北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年28号の感想

 『ドラゴンボール』の映画、マジでめちゃくちゃ面白かったので、多少なりとも『ドラゴンボール』好きな人は是非とも観てほしい。Vジャンプの連載とは関係がないので安心してください(私は未読なので関係がゼロと断言していいのかは怪しいけど)。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。前回のは伏黒で正解。
 んで、今回。『夜桜』六美ですね。一瞬戸惑ったけど、よく見たらセーラー服だし、髪も一部が白いので分かりやすい。二番手キャラみたいなイメージだったのでヒロインが出てきたのに面食らった、というのもある。

表紙

 新連載。奥歯まで描く、というのが本作の特徴であり、チャームだと思う。巻頭カラーでも奥歯まで見せてる。

読者プレゼント

 お嬢様。最近やたらとお嬢様属性? お嬢様キャラ? が流行ってる印象があるんだけど、それはたぶん1人の人物(キャラ)に由来してると思うので、ここまでタイムリーなのは偶然だと思う。「何かやってんなぁ」くらいの距離感で認識はしてるんだけど、現状それほど興味を引かれてないのでその距離のまま放置してた。
 お嬢様と言えば、なワードを連発してきて、それが楽しい。「お嬢様」というシンプルなテーマからこんなに引き出しあるのですね。ちょっと感心してしまった。

巻頭カラー『ルリドラゴン』眞藤雅興

 新連載。始まる前からそこそこ知名度あったタイトル、らしい。こちらも知らない。だとしたら新連載一発目じゃないのが意外ですね。
 作者。別冊で有名なので関係ない人かと思ったら本誌にも普通に載ってた。どころか、金未来杯(2017)で優勝してたでごわす。エリートやんけ。ただ、本誌での掲載は二度ともバトルモノなので、知らぬ間に知らない方向に変化したらしい。いや、本作がバトルモノである可能性もまだ否定できないんだけど。てか、金未来杯で優勝したのにまだ連載してなかったという部分が驚き。歴史的にもかなりのレアケースだと思うんですが、作者が若すぎるので扱いが慎重になったのかな。
 巻頭カラー。鏡と向き合う見開きが迫力あるんですが、一瞬、最初のほんの一瞬だけ、鏡の中の自分が違う動きをしている、というホラーかと思った。分かりにくい……というより斜めと正面の2体を描く構図なので意外と超大変なことやってるんだと思う。そういう意味では見応えあるし、面白いです。
 本編。ある朝、ドラゴン化した少女の話。カフカの『変身』か? 最近だと『私ときどきレッサーパンダ』か? とか、いろいろ連想したんですが、どっちも似てそうで違った。ただ、思春期のメタファーとして変身が扱われてるのは本作にも当てはまると思う。思うってか、この話でそれやらなかったらウソだぜ。
 圧倒的な異変に対して、意外なほど静かに受け入れていく周囲の人間。この「案外こういう温度がリアルなのかもな」という部分が本作の、とりあえず本話最大の魅力だったと思う。日常モノではなく、日常が生まれる瞬間、日常へと変化していく短い期間の話。この説得力がある時点で面白いし、もう本作は勝ちだと思う。
 思ってたほど特別なものとして扱われない面白さ。学校での受け入れられ方が独特で、チヤホヤはされるんだけど、「その程度?」という感じもある。正直、男子が突然坊主頭になった、くらいの扱い。
 突然ブレス。それだけで終わらず、出血。最初「もうこれでほのぼのとした日常とはお別れだわ」というくらいの衝撃を受けた。もう終わり。事態がヤバすぎる……と思ったらそれも割と静かに処理されていく。この温度がすごかった。成長痛がひどいので病院行ってみる、くらいのノリ。この感じが「私は子育て経験がないだけでこの界隈ではこういう感じなんだろうなぁ」という説得力。さっきも書いたけど、この作者かなり若いです。なんでや。

ONE PIECE』1052話

 ワノ国編エピローグ。国の後日談とかやるべき話が多すぎるので、今度数ヶ月かかるんじゃないだろうかとか思ってたんですが、意外なほどあっさり終わりそうな予感。驚くんだけど、ルフィの物語としてはこのくらいの温度が正しいのかもしれない。
 とにかく情報量の多い章だったので、総括となる本話も大変。ちょっとした場面で「あーあのときの」みたいな話が次々に出てくる。それが贅沢で面白いってことなんでしょうね。ゾロとサンジのくだりは笑ったわ。話が複雑になりすぎたので、サンジの物語がどうなったかをゾロが全然知らないのね。この情報の整理、共有という部分が面白い。事務的な話に思えるんだけど、各リアクションが楽しいのよね。
 懸賞金。数値どころではなく、四皇の次の人の指名も既になされてるらしい。早い。情報化社会かよ。四皇が2人落ちたけど、こちらサイドの主張な船長は3人いるので……というのがポイントですかね。まぁ、4の枠に執着する必要があるのか少し怪しいんですが。

