北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年40号の感想

 ネトフリ加入者は『北極百貨店のコンシェルジュさん』観ようぜ。

表紙

 『カグラバチ』が1周年。それはいいのだが、「復讐の刃は祝連載」って読めちゃう。私の視野が狭いのか、デザイン的な問題なのか。

読者プレゼント

 サーカス団。衣装とメイクが3人分あって頑張ってる。が、メインの団長がちょっと怖い。こういうのはピエロが怖いのが定番だと思うのですが。

巻頭カラー『カグラバチ』47話

 1周年記念でモブ妖術師コンテストが行われるらしい。『夜桜さんち』のオリジナルスパイとかそういうやつ。ただし、本作のは本編ではなく扉のみ。扉でチヒロにカッコよく殺してもらえるらしい。扉の一枚絵だったらそりゃ殺すだろうし、殺すんだったら事前に言っておかないと参加者が可哀想なので分かるが、募集段階で「殺される人募集」となってるの面白いな。
 次にくるマンガ大賞で1位だったそうで。めでたい。表紙号のタイミングで発表って狙ってできることじゃないと思うのでマジすごいと思う(偶然が)。ひょっとしたら運営から集英社にかなり事前に連絡があって、それに併せて表紙号を持ってきた可能性もあるかもしれない。宣伝効果はかなりあると思うので。まぁそれはそれですごい(計画性が)。
 とはいえ、正直、ただのルール緩めの人気投票だから読者の母数が大きいジャンプ作品がそりゃ強いよなぁとか、知らない分野の人たちの人気投票なので個人的な興味はそれほどないなぁとか思ってたんですが、5位に田村先生の『コスモス』が入ってたので喜んでます。ありがとう。めちゃくちゃ面白いので『コスモス』もオススメです。キャラとか話が面白いってのもあるけど、シンプルに漫画としての地力、基礎的な総合力がめちゃくちゃ高いのが感じられます。
 web部門の1位がジャンププラスの作品で、どちらもチヒロなのでコラボイラストが発表されてましたけど、これ『超巡』が1位だったらホッさんのイラストが描かれてたってことだよね。見たかった……。

 本編。四天王(違)編スタートという感じ。1人目は六平パパのやや厄介ファンみたいな人で、最初はチヒロの存在を拒絶するが一度認めたら父のように信奉するんだろうな。双城からの流れとしても見ても収まりが良い。1人目にふさわしい分かりやすさがあって面白そう……と思ったら今週のラスト、一目見て親子認定かますので笑った。ガチファンの審美眼をナメてたw そうか、先週まで続いてた「本当に息子かぁ?」という疑いの目はここに向けた前フリだったのですね。仮にこの人の救出が済んでカムナビの会議に連れて行くことがあったらチヒロの大きな協力者になってくれそう。今後チヒロの発言権が相当上がりそう。早くも面白そうなのでそんな先のことも考えちゃいますが、まぁ死ぬ可能性もなくはない。
 駅からの電車(新幹線?)内でのバトル。今までになかった雰囲気で良いね。日常世界での急な殺し屋登場の感じにはちょっと『SAKAMOTO』っぽいオモシロも感じる。もっと電車でやってほしいけど、話的にはもう出てこないかもしれん。次の停車駅で続々乗り込んできてほしいな。

『呪術廻戦』268話

 スクナ、伏黒にメンタルアタックしててちょっと面白い。意地悪で最悪な奴という魅力もあるんですが、有無も言わせず実力で黙らせるみたいな魅力は全然ないのでやっぱ終わりを感じる。
 ということで伏黒射出。ちょっとヴェノムっぽかった。からの虎杖がスクナを食べる食べないの話になっててこれが素晴らしかった。原点回帰って感じのデクだ。虎杖の長い旅の終わり。釘崎、からの伏黒、そして指、と『呪術廻戦』の初期を逆再生するかのような決着が美しい。
 からの三馬鹿。良い。短かったがめちゃくちゃ良い。このまま残り3話くらいやってほしいが、たぶん他にもやることたくさんなるので無理なのだろうな。もう少しだけだったら期待できるかも。まぁ何はともあれ、思ってたよりも幸せな結末になりそうで(なったので)満足です。いや、死んだ人も結構いますけど。五条はさておき日車とかただの弁護士あがりで可哀想ではある。

