北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年13号の感想

 映画『ハイキュー』は観ましたか?(しつこい)

表紙

 『ONE PIECE』。ギア5のイラストが本編外のイラストに使われるようになったタイミングの歴史、とか気になった。アニメ化された時点でもうどこでもok、みたいな線引きはありそう。

巻頭解放区!WEEKLY週ちゃん

 フルカラーでの特別企画。まさかの炭焼き特集だ。記念日要素も特にナシ(『鬼滅』のアニメがもうすぐというくらい)、記念日カレンダーもナシという変なテコ入れが入ったんじゃないかと心配になってしまう。まぁ、違うと思うけど。
 村越編集のグラビアもあるがイーピャオはナシ。イーピャオだけなら分かるが、逆ってあるのか。カメラを構えてるのがイーピャオという可能性はある。
 そして、来週へ続く。来週は巻末なので燃える炭の美しさを確認できるのは今週だけです。見ておこう。

読者プレゼント

 アラビアンナイト。「当せんや! ピカイチや!」で千夜一夜のダジャレにしてるのはいいんですが、ダジャレ部分を強調するべきなのに「せんや」と「イチ」のみ強調されてる。普通にミスでは。
 あと、ちょくちょくあるギフトカードの値段がいつもより高くて1万円の回。ゲームソフトとか同じ5名分なんですが、絶対ギフトカードの方がいい。まぁ、抽選確率とかは知らん。

巻頭カラー『ONE PIECE』1108話

 カリブーの持つ秘密は古代兵器の情報。そういや3つ中2つも知ってるってたしかにすごいことだな。このことをカリブーが知ってることを読者は知ってたわけだけど、その重大さにまったく気づいてなかった。まぁ、今更古代兵器を重宝する話になるのかは知らん。知らんというか、正直そこまで興味が湧かないので軽めの扱いで終わっても全然いい。
 駆けつけた巨人たち、律儀に情報共有してるのが良い。正直めんどくさいが、端的に状況とミッションを伝えて、笑顔で承諾してくれる。良い場面。
 ベガパンク死にそうだが、とりあえず逃走。当然ベガパンクのことを第一目標のように狙ってくるが、ルフィが独りで止める。めちゃくちゃかっこいい。年に一回くらい定期的に訪れるルフィの圧倒的主人公性に震える回だ。ニカの状態でもルフィらしいかっこよさに溢れてるので、そういう意味でも良かった。あと、黄猿のやる気がないのか知らんが為す術なしみたいな様子も好き。力量とは別にやる気なさそうなのが良い。こんなにも苦労人としての魅力が輝くとは思わなかったよ。

『ウィッチウォッチ』145話

 カンシとケイゴの漫才。漫才そのものではなくM-1(的なの)への挑戦を密着したドキュメンタリー。ああ~、現在のお笑い業界(プレイヤーもファンもまとめて)における「客を爆笑させたい」とか「センスある人として一目置かれたい」みたいな憧れとは別に「エモいドキュメンタリー作ってほしい」というのはマジありそう。M-1とかの競技性が増したことの影響なんですかね。お笑い最前線にそれほど興味がない状態だと「なんかキモいことやってんな」くらいの印象なんですが、今回のはそのキモさから目をそらさないのですごい。今のお笑い観に対する批評性すら感じる。
 お笑い詳しくないから分からんのだけど、M-1の2回戦突破ってどのくらいすごくて、どのくらいリアリティあることなのだろうか。ただの高校生がやったら「マジすごいじゃん」って周囲から軽くチヤホヤされる感じだろうか。たぶんそれでベテラン漫才師に声かけられたんだと思うし。
 お笑いワナビーにおける「落ちる」瞬間。そもそもドキュメンタリーも似たようなもんだと思うんですが、ベテランの阿吽の呼吸憧れ。これも見事だったなぁ。憧れる気持ちは分かるけども、っていう。 “あいよ” のその世界にいたら超かっこいいんだろうけど、漫画として見せられたら滑稽でしかないセリフも素晴らしい。共感性羞恥の話だと思うが、同時にこういう素直な憧れの気持ちも大事なんじゃないかな……って達観した気持ちにすらなった。
 ネタの確認ミスによるすれ違い。このすれ違い込みでネタにしたらひょっとしたら面白くなるかもしれませんね(ってそれが本作なのだが)。まぁ、漫才じゃなくてコントか。

