北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年09号の感想

 ワクチンの予約、月曜だったのでその週はジャンプ記事遅れると思います。まだまだ先だけど。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。マグちゃんで正解。腕組みしてるのめっちゃ可愛いな。別に描き下ろしってわけじゃないけど。
 んで、次。太陽ですね。やはり本企画は難易度調整というか、問題としてのオモシロを出すのが難しいですね。まぁ、主役縛りが抜けた2周目以降は選択肢が一気に増えるからある程度は良くなるかもしれない。

表紙

 『若君』。来週は『アオのハコ』ですね……と思ったら違った。意外。

読者プレゼント

 天狗。「有頂天グッズ」とかかなり好き。ハデなネタはないけど、ダジャレの数々は充実してると思う。年間ベスト回とかにはならないけど、こういうレベルが安定供給されたら幸せ……はウソだわ。たまにはクソ回もないと困るんだわ。
 そして、巻頭の『若君』がまさかの天狗回。グッズに天狗要素なかったから『若君』に併せて天狗ネタぶっ込んだ可能性もあるのか? 各作品の担当情報とか詳しい人は照らし合わせてみてください(知らないので丸投げ)。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』

 文献にある「天狗」をこういう風に解釈してキャラクターを膨らましました、と劇中で語ってるの面白いな。そういうのって裏話とかの類じゃないですか。面白いと同時に「これでいいのか?」的な疑問も少しだけある。まぁ、何が悪いとか具体的には一つも思いつかないんだけど。
 忍者という引きの強いネタを巻頭回に持ってきたなーとか思いながら読み進めたけど、めちゃくちゃ地味な回でしたね。「新章スタート!」というイントロみたいな話。次回が巻頭の方が、節目だしカラー映えしたのではないだろうか。本編とはあまり関係のない感想になってしまった。

ONE PIECE

 ものすんごい今更な話になるんですが、超小刻みに場面転換を繰り返していく話法、やっぱ読みづらさというか、テンションが上がりきらないデメリットが結構でかいと思う。今に始まった話じゃないけど、私のメンタルとかの関係で最近よく気になる。極端な言い方をすると、無機質な情報の羅列みたいな印象になる。まぁ、そんなことは作者も承知で、だからこそ終盤にバトルを用意したんでしょうね。
 そんなバトル。ローの攻撃は有効。キッドの能力でマムのソルソル兵を無力化(どころか利用)。という両者の特性を生かした見せ場になってて良かった。まぁ、細かいことを言うとローが活躍するまでの助走がないので、なぜあの一撃が可能だったのか、みたいな部分が少し気になるっちゃ気になる。キッドと順番逆にしても成立した……かも。
 あと、キッドの大技が合体からの巨大牛なので『ブラクロ』を連想した。

『呪術廻戦』

 やべぇ、高羽めっちゃ面白い。『ドラゴンボール』にアラレちゃんが出てきたときに感じる「ギャグ漫画の住人」ならではの強さを劇中のロジックで説明した感じだ。そう考えると、爆破攻撃は相性が悪すぎるよなぁ。アフロになって終わるだけ(そして次ページでは戻ってる)。こいつだったら派出所爆破オチ(からの無説明で復活)を実現できる。いつかやってほしい。
 ところ変わって四天王的な4人。でかでかと説明されてるけどこの情報真面目に読まないとダメなのかなぁ……と思ったら早速1人死んだので「だと思ったよ!」。ただ、残り3人はどうなのだろうかw
 ということで乙骨始動(アオリそのまま)。これは映画のタイミングにあわせたってのもあるんだろうなぁ。映画公開直後がベストな気もするけど、「そろそろ観る予定の人はみんな観たでしょ?」というタイミングが今のあたりなんだと思う。
 あと、コックローチで「くろうるし」って名前は面白かった。

