北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年15号の感想

 映画『シング・フォー・ミー、ライル』を観たのですが、エンドクレジットに『ヒロアカ』と堀越先生の名前が載ってたので、おそらく劇中に『ヒロアカ』グッズが出てきたのだと思います。見つけられなかったけど、たぶん主人公(子供)が『ヒロアカ』ファンで自室にグッズがある、とかそんなん。これから観る予定のある人は是非探してみてください。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。千夏パイセン。最近このコーナーと合致するために表紙作品決めてるんじゃないかという疑惑が出てきた。

表紙

 そんな『アオのハコ』。覚えてないけど、本作におけるものすごい基礎的なビジュアルの再演な気がする。

読者プレゼント

 アカデミー賞。そうか、そのタイミングか。ちょうど月曜で当日だったのかな。
 気になるのは写真の男性。嘘臭いヒゲがあるんだけど、わざわざヒゲを持ってきたということは特定の誰かをイメージしてるってことなんだと思う。が、「アカデミー賞といえば!」な人っていなくない? 誰よ。ヒゲの形も特徴的で無意味なはずないんだよなぁ。くそぅ、読み取れないのが悔しい。
 あと、各グッズのアオリはせっかくならオスカーの候補作品にちなんでくれたらいいのに……と無い物ねだり。今年は『トップガン』とか『アバター』とかおもくそ売れた作品も作品賞ノミネートされてたりするから比較的やりやすいとは思うんですよね。

巻頭カラー『アオのハコ』92話

 巻頭カラーの見開き、超良い……。普通の集合絵かと思ったらひっそりとかつてのユメカがいるのとか最高。ほとんど心霊写真とかそういう映り込み方なんだけど、現在の本編的にユメカをここに入れるならこの方法しかない、という見事すぎるアイディア。あとは、いろんなキャラがカラーで初登場になってそういう意味でも見応えあったと思う。
 本編。前回、巻頭でユメカ主人公回とか最高かよ~、とか思ったんですが、全然違ったw そこらへんもうまいことやってきましたね。ユメカ視点で走るのが一番熱いと思ったけど、それ以外でも全然面白かったわ。
 前回、大喜が松岡パイセンに勝てたのが謎だが、今はユメカにフォーカスする方が正解だと思う、とか書いたけど、これまた的外れ。言い訳がましいことを言うと、「なんで松岡に勝てたの?」という着目点は非常に良かった。良かったけど、そこから先がてんでダメw
 ということで松岡パイセン。ユメカの話を聞く。そう来たか! そりゃそうだよな。彼も知ってたんだから。彼は彼で「首突っ込むの良くないんじゃない?」と正論を言ってるのも良かった。つらいのは分かるけど、部外者にできることはない、という結論も不誠実とは言えない。千夏ではなくユメカについての話だったらこんなにも建設的なコミュニケーションになるのか……という驚きもあった。ユメカのことに首を突っ込む大喜に心打たれてしまった、という学校の先輩ではなく千夏たちの問題を見守ってきた先輩としての共鳴がエモい。ここまで一気に松岡パイセンの印象が変わるとは我ながらチョロいな……。
 からの千夏シークエンス。やっぱ巻頭回だから千夏は不可欠、という判断もあったのだろうか。正直なところとしては「今は千夏は出てこなくていいんだよ!」という気持ちが最初はあったが、読んでみりゃそりゃちゃんと面白いのであった。大喜と千夏の交流でドキドキする要素もあるんだけど、「お返し」というトピックが出てくることで、今現在大喜がやろうとしてるお節介を想起させられるというか、「お返ししきれないことが起きるかもしれない」というワクワク。そこに “大喜くんがつらい時は” となったのも良いですね。今は千夏がつらい時ですので。まぁ、個人的には「一番つらいのはユメカだよ!」みたいな気持ちもあるw