僕のヒーローアカデミア』415話

 交錯する記憶を背景に戦うデク。この背景と現実で戦うデクの境がない感じ、すげぇかっこよかった。アニメとか映像メディアで映えそうなアイディアだと思うんですが、それがちゃんと漫画としてハマってるのですごい。正直言うと、ちょっとデクたちの動きが分かりにくいんだけど、今週は分かりにくさ込みの魅力だと思う。
 切り札っぽい登場のエリチャン。デクがエリちゃん背負えばそりゃOFAフルで使いまくれてそりゃ強いんだろうけど、あれは一度限りの反則技みたいなところがあったので、安易に再現するとも思えないかな。どうだろ。
 それはさておき、駆け出すただの幼女を止められないプロヒーローってどうなの(モンスターペアレンツ的感想)。

『アオのハコ』138話

 花恋の 恋人の日もあるのかしら” 。めっちゃ良い。今の本作の魅力を端的に示したセリフだと思う。
 針生パイセンとぶつかるわけだが、花恋からしたら大喜を応援できない。ものすごく深刻ぶった会話だが、正直「勝手にしなさいよ」くらいの冷めた気持ち。身も蓋もないことを言うと応援って所詮は応援というか、結局勝敗を左右するのはプレイヤーなので、あそこまで強烈な当事者意識を持った応援者に対してちょっと引いちゃう。これは私の応援観のせいなんだろうな。
 んで、針生戦開始。試合外のドラマは超丁寧に描いて盛り上げるけど、いざ試合が始まると「うちは本格スポーツ漫画ではないんで」といういつもの一線を守るので面白い。このギリギリのバランスほんと好き。

『SAKAMOTO DAYS』156話

 シシバ、周の正体に気づく。四ツ村へのクソデカ感情って感じで素敵だ。正直この部分が今圧倒的に魅力的なので他の話に戻ってしまうのが残念。ぶっちゃけ敵の魅力もメンツ的にそれほど……って感じだし、シンの頑張りも「今はいっかな」みたいな印象が強い。自分で意識してた以上にシシバのことが好きなのかもしれん。いや四ツ村かも。
 んで、シン。スポーツマンシップに則らないバトル。即座に何のスポーツかを見極め、その上でそのスポーツのルールを思い出して……とめちゃくちゃ大変そう。その実践編として今回ハンドボールと事前に明かされ、そこからページをめくるまでの間に「で……何が分かるの?」と考える時間があるんですが、何も分からなかったw 投げる前にジャンプするんだろうなぁ、くらいの思考で終わり。そうか、ゴールラインで飛ぶ位置とタイミングが分かるのね……。

センターカラー『Dear Anemone』2話

 前回はダーウィンインパクトで吹っ飛んでしまったが、話が宙ぶらりんのまま2話へ続いたんでしたね。結構珍しいタイプの初回だったと思う。最近はちょっと増えてきたかも。
 悪魔との契約みたいな話ですね。植物なので足がなく、足役に任命される、という力関係が面白かった。血が動力源になるのは割とよくある設定だと思うんですが、それ以外に主人公が圧倒的に強い要素があって、それが足。ある程度の半径は自由に伸びて動けるだろうけど、基本的に移動はすべて主人公。ここがすごく良かった。前回、主人公の主人公性(ヒーロー性)は「ほっとけない」と一歩踏み出すことにある、と描かれたけど、その一点があの化け物をコントロールできる唯一の術。
 目的。例の爆発は進化ウイルスの散布だったらしい。現状ではまだ進化が足りないのでもっかい爆発が欲しい。研究所による進化薬というのは『猿の惑星 創世記』っぽいし、爆発を目指して中心に向かう感じは『エヴァ』だろうか。『猿の惑星』の新作、今年ありますね。めっちゃ楽しみです。映画史の中でも有数の三部作になったと思ってたんですが、その続き、どうなるのだろうか。成功してくれ……。

