北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『サイボーグ009 BGOOPARTS DELETE』27話の感想

 最近めっちゃブログ書いてる。

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神話復活編㉗

 最終決戦が開幕。ミュートスサイボーグたちがゼウス(ガイア)にお仕置きを受けるんですが、その際、 “サイボーグ化される以前の 生身の痛覚を蘇らす!!” とあるのが新鮮。ミュートスサイボーグってサイボーグではあるものの、人間の要素がまったく描かれなかったじゃないですか。0010以降のゼロゼロナンバーなんかはそこらへん丁寧でサイボーグとしての悲哀が描かれてたんですが。まぁ、人間時代が描かれないことでミュートスの神々しさが増すので、ここらへん扱いが難しいのかとは思います。本作もチラッと「彼らにも人間時代があったのか」と匂わす程度に留まったのもそういう判断なのではないか。そもそも独自設定をどこまで入れるのか、というのが二次創作として大きなテーマですよね。大胆に攻めるけど、やりすぎない、という緊張感が楽しい。読者は気楽でいいですねw

 一方、ゼロゼロナンバーたち。火山島マグマに到着なんですが、そこで004が “オレたちにとっては数年前の事だが…” 。本作の土台となる設定、本作が原作に対してどのようなスタンスなのかという重要な情報を小出しにする感じ、本作の魅力ですよね。読んでて油断ならないんだよなぁ。今までにも何となく窺い知れるような情報は出てたんですが、いざ「あれから数年」と明言されると驚いてしまう。今は『8マンvs』も同時連載中なので、両作品における「今」がどのように設定されてるかを比較するのも興味深いです。
 マグマを舞台に戦うのはファンサービスの極みみたいな展開なんですが、あのときと同じ舞台で戦うのが『BGOOPARTS DELETE』的に重要な意味を持つ、という扱いも見事だと思います。物語としての強度はありつつ、ファンサービスとしても完璧。

 戦闘開始。一番の格下とも言えるケンタウロスから始まって……だと思ったら一筋縄では行かない様子。1人ずつ顔を出すのは漫画的によくある展開なんですが(集団戦を避ける大人の事情とかも感じる)、本作の場合は「1人ずつ」にちゃんと意味がある。
 そこに謎解き要素が加わるのが面白いし、何よりその謎解きをアクションを通じて行うのが良い。ちゃんと009と006のコンボ(加速熱線は意外と新鮮!!)という見せ場があり、その攻撃のリアクションとして謎解きのヒントが現れる。
 ということで変身能力。固有の能力までコピーする007の上位互換(なのか?)。奴の正体とは……で来月以降への引きにしつつ、アポロンとのバトルという分かりやすいワクワクも描いてるのが強い。ものすごい意地悪な言い方をすると、ミュートスサイボーグってアポロンとヘラ以外って「その他」みたいな印象になりがちじゃないですか。岡崎版はレオーンが特別だったりもしますが。その問題に対して、「アポロンを何度も出す」というアイディアで勝負してくるのが面白い。アポロンのようであのアポロンではない誰か、との対決が本作多いですよね。もちろん戦闘能力的にはちゃんとアポロンなので安心でもある。


 終わり。岡崎版のアポロン(のバトル)、めちゃくちゃ好きなので次回がマジで楽しみです。指熱線の出し方、描き方が良いんだよなぁ。
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