北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年20号の感想

 今年の『名探偵コナン』はいいぞ。『ドラえもん』もいいぞ。今年はいいぞ。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。前回は若で正解。大人になると切っちゃう奴ですね。やってることが『暗殺教室』と同じすぎないか? とは少し思う。
 次回。この髪の束感は、アスタ!! 意外と出てなかったですね。バンダナも見えてる。てか、マッシュ回が難しすぎて、既出キャラをリストアップしてしまったので、その影響で難易度が大きく下がった感ある。正直、パッと見では少し悩んだ。

表紙

 『呪術廻戦』。すごく黄色い。申し訳程度で乙骨もいるんだけど、大人からの要請で入れました感ある。

読者プレゼント

 バチェラー。まったく興味ないのでアレだけど、ネタとして鮮度悪くない? 今も継続的にやってたらごめん。
 今月はプレゼント予算が増額中なのでバチェラーというテーマ取りはかなり分かりやすいというか、適切だと思う。
 細かいダジャレに関しては「これバチェラー用語なの?」と疑問に思うものが多く、私には判断できない。

巻頭カラー『呪術廻戦』181話

 乙骨の事後ピロートークいいね。さすが純愛マン。そして、それが成立するのもポイントの譲渡が可能になったからこそ、と他の場所の話に繋がるのも区切りとして分かりやすい。2人とも「ポイントくれよ」「いいよ」となったという事実にほっこりする。
 んで、三輪ちゃんかと思ったら漫画家。外国出身者(たぶん)というところに興味がある。本作世界における外国の扱い、すごい気になってるんですよね。『ヒロアカ』も気になってたけど、映画がすげぇ肩すかしだったので今はもう気になってない。連載のためにアメリカネタ温存するくらいなら映画やるなよー。

『SAKAMOTO DAYS』67話

 コラムページの語り手が晶と中二。重要キャラというか、今後も付き合いが続きそうなのはやっぱこの2人、ということなのだろうか。他にも気になる人出てきたけど。
 本編。リモート。リモート先のアクションのみが描かれるのではなく、リモート元と比較するようにコマが配置されてたりして面白い。リモートらしい面白さだし、何より漫画という絵を複数並べるメディアとの相性がめちゃくちゃ良い。
 そして、シンが戦えない。心が読めないから困る話かと思ったら違った。
 とにかく、シンの昨日の敵が今日の友。中二まで出てくるのは意外だったな。実力的にかなり劣るイメージあったけど、シン基準で考えたら十分頼もしい助っ人ということなのかな。あと、「中学&高校」というセット感もあるかも。

『逃げ上手の若君』59話

 攻めルート選択。普通、短くて険しい道と、長いが容易な道になると思うんだけど、長い方にもデメリットが提示されるのでちょっとピンとこない。
 若の出した、味方を増やしながら進むので長い道、という結論は面白い。ただの逃げボーイではなく、上に立つ者、諏訪勢の象徴として振る舞うことを計算に入れてるのが珍しい。特にジャンプ漫画だと珍しいタイプの策略だと思う。歴史モノをやる強みを感じる。

『アオのハコ』49話

 同居のない日常がスタート。そもそも会えないんですけどー、とヤキモキする感じがめちゃくちゃ良いな。というか、本来恋する高校生ってこういうもんだし、そもそも本作の読切版もこういう距離感の話だったよね。まさかの原点回帰。普通に先週気づくべきだったけど、「やっぱ同居ナシ」は本作にとって意味深いものであったと痛感。
 本作のことは好きだけど、たまに「そもそもハコって何よ」とか思うことはあったので、「体育館だよ!」と今なら言える。まぁ、それ以外にもあるんだろうけど、基本的には。

『高校生家族』1話(82話)

 新学年ということで、バレー部に新風。そうきたかw 前から「バレー部のときだけ雰囲気違くね?」とは思ってたけど、その路線をさらに押し進めた形。これで来週『ハイキュー』が凱旋するんだから面白くなってきたぜw
 サブジャンルとしてのスポーツ漫画という意味でも『アオのハコ』と本作は共通するけど、今回の主人公が鹿なので笑った。そこまでバレーイメージと繋がる動物じゃないと思うんだけど。
 最後まで「オッサンがいるんだけど?」というネタが出てこないのはビビった。それをやるための外部の視点だと思ったのに。本作の基本がもはや必要ないフェイズにたどり着いてる。
 「主人公感」というのが絶妙で笑ったんだけど、これジャンプよりももう少し年齢低めの読者層の雑誌の主人公だよね。いや、最近のジャンプが年齢高めに偏りすぎてるのかもしれないけど。

