北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年06・07号の感想

 映画『バイオレントナイト』めっちゃ面白かったです。グロくて悪趣味なので注意ではある。あと言葉が汚い。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。太陽。モノクロ。そういや学校とか行ってたな……と懐かしい気持ちになる。長男が先生とかいう死に設定好き。

表紙

 合併号なので集合。テーマは受験生応援。センター試験ですね(世代が出ます)。応援団的なイメージかと思ったけど、そうじゃないキャラもいるので漠然と応援してください、みたいな注文があったんだと思う。学ランなら高校生に限定されないと思うんだけど、学ラン以外も普通にいるので高校生が高校生を応援する図になってる。「お前はどうしたんだ」感が少し。あかねとか。
 見所としては本編で学生服を着ないキャラがどんなのを着るか、あたりでしょうか。本編でブレザーと設定されてない男性キャラは100%学ランになってたと思うけど、やっぱ「とりあえず学ラン」というイメージが根強いのですね。実際は少数派だと思います。100%って言ったけど、若の服はさっぱり分かりません。たぶん学ラン……。

読者プレゼント

 ウサギ。タイトルの “LOVE it” は技アリでしたね。他がショボいんだけど、これ一発で「まぁ面白かったか……」と全体の印象が変わってしまう。

巻頭カラー『ONE PIECE』1071話

 ベガパンクの逃走劇。CP0側は逃走を阻止すべく麦わらの船を狙うが、そこにはゾロ。カクゾロの因縁再びで熱い。熱いが、今のカクってまだ剣使ってるのだろうか。昔はゾロにぶつけるために申し訳程度の剣士キャラにされてた印象が強い。
 キッドたちはエルバフ、ガープはハチノスへ向かう。エルバフまで実際に出てくるのは意外でした。まぁ、全部ルフィが回るのは無理なので分担しましょ、みたいな感じかな。魚人島のときにも感じたけど、名前だけ出てた島が本当に出てくるとテンション上がりますね。この調子だとマジで全部出しそうな雰囲気。ただ、全部出すと逆に世界が狭く感じてしまうような弊害もなくはないと思う。まぁ、単純な情報量の多さでそれどころじゃないかw

『SAKAMOTO DAYS』102話

 京の映画の趣味が垣間見えるような回。割と軽薄というか、エンタメ寄りな趣味に偏ってるのは意外だったな。 “生身のアクションはジャッキー・チェンの時代に出尽くしてしまったんだ” のセリフも映画蘊蓄を語るにしては妙に新しい。偉そうに映画を語るにしては……という絶妙な薄さ。
 あと、ここまで映画の話題が出ると本作の雛形……とまでは言わないけど、系譜としては連なってる『ジョンウィック』シリーズはこの世界にも存在するのだろうか、とか考えちゃう。
 パイプオルガンの使い方はもうちょっと面白いのを期待してしまったんだけど、 “『エントラップメント』みたいだな…!” で笑ってしまった。懐かしい。懐かしいし、別に映画に残る傑作! みたいな感じじゃないところを突いてくるので笑う。まぁ、たしかに、ああいうレーザーを掻い潜る系の金字塔ではあるね。
 映画とは光と影の芸術である、と言わんばかりの見開きの場面は最高。ぶっちゃけ映画ネタのクライマックスとしてこれ以上ふさわしい場面はなかったので、このまま決着した方が良かったんじゃないかと余計なこと考えちゃうレベル。2人のアクションが映画になった瞬間として美しすぎる。
 イギリス元首相の最後っ屁でお馴染みの『ターミネーター2』ですが、あのセリフ、トドメを刺したと思ったらまだ生きてた、って場面ですからね。注意が必要です。元首相は死ぬ側が言ってるのでそもそもおかしい。

『呪術廻戦』209話

 米軍突撃。米軍vs超能力者という絵面にはやはりワクワクしてしまうな。いろいろあると思うけど、個人的に好きな映画として『X-MEN2』が真っ先に思い浮かぶ。首の後ろがトドメ、という一致もある。
 それと同時に面白いのは、アメリカエンタメ映画を観て醸造した米軍兵士のマッチョ極まる会話劇。ちょっとデフォルメがきつすぎるので、ウケを狙ってるんだとは思うけど、あの吹替調のおかげで「このセリフは英語なのね」と一発で分かりますね。英語は横書き、と区別する手法が割と多く採用されてるけど、本作は縦書きで余裕w

