北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年10号の感想

 花粉用メガネ買いました。メガネとは名ばかりのほぼゴーグル。これでボッスンの集中モードごっこが出来るね!!(集中用メガネは別に存在するのでややこしい)(さらに言うとボッスンは集中モードの際目を瞑ることもある)

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。ロボコ。もうロボコなのか。変なところに衝撃を受けてしまった。ジャンプ連載陣で前半の方なのか、ロボコ……。

表紙

 『ウィッチウォッチ』。せっかくなら『SKET DANCE』キャラも出せば事情を知らないかつてのファンがコンビニでぶったまげる可能性あったな。

読者プレゼント

 節分ということで豆と鬼。ダジャレとしては正直手抜きを疑ってしまうレベルで薄い。ほとんど写真の顔芸に頼ってる印象。まぁ、顔芸も大事なんですけどね。両方あると私は嬉しい。

巻頭カラー『ウィッチウォッチ』95話

 もっと『SKET DANCE』キャラがぞろぞろ出てくるお祭り回かと思ったら普通にストーリーを展開するので驚いた。まともな話……というより『SKET DANCE』寄りな話をやろうと不登校の話を持ってきたんだと思うけど、主人公たちとの距離が異様に近い(ほぼ当事者)ので、今まで存在が語られなかったことの違和感がすごい。もちろんこの特別回のために取って付けた設定だとは思うけど、真面目に考えると「この1ヶ月間彼女のことを何とかしようと思わなかったの?」とかなる。
 魔法を隠さなかったことが原因(誤解)でツイッターが炎上というのも理屈として弱いというか、ニコが当事者すぎて「今までこの件について話し合うことはなかったの?」とかなっちゃうんだよな。無茶な企画を真面目なストーリーでやろうとするから……。まぁ、そのイビツさが愛おしくなることもある、という気持ちは分かる。
 あと、これは私が悪いというか、もったいないことしたと思うんですが、『SKET DANCE』の記憶がかなり弱まってるので、今回無数に仕込まれたであろう『SKET DANCE』ネタみたいな部分が「何かそういう話をしてる気がする!」くらいにしか受け取れないw そもそもどこからが新情報なのかが分からないというか。最終回がちょっと未来の話やってた気がするけど、どのくらい未来だったっけか……。
 関係ないけど、こないだの『デビザコ』にキルコが出た際は、キルコの発言があの頃と同じことを言ってて感動したんですが、たぶんそんな感じで感度高めに読んだら今回のも面白かったんでしょうね……と遠い目。
 突然の『暗号学園』展開は正直笑った。笑ったけど、たぶんこれも『SKET DANCE』のノリを本作に持ってきた結果なんじゃないかなぁ……たぶん。あとは、『暗号学園』の連載が始まってしまったことが悲劇を呼んだとも言える。せっかく2周年に向けた大仕掛けだったのにな。同情するわ。
 んで、ボッスン登場でエンド。前後編らしい。このまま安楽椅子探偵として終わる、本作キャラたちはヒメコとのみ接する、って感じになるのかしら。どうせならあっちの世界の人全員こっち来てほしい気持ちもあったけど、この真面目ストーリー路線だと少し難しそうな気もする。先生が突然知らないオッサン連れてくるの無理あるでしょ。まぁ、ファミレスで紹介くらいならギリあり得るか?


 人気キャラ投票もやるらしいよ。このタイミングだとボッスンたちが蹂躙しそうで怖いw
 投票者から抽選でニコのワンピースが透明になってるアクリルキーホルダーをプレゼントなんですが、これ完全に「お散歩ちゃん」のパクリじゃん! 言い逃れできねぇ!!……と思ったらツイッターで作者がRTしてて安心しました。てか、間接的とはいえ、ジャンプと仕事したことになるのか。すごいぜ。

