうです。ものすごい派手な発表なのでたぶん特別なものなんだと思う。宣伝用に漫画に声がつく企画あるけど(ボイスコミック)、あれとは違うものなのだと思う。キャストも違います。よく分からんジャンルだ。
 本編。2周年、100話、世界累計100万部突破記念。だから百が出てくるのですね。先週気づけば良かったw
 皮下と面会。夜桜家に深く関わった外様の男性、という共通項ですね。意外なほど好意的にコミュニケーションしてくる(ように見える)。皮下が新たなメンターになりそうな雰囲気も感じつつ「ヤバくない? 大丈夫?」と心配も誘うような感じもあって面白い。
 そして、そこに夜桜家に婿入りしたパイセン男性が登場して、100話完。皮下が悪のメンターっぽいんだけど、言うてもパパもめっちゃ怪しい存在ですからね。その2人に挟まれて揺れる太陽にハラハラさせられつつ、一家大集合のオチも熱い。女系の一族における男たち、というテーマが本作面白いです。血族の話って多いけど、婿の視点からそれを語ってるのが本作の強みだと思う。

 ボイスドラマ、ボイスカレンダーの発表が大々的になされたおかげで、第1回キャラクター人気投票の告知がめっちゃ端っこに追いやられておる(先週されてたけど)。
www.shonenjump.com
 オールweb投票だそうです。1日1回感謝のweb投票。敷居は低いが、ファン度が低い人はそもそも企画に気づかない可能性もあると思うので、濃いファンの影響が強い結果になるかも。
 アイさんにトップテン入ってほしいけど、本作はメインの兄弟姉妹だけで8枠埋まるんですよね。そう考えるとすごい作品だ。よく野球漫画がジャンプで当たらないのはチームメンバーを9人も紹介するのが大変だからって言われがちだけど、本作はほぼ同数。ゴリアテ入れたらちょうど9。『夜桜さんち』野球漫画説あるでぇ……(なんでだよ)。

『夜桜さんちの大作戦』

 番外編。まさかのアイさん回であった。超嬉しい。と同時に「本編ではやれないってことですかぁ?」とかなる。ピリつきすぎです。
 とにかくアイさん。6人+1匹の元でいろいろな修行(?)をする。アイさんを通じて家族を紹介するような内容でもありましたね。まぁ、結局のところアイさん百面相というのがメインウェポンなのは間違いないです。アイさん可愛いよ。ホントは四怨にも1票入れたいけど、アイさんが同数票だと納得できないので最低でも計3票は入れると思う。いや、そうなるとゴリアテも入れたい。じゃあ4票。いや、ゴ1、四2、ア3にするかも。
 長男も子供には弱いので溺愛するかと思いきや、精神的な追い込みがエグい。いや、やってることはこないだの太陽の試験と同じ感じか。「スパイになる」と聞くとああなってしまうのでしょうね。ストーカーキャラを前面に出すのではない内容が面白かったです。「大切な人を失った自分を想像しろ」って部分はストーカー要素が背景にあるんだけど、前面ではない。

ONE PIECE

 ヤマトはモモのサポートに回る。なるほど、これは良い落とし所。ヤマトがルフィと並んで戦ってる姿は感動的だったし、モモも助けられるだけの存在じゃないのが重要だったんですが、それでもやっぱルフィとカイドウのタイマンは見たいじゃないですか……というワガママに答えてくれる。
 ヤマモモの仕事は島を止める。カイドウが負けたら島は落下し、火薬が爆発して大惨事。あー、これは考えてなかった。言われてみれば当たり前の話なんだけど、頭のどこかでカイドウが負けることを考えてなかったのかな。申し訳ない。
 一方、ゾロとキング。キングの翼が斬属性らしいので笑った。律儀にゾロ用の敵ってことになるのね。竜斬りの件はもうやっちゃったので、あとはシンプルな強敵バトルってことになるのかな。それはそれで楽しみ。いや、キングの正体がまだあるか。

