北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2022年46号の感想

 松井先生が言ってたライフの鯛食べました。ホントにうまくて驚いたんですが、ちょっとツマが多すぎる。「大根サラダと抱き合わせですか?」ってくらい多かった。

背表紙

 「このキャラだ~れだ??」。愛火でした。
 んで、今回。同じく頭部と思われる部分のトンガリ。まぁ、愛火だったからね……と察しはつく。
 このコーナーも終わりが見えてきたと思うんですが、気になるのは『HUNTER×HUNTER』が来るかどうか、ではないでしょうか。そしてその場合、1人目に出てくるのはやはりゴンなのかどうか。「もうゴンは主人公引退だろ」というツッコミ不可避だと思う。

表紙

 『SAKAMOTO』。2周年だそうです。今の感想ではないけど、初期の頃は作品の紹介として「コメディ」が「アクション」と並列に使われてたけど、今はアクションのみですね。まぁ分かる。こうして書くと『ドラゴンボール』みたいな変遷でジャンプの伝統を感じる(大げさ)。

読者プレゼント

 『エーペックスレジェンズ』。お恥ずかしい限りなんですが、タイトルを音もしくは文字として見聞きしたことしかなくて、具体的にどのようなビジュアルなのかまったく知らない……。なので今回のガスマスク軍人みたいなのを見て「こういう感じなんだー」と。大変申し訳ない。
 面白かったのは、賞品の中に『スプラトゥーン3』があった点。ダメじゃん。超競合タイトルじゃんか。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』91話

 2周年記念でキャラクター人気投票やるってよ。晶あたりが期待の新人感あるんだけど、そもそも第1回なのでおかしな話であった。マジで読めないので結果が楽しみだな。別に坂本のキャラクターの魅力で持ってる作品という印象はそれほどないんですよね。予想としては、シン強そう。
 個人的に好きなキャラといったら坂本太郎が変装した坂本葵。一択すぎる。web投票もあるので投票ページ確認してみたんですが、この枠はなかった。「葵さんは好きじゃねぇんだよ!」と強いこだわりがある人は自由投票枠に入れるんだろうけど、私としては顔ファンという側面が強いので普通に坂本葵が好き、という票でいいんだと思います。できればメガネかけてくれて目つき悪くしてくれると泣いて喜ぶ。
 ブログ記事が5つも借金してるのに、まだ投票できるので、本作に対する好感度が爆上がりです。
www.shonenjump.com
 本編。監督、普通に生きてた。脳まで届いてないのかよ。脳まで届かないように防御した、みたいな描写があるならいいけど、うーん……という感じ。
 んで、坂本とのバトルが開始。カメラを持つと強くなる、というしょうもないキャラ付けも面白かったけど、やはり本話の見せ場は図書室におけるバチバチに緩急のきいたバトルでしょう。ここらへん本作の醍醐味だと思うんですが、巻頭の回に持ってきたということはやはり武器だと認識してるんでしょうねぇ。
 2人の言い分として「映画は映像」「映画は脚本」と分かれたのが興味深い。たしかに京が今まで映画監督らしい言動をしたことの多くは撮影にまつわるものですね。一応話も考えてるけど。画が先にある印象。それに対して坂本は “脚本が最悪なら☆1だ” 。どうでもいい対立ではあるけど、2人のぶつかり合いとして、それぞれの映画観が現れるのは面白い。
 ちなみに、図書室(図書館)でのオモシロアクションといったらやっぱ『ジョンウィック3』ですよね。本で大男を殺す「本フー」が楽しめます(何言ってるか分からない文章)。

『呪術廻戦』201話

 軍事監修ってもっと直接ミリタリー的な要素(兵器とか作戦とか)になるかと思ったんだけど、とりあえず世界情勢みたいな部分がメインになりそうですね。今後どうなるか分からんけど。
 私がブログを超遅らせてるおかげなんですが、今公開中の『ブラックパンサー ワカンダフォーエバー』では超特殊金属ヴィブラニウムを独占する国が開国したことで、世界が、主にアメリカが何としてでもヴィブラニウムを手に入れようと画策してくる、という話が出発点になってるんですよね。今の『呪術』と妙に近い。
 アメリカ陣営、司令官が登場してから急に面白くなってきた。デフォルメされたアメリカ人像みたいなものがより強調されるようになってきて、それが「映画を通じて得たアメリカ人の雑なイメージ」という感じで面白い。芥見先生がノリノリになってきた、という印象になるから不思議。なんだろう、ちょっとふざけ出したというか、大統領がツッコミに回り出すとか面白いに決まってるでしょ。