『あかね噺』124話

 派手な要素を足すのではない、引き算の美学。話としては分かるが、うまい落語は作中世界を幻覚のように客に見せ、読者に見せる演出が一貫してる本作において、「露骨に見せすぎない」という志ぐまのスタイルは描くのが難しそう。漠然とした記憶との比較になるけど、おそらく座って喋ってるだけの志ぐまの描写を多めにし、作中世界の幻覚の中にも座ってるだけの志ぐまを登場させることでその引き算感を表現してるのだと思う。客の認知には直接的に働きかけ、作中世界に引きずり込む描写はあるが、肝心の志ぐま自身はあくまでも正座した姿のみ。作中世界を走り回るようなあかねの落語ヴァースとは対照的。

センターカラー『ひまてん!』8話

 カラー扉、ひまりの胸元にほくろ、という本編で使い道のなさそうな設定で笑う。まぁ、ひまりだったら多少ハデな格好をする場面(仕事とか)はあるのかもしれない。
 本編。デート開始。ひまりとの間で頼む誘うの話をしてたけど、同じようなトークテーマを殿一が持ち出す。いちいち謝ったりお礼を言うのはナシにしてほしい。2人とも仕事を通じて会得したコミュニケーション観という感じがあって面白い。デートで見せる殿一の良い奴性は前回ひまりが見せたものと似ている。
 気になってたお笑いライブデート。やはり笑うポイントでその人の人格が強制的に露呈させられる、という感じになるのか。なかなか良かった、というかめちゃくちゃ良かった。映画デートの代替物だと思うんですが、こういう描写は映画館よりも断然やりやすいと思う。そもそも映画館だったら「隣で笑ってる連れの顔見てないでスクリーンに集中しろ」とか思ってしまうだろうし。毒舌はマジで興味なく、下ネタ(ちょっと下品レベル)では爆笑、というのも意外な一面が見れた感もありつつ、良い子感も保ってて良いバランス。いや、穏当かもしれない。もっと「これのどこが面白いのか……」みたいなものも期待してしまったので。そもそも殿一の笑いのツボの話が全然なかったですね。
 ご飯はさすがに誘えない、という甘酸っぱさからのひまりのターン。前回あったように体調不良で、殿一がヘルプに入る。デートの途中で知らせが入ってデートを抜け出すような話にならなくてよかったです。いかにもありそうな展開だと思ってたので。飯には誘えない→飯の時間は余ってる、という連結もキレイ。

『SAKAMOTO DAYS』180話

 シンと平助の修行。「フィジカルの限界」という概念には驚いた。それはもうめちゃくちゃ驚いた。ジャンプのバトル漫画でこんな身も蓋もない話をやるのか。もちろん、その後も伸ばすべき方向は残されてて、それを指摘するのが師匠の役目となるのだが。まぁ、トップレベルの殺し屋たちは固有の体格による特徴に沿った超人的なスキルを身につけてる、といいう感じか。固有の術式がどうのこうの、と大差ない。……こういうとき個人的には念の方が圧倒的にしっくりくるんですが、最近は術式なんだろうなぁと変に世間を気にした表現になってしまった。
 殺連お抱えの占い師。そんな『夜桜さんち』にも出てきたみたいな設定……。あっちは一応超能力のある世界なのでまだ分かるが、本作だと謎だな。いや、スーパー記憶能力者とか普通にいるのでラプラスの悪魔レベルの解析能力を持ち未来が分かる、みたいなノリかもしれない。銃弾が当たらない逸話とかモロにそうだし、牡蛎殺しの方も意図的にバタフライエフェクト起こせるので可能、みたいな話のようにも思える。
 まさかの監獄。占い師が監獄にいるので、会いに行くついでに、収監者たちに揉まれて経験値ゲット。ちょっと理にかなってて面白い。ただ、平助は銃もハトもいないとハンデ巨大すぎない?