センターカラー『マッシュル-MASHLE-』104話

 人気キャラ投票の結果。平然と、それでいてそのまんますぎる形でパロディしてくるので笑った。ツッコミがないのが面白いので、「※この投票は実際に行われました」の注意書きが余計だとも思うんだけど、まぁたしかに書いとかないと不安なのも分かるw
 結果。本作は今時珍しい、主人公がぶっちぎるタイプの作品だったので安心したんだけど、ちょくちょく「なんで?」となる人がいて面白い。本作のファンコミュニティとかどうなってるのか、まるで想像がつかない……。
 本編。修行。めちゃくちゃ修行っぽい修行を数話かけて行うらしい。とても嬉しい。先週の『アヤシモン』も良かったけど、結局のところ1話で終わってしまったからなぁ。「修行回は人気出ないんで」という言い訳が聞こえてくるようでもあったのも事実。
 重力部屋でのしっぽ取り。「強さといえば重力倍加」というのはやっぱ『ドラゴンボール』イメージなのだろうか。まぁ、本作の強さは肉体由来なのでよりその傾向が強いってのも分かるが。
 無意識のブレーキを外す。良い話風に出てきたじいちゃんとの回想がハイテンションコメディなので笑った。じいちゃん、マッシュ育てるの本当に大変だったんだろうな……。よく生き延びれたよ。尊敬するぜ。
 細かい部分(理屈)はすっ飛ばしてクリア。まぁ、その詳細は今後描かれていくのでしょうね。ただ、しっぽの課題、別に1本でも良かったんじゃねぇ?

『地球の子』9話

 先代の使命の日。ブラックホールという宇宙に関連したネタだったのは面白いんだけど、ブラックホールの解像度があまりに低いのでちょっと萎える。宇宙ネタだからこそ本格的にやってほしかったんだけど。まぁ、話の都合上、地球上に発生してくれないと困る、ということだったのかな。それにしても地球の子ボールを一般人が抱える、というのもまったく飲み込めない展開だったのでマジで話についていけない感がある。組織が秘密裏に地球の子を生存させる(代わりに犠牲を出す)計画を進行してたってのは「あのクソ組織ならやりかねないな」と納得できて面白かったんだけど、他がいちいち変な展開を繰り返す。その変をテンションのみで乗り越えようとするけど、普通に引いちゃうんだよな。
 とにかく、選択。ゴンさん手術とか言語道断なので、それこそ主人公として選んじゃいけないんだけど、赤ちゃんが初めて歩く姿を見て、という理由だったのは面白い。「普通の親」としての感動が選択のトリガーになってるのは良いね。作者の子育て経験の有無(取材の内容とか)なんかも気になってくるところだ。
 ただ、細かいことを言うと、あの手術の存在がそもそもヤバすぎるので、 “毎日毎日が大切なんじゃないか” とか言わなくてもダメでしょ、という気はする。いや、劇中で「なぜその選択をしたか」を描くのは必要だからいいんだけど。

『ウィッチウォッチ』58話

 ケイゴに何も仕事がない問題。今まで当たり前に存在してたが放置されてた問題ということで面白い着眼点。ただ、日頃護衛としての仕事がそんな大量にあるってイメージがないのも事実。そんな武闘派集団とは思えないし、そもそも黒魔女以外にそんなケンカしていいの? とか気になってくる。反社がマジだったら超人が反撃するのもやむなしかもしれないけど、それが日常風景だとしたら怖すぎる。
 指輪による魔法の授与。すごすぎる話というか、今後いくらでも話が広がりそうなネタだ。なんだけど、今回のケイゴ限定で終わる気もしないではない。
 「箒あればいらない」というロジックは笑ったし、魔女あるあるみたいな感じですげぇ面白かったんだけど、常人がちょっと浮かぶってだけでも人生変わる級にすごいことな気もする。ここらへんの感覚が本作世界でどうなってるのかはよく分からなくなってくる。10cm浮くだけでも新興宗教ぶち上げれそうなレベルだよね。それこそ反社の人たちならもっと有効利用(悪い意味)できそう。
 何だかよく分からないけど、とにかく難しいらしい。よく分からないけど、フィギュアの難しさと通じるものがあるのだろう。ここらへんの収まりの良さは面白い……というか、そういう逆算をしたのだろうな。
 私だったら「見ろや! 10回転ジャンプ!!」とかやっちゃうと思う。