僕のヒーローアカデミア

 相変わらずステインかっこいいな……と思ったら横顔すごいので驚いた。今までも探せばあの角度のショットあったのかな。
 海外のヒーロー事情。ついに来たか、この話題。ここまで事態が大事になるとさすがに出さないわけにはいかない。ヒーローを国際派遣するとその分自国の守りが弱くなるから慎重にならざるを得ない、と今まで出てこなかった理由も語ってるのが良いですね。そして、今年の映画『ワールドヒーローズミッション』ネタもあるわよ。
 と思ったらアメリカのNo.1ヒーロー登場。激アツ。画風が違うぜ!! と素直に喜んだんですが、数秒後、冷静になって考えると、『ワールドヒーローズミッション』へのネタ出し惜しみしたのですね……とも。正直あの映画の海外ヒーロー、ダジャレで作ったようなキャラだったので正直そこまで魅力を感じなかったんですよね。
 あと、『ヴィジランテ』ファンとしてはキャプテンセレブリティも期待しちゃうんですが、登場する可能性はなさそうですね。来日するのめっちゃ大変そうなので。てか、『ヴィジランテ』本編にて来日したということはそれだけショボい存在だったと説明されたようでもあるかw
 ただ、キャプテンセレブリティが「CC」で、今回のスターアンドストライプが「SS」なので、堀越先生がキャプテンのこと忘れてないっぽいのが嬉しい。このノリで、AA、BBも出てくるかもしれない。「アメリカは任せろ」的な感じなら余裕で出せるだろうし。

『呪術廻戦』

 過去の術師は価値観が違うので、基本的に殺し合いだと強い傾向にある、という設定はうまいな。強い新キャラがほいほい出てくるとちょっと都合を感じちゃうじゃないですか。それに対する理屈。まぁ、この「昔の人強い」理論が実際に活用されるのかはまだ謎なんですがw
 んで、虎杖、伏黒入場。ランダムな位置へ落下するらしい。バトロワ型のゲームってことなのでしょうね。やったことないので曖昧な知識しかないけど。冨樫がオンラインゲーム(MMO)をそのまま扱ったけど、今はそもそものゲーム観が違うので……みたいな。
 初心者狩りはグリードアイランドでも出てきたけど、本作はそのままアクションに直結するのが楽しい。実際のバトロワゲームってこういうのどうしてるんだろう。正直初心者狩りが横行してるようだとクソゲーじゃない? 知ってれば対処できるのかな。

センターカラー『破壊神マグちゃん』

 ミュっさま、ショタモードで表紙飾っとるやん。マジか、これは嬉しい。弱体化がデフォルトという扱いになると思ってたけど、表紙になるとそう単純な話ではないのかもしれない。
 本編。流々ちゃん特製マグちゃん弁当。初回の感想でも書いたけど、流々ちゃん、自分のこと「流々ちゃん」って呼ぶんだよね。中二、中三で。ぶりっこみたいなキャラクターではないのが意外だ。精神的な幼さが残ってる、みたいな表現なのかな。
 マグちゃん弁当。漫画ならではのデフォルメとか突飛な表現はなく、すげぇリアルで作れそう。中三でも作れそうなものを、というリアリティもあるだろうけど、ファンが作るのを狙ってるのでは……とか邪推してしまう。めちゃくちゃ出来そうじゃないですか。料理全然な私でも「あれをこうすれば」とか想像できちゃう。
 流々ちゃんが弁当忘れるので、マグちゃんが届ける。この冒頭のお膳立てパートにおける流々ちゃんがわちゃわちゃしてて可愛い。エクトプラズムも可愛いので笑った。こういうとこのセンスが本当に良い。心地よい。
 マグちゃんにとってあの弁当はレリーフなので見た目が何より大事。なのでチヌに頼るわけにはいかない……という場面のチヌが可愛すぎるんだよな。あのショックを受けるチヌ。小ネタにしてはパンチが効き過ぎてる。
 逆に、ナプタくんは料理にしか興味がないので、弁当に対する関心が高い。マグちゃんとナプタくんで弁当の見方、価値が全然違うのが面白いですね。だからこそのすれ違いが生じてる。
 んで、破滅ビームでガス欠。事前に破滅ビーム出したらガス欠してしまう、と説明があるのが本作らしい。このくらいは別にいきなりやっても飲み込みやすいと思うんですが。そういうめんどくさいとこが好きです。
 ガス欠マグちゃんが弁当でエネルギー補給をするか……という葛藤。からのアイディアで打破。一応事前の情報を踏まえたアイディアになってて本作らしい展開ではあるんだけど、それはそれでめちゃくちゃエネルギー使いそうなんですけど、みたいな疑問は残るかな。まぁ、ガス欠が問題というよりは時間切れが問題なので、あの場から省エネしながら早く到着する方法、と考えれば別にいいんだけど。描写的にガス欠の印象が強すぎる。
 んで、到着。ここでもレリーフに重きを置くマグちゃんと、そんなところは見ていない流々ちゃん。流々ちゃんの方はめちゃくちゃ感動しきりなんだけど、マグちゃんの方はツンデレというか、「別に彫像弁当なんだから勘違いしないでよねっ!」的なスタンス。さすがに2人が感動モードだったら湿っぽすぎたと思う。
 あと、当たり前かもしれないけど、最後、流々ちゃんがマグちゃんに弁当分けてあげてる描写があるのが良いですね。1つの食事を2人で分け合う、という構図が尊い