『アオのハコ』162話

 菖蒲に告白した高砂くん。女子コミュニティの評判も良いイケメンらしい。もうちょっと勘違い陰キャが突撃してくる方が菖蒲の悲劇としては面白いのですが、あくまでも「こいつでいっか」となるのが大事なのでイケメンであるべきだったのか。
 そんな高砂くん。とりあえず好感度高そうなムーブを見せるが、肝心の告白の場面では、告白され “あのね” と切り出した菖蒲のことを “それでさっ!” とぶった切り、保留にさせる。ちょっとずるいぞ。そんな男に菖蒲はやれん!! みたいな頑固親父マインドにもなりそうな話なんですが、正直告白の緊張感と菖蒲の激モテぶりを考えれば「瞬殺するだけは勘弁して」と遅延行為に走るのも人間臭くてちょっと好きです。良い奴感ではないが、嫌いにもなれない感。
 着ぐるみでじゃれつく千夏パイセン。その逢瀬をモブ生徒たちに見られる。ここらへんは2人の関係(と社会的な立場)が着実に進展してるのが感じられますね。ドキドキ感というよりは、小ギャグとして差し込まれたモブたちの姿でちょっと感動してしまった。
 そんなモブもそうだけど、本話のテーマは「うらめしい」。まさかすぎるテーマなのだが、その中でのんきにイチャイチャしてる大喜と千夏というのが微笑ましい。逆に、他は本格的にドロドロしてきたので最高です。スポーツ漫画とかバトル漫画とかで、主人公が出てこない戦いは「どうせ主人公が勝つでしょ」という枷がない分面白くなる現象があると思いますが、本作における恋愛模様もそうかもしれない。おそらく大喜周りではそこまで描くつもりがないであろう、ドロドロ模様が周囲のキャラでは制限なく描ける。まぁもちろん最後までドロドロになって悲劇的に終わるとまでは思わないけど、雛の失恋があったように、容赦なく「負け」だったり、恋愛のイヤな部分を描けるのは周辺キャラの魅力だと思う。匡がそろそろ能動的に動く、大きな決断をすると思うので楽しみだが、高砂くんもなかなかおいしいキャラしてるので誰が勝っても、誰かが負けるので大変おいしい。

『ウィッチウォッチ』169話

 魔神のスランプの紹介。驚くほどに順当な紹介回って感じのデクだ。名前はランプの魔神だと思ってたが、同時にスタプラスタープラチナ)も入ってるのかな。『ジョジョ』知らんので詳しいことは何も分からんが。
 マジでただの紹介で、ちょっとだけ魔女の基礎的な情報が初めて出てくるというだけ。かなり穏当な印象で、ちょっと退屈とも言えるのだが、篠原先生のそこまで大仕掛けじゃない、つまみ食い的なギャグがポンポンと出てくるという意味では結構好きな回かもしれない。『ロボコ』とかもそうだけど、フリースタイル的な感じの回、意外と好きです。作家のシンプルなギャグセンスが出るような印象。

『僕とロボコ』199話

 田舎で男幼馴染だと思ってたカヲルくんが黒ギャルになって再会、という「私の好きなエロ漫画の設定みたいだな!」と喜んでたカヲル回再び。そしたら本編でいきなり「山口弁は母親監修です」と冷や水ぶっかけられるので笑った。エロ漫画設定に母親の監修入ってるのイヤだよ……。設定はさておき、黒ギャルのセリフを母親に監修してもらう宮崎先生すげぇな。胆力。もしくは超仲良し。
 そんなカヲル。モツゴリとライバル関係になるのかと思ったら、意外とこの2人もカヲルにドキドキすることに。本作の3人でサークルクラッシュ展開になるとは思わなかったな。もちろん本格的にクラッシュはしないんだけど。むしろ3人揃ってドキドキすることで逆に仲良し感ですね。
 そんなドキドキ展開のすべてが宮崎先生の母親監修って事実が正直一番面白い。電話で「浴衣で照れてる場面は~~の方が」と実演してもらっててほしい。