『カグラバチ』22話

 チヒロの事情を聞いて号泣するバカ。バカだが、良い子なのは間違いないので……という説明がサクサク済まされて、それが仲間の間に共有されてく感じ、めっちゃ良い。シャルが “治す” と判断するまでのワンクッション最高。シャルは何でも治す機械ではなく、ちゃんとシャルが “治す” と判断した相手を治す。
 カムナビ東京本部。闇社会に対して妥協的な態度。それを理解できない(したくない)緋雪と力士。警察組織の方もキナ臭い感じがしてきましたね。定番だ。てか、ある程度そういう話がないと「チヒロは普通に協力してやれよ」という話になっちゃう。
 漣邸。当主が帰宅すると、平然と待ちかまえる侵入者。そしてその後ろにはお目当ての妖刀を構える少年。良い。前回(前々回?)のエレベーターが開いたら……のくだりもそうだけど、映画を観てて気持ちいいと感じる瞬間。「後ろにチヒロいるんかい」という驚きをちゃんと漫画らしい形で表現してるのが良い。気持ちいい。

『逃げ上手の若君』146話

 吹雪(仮)との再会。ドラマチックで超盛り上がる展開だと思うし、実際ワクワクしてる部分もあるんだけど、同時に「フィクションらしいオモシロ」という認識が強くて歴史物である本作と微妙に合ってない気もする。まぁ、実際の歴史でもこのくらいの裏切り(とはちょっと違うかも)はあってもおかしくないと思うが、何だろうな、不思議とフィクションらしさを濃厚に感じてしまう。洗脳っぽい演出がされてるせいだろうか。
 あと、吹雪の強さをよく知ってるので強敵というのは分かるけど、ぶっちゃけ吹雪以上の強敵とホイホイ戦うようになったので、「吹雪が難敵なのは当然」みたいな前提は成立しないと思う。今後はあると思うけど、元配下だからこそ知ってる若の弱点を突いてくる、みたいな話にならない限り、どんなに苦戦してもそれが真っ向勝負だったら「土岐のが強いはずなのに……」とか考えちゃう。逆に若チームが本気出せないので苦戦する、とかならあり得るか。我に返すのを第一目標にしちゃってるので普通に戦うよりも面倒、みたいな。

センターカラー『STRANGE LOVERS』丸山暁星

 読切。手塚賞準入選の方で、本誌にもショートフロンティアで載ってる……など、手塚賞のページに詳細な経緯と、何なら作者インタビューが載ってるのでそっちも是非読んでみてください。『ロボコ』の後ろ。どうせなら本作の直後に載せればいいのに。
 本編。パッと見、手塚じゃなくて赤塚賞の絵じゃん(緩さに寛大なイメージ)、と思ったんですが読み進めてると普通にかっこよかったり、迫力とか躍動感ある絵が飛び出て考えを改めた。普通に絵が武器になってる作品だったわ。本作のワンダーである幽霊のマチコが登場し、フワフワとあちこち移動してからどんどん魅力が増していって引きつけられる。話のオモシロと絵の魅力が合致してて気持ちいい。……ただ、この点に関しては幽霊のヒロインがフワフワ漂ってるだけでパブロフの犬的に喜んでしまってる可能性はある。『テンマクキネマ』も同様に好きでした(男だが)。
 あと、表情が何気に細かいというか、機微がしっかりあって、それがどれも芯を捉えてる感じで良いね。2人の表情の対比、だけで一つのオモシロが成立する、みたいなコマが無数にあって楽しい。ちゃんとキャラクター(顔)が物語を語る要素として機能してる。話としては割とシンプルで、それほど意外性のない話であっても漫画として読む感触がとにかく気持ちいい。
 まさかの本格バトル展開。しかもバトルにロジックがあり、主人公が使うロジックが彼自身のキャラクターの紹介(見える見えないの話)になってる。ここも素晴らしいというか、「とりあえずバトルすりゃいいんでしょ」的なバトルで終わってる作品も少なくないよね……。まぁ、それでも極端にバトル描写がかっこいいとか別の魅力があるならいいけど。
 犬。犬!? 犬が喋る世界って聞いてないよ。マジで面食らった。「ジジイじゃなくて実は」というツイストは素直に楽しいし、こういう幽霊モノのおいしい部分だとは思うが、犬はマジで聞いてないよw まぁ、犬が喋るのは幽霊のときだけ、みたいな線引きがあるならまだ分かる……かも。思い出の場面でもがっつり犬離れした行動してますけど、あれはあくまでも「犬の思い出」なので、と考えればまだ分かる……のか?
 ただ、地縛霊のようなものになった原因はご主人様の最後の言いつけを守ってるから、という忠犬ハチ公(実際は違うらしいが)っぽさを入れてきたのは良い。犬っぽさであり、ご主人様の言葉の真意を読みとれない感じが、犬らしい適度なバカっぽさで、このバランスは好き。可愛い。
 決めゼリフのギャグも面白かった。良いことを言ってるのは分かるし、ただのかっこつけではなく彼の本心がこもってるの分かるのだが、「未知なる力への第一歩」くらいに省略した方がいいw おつかいに次ぐおつかいを命じられるRPGみたいなセリフ。
 終わり。たしかに面白かった。てか、ショートフロンティアでの過去作(話題の『ルリドラゴン』新連載号だった)も、本作と似たお化けとのコンビモノだったのですね。どんだけ好きなの……というか本誌用に作品と作ろうとするとそういう偏りが生じるってことなのかな。もしくは「俺の成長を見てくれ」的な熱いメッセージ。