『アオのハコ』

 直接パワーを送るということで、大喜がひざまずいてミサンガすりすりしてる絵面想像してしまった。きもいw ミサンガの話してたのにでハイタッチになるとか私の理解のスピードじゃ追いつかないです……(そういうとこが人たらしなのでしょう)。
 そんなエピソードを逐一連絡してるのも笑ったし、そこから高度な情報戦が展開されるのでマジ笑った。メガネ軍師やんけ。
 いやけど、こういう勝手にあれこれ考えてしまった “俺ウソついて(ることになって)る!?” とジタバタしてしまうの、思春期のリアルだよなぁ。いや、思春期に限らず人間同士のコミュニケーションあるあるというレベルかもしれない。めちゃくちゃ面白かった。 “今はそれ以上にやることあるし” というバランスも最高。恋愛が中心になりすぎない良さ。ここらへんマジ絶妙だわ。

『高校生家族』

 『アオのハコ』の直後に読む本作は最高だぜ。ってこないだも同じ感想書いた気がする。
 一郎覚醒(若返り)。序盤は味方が若返った顔を見る場面がない。敵は気迫によってそう見えているだけ、というバランスになってて面白い。
 敵チーム、そして客席……ということは母もそう見える、となる展開は笑った。両親に同じ現象が起きてるけど、それぞれが若返る理由はちょっと違うってのが面白いですね。同じ原因ではなく、若返りが連鎖してる。それも夫婦ならではの理由で。
 あの状況で、隣にいる子供たちを見たら一瞬で老けたりするのかなw 夢から覚める的なロジックで。

センターカラー『Dr.STONE

 カラー裏のページを見開きに使うのめっちゃ意外だった。面食らった。別にだから何という話ではあるんだけど、良かった。
 アポロの月面の件、歴史の出来事すぎて、それに特別な思い入れを抱く年齢層の人の話を聞くとちょっと断絶を感じるというか、「お前が行ったわけじゃないだろ」とか意地悪なことを考えかねない。自分には月面信仰みたいなものが少ないと思ってたんだけど、本話読んでたら普通にワクワクしてしまったわ。やっぱ人が月面行くって面白いわ。手首がもげる。
 ホワイマンに先制攻撃するはずが、先制される。事前にコハクによるカプセル誤爆未遂を小ボケとして入れたのが巧妙ですね。事前説明としてうまいし、そこから一矢報いるのがコハク、という流れも熱い。
 ラスト。急にミステリー漫画みたいな終わり方をするのでちょっと笑った。どうせだったら『ヒロアカ』の青山のときと同時期にやってほしかったですね。結構惜しかった。

『SAKAMOTO DAYS』

 腕くっつくのかぁ。シカヘッド便利キャラすぎる。ちょっとずるい気もするんだけど、まぁよく考えたらあのシカほとんどサイボーグだし、今更かもしれませんね。
  “絵は上描きするより白いキャンバスの方が楽だ” からの場面転換で養成学校の話。スムーズな連携いいね。
  “フツーにウェブサイトあんじゃん……” についてはもう本作の世界設定がよく分からなくなってきて混乱する。今までもおかしかったんだけど、本作世界における殺人がどういう意味を持つのかが分からないw
 すべてが分からないんだけど、 “花を殺し屋にしようとしてるんですか!!?” というリアクションがめちゃくちゃリアルなので笑った。この世界だったら絶対に起こる景色だと確信できる。
 ということで、生徒として潜入。まさかの入学試験展開。定番すぎて最近のジャンプでは逆に見なくなってきた奴だ。