『アオのハコ』87話

 扉絵リクエスト、「勉強する千夏」。言われるまで気づかんかったが、勉強してる姿ってめっちゃレアだなw 今後はそういう話も出てくるかもしれんが。
 本編。千夏パイセンの夢オチ始まり。前回の回想は「大喜への会話」という体裁だったけど、やっぱ千夏視点という要素も本章からは増えてくのか。何考えてるか分からないのが魅力というか、基本コンセプトと言っていいレベルだと思ってるので、そことの兼ね合い、バランスが今後どうなっていくのか楽しみ。
 ユメカ、普通にバスケできる。制服でバスケ、しかもキッズとの戯れ。おいおいサービスショッットが過ぎるぜ。気まずいギャグや照れ顔にせず、普通に終わるのが本作らしいですね。
 ユメカの主張。プロを目指すわけでもないのに努力する理由がない。たしかにこれはある。説得力あるし、何なら『ハイキュー』とかでもちょっと出てきたテーマだと思う。
 それに対する大喜。 “そんなの 最初からわかってたことじゃないですか” という言い分はその通りなのだが、ユメカの主張に対するアンサーとしては正直弱いというか、どっちも正しいがすれ違ってる印象。楽しいからやってるのは間違いないけど(実際キッズと遊んでたのは楽しいから)、さらに上のレベルを目指す練習やその他諸々が割に合わないという判断を下すのは別にいいでしょ。遊びでスポーツやりたい人の居場所がない、というのは部活(というより少年漫画のスポーツ漫画)の問題というか、なかなか描きにくい点だと思う。『ハイキュー』にもそんな話出たけど、言うてもメインはガチ勢の漫画だからな。てか、『ハイキュー』大好きかよ。
 問題としては、本作が今後普通に「ユメカ現役復帰!」みたいな話をやってくる可能性が残ってる点。まぁ、そこに納得できるなら別にいいけど、才能ある人が部活に愛想つかせるのも全うな道だと思っちゃうんだよな。
 んで、バイオレンスオチ。大喜の姿に癒される千夏と、見てるとイライラしてくるユメカ、という対比ですね。

『僕とロボコ』123話

 パーフェクトジェンガとか聞いたことないんだけど、どういう意味か一目で分かる。私はチキンですぐ真ん中の取っちゃうので論外です。
 話としてはロボコからのめんどくさいLINEをいかに穏便に処理するか。正直どうでもいいけど、返事しなくちゃいけないよな……という心理は現代人なら誰しも経験あるのではないだろうか。小学生はまだ知らなくていいと思うけど、まぁ今更。
 段々と爆弾処理的なLINE仕草の話ではなくなり、『HUNTER×HUNTER』ネタに着地していくのが本作らしい。面白いんだけど、話はそれまくってるw
 「ボマー捕まえた」の写真、最初ロボコがゲンスルー倒したのかと思ったけど、あの写真だとゴンたちが倒して半死状態のゲンスルーに触っただけにも見えるな。『HUNTER×HUNTER』正史にはそれほど関わらないように、という謎の気遣い。
 独りで移動するならアカンパニーじゃなくていいよね。なぜわざわざアカンパニーにしたのだろうか。読者にはそっちのがお馴染みという判断かしら。

『イチゴーキ!操縦中』9話

 ミサオ、大きくなる。イチゴーキのことはさておき、本作の基本設定が壊れてしまい、テコ入れもしくは夢オチを予期したんだが、全然違った。クラスのみんなと一時的に面識を持つ、というのが重要になってくるのかな。今後定期的に大きくなるとか……ってそれじゃ新一だ。
 順調にクラスと馴染んでいくミサオを喜ばしく見守りながらもどこか違和感もしくは寂しさを感じるイチゴーキ、という前半とかかなり好きです。あのまま良い話になっても歓迎できたレベル。まぁ、そうすると次回以降が大変そうだが。
 てか、掲載位置めっちゃ前だったな。何があったんだ。

『呪術廻戦』212話

 姉黒の正体とそれとの対決になると思ってたらそれどころじゃないのでビビった。伏黒の受難が続くという感じね。いや、一番メンタル来ちゃうのは虎杖か。人が死ぬのとはまた別種の地獄が眼前に広がるので可哀想の極み。
 ということで、スクナ。そういや、そんな約束してたな。昔すぎて忘れてしまっていたよ。てか、だとすると芥見先生はマジで話を畳みにきてるのかもしれない。全然真に受けてなかったけど、ちょっと説得力を感じてしまった。ただまぁ、ジャンプ側が最終章の告知とかする気もする。
 ミサオが大きくなるのと同じで本作の基本設定が覆ってしまった。デクがOFAを手放す、とかそういうレベルの大事件。まぁ、映画でそんな話あったね。