『僕とロボコ』174話

 扉を見れば一目で分かるホラー回。ただ、まったく同じ見た目のアカネが2人横に並んでるだけでホラー回だと伝わるってよく考えたら不思議ですね。違いを強いて挙げるとすれば2人の視線が違って……というのがもう怖い。普通にホラーもうまいってことですね。
 本編。アカネ、コピーロボットを手に入れる。が、使い道やその後の顛末に関しては『ドラえもん』の「かげがり」。今週も “言っちゃうんだ!!” というギャグだけど、本当の元ネタはあえて隠す、というあたりが周到。
 コピーロボットという言葉がある通り、今回のホラー、いつもの心霊ホラーではなくSFの要素が強い。乗っ取りや入れ替わりモノは宇宙人でお馴染みの話ですし。SFホラーという点で今までのホラー回とは一線を画すんだけど、それはラストのオチ、展開もそう。仕掛けがあって面白いけど、それがロジカルなんですよね。心霊回のような不条理さはない。完全に腑に落ちて解決する終わり方なので、後味も全然悪くない。こういうホラーもいけるのか……と妙に感心してしまう回。
 まぁ、ロジックが明確なので、逆に言うと「さすがにオチが読めるよ」となる読者も多かったとは思う。ただ、ロボコに捕まるホラー展開が実は……となるくだりとかシンプルに面白かったし、うまかったと思います。正面から捕まえられる(背中が剥き出し)、というのがキレイ。てか、よく考えたら今週のロボコ、普通に頼もしいだけの存在だったなw(事の発端がロボコなのは別として)

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』215話

 カラー扉。そうだ、太陽六美夫妻、今海外デート中なんだった。ひふみの話が思いの外長いので、このまま夫婦の話は軽めに処理されるのかな。残念ではあるが、まぁしょうがない。
 本編。ひふみvs凶一郎。はっきり言ってワンサイドゲームで話にならないレベルだが、ひふみはただ単に暴走してるだけではなかった、暴走のきっかけはあるふぁだが行動の最終目標はあるふぁではなく猫耳だった、となるのが面白い。ひふみの成長も感じられる良い話。それを同じタイプの変人である凶一郎があまりにスマートに処理する、というのも良い。ビジュアルは禍々しいが目的は優しい。これはひふみの開花にも当てはまる話ですね。
 んで、二刃。話的にまんまと逃げられるのが一番丸く収まる形だと思うけど、彼女の実力的にそう簡単には逃げられない、という感じか。ただ、二刃だったら穏便に捕縛することもできそうではある。キレがどこまで本気なのかにもよるが。

