北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年34号の感想

 『ヒロアカ』映画の一作目観たんですが「デクと対になる女性キャラってメリッサが最高じゃね?」と心底なってる。ラブコメがどうこうは知らんけど、普通に良い映画で漫画の本編におけるお茶子の印象が薄れる。映画2作目は理想の最終回だし、映画が良すぎて本編への関心が減る謎現象。

表紙

 『ONE PIECE』。27周年だが、もう何がすごいのかよく分からなくなってくるな。長さと周年じゃなくてもしょっちゅう表紙やってるので。
 ルフィ、ナミ、ウソップ、チョニキの人選は珍しいというか、何か好き。バトルが絡まないところで輝きそうな雰囲気。

読者プレゼント

 いつもの2倍でバイキング。何か少年風の男性がいてマジ意味不明だったんですが、どうやら食事のバイキングのことらしい。ビュッフェ。タイトル文だけで何のことが分かりにくいのはちょっと問題があるのではないか。
 グッズ紹介でバイキングらしい飲食物でダジャレやってるけど、ダジャレも弱いし、バイキング感という意味でもイマイチだったな。まぁ今回はとにかくグッズの数(種類)が多いので、それでページが埋め尽くされてて、その迫力で勝負ということか。

巻頭カラー『ONE PIECE』1121話

 ボニーの限界が近いことに気づいたルフィが気を遣う。あの冷静なルフィの視線と、その後の気遣い。ルフィらしくなくも思えるんですが、通すべき筋があるという考えはめちゃくちゃルフィらしくもありますね。
 ルフィとボニーのコンボ技で見開き。その直前の2ページからコマ割りが面白い。細かくて情報詰め込みすぎなんだけど、最後の大コマの抜けが良いというか、見得みたいな気持ちよさ。必殺技で見開きなんだけど、ちょっとページを跨ぐだけで縦長のコマにしてるのとか「ヘッンなの~! けどかっこいい!」という感じ。
 ベガパンク大放送もいよいよ終盤(たぶん)。ワンピースの話で締めるのだが、そのことで以前からワンピースを目指すと公言してた海賊のプロップスが爆上がり……というバギーで笑った。バギー良いよな。本当にバギー良い。バギーを祭り上げる周囲へのリアクションとしてバギー自身が振る舞ってて、主従の関係と言えるのか怪しくなってる感じとか本当に魅力的。

『あかね噺』119話

 うらら師匠たちとあかね。もちろん上下はあるが、そこまで真剣な席ではないので適度にガールズトーク感あって楽しい。
 からの志ぐま師匠とあかねのスキャンダル誤解ギャグがまたしても。同じ誤解でもリアクションが全然違うのが良いですね。男女の違いもあるし、弟子と外の立場という違いもあって。
 おっ父、生きてる実感がない。これ作中でもネタにされるのずるいよな。どう考えても漫画的な都合によって発生した錯覚なのに。
 ひかるとからし。ここでもラブコメ誤解ギャグ。あかねのウザい言動が楽しいってのもあるけど、同期(厳密には違う)と一緒にいるとき特有の気の抜けた楽しさが溢れてる。ひかるの激重発言も笑うのだが、未だにあのノリが続いてるのもすごいな。初志貫徹すぎるだろ。

僕のヒーローアカデミア』428話

 ワーキャーファン、一応男子もいた模様。良かった。活躍を考えたら女子にばかりモテるのは普通に意味不明なので。高一だと男子は後方でモジモジしがち、ってことなのかな。とはいえ、デクのファンっぽい子は男子で、彼は他の子と違って実直に気持ちを伝えてくる、みたいな扱いの描写にはワーキャー女子に対する蔑視を感じちゃう。
 復旧作業。「こいつらもっと効率的な方法あるんじゃないの?」とか思ってしまうんだけど、大体みんな似たような肉体作業を行うことに一種の象徴性があるのは分かる。再建作業に特化したメンツとか集められそう。まぁ、そういう「ぼくのかんがえたさいこうりつ」を考えるのもファンとしては楽しいところか。
 カウントダウンもギリギリで、もうあと2話しかないよ、というラストでお茶子。そうか、お茶子とのラブコメ(?)をちゃんとやるのか。別に恋愛的な決着をつけなくても全然納得できるバランスだとは思うが……ってまだ来週どうなるか分かりませんね。
 とにかく来週はお茶子なので、最終回がどうなるか、気になってきますね。かっちゃんはやったので、オールマイトあたりが怪しいだろうか。個人で考えると。ただ、先代よりもデクから次代となった方が話はキレイだと思うので、やはりここは活真くんで決まりだな!!(映画ファン)