『僕とロボコ』120話

 百人一首。絶対『アンデッド』ネタが出てくると思ったけど、全然違った。
 ロボコ百人一首。『アンデッド』同様にいちいち考えてて労力がすごいし、それぞれがちゃんと面白いんだけど、贅沢を言えば序盤にあった「上の句は原作準拠」の方が句単体としては面白かったな。まぁ、あれは解説込みでの魅力なので、3人の戦況がメインになる話とは相性悪かったんだろう。

僕のヒーローアカデミア』377話

 分断失敗に続き、弔対策もシステム崩壊。つまりは雄英の危機。本作に限らず世のエンタメ作品の中のハッカー描写ってそこに説得力を持たせるのが激ムズなので勢いとバイブスのみで突っ切るしかないんだと思う。本話も敵側の乗っ取り成功のタイミングに関しては作者の都合をめちゃくちゃ感じたんだけど、ラストの「あの人」参戦には普通にテンション上がってしまった。一応、「狙って奪わせた」とロジックが入る意味でも面白いか。
 ハッカー描写にロジックを持たせる、というのは『夜桜さんち』でもあったね。

『アオのハコ』84話

 扉絵リクエスト。「バドミントンしてる雛」なんだけど、制服のままやってることで独自のエモが生まれてたと思う。ユニフォームだとコスプレ感のが先行しちゃうというか。
 本編。ユメカに「恋or部活」の2択を突きつけられてからの、クリスマス。3部活はそれぞれ予定が入るが、バスケ以外は一応自主参加。ユメカに2択を迫られた千夏パイセンだけは自動的に部活で決定(部活の重要度が高い)というのが良い。一番気になる人に選択の余地がない。まぁ、単純に葛藤のドラマが似合うのは大喜と雛だから、という話かもしれない。
 超絶気まずい人に口の中いじくり回されるのとか最悪(最高)だな! と笑ってしまったんですが、よく考えたら高校生(の年齢)なのでそこまでやるのは考えにくい気もする。受付業務だけのバイトを入れるほど巨大なところには見えないので少し不思議。

『イチゴーキ!操縦中』6話

 ウイルス。警告画面は笑った。笑ったし、 スマホでのウィルス警告画面はフェイクの場合が多いけど…” と説明的な一文を入れてるのも丁寧。怖くても無視してね。よほど心当たりがあるなら誰かに相談。
 体の中に入って物理的にウイルスを捕まえる。『サイボーグクロちゃん』を思い出させてくれるじゃねぇか……と個人的にはなるんですが、マジ関係ないので無視してください。ここから始まるキッド編がまた良いんだよなぁ。
 あまりに情けないミサオだけど、初手土下座という自己開示スタイルによってイチゴーキの胸に響く。そこから「土下座は地震に強い姿勢」というロジックが入るのとか普通にうまくて良かった。厳密には土下座のあとの四つん這い。感情のドラマと、それによって決定づけられる勝敗のロジックが見事に合致してる。

センターカラー『ラックラック』島袋光年

 『トリコ』15周年らしい。すごいな。衝撃的な数字だ。『トリコ』ってうちがブログ始める前の作品だったのか。ちょっと意外。
 本編。運と動画投稿者。チャンネル登録者数がそのまま戦闘力になってるのは面白かったですね。いかにも『トリコ』的なノリ。冒頭の顔パックもナンセンスギャグかと思ったら、サブアカなので顔を隠したかった、と理屈が通るのも好き。常にスマホを構えてるのとかバトル漫画的にかなりの枷だと思うけど、それが召喚バトルにおいては決めポーズのように機能してるのも見事だった。
 運をまじえたバトルとか、ストーリーの部分も面白いっちゃ面白いんだけど、運という絶対的な不平等に対するアンサーがちょっと弱いので、そこは少し気になったし、正直物語的にそこが一番大事だったと思う。ゲスの “それは運を持ってる人の台詞ですよ!!!” とか超良い場面だったし、一番感動的だったと思うけど、それが最終的に「結局ゲスも運を持ってた」で終わるのがちょっとね。普通に再分配のおかげで助かった方がまだ良かったと思う。世界が決めた運という不平等を肯定して終わる話だったわけじゃん? それを主人公が再分配(サブアカ)、もしくは運のシェア(メインアカ)する物語であるはず、あるべきなのに。
 あと、どうしたって古いノリが出てしまう(良さでもあるが)しまぶー作品において、「オッサンじゃねぇから」という関係性を入れることで古さを相対化してるのは見事だったと思います。バイビーとか意図的に古さを入れてるのもそう。
 チャンネル登録者数が2人増えてたけど、ゲスとその妹ってことね。ここにちゃんと妹を入れてるのとか気が利いてて好きです。というか、初見時「はいはいゲスが登録して1人増えたのね」と思ってしまったw