センターカラー『Pain Killer』宮武翼

 読切。『べるぜバブ』ファンは信頼ができる。逆に『チェンソーマン』は今めちゃくちゃ多いんだろうなぁ……ってなる。だからダメとは言わないけど、母数が多すぎて玉石混合なのでは。
 本編。殺し屋が漫才。それでこのタイトルって時点でそれなりに面白いし、実際そういう話になる。殺しが「救い」になる話を笑いによる鎮痛作用に例えたのはうまい。そもそもペインキラーって言葉が物騒すぎる。なんでそんな名前を……とか思うけど。
 メガネクソジジイを殺すのは普通にダメでしょ。変な話、開始早々作品のすべてが台無しになるような展開だった気もする。 “傍から見たら私怨で殺したみたいやな” って言ってたから、あのテレビ局の人は任務だったの? 何か見落としたかしら。
 正直、日常会話が漫才チックになってるのが結構キツかったというか、「ギャグセンス見てください」的な圧が強すぎて少し引いたんだけど、日頃から漫才の練習をしてると考えたら案外アリなのかもしれない。コントと違って漫才は日常会話との境界線が曖昧なので、そういう意味では面白いのかも。
 ツッコミ臭すぎる会話とか苦手なところもあったんだけど、 “いや感情わからん” はマジで笑った。ああいう意味深リアクションを取る奴、漫画だとちょくちょくあるよね。かっこいい演出みたいに受け取ること多かったけど、たしかに言われてみればツッコミが入って然るべきだわw
 「人殺し大好きっ子」がラジオネームってのはよく分からなかった。あと、メガネジジイ殺したから大好きっ子なのはそれほど間違ってないと思う。
 漫才で殺す。物理。これがやりたかったんだろうな、的な収まりの良さがある。それ以前の話のまま終わるのも想像できたので、そういう意味では前フリの部分も高レベルだったと言えるのかもしれない。
 本筋とは関係ないけど、「night」の例え、「knightのkみたいなことある?」の方が適切だったと思う。結構気になる。
 変則的とはいえ、一応劇中で漫才を扱ってるので、「なぜウケたのか」の説得力は必要だと思うんだけど、少女がウケたのが飲み込めなかった。皆殺しにしてくれて痛快、なら全然いいし、それはそれで物語的に感動できたと思うんだけど、あれは単純に漫才で笑ったっぽいんだよな。にしては純粋な漫才としての面白さの説得力が足りない。というか漫才描写がほとんどない。これは去年『あかね』コンビがうまいこと扱ってたし、こないだ篠原先生が「なぜスベったのか」を扱ってたので、本作が悪い意味で目立ってしまってるのかもしれない。とはいえ、大事な部分だと思うんですよね。日常会話の漫才風のやり取りが特別魅力的だったら別だけど、「漫才の練習」というフィルターがなかったらそこまででもなかった印象。変な話、何でも漫才のツッコミ口調で会話する人いたらめちゃくちゃイヤだよなぁ、とか。自分のこと面白いと思ってる大学生とかそういうイヤさ。
 終わり。殺人漫才のくだりは面白かったし、その一点勝負で考えるなら結構良かった印象なんだけど、それ以外も込みで考えるとちょくちょく引っかかる点は多かった。特にジジイ殺し。まぁ、もうちょっと私がお笑い好き、漫才好きだったら印象は違ったのかもしれない。本格的に漫才好きなような人の感想とか興味ある。いや、ガチファンすぎると逆に厳しくなるのかもしれない……。

『あかね噺』10話

 やっぱ末永先生あんたすげぇよ、と感じさせる掲載位置。まぁ、厳密には全然違うことやってるんだけど。
 本編。真面目落語。「真面目だから面白い」ってのは正直分かりやすい内容ではないんだけど、それなりに蓄積を重ねてきた10話目だからこそ成立するバランスだったと思う。落語自体がキャラクター紹介であり、師弟論、兄弟弟子論、教育論と重層的に意味を持ってくる展開も面白かった。あと、これは偏見もあるけど、老人ホームだと真面目キャラはウケやすいんだろうな、とも。
 とにかく、理想の落語の形は1つではなく、それぞれの個性を楽しむもの、と読者の落語観をどんどん拡張してきてるのが良いですね。今後の新キャラによる落語もどんどん見たくなってくる。