『呪術廻戦』187話

 確変ループタイプとか言われてもマジでさっぱり分からない。これは困った。前から反転術式と術式反転がややこしいみたいな問題はあったけど、それとはまったく別次元の「いや知らんし」という話。正直「パチンコのことそんなに知らないとダメ?」という気分だし、実際、この「分からない」のままで読み終えていいや。もうこれで終わってもいい……。
 ワケ分かんないんだけど、やってることはひたすら殴り合い。この面白さだよなぁ。「今週は捨て」と思ったけどちゃんと面白いんだよなぁ。くそぅ。
 からの突然大昔。設定としては分かってたけど、実際に昔の時代を描かれると印象が大きく変わる。「俺より強い奴に会いに行く」なんだけど、向かう先が時空を越えるから熱いw

『SAKAMOTO DAYS』74話

 74話。妻参戦!! の場面はマジで驚きすぎて声が出た。最近の中で一番驚いた瞬間だったと思う。
 んで、学園生活。晶視点で描く。あー、たしかに視点キャラとしてめちゃくちゃ便利だわ。
 そんな晶が潜入教師と遭遇してエンド。ちょっと待って、妻に変装した坂本の衝撃がすごいというか、まったく予期してなかった良さだ。好きな奴やん。区別するアイテムとしてメガネが扱われてる感じも大好物です。出番は多くないし、今後も増えそうにないけど、何気にキャラ立ってるし、魅力的な人だったよなぁ、とか思いつつ、同じ顔だけど、まったくの別人という描写がしっかりしてて良い。ブチギレ顔がまったく想像できない人だったから最後の1コマだけでもう最高に面白いな。

『僕とロボコ』92話

 給食でのプリン争奪戦。基本サイレント進行なのはいいけど、文字(セリフ)を入れるところの基準が微妙に飲み込みにくい。逆に言うと、ほぼサイレントの中でしっかり攻防や策略が描かれてる部分は普通に超すごいと思ったし、ギャグとか別にして最高に面白かった。
 クライマックスが虎杖のヨダレパンチ。不意をつかれたのもあるけど、この回のクライマックスが『呪術』なのかー、という変な感慨もあった。たしかに、あそこ良い場面というか、良い演出だったよなぁ。

センターカラー『ALIENS AREA』2話

 途中から始まる感じ、新鮮で良いね。連続ドラマとかでは全然ありきたりな始まり方なんだけど、ジャンプでは、それも始まったばかりの作品では、という新鮮さ。
 前回に続いて不気味なホラーみ、みたいなものも良い。不気味というか気持ち悪い感じ。分かりやすくグロいものが描かれてるわけではないんだけど、という部分には本作の個性というか、センスを感じる。
 バトル。重力操作はめちゃくちゃ面白そうだけど、「重力ゼロでそうはならなくね?」という部分はやっぱ気になってしまう。空気抵抗のある環境でサイボーグ009が速く走るためにはより強い重力が必要、と『空想科学読本』で読んだことあるけど、今回のがその逆パターン。重力ゼロじゃ速くは動けない。
 重力がないから重さがない、というのもおかしい。いや、重さはたしかにないかもしれないが、質量は変わらない。「ミュウツーは宙に浮いてるのでカービィ級に吹っ飛びやすいです」とかほざく『スマブラ』にも困惑したんですが、それと同じような話。作り手としてはリアルよりも分かりやすさを優先したつもりなんだろうけど、そこは別にリアルでいいだろ……。ミュウツー好きだからあの軽い設定マジで解せないんだよな。なんでや桜井。やり残した調整があるんじゃないか?
 仮にあれが「質量をゼロにする」だったとして、それはそれで高速移動はできないと思う。人間大の風船って空気抵抗で初速がすぐ死んじゃうでしょ。ミュウツー(低質量だとして)は空中でも超能力で加速し続けられるので高速移動は可能だと思う。超大変だけど。