 特別企画。まずはキャラクター人気投票。千夏と雛のトップ争いだろうが、今の本編的に雛は相当不利だよな。熱烈な雛ラーがどこまでいるかによる。ただ、さすがに主人公の大喜にも頑張ってもらわないと……という気持ちもあるので、そこも気になる。トップ3には入ってほしいが、普通に難しい気もしてきたw
 個人的に好きなキャラとしてはユメカなんですが、ついこないだまでは菖蒲に夢中になってたのでいい加減なもんである。てか、本作の大型新キャラが2連続で特大ホームランというチョロさ。単純に本作が面白すぎるのだな。
 んで、もう一つの企画が、ツイッターもしくは応募フォームでの青春エピソード募集。「ラジオでもやるの?」という感じの募集内容であった。ツイッターへの投稿を促してネット上での本作を盛り上げてもらう意図は分かるんだけど、それとは別に応募フォームもあるので、何か活用するのでしょうね。さっぱり分からん。
 ちょっと面白かったのは、甘酸っぱいエピソードを募集しているようで、お題の3つすべてにおいて、投稿者の実体験じゃなくてもいい、という抜け道が用意されてる点。「本作みたいな青春なんてねぇよ!」という読者にも優しい配慮である。キラキラしたものが見たいくせに、向こうが同じ立場で話を聞いてきてくれたら勝手に疎外感抱いちゃうのはどこのどいつだい?(にしおかすみこ構文)

『僕とロボコ』128話

 tiktokを中心としたsnsもしくは動画サイト。マジでそういう界隈に興味がないので、『ロボコ』で描かれるギャグを見て、面白いと感じると同時に「こういう感じになってるのか……」と勉強みたいな感覚が発生してしまって良くない。良くないとは言うが、だからと言って興味が湧くわけでもないので現状維持。
 ラストの完成動画。漫画とは本来画角が自由に変化するから可能性が広がるメディアであるはずなのに、横長の画角を意識させる作りになってて面白い。横長だからたぶんtiktokではないと思うんだけど、どういうことになってるのだろうか。興味はないので検索はしない。

ONE PIECE』1077話

 オハラの話をしてたら突然「豆知識」とかいうコーナー始まってて笑った。尾田っちが超長期連載の弊害を気にしているw 正直「無駄だぞ」としか思わないんだけど、気にして歩み寄ってるという姿勢を示すことに意味があるのかもしれない。
 セラフィムはキングの種族の血由来の存在。ゾロが “もっと早く気づくべきだったな!!!” とツッコまれてて楽しい場面だけど、このツッコミは読者にも向けられてるよな……。私とか普通に気づいてなかったので恥ずかしくなってしまったw
 ナミも戦うが、 “かわいくない!! 子供じゃない!!” と自分に言い聞かせてるのがナミらしくて良い。実際はめちゃくちゃ可愛いです。抱きしめたい。からのサンジの “死刑執行だ” のギャップが最高でしたね。これまたサンジらしい。
 ハンコック。何気に最強キャラかもしれん。ルフィ以外全員に有効だろ、たぶん。子供になったことで攻略可能キャラが増えたとも言える。ナミとか瞬殺でしょw
 あと、バブル。海のエネルギーらしい。初期の頃から「海楼石で武器作れよ」とか思ってたので、世界最高の頭脳がちゃんとその路線のものを作っててくれて嬉しい。

『ウィッチウォッチ』100話

 「うろんミラージュ」の171話らしい。タイトルロゴもそれっぽいの用意されててすごいな……ってこれは以前からあったのを私が忘れてるだけかもな。
 本編。こそあど連発とか、煙に巻く表現のボキャブラリーが異常なのですごい。
 バトル漫画あるあるとか、「それっぽい」表現の精度とか、相変わらず絶品で篠原先生の真骨頂だと思うけど、敵幹部登場のくだりはちょっとモイちゃんのマジな本編で似た話やってるので、若干インパクトは弱まった。あのときも思ったけど、篠原先生の描く「それっぽい」はかなり『BLEACH』路線だよね。『BLEACH』の偉大さを知る。
 知らない作品を途中から読む、という企画。テレビでやってる続編映画の1作目を知らないけど、チャンネル回してたら目に留まって気づいたら見入っちゃった、みたいな感覚と近いだろうか。そう考えると案外普通というか、別に問題なく楽しめると思うので、やはりそれよりも「うろミラ」という作品の曖昧模糊地獄が重要って話になりますね。