ONE PIECE』1063話

 くまはボニーの父親。ボニーって年齢不詳みたいなところがあって、そこが奥行きだと思ってたけど、割と見たままの年齢ってことでよさそうね。
 あと、『FILM RED』もそうだったけど、尾田っちの中でファザコン娘という属性が来てる。もちろん偶然かもしれんが、なかなか興味深い。
 ローの一味と黒ひげの一味。黒ひげの初期メンの悪魔の実が明らかに。後付けらしい。黒ひげの能力者狩りはそういう目的だったと。狙撃手はさておき、既存のキャラに合った能力、本人が欲しがりそうな能力になってるけど、それは作劇的な都合ではなく、「本人がそう望んだから」と理屈が通るのは面白いですね。
 リキリキの実。単純にチカラが強くなるんだと思うけど、昔ゾオン系のことを単純にチカラが強くなる(から伸びしろが無限)みたいなこと言ってたけど、もっと分かりやすいの出てきてウケる。ここまでシンプルなの今更アリなのか。逆にびっくり。
 黒ひげの初期メン、今までは「実際のとこ強いの?」という印象だったので、これで明確に強くなったと分かったのは面白い。ワクワクする。
 あと、『ヒロアカ』のAFOとやってることがちょっと近いですね。細かいとこは全然違うけど。
 ウマウマの実、モデルペガサス。馬にトリトリの実を食わせてペガサスにする、でいいじゃん!(昔いた) せっかくの幻獣種を成長することに期待できない馬に食わせるのはもったいないなぁ。まぁ、現在の黒ひげは幻獣種を無駄遣いできるほどのレベルにいる、ということなのかもしれない。ボースティングというか。

J新世界漫画賞大募集中

 芥見先生のターン。急いでブログ書いてるからこのコーナーは基本スルーしたいんだけど、今回の芥見先生、めっちゃ良いこと言ってる! いや、正確に言うと「だよね! 前からずっとそう思ってた!」。
 要するに、ややこしい説明が多いけど、雰囲気で読んでも楽しいようにしてる。これ、まさにこれ。私が『呪術』で超好きな部分だし、ブログでも頻出してた話だと思う。作者が自覚してたし、 “今の呪術は分かりやすくないですよ” と断言してるのとか最高だった。
 ただ、初期から結構分かりにくいところはあったと思う……(その上で超面白い)。

センターカラー『あかね噺』34話

 からしは良いサブキャラになったなぁ。あかねと直接絡むようになって魅力が倍増したというか、新たな魅力が生まれたと思う。
 というか、本章あたりからあかねが完全に主人公してますね。今まではほとんどすべてのエピソードにおいて「あかねを見守る誰か」の視点があったけど、そろそろあかねが主人公として独り立ちした感ある。まぁ、本話の中でも彼女を見守る視点はあったけどね。そこがそれほどメインじゃなくなったような……というぼんやりとした印象。今後が気になる。
 新人いびりの二ツ目。漫画の展開として陳腐な展開かつ、陳腐な悪役だと思うんだけど、正直なところ、個人的な偏見として「こういう世界にこういう人は絶対いるよなー!!」という納得が勝ってしまったw
 陳腐な展開ではあるけど、憎まれ役が投入されることでチームが一丸となる感じはシンプルに燃えますね。