『人造人間100』5話

 No.1の存在。博士に最も近い存在であるから特別。博士不在で強くなっててもおかしくないので、これは読切時代から気になってた「No.100が最強ならもう楽勝じゃね?」問題への回答としてとても腑に落ちる。見事でしたね。読切時代から考えてあったネタなのか、連載が決まってから考えたネタなのか気になる。
 子供にとって、近くの大人がいつも自分に向ける優しい顔ではない状態を見てショックを受ける、というのはめちゃくちゃリアルな話でしたね。ここも子供主人公作品として最高の場面。それでもあしびがNo.100と組み続けることを選択するのは、 “No.100の手綱を握り戦うために…” であり、 “No.100と対等になるため” 。一番危険なNo.100を何とかするためにも別れるわけにはいかない、という以前とは別の理由による新たな決意。ここもすごい良かった。ここまでが長いプロローグだった、という印象すらある。

『あかね噺』45話

 花魁を自分のものにするために試行錯誤。失敗続きだけど、この奮闘してるくだりは十分楽しかった。
 そこから “若いんだしデートでもしたら?” に活路を見出すのは映画『ブラックスワン』みたいでイヤな話なんだけど、まぁ所詮はデートだし、女性同士でヘラヘラしながらどこまで本気か分からない助言なので実際にイヤな感じはそれほどしない。ぶっちゃけこのアイディア自体はほとんどの人が思い浮かぶようなものだったと思うけど、今回の一話をかけて「まぁ試すだけならアリかもね」と思えるようになった感じ。巻き込まれたジャンボがガチで迷惑がってるのもギャグ的に楽しく、明るく軽いノリになってて良い。ここらへんも大事。
 あと、デート相手の候補が選択肢として羅列される場面もファン的には妄想を喚起させられて面白かったですね。その中で唯一対等でありつつ、あかねが本気で失礼なことできる相手としてジャンボしかなかったw そういう意味では、からしが少し惜しかった気もする。

『一ノ瀬家の大罪』8話

 そういや最新の新連載組、トップバッターがもう8話だけど、掲載位置的に考えると極端なスタートダッシュをした作品はまだない、って感じなのかしら。まぁ、最近は掲載位置のこと考えてもあまり意味ないんじゃないか、って気分なんですが。
 本編。あらすじレベルでは、本作にしては珍しいほど何もなかった回と言えると思うんだけど、父さんはベンチに座って同じ高さで語りかけるのに対し、妹を連れる謎の男は身長差で上から見下ろすように “何か用?” と迫ってくるのが迫力あって良い。よく考えるとあの状況(あの時間とあの年齢)で偉そうな態度に出れる理由がまったくないんですが、大人が冷たい顔して迫ってくるだけで子供は超怖い、というリアリティがあった。そういう意味では、学ランを着て、所属と名前と兄妹であることを明かした翼の判断はかなり適切だと思うし、無力な子供が取れる行動としてもリアルだったと思う。
 それはさておき、大事な謎が放置されたまま、翼の感情のドラマがこれでもかと展開していくのは意外でした。翼が謎の追求を行動原理にするなら分かるけど、本話はもはや違うよね。

ブラッククローバー』347話

 ブギーマン。ババヤガだ……(さっき『アントマン』観てた)。
 相手が最も恐れるものに自動的に変身する。それこそ神話とかそういうレベルでよく出てくるネタだと思うけど、そこでサクッと一花の秘密を明かしたのがスマートかつスピーディで良い。ここらへんのトラウマ回想のサクサクぶりは本作マジでうまいよね。今回も短いのにめちゃくちゃ迫力あって良かった。暗闇の中から断片的な記憶がが浮かび上がるような演出も漫画的で最高。
 ただ、一花のドラマだったのにするっとアスタのドラマへと回収されたのは本作のサクサクスピード感の弊害だったと思うw アスタをヤミに重ねる演出をしたかったのは分かるけど。まぁ、さすがに今後一花自身がトラウマを乗り越える話も出てくるか。たぶん大丈夫だと思う。