『マッシュル-MASHLE-』111話

 本の角最強説と聞いたら映画『ジョンウィック パラベラム』を連想せざるを得ない。キアヌリーブスが図書館の本で人を殺す楽しい場面があります。まぁ、本作の参考になるとは思わないけど、オモシロ本殺法が出たらいいなぁと密かに期待しております。
 マゾ魔法。「マ道」と略せるのが面白い。個人の考えでは終わらなくなるよね、道となると。
 そんなマゾの次に本話のメインである不死身が出てくる。似てるけど違う、という扱いなのでしょうね。さすがに首チョンパされたらマゾとか言えなくなるけど、ひょっとしたら「痛みは増すが体は丈夫になる」みたいな効果もあったりするのかもしれない。
 不死身魔法が次のステージに向かったけど、その前のフィジカルのみで戦うパートも十分面白い。やっぱ不死身のアイディアではさすがに『アンデッド』が強すぎるじゃないですか。そんな中でも本作は、シンプルながらも『アンデッド』とちょっと違うバトルになってて非常に良い。

『アオのハコ』56話

 割と真面目にバド回。ただ、やはりバドそのものの描写がメインになっているようで、「この一戦はこれまでの人生の上にある」という大喜のドラマとして扱う。ここらへんが非常に本作らしくもあり、これはこれで面白いスポーツ漫画だったと思います。完全に大喜が自己対話のモードに入ってるんですよね。タイマンの競技なのに。
 そして、走馬燈のように出てくる内容が、後半ほとんど「千夏ー1グランプリ」のようになってくるので笑った。これ先週やってほしかったなぁ。いや、先週の結果発表を受けての今週、という方が味わい深かったのかもしれん。ある意味、三浦先生の考える「これが優勝じゃない?」というのが大々的に出てきたとも言えそう。ハズレですw

ガリョキンPro募集開始

 バトル部門のお題(ネーム)が雲母坂先生じゃないですか。なんてこったい。めちゃくちゃ興味ある。あとラブコメが四谷先生、スポーツが鎌田先生。「いや野球は興味ないんですけど……」という人は少し可哀想になりますね。まぁ、毎回そうなんだけど。
www.jump-mangasho.com

センターカラー『PPPPPP』36話

 ピアノだから基本モノクロだよね、という色味少な目の扉がかっこいい。
 本編。対戦もそうだけど、その前にまずオーケストラ。オーケストラの難しさと、それでも出来ちゃう面白さを最初に描いたのが良い。ソロとの違いという意味で興味深いってのもあるし、そもそもラッキーの抱えるコミュニケーションの問題が浮き彫りになってて、ストーリー的にも惹かれる。
 「死は楽しみ」だけ聞くとちょっと中二臭くてアレなんだけど、 “せっかく今あるその悲しみが 演奏にどう作用するのか知りたいと思わないの” と続くのは興味深い。興味というか、「芸術家って実際こういうこと考えてそう」という納得。ファンタの商業主義みたいなスタンスもそうだけど、芸術とは、芸術家とは、みたいな話を各キャラのデフォルメされまくった思考で語られる。最近の本作に対して一番面白いと感じる部分かもしれない。

『あかね噺』17話

 予選。あえての豪腕ストレートのみ。ここで野球の例えが再び出てくるのか。最初出てきたときは違和感もあったけど、今回は非常にしっくりくる。あかねのやろうとしてることも理解できるし、今後が楽しみにもなる。
 そんな豪腕ぶりに対する各人のリアクション。縦に吹き出しをぶち抜く構図とかもかっこいいんですが、そのまくし立てに対して「ブレスの回数」と声優がリアクションするのも面白い。彼女には彼女なりの特殊スキルがあるので、特別な解像度であかねの寿限無を聞くことができる。セリフとして発生するスキルにおいては、おそらく今回の出場者の中で最強。だからこそ、落語の地力があるあかねを踏み台にする価値がある、という戦略の部分とか面白いですよね。ここらへん、末永先生の好きな領域なんだろうと思います。

『すごいスマホ』6話

 あの小さいスマホ、指で文字入力するのか……。前から気になってた部分だけど、ついに。基本は音声入力で、細かい指示とかに限界あるけど「そこまぁ漫画だから省略でいいよね」的なスタンスだと思ってたけど、明確に描写された。
 瀬尾水。体力と人付き合いに恵まれない……と思ったら最高の仲間に囲まれてたでごわす。が、その結束を早速崩すような行動に出る。まぁ、彼らも今後活躍があるんでしょうね。あそこまで描いておいて、ただの駒にはならないだろうし。
 んで、直接対決だけど三者会談。この3人というのが面白いんだけど、そもそも会う必要もなかった、とするサプライズ。言われてみれば会う理由もないし、デメリットしかなさそう。あと、漫画的にはビッグイベントが予想より早く発生するので引き込まれる。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』133話