『アオのハコ』73話

 扉絵リクエスト。チャイナ服の千夏と雛。第2回だよね? 大喜の回が来るまではメモっておこうかしら。あと、シンプルに服とかじゃなくて、「○○してほしい」みたいにリクエストが細かすぎて若干キモいバイブスが発生してる回とか見たい。内容自体は別にキモくない(キモいのは当然弾かれる)んだけど……という。
 本編。大喜、帰国子女のイケメンにいじられる。端からフラットに見たら大喜はこんな感じ、というのが如実に現れてて面白かった。たしかに何も知らなかったらよその部活の後輩が “千夏先輩は…?” と聞いてきたら変に思うよな。もちろん、そこでいじってくるのはいけ好かないけど。
 行方不明千夏、からのおんぶバーサン。事情を聞こうとしたら我先にとバーサンが大声で説明してくる感じ、超可愛い。申し訳ないのと感謝の気持ちが先走ってる感じが出てて最高の場面。基本的に「千夏パイセンと再会できてドキドキ」みたいな印象が第一になる場面だと思うんだけど、そこにしゃしゃり出てくるバーサンという意外性であり、バーサンのことをただの背景にしない本作の丁寧さ。
 ラスト。 “好きな色は青” “好きな飲み物はコーラ” が最高。オシャレすぎるし、前段に対する解答として言い回しが鮮やか。ただ、私はコーラにはレモンを入れたくなるんだよなぁ……(ファミレスにそんなものはねぇ)。

『ギンカとリューナ』6話

 1ページ目、寝起きのリューナが運動とストレッチをして元気いっぱいに復活宣言するのが最高すぎる。正直もうここだけで満足してしまったし、「漫画ってこういう場面が見れればいいんだよ……」みたいな気持ちになってしまう。最近特にあらすじへの興味がなくなってきてる(比重が減ってきてる)こととも関係してるのかな。長いことブログで1話ずつ感想書いてることの副産物でもあり、今は特に大幅にそれが遅れてることでストーリーに対する関心、執着が著しく低下してる。ので、今回みたいなただ見て気持ちいい場面への感動が鋭敏になってる。
 そして、こういうあらすじ関わらない細かい感想というのは1か月も遅れてるブログで読まされても1ミリも伝わりゃしない、というのは重々承知してます。分からなかったら「リューナのモーニングルーティン」で検索してみてください。何も出ないけど。
 本編としては、トロッコで走り出す場面のワクワク感が最高だっただけに、出発の瞬間のみ描かれて疾走シーンはまるっと省略されて少し残念だった。『魔宮の伝説』みたいなアクション期待しちゃうじゃんか。追っ手がいねぇよ。

巻中解放区!WEEKLY週ちゃん

 なぜか巻中なんですが、もはや巻中であることについて一切言及されない。特集内容とも関係ないし(投稿回)、巻末に何か特殊なことが起きてるわけでもない。謎だ。
 んで、ネタハガキ東西戦。10月は芸術の秋ということで、「トガりすぎて時代が追いつかなかった彫刻家 どんな彫刻家?」。
 東。たてぶえサックスさん、「木の声を聞いてから彫るのを検討する」はたしかに面白い。最優秀賞も納得。声を聞くのは割と定番なイメージあるけど最後の4文字でずっこける。
 どくろ鬼さんの「言葉で伝える彫刻家」。作品が実在してなくて笑ったんだけど、ちょっと前衛芸術の行き着く先としてちょっとだけ「ありそう」とも思ってしまった。物質自体はそれほど重要じゃない、とか説明されて困惑しそう。
 西。むふうさんの「木彫りの熊を彫ってかわいくアレンジ」。既存の作品に素材にする、再解釈を加える、という意味ではこれまたトガりまくった芸術の世界だとちょっとありそうに思えてしまう。もっと相反するものを作ったら皮肉の意味とかありそうだけど、ただ可愛くしてるのがしょうもなくて好き。
 ジャンプ黙読三十三年週ちゃん音読さんの「お支払いはペイペイのみ」。トガった彫刻家というお題に対して支払方法というアプローチを持ってくるのが予想外すぎて笑った。そりゃ、どんな彫刻家にも金銭のやりとりは発生するけどもw