『超巡!超常先輩』3話

 遊戯王カードみたいなやつ。沼作品でお馴染みの「カス」を「curse(呪い)」と訳してるのがうまくて笑った。中二心くすぐるワード持ってくるのずるい。
 あまりに心配になるデザインしてる折野くんにも笑ったんですが、終盤になって初めて「遊戯王」という言葉を直接出してツッコむ、という構成も見事でしたね。あんだけ引っ張った果てに言われると、『ロボコ』じゃないけど「言っていいんだ」ってなる。クレバー。
 レアカードの「大天使テシィ」。大天使のてっしー!! やっば、『左門くん』ファンホイホイですわ。
 そして、先週ほとんどギャグとして出たサイコメトリーを終盤のシリアスパートで説明ナシに出してくるのとか普通にスマートなんだよな。血税カード収集スタイルなので、レアカード頼りのキッズをボコすのなんざ簡単、というオチにも笑った。ひたすら理にかなってるというか、大人げなく子供を負かす図としての説得力がすごい。

『あかね噺』99話

 扉がエモいんですが、アカネのコピー人形みたいな味わいもありますね……。
 本編。あかねのキャラクターを踏まえた落語。状態としてはいわゆるゾーンに入ってるようなものだと思うんですが、それを「仁」という要素を踏まえてひたすらロジカルに説明してくるから面白い。芸能芸術の話で、しかも覚醒的なエピソードなのでいくらでも抽象的な話にもなると思うんですが、ひたすら地に足着いたロジックで説明してくる。見事すぎるじゃろ。
 落語の与太郎マルチバース。今時の若者っぽい発想だが、「スターシステムの方が近いだろ」と思った。完全に老人と若者の対比って感じでつれぇ。ただ、その後、あかねがさらに覚醒していく話の流れを考えるとマルチバースの方が適切っぽいですね。繋がりようがないと思われた二点の間にはそれでも繋がりがある、というのがマルチバースっぽい考え。
 てか、スターシステムといえば馬上先生の読切『プロモブ』ですね。完全にスターシステムの考えを踏まえた設定。

『アンデッドアンラック』196話

 前回が「on your mark」で、今回が「set」なので、まだ溜めの段階というか、次回爆発するような話なんだろうな……と思いながら本編を読みましたが、その溜めが風子なので驚いた。世界の真相みたいな話にはなってたけど、ここまで飛躍するというか、風子が覚醒する話になるとは思わなかった。急に『ヒロアカ』OFAみたいな感じにもなったけど、こないだのMCUドラマシリーズの『エコー』もOFAみたいな話になるので『ヒロアカ』ファンにはオススメです。すげぇ面白かった。

『キルアオ』42話

 先週の感想の補足。「トンファーも人を傷つけるための道具でギルティやろがい」的なことを書いたのですが、その後トンファーのことを少しだけ調べたら「警察が使うトンファーは特に防御に重きを置いた目的で使用される」みたいな話を見かけた。なので、それなら今回の風紀委員が使う武器としてはむしろピッタリですね! というのが先週の感想の続き。
 で、今週。めっちゃ攻撃に使ってるやないかい。握りを緩めて一時的にトンファーを回転させる攻撃がトンファーの特徴なんですが、これはアメリカの警察ではほとんど使わないらしい。今回の彼、めっちゃ使ってる。めっちゃ攻撃の武器として器用に使いこなしてる。ギルティでは……。
 そんなトンファーに対して十三がどう対応するのか、という話ではなく、戦う以前にどう自分が無罪かをアピールするかで悩んでるのが面白い。今回はそこを直接クリアする方法は思いつかないが、相手のトンファーを利用して大ジャンプ、というアイディアが素晴らしかった。あれはまさにトンファーの防御の面を利用した方法ですよね。キャプテンアメリカの盾を踏み台にして大ジャンプするのと同じこと。そして、毛糸で捕縛。捕縛という本来なら警察側がやりそうなことを十三がやる、というのが良い。アクション自体が物語になってる。
 からの引きこもり。からの「来ちゃった」。からの本物の殺し屋。一つ、共通の敵を前に風紀委員と一時的に協力、そのままなし崩し的に仲良くなって……となるんだとしたらかなり安易というか、根本的な解決になってないのでもうちょっと何か理屈が欲しいところ。少し心配。もう一つ。プロの殺し屋に競泳みたいなスポーツ要素入れるとユニコーンとややこしいよ!(前にもいた)