『ウィッチウォッチ』164話

 冒頭。バンの “イエー!” がものすごく違和感だったんだけど、あれはサシで子守をしてるとき特有のテンションってことなのだろうか。意外とちゃんとしてるな。
 そんなニコ。7歳くらいらしいが、やけに喋りがしっかりしてきた。小学生になって社会性が増したことの影響って感じだろうか。もうほとんど大人みたいな雰囲気なので驚いちゃった。
 男子たち、ニコへの誕生日プレゼントでマウント合戦。彼らが楽しそうなのは分かるが、てめぇらが楽しんだり、マウントしたりするのが主になってしまい、肝心のニコの喜びをいかにして最大化するかという視点が最初の数手で抜け落ちてしまってるのが悲しい。まぁここらへんは所詮高校生男子の幼さってことなのかな。バンが “何か始まった…” と呆れてるのが成人女性らしくて良かった。今回のバン、やけに頼もしくて珍しい魅力がありますね。
 「シークレットガーデン」の聞き違いギャグ。お題のワードが造語なので正直それほど面白くないんですが、「時雨とガーディアン」は笑ってしまった。マイナーなロボットアニメというのが一発で伝わる不思議なタイトルだ。「時雨」が渋すぎるんだよな。
 全員空振りという話だが、ミハルのアフタヌーンティーはとりあえず嬉しいんじゃない? 甘くておいしいもの沢山あるわけですし。アフタヌーンティーという概念を子供が理解してない、というのはあるけど。

『カグラバチ』42話

 真打使いすぎで限界。蔵は崩れる。きょらりんが死んだら蔵の中にいる人(出品物)は死んでしまうのでそっちが問題。バトル的な苦境ではなく、人助け、ヒーローとしての立場を揺さぶれる話になってて楽しい。チヒロと緋雪の一時休戦という話にも合致しつつ、そのヒーローとしての覚悟がチヒロは一枚上手だった、という決着。感動的だが、ちょっとハクリのど根性に頼りすぎてて、個人的にはそろそろ限界。以前からハクリの比重が大きすぎて違和感だったんですが、そろそろ熱さよっりもしつこさを感じてしまう。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』235話

 辛三が2人を相手する……と思ったら龍が即裏切る。裏切りの裏切り。正直引っ張った割にちょっとあっけなかったと思うのだが、とはいえ今はもう話が「一(かず)」の方に移ってるので、そこに時間かけてもしゃーないという判断なのかな。そういう意味では適切だったと思う。
 旦の魂。分割という能力らしく、先週書いた、『ハリポタ』の分霊箱みたい……という感想が割とそのものズバリだった。さすがに細かい理屈は違うのだろうが。
 んで、龍がリタイヤして改めましてバトル。武器を失った辛三がその身一つで本気モード。仏像みたいになっててかっこいい。嫌五のときもそうだったけど、既存の能力の直接的な発展系ではないけど、同じルーツを感じさせる能力って感じになるのかな。この手の覚醒展開、2段階ある覚醒もインフレの進んだバトル漫画だと定番ですが、この2種類の設定は意外と珍しいかもしれませんね。

『ひまてん!』3話

 ものすごく学園ラブコメしてるので笑っちゃった。こんなにもコテコテの学園ラブコメになるとはな。前話が互いに仕事を通じて尊敬し合う話になっててかなり本作の特色を感じたんですが、学校が舞台だと途端にお馴染み感がすごい。別に矛盾しないというか、2つの柱として別個に建ってる感じだろうか。
 弁当のプレゼント……ではなく厳密には追加の仕事。 “私が自分で作った感じに出来るの?” というオーダーがみっともなくて笑ってしまった。欲望に素直すぎる。ただ、金を介した関係なんだから恥ずかしがることじゃない、と先週話してたからね。それ故の剥き出し感なんだと思う。
 第二の女、叶さんにヒマリーンがホレる。ひまりとは校内でなるべく距離を置きたいのだが、彼女が叶さんと仲良くすると、必然的にてんいちが追い出される。この悩みはちょっと意外で面白かった。ややこしい関係性。中学が一緒だけど、そこまで積極的に仲良くしてるわけでもないので、という絶妙な弱さ。
 そんなことを考えてたら、ひまりの方は共通の友人がいたら別に一緒にいてもいいやんけ、と簡単にブレイクスルー。この積極性の違いによる考えの相違も良い。どっちも正論だが、人間的にひまりの方が上なのが分かってしまう。
 図書室での密談を叶さんが目撃。細かい話は聞き取れないようだが……というシチュエーション、今週読むと『ウィッチウォッチ』みたいな聞き違いギャグが発生しそうで怖いな。まぁ、真面目に考えると、2人の秘密はぶっちゃけ大した秘密じゃないので、軽い秘密を3人で共有する、ので仲良くなる、という道はありそう。このまま2人に疑念を持ち続ける立ち位置も面白そうではあるが。コテコテ感でいえばそっちか?