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』105話

 100話突破記念のカラーらしいが、随分とタイミングが悪い。遅い。どうせやるなら表紙がふさわしいけど、それだったら2周年にしちゃおうか、みたいな感じかしら。
 本編。商店の日常に周が仲間入り。まったくの予想外。こういうメンツになるのか。どちらかといえばセバの方が仲良くなりそうだったのに。考えてもいなかった。さらには、周に対して「無知可愛い」みたいなアプローチしてきたのもビックリ。今までまったくそういう目で見てなかったけど、今回違和感がなかったことにも驚く。ちょっと自分の目が節穴だったような気にもなるな。ちょっと落ち込む。

『一ノ瀬家の大罪』11話

 少なくとも読者にとっては2周目。家は同じらしい。ちょっと意外。ただ、学校の皆さんはリセットされてるようなので、ここはめちゃくちゃ人為的な何かを感じる。
 この手のループモノで手っ取り早く気持ちいい瞬間というのは2周目以降の効率プレイなわけですが、本作でそれをするのは父。とりあえず敵っぽい誰かがサクサクとトラブルを解決していく。あの地獄治安学校において、親が教師に相談しただけで解決するとかとても考えにくいんだけど、逆に言うとあの父(を名乗る男)には何か特権があるのかもしれない、という不気味さだろうか。

『マッシュル-MASHLE-』142話

 長男に勝利するも、早速お父様登場。そして、早速乗り込む。少しの間日常回じゃないけど、のんびりした話になるかとも思ったんですが、休みなどなかった。マッシュくん乳酸溜まってないか心配。
 時間魔法でよって触ると100年老ける。絶妙に「生きててもおかしくない」数値なのが少し謎だ。(少なくともバトルには)使い物にならない、というのが大事だったのかな。ガチミイラとかになっちゃうと話が違ってくるというか、それこそ「触れたら相手は死ぬ」みたいな雑魔法に思えてしまう。
 からの剣ブーメランで打破。もっともなロジックと、無茶苦茶なアイディア、そしてさらに無茶苦茶なアクションによって実現していく様は本作らしくて最高。ちょっと「ブーメランの意味ある!?」とか思ったけど、あれによるオモシロを感じてしまったのも確か。悩ましいところだw

センターカラー『あかね噺』48話

 カラー扉。うわなにこれ気持ち悪い。ブレブレというか、線が二重でパッと見で気持ち悪く、よく見てると頭痛くなってきそう。赤と青のメガネで見たら3Dになる、とかそういう気持ち悪さがある。てか、単純にこれの意図が分からないというか、「変なことやってオシャレ」を通り越して違和感が強すぎる。トリックアートの楽しい部分がなくて(脳が)騙される部分が強い、みたいな。裏に説明があると思ったんだけど、何にもないのでビックリですわ。せめて目次コメントよ。
 片目で見るとスッキリするのでここに糸口がありそうな気もするんですが、「だから何?」と行き止まりなんだよなw やっぱ立体に錯視しそうな雰囲気は感じるんだけど、分からない……。
 本編。『お茶汲み』の狙い。下手というか、「うまいけど似合わない」という状況が内容にフィットしていたらしい。なるほどね。たしかに面白い。落語ファンからしたら前回までに「ひょっとして……」となってたのかもしれませんね。そういう意味でも面白い、が、「記者は最初から気づくだろぉ??」とちょっとずるさも感じるw 一般の客とかなら分かるけども。

『逃げ上手の若君』96話

 勝ったはいいが、負けた足利陣営が親王殺しに出る。勝ったけど喜びづらい後味で、歴史物としてのガチ感。合理性のみで判断してる感じが憎たらしくて素晴らしい。尊氏の「あとはよろ」という殺害命令もめっちゃリアルというか、この部分は全然今でも通用しそう。権力者が罪の意識を抱えながらもそれを華麗に無視し、合理のみで動く際の命令文としてマジでありそう。何なら日本に限らずクソ権力者あるある、という感じなんだろうな。本当にイヤな気持ちになるw

『人造人間100』8話

 人造人間側のバトル。話にならないレベルの実力差があるが、100は人を傷つけられない、建物を壊せない。その枷のせいで相手が時間稼ぎに成功してしまう。ちゃんと直前に語られた情報が今回のバトルに繋がってるのが良い。「人を殺せるのか」という問題の前に、単純に今回の敵が厄介。
 相手が時間稼ぎなら、こちらは音の妨害、というラスト。こちらも理にかなった方法で非力でも可能な手段になってて見事。なんだけど、頭に『オペラ座の怪人』がよぎりながら読んでるので、最後の大声の場面で「おっ シャンデリア落とすのかな?」とか思ってしまったw 傷つけねぇって言ってんじゃん。