『ウィッチウォッチ』

 「うろミラ」の話。ファミレスで化学の先生が盗み聞きしてしまってアンジャッシュ的なすれ違いコント(もはや死語的な比喩)。篠原先生にしては普通すぎる……と思ったら全然そんな話にならないので安心した。あと、 “ジカキ酸クムトリウム?” めっちゃ好き。
 化学の先生、全然誤解してなかった、と話が進む。自称ガチオタクがライト勢のことバカにしてるのめっちゃ感じ悪いし、普通に有害性丸出しでキレそう……と思ったら普通に反省するので良かった。バトルシーンをメインで楽しむのも、名前覚えないのも何も悪いことじゃないよ。ていうか、そういうファンやバトルシーンのこと馬鹿にしてる方が遙かに愚かというか、完全に大事なもの見失っちゃってる。反省しろ!(したじゃん)
 わざわざこんな胸糞なワンクッション入れなくてもいいのに……と思いつつ、オタクが勝手なことでキレることで自分が書きたいものがハッキリする、というロジックは良かった。良かっただけに、あの有害オタク展開に意味あるだけに、何とも評価が難しい回だw
 あと、この人は『SAKAMOTO』のことバカにしてそう、みたいな偏見を抱いた。何が好きそう、というのは角が立つので書かない。この例え、いろんな年代のジャンプでやっても面白そうですね。
 んで、次回「うろミラ」やるそうです。この流れだと二次創作の方を読めるのかと思ったけど、本家の方。
 少年ジャガー掲載の「社員マスカット」「石橋ワタルの失敗」「かみつきガブリエル」というタイトル群が絶妙にありそうで、そっちも読みたくなってくる。特に読切の「石橋ワタルの失敗」は普通に面白そう。良いタイトル。

センターカラー『ヤマビコな日常』小林おむすけ

 読切。手塚賞準入選。準入選が6本という豊作の年だったけど、その中でもトップ……のように読めるけど、トップの賞を取ったってだけかもしれん。ちょっと文章が分からない。
 本編。日常と言いつついきなり化け猫が出てくる。この冒頭のちょっとした驚き、「日常じゃないじゃん」という感覚こそが本作の肝だったように思います。一応ラブコメみたいな分かりやすいノリもあるけど、「それだけじゃないんかい」という驚きの部分こそが本作の魅力であり、評価された部分なのではないか。
 一見すると “ネコを可愛がるヤマビコ可愛いい” と悶えるヒロイン可愛い、というそこらへんにいくらでもありそうなラブコメ的な構図なんですが、そこに「化け猫?」とか「いやいや背景おかしい」という要素が加わってくる。漫画に限らないけど、何でも人物に目が行きがちだけど、本作の場合は背景も人物と同じくらい重要で目が離せない。
  “今日も今日とて” のコマには非日常要素はないんだけど、下駄箱越しに玄関ドアの向こうにいる2人、という構図が非常にエモい。背景の中に埋もれる2人、というのがエモいし、本作を象徴してる。
 背景に始まり、徐々に本作の基本設定が把握できるようになってくる。この流れ、順番が面白かったし、当の2人の感情の起伏が読者と全然一致しない。たまに「いかに感情移入できるか」のみが作品の善し悪しを計る基準だと考える人がいるけど、私はそうとはまったく思わない。本作とか感情移入だけ考えたらただのラブコメじゃないですか。本作の魅力を説明するときにそんなラブコメ要素だけでいいんですか? という話。もちろん2人の生き生きとしたキャラクターは魅力的なんだけど、読者としてはそれだけじゃない味わいがあるじゃないですか。そここそが物語の奥深さですよ。そういうのがある場合もある、ので感情移入に囚われすぎるのも良くないと思うよ。ジャンプだけでも限界あるんだから。