『SAKAMOTO DAYS』175話

 赤尾と有月。最後のミッションの標的が互いで、という前回のラストそのままの話になり、そのまま完遂し、有月が現在との辻褄を合わせるように動いて回想終わり。若干「そりゃそうでしょうね」的な冷めた感覚にもなったのですが、オリジンとしての回想は終盤こうなる運命なのかもしれませんね。『スターウォーズ エピソード3』に対して「オチ分かってるじゃん」と批判する人いて、あの映画大好きな私としてはキレそうになるんですが、現象としては同じ。ピースがはまっていくような終盤の展開に気持ちよさを感じるか、ピースの形は想像できると感じるか。
 ただ、赤尾が激甘になってて、殺しを譲る形になるのは少し意外であり、面白かった。こんなにも落ちてるとは思わなかった。メロメロじゃん。しかし、有月の殺し、こんなんばっかだな……と思ったら、直後にちゃんとした自らの意志に基づく大量殺人してるので良かった。いや良くはない。

センターカラー『メメント・イン九龍』町田麗弥

 読切。「イン・九龍」じゃないんですね。中黒の使い方に決まりでもあるのだろうか。前にも別の作品でこの違和感あった。
 カラー扉。完全に映画ポスターという雰囲気で最高。いや、映画のポスターでこれがあったら「よくあるやつ」としてそれほど魅力は感じなかったと思うけど、漫画の扉でやられると途端に輝きを感じてしまう。
 本編。九龍城砦に封印されたキョンシー。中華ファンタジーはジャンプでも定期的に扱われるネタですが、そこに九龍城砦という近現代の要素を掛け合わせたのが見事。伝説という「昔」がその中では今(当時)も息づいてるかもしれない、という距離感、説得力、リアリティ。それが絵的な魅力とも関わってるので見応えがある。
 主人公(少年の方)は真面目バカみたいなキャラクターなんですが、彼が最初に取った行動が「部屋の掃除&整理」。汚い部屋は当然九龍城砦の縮図でもあるんですが、それに対する主人公の向き合い方、誠意の見せ方があまりに全う。そして徐々にキレイになっていく部屋は2人が仲良くなっていくことのメタファーでもありますね。ちょっとあまりにうまいので驚いた。
 とか思ってたらクライマックスもこの「掃除&整理」なのでヤバい。今度はキョンシーの方がスーパーパワーを使って九龍城砦そのものを掃除していく。絵的な迫力もありますし、そこに物語的な意味があり、その後に訪れる静寂が美しくて感動した。ちょっと見事すぎるな。一度バトルで見せたスーパーパワーを、それ以上のスケールで見せる展開も意外性があって良かった。バトルの方は楽勝なんで本気とはほど遠い、というのも強キャラ描写としてハマってましたね。
 そんな悪役も、目的が「葬儀の阻止」だったのもすべてが一直線に繋がっていてキレイ。キョンシーは埋葬されない死体から生まれる、という基本設定(本作独自じゃないよ)に忠実ながら、そこに見事な物語を肉付けしてる。さらに九龍城砦ですね。町田先生、過去作もわりかし好きだったけど、本作はちょっと比較にならないくらい良かった。傑作。
 まぁ、ないものねだりをするならば、主人公にもっとショタみがあってもいいのよ? とは思った。過去作(前作?)がかなりそっち方面だったので「おいおい またなのか~?」とニコニコしながら読み始めたので。彼単体というよりは関係性として、かな。強欲。ただ、本作のが好きな人もいると思う。