センターカラー『NEON VAMPIRE』TSCR

 読切。金未来杯の4本目。作者名の読みはティッシュクリーム。漫画家兼イラストレーターらしいんだけど、めちゃくちゃ珍しいですね。初めて見たかもしれない。
 本編。事件に首を突っ込む主人公が配信者。この設定はなかなか面白かった。探偵能力が高いかどうかはさておき、その影響力、拡散力に関しては無視できないものがある。凡人が非日常の世界の住人に目を付けられる理由付けとしてかなり良かったと思う。
 ただ、結局のところ彼女は助けられ待ちで終わってしまったのがガッカリではあった。一応本物の悪人の場所を突き止めた、という功績はあるけど、終盤に彼女ならではの活躍が見たかった。活躍までいかなくても、ヒーローとしての資質めいたものが感じられる場面が必要だったのではないか。
 そんな感想と重なるんだけど、終盤のバトル展開は結構驚くほどに直球というか、今時珍しいほどのバトル漫画らしいバトル漫画。それも読切。恐れをなした悪役が突然説明口調で語り出すくだりとか正直ダサいんだけど、様式美として嫌いじゃない部分もある。
 吸血。吸血に至るまでの助走をねちっこく丁寧に描いたのは良い。が、エロ的なニュアンスは無駄に込めすぎと思う。これはたぶんそもそも主人公が彼に惹かれる要素が現状ゼロなので、という問題も関わってくると思う。
 バトル。一枚一枚の決め絵はかっこいいんだけど、前後の動きとか位置関係などには重きを置かないタイプのバトル漫画なので正直好みの部類ではない。あと、胸に自ら傷を作り、そこから巨大な剣を取り出す、という場面はめちゃくちゃかっこよかった。絵、アイディアとしても良かったし、個人的には『サイボーグクロちゃん』の「盲腸ソード」を思い出して嬉しくなった。
 まぁ、全体的には大して好きではない。主人公の活躍及び意味のある絡みがないのと、彼のことを好きになる理由に説得力がない、あたりが私としては漫画に求めるポイントなのだな、とよく分かった。あと、彼の方のヒーロー性についてもぼんやりしたままなのが痛い。せめてどっちか欲しい。盲腸ソードは良かった。位置が違うけど。

『大東京鬼嫁伝』7話

 トラウマ的な悪夢、からの幸せな現状、というエモすぎる語りがめちゃくちゃ良かった。ちょっと「なにこれ最終回なの!?」と思ってしまったが、それくらいのエモが感じられたのは良いことだと思う。物語の流れ的にものすごくヘンテコなことになってると思うけど、正直そういう変な感じは嫌いじゃないです。
 最後に次の敵? 新キャラ? が登場。進太ではなく愛火に執着してそうなのが新機軸で面白そうではある。

『マッシュル-MASHLE-』128話

 ランスドット敗北からの兄弟へとバトンタッチ。回復魔法による擬似的な不死身は改めてチートだと感じさせられるし、圧倒的格上とある程度バトルを展開させる上でも必要な能力だったように思う。
 そんな兄弟コンボが回復だけではなかった、というクライマックスが秀逸。すっかり忘れてたけど、たしかに手持ちのカードとして紹介済みでしたね。してやられたわ。

『大門寺と問題児』佐世保太郎

 読切。最強ジャンプより出張。2号連続の2号目。前回は気づかなかったけど、タイトルがアナグラムになってるのね。すぐに気づきたかった……。
 本編。身体測定にパパが介入。前回に続き、個性強めだけど低温なツッコミが秀逸なんだけど、今回の話に関しては「そもそも計測時に追い出せよ」という先生に対するツッコミが発生してしまうのがまたおかしい。何気に先生もまともではない。
 てか、今回もマジで面白くてビックリ。前回が奇跡的に私の好みに刺さった可能性も考えたけど、今回も普通に大好きだわ。先生が「ママボーナス」とかいう派生語使い出したくだりとかマジ最高だった。何だろう、今回の短めのペース数のせいかもしれないけど、ちょっと漫才とかコントっぽい面白さがあるのかな(それもテレビサイズ)。がっつりツッコむけど、話は変わらずに進み続ける感じとか、たまにツッコミが次の話題を振ってくる感じとか。
 何にせよ、これがギャグ枠として載ってる雑誌めちゃくちゃ良いな。謎に最強ジャンプの株価が爆上げであった。正直『HUNTER×HUNTER』が再開してもそれほどテンション上がらないし、最強ジャンプの方が向いているのかもしれない……つらい……。