 間接的な情報によってこの世界のことが分かってくる面白さが大きな魅力なだけに、ちょっと説明臭く感じる部分もあって、それは少し気になった。何てことない会話から彼らが住む世界の背景が窺い知れるのが面白いのに、たまに説明ゼリフみたいな印象もあって惜しい。まぁ、ページ数の都合とかもあるんだろうけど。ワンアイディアの強さがある作品なのでショートフロンティアとかでもありそうなんですが、ここまでゆったりした語り口はあの企画だと無理かもしれん。
 新幹線。時速200キロなのに “約2時間で本州を一直線で行ったり来たり” はウソだと思う。いくら何でも誤解を招く表現なのでは。まぁ、彼らにとっては教科書でしか知らない情報なので少しおかしなニュアンスも含んでる、と受け取るべきなのだろうか。新幹線の速度を時速200キロと言ってるあたり教科書的な雰囲気を感じる。
 んで、決まってしまった別れ、からの恋の決着。ヒロインの涙で潤んだ瞳のアップ、とかめちゃくちゃ良かった。ここらへん間接情報で語る本作らしいアプローチ。泣き顔&斜線で「どやぁ可愛いでっしゃろ!!」みたいな押しつけがましさがない(そういう場面もあるけど)。
  “僕 好きなんだ ユウキさんのこと” の見開き。あまりに背景を映しすぎる構図が良い。背景の中にポツンといる2人、というのがあまりに突拍子もない告白に驚く感覚として迫力あるし、ページ右上からの左下というのに頭が追いつかない時間差も感じる。人物の絵は緩めなのに背景はがっつり描き込みまくり、という本作の絵的な情報がそもそも本作がやろうとしてることと完全に合致してる、という気持ちよさもある。
 例の斜線顔芸のコマからのしばらくが特徴的なんですが、背景の描写が一気に減る。この4ページくらいはいわゆる普通のラブコメ作品っぽさありますね。まぁ、要するに頭が突然の「好きなんだ」でいっぱいになってるということなんでしょう。言われた直後は頭が追いつかなくて時間が停止したような感覚になるけど、一呼吸置いてから頭がそれを理解し、周りが見えなくなるほど混乱する。そして、一通り感情を爆発させた後、自ら愛しの彼から目をそらし、背景(地球の光景)に目をやる。そしてそのまま劇終。話の結論としては何てことないものなんだけど、感情の緩急とその表現が見事でしたね。
 まぁ、彼が地球に残る決断に関しては「それはどうなのかな」とか少し思わんでもないんだけど、まぁ既出の情報から考えると別に地球に残ったって死ぬわけではなさそうだし、別にいいのかな。親と普通に会えるのにはずっこけつつ乾いた笑いが出たんだけど、これも既出の情報がウソとついてるわけではない。 “二人とも元気かなー” のくだりとかちょっと読者を騙してやろうという気持ちが表に出過ぎてて、そういう騙される快感は本作の読み味においてまったく不必要、どころか邪魔なものなので少し気になる。まぁ、雲、わたがし、からの火星でヒロインの気持ちが沈む、という縦の流れは秀逸で、あの場面自体はすげぇ好きでした。好きだからこそ「あの感傷を返してよw」的なズッコケになる。まぁ、あのくらいの精神年齢の子だったら、定期的に会えるとはいえ親と別れて暮らしてたらああいうことを言っても不思議ではないんだけどね。ウソはついてないんだよ。ついてないんだけどさぁ!!
 終わり。面白かった。実はめっちゃSF、という仕掛けがキレイに決まってて、やっぱ読切漫画って良いよね、としみじみ感じた。