ROCK THE JUMP

 ジャンプ作家のBGMアンケート。後編。馬上先生がPUNPEEを挙げててテンション上がったんですが、ジャンプ読者的に気になってしまうのは、むしろ『ガーディアンズオブギャラクシー』のサントラから曲を挙げてた点。馬上先生が以前、金未来杯かな? にエントリーしたときの単独作でオープニングのタイトルが出る場面の演出が完全に『ガーディアンズオブギャラクシー』をなぞってたんですよね。当時は「流行ってるもんなぁ」くらいにしか思ってなかったけど、ものすごい時間を経た今、伏線回収された気分。今年の新作楽しみですね。
 あとは、林先生がB'zを挙げてて何か面白かった。
 あと、最後だから意地悪なこと言うけど、有識者コメントが「お前テキトーだな!」っていうのがチラホラあって面白かったです。まぁ、関係ない曲の話だからどうすればいいのか分からん無茶な企画なんですが。

センターカラー『あやかしトライアングル』矢吹健太郎

 おひさしブリーフ。アニメ化記念で凱旋出張ですね。アニメが大変なことになってるみたいですが、頑張ってください(矢吹先生が実際に頑張っててすごい)。
 本編。出張版の王道みたいな内容で面白かった。正直本作のことそこまで好きじゃない……は語弊があって、そこまで愛着がないという感覚だったけど、主要キャラが代わる代わる出てくる流れにはちょっと感慨深いものがあった。本作との付き合い方が特殊なので新鮮なのか、本作の魅力なのか、矢吹先生が手練れの技で心地よい出張版になってるのかは分からない。
 驚くほどに本誌で連載してた頃と変わってない気がするんだけど、これは本誌オンリー読者に向けた手加減という可能性もあるのかしら。さすがに新キャラとか出てると思うんですが。関係性が変わってたり。まぁ、アニメの放送では本誌連載分の範囲でしか扱えないと思うので、今回の出張でそこに限定するのは正攻法と言えるのかもしれない。

『暗号学園のいろは』7話

 どこが答えが分からない問題。これは漫画の展開としても面白かったし、どこで切り上げたらいいのか分からないのは暗号の世界においてマジで重要なだろうな、と思えてしまう。そういう説得力があった。
 こういうどこで終えるのかの判断は一般論として私は超苦手で嫌いなので、なんで「ロゼッタストーン」は正解っぽく思えたのか、の時点でピンと来てなかったw
 あと、「とおたす」って言ってたのに “スタート! トータスを逆から読んで…” はマジで飲み込めない。「すたおと」じゃん。わざわざアナグラムとして文字のパズルが出てきたのに、その最初の文字変えるのは反則じゃん、としか思えない。

『アンデッドアンラック』142話

 正直な話「ボイドのこと全然覚えてないんですけど……」という読者(私です)に対してボイドというキャラクターの魅力を伝える回として充分すぎる内容だったとは思う。思うが、プロボクサーに謎の女性が喧嘩売って、実際に殴り合って、正式に試合が決まるという流れがまったく理解できない。絶対にないじゃん。無理じゃん。素人殴っちゃダメじゃん。オフィシャルじゃない場で野良試合を申し込む、とかがギリだと思う。 “私はボクサーとしてじゃなく 一人の人間として” “アンタとボクシングがしたいんだよ” というセリフには頭がクラクラしてくる。ボクサーとしてではなくボクシングがしたい。禅問答かよ。
 ニコが代案として出してた情報改竄との違いが分からないんだよね。結局偽ってるから。ボイド自身にはインチキしてないからって言いたいんだろうけど、そういう問題じゃなくない? 同じ結果にたどり着くためにズルしてるんだから、それはズルでしょ。どの道信頼は減ると思うの。もうちょっと何かなかったのだろうか。