『呪術廻戦』216話

 スクナのお風呂。しずかちゃん的な意味のお風呂かと思ったら全然違った。「キャー! 恵さんのエッチ!!」ではなかった。最近『ドラえもん』の映画観まくってることの弊害。急に『トリコ』みたいな話になってるのでびっくりしました。
 んで、次のスクナの狙いは姉黒。姉黒を殺して自分の中の伏黒を落ち込ませる。それだけじゃないのは分かるが、意外と理由がしょぼい(そこが良い)。てか、姉弟揃って体乗っ取られてるって可哀想だなw
 からのリーゼントキャノン。ここで乙骨といい戦い(いろいろ条件はあったが)をした人を持ってきたのがニクい。瞬殺ではあるが、スクナ的に「意外とやるじゃん」でもあって、という強さのバランスが絶妙。現状味方陣営で最も頼りになる(シンプルな強さ基準)のは乙骨だと思うけど、乙骨との強さの関係性を間接的に少しだけ示す。

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』110話

 カラー3ページで人気投票の結果。シン優勝であった。意外。坂本か南雲だと思ってた。しかも坂本めっちゃ低くて、5位。トップ層に入るにはビジュアルが良いのが前提、という感じなのだろうか。ただ、単にビジュアルだけで考えたら四ツ村と葵さんがツートップにならないとおかしいので、現実とは複雑なものである。不思議だ。
 女性キャラのトップはオオサギ。晶ちゃんかと思ったら違うのか。これまた意外だ。悪役のトップは楽。スラーよりも取っつきやすい魅力がある、というのなら分かる。活躍も多いし。

 本編。ORDERの足速マン。味方陣営がいろいろなロジックでその速さに対応していく。その攻防が楽しい。様々なバトルスタイルがあって見応えあるが、理屈の部分も楽しい。逆に、有月に関しては、アクション的な見応えはゼロのままで、彼の強さの理屈が少しだけ垣間見える。この小出しっぷりは良かったなぁ。不気味さと秘めたる強キャラ感が魅力的。
 あまりにフラッと現れたので一般人と誤解され、自爆。勝手に腰をやってしまう。残念ではあるが、「本気対本気」の勝負を制したわけではない、という出し惜しみは今後のワクワク要素でもあるか。変則的ではあるが、みんなが協力して勝てた、という雰囲気にもなってるし。

『あかね噺』53話

 カイセイとの実力差を思い知ったが、そんなカイセイからお誘い。四人会の最後の一枠。めちゃくちゃ分かりやすい話になったな。少年漫画用の租借も感じるが、こういう「この並びにコイツが入るの!?」というのはたしかに落語の世界でもありそう(どの世界でもありそう)な話とも思える。案外リアリティあるのかもしれないな。絶妙。
 最後の一枠は夏の大会の優勝者。分かりやすい。ミッションがめちゃくちゃ分かりやすいぞ……。個人的には一剣師匠がその両大会に関わってくるのが嬉しい。審査と企画。審査し、優勝者をスカウトする形。一剣師匠ファンとしては二重に楽しみな展開である。

『一ノ瀬家の大罪』16話

 ループ2千周とか言い出すので笑った。「あれが初回とは限らんぞ」とかは考えてたけど、数字のデカさが極端。まぁ、SF的な飛躍があると確定したから、2千回でも大丈夫、ということなのでしょう。普通の記憶喪失でやり直してたら2千回やるうちに年取っちゃうw
 からのじいちゃん、めっちゃ教えてくれる。出し惜しみしない感じは良いね。そして、前ループが決定的に事態が変わった回だったらしく、それはもう初回でいいんじゃないかな、って思えてくる。意外と複雑すぎない。
 ただ、最高だったのはラストの翼。妹の件でも「とりあえず全部話す」だったけど、基本的に彼はそういう行動取りがちってことなのね。正直SFに振り切らないでいてくれた方が好みだったと思うけど、この翼の複雑にしすぎない姿勢はめちゃくちゃ良い。