『ドロンドロロン』

 2号連続増ページ。ギンチヨ参戦。が、彼女も私的な感情が優先してしまい苦戦。先週のドラクーのドラマを繰り返しつつ、ドラクーが助けに来ることでサクッとそれを乗り越える。そして、3人で戦うことでようやく勝機が見える。先週と今週で前後編っぽいというか、2話でワンセットみたいな感じあって面白いですね。
 おいしいとこはドラクーが持って行く算段なんだけど、それは主人公だからではなく、ドラが去年酷い目に遭ったから。被害者だからこそ戦える、被害者だからこそ勝てるかもしれない、という話が熱い。そっからの毒は無効とはいえ根性による我慢は必要、とひと盛り上がり入れてきたのも楽しかった。適度なロジックと適度な根性。
 前後編感があって好きだったので、できれば今週で決着まで行ってほしかった気はする。まぁ、これは勝手な見方なんですが。

『あやかしトライアングル』

 レオ参戦。が、 “祭里くんに怯えられた…” でリタイヤするので笑った。ちょっとこの心理は分かるというか、リアルですね。ツッコんでくれるという安心感があるからボケてたのであって、ツッコミがなくなると途端に奇行となってしまい、自我が崩壊する。
 ニノクルとのロマンス展開に笑ってたんですが、カゲメイ的が「計画通り!」だったのも面白い。察しが良すぎる気もしたんですが、彼女の言い分を聞くと納得しかなかったw
 そしてまさかの節分展開になるので笑った。突然時事ネタぶっ込んでくるとはやるやんけ……。ポの豆を先週印象的に見せてたのは布石だったのですね。めちゃくちゃ勘の良い人だと先週の時点で「まさか節分展開来るか!?」と予想できてたのかもしれない。勝てる気がしないぜ。
 んで、ニノクルは中身が男の祭里が好き、と自覚してしまう。複雑なように思えて、男は好きだけど女体が好き、という男性は案外少なくないと思うので、結構普通な気がする。

『アヤシモン』

 回想多めにして、怒濤の橋姫回であった。ちょっと意外。もっと覚醒バトルみたいな感じかと思ったので。
 冒頭の回想、ウララ視点の回想で彼女は橋姫が会いに来ること(橋姫しか会いに来ないこと)を残念に思ってるんだけど、この場面だけでも橋姫の愛情は十二分に伝わってくる。この時点でめちゃくちゃ味わい深いといいうか、何なら本話で一番好きな場面だったかもしれない。 “偶に様子を見にくるだけの橋姫” と言われてるのに橋姫はあの表情、という良さ。
 後半、橋姫からの愛情に気づくんだけど、そこで描かれる回想が同じことを繰り返す橋姫だったというのも良い。 “断じて違います” ラッシュ、めちゃくちゃ良かったなぁ。今までは否定されたくらいにしか感じてなかったけど、なんと愛情深い返事だったのか……と味わい深い。

センターカラー『僕とロボコ』

 六つ子と雪合戦。てっきり既出キャラを忘れてるだけかと思ったぜ。一瞬落ち込んでた。
 んで、例の審判。雪合戦で『HUNTER×HUNTER』やるなら天空闘技場よりドッヂボールだろ……と思ったら次ページで実現した。ゴリラ繋がりは盲点だったので笑ったぜ。
 さらには『ONE PIECE』ドラム王国編までぶっ込んでくるので天晴れだわ。雪で、旗。言われてみればコレしかない、というネタだったな。
 まぁ、アウトの人が旗を支えるのは普通にダメだと思う。それだけやりたかったネタということなんだろうね。劇中で抗議を描いてそれも一つのギャグとしてるのもうまい。けど、普通に負けだと思う。

『アンデッドアンラック』

 ゴーストのルールがよく分からないままガンガン話が進むのな。幽霊って死んだ人の別の姿だと思うので、風子の幽霊が存在する限りはセーフ、というのがそもそも飲み込みづらかった。
 あと、風子の幽霊がおいしそうなのでなかなか食べずに取っとく、というのも都合しか感じない話だったな。「触れない!」「シャッキンリポンと舌の上で踊るわ!」で終わってもおかしくない、というか終わって然るべき。それくらいの絶望感だと思ってた。
  “だから こんな女に” “必死になる” のコマと、ラストの「触る」の件は良かった。そもそも不滅と不死の違いもよく分からないんですが、あのコマは分からないにしても魅了されてしまう迫力があった。

『守れ!しゅごまる』

 ボディガードとしてふさわしいかテスト。『HUNTER×HUNTER』のアレしかないだろ、と思ったら劇中のキャラが “………そうか!!” “HUNTER×HUNTER3巻か!!” とそのまんまなこと言うので笑った。言われてみれば遊戯王カードがそのまま出てくるような作品なので、こういう直接的な言及があってもおかしくないわ。『ロボコ』と似てるようで微妙にアプローチの仕方が違うというのも興味深い。てか、みんな『HUNTER×HUNTER』好きだなぁw
 あと、すごいのは冨樫なんだけど、 “すごいのはゴンだよ” と表現するさなぎも良い。
 すげぇ今更なんだけど、しゅごまるの小学校低学年男子らしさ溢れる言動、めちゃくちゃ可愛いですね。表情とか視線の動かし方がめちゃくちゃ小学生で可愛いわ。良い演技してる。
 からの何でも手品。大オチ好き。わざわざロッカーに入れてる時点でイヤな予感がするし、出てきたさなぎがノリノリでポーズ取ってるのも可愛い。

