北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2021年48号の感想

 映画『ヒロアカ』全米公開おめ。普通にランクインしてる事実におののくばかり。

背表紙

 ジャンプ名台詞 in bahasa Indonesia。インドネシア語なのは分かるけど、bahasaってなんぞや。
 『ヒロアカ』よりお茶子。文中に「DEKU」とあるので、「頑張れって感じのデク」なのだろうと察しがつく。あれが名台詞なのかは疑問だが。

表紙

 『SAKAMOTO』。1周年。おめ。おまけに増ページもあるので景気が良い。てか、勝負の回なんでしょうねぇ。アンケート1位を狙うなら今だ、的な。

読者プレゼント

 ウミガメの産卵。ダジャレとしては全体的に凡庸なのですが、写真。産卵だってのにオッサン(女性がやってたら生々しくて笑えないってのはある)がウミガメの格好してて妙に感慨深い。飲食店でのアルコールの提供が広く解禁されたこともあり、モデルの起用も今後増えるのかしら。コロナを機にイラストメインに移行ってのも考えたこともあるんですが。
 てか、ここ、ジャンプの誌面上で最もコロナショックを感じるページなのかもしれない。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』

 見開きカラーは戦闘要員のマグショット。坂本が思ったより若いのでビビった。生年月日だよね、あれ。子持ちで、セカンドキャリアで28歳(今月末で)。マジか。
 坂本嫁の危機……かと思ったら南雲。先週のインフレ情報整理を考えると、「これはヤバい」の緊張感が一気に「楽勝やんけ……」となってしまう。
 初読時の印象としては「まさか嫁も実力者?」とか一瞬ワクワクしたので、あまりの楽勝ムードに少し肩透かしも感じつつ、嫁が強かったらいろんな話が破綻しそうなのでこれで良かったと思う。
 坂本が嫁のリスクを考慮してたのは少し意外。いや、当たり前なんだけど、その危険性を考えたらそもそも名前も変えずに、隠れもせずに生活してる前提がおかしい。まぁ、ここは掘り下げても面白くないと思うので、嫁が狙われるみたいな話はそれほどマジに扱われることはない、もしくは少ないと思う。
 所変わって東京タワー。相変わらず面白そうな場所をバトルフィールドに設定する。例のガラス床越しのスナイパーとか超面白いし、そこに跳弾ネタをさらにプラスしてくるのが最高。いや、ぶっちゃけ落下中のガラスに当たって跳弾とか無理だと思うんですが。そもそも跳弾する意味ある? 真上から脳天ぶち抜いたらそれで即死じゃない? とか言い出しても野暮なのでしょう。どうせ止められるし。
 からの糸アクション。立体的なドハデアクションぶちかましつつ、テンション上がったと思ったら、坂本登場。熱い。アクション的にすごいことをしたわけじゃないんだけど、エレベーターから静かに登場するのがかっこよすぎる。ここはもう映画的なイメージなんじゃないですかね。頭の中に映像が広がる感覚ある。

 1周年企画。オリジナル殺し屋の投稿を募るらしい。「登場してほしい」とは書いてあるが、本編に登場するとはどこにも書いてない気がする。見落としてるかな。まぁ、『夜桜さんち』とか大変そうだったし、無理してやらなくてもいいんだけど。