『僕とロボコ』194話

 ロボコのクソ漫画回。今回は『ニセコイ』だ。タイムリーな要素ないのに不思議なチョイスだと思ったら、新編集長の出世作ということらしい。ゴリラの齋藤さん、長谷川先生とイチャイチャしてたでお馴染みのあの齋藤さんだ。ギャグ作家に愛されすぎだろ……(『ニセコイ』はギャグじゃないけど長谷川先生は『ニセコイ』文脈)(というか齋藤文脈なのだが)。
 ゴリラから美化された齋藤さん。「長谷川作品のあの人と似てる~!!」と感動してしまった。調べたら調べたら写真もすぐ出てきたんですが、どれも似てるのですごい。当たり前だけど漫画家は絵がうまい。ギャグだろうと絵がうまい。
 齋藤さんありがとう特集なのだが、劇中に出てきた “本人はバトル描きたいらしいですが絵が合わなくて…” と新人作家にギャグをやらせてる編集を叱る場面、このエピソード、近藤先生を連想してしまった。と思って調べたら近藤先生に齋藤編集ついてたらしいし、何ならツイッターで言及してた。人気に嫉妬。



センターカラー『アオのハコ』158話

 寝取られくんと海の10本勝負。無駄に多い。漫画的に扱いきれないからマジで無駄だと思うんだけど、その多さが暑苦しさの現れってことなのかな。
 そんな彼の千夏パイセンへの恋心。推しグッズ(萌えアニメ? 女児向けアニメ?)のエピソードを交えて紹介し、最終的に “だからこの勝負に勝つということは 推しへの想いの証明” と結ぶ。つまり千夏ラブという話ではないんですね。巧妙に避けてる。恋敵として可哀想にならないというか、申し訳なさが湧かない配慮としてうまいと思うんですが、同時に小ずるい。自分の恋愛の成就が誰かの失恋に繋がるかもしれないのは不可避なテーマなので徹底的に掘り下げても面白かったと思う。
 ただ、本話で大喜が見せる最終的な誠意の見せ方が話の決着としてあまりにキレイな点には普通に感動した。「それはそうと大喜は良い奴」という話として見事すぎる。千夏は偏見がなかったけど、大喜はもう一歩踏み込んで「その推しへの想いはリスペクトだぜ」。真面目バカみたいなギャグも光ってたし、今回は良かったなぁ。こないだの寝たフリには引いたけど。
 一方菖蒲。男の勝負を見て「男ってバカねぇ」となってるところに女の勝負を思い出させられる。顔にヤシの木の影がかかるダークサイドの誘惑演出がかっこよすぎる。寝取られ(違うって)描写の迫真さがちょっと比較にならないレベルなので笑っちゃった。前からそうだけど、菖蒲だけ異様に解像度が高い。落ちた菖蒲が歩いてると、「あの子可愛くね?」的な男子が通りかかるのとか意地悪で最高だった。というか、マジでやってることが寝取られ漫画と同じ……。

『悪祓士のキヨシくん』5話

 キヨシくん、高校に行く。えっ? こないだ卒業したの高校じゃなかったの? 一般社会の学校じゃないのは分かってるけど高校相当のものだと思ってたんだけど、中学だったってこと? どうでもいいところで動揺してしまった。いろいろ間違えていたよ。ドハデな誤読。
 ということで学園展開。最近は少し減ってたというか、それ以外の作品が多かったですが、「学校で普通を目指す」系主人公になってしまったな。
 そこに現れる隣の席の涅槃くん。あまりに良い人すっぎて逆に怪しい(ごめん)。底抜けの良い人描写として「十年来の悪魔の友人」を出したのにはマジで驚いた。良い人を示す設定として完璧だし、新キャラのびっくり設定としても面白い。キヨシくんが目指す新しいエクソシスト像にも合致するのでテーマ的にも面白いのだが、涅槃くん自体はエクソシストではない。悪魔だと気づいてもいないのが余計に良い人感。すごいな。良い人が限界突破したような良い人だ。
 涅槃くん、人間の友達と一緒にいるときと、友達悪魔と一緒にいるときでテンションが微妙に違うのとか、すごく良かった。悪魔の方は幼いときからの付き合いなのでノリもちょっと幼いんだよね。すごいな。正直本作の今までで一番面白かったというか、感動したかもしれない。涅槃くんの良い人キャラが完全無欠すぎて感動した。『鵺』の膳野くんと違って今後の出番が多そうなのも嬉しいですね。いや、これであの悪魔を祓う感動エピソードと共に退場とかになったら別の意味で泣いちゃいますけど。