 扉。ゴリアテがめっちゃ可愛い。
 本編。モンスター戦。正直モンスターの攻撃に関してはそれほど面白くなかった、新鮮はものはなかったんだけど、夜桜側の作戦は面白い。未知の存在に対してどうしたら勝てるか、というロジックが丁寧。ここらへんは本作らしい魅力ですね。作戦としても面白いし、クライマックスのアクションでは各人がしっかり連携してて、そういう魅力もバッチリ。まぁ、贅沢を言えば六美にもうちょっと役割が欲しかった気もするんですが、それでも面白かったです。
 んで、vs父。緊張感あるのかと思ったら、コメディっぽい雰囲気のまま本話が終わるし、父に向けて大きすぎる一歩を踏み出すことになってるので笑った。たしかに百のキャラクターは大好きだけど、彼が出ると作品の雰囲気が大体同じものになるので、これだけ話が続くとダレる、という問題はあったのかもしれない。それをギャグ的なノリのまま大きく話が進展させる、というのは効果的だったと思う。

『逃げ上手の若君』66話

 現人神が戦地に立つという面白さ。言われてみればめちゃくちゃすぎる話だ。たぎる気持ちも分かるし、読者的にも引きつけられる。宗教的なここまでの立場の人が戦地で実際に戦うって世界史的にもかなり珍しいんじゃないかしら……まぁ実際のことは知らないのですが。日本史ですら弱いのに世界史はもっと弱い。
  “解説してないで護ったら!?” は面白いというより少し冷めた。ギャグにしたごまかさないと描けないのか……とちょっと悲しくなった。そんな解説に対してツッコミを入れてた若が次のページから実況を引き継いでたりするのも気になってしまうし、良いことがない。
 神の説得力としての武芸。これまためちゃくちゃ面白い。信仰を得るための武芸がある、つまり努力と知恵の蓄積の上に今の武芸は存在するという話でもあるじゃないですか。ちょっと「そこまでぶっちゃけていいんですか?」的なハラハラ感もあって好き。「この時代には通用したハッタリ」と言ってるようなものじゃないですか。

『ウィッチウォッチ』65話

 魔法を使ったけど不発でそのまま帰宅……って何か発動してないか確認をするべきだったのではないだろうか。いや、漫画として定番の導入としては全然飲み込めるんだけど、劇中で「気をつけてくれよ」という話なのでちゃんと気をつけるべきだったのではないだろうか。
 そんな魔法。使用時の指の向きが失敗の一因、と絵的な仕掛けがあるのが面白い。ここらへんは見事ですね。「どうせ大オチは親指の行方なんでしょう?」と疑いながら読み進めたら、まさかの前後編であった。親指ネタに期待ですね。
 爪は噛み切ればオールクリアなんじゃないかな……と思ったけど、さすがに10本は現実的じゃないのかも。理論上は可能かもしれないが、というライン。
 西部劇で転がってるアレ、というのはこないだの週ちゃん(投稿回)でも出ていたネタだよなぁ、と妙な感心もしました。タンブルウィード。

『高校生家族』89話

 ゴメスのヤンキー漫画続くのか。先週の球技大会、やるタイミングおかしかったんじゃない? 単行本で順番入れ替わっててもおかしくなさそう。
 ヤンキーの親バレ、という割と分かりやすいタイプのギャグをやったと思ったら、それをそのままゴメスで繰り返す。家族会議とか本作の中でも屈指の深刻度なのに、その中心はゴメスなので笑う。そもそも意志疎通ができてるか怪しいのに……という虚しさも少し。
 敵校の場面がかなりヤンキー漫画然としていて、普通にかっこいいとすら感じてしまう。積極的に好むジャンルではなかったけど、ヤンキー漫画ってかっこいいし、面白そうかも……と妙なところで食いついてしまった。