僕のヒーローアカデミア

 スターの新秩序についての説明(てか推測)。正直めっちゃどうでもいいし、こういうオモシロは本作向いてないと改めて思ったんだけど、 “犬にはモンちゃんで適用されるかなぁ?” の部分は面白かった。あそこでモンちゃんを思い出すのが味わい深いし、犬が自分の名前を認識してるのかという点も興味深い。ある程度名前を認識してる、聞き分けてるとは思いますが、それが人間レベルの名前という認識なのかは分かりっこないですよね。いや、研究者とかだと行けるのかもしれないけど。
 まぁ、そんなことはどうでもよくて、今週の『ヒロアカ』で、いや今週のジャンプで最も重要なのはアグパー司令の存在だと思う。ついに出ちゃったよ『スターウォーズ』パロの名前。いや、前回のウェッジもそうなんだけど、ウェッジは確定的じゃないというか、まだ言い逃れできるじゃないですか。「いやこれは『FF』オマージュなんですよ」とか言い出す可能性も残されてるので(それも結局『スターウォーズ』です)。とにかく、モロな有名キャラを持ってきた意味。堀越先生的に「せっかくのアメリカヒーローだし」という思い切りがあるんじゃないかな。
 てか、堀越先生は『最後のジェダイ』公開時にコラポポスターを描いてるんですよね。『スターウォーズ』好きは周知の事実を通り越してオフィシャル仕事も既にしてるレベル。ただ、その『最後のジェダイ』でアクバー提督は……そのぅ……。まぁ、あのポスターを描いた時点では本編観てないと思うので、映画を観て「何だよコレ!!」とブチギレた可能性もなきにしてもあらずw
 アクバー提督、基本的には有能なんですが、如何せん罠にハマった際のリアクションがミーム的に人気ですので、今回のスターも「It's a trap」フラグな気がしてならない……。まぁ、メタなこと言っちゃうと、スターは負けるために登場したみたいなところもあると思うので、せっかくなら「It's a trap」ネタをぶっ込んでくれないかなぁ。もう興味がスターよりもアグパー司令に移ってしまっているw
 スターのルールについて興味が持てないんですが、最終的なスターの作戦がおもくそパワープレイなので安心しました。痛快。そして絵的にも最高。今までのどのキャラにもなかったタイプのかっこよさであり、スケールのでかさ。いや、一応マキアとかいるけど。弔くん相手に触れずに倒すってアプローチも文句ないし、スターの決め技がパンチではなく「両手で包む」だったのも最高。空の上の巨人という絵面もそうだけど、もう何か神々しい印象ですよね。「手」というのが実に『ヒロアカ』的なモチーフであり、その使い方が「『西遊記』のお釈迦様かな?」という感じ。そっからのレーザーの槍(?)は名前の通りゼウスですね。「そこはアメリカネタじゃないんかい」って感じですが、歴史の浅いアメリカにおいて最も有名なな神話が『スターウォーズ』ってことなんだと思います。もちろんネイティブアメリカンとかに神話はあると思うけど、アメリカの神話っつったらやっぱ『スターウォーズ』だよね。

ONE PIECE

 錦えもんの下半身。下半身がどんな格好をしてようと、下半身だけの存在を見た瞬間「バギーだ!」と思ってしまう。
 そんな錦えもんの下半身とのコミュニケーションが面白かった。いや、なんで喋るのか知らんのですが。とにかくあそこで不完全なコミュニケーション能力を瞬時に理解したナミの頭の良さが好き。
 ヤマトが爆破を阻止しようとしてたけど、落下とは関係なく、自爆しようとする人が現れる。この展開は意外で面白かった。自殺大好きな人たちなので「心中」というアイディアを実行するのには違和感がない。
 ローとキッドの覚醒。ぶっちゃけ、ローの覚醒についてはよく分からなかったんですが、キッドの見せ場はかっこよかった。マムへの強力な一撃であると同時にモブ兵から武器を奪ってるのもおいしい。
 ……いや、よく考えると付与しなくても磁力操作であれと同じことできたのではないかという気はしないでもない。あれと同じことができるように成長してもよかったというか。

センターカラー『アンデッドアンラック』

 カラー扉。和装の2人、良いなぁ。すげぇ似合う。
 本編。否定者独楽。ポケモンバトルみたいになってきたな。先手後手を選ぶくだりとかは違うが。
 不死を取られて絶体絶命(ややこしい表現)。対する風子は不壊をチョイス。そこで風子の取る行動が先週までスプリングに対して行っていたのと同じ、コミュニケーション。ここらへん一貫してて良いですね。発動条件というのもあるけど、単に「風子が良い奴だから」でもある。
 スプリングと不壊の顔が似てる件。物語的な意味があるのか、単にキャラデザのバリエーションの問題なのか、判断がつかない。普通に後者だと思うけど、前者だと信じたい気持ちも少しある。不壊のことを理解すれば同時にスプリングのことを理解したことにもなる、と考えれば今後の物語的にもスムーズだと思うし。
 不壊は女。この手のサプライズはタチアナでやったし、ぶっちゃけ特別違いも感じられないのでそこまで面白くないかな。
 それよりも個人的に良かったのは、傍観者兼解説役のビリー。もはや敵という印象は薄いんですが、一応風子たちと敵対する存在でありながら、風子よりも遙かにユニオンのことを知っている。この距離感、関係性が良い。リアリストでもあるので風子に対してかなり辛辣なリアクションを取るのも良い。逆に言うと、そんなビリーの予想を裏切ることが出来れば対スプリング戦の勝機があるのかも……という感じ。
 んで、勝負開始でエンド。私だったらそもそも独楽をうまく回せない……とか余計なことも少し考えてしまう。何の説明もなく風子が独楽回せるってのも正直違和感あるんですが、まぁそんな細かいところどうでもいいってのも分かる。

