北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』25話の感想

 『8マンVSサイボーグ009』と同時掲載になる月は未だに慣れないというか、『サイボーグ009』が1つの雑誌に2つ連載してる事実に面食らってしまうw

gohomeclub.hatenablog.com

神話復活編㉕

 ちなみにチャンピオンREDでは巻中カラー。ゼロゼロナンバーの集合図です。001もいます。

 本編。ガイア博士とアポロンアポロンの攻撃は有効であったが、ガイア博士の方が一枚上手というか、余力的な意味でもやり過ごす。一撃必殺とはならなかったわけですが、ドームに穴が開いたせいで何やら異変が……と別の展開に繋がるのが熱い。初読時は「消えた奥様」に困惑しかなかったんですが、あの人の復活への前振りだったわけですね。ゲキアツですわ。アポロンの攻撃が無意味ではなかった、という意味でも良い。

 ということで、ヘラ復活! これは熱い。再び受肉モードですが、リコのときと比べると妙齢の女性になってる、という細かい描写の違いが良い。ヘラの貫禄的にはヒトミ奥様の年齢の方がしっくりくるかもしれません。実際の年齢(肉体的な設定の年齢)はリコのが近いかもしれませんが。

 一方ドルフィン号。『サイボーグ009』ファンとして我ながらどうなのかと思うんですが、ヘラ復活があまりに熱かったので、場面が009たちに移ることで焦らされたような印象を抱いてしまいましたw 本来なら009以外の場面が寄り道と言えるはずなんですが。それだけヘラ復活が面白そうだし、復活の場面の演出が良すぎたんだよなぁ。

 そして、004による「ヘレナありがとう」の話。原作のときのことを思い出しながら「あの時から」と言ってるのが良いですよね。原作における004の反省というか、振り返りも描かれる。

 そして、ヘレナの話かと思ってたら、まさかの「BGOOPARTS DELETE」の話へと繋がる。ミュートス編の二次創作的続編があまりに充実してたので忘れそうになるんですが、そもそも本シリーズは原作『サイボーグ009』に対してどのようなスタンスなのか。それに対するヒントのような情報、断片的、間接的な情報は今までにちょこちょこ出てたんですが、今回ついに確定的な情報が出てくる。今までの情報から何となく察せられたものではあったんですが、「平行世界」とズバリ言われるとやっぱテンション上がりますね。今まで無数に作られた『サイボーグ009』作品群を総括する設定としての「平行世界」。今、ハリウッドのアメコミヒーロー映画シリーズでは同様のマルチバースが本格的に取り入れられてるんですが、それも本来の目的としては「今までの作品をなかったことにはしたくないじゃん?」というところにあると思います。本作の平行世界も同じだと思います。そもそも石ノ森章太郎作品としての『サイボーグ009』の中でも矛盾というか、細かい整合性が怪しい部分とかありますからね。「地下帝国ヨミ編」の続きが存在してること自体、「なんでやねん」とも言えますし。

 とにかく平行世界なので全部乗せ。岡崎先生が把握してないという意味でさすがに『8マンvs』の記憶は搭載してないと思うんですが、それ以外の『サイボーグ009』作品だったら全部なのか? という期待。もちろん石ノ森章太郎作品に限るのかもしれませんが。ひょっとしたらアメコミ版『サイボーグ009』とか、アニメ映画の『RE:CYBORG』みたいな近年の変わり種作品のことも包括してくれてる……のかもしれないw

 そんな平行世界の説明があっただけで本話はもうお腹いっぱいなんですが、 “いつの日かあの〝真の敵〟に勝利するために課せられた…ボクたちの使命” と来ちゃうのでテンション上がりすぎて失神寸前。ここでそれを持ってるか!! 「天使編」の完結までも視野に入れちゃうのか。ヤバすぎでしょ。ちょうど今月の『8マンvs』が「地下帝国ヨミ編」の後日譚を真正面からやっててブチアゲだったんですが、岡崎版ではまさかの「天使編」。続編、新作として正統感のある『サイボーグ009』で見たいものといえば、やっぱこの2つですよね。はぁぁ、幸せやん……。『サイボーグ009』ファンなら誰もが考えるであろう未完の完結編の「もしも」の姿。それが本シリーズで描かれようとしてる。 “それこそがボクたち9人の真の戦い…” と劇中のセリフでありましたが、「それこそが岡崎つぐおの真の戦い…」という話でもありますよねw それこそ石ノ森章太郎という「神との闘い」。

 てか、岡崎版の本シリーズ、「神話復活編」だけでかなりのボリュームになっちゃってるので、本当に「天使編」まで到達できるのだろうか。岡崎先生そこまでの長丁場に付き合ってくれるのだろうか……とそわそわしつつ、マジめちゃくちゃ楽しみな計画の一端が見れました。単なる続編的な新作というだけではなく、「天使編」、ひょっとしたら「神々との闘い編」にまで足を突っ込むことになるとは。『サイボーグ009』の新作としての見たいものが凝縮してる。『8マンvs』では魔神像が活躍してるし、『サイボーグ009』ファンは忙しいというか、なかなかファンをやめられないw


 終わり。今月は『8マンvs』も劇中の計画が明らかになるファン垂涎のすごい回だったんですが、本作の方も負けじとすごい内容だったなぁ……。どちらも「今『サイボーグ009』をやるならアレしかないでしょ!」という気概を感じる素晴らしい内容でした。
gohomeclub.hatenablog.com