『魔々勇々』23話

 サディコによる修行。泥人形のビジュアルが良いね。不気味。勇者オタクのくだりも微笑ましくて好き。 “いつも持ち歩いてんだ俺…!” も最高。漫画の嘘をクッソ堂々を言い切るその胆力。
 ドキムネ電話。何かと思ったらマママ! 久々!! 顔が映るの4コマのみなんだけど、妙に嬉しくなってしまった。作品の看板みたいなキャラなのに超レアキャラという不思議な立ち位置。てっきりこのまま「今からそっち行くから!」みたいな話になるのかと思ったよ。全然違った。
 マママからの感謝。良い話かと思ったが、前と同じでいかがわしい疑惑で落ちる。しかも人が増える。コルレオの言い方があまりにスポーツライクなので、「そういうノリでセックスするタイプなのか……」という別のオモシロが生じてますね。あと、さすがにこういうギャグにはモニカは参加できない、という一線。

『鵺の陰陽師』39話

 精神世界で鵺さんからレベルアップの伝達。話しはするが終わったら記憶から消える。この手の精神世界にしてはややこしい設定が一つ加わってて、ここはちょっと良かった。どうしても必要だった設定かは正直疑問だけど、面白いは面白い。
 そして、好きなポケモンを選ぶのじゃ。ジャンプ発売の翌日がポケモンデーでしたな。私の誕生日なんですが、最近はポケモン陣営が毎年お祭りやってて関係ないながらに嬉しい。あと『ウマ娘』のハルウララ
 ただ、この3択も「これ面白いか?」という疑問はある。リスクはあるけどたまたま正解を選びました、というのがどうも。マジで運でしかない、というのが個人的に苦手。覚悟があるなら自然と正解に導かれる、みたいな理屈が欲しかったというか。作者の意思で勝手に正解になるんだったら元から3択なんてやめればよかったのに、みたいな。「鵺さんが1択にまで絞ってくれた」とあまり変わらない気がする。
 んで、覚醒。妹が「一体何にキレたんだ?」となってて、ここはすごく良い。2人の決定的な違いであり、学郎が成長できた理由、それがそっくりそのまま彼のヒーロー性の話になる。
 ただ、やっぱレベル3の描写に関してはイマイチというか、今週はついに喋っちゃったよ(モノローグ入れちゃったよ)。マジで台無しというか、もっとうまく処理できなかったのだろうか。あと、ここ数週ずっと父の仇感が全然ない、ただのめっちゃ強い化け物なんだよな。父の仇というのに囚われなかったのが学郎の良いところなのは分かるけど、だからといってアイツから父の仇要素をなくなったら特に魅力のない化け物なので……。正直なところ結構深刻に思えるくらい今回のエピソード面白くないんですが、その大部分がこのレベル3に起因すると思う。もうこういう敵は出てこないといいな……。

『煽り飯』泉博士

 読切。ショートフロンティア。タイトルのしょうもなさと相反して深刻ぶってる扉が可愛い。何だか分からんがこの1ページでもう大体本作のこと好きになってしまった、とまで言える。15ページの勝負なので扉を入れるかどうかも一つの選択肢だと思うんですが、かなり理想的な出来だと思う。
 本編。写真部の仲良し3人組だが、主人公が学校に課題で居残り。2人で飯を喰いに行くが、飯の目的、というか飯を通じたコミュニケーションがすべて相手への煽り。マジでしょうもない話なんですが、それで3人がそれぞれ本気になれてるのが本当に微笑ましい。青春の歪んだ形を見た気分。やってることはすべて感じ悪いんだけど、そもそもマジで仲悪かったらこんなこともしないと分かり切ってるので……という前提が良い。喧嘩してるが甘噛みだと分かる。自分が食べたいものではなく(食べれない)相手が食べたがってるものを選択するのとか不毛すぎるんですが、超キレイに言い換えれば「相手のことを考えてる」ですよね。それがこんなにもしょうもない形になるとは。みんなで一緒に食べるとよりおいしくなる、というのは常識ですが、それが徹底的にこじれた形とも言える。
 食べれないで見てるだけ、という話なのですが、それが遠隔で、会話はLINEというのも珍しい。リズムを刻むように「おい」が送られてくるの、漫画表現へのハマり方としても見事だったと思います。『煽り飯』というタイトルそのままのコンセプトも面白かったけど、感心という意味ではこのLINE会話のテンポの良さも好き。