Dr.STONE

 漫画的(絵的)には盛り上がるけど、無数のトライ&エラーを繰り返した果てにロケットが成功する、という部分に何のロジックもないのであまり面白くない。いつ成功するかは作者の都合のみで決定されてる感を強く意識してしまうというか。意地悪な言い方をすると、ただの遅延行為だったような印象もなくはない。
 逆に、明らかにロジックがありそうなのが、クロム。クロムが往復ロケットのアイディアをひらめく。もしくは気づきかける。ここ面白そうですね。どう考えても無理な話だと思うので、そこにどう理屈をつけるのか。現実にない技術を使うとなると石化及び復活だと思うんですが、ロケットの小型化(なのか?)とどう結びつくのか。
 んで、宇宙から地球観測できたので、現状を把握できる。58世紀の地球、という特大スケールのシミュレーションは面白いですね。いや、途方もなさすぎて、くられの監修をどこまで信用していいのか正直少し怪しくもあるんですが。まぁ、この手のシミュレーションは過去に考えられてることだと思うので、くられが考えたのではなく、くられが過去のシミュレーションを参照した、という感じかもしれん。そうするとそれなりに説得力あるかも。
 コハクのモニターチェック。 “残念だがその画像はデータとして送られてきている 視力は無関係だ” のツッコミ好き。結果的にコハクの眼力が頼りになるって話になるけど、おそらくコハクはそんなこと考えてもいないよね。科学知識のない人のリアクションにリアリティがあって面白い。

『アオのハコ』

 巻頭の回で大々的に煽ったあの展開がただの肩透かしで終わる。まさか今時こんなズッコケがあるとはな。いや、セクシーな話になるとは思ってなかったけど、こんな雑な引きをするとは思わなかった。本作の丁寧なところと雑なところの線引きがよく分からん。
 サブタイでもある「脈アリ」の話。そもそも「脈アリ」という発想がモテない(モテなさそう)、という痛烈すぎるツッコミ。あまりに辛辣なので笑った。何の説明もなく、ただドン引きされるだけ、というのが余計につらいw 大喜が話を切り出したコマを見た段階ではそれほど違和感を抱いてなかったのに、その次のドン引きのリアクションのコマを見て「たしかにキモかったな」と納得させられてしまう。要するに私もモテない側の人間。べ、勉強になる……。
  “人によるだろ” という身も蓋もないアンサーも最高。「○○したらイケる」みたいな一般論で考えるのがおかしい。対象を一個人として見れてない。そういうところがキモい。はあああぁぁ、たしかにぃぃぃぃぃぃ。
 その上で “お前の場合” “ちーだろ?” と一個人として理解した情報を元にした判断を下してくれる。まぁ、これは「脈がないとは言えない」くらいのレベルかもしれないんだけど。
 その話で「自分から触る」というアクションがキーになってるのも面白い。即物的な判断基準でありながら、相手の意志を尊重してる良い視点。モテる人間の考え方、面白い……。
 前から本作のこと、千夏パイセンのことは何考えてるか絶妙に分からないのが面白いと思ってたんだけど、今回の「脈アリ」の話はまさにそれですよね。脈に限らずコミュニケーション全般に当てはまる話だとは思うんですが、少年漫画的な少年中心の話になってない、そうさせようとしてないのが良い。そこが面白い。
 それらを踏まえていざ決戦。今度は大喜の方から自ら触れる。自分から触れることをしない相手に対していきなり触るなよ、とかちょっと思ったw あと、あの行動は「やっぱこれ脈アリだろ」という判断のように見えなくもない……が、最後の場面においては大喜の内心の描写がなくなるので、読者にとって大喜も何考えてるか分からない他者になってる。そこでの引きなので、これは先週の引きより面白いと思う。キャラクターが悩んだ果ての選択だからね。転んで接近してドキドキ、とは大きく違う。