センターカラー『ウィッチウォッチ』81話

 即売会。ニコが普通に有能魔女になってて本作の基本的なコンセプト(?)が崩壊してる!! と思ったら最後の魔法だけドタバタがあって良かった。いや、ひょっとしたら「魔法とかいいからもっと現実的な描写に留めてくれよ」という気持ちも少しあるかもしれない。そのくらい篠原先生が今回の題材に対してノリノリなのが伝わってきたので。
 あと、やっかみ目線としては、初めての挑戦で予定の十倍売れた大成功者が “あの会場全部が仲間なんだと感じられた事です” とか良い気持ちになってることに対して「エリートはいいですねぇ」ってなる。そりゃ成功したら良い思い出になるのは当たり前で、それで同人誌作成や即売会の良さを実感できた、というのは何気に大きな間違い……というか、めちゃくちゃ極々一部しか見れてない気がしてモヤモヤする。篠原先生が同人誌作って爆売れからの「みんなが仲間だと実感できた」みたいなことになっても、「同人誌良いよね」という結論に対して「お前だけだよ」ってなっちゃうじゃん? ものすごいクズなこと言ってるのは分かるけど、極端な話「失敗したけど嫌いにはなれない」の方が本質に迫ると思うの。

『アンデッドアンラック』131話

 リベリオンは使ったら死ぬ。「だったらヴィクトルが使ったら最強!」というロジックは分かるし、実際気持ちいいんだけど、「最初からそうしろよ」的な気持ちもちょっとある。怨念が足りなかったってのは分かるけど。
 ヴィクトルの攻撃が有効なのは分かるけど、その後のみんなの追い打ちが「そんなんで効くんだ」みたいな気持ちにはなる。如意棒とかただの如意棒じゃん。あと、これは前から感じてたことだけど、「神と言っても結局は超強い巨人なんだな」ってなっちゃう問題が改めて強調されちゃった感。まぁ、まだ勝ったわけではないので、今度の戦いに期待って話か。
 ただ、最後の見開きは超良かった。タイマー演出との相性もバッチリで感動した。

『逃げ上手の若君』82話

  “そして激情!” “若さの輝きがより強い方が勝負を制する!” と最初に勝利条件を設定したのが面白い。具体的な戦法とは別に勝利の基準が示され、北条サイドは若への感謝と忠誠心でそれが爆発。一方足利サイドは味方の伏兵によって正義心の熱に冷や水がかかる。今まで散々怒りコントールの演出をしてたのに大事なところで冷や水ぶっかけるとかどこが策士だよ、とか思うんですが、まぁ伏兵を出さなかったらもう負けてた、という判断なんでしょうね。逆に言うと相手サイドが自ら「負け」認定してくれてるって若干盛り上がりに欠ける(盛り上がりのタイミングが一致しない)気もする。
 ただ、実際の勝敗は当たり前だけど具体的な戦いの描写によって示される。トンデモ武術が加速しすぎてちょっとついていけないところもあったんだけど、そのトンデモアイディアこそが若さである、と理論武装してくるあたりはさすがですね。屁理屈が強い。あと、敵は横回転だけど、味方はそれを利用した縦回転という対比も実に絵的で、漫画的で面白かった。まぁ、やっぱ演出が過剰になりすぎてる気もするんだけど、ここらへんは松井先生のガチバトル描写における「つーか これが限界」なんだと思う。祝連載再開。

『僕とロボコ』109話

 ジャンププラスの話。宮崎先生、自身の初連載をプラスって言ってて、たぶん『お約束』のことだと思うけど、その前に本誌で『それいけ!融合くん』を連載してたじゃんか。短期連載は連載じゃないって認識なのかしら。ただ、ちゃんと今回『融合くん』ネタもあったから、公式黒歴史という感じ? あくまで気づく人だけが気づく小ネタとして入れてるのがネタとして高度なのか、マジで黒歴史なのか判断が難しいな。
 あと、漫画の感想論、評論論みたいなテーマになって面白そうではあったけど、浅いところで良い話にして終わるのはいつもの感じだったと思う。やっぱ本作の中途半端に(そう見える)入れる良い話とか真面目なテーマ、ほとんどうまくいってない。まぁ、結局のところは小学生であるボンドが話のまとめをするので、所詮その程度、という感じで終わるのはリアルっちゃリアルなんだけど。