センターカラー『アンデッドアンラック』140話

 リメンバーをゲトったら記憶を継承して前ループのみんなが事実上復活。このオールスター感はワクワクしますね。何度も引き合いに出して申し訳ないけど、『ドラクエ11』にはこの儀式が足りなかったんだよね。何かしら劇中のロジックがあれば良かったんだけど。MCUのドラマシリーズ『ロキ』だとこの儀式をしっかり済ませてる。歴史改変によって死んだはずのキャラクターが生きてる時間軸が発生するが、本来の歴史の記憶を映像で学習することで人格が統合される。若干「そんなんでいいのかよ!」とも思ったけど、『ドラクエ11』よりは遙かに良い。
 逆に言うと、現ループの人格が上書きされることの違和感はある。だからこそ承諾を得たんだけど、そもそも本作のスタンスが「魂は共通」で、そこに対して「本当にそうか?」と思っちゃう。

『暗号学園のいろは』10話

 パキッテ。初めてパキッテを使ったのでディズニーランドの中の店だったような記憶。サラダのドレッシングかな? で初めて見たとき使い方が分からなくて、指示通りに使ってみたらあまりにキレイに使えるので感動した。食事の際、手が汚れるのが大嫌いなので本当に感動した。ディズニーありがとう!(ちげぇよ)
 失言半減質疑応答。語呂の良いネーミング。脚韻かと思ったら頭韻でもあって面白い。まぁ、「いちいち暗号バトルしなきゃいけないの?」とか少し思ったけど、たぶんもうそれは言っても仕方ないやつ。
 リポグラム。「いろは歌」の文字縛り版かと思ったけど、同じ文字は複数使っていいのね。ややこしい。正直完全に思考停止状態で読んでるので、西尾維新がドヤドヤと楽しそうに遊んでるのを子供のテンションについていけなくなった親のような気持ちで見守ってる(これだとマウント感あってイヤだけど他に例えが思いつかなかった)。すごいのは分かるし、一種のオモシロが発生してるとも思うけど、とにかく急なんだよな。「夕方さん急に何言って何やってんの?」とついていけなくなるというか。
 ただ、最後の “遺憾の意だよ” はかっこよかった。うますぎるというか、元の「いろはのい」のダサさが際立ってしまう悲劇。あそこも失言ゲームになってるのかと一瞬思ったけど、「い」で返すのが主眼なんだからあり得ない話であった。どんだけ思考停止で読んでるんだ……。

『夜桜さんちの大作戦』164話

 夜桜一家が狙われてるらしい。新しいフェイズの問題として面白いが、正直ジジババのくだりはかなり無理があったというか、扱いに困ったんだろうな……。一族が狙われるならジジババも不可避だけど、兄弟姉妹と同等に出すのは考えづらい。ので、最初に「2人は大丈夫」と説明して本題を進める。電話のタイミングが良すぎるので普通に敵に捕まった後にその報告として電話してきたのかと思ったわ。まぁ、そういう線も今後はあり得るのかもしれないが。

『おねがい!流れ星』かみだしゅんいち

 『ヒロアカ』が急遽休載ということで、読切。プラスでは有名な人らしい。たぶん。それが本誌デビュー。
 婆さんを失った少年と落ちてきた流れ星。2人のキャラクターが良くて、2人の掛け合いを見てるだけで十分楽しい。というか、「めっちゃ楽しいけど短い読切だよね? 話全然進んでないけど大丈夫?」とか少し思いながら読んだ。そしたらそれがしっかり大丈夫なオチになったので見事。「そもそも流れ星は必要ない」という話なので、何か特別な行動をする必要はない。そもそも何もなかった、という話。大事なのは目をそらしていたことに向き合うことで、少年はそれを流れ星に催促されることで実現する。「問題などなかった」は普通の作品だとガッカリするオチなんだけど、本作だと主人公が「問題などなかった」と気づくことが成長に繋がる。何もない話なのにしっかり感動的だったでござる……。
 キャラクターが良いとか掛け合いが楽しいってのもあるけど、シンプルに2人が可愛い。キャラ的にも可愛いし、デザイン的にもそう。特に個人的に好きだったのは流れ星の側面に縫い目みたいな線があった点。あのおかあげで妙にチープな存在に感じられて良い。表情も魅力的だったし、コテコテの口調も楽しかった。ショート読切として見事だったのではないでしょうか。