『アオのハコ』

 本格スポーツ漫画の雰囲気出てて面白い……と思ってると驚くほどの省略がなされて試合終了。気づいてたら負けてた、みたいな感覚が絶望感を誘う。このくらいの分量、バランスが本作的には理想なのではないか。かなり良かった。もちろん、スポーツ路線をもっと本格化するのも面白そうだし、普通に楽しみだけど、基本的に千夏パイセンを中心に世界が回ってる作品だと思うのでそれにも限界があるだろうな。
 そんな千夏パート。現地での応援の話になるかと思いきや、自宅。これも「同居」という本作の基盤となる設定を踏まえた展開で、性的(恋愛的)要素が極少な内容になってて面白かった。こういうのが出来るのは本作しかないと思う。
 2人の線の太さが違うのが気になる。どうやら大喜もボールペンっぽいんですよね。筆圧で太さが劇的に変わるなんてことはないので(濃さは変わる?)、2人のペンが違う、という感じでしょうか。だとすると千夏パイセンは最近流行りの極細ボールペンを使ってる可能性が。私は0.28派です。
 いや、大喜のボールペンが太すぎる可能性もあるか。実際、罫線と比較してもめちゃくちゃ太いし。ただ、あの置いてあるペンはボールペンだよなぁ。どういうことなの……。

『PPPPPP』

 例の体験型音楽には発動条件がある! とダダ先生が見抜く。先生めっちゃ優秀やん、という感動。そして頼もしさがある。この人に教わるほかに道はない、という確信。
 面白かったのは何よりその理屈。ルール付けが驚くほど明確に、ガチガチに設定されるので笑いました。たしかにクラシックって「曲の解釈」が大事とは聞いたことあるけど、それをこんな超能力チックな話にはめ込むとは。めちゃくちゃ面白かった。ここまで理屈っぽくなるとは思ってなかったので、本作に対する評価(期待)を改めなくてはいけないかもしれない。ひょっとしたらめちゃくちゃ私好みの作品なのでは……。
 その応用。曲の解釈の調査、そして実体験の掘り出し。それが合致したとき唯一無二の音楽が発揮される。その実体験は自分のものでなくてもいい。この飛躍、レベルアップは大事件だと思うんですが、かなりあっさりクリアしましたね。まぁ、今まで気づいてなかっただけということか。こうなると、途端に『アクタージュ』っぽい雰囲気も出てくるのかな。演奏に対するアプローチがかなりメソッド演技法的ですよね。「こう演奏したらこういう感情が喚起される」ではなく、「こういう感情を引き出しながら演奏する」みたいな。何なら『アクタージュ』よりも分かりやすくメソッド演技法を説明できてるのではないか、とか思ってしまう。