巻中解放区!WEEKLY週ちゃん

 巻中回。もはや「なぜか巻中だぜ」的な言及は一切ないのね。探しちゃったよ……。
 4/24は植物学の日ということで、架空の植物特集。これがなかなか面白い。各作品におけるかなり中心部分に関わってくる植物もちょくちょくあるのも興味深い。『鬼滅』とか『約束』とか。
 オリジナル動物よりもオリジナル植物の方が遊びやすい、みたいな作者側の都合もあったりするのかしら。そのくらい多種多様で面白かった。

ブラッククローバー』330話

 ユノが死にかけの団長副団長の対処。普通に魔法使えてるユノが化け物だよ。まぁ、これも便利能力を身につけてしまった者の宿命なのかもしれないw
 必要な人は集まったけど、もう魔力がない。死にゆくのを見てるしかない、という絶望感はなかなかだし、勢い余って告白してしまうのもまぁ分かる。週ちゃんからの植物繋がりというのも感じる。
 魔力不足といったらやはり……と思ってたら本当にチャーミー。やっぱ頼りになるぜ。困ったときの俺(作者)の嫁。
 チャーミーたちがやってくる絵面に緊張感がないのが笑えるし、何より暴牛がいつの間にか全員集合してる、という下準備の周到さも良い。ものすごくスムーズにナハトに対する「おかえりなさい」に繋がってるのですごい。

『僕とロボコ』85話

 アイドルの休日。ミユミユは「漫画は紙」派閥らしい。「こういうときに電子は便利だぜ」と言わんばかりのシチュエーションだったよね。
 変装ではなく普通のだらしない格好でお出かけ。可愛くないと男からの扱いが違う、という話をやりたいのは分かるが、それなりの繁華街をあの部屋着ジャージで歩いてたら多少「ほげー」になるのも仕方ないと思う。女性の美醜の話では全然ない。てか、ちょっと「怖い」になってもおかしくない話だし。そういう意味では「ほげー」ではなく警戒される方が自然かもしれない。
 美醜の話に全然なってないモヤモヤはあるんだけど、小学生は常識がないのでジャージで歩いてても気にしない、というロジックは案外リアルかも。
 これは根本的な話になるけど、アイドルを好きな理由として「可愛いから」よりも「頑張ってるから」を強調してくる人、結構キモいと思う。オタ友との会話だったら全然いいんだけど。小学生だろうと、成人男性だろうと、この言い分は結構キツい。私のアイドル観が歪んでるのかもしれないけど、この「アイドルは頑張ってるから美しい」理論には結構嫌悪感、もしくは欺瞞を感じてしまう。
 あと、ボンドによるホメ、結構「実際に会ってみると」という超特殊な状況の話をしてるので、アイドル論としてもかなりずるい。実際に会ってみて、アイドルとしてではない人柄が分かるレベルの交流をしてる人にホメられて嬉しいのは分かるけど、それは「可愛くない私に価値はない」という悩みに対する回答として少しズレてる。
 あと、ボンドが知人としてのホメになっちゃうと、ボンドはイノセントな存在なので美醜にとらわれず物事の本質に気づける、という話にもならないんだよね。ただ会って話したことあるから知ってるってだけなので。本作たまにあるけど、良い話風にまとめたがるくせに、それほど良い話がうまくない。

センターカラー『あやかしトライアングル』88話

 カラー扉からいきなり移籍のお知らせあるのでビビった。最後に言うんじゃないのか。
 移籍。最初からプラスで連載してればよかったのに、とか正直思う。ひどい例えになるけど、AVデビュー決まってる人が事前に申し訳程度のグラビア活動をして「あの芸能人が!!」という箔をつける、みたいなイヤさがある。そもそも本誌でできないことがプラスならできる、という前提にも引っかかるものはある。てか、最近のプラスはエロ路線を武器にしなくなったと思ってたのに。なんでスクエア移籍じゃなかったのかしら。プラスって下手すりゃ本誌よりも敷居が低いよなぁ。
 当ブログ的に移籍サヨナラパターンは『ソルキチ』『ワートリ』『銀魂』に続く4作目かな。『チェンソーマン』はよく分からん。他に何か抜け落ちてたらごめん。『ワートリ』『銀魂』が緊急事態による対処みたいな感じなので、穏便に移籍するのはかなりのレアケースとは言えそうですね。
 ネガティブな印象が強くなってしまうのは、ジャンプに載ってるから読んでたし、感想も書いてたのに……と思ってしまうから。勝手な事情ではあるが、無駄だったみたいな気持ちになってしまう。『ワートリ』『銀魂』は仕方ないから文句言う気にはならないけど。まぁ、突き詰めるとすべての作品、読むことも感想書くことも無駄ではあるんだけど、そういう話じゃないのよ。