ブラッククローバー』350話

 正気を取り戻したシスターが結構ガチめに後悔してるので驚いた。普通に見てるのがつらくなるレベルで後悔してる。それに対するアスタの返答が期待通りで頼もしい。 “絶対にシスターのせいになんて させません………!!!” というのは前回言ってたこととほぼ同じなんだけど、それだけアスタの行動原理が一貫してるということであり、アスタの行動の矛先がシスターからルシウスへと変わっていることの盛り上がり。
 からの龍斬り宣言でエンド。やっぱワノ国に来ると龍を斬りたくなるものなんですねw 正直『ONE PIECE』のゾロは期待してたほどではない、という印象だったのでこちらが楽しみ。まぁ、話がどうこうというよりは、とにかく痛快、というだけになりそうな気もする。別に物語的にはもう龍はそんな重要じゃないような。
 んで、次号は休み。「どんどん計画的に休んでいこう!」という謎のテンションになるんだけど、『ヒロアカ』は次号も休みなんですよね。思わぬ事故が悲劇である。

『「ブラッククローバー」ミニキャラ4コマ劇場』田代弓也

 お久しぶりです。「その1」らしいので、近々また読めそうですね。次号でもいいのよ?(そんな急に準備できるのかは知らん)
 前にも書いたと思うけど、コンセプトとしては『れっつハイキュー』と同じで、原作のあらすじをなぞりながら、それぞれのイベントがギャグ的に分岐していく。このフォーマットは最強というか、割とマジで現代のスピンオフ業界における発明だと思う。人気作すべてでやってほしいレベル(さすがにストーリー漫画に限るが)。
 田代先生の絵柄の親和性も相変わらず最高だし、本編がクソほどシリアスになったおかげでギャグとの振り幅が増して余計に面白い。オチの内容が割としょうもないというか、シンプルにキャラの勢いだけでぶっ放す感じが『ブラクロ』にはめちゃくちゃ合ってるし、そのしょうもなさがクソシリアスな本編からの癒しにもなる。それでいて、最終章の「これまでのあらすじ」と振り返る機能にもなるんだからマジで最高ですよね。

『大東京鬼嫁伝』21話

 依頼を受けて学校へ。組織からの依頼、という急だがめっちゃ便利な設定。大物ではないが、パワー系の雑魚と、しんみり良い話になる展開とかなかなか好きですよ。若干ジャンプのテンプレというか、メソッドに従ったような話ではあるが、逆に本作らしさも色濃く出たと思う。出オチみたいなもののけに対する愛火ののっけから全力で行く感じとかすごい好き。
 そして、一話の中に長めにエピローグを入れてくるのも本作らしいというか、結構独特だと思う。学校で「高校生の普通」というものを意識させられてからの、という次への流れも的確。驚きのラストではあるが、愛火はそれほど驚いてなさそうで、というのも味わい深い。

『パセリ農家が最強なら、つまり最高の野菜はパセリ』たけぐし一本 みたらし三大

 読切。久々のジャンプショートフロンティア。『アメノフル』コンビ再びですね。「また食べ物かよ!」と笑ってしまった。
 本編。この作者でこのタイトルだったら……という内容そのものなんですが、やっぱ好きだなぁ。超能力バトルみたいな方向には行かず、ひたすら野菜ロジックのみに徹底したのも今回のショート読切においては効果的だったと思う。絵だけ見たら普通のバトルなんだけど、セリフの内容が「何言ってんの?」。野菜情報の密度が異常で、それ以外がマジでほとんどない。この異様な偏りが成立するのはショート読切だからこそですね。それと同時に、このまま延々と「じゃああの野菜は?」と続きが見たくなるし、妄想もしたくなってくる。
 ただ、むやみやたらに野菜をぶつければいいってわけでもないのが本作の良いところで、ジャガイモとの「付け合わせ対決」の構図とかマジで笑ったし、「たしかにポテトは食べるな……」と納得しかけてしまったw
 てか、冷静に考えて、野菜最強ってトマトじゃないですか。疑いの余地がないレベルだと思う。消費量と用途のバリエーション考えなさいよ。となると、このトーナメントの決勝戦の相手はトマトで決まりだな……とか考えちゃってる時点で負けですわ。