『逃げ上手の若君』

 三大将。基本的には1人目に絞って語られる感じかな。
  “それでよろしいな” のコマ、オッサンがウインクしててキモい……。てか、この時代にウインクなんてなかっただろ……と思ったら、元々片目潰れていたでござる。やべぇ、どんだけ人の顔見てなかったんだ。申し訳ない。
 三大将の間を伝令するのが新しいミッション。逃げスキルを活かすと同時に三大将のこともよく知れる。らしい。
 んで、ウインク(違う)のオッサン。とにかくかっこいい。皆からモテる。全方位的に好かれるのはいいけど、 “「お前はまだあのお方の本当の恰好良さを知らない」って” のコマにイメージとして出てきたオッサンたちが良い感じにキモい。古参ぶる迷惑オタクという感じでめちゃくちゃリアルだ。「大人の男にしか分からないんだよなぁ」みたいなオナニー的な悦の入り方がすげぇキモい。ありそうを通り越して、下手すら私も現在進行形でどこかで似た言動をしてるかもしれない、という恐ろしさ。少なくとも「私はここが好き」的なオタク語りした方がまだ健全だわ。含みを持たせてマウント取るだけの言動はウザさの極み。もはや怖い域の話。
 30歳まで童貞を貫くと魔法使いになる。現在と鎌倉時代では30歳の重みが違うので、単純に重ね合わせるのは問題があると思うけど、作品が重ね合わせてるとしか思えないんだからしょうがない。
 てか、三大将までの人間だったら普通に文献とかに記録が残ってると思うんだけど、この「30歳の童貞男」はマジなのだろうか。何をしたらそんな記録が残るのか知らないけど、松井先生によるゼロからの創作とも思えないんだよな。本郷先生のコラムで掘り下げていただきたい。

ブラッククローバー

 ユノゼノン戦、決着。アスタという存在の大きさを感じさせ、場面転換するとアスタがバカ騒ぎしてる。落差が良い。もちろんガッカリというわけではなく、直後にユノの勝利を知って気が引き締まったりもする。
 三大将(違)を倒したのに降臨のカウントダウンが止まらない。ということで内通者。シンプルに超強いというよりは悪魔に対する考え方、姿勢が悪魔にとってめちゃくちゃ都合の良いので、人間界的には厄介、というバランスなのかな。固有魔法との相性もあるかも。とにかく、ただ「もっと強い人が残ってました」だとさすがに三大将を倒した感慨がないので、ここらへんの理屈は大事だと思う。
 んで、残りの暴牛が到着してエンド。事前に「ヤミの魔法と命さえあれば」と説明があったので、ナイスタイミングだし、戦略的に正しさしかないんだけど、おそらく暴牛のみんなはそんな細かいことは知らずに突っ走ってるだけ。単純思考が複雑な戦況を打開する、みたいな痛快さ。これもやりすぎるとドッチラケになりかねないけど、ハマったときは激アツですよね。

センターカラー『SNOW SMILE』KOJIRO

 読切。金未来杯No.4。コジローではなく、コージロー。
 2021年冬に発生した雪だるまのモンスター。それが世界中に広まった20年後が舞台。この今年の冬、物語が始まるってのが良い。こういう「現実かもよぉ?」みたいな目配せ好き。舞台もフィンランドで、地名もリアルだったのも意外と珍しいんじゃないですかね。まぁ、モンスターがはびこってる20年後のフィンランドなので考証が雑でも気にならない、という計算はあったかもしれない。
 その後は驚くほどによくある設定、好意的に書くと王道。ただ、ヒーロー組織の名前が「特別除雪隊」ってのが好きです。
 んで、主人公の名前がハンス。雪の世界でハンスというとクソコラで有名な某ディズニーキャラを思い出すんですが、まぁ北欧の名前でよくある奴ってことなのでしょう。ちゃんと北欧感ある名前を付けたのは偉いのではないか。
 そんなハンスの相棒(?)がメガネで嬉しいんですが、ぶっちゃけステレオタイプな扱いで終わった気がする。まぁ、少年漫画のメガネキャラって大体ステレオタイプだし、だからこそ意味が読み取りやすいって魅力があるんですが。
 ヘラヘラしてる主人公と、ピリピリしてる語り手。この「何ヘラヘラしてんだよ」からの「私が間違ってた……」はそこそこ面白いんだけど、終盤にまた同じような展開やるでしょ。普通に二度手間だし、あの女の子の存在が薄っぺらいものに見えてしまう。そもそも彼女は何もしないまま終わるしね。彼女も除雪隊を目指すようになるみたいなオチになると思ったんですが(それもベタだし面白いかは別)、何もなかった。何かしら彼女が助言するとか、手伝うような展開は必要だったんじゃないかな。より可哀想な方が偉い、みたいな雑さを感じた。
 んで、アクションパート。設定がいちいち気が利いてて面白い。雪ネタの連打が尽きなくて、その絵面がとにかく新鮮。
 寒いので厚着してるし、手袋もしてる……という件が義手、義足という事実を隠してたのも面白い。義足で危機を脱する話なんだけど、同時に彼の壮絶なバックボーンに驚かされる。バトル的には前進してるのに彼の過去の話をしてるのが良い。多少語りすぎな感じもあるけど、あそこで変に回想入れなかったのは好印象です。
 終わり。シンプルで良かったが、女の子2人が何もしなかったのが残念だった気もする。まぁ、表裏一体ですわ。話は定番だけど、設定やビジュアルが目新しいが良かった。