『逃げ上手の若君』165話

 師直、中途半端に生きてるのが消化不良だったんですが、今回の大仕掛けのためだったのね。尊氏が颯爽と現れて、歴史を改変するかのような活躍を見せる。ややこしいのはこの改変された後が現実で語られる歴史(たぶん)という点。本作は歴史を解釈する視点が意図的に描かれてて、正直「メタに逃げんなよ」と思ってたけど、この尊氏のギミックは面白い。面白いが、同時に今までと同様に解釈芸みたいな部分の強調は余計だと思うから、ただのオモシロエピソードとして完結させてほしい気持ちもある。「実際はこうなんですよ」みたいなナレーションがやっぱりうざったい。

『鵺の陰陽師』59話

 妹による救助任務。こないだの病院と違って非常にゆったり。同じ話しすぎだと思ったんですが、ちゃんと違いがあるというか、意図的に対照的になってるのは良いですね。そして、そのゆったりさを代葉への信頼と結ぶ。
 狂骨の10秒。マジで短い間で圧倒する話で、本話の中で、それも半分くらいのボリュームで終わった。ちゃんと10秒感ありましたね……。いや、冷静になって考えるとセリフ量が10秒にしては多すぎるんですが。漫画として読んだ印象としては「レベルの高いバトルだったら10秒でもおかしくない」と納得でした。
 10秒で圧倒作戦に偽りはなく、マジで10秒で勝利したのだが、敵は敵でまだ本気出してなかった。本作の設定上、バトルの決着として「殺す」ではなく「盡器の破壊」にしたのがうまいトリックでしたね。単純に「まだ本気じゃない」だったら陳腐な逆転展開ですが、「短期決戦と見越して盡器を半分温存してた」というのがうまい。正直バトル描写自体はそれほど刺さらんかった(ラストの代葉の巨大武器のが魅力的に見える)のですが、狂骨は間違いなく勝ったがそれでも敵が逆転する、という理屈の通し方が絶妙で面白かった。

『アンデッドアンラック』215話

 アイドルの誘拐をした人が “できると思う?” “あれだけ魅力的な子が” “人を避け続けるなんて” と言ってるの面白いな。できると思う。
 過程の理屈はさておき、アンタッチャブルは全力で発現させ、それを今ある能力で押さえ込む、というかなり強引な作戦はワクワクする。ちょっとバトルっぽい雰囲気になるのが意外で楽しい。まぁ、実際には今回の被害を抑えたあとで、そのあとのタチアナをどうするのか問題とあると思う(ボール入りはしないと思う)ので、そこをどうやって実現するのかも楽しみ。

『願いのアストロ』14話

  “多勢に無勢だけど一人十人やりゃなんとかなる!”スマブラSP』だ、『スマブラSP』のいわゆる「マルス理論」。数値まで完全に一致なのですごい。いや意図的にパロディしてる可能性もあるが、偶然だと思うのですごい。(↓動画冒頭に出てきます)
www.youtube.com
 双子の転送。これは最近の『スターウォーズ』で見られる「フォースの一対」とか「フォースの絆」とかでやってる現象。そこまで人気作じゃないのでこれまた意図的にパロディしてるかは怪しいが、ビジュアルイメージとしてはかなり近い。ただ、腕に刺さる矢によって送信元と送信先を端的に示してるのは本作の白眉。コマ割りによって成立する演出なので、漫画ならではのマジックも感じますね。映画は映画で良かったけど。
 ステゴロ最強さん、グローブ奪取でもっと最強に。ヒバルが “人が吹っ飛んだ!?” と驚いてたけど、お前も人吹っ飛ばすやんけ。
 図面のくだりとか笑ったんだけど、「ここは任せろ」の直後に「追うぞ」ってなったり、単に雑なだけな気もしてくる。まぁ、乱戦は描くのが面倒なので、大ボスをみんなで倒す話の方が分かりやすいってのはあるか。あと、車投げたり、拳でビル登る絵面は最高だった。
 ということで、かなり強引にも感じたが、行き着いた話はテラス。最近ツッコミとして輝くことが多かったけど、それは同時に「テラスだけノリが違う」ということでもあるので、今回の話は驚きつつも納得しちゃう。「テラス派じゃね?」の件とも関わってくるし、これでセンターカラーは熱い。