『PPPPPP』67話

 ギャグにも思えたドンの主張だけど、冷静に考えれば至極全うで、なぜアナリーゼをするかを考えると……考えすぎるとドンに行き着く。それに対する解答も良い。完璧ではないが、それにこだわって楽譜が繋いできた歴史を途絶えさせていいのか。そう考えると “よくないぞ” になるのは当然。だが、良い演奏のためにはアナリーゼが必要で……とエンドレスループに入ってしまいそうで怖いなw
 現状、「だから何なの」的な感じもあるが、ドンにはすっかり魅了されてしまったな。作曲家ではなく演奏者としての芸術家の持つオタク性にフォーカスしててとても良かった。めっちゃ身近に感じられるし、楽譜に埋もれて寝そべるショットも良い。

『高校生家族』120話

 洲崎くんカムバック。前回「家に行こう」となった時点で話としては終わってるというか、別に何事もなくスムーズに解決するんだけど、その中にしっかり部活から逃げた罪悪感がある。『ハイキュー』でいうところのエアコンが本作だとコタツとミカン。
 そして、普通に良い話なんだけど、どうしたって「大人だよね……?」という視点が入ってくるから強い。初対面の人が出てくる度に間違いなく面白くなるからずるいわ。 “家族には説明しましたから… そのへんのビジネスホテルにでも泊まります” とか大人すぎて笑った。大人のリアルというのがすげぇ生々しいw

『ギンカとリューナ』20話

 カチコミからの即捕獲(される)。何が起きてるのか分からないくらい怒濤の勢いなので笑ったんだけど、しばらくすると大人(親)同士がそれぞれの子供を戦わせる話に落ち着くのでめっちゃ本作らしい。「うちの子をナメてもらっちゃ困りますよ」的なやりとりは鉄板ですな。
 そんな子供たち。花畑を介して善人と悪人を明確に区分する話とかストレートすぎるんだけど、そういう愚直なところが好きだぜ。『イチゴーキ』のフラワーでもちょっと似た感じのありましたね。本作だとそこに本当の実力者は目の前の花を愛でる、というロジックが入ってくるのが見事。2人が意気投合するし、そこに花を育てたジーサンも絡んできて善人性がさらにマシマシ。ジーサンの話を聞いたリューナの “すごい…! 頑張って育てたんだね” とか真っ直ぐすぎて無みたいなセリフなんだけど、それが逆に本作らしいというか、リューナの良さだと思う。その素直さが徐々にロックに伝播していくのも感動的だし、そこからお約束のように花畑を踏みにじる悪役が出てくる。しかも姉弟(たぶん)。親子モチーフがそのまんますぎる。
 ただ、本当にお恥ずかしいのですが、 “どうしよう 嫌いなんだよ俺 くせえ汁つくからよお” というセリフには正直ちょっとだけ共感してしまった……。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 2/9は副業の日、ということでジャンプ作品の中のバイト特集。面白い。たしかにたくさん出てきてバリエーションがありますね。
 ラブコメ主人公はバイトしがち、というのも良い。貧乏になりがち問題とも関わってくるし、そもそもラブコメ作品は日常要素が多めになるので、そういう兼ね合いもありそう。そういう意味では『大東京鬼嫁伝』はかなりストレートにその系譜を継いでるんだけど、意外とバイトは最初だけでしたね。
 特殊なバイトという意味では『SAKAMOTO』の試験官。たしかにあれはバイトだな。直接面接とかするとなるともっと直接的なプロが関わってくるけど、ただの試験官だとバイトだ。まぁ、京はプロか。
 令和のバイト王として『ウィッチウォッチ』カンシが出てきたけど、『ゆらぎ荘』コガラシだって負けてないぞ、と謎の対抗心。どっちもいろんなシチュエーションをぶっ込めて便利だから、という大人の思惑がちらつく。

目次

NOPEはもぐもぐタイムが良い感じなんで名作。ホルストおじさん幸せそう
(『夜桜さんちの大作戦』)

 「権平先生ホルスト好きそう!!」と感動してしまった。この何とも説明しがたい納得は何なのだろう……。

愛読者アンケート

 現在放送中のジャンプ作品のアニメ。『ヒロアカ』だけ観てる。「一気に最終章突入しちゃうんだー」と驚いた。
 縦スクロール漫画。ほぼ読まない。読んだことないとは言わないが、という感じ。

総括

 今週中にもう一つ終わらせたい……が、自信はないです。

 今号のベスト作品。『パセリ農家』だわ。超良かった。好き。
 次点は『流れ星』と『ミニキャラ4コマ』。連載作だと『呪術』だろうか。
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