巻中解放区!WEEKLY週ちゃん

 巻中回なんですが、位置がまたトリッキーで謎だ。
 計4ページなんですが、前半は漫画。何の説明もなく始まったけど、普通に貴重な内容なので驚く。ちゃんと週ちゃんっぽい内容だった、という漫画。こういう形式も良いですね。普段は出来ないけど。
 後半はジャンプ作品の中の場面で作る「東海道中名所双六」。厳密ではないんだけど、かなりの力作。現連載陣どころか最近の作品だけでは作れないので、過去のレジェンド作品からもバンバン引っ張ってきてて豪華だし、「作るの大変だったんだな……」と実感。

センターカラー『逃げ上手の若君』93話

 論戦。若はあえて感情論に出ることで逆転した、という感じの描かれ方だったと思うけど、そもそも足利サイドの言い分が矛盾だらけなので別に若の主張が感情任せという感じはしないな。まぁ、漫画的な誇張というか、デフォルメの類かしら。
 論戦だけでこんだけ展開するのは普通に面白かったので、ちょくちょくイメージで絵的な派手さを入れてくるのが余計にも思えた。まぁ、松井作品だったら逆にああいう奇抜なのが期待されてる可能性もあるけど。

『ウィッチウォッチ』92話

 ミハルの薔薇。薔薇はBLの象徴ですね……と思ったらモイニコのベタなラブコメになった……と思ったら普通のギャグ回だった……と思ったら結局BLに着地したでござる。
 てか、冷静になって考えると枝が腕にぶっ刺さるのイヤすぎるな。最初はモイちゃんの変人性で何かアリになってたけど、途中から関係ない人が次々と巻き込まれてるし。あの太さだと相当な痛さだと思う。まぁ、そこは漫画的な描写の都合で太く見えてるだけ、という可能性もある……(そこまで考えるべきことじゃない)。

『ギンカとリューナ』17話

 学長登場。完全にお母さん属性で面白い。それも最近よくある美少女の属性としての「母っぽさ」とはちょっと違う、マジよりのチューニング。ギンカに対しての最初の絡みも面白かったけど、やはり特筆すべきはリューナに対する言動、及びリューナのリアクション。久々に母と会って娘が照れちゃってる、みたいなリューナが可愛すぎるだろ。前からリューナは娘属性が徹底されてると思ってたけど、こんな描き方もあったとは……。普通に感心してしまった。抱きしめられて居心地悪そうにしてたり、逃げ出して木の陰からこちらを見てる(それ以上は逃げない)とか良すぎる。急に精神年齢下がりすぎな気もするけど、逆に言うとギンカに育てられてる間には得られなかった母性に触れることでリューナが子供返りした、とも言えそう。
 今まで「学会がクソすぎる」と何度も感じてきたが、ちゃんと「クソだから何とかしよう」という話になって良かった。ギンカの不在で学会が腐ってしまい、上級たちを倒すことでギンカを元に戻すことができる。旅の目標設定の説明であった。ここから第2章という感じですかね。
 旅の目標と、ボスとその報酬ってのがゲームっぽいと感じたし、そこで突然仲間が加わるのもゲームっぽい。リューナとの相性が悪くて楽しそうなんですが、それはさておき「仲間にすべきは他にいるんじゃないのかね?」と思ってしまう。例えば2人組の……。

『マッシュル-MASHLE-』139話

 9割から10割になってもちょっとした強くなってないじゃん、と思ってたんだけど、10割になったら鏡魔法で倍々ゲームしてくる強さの増量は1割どころではないってことなのかな。10割が5体に増えたら実質50割なので9割のときから5倍以上ということになる。これならちょっと納得ですわあ。まぁ、マッシュの二乗パンチとか考え出すと虚しくなるんですがw とはいえ、長男が「○割」「○倍」だったのに対して、マッシュは「○乗」という対比になってるのはなかなか面白い。

『高校生家族』117話

 家族を養うために大学進学を諦めて就職するべきか。めちゃくちゃシビアな問題が出てきてビビった。少年漫画が逃げて回るようなテーマやんけ。変にギャグでごまかすことなく、真摯に向き合ってて偉い。同じ学校に大人がいる、という本来ならギャグでしかない設定が「こんなに頼もしい後輩はいない……」という話になってて感心を通り越した笑いが生じる。無茶苦茶な状況なのに、話はめちゃくちゃまとも(真面目)で、優しい。
  “自分のために生きろよ…!” という助言も、それだけ切り取ったら月並みなんだけど、「ガチの大人だけど後輩」から言われたセリフだとめちゃくちゃ感動してしまうな。感動してたのに “…ああ…詐欺師の…?” とか抜かすので笑ってしまう。わざわざ言わないであげてw