『キルアオ』62話

 チベットスナギツネは安心して検索できるな! と検索したけど、どうやら既に「目が死んでる」子として有名らしい。いろいろグッズとか出てて驚いた。
 男の地雷ムーブとしての「頭ポンポン」が妙にタイムリーなので笑った。藤巻先生のこういうとこ信頼できる。
 現在ネトフリで『水戸黄門』は配信されてないが、例えとして『水戸黄門』は使いたいけど今の中学生が知ってるはずもない……という苦肉の策なのは分かる。頑張るおじさん(藤巻先生)が意識されて微笑ましい。
 長い話が続いたので、しょーもないエピソードをやる回で楽しかったが、最後の「この写真は良い」となるのが腕相撲なのが普通に良かった。安易なラブラブな写真ではないが、最も2人が対等になれる瞬間、みたいな感じで。あと、恥ずかしいの我慢してメンチ切っちゃう2人だが、腕相撲でチカラ入れてる瞬間はそれが変な表情にならない、という理屈的な面でも良かった。

『超巡!超条先輩』23話

 『世にも奇妙な物語』的なホラー回。自分だけが知らない、みんなが知ってる「ハセガワさん」がこの交番にはいるらしい。いつもの仲良しメンツなのに急に距離が生まれてしまう孤立感が普通にホラーしてて良かった。
 話としては、ポンちゃんが新人だから知らないと理屈が通るけど、そこにポンちゃんより後輩(?)なローボが出てきて、こいつはハセガワさんを知ってる、となるのが良いね。オチを踏まえると「そりゃローボなら知ってる」となる。
 ということでオチ。どこぞの殺し屋漫画のスナイパーみたいな人だった。「ホントにいるんかい!」とずっこけるようなオチだが、それがただの実は新キャラ紹介の導入だったとなるのが独特で面白い。オチ自体はずっこけるが、「男性だと思い込んでました……」と驚かされるのも楽しいし、その提示の仕方が完全にホラー。本作で新キャラが女性とかまったく驚かないんだけど、今回の一話を通じてだと驚いてしまうから不思議で面白い。ジェンダーバイアスって感じのデクだ。

『極東ネクロマンス』13話

 ついに話す気になる。ただし、その話がやたら回りくどい。うざったくもあるが、意外と本話の中で語られる話は完全に一本筋が通ってるので読み進めると案外分かりやすいというか、回りくどそうだが実はかなり簡潔なのが分かる。本当に回りくどいだけの作品もあるからね……。
 あと、耀司の小説家設定も忘れてたので、その因縁の相手という意味では、このやたら気取った語り口によって耀司の鏡像だと伝わってくる。回りくどい芸の序盤に「文学的表現」という単語を入れたのが本話全体に利いてくる。ずっと話してるだけなのにしっかりキャラクターの魅力や過去、因縁みたいなものが透けてきてかなり珍しいタイプの面白さが味わえた。
 最後の「チーズ」もうざくて最高でした。ちなみに、その直前に飲んでたワインも「都合のいい発酵」ですね。めちゃくちゃ語るけど、語らずに情報を追加してくるオモシロもある。

『さいくるびより』11話

 付き合ってる疑惑。たしかに異様に距離が近いのでそういう目で見られるのも仕方ないよな。そこに “聞いたことで関係が拗れでもしたらどうする?” とリアルな理屈を乗っけて尾行することになるのも楽しい。
 恋人疑惑とか同棲疑惑は結構ベタだと思うんですが、そこに「ほな違うかぁ」という形で緩急を入れてくるのが楽しい。かなり特殊な事情によって発生したシェアハウス関係なので、他人の、既存の価値観で見ようとするとはっきりと定まらない。問題の2人は至っていつも通りなはずなのに……というのが良い。
 買い物も済んだ帰り道。結論が出て尾行は解散……なのだが、あと一歩で本当に正解(シェアハウス)にたどり着くところでしたね。尾行し観察する2人に共感するような回だったけど、最後の最後に2人に対して「あとちょっと尾けてみて!」とツッコミを入れたくなるような終わり方で面白い。