 本編。移籍するなら読まなくていいんじゃないかな……となってしまうから移籍のことは知りたくなかった。『ソルキチ』のときはここまで暗澹たるマインドにならなかったと思うけど、何が違うというのか(心当たりはある)。
 原点回帰みたいな話、面白そうだと思ってたけど、本誌での最終回なので総括っぽい話をやりたかったのね。思ってたのと違った。
 紆余曲折はあったし、現状に満足してるわけではないけど、それでも過去を否定することはできない。失敗も含めて今の祭里(もしくは自分)が好き。とりあえずの最終回っぽい話ではある。ただ、「女の祭里も好きみたい」をギャグっぽく処理してしまうのは本作の限界というか、別に話としては「当たり前じゃん」でしかないんだけど、そこに余計なニュアンスを込めてしまうのがな。
 ということで終わり。まぁ何も終わってないんですが。そういう意味では『チェンソーマン』は偉かったなぁ。めちゃくちゃ終わってたもんな。終わろうとして全然終われなかった『銀魂』も特殊ケースとして今となっては愛おしい。
 とにかく、移籍です。おつでした……ってのも違うか。休みなく続くっぽいし。

『PPPPPP』29話

 ミーミンの悩みの話をしてたが、いつの間にかクラシック業界全体の話にまで広がってるのが面白い。世界との付き合い方の話だから当然っちゃ当然なんだけど。どうしても「ラスボス楽音」みたいな考え方になっちゃうけど、そもそもクラシック業界に(人によっては)問題がある。歴史の深い世界だからこその特殊性がよく現れた話になっててかなり面白い。興味深いタイプのテーマになってきたな……と結構引き込まれるんですが、1話ずつ区切って考えた際、ものすごく盛り上がりに欠ける終わり方をしてる。1話の中の起承転結というか、テンションの曲線が変な感じで終わってしまってるというか。単行本で続けて読んだら印象が大きく変わるんだろうな。

『夜桜さんちの大作戦』126話

 包むと毒は消える、かもしれない。この「包む」ってのが面白い。前回ラストの糸拘束もそうだったけど、今回は太陽の抱きつきで終わるのが良い。感情の発露としての抱擁ってかなり原始的というか、めちゃくちゃシンプルな話なんだけど、毒や包むの話を踏まえて見ると最後の抱きつきが特別なものに思えてくる。
 理屈っぽいことを言うなら、「毒が消せそうならもう太陽を拒む理由はないんじゃないの?」とか少し思った。いや、長男の言い分がまったく分からないというわけでもないんだけど、太陽に直接反論するような感じのものが欲しかったかな。

『うぇあしば!』遥川潤

 読切。ジャンプショートフロンティア。珍しい位置にショートフロンティアがあるんですが、今号は特別というか、ややこしいことになってる。
 本編。柴犬の人狼(子犬でハーフ)が可愛い。何じゃこりゃ、殺しに来てるわ。最高やんけ。『原スープ』の人の新作とはとても思えないようなマスコット……と思ったらラストがただじゃ終わらない感じなのね。予想を裏切ってやる、という強い意志を感じる。ショートフロンティアらしくて好き。
 ただ、問題としては、タイトルの時点で柴犬とバレてしまってる点。別に隠すつもりはなかったのかもしれないけど、一応「柴犬だったの?」というのが中盤の驚きになってるので、「あっ ごめん タイトルから勝手に察しちゃってた……」と変な感じになった。そもそもキャラデザで分かる、という話でもあるが。
 共食いの強要はさすがに子犬が可哀想すぎるので個人的にはあまり好きな結論ではないんですが、それはさておき、子犬の子犬らしさが人型のキャラクターの言動としてめちゃくちゃ魅力的に描かれてるので、正直それだけで100点みたいなところはある。犬は喋らないから可愛いって強みもあるけど、本作はちゃんと子供らしい言動になってて、喋る可愛さも完璧。
 「ここが可愛い」とか挙げたらキリがないくらい常時可愛いんですが、それがリアルドッグに戻る展開があるのも最高。ただ、タイトルでネタがバレちゃってるのがどうなんだろうな……(さっき書いた)。可愛い顔して怒ってるリアルドッグも可愛いし、その後、主人公のイメージの中にワンコが大集合するのもアツい。てか、どんだけ犬好きなんだよ。ニコニコしちゃうだろ。
 どんでん返し的な部分としては、「ジャーキー」がうまいことフリになってたところが好き。本当の意味を知るとゾッとする。この手の怖い話における定番というか、王道だと思います。
 ただ、あの可愛さを目の当たりにして冷静に職務に戻れる主人公についていけないというか、「話のオチとかいいから2人で仲良くやっててくれ」みたいな気持ちになってしまうな。まぁ、最後がちょっとギャグっぽいバランスで描いてるのは個人的にかなり大事というか、深刻になりすぎない(けど怖さもある)というのが絶妙だし、それを狙ってやってるのは普通にすごいことだと思う。
 それにしても可愛かったですね。いやマジでどんでん返しとかいらないのよ……とか感想がグチャグチャになってしまう。