『マッシュル-MASHLE-』

 水の魔法は四大元素だから強い。急に四天王要素ぶっ込んでくるやん。残りは火、風、土か。やっぱベタに火が最強なのかな。『アナ雪2』的には水が最強だけどね。まぁ、あの映画、水の記憶とか有害エセ科学要素入れてくるから好きじゃないんだよなぁ(少なくともその部分は)。あと、土は『ブラクロ』とあまり被らないので強キャラにしてほしい気持ちもある。
 水鉄砲からの逆転。敵のブチギレに対するマッシュの冷静かつ的確な煽り。本作の良さが凝縮したような展開でした。 “パパにいいわけしなくちゃね…” とか最高なんだよなぁ。バトルであると同時に舌戦としての面白さもある。まぁ、正確な論理性というよりは勢いと瞬発的な説得力が優先されるのでMCバトルとかのが近いかも。
 あと、 “固く血の繋がったお父様に身を捧げ尽くす僕と” “のらりくらりと雑多な人間関係の中にいるお前” という言い回しも好き。マッシュの人間関係、友人関係ってのは本作の根幹にも触れるテーマですね。なぜマッシュが本作におけるヒーローなのかが端的に分かる。あと単純に “のらりくらりと雑多な人間関係” という表現が好き。マジでムカついてるのが伝わってくるw

ブラッククローバー

 本編にセリフとして出てこないから見過ごしてる人がいるかもしれないんですが、本話のサブタイ、「言い訳」なんですよ。『マッシュル』の “パパにいいわけしなきゃね…” からのこの並びが熱い。誇張抜きで今週一番面白かったわ。一番テンション上がった。同じ言い訳でもそれぞれニュアンスが違うのも面白いですね。どっちもダメなことなんだけど、フッハの方はそれでも嫌いになれない良さがある。
 ということでまさかのフッハ回。1ページ目が秀逸で、誰が饒舌に語るオープニングなんですが、それが誰のセリフかは1ページ目の最下段を見るまで分からない。しかもそのフッハが地面にはいつくばってる、という絵面も込みで素晴らしいオープング。たった1ページで殺されたわ。
 そんなフッハ回。こういうキャラが改心する回は感動するに決まってるじゃないですかー、と正直序盤の段階でもう感動してたw なんだけど、だからこそ、ラストにフッハが後悔するだけで終わってしまったのが残念だなぁ。アスタの役に立つ……まではできなくても、何かアスタのために、無力なりに一つ頑張る。それを受けてアスタが再び戦い始める、となるべきだったでしょ。アスタを応援するだけでも全然いいのよ。不完全燃焼のまま主役がアスタに移ってしまい、そのまま今週が終了するので少し感情が乗り切れなかったというか、アスタのかっこいい姿を素直に喜べなかった部分がある。まぁ、来週以降フッハが何かしてくれると期待するしかないんですかね。
 ミモザがアスタのことを止めようとするが、フッハは逆にアスタの背中を押す、みたいな感じでも良かったと思うんだよなぁ。別にフッハのこと本気で憎んでる読者なんて多くないだろうに、フッハざまぁ的な話じゃないと成立しないと思う。