『PPPPPP』64話

 すげぇなぁ、好き勝手やってんなぁ、と面食らうと同時にやはりそれがめちゃくちゃ面白い。別に「ファンタジーの描写だから現実離れした描き過多になる」とかじゃないんだよね。まぁ、新章のセッティングにあたる部分だからこそ出来る自由さ、とうい感じだろうか。
 左から現れる何か、左へ消えていく何か、というのが連続してるのも興味深い。厳密には左下かな。それが最後の見開きで読者のテンションがぶち上がる仕掛けへと続いていく。せっかくの見開きの大ゴマで、あの小ささ、あの見切れ具合が最高でしたね。急いで読んでたら普通に読み飛ばしてしまいそうというか、雑に「何かエモい終わり方したな」のまま次の作品に行ってしまいそうなくらいの小ささ。いや、まぁよく見ると長い髪が視点誘導するかのように左下へと伸びてるので、案外小さいがめちゃくちゃ目立つようにはなってるのかもしれない。そもそも漫画とは右上から左下へと読み進めるメディアなので、それを生かした仕掛けだったとも言える。

 本編後に人気投票の結果発表。ミーミン優勝であった。割とぶっちぎり。まぁ、納得ではあるな。「案外レイジロウが爆発するのでは?」とか思ったけど、そこまでは行かず。十分大人気ではあるけど、ギリでラッキーは越えないくらい。ラッキーのすぐ後ろにピッタリくっついてる、というのはレイジロウらしいのかもしれない。

『夜桜さんちの大作戦』161話

 気まずい空気を破壊する嫌五の洗脳モノマネ。不謹慎ギャグのようでもあるけど、この場の空気の悪さの根元とも言える点を最初に言及するというのは割と正攻法な気もする。アイスブレイクってこういう形でなされることが多いのではないか。
 そして、洗脳組とは別の気まずさを抱えているのが太陽で……と本題に入るのも良い。
 それとは別に、本話に限った話ではないんだけど、物語がシリアスに、重要になればなるほど太陽と長男の話に偏りがちなのはちょっと困った話だと思う。太陽と六美であるべきだよね。基本的には。まぁ、父との対決を描く章だったので、父、長男、婿の男系がメインになるのは全然いいです。本章は面白かったけど、今後ずっとこの偏りがあったらちょっとなぁ、という懸念。

『大東京鬼嫁伝』18話

 見知らぬラーメン屋の半額券。半額なら行ってみるか、という絶妙なラインだったと思う。実際はそんなこと滅多にないと思うけど、「絶対にない」というほどでもない。個人的に興味ないラーメン屋には行くことないと思うんですが、「半額ならね」という効果は感じる。
 そんなラーメン屋。 “店主がめんどくさそうな気がするのです…” という表現が的確すぎて笑った。強烈すぎるギャグではあるけど、どこか「こういうとこあるよね……」という実感もある。『ナニコレ珍百景』とかが取材に行くと嬉々として語り出すめんどくさい店主がいそうだなぁ。「店主が図に乗るから放送もしないで!」とか思いながら観てます。
 ラーメンに何か盛られててけろるだけが危機に立ち向かう話になるんですが、難を言えばけろるがラーメンを食べるのが遅れた理由が欲しい。一応彼女が食べ出すのが遅かった明確な描写(箸を割った直後にみんなが倒れる)はあって良かったんですが、なぜけろるが戦うのか、なぜ彼女が頑張るのか、という話になりそうなのでそこは大事かと。
 「彼女は猫舌だから遅れた」とか自然で良くない? と一瞬思ったんですが、猫いるから話がややこしいわw 3人への感謝の念が高まったのでみんなの分の水を取りに行ってた、というのはどうか。

目次

捜査官が机に資料ぶちまけるやつと壁に写真を貼りつけるやつやってみたいです
(『SAKAMOTO DAYS』)

 犯人の挑発にキレて机の上のものズサー!ってやつもやりたい。

総括

 前の記事から1週間経つようじゃ一生借金はなくならないんですが、今号は仕方なかった。合併号なので2週間以内ならむしろ上出来、ということでひとつ(自分に甘い)。

 今号のベスト作品。『高校生家族』です。
 次点は読切2つと『ブラクロ』。
gohomeclub.hatenablog.com