グリーングリーングリーンズ』12話

 ゴルフ場デビュー。初めてという感動と感慨が丁寧に描かれた良い回だったんですが、結構地味。だが、そこが良い。とがった部分はないが丁寧に出汁が取られてるのを感じる。これは本作全体に感じる。
 ギャルに付き添われながら初めてのコースを回る、というのも良かったんですが、基本的にテンション低いというか、極端に干渉してくるタイプじゃないので話のほとんどが珀の中で完結する。それがゴルフらしくて良いじゃないか。直接対戦する競技じゃないからね。
 てか、適度な距離感のギャルに付き添われるゴルフ、不思議な魅力があるな。本作には期待しないけど、それをメインにしたゴルフ漫画とかどっかの雑誌で連載してて不思議じゃないと思う。キャディがギャルとか。
 初ホールは+11。散々な結果だが、1打目は理想的、最後のパターも理想的。それなら間にもう一打決められたらバーディも狙えるじゃないか、となる向上心が良かった。+11の中に-1への希望があるってなかなか成立しない話だと思うんですが、ゴルフだとそれが成立してしまう。それを誰に言うわけでもなく、独りで沸々と燃え上がってる感じが良かった。

『ツーオンアイス』21話

 期待の新人、ムカウくん。すごい字。とにかく真っ白なビジュアルだが、それが漫画的な記号ではなく「色素足りなくてしんどい」という病気の話になるのでビビった。アルビノってやつか。メガネもがっつり視力矯正のアイテムとして扱われるのでなんか申し訳ない気持ちになった。
 話としてはきさはゆペアのデビュー前最終課題。いちいちみんなに見守られてて微笑ましいが、同時に狭いが故の村社会という側面もあるんだろうな。見守られすぎでしょ。まぁ、それだけ愛されてるってことなんだけど。そして、そういう村ルールを一切無視して侵略してくる(予定)の某悪役、という図式。
 テーマとしては見られることの気持ちよさ。応援されて力が湧く、というのを経験させとく、という側面もありそうですね。ペアの成長における一旦のクライマックスなんだけど、それと同じくらい周囲が「いいぞその調子」と見守る様子が描かれるバランスが良い。てか、まだ21話なのにこのスケール感とクライマックス感結構すごいな。
 曲はパイセンの使用曲「You'll Never Walk Alone」。リバプール(サッカー)の応援歌としても有名ですね。最初にこの曲名を見たときはペアの2人にとっての「パートナーがいるから独りじゃない」的な話かと思ったんですが、そうではなく、「客席で応援してる人がいるぞ」的な。リバプールでお馴染みの曲って書いたけど、おそらく世界一有名なスポーツ応援の曲だと思うので、本作の選曲意図も間違いなくそこでしょうね。念のため書いとくと「リバプールの曲」と言ってもリバプールが勝手に使ってる伝統の曲ってだけです。元をたどるとミュージカルナンバー。
 そういう文脈で考えると、たっくんはずっと「walk alone」してるわけで、良い対比ですね。コーチをクビにした件がここにも利いてくる。
ja.wikipedia.org
 ウィキペディアの記事でもサッカー情報の方が充実してて、「どう使われたか」が「どう作られたか」を上回ってしまった事実を改めて感じる。

『累々戦記』11話

 ボス戦。ぶっちゃけボスのキャラクターや強さ表現にそれほど魅力を感じなかったし、肝心のバトルも味薄い印象だったんですが、 “悪くないよ だから” の見開きが超絶かっこいい。バトル漫画における「背中を取る」アクションって超定番だし、それこそ陳腐な展開とすら思うんですがとにかくかっこいい。右ページの右端が上下にぶち抜き、その左、上段が左ページへと跨ぐことになるんですが、そのページ跨ぎのコマ、右ページ分は「背中を取った側」、そして左ページは「背中を取られた側」にキレイに分割されて、その区切りによって生じる視点移動が映画のカメラワークのような快感を生み出し、カメラワークの果てに2人の位置関係が明らかになり「背中を取られた」という強烈な実感に繋がる。この実感の迫力が超良かった。そこに「過去に囚われて前を向けない」という2人の共通点、そして「過去を背負う覚悟と勇気」という圧倒的主人公パワーで包む。いやマジで見事だったな。バトルロジックとかが凝ってるわけじゃないからあまり好みのバトル描写ではないんだけど、主人公の言い分がそっくりそのままアクションの内容に反映されてて、それが漫画表現にキレイにハマってる。
 それはさておき、パンツの有無には興味がないので黙っててくれた方が嬉しい(少し引いた)。