『妖怪バスター村上』6話

 退魔師学校。『キヨシくん』が特殊学校を卒業して普通の学校に入ったと思ったら、同じ週に本作は特殊学校に行く話。ややこしいな。あっちは悪祓「士」なのも一生覚えられなそう。
 ということで金持ちくん登場。前回は村上が楽しそうに議論する回だったと思うけど、今回は明確に敵意を持ってふっかける。意外と初めてなんじゃないですかね。村上の中にもいろんな機微があって、それを感じられるようになってて面白い。
 急にイギリスの都市伝説みたいなのが出てくる。そういうのもあるのか。あくまでも物質由来なので日本に搬送可能、という変なリアリティが好き。
 村上はとにかく「納得したい」。それだけらしい。変な流れで急に村上が弱くなるのだが、それは決して村上の行動原理的には矛盾しない。いつもの感じで敵が追い込まれるのだが、ヤケクソ気味に放った “…そうだよ!!” が村上メタとして機能してしまうのとか面白かったな。意外なところで脆いというか、必ずしも敵意剥き出しなわけではないからこその墓穴。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 7/22に『ONE PIECE』連載開始ということで、第一話に出てきたモノクイズ。分かるわけねぇだろ!! と反射的に感じたが、しっかり見てみれば結構分かる作品がチラホラあるので面白い。百葉箱は『呪術』の指が入ってたやつだし、ファンタはどう考えても『ロボコ』、歩道橋は『ネクロマンス』の物語的に印象的な場所だったし……とモノのチョイスが意外と気が利いてる。『キルアオ』の蜂、『カグラバチ』の金魚も同様。生物はモノじゃないと思うが、まぁいいか。作品の象徴的な意味では『アオのハコ』の洗濯表示タグもそうね。
 明らかに弁当のおかずっぽいのが出てきて『ひまてん』だと分かるが、弁当のおかずが2作品あるので笑った。ただ、爪で『ひまてん』は特定できる。『夜桜さんち』初回は学園が舞台だったとか覚えてないよw
 高速で飛んでそうな飴は分からんけど、『SAKAMOTO』だろうな。モノだけでどんな展開なのか想像できるので楽しい。
 徳利は絵のタッチで『あかね』だと分かるのだが、終盤の小銭ラッシュは笑った。分かるわけねぇだろw

次号予告

 『ヒロアカ』が表紙。そりゃそうでしょうね。ただ、2号連続カラーと発表されなかったのは意外。最終回はセンターカラーでほぼ確だと思うのですが。
 そんな表紙、新刊目前、かつ10周年、かつ映画直前で、クライマックス。要素が多い。あきやま『ヒロアカ』が本誌にやってくるのも嬉しいのですが、こちらは映画関連の企画らしい。完結記念で何かやってもいいと思うのですが、映画。ゲストキャラの話ではなくデクらしいので、ちょっと完結を意識した内容になってもおかしくないのかな。
 ということで次号の個人的な見所。あきやま『ヒロアカ』です。てか普通に映画楽しみなので、完結はさておき楽しみ。ぶっちゃけ完結より気になってる。

目次

8月2日からヒロアカ映画が始まります!よろしくお願いしますっ!
(『僕のヒーローアカデミア』)

 映画の話をするなら次号の方が適切なんですよ。なのに今週した。つまり、来週以降はもっと大事なネタがあるということですね。完結を感じる。

週一でドラクエウォークしながら走ってるんですが30分で汗だくです。暑い!
(『願いのアストロ』)

 ジャンプ作家だと『ポケゴー』の方が人気と思ってたけど、『ウォーク』派の先生いて嬉しい。ただ、最近のイベントはただセットして歩く(走る)だけじゃ全然進められない内容が多いので、ちょっとどうかと思う。やることが多いというか、地味にめんどくさい要素が多い。
 てか、この暑さの中走るのはマジで気をつけて……。別に歩くだけでも余裕で汗だく。

愛読者アンケート

 読切についてと付録について。

総括

 何とか終わった。今週はちょっときつかった。振り返ってみるとちょっと長めなのでそのせいもあるのかな。

 今週のベスト作品。読切。『メメント・イン九龍』。そらもう圧倒的。
 次点は『ONE PIECE』と『ネクロマンス』。

 ベストコマは『超巡』のラスト。オチとは別にビックリが待ってるのが面白かった。そしてその手法がホラー的。

 ベストキャラ。『キヨシくん』の三途川涅槃。この手の「良い子すぎない?」という友人キャラ、そこそこ定番だと思うけど、その中でも突き抜けた良い子だったというか、良い子描写の的確さがちょっと異様だった。
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