センターカラー『門守姉弟の日常』町田麗弥

 読切。名前で思い出した、金未来杯でバイクの漫画やってた人だ。あれ好きだったんだよなぁ。普通に優勝すると思ったらしないので驚いた。
 本編。今度は心霊か~、と思ったらチャリが出てくるので笑う。バイクよりは作画カロリーが少なそうw
 タイトルと扉から何となく伝わってきたけど、おねショタみがすごい。こんな人だったのか……と驚く。特に弟くんの方への情念を感じる。そういう人だったのか……(勝手すぎる)。
 あの枠の太いメガネが可愛かったので、クライマックスの本気バトルでは外れて普通にかっこよくなってしまうのが残念ではあるんだけど、脱着によるオンオフ演出としては定番だし、何より回想に入る際、メガネがブリッジになってるのが超良かった。フェティッシュである。さらには回想の中での小さい弟くんだとデカいメガネの存在感がより強調されてて素晴らしいものがある。
 あのジャージの着こなしも可愛いポイントだったと思うので、上着が脱げることでかっこいいバトルモードへ移行する、という見た目的な変化も見事でした。特別な変身をするわけじゃないんだけど……という良さ。
 からのバトル。「触れるだけ」という設定に忠実に、物理攻撃のみに限定してるのも良かった。まぁ、人間離れした運動能力を発揮してるんだけど、絵的に楽しいので個人的には全然アリ。攻防のロジックとかはないんだけど、とにかく絵の気持ちよさに特化してた印象。敵も味方も跳躍が印象的で、トドメがまさかのライダーキックなのも好き。映画よりアクション描写がしっかりしてたよ。
 敵の方も細かい能力とかの理屈はさておき、見た目の気持ち悪さと運動のみで完結したのも良い。徹底してる。その中でも化け物としてできること、できないことの説明がアクションの中に組み込まれてて、それがラストに向けて集約していく。槍を髪で受け止める描写もかっこよかったですね。あそこ好き。
 エピローグ。ヒーローが感謝される話なんですが、客が増えてボロ儲け、というシビアな現実が突きつけられるので笑った。まぁ、たしかに守る対象が増えると手間なので料金がかさむのは仕方ないけどw

『アンデッドアンラック』150話

 クリードがめちゃくちゃ喋る。説明的やら象徴的なセリフを吐きまくるのでちょっと笑う。「減らすため」のくだりとか言いたいのは分かるけど、流れ的に不自然だと思う。
 戦争の原因がディスクだから、それを奪っちゃえば戦争をする理由がなくなる。ってそんなわけあるかい。もっと激化もしくは複雑化するだけだよ。まぁ、この場面は風子が意図的に詭弁を垂れてる可能性もあるな。
 ビリーの方法は神も否定できない、ってのも勝手な線引きな気がするんだよなぁ。テラーに伝える意思がハッキリとある以上は不通の対象になりそうなイメージなんだけど。アンディに対する不治攻撃が「それは治療行為に当たる」とか勝手に言ってきて「知らんがな」となったのと似てる。基本的に本作はそう。理屈っぽく整えようとするので、細かいところでしれっと強引に突き進むので引っかかることがある。まぁ、その緩急が魅力という見方も分かります。
 ゴム弾。ゴム弾ってよく聞くけど、ゴム弾を撃つにはゴム弾用の銃が必要だと思ってたんだけど、違うのかしら。現実の銃事情の知識が足りない。まぁ、困ったら「超科学で大丈夫なゴム弾を用意しました」とか言えば済む話なんだけど。