センターカラー『超巡!超条先輩』28話

 カラー扉。女性陣集合だったのですが、本編がまさにそういう話なので笑った。
 そんな本編。花園さんの恐怖再び。今回は「ポンちゃんと付き合ってるんでしょう?」という妄想に取り付かれ、その妄想に超巡が取り付かれる。安易な超ポンラブコメ展開にも思えたが、花園さんというフィルターを通すと「たしかにこうなる」という説得力が増すし、さらにホラーという要素も足されるので一気に面白くなるな。思春期とか夢の中に特に仲良くもないクラスの人が出てくるとちょっと好きになってしまう現象あったと思うけど、あれの超高精度版なので超巡が狂ってしまうのも仕方ないというか、不可避。
 その解決方法が暴力だったのも良い。いや、真面目に考えるなら、ウダウダ考えずに全員にすべてを直接伝える、という解決。最初からポンちゃんに相談してれば良かったですね。まぁ一応今回の花園さんの納得にはビンタが含まれてるので、疑われた可能性もあるけど。
 からの今度はリリちゃんでオチ。可愛い女の子はいいけど、警察官が女子高生と付き合ってたら別の意味合いというか、別のドラマが生まれてしまうので危険だ。その妄想に超巡が浸食されたら、飛んでくるのはビンタではなく手錠。警官クビになったらいよいよ花屋に永久就職待った無し(見限られなければ)。てか、それで「かつての想い人が性犯罪者になってしまった……可哀想な私」みたいな妄想をされたら超巡がそれを現実にしてしまうのでマジで怖い話だ。

『鵺の陰陽師』64話

 学郎の参戦、主人公特有の無鉄砲さかと思ったら、ちゃんとそこに大人の判断が入ってるのが良かった。仕事をちゃんと評価された上で心配されてるのが良い。カタコトギャグも良かったし、魅力的な男性コンビが出てきたのもキャラクターに幅が出て良いですね。ジジイもいるし。バランス良くなってきたぞい。
 火車はたぶん女性(型)。やはりここは元カノ、今カノの話なので女性が適切ですね。鵺さんの今カレである学郎だけ明らかに心許ないのだが、そこが良い。 “俺はまだ鵺さんの事を何も知らない” で締められるのにふさわしい場違い感。駆けつけたところで何もしないから意味がないとも見えるんだけど、やはりここで学郎が今カレとしての情けなさを痛感するのは大きいと思う。

『夜桜さんちの大作戦』240話

 長男と会長。事後のみで、説明に終始するのも良かったが、会長の本気(風)バトルも見たかった気もする。まぁどうせ勝てないならドラマ要素を重視したのも分かる。
 長男の名推理。劇中で言われてた通りマジで根拠がなく妄想なんだけど、後半になると凶一郎も会長と同じように「一瞬揺れてしまった」「揺れた自分に気づいてしまった」となるのが良い。だから会長も一瞬揺れたと考えたわけですね。これはキレイ。もちろん根拠と言えるようなものではないんだけど、凶一郎があの推測に至る部分の理屈はしっかりある。
 あとはゴリアテが可愛かったので満足です。パンチが特に好き。