センターカラー『ダンダダン』

 『ダダダダーン』からの『ダンダダン』という掲載位置はやはり狙っているのだろうか。
 ジャンププラスからの出張読切。大人気なのは耳に入ってきてるんですが、読んではないです。
 事前のあらすじ紹介ページ。これが分かりにくい。正直読んでる人が見て「大体あってるw」と笑うようなノリを感じるというか、一見さんに対する説明するつもりがない気がする。ページとしてのオモシロを優先しすぎてるというか。
 本編についても大体似たような感想。個人的にはもっと自己紹介的な内容が読みたかったんだけど、全然分からない。普通に番外編って感じだったんじゃないかしら。まぁ、下手に自己紹介臭い話をやるよりも、いつものノリで一話完結やった方が作品の魅力が伝わりやすい、という考えも分かるんだけど、私は性格が悪いので「さすがに人気作はやることがちげぇわ」と卑屈になりました。
 女の子の超能力は冒頭の場面でやれることをしっかり示してくれるからいいけど、メガネくんの方がまったく分からないので終盤、逆転の一手として彼が活躍する場面で納得できないというか、思ってたんと違った。超能力の手の表現も面白かったし、それを踏まえたバトルも魅力的で、校舎崩壊のアイディアも面白かったんだけど、最後のメガネくんはダメっしょ。
 あと、決めのコマで文字が一切なくなる感じは『チェンソーマン』一派って感じがして面白かったです。まぁ、日常の場面から擬音めちゃくちゃ少なかったですね。
 『ゴルゴ13』は何か気まずいタイミングになっちゃったな……と変な気持ちになりました。だが、物語は続く。
 終わり。面白い作品なのでしょうと何となく感じられたんですが、「私はいいや」的な印象も増した。

センターカラー『アンデッドアンラック』

 カラー扉。風子の「よござんすね?」が似合ってた。スプリングの使う遺物にあわせたってことなのね。最初一瞬分からなくて謎コスプレみたいな印象が湧いてしまった。アンダー戦が盛り上がりすぎて正直スプリングさん影薄い。
 本編。アンディvsビリー。めちゃくちゃ面白いじゃないですか。そもそもビリーってラスボス的な雰囲気もあるので。もうこんなに盛り上がっちゃっていいんですか? 的なワクワクもありつつ、内容も最高。ビリーの能力を把握、分析しながら戦うアンディも最高だし、普通に考えたらどうやっても勝てない不死のアンディに対する有効打を次々に決めてくるビリーのアイディアにも脱帽。本作の良いところが詰まったような1話、極上のバトル回だったのではないでしょうか。下手すりゃ本作史上ベストエピソードとかそういうレベル。
 本作の理屈っぽさがバトルに反映されて素晴らしかったんですが、終盤アンディ渾身の大技という場面で “俺の最速の一振りだ” と喋った点、これが謎だった。せっかく “奴の眼はまだ治っていない!!” と言った直後なのに喋って自分の位置バラすの意味分かんないでしょ。
 しっかし、ラストのアレは気持ち悪いですね。グロすぎw

『僕とロボコ』

 コーヒーチェーンにおける呪文のような注文。最初にアホほど丁寧に解説したのが面白かったんですが、最初にちゃんと説明したからこそ後に何度か出てくるロボコの注文が楽しめるってことなのですね。横長の吹き出しでこまめに改行してるから意外と読みやすい。てか、ジャンプでPUNPEEネタ出てくるとは思わなかったな……(フィーチャリングホシノゲンにフィーチャリングされてるのがPUNPEE)。どうでもいいけど、私のいとこ、PUNPEEに似てる。
 メイコの可愛さで男性客が釣れる。オーダーメイドが一般化されてる世界なのに、あそこまでメイコの魅力がぶっ刺さるものなの?? みたいな疑問は少し湧いた。メイコってモツオ仕様で特別に可愛いみたいな設定だったっけ? 覚えてない。言動が可愛いってのは分かるけど、それは接客時に伝わることであって、呼び込みの際には伝わらないと思う。