次号予告

 『ルリドラゴン』連載再開のおしらせがどこにもない!! もっと細かい情報あるんだからしっかり載せてくれよ……。
 ネットニュースで見たものを思い出しながらまとめると、来週から5週は普通に連載再開。ただし、その後は本誌の電子版限定の隔週連載、及びジャンププラスでの隔週連載になるらしい。ややこしい。なぜそんなに面倒なことを……。「連載再開するんで待っててね」的な告知をしたからとりあえず本誌に載せないわけにはいかない、みたいな事情だろうか。そして、単に「ジャンププラスに移籍」ってすればいいのに「電子版では本誌もやるんで」みたいなのも謎だ。ただ、これは電子版を定期購読してる人にとっては本棚に勝手に『ルリドラゴン』が溜まっていくことになるので嬉しい措置だったりするのかな。まぁ、知らん。
 連載再開。素直に良かった。どうでもいいけど辰年に再開なのもちょっと嬉しい。そして、この連載再開における苦労は今後の『HUNTER×HUNTER』の連載形式の試金石でもあるんだろうな、とか。ただ、作品の格としては比較にならないので今回以上に「本誌が手放したがらない」という側面はありそう。
 隔週連載の件。前から思ってることなんですが、本誌でも普通に隔週連載すればいいと思うんですよ。それこそ『ワールドトリガー』のときも思ったし、今の連載陣でボロボロな数名とか最初から隔週連載ってすれば単純に負担は半減になるわけだし。ページ数の都合はショートフロンティアの枠があるから調整はそれほど難しくない……って、ん? ひょっとして、『ルリドラゴン』の一件が落ち着いたらショートフロンティアの枠が存続の危機なのか? ショートフロンティアの方が『ルリドラゴン』より古いから関係ないとは思いますが、下手に掲載本数が安定しちゃったらそれはそれで「もう枠ないね~」みたいな話にならないか不安だ。

目次

 JUMPマニアッククイズ。『あかね』のあかねが初めて連れて行かれた落語会の会場。あぁ~、やっぱ記憶が若干鮮明というか、たしかにちょっと記憶に引っかかる名前だったような気はする、くらいには覚えてる。名前は覚えてない。

40・41話目の鞄の中の銃、安全装置外れて撃鉄もおきてた…危なすぎ…直します
(『キルアオ』)

 私は知らなかったけど、絶対どこかでガンマニアが鼻息荒くなってたんだろうなw

愛読者アンケート

 大きい読切についてと、ショート動画について。見ない。見たことがきっかけで取った行動も当然ない。質問者に「君には興味ないんで帰ってください」と言われるパターンだ。

総括

 また『ハイキュー』の映画観たい。日々の楽しみ、特に映像エンタメが『ハイキュー』に偏りすぎてるというか、「『ハイキュー』観た方が楽しいよ?」(ホラー顔の日向)という状況がしばらく続いてる。いかんぞ。今週末は『ドラえもん』を観るんだ。そんな心持ちではさすがに申し訳ない。まぁ、本音としては本編よりもエンドクレジットにおける「おまけ映像」が誰かの方が気になってるんですが(来年の監督とイコールなので)。

 今週のベスト作品。読切かな。大きい方。
 次点はショートフロンティアと『ウィッチウォッチ』『ロボコ』『超巡』と『あかね』。多いな。

 ベストコマ。『累々戦記』の見開き。

 最後に今週のベストキャラ。ルフィです。問答無用にかっこいい。定期的にこういうかっこよさ発揮してくるから油断ならないんだよな。
gohomeclub.hatenablog.com