センターカラー『ゾンビジョン』東条指之介

 読切。手塚賞準入選だそうで。
 本編。ゾンビのダークヒーロー。ゾンビらしい人体破損ギャグが面白かったのだが、肝心の登場シーンが一番地味というか、首が多少曲がってるだけなので漫画の誇張表現だったら普通の人でも成立しそうなレベル。もっと首チョンパとかすれば良かったのに。それこそ扉みたいな。後半にも出てくるし。読み終わると普通に面白かったのだが、スタートダッシュが微妙に弱かった印象。首チョンパはとっととやってほしいよな。いや、これは私が首チョンパギャグを異様に好きなだけかもしれない。『Dr.スランプ』とか『サイボーグクロちゃん』とか。
 というか、ゾンビアクションについては正直パッとしなかったかな。首チョンパのくだりはやはり最高なのだが、鋼鉄のワイヤー入り腸とか「ただのワイヤーで良くね?」という感じだし、死なないからという肉壁も拳銃ならまだしも、ガトリングだと普通に貫通もしくは体が四散するでしょ。かなり肝心の部分だと思うし、読みながら楽しみにしてた部分なので結構残念だった。不死身だけど、体はすぐダメになるのがゾンビ設定の魅力だと思うので、あそこでただの無敵になったのは残念というか、ゾンビじゃなくて改造人間(フランケンシュタインの怪物的な)でよかったよな。
 ただ、思わぬところで良かったのが、事件の真相。悪役の所業と父子のゾンビ良い話が予想以上に響いてしまった。いや、前者に関してはよく考えると「10人も取りそろえる必要ある?」とか思ったんだけど(説明が足りない)、子供を替えのきく存在としたのが本作の話の中において究極の悪として説得力あるので好き。同じ建物がいくつもある、という設定も地味に好きだったし、悪の発想がゾンビ的というか、ゾンビの悪い面を象徴してる。
 一方良いゾンビ。手のくだりも良かったし、ゾンビ自身の出自も良かった。贅沢を言えば左手にはもうちょっと具体的な活躍をしてほしかったし、毒ワインの説明のくだりで左腕を使うのが真相を知ったあとだと「危ねぇよ!」って感じでアレなのだが。最後に頭を投げるのも右手だし、ここらへんは結構雑というか、緩いですね。ベタだけど、左手で悪役を殴るとかが欲しいところ。ベタだけど。ただ、頭を投げたが、それはあくまでも逃走であって、攻撃は体の自爆、という意外性は良かった。煙に紛れて少女が屋敷から逃走していた、という説明が全然ないけどギリ分かる、というバランスも結構好きかな。ここらへんはスマートだと思う。それだけにゾンビ設定の遊びが弱いのが不思議だ。
 終わり。「ゾンビの体で遊ぶならもっとアイディア詰め込もうよ」というのが第一の感想なのだが、まぁ作品全体がつまらなかったわけではないです。それに自分の好みに気づけたので良かったです。それこそ『アンデッド』とか、バトルではないが『さいくるびより』的な掘り下げが好きなんだなと。

『悪祓士のキヨシくん』10話

 ネハンに誘われたボウリングに行くの巻。ネハンの陽キャ性というか、コミュニケーション強者ぶりが出てて良いな。陰キャに優しい陽キャ。イマジナリーフレンド的な奴と未だに仲良くやってることで無垢さも確保してて強い。ネハン、爆モテしそうだし、ジャックジョーとキヨシがデートを尾行する回とかありそう。見た目が怖すぎる。
 そんなモブ友人……と思ったら名前が「トモダ」「チダ」なので笑った。この名前ギャグは初めて見たのでちょっと感動してしまった。シンプルながら新しい。
 マドンナが悪魔に取り付かれるもキヨシが瞬殺することでセーフ……ではないよな。人の顔面めがけてボウリング玉全力でサイドスローしたのが周囲に見られてる時点で取り返しのつかない事件だと思う。とはいえ、悪魔を祓うとなったらストライクも余裕で取れる、というオチは良かったです。キレイなオチだし、技術ではなくメンタルにガーターの原因はあるので現実的な理屈だと思う。