『悪魔の契約書に不備があるので再提出してください』渡部開

 読切。17ページ。「また誰かが体調不良か……」と不穏さが漂いますね。本作の直後に『ヒロアカ』休載のおしらせがありました。先に言えばいいと思うんだけど、代原感が露骨すぎると作品に失礼、みたいな配慮が働いたのかしら。
 本編。タイトルの通りですが、悪魔と契約するも不備があってやり直す話。主人公がかなりノリノリの中二病で、そのことにツッコミは入らず、まるっとフリになってるのが良い。あそこまで満喫してる主人公のことがちょっと可愛く思えてくるというか。
 失敗からの繰り返し。型ができて、事態がちょっとずつ変化したり進歩したり(気のせいw)。短い読切ではあるものの、かなりボリューム感がある。最終的に「成長」という着地に至る点も含め、結構すごいショート読切だったのではないかと思います。最後のアレに関しては、余命が30日でバッドエンドというのも考えたけど、1ページ目のプラン名ギャグを踏まえると誤解の余地はないですね。
 寿命使ってスカートめくるのとかしょうもないというか、『魔界大冒険』オマージュですね。今ちょうど連日わさドラの映画観てるのでめちゃくちゃタイムリーであった。『新魔界大冒険』は傑作ですよ。寺本監督帰ってきてくれーっ!
 あとは、ヤンキーにボコられてる際の主人公の悲鳴の中にゴアマガラが隠されてて一狩り行きたくなったんですが、これは偶然ということでいいのだろうか。自信がない。
 ギャグとしては、マイナンバーのくだりが超良かった。悪魔という特殊設定の話をしてたのに、急に現実の世界に要因があったとなるのが予想外で、それでいて「ありがちかもな……」と妙に説得力あるのが好き。
 ラストの良い話オチも良かったというか、特に物語要素のない作品だと思ってたので、しっかり落ちたことに感心してしまった。シンプルに良い読切でしたね。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』169話

 百ビデオレター終わり。からの太陽への私信もビデオレター。怒濤の修行ラッシュだが、太陽には何も課せられない、というのが意外だった。まぁ、百が太陽のこと熟知してたら「なんでやねん」となるので、これはよく考えたら自然なことだったのか。単なるお礼として太陽が欲しかった情報が提供される。直接強くなるものではないが、おそらくこれで得た決意というものが今後重要になってくるのでしょうね。あと、太陽は各兄弟姉妹の修行に付き合う形になるのではないか。
 んで、他の6人には修行メニュー(たぶん)。長男が何かを5年だったので、修行回を挟んで終わり、という感じではなさそうですね。もうちょっと地道に継続するタイプの何か。意外だったが、珍しいタイプの修行として面白そう。

『逃げ上手の若君』101話

 イケショタ登場。これはすぐにでも活躍するポジションにつくらしい。松井作品、2作連続でショタ主人公の方向性が同じだったので、違うタイプの美少年が出てきて驚いた。松井先生の球種にそんなのがあったのか。しっかり幼さが残ってるのとか良かったし、今まで同系統が出てこなかったのが意外というか、もったいないと感じてしまう。
 鎌倉のスピード奪還は思わぬ形で尊氏にダメージを与えていた、という余波も面白かった。追い込まれるほどではないけど、尊氏の弱みみたいなものが少しでも出る場面は今までになかったんじゃないかしら。鎌倉奪還の事態の大きさを最も感じられるイベントが(おそらく)最後に出てきたのが見事でしたね。良いエピローグであり、次章へのブリッジ。