『逃げ上手の若君』

 子供の正体がバレたかも、という場面で追いつめる側のイメージに『名探偵コナン』を使うのは無駄にややこしいだけだと思う。正直貞宗に『コナン』的な要素まったくないし。
 あと、恋愛シミュレーションゲームのコマは、印刷が潰れて他の選択肢が読めないです。紙派は肩身が狭い……
 ラストの正座のくだり、良かったですね。最初の敵対してるのに礼儀を尽くすことの大人感とも通じるし、貞宗の大人としてリスペクトできる面もある、という扱いが良い。
 ただ、現在まで続く正座カルチャーは貞宗の功績らしい件については「すげぇ」と同時に「こいつさえいなければ……」みたいな気持ちにもなりました。メリットがよく分からない座り方だと思っちゃうんだよなぁ。

『SAKAMOTO DAYS』

 シンの超能力方面のレベルアップ。ちゃんと事前に説明というか、理屈を把握していたのですね。これは良かった。単に死にかけで覚醒、という雑な展開だと思ってた。すげぇちゃんとしてる。思考のうるさい相手だったからこそ、というのが丁寧。
 からのルー。マフィア上戸は面白かったんだけど、ちょっとルー強すぎじゃない? というか死刑囚が弱すぎ。これだったら坂本とか組織の皆さん、苦戦する要素ゼロだろ。大丈夫なのかしら。シンの超能力によるサポートがあったから、みたいなロジックはなく、単にルーが単独で圧倒しちゃうのでガッカリもあったかな。
 あと、別に無水エタノールじゃなくても消毒用エタノールでよかったのに、とか気になった。高濃度だからより強いってことなのかしら。ちなみに『酔拳2』では工業用アルコール飲んでパワーアップするのでそこへの目配せでしょうね。

『マッシュル-MASHLE-』

 加勢の件、「普通にダメだろ……」と思ってたら普通にダメだった。冒頭の何となくアリっぽい雰囲気で進行したのが逆に気になってくるレベル。誠実やんけ。いや、審議してくれるだけ主人公側に有利すぎるのかな。普通、門前払いで下手すりゃ失格でしょ。まぁ、ヴァルギス側も相当怪しいことやってるのが明らかなのでそこらへんも考慮した結果、ということなのかな。じゃあ誠実やん。
 ババ抜き。 “どゆこと? 引くなって?” のくだりめっちゃ好きなんですが、「なんで手札把握してんだよ」的な疑問もあるっちゃあるか。あと、ドットくんの手札丸見えの位置に行ってるのもヤバい。

『高校生家族』

 写真部のフリっして一郎へのイジメの証拠を撮影するの巻。なんでも “いじめだ…!!” と誤解する感じとか面白かったし、あの過敏になりすぎて何でもイジメ認定してしまう思考には妙なリアリティも感じた。よくオジサンが「何でもハラスメントになっちゃう時代だから困ったよ」的なこと言うじゃないですか(この発想はどうかと思います)。それをひっくり返した話ですよね。本来なら上の立場にいるはずの年長者が高校の中では下にいるので、というツイストが面白い。
 『マッシュル』に続いてオモシロトランプ展開になるのも良い。こっちは現実的な範囲の話。ただ、エースのトリプルは出すタイミングもうちょっと慎重になるべきだったと思うの。ジョーカーと2が場に出た数を把握して確実に切れるタイミングで使うでしょ。あれがカード交換をしたあとの2試合目以降なのかは分からないけど、西くんが大富豪だったらエーストリプルを返すカードを持ってる可能性はめちゃくちゃ高いわけですし。
 唐突に出てきたオジサン好きの渡辺貴子さん。妙に色っぽくて「たしかに高校生には興味がなさそうだ」という感じで良い。再登場してほしいなぁ。 “知ってた…” の余韻も素晴らしすぎる。分かってて告白したのか!!