『魔導師ヒバリ』丸山暁星

 読切。ジャンプショートフロンティア。魔導師が魔導師を喰う魔物と出会う。緩いコメディ調のファンタジーかと思ったら最終的には連載に向けたプロトタイプみたいな終わり方に至る。ショートフロンティアとしてはかなり珍しいタイプの終わり方だったので新鮮だった。普通の読切だと「連載化を意識しすぎだろ」みたいな作品が割とあるけど(最近は少ない?)、ショートフロンティアではかなりのレアケースでしたね。
 魔導師と魔導師喰いの奇妙な共生関係が定番ながら普通に魅力的で好きですね。最近だとやっぱ映画の『ヴェノム』がこの手のジャンルの決定版だと思うんですけど、2人がそれぞれはみ出し者で、だからこその腐れ縁。やっぱ良いよね。てか、ビジュアルもかなりヴェノムに近い……というか、あの映画が「そんなビジュアル実写映画でやるか?」という話。あと、映画関連では魔導師喰いが体内から飛び出す場面で、腹から出てくるのが『エイリアン』で非常にクラシカル。その後もずっと腹から出てるのが間抜けで可愛い。
 共生関係からの思わぬ才能を開花。こうなってくると『ドロロン』みたいな雰囲気がすごい……と思ったら本作の直後から『ドロロン』が掲載されてるので笑った。

『ドロンドロロン』26話

 ホントに鼻ちぎれるのでグロいんですが、劇中でドラが自分のやったことに引いてるので笑った。やっぱそうなるよなw
 ドラクサの2人では正直勝てるか怪しい敵が現れるんですが、ナオトラが近づいてる気配がするので……と中断されるのは良い落とし所だったと思います。都合臭くなってしまいかねない展開なだけに、こういう部分は結構大事。
 カンベエの仲間殺し(吸収?)。そもそもドウサンも仲間を殺して吸収してたので、それが連鎖したという話なんだけど、そのことに関してドラがブチギレ。ここが良い。ドラの行動原理というか、ドラが本気になるキッカケとしてめちゃくちゃ適切。そこからドラクサの2人の強さの秘密が語られ、そのことにカンベエが興味を示す、というのも心地よい流れ。
 ナオトラ合流。まずクサナギに謝るところから始まるのも見事だし、そっから「ドラさんかっけぇ!」で落ちるのも笑った。ドラがナイスガイすぎるのは間違いなく本作の強みで、それは最初から一貫してるんだけど、ナオトラが登場したことでそのナイスガイぶりがよりデフォルメされたというか、「ナイスガイすぎて笑える」という見方が強調されたね。

『地球の子』16話

 初期から続く本作の大きすぎる特徴だった赤ちゃんのナレーション。それが一つの結論を迎えたというか、ついに少年期の場面が出てくる。一区切りみたいな感じで面白いっちゃ面白いんだけど、もうちょっと爆発力のあるオチを期待してた部分もある。本話のメインイベントではなかったのが原因だろうか。本筋とそれほど絡まないというか。
 「かれりさん死ぬのか」とクソデカ演出で読者に確信させてからの、その否定。作品に振り回されてる感があるのは面白いが、安易な「さっきのウソ」で話を展開させるのはあまり好きな手法ではない。個人的にはイマイチ。やかましいだけで実際はそれほど話が進んでない、みたいな印象もある。
 いや、とはいえサブタイにまでしてるので、今回のエピソードで誰かが死ぬ(別れる)のは確定なのかもしれない。叙述トリック的な可能性もありますね。だとしたら本話の段階で感想書いても空虚かもしれない。これで普通にみんな元気で解決したら「あのサブタイ何だったの……」となって笑える。
  “ヒーローは” “最後は必ず自分の力で立ち上がらなければならない” からの「ヒーローじゃなくて普通の人」というアンサーは素晴らしかった。令助が主人公だからこそあり得た感動的な結論。