『サモンズR』川江康太

 読切。ジャンプショートフロンティア。『ブラクロ』の直後に高校生が悪魔を召喚しようとしてるので笑った。悪魔って怖いんですよ!!
 作者、以前にも読切載せてましたね。前はバトルモノだったので今回こんな感じのオープニングなので意外でした。明らかに悪魔とバトったりはしなさそう……と思ったらした。序盤のジャンル詐欺的な雰囲気が本作の味噌だったか。作者の名前と前作を調べたのがアダとなったわ。なんかごめん。いや、別に台無しになったとは言わないけど、もっと素直に驚く方が良かった。
 あと、目にクマこさえた根暗くんが実は強キャラ、というのは今見ると乙骨パイセンに見えてしまうよなぁ。別にそれほど乙骨にオリジナリティがあるとは思わないけど、本人は無自覚だけど彼の秘めたる才能が本編の謎を解く鍵となる、という点は少し似てるかも。
 なぜか必ず魔術が成功するが、ラッキースケベも発生する。ただし、スケベの度合いが強すぎるので困る。からの召喚されたのが汚いおっさんだったのは笑った。めちゃくちゃ怖い。すげぇ面白かったし、笑ったんだけど、さすがにこれはAVもしくはエロ漫画的なお約束を前提としすぎてるので、それありきの話にするのはどうなのかしら……とか思わんでもない。ちょっとやりすぎというか。まぁ、ただのおっさんが出てきておかしい、みたいな無邪気な楽しみ方も成立してるのかもしれない。そうか?
 んで、ショートフロンティアらしい二重三重のどんでん返し。実は主人公めっちゃ強いだけでもそれなりに面白いんだけど、そっからさらに魔術が成功するのも彼のせい、ともう一つ大きなネタぶっ込んで終わるのが面白い。前半で「なぜか」で押し通してた部分のすべてに説明がつく。魔術がラッキースケベとセットなのは彼がラブコメの主人公でそういう体質を持った魔法使いだった、ということですよね。こっちのも説明がつく。いや、「ラッキースケベ体質」と独立したロジックとして計上していいのかは怪しいんですが。まぁ、そうじゃなくて無意識的な彼の願望が反映されてしまった、みたいな解釈でも成立するか。

『夜桜さんちの大作戦』

 「夜桜映画祭」。怒濤の映画ネタがひたすら楽しい。各映画のタイトルが確認できるように描かれてるのは権平先生の趣味が反映されてるのだと思う。ダジャレ的な小ネタがこれでもかと詰め込まれてて、それを確認するだけでも十二分な満足感。
 どの映画も元ネタが分かりやすいと思うんだけど、辛三の「にゃんにゃん物語3 ~肉球大作戦!!~」がよく分からなかったな。わざわざシリーズ3作目にしてるから作者は具体的な何かをイメージしてると思うんですが……。
 高倉健ネタをやる際、『鉄道員』だけで終わらせずに網走要素も入れてくるあたり、なかなか油断ならないと思う。私だったら絶対『鉄道員』ネタやって満足しちゃってた。
 タイトルは出てこないけど、六美が好きなミュージカル映画は『ヘアスプレー』でしょうね。昨今のミュージカルブームとは違う作品を選んできてるのも作者がガチで好きな作品持ってきてることの現れだと思う。まぁ、『ララランド』は恋愛的に暗いオチなので今回の夫婦の話としてふさわしくないってのは分かるけど。

『PPPPPP』

 運がファンタジーに驚いてるので笑った。たしかに『ダダダダーン』の時点ではそんな設定なかったもんな。あの漫画、本作の前身ではなく前日譚になったので、この齟語はどうしても問題になってくると思う。あの世界におけるそれなりの実力者がファンタジーのことを知らない、経験してないってのは不自然というか。まぁ、『ダダダダーン』における空間が歪むような表現がファンタジー一歩手前の現象だった、という認識で辻褄を合わせるつもりなのかな。
  “弾きたい演奏と弾くべき演奏” 。このテーマは面白い。ピアニストといっても音楽学校的な、クラシックを中心とした話なので当然これは出てくるよね。芸術を扱う作品として『食戟のソーマ』との類似が多い作品だと思ってたけど、この問題は『食戟』には発生し得ない。あっちは創作の話だから同じ芸術でもちょっと違うんだよね。ジャンプで珍しい芸術を扱う漫画として、ここらへんのアプローチの違い、めちゃくちゃ興味深い。