『マッシュル-MASHLE-』147話

 メガネのツンデレ。展開としてはかなり定番のやつなんですが、そこに「合理的」というキーワードを引っ張ってきたのが良い。今の子たちと、回想の中の相棒まで出てきて、一つの展開、ワンアイディアのために本話丸ごと費やしたような印象。話としては最初の数ページを読んだ時点で何となく分かるんだけど、その味わいを深めるためにひたすら丁寧に掘り下げていくような流れが面白かった。
 あとはやっぱ、メガネを外すのではなく、かけ直す、という所作が素晴らしかったですね。他にも本話におけるキメシーンではほぼ必ずメガネを触るような仕草をしていて、それが「合理的」というテーマと関わったり、心を隠すツンデレと関わったり、とひたすらにメガネがおいしい。

『人造人間100』13話

 前回の感想ともかぶるけど、100が苦戦する理由がしっかり描かれてて良かった。治癒力を前提とした荒唐無稽なバトルスタイルというのも良いね。
 んで、あしびの一計。発想としてはめちゃくちゃシンプルなんだけど、 “痛みというのは より強い痛みによって打ち消されると聞いたことがある” という導入が素晴らしかった。なぜあしびがアレをできるのか、という理屈であり、なぜあしびが強いのか、という話でもある。
 すんごいどうでもいいけど、「味あわせる」ではなく「味わわせる」だよ。昔ドラクエのゲームで中川翔子が「味わわせる」というセリフを言ったら、アンチの人から「味わわせるって何だよw」と文句言われてて理不尽だった。ちなみに、そのゲームは既にサ終。

『イチゴーキ!操縦中』14話

 ミサオが学校に受け入れられ、弟子志願者まで出てくる。本作の美形キャラ、バリエーションが豊富でマジで謎だな。その資質は何なの。そして本作で急に発揮してくるやん。
 ミサオがイケメンに懐かれてイチゴーキ複雑……みたいな要素が1ミリもないので逆に驚いた。絶対にそういうの来る流れだったじゃん。
 悪役オチはちょっと陳腐かと思ったけど、「また許しちゃうね」で受け入れる結論になるので驚く。このまま仲良しイツメンみたいな感じで日常回に出てきたら面白そうだなw

『暗号学園のいろは』15話

 いかん。さっぱり分からん。マダミス初心者に対する配慮が皆無であった。そこに本作の作り込んだ設定を一斉に開示するスタイルが相まって読む気が起きん。頑張って読んだところで分からんw 普段は受け入れてる本作のスタイルに対して「情報(開示)の整理に工夫をこらさないのは手抜きなんじゃないのか」とか逆ギレかましたくもなってくる。その一斉羅列が独特の味を生んでるからいいんだろうけど。
 個人的は前半にあったミステリ談義のくだりが一番面白かった。ミステリ全然知らないけど、面白そうな世界が広がってんなぁ、と興味をそそられた。ミステリは日本で独自進化してるというか、ミステリ用語(翻訳含む)がガラパゴス化しててめちゃくちゃややこしいイメージがあるんだけど、それを乗り越える価値があるのでしょうね。そもそも「ミステリー」じゃないのかよ、と言いたくなるところからスタート。

『大東京鬼嫁伝』26話

  “私が法律よ” なのは分かるけど、だからといって言ってることがコロコロ変わるのは漫画として困る部分がある。密通の件を “知らないわよそんなの” で一蹴されるのとか虚しいものがある。まぁ、密通の有無とかたしかにどうでもいいことではあるんだけど。
 「私が法律」という強キャラ感はたしかに感じるけど、言い分がその場その場のノリで決めてる感があるというか、判決(明らかに裁判風の話だったので)に何の基準もなさそうなんだよな。ハッタリでも何かしらのロジックがあると嬉しいのだが。最後の進太殿に課した対価も、目か指がハッキリしてほしい。どうせそもそもその場の思いつきで決めてるのに、無駄に2択があるといろいろブレる。まぁ、ここらへんは私が知らないだけで、現実の伝承にこういう話がある、とかそういう余地もあるけどね。そらなら仕方ない。あと、次話以降でこの理不尽に思えた2択を利用したオモシロ展開が用意されてる可能性もなくはない。ないと思うというか、さっぱり見当もつかないけど。