『アンデッドアンラック』114話

 ルールが延々と追加される世界を科学者視点で描く。「ブラックホールって何ですの?」というオープニングはマジで笑った。たしかにルール追加世界の中で一番被害を受けてる人と言えるかもしれない。本話に限らないけど「科学とは」という部分がフィーチャーされてるのがめちゃくちゃ面白いですね。
 不眠。リアルである症状すぎるのでちょっと笑った。症状ではなく否定の現象なのだとしたら別に何の不自由もない気がする。これで不眠による健康問題が発生するんだったら悲劇すぎるんですが。それこそ廃人になっちゃいそう。
 まぁ要するに目のクマのくだりをやりたかっただけ、という感じだろうか。デフォルメされた絵だからこそ成立するトリックであり、現実で起きたら「普通に気持ち悪くない?」という感じですね。ハッタリ重視というか、開き直りみたいな姿勢が嫌いではない。そして、そのクマが現在のニコへと継承される、というのも素晴らしい流れ。こういう話の途中で差し込まれる回想って終わり方がオシャレだとそれだけで印象が劇的に良くなるよね。
 いろいろ省略されてるだろうから気にしすぎなんだろうけど、他人のコンプレックスを勝手に解決してみせるのはちょっとだけ危うさも感じる。それこそ「メガネ外した方が可愛いぜ」と同系統のヤバさ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 ネタハガキ東西戦。梅雨ということで「雨の日でも気分がアガるちょっとしたアイディアを教えて!」。
 東。どくろ鬼さんの「雨乞いに成功したかのように」。逆転の発想みたいなのが面白かった。てか、大昔はこの方法で民衆を騙してた人もいるんじゃないか? みたいな奥深さも感じる。
 たてぶえサックスさんの「必死さとしんどさをアピールする」もちょっと似た印象。ずるさとしょうもなさがおかしい。
 春走るさんの「よごれた長ぐつを水たまりでちょっと洗う」。分かる、めちゃくちゃ分かるw それこそ海とか行ったらこれのエンドレスリピートですよね。洗ったそばから新たな汚れが発生するのでキリがない。
 西。半額カーネルさんの「シシオドシでピスタチオを割る」。上から下へと視点が流れるようなイラストの魅力もあるんですが、単純に「雨と言えばシシオドシ」という発想が見事すぎる。いくら頭をひねっても出てこない。
 セッドあとむさんの「梅雨前線をオフサイドにかける」。文字だけだとピンときづらいけど、イラストとセットだと一目で飲み込める気持ちよさ。
 むふうさんの「泣いていても周りには気づかれない」。激エモ路線なのが異彩を放ってて好き。『ブレードランナー』おじさんが近づいてくる恐れがあるんだけど、そのギャップがおかしい(勝手な見立て)。

次号予告

 表紙と巻頭は『ONE PIECE』。「描き下ろしW歌姫がコラボ表紙に登場」らしいんですが、Adoがジャンプの表紙になるの? だとしたら歴史的にもかなりすごいことなんじゃないかしら。まぁ、尾田絵とアニメ絵のウタ、という可能性もあるか。

目次

先々週、私鉄純愛列車パートを担当してくれている円盤君の読み切りが!!
(『呪術廻戦』)

 あの人か!! 動物キャラの印象が強かったけど、言われてみれば女の子の絵柄が同一人物だわ。ある意味でお馴染みの作家だったのか。

卒業式の歌をラッパーの曲にすり替えたネタ動画があるのですがとても面白いです!
(『マッシュル-MASHLE-』)

 ラブレターズ?(古すぎるかも)

ダイソン買ったす!未だかつてないパワーを感じる!充電スタンドもかっくいい…
(『アンデッドアンラック』)

 最近掃除機買ったのでタイムリー。買うにあたっていろいろ調べたけど、「ダイソンを買うかどうか」が最初の選択肢になる印象だった。高いけどやっぱ良い。ただ、私はシャーク買いました。正しくはシャークニンジャ。かっこよさなら負けない……。

愛読者アンケート

 新連載についてと、買い物時の支払い方法。これは現代ならではのテーマだなぁ。ネット決済が増えるとどうしてもこの問題は出てくるよね。クレジットカードとか完全に大人のアイテムだから子供は大変というか、ネットが主流になってることの弊害を感じる。まぁ、プリペイドとかいろいろ方法はあるんだろうけどね。あと、親視点に立つとその管理をしなきゃいけないってのも目眩がしそうな話だ。お小遣いの一環として何とかペイにいくらまでチャージ、みたいな感じなのかな。

総括

 木曜更新になったんですが、いろいろと事情が絡んだ結果です。説明するほどのことではないです。ご了承ください。こんな状態で『モンハン』発売を迎えて大丈夫なのだろうか……。
 体験版は楽しみなんだけど、共闘虫と回避距離がないとちょっとやる気が落ちる。

 今週のベスト作品。新連載。
 次点は読切と、連載枠だと『PPPPPP』かな。

 今週のベストコマ。『SAKAMOTO』のラスト。良いよね……。

 最後に今週のベストキャラ決めます。こちらー。

  • 諏訪頼重 『逃げ上手の若君』
    • 話としての面白さとキャラ的な面白さ、そして何より、バトル的に強いだけではない、というロジックの部分の最高に良かった。

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