『あやかしトライアングル』

 画楽とのバトル。画楽というより祭里への救援の2人が良かった。単に絵的なかっこよさだけではなく、攻撃にアイディアがあるのが良い。ただ、難を言うなら、筆を折る大コマの場面、初見じゃ何やってるか1ミリも理解できなかった。速く動いて2人に見えてるのかと思ったら具体的に2人いたらしい。
 画楽、どこまで裏切ってるのか怪しいところもあったんですが、それよりも気になったのが、カゲメイの元に行った際にメガネが復活してる。裏切り、偽装のアイコンとしてメガネがあるなら正体を明かした画楽はずっとメガネナシでいいじゃないですか。『BLEACH藍染がそうだったように。なのにカゲメイの前でメガネ。これはさらなる裏切りもあり得そうですね。扉で命依に対する恋心を強調してたけど、当然あの頃はメガネがない。だとすると、メガネをしてる今は違う考えを抱いているのでは……という可能性。これはオモシロメガネ演出の予感がするのでワクワクします。
 ついでに言うと、ショタ化した日喰は眼帯というこれまた目を覆うアイテムを身につけてるのが気になりますね。

『ウィッチウォッチ』

 汚い字を再現するのって難しいんだな……と痛感した。ちょっとあれデフォルメが過ぎるというか、字が汚い人の汚さってああいうのとは違う気がする。まぁ、最初だけだったらいいんだけど。
 んで、本題としてはお茶。祖母によるテストがあるのでシンクロ魔法でモイちゃんが頑張る。リアリティを出すために 茶道部の協力を得て” って一文を入れたんだと思うけど、「それなら茶道部の子に魔法かけろよ」ってなるよね。独学だけだけにしたら全国の茶道部の人から「茶道ナメんな!」って言われる可能性があるからあの一文を入れたんだろうけど。
 シンクロ。喋るのもシンクロするので……というギャグは正直面白くなかったけど、モイちゃんはエアでやるので距離感とか掴むのがゲキムズという部分はめちゃくちゃ面白かった。篠原先生の理詰めが理想的な形で現れてると思う。たしかに日舞とかならいいけど、モノに触れるのは難しいよね。これは実際にやらないと気づかない落ち度、ということでリハーサルなしだったのが響く。カントリーマアムのくだりも良かったなぁ。距離感とかだけでない要素まで出てくる。
 そんな細かい部分がめちゃくちゃ面白かっただけに、ラストのハチ退治は「当たるワケないだろ」と思っちゃう。無理でしょ。筋力も違うし、あんな精密な距離感が要求されるアクション、100%無理だと思う。外れたけど、動きが美しすぎるので感服、とかなら納得できるんだけど。

パラダイム パラサイト パラダイス』松田知隆

 読切。ジャンプショートフロンティア。金未来杯開催中も本ページは続行らしいので安心しました。正直こっちの方が面白いと思うよ……。
 ニートと寄生宇宙人の漫才。クズニートぶりが面白いんですが、風呂入らないようなニートはオシャレもしないと思うの。何でも美女でコーティングすることの限界を感じるというか、齟語。
 引きこもりニートなので外の世界がどうなってるか知らない、という衝撃の場面は良かった。ニートならではの展開になっててすごいw 世界がひっくり返るような驚きの展開がショートフロンティアらしいし、それを見ても主人公のクズ発言が止まらない(漫才が止まらない)のも良い。
 ゲームのサーバーごと消滅するのは困る。この発想も良かった。最初から「ガチャ」という単語が頻出するんだけど、そういうゲームは運営ありきだよな……。ソシャゲならではだ。まぁ、電気がなくなったらすべてのゲームができないってのはある。
 そんな「ゲーム=ガチャ」という前提が見事だったので、逆に言うとラストの活躍の場面で急にFPSの話が出てきたのは残念だったかな。目が良い、というフリは一応あるんだけど。
 最後の名言引用改変オチ、正直それほどうまい内容だったとは思わないけど、試み自体は面白いし、ニールアームストロングが可哀想すぎるのは笑った。怒られるぞw

