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『八乙女×2』8話の感想

八乙女×2 - 氏家ト全 / 【第8話】クリスマスの過ごし方 | マガポケ

 気づけば半月くらいジャンプ記事をサボってた気がする……(目眩)。

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第8話「クリスマスの過ごし方」

 計16ページ。前半1-5ページ目が4コマ。6ページ目が4コマパートのエピローグ(もしくはブリッジ)。後半7-16ページ目がクリスマスイブを描く通常漫画。こう書くと本作の特殊さを改めて感じますね。新人作家がいきなりこの混合スタイルだったら驚くけど、氏家ト全という作家の歴史を考えると「全部乗せ」という感じでファンとしては嬉しい限り。

 4コマパートは学校での日常。クリスマスの話題は4コマ後に出てくるので12月の日常、もしくは冬の日常という感じ。
 4コマパートで多く出てくるのはマスク。マスクにまつわるあれこれ。劇中で某感染症は発生してませんが、現実におけるマスクとの距離感を踏まえて作られた話と見て問題なさそう。ただ、「使ってたマスクの譲渡」という現実ではあり得ないマスクの使い方が出てくるのでギョッともする。ここらへん現実と非現実のハイブリットで不思議な印象。いや、小学生だとあのくらい意識の低い使い方しててもおかしくないのかもしれない……あまり考えたくないなw 衛生面はさておき、間接キスにばかり気が向いてしまう(ルイが)、というのが微笑ましい。
 とにかく寒いという話でこれだけバリエーションが生まれることに感心してしまうし、単純にネタが多彩で楽しい。個人的にはアユムのカイロのネタが好きでした。厚着をするので室内だと暑くなったりしがち、からの「カイロあるから脱げない」という悲劇。私はカイロをあまり使わないのでこのネタが新鮮だったんですが、カイロ(特に貼るタイプ)は温度調整のしにくさがネックなのですね。もしくは下着に貼るとか? いや、肌に近すぎるとそれはそれで問題ありそう。詰んでる……。

 4コマが終わるとクリスマスの話題、からの当日(イブ)。ハルルが当たり前にカイの家にいる冒頭がおかしいんですが、よく考えたらこの「なんでいるの」という開幕ツッコミは『生徒会役員共』でもお馴染みでしたね。ただ、入り浸ってる理由がハルルは違う。違うので男女の距離感という意味でも大きく違いが出てくる。似てるからこそニュアンスの違いが際立ってて面白い。
 イブの食事は両八乙女家合同。両母も参加。おでんなのですが、おそらく具材は持ち寄りという感じだったのではないか。 “ナルミさんが作ったつくね絶品ですねー” というセリフにそんなニュアンスを感じる。
 てか、ナルミさん!! ついでにハルコと名前が明かされる。カイ母がナルミ、ハルル母がハルコ。出すなら最初から出しとけよ、とか思ってしまうが、名前を呼ぶ場面が出るまではキープ、という感じが本作らしい。あまり関心がないイメージ。いや、むしろ名前を出すとファンが喜ぶことを見越してるのかもしれない。

 小六でクリスマスとなれば当然サンタの話。互いに世界の真実には気づいているが、 “父親の趣味に付き合うのも苦労するよ” と言いながら爆睡してしまうとことか、子供らしくてマジ可愛い。
 あと、ハルルんちのサンタ事情を聞いたカイの “お前のお父さんエンターテイナーだな” というセリフで、カイの家ではただプレゼントが渡されるだけらしい、と何となく伝わってきますね。

 就寝後、サンタ(父)登場。父親である。母の名前が明かされたと思えば父親の登場。これまた長年のファンだけがぶち上がる展開。まぁ、小六が主人公だと父親を出さないのにも限界があるってことだと思います。卒業式まで出てこない可能性も考えてたんですがw
 サンタの正体を知っているハルルだけど、不測だったのはカイんちのコタツでの寝落ち。知らない天井からのサンタ登場。サンタには驚かないが、今年はその後ろからトナカイ(アヘ顔アニマルだ!)も現れるサプライズ。隣人という設定をフルに活かした展開で見事だったと思います。隣人という距離感、小六という親がサンタの儀式を張り切りたくなる年齢。そんな状態で「初めまして」を迎える居心地の悪さにも笑いました。
 そして、プレゼント。本作は小学生なので下ネタはそんな激しくならない……と思ったらド直球なので笑う。ただ、あのプレゼントが渡されるのがカイだったのは作者なりの「これならギリセーフ」という判断だった気もする。ハルルにアレを渡すとなると直接的すぎたのではないか。まぁ、この世界だったらアレを喜んで受け取る幼稚園児とかいそうですがw

 エピローグ。2人がもらったプレゼントを明かす。「モンスターデストロイ(通称モンデス)」であった。スマホではなくコンシューマーでも出てるソフトだったのか。たぶんスイッチでしょうね。
 同じプレゼントだったことに2人は驚いてるんだけど、これはおそらく両家の親が示し合わせた可能性があるんじゃない? “明日マルチモードやろうよ” と約束するところで本話は終わるんですが、このことまで親が見越していた可能性。2人がそれぞれ喜ぶプレゼントであり、それを通じて今度も仲良く遊ぶであろうもの、ってあの状況で渡すクリスマスプレゼントとして理想的すぎる選択だったと思う。
 本当のプレゼントはゲームソフトではなく、同じゲームで遊んでくれる友人の存在であった……と臭いまとめをしたくなるエンディングだったんですが、両家の親はマジでそういうこと考えててもおかしくないと思う。


 終わり。次回は「冬休みあけ」らしい。年越しや正月の話はスルーらしい。ここらへん月イチだと仕方ないですね。まぁ、小学生だと例のあけおめネタは似合わないだろうしw
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