センターカラー『ウィッチウォッチ』

 デートはいいが、モイちゃんの表情が読み取りづらい。ニコが勝手に悩むのかと思ったらモイちゃん自身も気にしてるので笑った。ポーカーはぶられる場面好き。言い訳したら悪い方に転がっていってしまうの、よくあるよね……。
 ということで、モイちゃんの了承を得て、魔法。感情が読み取りやすくなる。これは『ヒロアカ ワールドヒーローズミッション』のオチと同じ奴ですね。もしくは『デビザコ』。この状態でポーカーやったら完全に『デビザコ』案件。
 ただ、「感情が分かりやすくなる」の定義がぼんやりしてて少し気になる……って気にしてもしょうがない部分なんだけど。うんちく垂れる場面とか、同じペラペラ顔になってるのとかよく分からん。ペラペラ顔は感情が表れてる状態なのか? 頭上の小さいモイちゃんがめっちゃドヤ顔してる、とかだったら分かるんだけど。
 最後は花火。花火は感情の爆発のメタファーとして扱われることが多いよね……と思ったらモイちゃんの頭上で花火がドン。この “毎日楽しい” のコマ、構図が見事でした。小さいモイちゃんはいないけど、めっちゃ気持ち漏れ出てる。

『PPPPPP』

 増ページ。来週も増ページ。カラーあげてあげてよお!
 話としては、ロックくん。彼の問題をラッキーは解消することができるのか。ラッキーの演奏をどう使ったら解消するのか。ここが読者に向けてはまだ謎が残されたまま話が終わる。超常現象は起こるけど、それなりにロジックを重視すると思われる本作らしい引きだったと思います。週刊連載らしい話法と言えるかもしれない。
 ラッキーの言わんとすることは分かるんだけど、とはいえ “俺… 母ちゃんになれるかも” “しれない…” は笑った。言葉足らずすぎる。ドン引きもやむなし。ただ、ラッキーは最後までマジで、ギャグ的雰囲気に飲み込まれることなく場面を終える。このバランスすごい良かった。ちょっと『鬼滅』っぽいギャグかもしれない。いや、『鬼滅』はもっとキテレツだけど。
 演奏シーンは面白いし、分かる人には分かるすごさの表現が決まってたと思う。思うけど、映画のサントラって「分かる人には分かる演奏」じゃダメなのでは……。いや、音楽は詳しくないからちょっと自信ないんだけど。

『破壊神マグちゃん』

 新キャラ。美少女である。劇中で美少女と称される美少女は初なんじゃないかしら。ただ、美少女美少女と騒ぎ立てるのが流々ちゃんというのが本作の平和なところだと思う。美少女を愛でる流々ちゃんに若干のキモさが混じるのが可愛い。
 そんな美少女。やたらと「この子の正体は誰だ!」と煽ってくる。本作のことだから明確に特定できるように描かれてると思い注意深く読んだんですが、よく分からなかった。たぶんそういう描写はなかったんじゃないかしら。髪留めが十字なことくらい?
 ということでイズマくんの妹。「妹属性きた!!」となってもおかしくないが、たぶん「イズマくんにお兄ちゃん属性!!」となってるファンも多いのではないか。何となく想像できる。弟属性よりも兄のがしっくりくる……わけではないがより特別な魅力が生まれるのは兄だと思う。
 変身シーンがあって、それに流々ちゃんがアガってるのとか好き。ささやかな少女趣味みたいな部分が新鮮。
 そんな変身。「変身前のがよかった……」みたいな読者が発生しないか心配。余計なお世話なんですが。ミュスカーに関しては私は正直……まぁ、あれは以前の姿もちょくちょく出てきてるからいいのか。たぶん今後もっと大きなエピソードとしても出てくる気がする。
 破壊神との距離感に戸惑う新キャラ。劇中で言及されなかったけど、彼女が知らずに食べて満足してたプリンも破壊神の作ったものですよね。絶対触れると思ったので意外。テンポ重視ってことなのかな。
 んで、パニックのまま撤退。チンアナゴが出てきたのが熱い。シンプルに可愛くて人気のネタ使ってきやがった。可愛い要素が多い。全面的に可愛いを打ち出してきた新キャラと言えると思う。