『レッドフード』

 今週めちゃくちゃ面白かった。アイディアの詰まったアクションも、その絵も楽しいし、物語要素も感動的。それでいて個々のキャラクター的な魅力も随所に光ってたと思う。
 主人公じゃなくてもええんやで。自暴自棄なボンカースへの救済の言葉として感動的でした。まぁ、彼にとっては彼が主人公なんだからそんなに卑屈になるなよ、的な話でもあるので「脇役じゃねぇよ」ともなるんだけど、まぁ言わんとすることは同じでしょう。
 んで、対グリム戦。ベローが抱きつき、めっちゃ動きにくくする。勝てはしないけど、というリアリティも良いし、手錠を逆に抱きつきの固定のために使う、というのも見事。あと、小柄男性が大柄女性に抱きつくという絵面が性癖に刺さる。バトル的に、アイディア的に面白い場面にも性癖要素入れてきて、川口先生いいぞ。本作の良さがちょうどいいバランスで実を結んでると思う。
 逃げという攻めが成功する。つまり、ベローとグリムが2人きりになるので……とここでグリムが私的な顔を見せるというか、師匠として個人的なアドバイスをするのが良い。ここらへんデクとオールマイトみたいな関係性とも近いのかな。オールマイトはみんなの教師であると同時に、デクの私的な師匠でもある。依然として抱きついたままという絵面がキュンキュンする。正直腕届かないように見えるコマもあるけど、そんだけギュッと抱きしめてるのかと思うとまた別の良さがある。
 んで、兄妹。ベローはいないけど、ベローの善意がボンカースを通じて伝播していく、というのが感動的。ボンカースのドラマとしても良いし、不在でも物語の中心にベローがいると分かるのも良い。

『NERU-武芸道行-』

 野良試合と正試合。ここらへん『食戟』っぽいですね。こないだ『PPPPPP』に対しても『食戟』っぽさは感じたし、何気に今のジャンプに対する『食戟』の影響って無視できない大きさなのでは……。
 正試合は成績に反映されるのがメイン……と思ったら真具を使う方がメインであった。真具を使うことの恐怖をここまで大々的に、それでいて丁寧に描いたのは良い。たしかに武芸学校という設定においてめちゃくちゃ大事なテーマだわ。
 フードを取ったら、という展開もベタではあるが効果的。ピアス&スプリットタンというキャラデザもそのまんまではあるが、あのキャラクターを端的に示してて良い。てか、ジャンプでここまでリアルなスプタン見るとは思わなかったな……。スプリットタン、下手にググると苦手な人は悲鳴が出ることになるので注意が必要です(前やって悲鳴出た)。舌先を切って蛇みたいな2つに分かれた舌にすることです。人体改造ですわ。
  “燃えるように熱く脈打つ心地良さだけ” というセリフも良い。耳切ったことはないけど、血が出るような怪我をしたときにドクドクという感覚に味わったことある人なら大勢いるのではないでしょうか。あれに快感を見出してしまったのか……というヤバさの説得力。
 真具を使った試合、ビビったのは確かだけど、その対象は自分の殺意。 “俺は人を殺せる人間だ” ってめちゃくちゃ中二臭いセリフなんだけど、本作においてはめちゃくちゃ正論、かつ誠実な話だ。真具を使うことの重大さをここまで丁寧に描いてくれるとは。めちゃくちゃ面白い。
 そして、そこで留まったことこそが武芸家としての本質、というラストも良い。いつの間にか「武芸とは」という根本的なテーマの話にもなってるのが見事ですね。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 10/10は目の愛護デー。こないだツイッターで10/01がメガネの日みたいな扱いになってたけど、まぁどっちでもいいか。
 とにかくこの1年におけるジャンプのメガネ事情。ぶっちゃけ週ちゃんのメガネ特集は切り口がオシャレすぎるので「私の知ってるメガネじゃない……」って感じも少なからずあったんですが、さすがに毎年やってるとその切り口もネタ切れだったんでしょうね。メガネがどう扱われてきたかの話になっててめちゃくちゃ私向き。メガネ演出みたいな話にもなってて、もはや私が書いたんじゃないだろうか、というくらいの好みの合致度だ。てか、当時感想で書いたような話も載ってますね。やはり私のメガネ感想は間違ってなかった、というか同士は自ずと同じことを考えるのですね。
 真希メガネ、飯田メガネ、入江メガネは当時のジャンプ感想で触れましたし、先生はメガネかけがちとか、友人もメガネかけがちという話はメガネ記事で書いた。すべては私の轍の上だよ……という傲り。というか書いた話の内容が未だに通用することに感動もしました。瞬間的とはいえ、週ちゃんレベルの記事を書けていたのかも……と思うと嬉しい限り。