『PPPPPP』53話

 運の演奏、普通にダメ。不完全。バトル漫画として考えたら超ガッカリ展開なんだけど、やっぱ本作はそれだけじゃ計れない良さがあるよね。よく『アクタージュ』とか『食戟』とか芸術系の題材の作品に対して「やってることはバトル漫画」と言いがちだし、実際私もそういう表現でホメたことあるけど、本作はバトル漫画的な側面もありつつ、それだけじゃないヘンテコさがある。
 バトル漫画としては普通にダメな展開だと思うんだけど、面白かったのはその直後に運ではなく、彼を支えるプロデューサーの視点に移った点。 “まだ表舞台に出す予定じゃなかったんだ” というセリフから始まるパートがすこぶる面白いし、バトル漫画としてのダメさが反転するような快感がある。当然「じゃあなぜ今回出したのか」という話になるけど、その矛盾にこそ運のドラマがあり、運の主人公性を感じる。本作はラッキーを主人公にした物語が基本的に描かれるけど、その裏では、それこそ『ダダダダーン』の読切から始まった運の物語も進行していた、という奥行き。というか多層性。
  “パクるのって楽しい?” という話はその通りだと思う面もあるが、運のやろうとしてることは音上兄弟全員(ラッキーは除く)のコピーなので、1人で6人分できるんだったらそのスキル自体に芸術性は宿ると思う。ましてや本作はファンタジーの有無が前提となってる世界なので、ファンタジー発生の理屈を解析するのはそりゃすごいことだろうよ、という話。超能力で条件満たしたらコピー完了って話ではなく、あれやこれやと綿密な調査、研究の果てに行き着くコピーなので、そりゃもうパクるのは楽しいだろ。オリジナルとは別の価値が発生してることには疑いようがない。

『夜桜さんちの大作戦』150話

 バトルも面白いけど、ただ倒すのではなくどう洗脳を解くかがキーになってくるのが面白い。それが今回では嫌五の開花能力。「同化」とだけ事前に説明しておき、最後にもうちょっと詳しい説明をすることでエンド。この構成は良かったし、その具体的な描写、行程がどうなるのか次回への期待膨らむ。記憶を共有するらしいので、精神世界的なノリになるのかしら。それこそ『インセプション』的な。
 嫌五も洗脳されるリスクあると思うけど、同時にどう洗脳されてるかが解明されるかもしれないので、そうすると他の兄弟の戦いにも直接繋がってきそうですね。

ブラッククローバー』341話

 四天王の7人版、それが一気に3人出てきて笑う。景気が良すぎる。まぁ、ここでチンタラするのも悪手だからね。とはいえスケールが小さく感じられても問題なので、数は多いが一気に出す。
 黒ギャルがいるけど、ギャルの記号としてルーズソックスが出てきたのが興味深い。現在のリバイバル的な機運もあるんだろうけど、本作が描こうとしてるギャル像がそもそもちょっと古いのかもしれない。ファンタジー世界における黒ギャルということで、個人的には『ドラクエ9』のサンディが連想されました。ギャル観としてはアレにかなり近いんじゃないかしら。『アオのハコ』菖蒲とは全然違うんだけど、ルーズソックスだけは共通しちゃうのが面白い。
 ワノ国の魔法帝、魔力はないけど天眼がある。二つ名タマミツネかな? とか思ったけど、さすがに関係ないゲームの話が多すぎますね。要するに千里眼的なことだと思うけど、何でも見通せる、というのはぶっちゃけ今後の話、アスタがワノ国を出るにあたってめちゃくちゃ便利そうだなぁ、とちょっとだけ都合も感じる。あと、ただの無魔力じゃなかったのがアスタの鏡像と機能しなくて残念……と思ったけどアスタも別にただの無魔力ではなかったわ。全然チートな固有能力持ってたw
 からのヤミ過去編。スピンオフ漫画でも団長の過去は描かれてたと思うけど、それよりももっと古い時代っぽいですね。どんだけ人気キャラなんだ、という話。