『逃げ上手の若君』170話

 戦果の整理。面白い。負けは負けなのでつらい話が多いが、財はなくても名付けセンスで必要以上のリターンを得る天皇ってのも面白かった。案外本人としても死活問題なので超必死に考えてたのかもしれませんね。元服で名前が変わるとかはさすがに知ってたけど、そのシステムの裏側はまったくの無知で興味深い。
 若はまったく評価されてないのが謎なので、何か頑張って辻褄あわせました、という説明が相変わらずダルいのだが、最後突然『食戟のソーマ』の日常回みたいな話になるのは笑った。顕家の鮭の件とも繋がってるんだろうな。

『願いのアストロ』19話

 ヒバルの全力パンチをシオウが防ぐ(必死)。単なるテレキネシスではなく重力の操作だそうです。正直テレキネシスじゃない理由はどこにもないと思うんですが、まぁテラスがああ言ってるんだから重力なんだろう。重力で先週までのガレキの操作をしてたと考えると逆に難易度が高すぎると思うが、まぁ重力なんだろう。漫画的に。地球の重力の強弱を操作する(上下のみ)ではなく、好きな地点に重力を発生させることができるタイプ。重力で引き寄せる物質の指定もおそらくできるよな。じゃないとヒバルを後ろの方から引っ張ればパンチは防げますし。いや、重力という説明、考えれば考えるほど飲み込みづらいな。まぁバトル漫画だと雑なノリで重力キャラいるのでその一環と考えれば特筆すべきものではないんだろうが。
 んで、シオウの大いなる計画が進行したっぽいのでヒバルへの興味は失って痛み分け。ヒバルの “金剛の絆を大事にするなら” “オマエが組長でもいいと思ってる” に対して、シオウはモノローグで “母さん” と語る。これは良いな。めちゃくちゃ良い。超面白そう。あくまでも家父長制としての組の維持を目的とするヒバルと、おそらくその被害者である母親を行動原理にするシオウ。めちゃくちゃ良い対立軸。ヒーローサイドが「家」的には大事にされてる点はちょっと『ヒロアカ』の轟家も連想した。ファザコンザコンの立場は逆だけど。

『アンデッドアンラック』220話

 久々のアンディ(と風子)の本気バトル。久々だとアンディの戦闘スタイルが普通にキモすぎるので笑っちゃった。別に今回新しい技を披露するようなことはなく、既存の技を新しいアイディアで使ってるだけなんだけど、皮のくだりは新鮮な気持ちでギョッとしちゃったw
 んで、新コンボ。相手の体内に入ることで常に不運を与えることができるし、いつでもどこでもアンディ本体を敵の目の前に出現させられる。このアイディアもすごい良かった。この路線をガチるなら敵から距離を取ったりして隙ができたら即座に風子とキスするなりして不運を溜め続けるのが強いと思うんだけど、戦闘の隙間に恋人とイチャイチャし出すのは絵面としてイヤだな……。いや、手を繋ぐ程度だと本作らしくてかっこいいのだが。

『キルアオ』67話

 家庭課部の皆には秘密だが敵と対話しなくちゃいけなくて……という部分はかなり焦れったいというか、正直無意味な緊張感にも思えた。戦うに当たってノレンとは別に「銃社会の目的に賛成なの?」という点を確認したのはめちゃくちゃ良かったし、何よりも大事だと思うのだが。設定がややこしい。
 そんなややこしさに対して、「踏み込むのはやめよう」と決断する家庭課部。正直漫画的な都合の良さも感じるんですが、その点をかっこよく描いたのは見事だったと思います。総じて意味のないやりとりだとは思うのですが、今更避けられないので、その上ではうまい扱いをしたと思う。
 んで、校長がおそらく唯一信頼してる人が登場してエンド。髪質で親子だと示す方法もあるのかとちょっと面白かった。たしかに家族の存在は示されてたけど、それが中学生の息子となるとは思ってなかったなぁ。見事だ。