『夜桜さんちの大作戦』

 二刃? 長男? かと思ったら四怨回であった。やったぜ。3ページ目で驚かせようとしてると思う。ただ、直前の「殺→アイ→ゴリ」のバレー遊びが可愛すぎるので気になるw アイゴリのコンビは分かるんだけど、そこに殺香が加わるのも良いですね。人材が揃ってやがる……。
 四怨回ではあるものの、新たな四怨の顔を見せる触媒として二刃の存在も大きい。長女としての魅力も感じるし、長女に甘える妹の魅力もある。さっきのバレーもそうだけど、この2人の組み合わせ良かったなぁ。今まであまり考えてこなかったけど、マジックが生まれてる。
 冷静なはずの四怨がめちゃくちゃにされる、という展開なんだけど、気づけば親父探しの件が進展……というラストが見事でした。最近ちょっと忘れてたけど、本作こういう細かい理屈凝りがちよね。デスクトップの掃除からのリアル掃除とかすげぇ良かった。「ホコリの気」のギャグで気を逸らすのとかうますぎる。

『高校生家族』

 文化祭。学園ものとしてクソベタイベントなんだけど、本作では「学校に親が来ても変じゃない神イベント」という解釈になるのが最高。基本設定に忠実なのにこんなにも新鮮。まだあの設定で遊べたとは……。
 年齢がおかしい高校生のチカラでカフェ大成功。私は安直だから春香で客を釣るのしか思いつかなかったけど(一応合ってた)、初手が激渋バリスタなので笑った。高校の文化祭で絶対にあり得ない光景として強い。
 からの怒濤の家族キャララッシュ。一部極端なデフォルメもされてるけど、どれもリアルでありそうなラインの延長なのが良かった。「文化祭に家族が来てはずい」というあるあるネタなんだけど、その部分は控えめで、とにかく物量で攻める。ベタでは終わらず捻ってくるというか、予想外のオモシロになる。
 てか、最近の子だと親が来ても恥ずかしくない、とかありそう(偏見)。

『あやかしトライアングル』

 祭里が戦える理由。体外に出力することはできないけど、体内に巡らせパワーアップ。高等技術らしい。『ONE PIECE』のギア2とか、『HUNTER×HUNTER』の堅みたいなイメージでいいのかな。厳密に言うと堅は大概に出力されてるけど。
 正直「体外に出さなきゃおk」の理屈はずるいと思う。ただ、体内から溢れ出て自分を失った日喰と、体内に留めてパワーアップする祭里、という対比がやりたいのは分かる。ただバトル的な絵面が盛り上がるだけでなく、こういう部分も整えようとする姿勢は好き。
 んで、すずが引っこ抜こうとしてエンド。最後の日喰のコマ。右目から涙が流れてるのが象徴的で良かったですね。眼帯演出がまだ続いてる。こうなると、日喰が救出されたあと、どのような姿になるのかが気になる。是非ショタのまま光堕ちしてほしいんですが、眼帯はキープなのかな。すずが根治させると考えると封印のアイテムである眼帯は不要になるんですが。髪で目隠れという線もあるかな。

『僕とロボコ』

 アイドルのSNS事情。今のジャンプでここまでSNSネタをやれるのは意外と『ロボコ』しかいないと思う。いや、『ウィッチウォッチ』ならいけるか。youtubeやってるくらいだし。
 今回は炎上を恐れるアイドルの話だけど、一般人が見てもSNSあるあるとして楽しめると思う。めちゃくちゃなことをやってるけど、意外と地に足着いた内容になってるのが良い。
 炎上対策として、あえての「いいね」。これは普通に感心してしまった。これはマジで効果あるんじゃない? 助長する恐れもあるのかしら。
 そういえば、アイドルではないけど、藤田ニコルにいいねされたことあるんだけど、あれもそういう意味だったのか……(ディスってないよ)。
 そんなSNS観が妙にリアルで面白かっただけに、最後の解決のロジックが雑というか、「そんな綺麗事真っ先に思いつくよ」という感じなので残念だった。こないだのガチゴリラとモツオが詐欺に引っかかる話のオチもそうだったけど、ギャグでごまかしてるけど全然良い話になってない。