目次

ぶどうは種無しで皮は食べないタイプのが好きです。山梨産が強い気がしています
(『呪術廻戦』)

 こないだ『ガッテン』でぶどうは種ありの方がうまい、種なしは素人、みたいな話やってたんだけど、食べやすさも大事だよねぇ。食の満足度の構成要素として食べやすさはうまさと同じくらい重要だと思う。

ワクチンの副反応で頭痛がしんどいです。これから打つ人は気をつけてください
(『SAKAMOTO DAYS』)

 今まで考えてなかったけど、漫画家のワクチン接種って大変ですね。腕使えなかったら話にならない職業だし。ほとんど休載ナシでやってるけど、みなさんどうしてるんだろう。ワクチン休載とかあってもいいのよ。

早く『DUNE』を観たい!! IMAXで観たい!助けて――――――!!!!!
(『レッドフード』)

 公開初日に池袋のグランドシネマサンシャインに行ったら川口先生に会えるかもしれない。上映前に「毎週『レッドフード』楽しみにしてます! ありがとうございます!」と叫べばワンチャン川口先生に伝わる。そして大勢から白い目で見られる。

愛読者アンケート

 現在連載中の作品で、連載途中から読み始めた作品。これは興味深い質問。途中参加って連載漫画にとってめちゃくちゃ大事というか、死活問題でもありますね。ちなみに私は『ONE PIECE』のみです。あと『HUNTER×HUNTER』か。
 その理由。『ONE PIECE』はアニメだったかな。とにかくあらゆる方面で話題になってたから、入り口がどこだったか、今ではよく思い出せない。
 『夜桜さんち』特別企画について。楽しみにしてるもの、楽しかったものはどれか。本作が盛り上がるのは嬉しいことですが、正直気になってる企画はないかもな。いや、番外編は大満足だったので、それになるか。
 『ダンダダン』出張について。知ってた。SNSで見かけたことがある。
 読んでみたいと思ったか。思わなかった。

総括

 できれば『スマブラSP』の発表前に終わらせたかった気持ちもあったんですが(23時)、さすがに無理でした。桜井参戦だと思ったんだけど、違いましたね。マスターハンド引き連れた桜井とか面白そうだったのに。

 今週のベスト作品。『レッドフード』かな。『アンデッド』もめちゃくちゃ良くてそっちにしようかと思ったけど、僅差で。
 あとは『夜桜さんち』番外編とショートフロンティア、『PPPPPP』も次点。

 今週のベストコマ。『高校生家族』における、 “知ってた…” 。あの1コマ、あの一言で無限とも思えるほどの余韻、奥深いドラマが発生してたと思います。渡辺貴子さんはベストキャラにしてもいいレベルだったんだけどね。今週は無理でした。

 ということで今週のベスト作品。こちらー。

  • アイさん 『夜桜さんちの大作戦』
    • 単に登場しただけで嬉しいのに、ひたすらアイさんを愛でるような内容だったので最高。ありがてぇ……。

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