『アンデッドアンラック』107話

 予想外の事件が起きて話が予想外の方向に続いていくのは面白くもあり、「普通に二対二が見たかったなぁ」という気持ちも少しある。特に不滅。今一番気になるのは不滅(の先にいる風子)なので、それ以外の要素に翻弄されると「今それどころじゃないんだよなぁ」みたいな。まぁ、その焦り、サスペンスが面白いってことかもしれないけど。
 シェン、ニコ、リップ、アンディの誰もが愛のために動いてる、という共通項は面白い。不滅とシールも同じように括っていい気もするけど、さすがに大ざっぱすぎるかも。

『ドロンドロロン』19話

 サブタイが「真のスーパースター」なので、「ヘイスケ死んでしまったか……」とマジで思った。普通に生きてたのでびっくりですよ。いや、本作の設定的に、刀を失ったというのは良い落とし所だったと思います。死の一歩手前まで来てたという実感。
 んで、今回の活躍に対するリアクション。クサナギ大人気なのは微笑ましい。女性ファンだけじゃなく男のファンもいたのが地味に良い。
 クサナギの人気に嫉妬。嫉妬と同時にクサナギが取られてしまうようで寂しい(ブチギレ)、というのも良いね。人間関係あるある。それを打開するのがクサナギのどこまで行っても良い奴、というキャラクター。やっぱ本作の良さはここだよなぁ。
 内通者に関しては「最近こういうの多いなぁ」みたいな冷めた印象が大きい。あんま興味ないんだよなぁ。その点今週の『アンデッド』くらいの扱いは良かった。

『キミの心を奪うテク♡』近藤ぶし

 読切。代原だと思いますが、15ページなのでショートフロンティア枠で掲載予定だった作品を引っ張ってきた可能性が高いと思う。
 扉詐欺みたいなノリだと思うんですが、「赤塚賞佳作受賞者作家が贈る」という紹介でちょっとネタがバレてしまった気もする。まぁこれは仕方ない部類か。
 ファッション雑誌の人気ナンバーワンモデルの背が高い。出オチになってもおかしくないようなネタのみで15ページ駆け抜けたのが良い。あの手この手で高身長ネタが出てくるので面白かった。15ページならコレだけで行ける、転ばずに走りきれる、という感じだろうか。やっぱ好きだぜ、ショートフロンティア(違うけど)。
 自分の価値は見た目にしかないとモデル(アイドル)が落ち込む中、違う評価を受けて救われる、という話は今週の『ロボコ』と一緒なんだけど、本作の方が全然ちゃんとしてたと思う。ホメのセンス、ホメの解像度が違う。本作で「メグミンは人一倍頑張ってるよね」みたいな話になったらガッカリでしたよ。ガッカリというか、フリとして機能しない。まぁ、あっちは小学生がホメてるから一緒にするのもアレかもしれないけど。
 高身長ネタ。単純に絵一発で笑わせるネタも良かったんだけど、 “どう考えても公開処刑…” からの “斬首刑” みたいな言葉遊びのようなネタも素晴らしい。とか思ってたら、最後の最後の大オチもまさにそれで、冒頭から繰り返されてた指ハートが見事な着地に繋がる。さらにはタイトルも「そういうことだったのね」という腑に落ちて気持ちいい。やっぱこの座布団一枚的なオチの感じはショートフロンティアだわ。
 終わり。良かった。最近のギャグ系のショート読切の中でも屈指の面白さだったと思う。