『ALIENS AREA』19話

 カルト側の過去編。入会し、ハマり、誘ってくれた人が抜け、出世し、真実を知る。めちゃくちゃ面白い。やっぱこの異星人が出てくるSFなんだけど、具体的な内容がめちゃくちゃ現実的というか、ひたすら「ありそう」なのが最高。異星人排斥の過激派であるA3が、異星人技術の利用や組織の地盤固めとして異星人と持ちつ持たれつの関係であった、とか超イヤな話なんだけど、ひたすらありそう。なんだろうな、胸糞すぎる話なんだけど、どこか痛快な印象すら抱いてしまう不思議。
 A3に入ることで憎しみの感情を発散してきたけど、その憎しみの矛先がA3自体にも向いてしまって……という悲劇であり、モンスターの誕生としてのオモシロ。そんな彼が使うのが炎ってのが象徴的で良いよね。
 さらに言うと、本話の名場面である、回想シーンに入る際の現実のタバコ、からの過去のタバコ。オシャレ演出として、単体として最高だったんだけど、タバコは人間がコントロールする最小単位の「炎」でもあるので、先ほどの話とも通じて味わい深い。

『高校生家族』106話

 信勝の父vs家谷の母。父子家庭なので父だけど母性も兼ね備えている。だからこそライバル認定してしまう、という土台が面白すぎる。父子家庭だけ取り出してみたらそれほど特別な設定ではないんだけど、本作の、信勝に持ってきて、家谷母とぶつけるとマジックが発生してしまう。そもそも野球部のキャプテンになったくらいで親が挨拶しにくるのが地獄すぎるんですが、そんな現実的な考えが吹き飛んでしまうほどに面白かった。
 親として、というか母親としてのスキル(スペック)が高いのは当然家谷母なのだが……という勝負の行方が感動的。若干不倫が始まる予感もしたんですが、本作だと安心ですね。それよりも、良い話風になっても光太郎視点では全部イヤ、というもっともすぎるオチが良かった。もはやどんな話でも光太郎視点にすれば地獄、というオチに持って行けそうな気がするな。強い。
 思い出の味として、「申し訳程度の野菜」要員としてのキュウリが出てくるんだけど、一点のみならキュウリよりブロッコリーとかのが栄養価高そうだよなぁ。それも拙い父親という表現ならいいけど。ただ、読み返すと、1ページ目が父親がキュウリ切ってるから始まっててちょっと不意打ち的に感動してしまった。

『すごいスマホ』23話

 最終話。一応最大の直接対決が描かれるが、最後まで決着はつかず、謎は残りつつの「俺たちの戦いはこれからだ」エンド。久しぶりにこういうの見たな。『ビルドキング』以来?
 ただ、すマホの正体、すマホAIの正体という本作最大の秘密が明らかになるので最終話らしさは結構感じたというか、ちゃんと「終わった」感があったと思う。海外ドラマのシーズン1とかこのくらいの宙ぶらりんで終わりがちだよね、というのが感覚的には一番近いかな。
 そんな正体。各所有者が失った大切な人。急にエヴァ感出てきたな。暴走とかしそう。一応伏線として藻浦がすマホのことを姉のように慕ってたのがあるけど、あれは藻浦が自身の喪失感から勝手に投影してる、と思ってたし、それ故の良さだと思うので、「実際にその人が入ってます」と言われると身も蓋もなさすぎてちょっと残念。……ではあるが、詳しい理屈に関しては謎のままで、おそらく単行本収録の描き下ろしエピソードで説明されると思うので、まぁいいや。
 終わり。普通に面白かったし、次号以降『HUNTER×HUNTER』の代わりに本作が載ってても全然喜べる。本作最大の美点としてはやっぱ全ちゃんのキャラクターにあると思うので、せめて人気投票やるまでは続いてほしかった気持ちも大きい。普通に1位ぶっちぎりそうじゃない?

愛読者アンケート

 読切についてと、定期的に視聴してるyoutubeチャンネル。ない。この中にはない。ジャンプ編集部が考える人気チャンネルの一覧として選択肢を眺めるのは面白かった。
 定期的に見るチャンネル、真面目に考えるならlo-fi hiphopの有名チャンネルとかはbgm目的でちょくちょく再生してます。あとasmrもたまに聞く。ただ、どれも毎回検索窓に打ち込んでるから、結果として有名チャンネルに偏ってる恐れはある。youtubeくんの勝手レコメンたまにウザいよね。

総括

 終わり。たしか前回の更新が月曜だったんだけど、その次が金曜って終わってんだろ。遅すぎる。
 あと、今月はもうジャンプ記事しか書かない、と前回書いちゃったと思うんですが、嘘です。1コ別の記事書きます。

 今週のベスト作品。『ギンカとリューナ』。
 次点は『大門寺と問題児』。
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