『破壊神マグちゃん』

 あああああ、先に目次コメント読んでしまった。これはマジで後悔。完全なる失敗であった。最終回詐欺に引っかかるべき、引っかからないともったいない話だ。く、くそぅ……。とりあえず次号予告と目次を見る癖、直した方がいいのかもしれん。一番楽しみにしてる『マグちゃん』でこんなことになるとは。
 本編。ということで最終回詐欺。前回のユッピーの話を踏まえると「メタ」という側面の方が大きいのかな。何も知らずに読んだらどう感じたかは分からないんですが、前回のユッピーの件があるので「なんか怪しくない?」となってた可能性もある。自分がどういう反応をしたか、知りたかったよ……。
 それはさておき、最終回的なルックの整え方が完璧ですね。このいろんなキャラが出てくる感じ、ちょくちょく感動的になるのがすげぇそれっぽい。それでいてギャグも絶えないから良い。要素が多いので異様にサクサク進んで、ちょっと淡白な印象もあるんだけど、そこが少し怪しいというか、「本当に最終回?」と疑う余地だったのかもしれない。ラストの集合写真にユッピーが映ってるの、「全員集合だからとりあえず出しときました」的な話にも見えるけど、本話は丸ごとユッピーが見てる世界だったのでは……みたいな勘ぐりも発生すると思う。ちょっと映るだけで超絶メタ展開を予期させるユッピー、強い。あとは、サメが空飛んでるのも笑った。『チェンソーマン』を継ぐ作品は本作だったかw
 亜空のポータルから登場するチヌが可愛いので眼福であった。やっぱこういうちょっとしたポーズ、仕草、表情、目線とかが抜群にうまいよね。そして、その技量のすべてが結晶となったのがチヌだと思う。いろいろ可愛い(動物)キャラはいるけど、やっぱチヌが頭一つ抜けてる。
 てか、劇中だと「うっそぴょーん」的なネタバラシが一切ないまま終わるんですね。マジで徹底した最終回詐欺だ。作者的にはネタバラシしたくなかったけど、「さすがに無理です」と担当に止められてたのではないか、とか疑ってしまう。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 2/2は情報セキュリティの日ということで、ジャンプ作品のパソコン使いキャラ特集。あああ、これは良い目の付け所。マジで感心してしまった。たしかに一定数いるし、どのように扱われてるかで時代や価値観が如実に現れるよね。すげぇ面白いテーマだ。ミルキのパソコンだけ箱型なのが泣けるw

次号予告

 表紙巻頭は『ONE PIECE』。
 手塚賞準入選作品が来週もあるよ……って全部で6週続くのか?

目次

ヒートテックのタイツを初体験。暖かいので就寝時も作業時も常に履いてます。
(『ドロンドロロン』

 さすがに寝るときは脱いだ方がいいのでは……と心配になってしまうw

ビールはグラスの飲み口が薄ければ薄いほど美味しい気がします。気のせいかな
(『僕とロボコ』)

 気のせいじゃない。

言われたい台詞②「そう。伊原が今一言でまとめてくれた」
(『守れ!しゅごまる』)

 私もめっちゃ言われたいので笑った。これは想像するだけで気持ちよくなっちゃうな……(偉そうなだけの人だったら別だけど)。

愛読者アンケート

 『ヤマビコな日常』についてと、映画『呪術』について。何回観たか。1回。観た理由。漫画とアニメの『呪術』が好きだからと、予告が面白そうだったから(声)。
 ジャンプの連載作品で毎週読んでる作品は何作あるか。全作品読んでる。一瞬、『HUNTER×HUNTER』は読めてないから全部はあり得ない!! とか引っかけ問題のようなものも感じたけど、まぁ全部でいいと思う。

総括

 何とか終わった。けど、遅い。さすがにこれは遅すぎる。
 ベスト作品、ベストコマ、ベストキャラで拾えない良さなんですが、今週の『マッシュル』からの『ブラクロ』の言い訳コンボは本当に面白かった。

 今週のベスト作品。『アオのハコ』かな。
 読切はどっちも良かったので次点。

 今週のベストコマ。『ロボコ』の “折れねェ” 。あまりに適切すぎるネタが出てきたので膝を打ちました。

 最後に今週のベストキャラ。こちらー。

  • セッケ 『ブラッククローバー
    • もう今週はこれ以外あり得ないでしょ。何なら本編で描かれてること以上に好きかもしれない。好きすぎて本編に不満があるレベル。

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