『レッドフード』

 先週もあったけど、本の読者。要するに毎週ジャンプを読んでる我々のことですね。オモシロ設定や、人類の危機、それに立ち向かう主人公の姿を見て満足しては、それを食い潰し、消費していく憎たらしい存在としての読者。それがジャンプで、打ち切られそうな雰囲気の作品でやってるのがめちゃくちゃ面白い。メッタメタやないか。この手の物語を消費する読者の存在を組み込むアイディアは割と見たことあるけど、その読者の残酷さとしてジャンプの打ち切りシステムは相性が良すぎて怖い。これは発明だと思うわ。 “神へ捧げる儀式で粗相をしたらどうなる?” “つまり世界の破滅だ” とあったけど、モロに打ち切りのことですね。メタすぎる……。
 こないだディズニープラスで配信のMCUの『ホワットイフ』ってアニメシリーズがあるんですが、あれにウォッチャーという名前の宇宙の出来事を観測してるキャラが出てくる。あれも本作と同じように「アメコミ映画を観てる皆さん」という存在なんだよね。ただ、『ホワットイフ』の場合はそんなウォッチャーをオタクの善なる面にフォーカスしてて、だからこそ世界中のファンが「ウォッチャーは俺だ……」となったんですが、本作はそれの超意地悪版w
 ただ、厳密に言うと、残酷なのは読者じゃなくてそのシステムを採用してる編集部だから「私は悪くねぇよ!」と反論したい気持ちも少しある。ジャンプシステム普通に反対だし。好きな作品終わって胸を痛めるなんてしょっちゅうだし。
 別のメタい視点になるけど、デボネア&シンデレアのレーザー収束攻撃が今週の『ヒロアカ』スターとそっくりでしたね。師弟で仲良いなw

『SPICA』辻田大誠

 読切。ジャンプショートフロンティア。本誌掲載はたぶん三度目。過去2回はどちらもヒーローモノみたいな感じなので本作はかなり異色と言えるかな。まぁ、本作もヒーローって言えばヒーローだけど。ちなみに、最初の掲載のタイトルは『グリム・リーパー』。『レッドフード』の直後に掲載されることに妙な縁を感じる。意味違うけどね。
 本編。宇宙のコロシアムで戦いに興じる主人公。試合の前に母親との思い出、地球での思い出としてソニーウォークマン(?)で音楽を聴くんですが、これは明らかに『ガーディアンズオブギャラクシー』ネタ。以前には馬上先生が読切で『ガーディアンズオブギャラクシー』そっくりなことやってたんですが、あの作品フォロワー多いんですね。ここまで明確に元ネタとなる映画って珍しいと思う。
 ショート読切という尺に適応できてないというか、若干詰め込みすぎな印象を受けた。絵やセリフの情報量が多すぎる。バトルシーンに迫力あるのは分かるんだけど、「このコマこんな小さいんだ」みたいな意外性。
 ただバトるだけの話なのになんで……と思ったら最後にどんでん返し的なオチがつく。おおっ、実にショートフロンティアらしい展開。バトルをこんだけ充実させつつ、こういうひっくり返るオチがつくとはありがたい。戦いというエンタメを「上の存在」に与えるフリして、一矢報いるという話はちょっと今の『レッドフード』と近いノリがあるかもしれませんね。世界のシステムに対する反骨の一撃という感じで好きよ。
 人知れず散った命だけど、その行いは遠い地球に届き、絶望の淵にいる人たちの希望となる。分かりやすいハッピーエンドではないけど、バッドエンドとも言いたくない、という感じの終わり方、良かったと思います。希望の光は小さいながらに繋がっていく。読切ならではの物語だと思うし、ショート読切だったのが余計にこの世界の故事、寓話みたいな雰囲気に思わせてくれる。