『アヤシモン』20話

 前話のサイドストーリー。こういう話の広げ方、意外と珍しいかもね。特にまだ若い作品だと。
 カッパキャバクラの話になるかと思ったら、それ以外の話にも手を出して、それがかなりスムーズ。ギャグかと思ったワックがかっこいい姿を見せて(見せないけど)終わる構成も見事だったと思う。
 んで、ホテルの方。こっちも女性キャラが出てきて、こちらは稲荷なのでキツネですかね。葉っぱ使うのってタヌキのイメージが強かったけど、普通にキツネも使うらしい。

『守れ!しゅごまる』20話

 最強さなぎ団に落ち着いた模様。「最強」はキッズ的に人気のワードということなのでしょう。最強ジャンプもあるしな。
 キッズたち、既存キャラと馴染む。アプローチの方法が子供扱いだけじゃないのが良かった。マセガキのマセてる部分をおちょくることなく、意気投合の理由になるのとか何気に良い話、微笑ましいエピソードだったと思う。
 んで、本題はキッズたちによる誕生日プレゼント会議。例によってさなぎがツッコみ続けるんだけど、今回は一方的に覗き見してるので、こちらのツッコミが相手に伝わらない。ツッコミはできるが、会議の軌道修正は一切できない。イヤな流れになったまま盛り上がっちゃう感じとかつらいものがあるw
 バーバパパよく分かんない、からの遊戯王カードよく分からない。分からないがデフォというスタンスなので安心。よく分からないけど、たぶん遊戯王ファンの中でも認知度低めのキャラだったのではないだろうか。そんな気がする。
 スラッシュ滝沢が地味に伏線だったっぽいオチになるのも良かったけど、そもそもスラッシュ滝沢のことはもう受け入れてしまっている現状に気づかされる。ほぼ動物枠だよね。

次号予告

 合併号だよ。目玉としては『ハイキュー』凱旋。たしかに後日談をいくらでもできる終わり方でしたね。ガチファン以外は「あのキャラはどうなったんだっけ?」みたいな感じになってるのが多いと思うけど、まぁそのくらいでも楽しめる内容だと思います。短いし。

目次

腹式呼吸になっちゃってるので、胸で息してくださいとのことでした。
(『呪術廻戦』)

 健康情報弱者としては腹式呼吸って万能みたいなイメージあったんですが、意外とそうでもないのか。

白いモンスターエナジーが美味しいです!飲むと心臓が速く動く気がします!!
(『SAKAMOTO DAYS』)

 表現が怖い!!

携帯の買い換えでワクっとしなくなりました。昔は玩具感覚で説明書熟読したなあ。
(『逃げ上手の若君』)

 分かる~。ガジェット系の関心が高い人は未だに「今後のはすごいんだよ!」って感じかもしれんが、割と無難に有名なメーカーの新しいの選んじゃってる気がする。

原稿を見た2歳の娘に「パパ、え、じょうずねー」と言われた。が、頑張ります!!
(『ブラッククローバー』)

 私も言われたい。こんなブログ読む娘はイヤだが。

Aさんや漫画家さんを本名で呼ぶかPNで呼ぶか問題に度々直面する。難しい。
(『ドロンドロロン』)

 漫画家あるあるって感じでこういうの好き。知らない業界のリアルに触れたような感覚。

愛読者アンケート

 大型読切と、学校での休み時間について。ジャンプの回し読みをするか、は興味あるな。電子版だとかなりやりにくいというか、抵抗感ありそう。学生がどの程度電子版読んでるのかは知らんけど。

総括

 終わり。水曜深夜更新になっちゃってすいませんね。火曜に『コナン』観てきたら面白かったのが原因です。『コナン』観た人はそっちの感想も読んでみてください。

 今週のベスト作品。読切だな。『ハート』。
 次点はショートフロンティアと『ドロロン』。

 今週のベストコマ。『マッシュル』の扉。ネタとしては定番なんだけど、平然とやってきたので笑ってしまった。

 最後に今週のベストキャラ決めます。こちらー。

  • 人狼(ハーフ) 『うぇあしば!』
    • そりゃそうでしょ。好きに決まってんじゃん。

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