『ギンカとリューナ』25話

 おおっ、ちゃんとリューナの話に戻った。これは嬉しい。「娘のために命張れるパパかっこいい」的なギンカ視点に偏りすぎると問題があると思っていたところだ。ありがたい。
 からのリューナ、覚醒のための回想。本作は生理的な嫌悪感を誘う絵を持ってくるのがうまいけど、リューナが指をこめかみに当ててる絵がこれまた良かった。この時点では事情がさっぱり分からないけど、「それだけはダメだ!」と何となくの印象がしっかり伝わる。どう見ても自殺のポーズだからね。
 んで、回想もしくは精神世界。そこで初回でお馴染みの子供時代のリューナ登場。こないだの週ちゃんで出てきて「あれ可愛かったのにすぐ出なくなって驚きだよね」みたいなこと書いたと思うけど、まさか本編にすぐ再登場するとはw
 記憶を代償に強い魔力を得る。この理屈は面白いな。この手の漫画でよくある後出し設定を後出し回想で語る手法に対する説明になってる。メタ的な都合も感じてしまうが、たしかに筋は通る。もちろんそれ言い出したら何でもアリになっちゃうんだけど、よくある回想からの覚醒エピソードの理屈付けとしてかなり新鮮で良かったよ。
 読んでる最中は「いや普通に記憶なくすのはダメでしょ」とめちゃくちゃ暗い気持ちになってたんだけど、ラストの見開きが素晴らしい。リューナの躍動感があって、何より楽しそうな姿が本話の印象を最後の最後に一気に裏返す。この決め絵の気持ちよさは本作の強みだと前から思っていたけど、直前までの暗い気持ちを吹き飛ばす豪腕として機能するとは思わなかったw めっちゃ暗い話なのに絵は気持ちよくて否が応でも楽しい印象になってしまう。まぁ、「楽しくなりづらいよ」という読者もいそうな話ではあるが、個人的には重層的でかなり面白いと思います。あまりの取り返しのつかなさに、今後のリューナのキャラクター表現が大丈夫なのか心配になるんですが、あの暗い話と楽しい絵のギャップはすごい好き。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 3/16は十六団子の日ということで、ジャンプ作品に出てくる団子特集。
 団子の出てくる作品がめちゃくちゃ充実してるので驚いた。別に団子って「日本の食べ物といえば!」って感じではないじゃないですか。それなのにこんなにも出てくる。物語の中に出す食べ物として便利という事情があったりするのかな。思えば和風ファンタジーである『モンハンライズ』で食べるのも団子で、一部からは「もっとちゃんとしたもの食べさせろ」とか言われがちなんですが、今回の特集を見ると「今回は団子で行こう」となった判断はそれなりに鋭かったんじゃないかと思えてくる。

愛読者アンケート

 大きい方の読切についてと、テレビについて。最初の質問が「自宅にテレビがありますか?」なのが良いね。おじさんおばさんがざわめいちゃう質問だw 続くのは「テレビでWEB番組や動画を視聴しますか?」。最近はこっちの役割も大きくなってるらしい、とは聞いております。私はパソがメインだし、「テレビにパソ繋げばいいじゃん」とか思うんだけど、リビングで、大きいテレビを遠くから操作して、という環境が心地いいというのも想像に難くない。
 最後は本棚について。これも良いな。最近の子の本棚事情めっちゃ気になる。親の方から「かさばるから漫画は電子にしてくれ」とか要望される家庭もありそう。その場合は「じゃあiPad買ってくれよ!」とかそういう交渉に発展するのかなw

総括

 まるっと1週間かかってしまった。それじゃ一生最新号に追いつかないのよ。勘弁してくれ。

 今号のベスト作品。読切ですね。大きい方。予想外の方向にフェティッシュなので驚いた。
 次点はもう一つの読切と、『呪術』。リーゼント登場がとても良かった。あとは『ギンカとリューナ』かな。覚醒エピソードにおける記憶の扱いがずるくもあり、面白かった。
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