『NERU-武芸道行-』

 扉。ケンカしつつも微笑ましい在りし日という感じでエモいんだけど、まだそれほど思い出ないよなぁ……という意地悪なことも考えてしまう。ジャンプが悪い。
 両者ともに狙うのは一撃必殺のツボ。竜禅先輩、例の石積みが印象的だったけど、あそこでも使われたスキルがこの戦いでも使われる。それをネルも使うってのが最高。まさに出会いによる成長。学園のあるべき姿って感じですな。
 ただ、これでネルがツボ攻撃を完全にマスターしてたら興醒め。じゃあどうするかというと、非常にネルらしい攻撃、つまりは足の裏(足先)。厳密にはツボとか芯ではなく、 “こいつが一番油断してる場所は…” と言い換えてるのが良い。この変換があるおかげで「これならネルでも実行可能」という納得が生まれて気持ちいい。
 一方、プロの竜禅先輩はマジモンのツボ。痛みフェチ、自傷フェチな相手を倒すのにツボによる一撃必殺、という結論は見事でした。傷つけずに勝つ。すべてはココに繋げるためのマッチメイクだったのだな、と思ってしまうほどの合点。
 母オチ。「名前&ちゃん」で呼ぶのか……。親が来てめっちゃ恥ずかしい、というのはちょっと今週の『高校生家族』も連想するような展開でしたね。

『爆速先生』前田良平

 読切。『マッシュル』が休みということで、その穴埋めでしょう。ただ、計画的な休載なので、掲載位置の調整もバッチリで、目次もあって、アンケートもある。
 前田先生はすっかりお馴染み感ありますね。変人キャラがいて、女性キャラがツッコみまくる、というのも安心感ある。ただ、本作の特徴としては、変人のボケキャラに対して生徒たちが順応してる(洗脳されてる)点。ツッコミの対象は爆速先生の爆速ボケなんだけど、そもそも学校の空間全体が常識の外にあるので彼女には居場所がない。むしろこの異常な世界では正常な価値観を持ってる彼女の方が異端……という『地球最後の男』みたいなホラーとも言えるかもしれない。もちろんギャグなんだけど。
 そんなことを考えると、ラストの “おいおい爆速で仲間外れか?” というオチも、異常な彼らに飲み込まれていく展開とも言えるので恐ろしさがあるw ツッコミという立場で観測していた彼女がついに……というオチで見事だったと思います。
 あと、細かい爆速ギャグとしては算数の問題の奴とか好きです。算数の問題特有の追いかける兄問題の爆速変換がおかしい。前フリと言える弟の時点で “まさし速ァっ! オリンピック日本代表かよ” なのが良い。秒速10m(100mを10秒)って別に日本代表に限定しなくてもいいと思うんだけど、妙に細かい言い回しが好きです。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 11/4はジャンプコミックス発売日。プレゼントページだけじゃない、コミックスのおしらせページ特集。た、たしかにあそこはプレゼントページと同様のヘンテコオーラを感じる……。感想書いてこなかったのが恥ずかしくなります。申し訳ねぇ。
 それらのページに共通するダジャレ偏重の伝統。一説ではあるが、その真相が明らかになるのが最高でした。中野編集長がダジャレの始祖説……!

次号予告

 『ONE PIECE』が表紙、巻頭。特にお祭り企画とかはないけど、当たり前のように『ONE PIECE』。
 ちなみに予告ページ全体は桃太郎ダジャレでした。『PPPPPP』の「どんブラ」が苦しいw

目次

名古屋にテレビ塔という電波塔があります。子供の頃階段で登るのが楽しかった
(『SAKAMOTO DAYS』)

 それが今あんな漫画を描いてるんだからすごいよ。子供の頃の経験って大事だよ。

遊ぶのを我慢している間にあつまれどうぶつの森神ゲーへと進化してしまった…
(『破壊神マグちゃん』)

 切ない。『マグちゃん』大好きで、今のジャンプで最も重要な作品だけど、この毎週の楽しみは上木先生の不幸せの上に成立してるのでは……とか考えてしまうw

愛読者アンケート

 金未来杯。支持。
 コミックス新刊紹介ページ「JCレター」について。週ちゃんみたいなテーマ取りだw 一応毎週読んでます。何が出るとかぼんやり確認してる。本誌じゃない作品(スピンオフとか)の情報を見ると「こんなに巻数出てるのか」とか驚いたりする。

総括

 水曜深夜更新になってしまいました。水曜が休日でマガジンが火曜発売だったせいです。ご了承ください。もう二度とこの理由は発生しません。連載が終わってしまうからな……。

 今週のベスト作品。『レッドフード』にしようかな。メタが面白いです。
 次点は読切3つ。どれも良かった。

 今週のベストコマ。『若君』の “「お前はまだあのお方の本当の恰好良さを知らない」って” のコマ。オッサンのキモさが炸裂しててマジ最高でした。

 最後に今週のベストキャラ決めて終わります。こちらー。

gohomeclub.hatenablog.com