『さいくるびより』16話

 夢の世界を見てるしかないことね。同じ一日を無限ループしてるなど情報を読みとってはいくが、何もできないので見てるだけ。からの唯一夢に干渉できる方法を見つけだしてエンド。自分は自分のことを認識できる、と一瞬納得しかけてしまうが、よく考えるが謎である。このままふわっと流れてく可能性もあるが、母親のサイクの秘密みたいなところとも関わってくる可能性もあるかもしれない。あくまでも母親が夢の中に再現した娘なので、リアルことねがそこに特別な繋がりを持つわけではない……よね。いやまぁ、読心によって母の思考とドッキングした時点で、夢の中のことねにリアルことねとの繋がりが生じた、みたいな可能性もあるか。何にせよ夢のサイクについての説明が全然ないまま進んでるので、おそらくそこは期待していいんじゃないかな。夢という題材はかなり定番だと思うけど、本作の理屈構成かなり好きなので、本作が夢をどう扱うのかはかなり興味ある。

『極東ネクロマンス』18話

 最終回。前回、一件落着からの不穏な始まりを見せたので何かと思いましたが、「予定してた次章のプロローグ」って感じなのかな。シシとチタリ、そして指輪の真実という本作に残されてた余地、をテーマとして提示だけして終わる。まぁもちろん「こういうのがやりたかったなぁ」という恨み節なのは間違いないのだが、この最終回の形式、結構好きかもしれない。てか、先週の内容が最終回としてかなり丁寧に作られてたので、それとは別個のエピローグ(てかプロローグ)を一話丸々描いてバッサリ終わる。強引に終わらせた感じはなく、むしろ計画的でキレイなのは明らかなので、これはかなり良い最終回だったんじゃないか。終わらざるを得なかった最終回としては、ではあるが。『ヒロアカ』とか『鬼滅』、『こち亀』もそうだったけど、最終回の1つ前が実質的な最終回として完璧な形だったと思うんですよ。そんで最後に一話で特別なことをやる。超人気作と本作ではその最後の特別な一話の方向性が全然違うものの、最終回の1つ前にキレイに完結させる、という点では同じと言えるんじゃないかしら。こうなると『呪術』の終わらせ方、最終回の1つ前がどうなるのか気になってくるな。次の次ですね。
 そんな描きたかった次章にして真の最終章。世界の真実、死霊の始まりに関わる話として面白そうなんですが、その壮大さから急にヤンデレ彼女みたいなラブコメ要素がぶっ込まれるので笑った。公私のギャップがすごい。そこで初回と同様にばあちゃんが関わってくるのもうまい。いや、さすがに可哀想すぎるのだが、キレイではある。変な最終回なのは間違いないと思うが、正直かなり好きだし、計画的にキレイに作られたエンディングだと思う。まぁ、毎回思うけど、短期打ち切りでエンディングを丁寧に描くと、作品全体に占める最終章の割合が大きくなってしまうので新たなイビツさが生じるとは思うのですが、まぁこれはジャンプのシステムが悪い、に尽きると思います。

『妖怪バスター村上』11話

 村上の不調。ホロホロの実ですね。唐突ではあるが、最後の四天王との決戦を前にできあがったチームの結束を深めよう、という話は意外とめちゃくちゃまともというか、普通だ。エースである村上を失うことで紅院がリーダーとして活躍する話になってるのも意外とまとも、ちゃんとしてる。いや、リーダーとして活躍できたのかは分からんが、紅院らしい形での活躍ではあったと思う。
 イルカだかドラゴンの肉を食う紅院。何だろう、ドラゴンの肉よりもイルカの肉の方が「それ食べて大丈夫?」と心配になる余地がある。不思議な感覚。「人語を喋る相手の肉を喰うなよ」という前提はもちろんあるが、なぜか「ドラゴンならまぁいいんじゃない?」と思えてしまう不思議。
 ということで紅院の活躍。猫、意味深である。村上、紅院のことは何よりも大好きだが、それはそれとして自分を慕う女友達はいるし、紅院に彼女的な女性が現れるのも歓迎するスタンスだったと思うが、今回の猫、猫ひろしの名前の由来みたいな意味を連想せざるを得ない。ポースマスポーツマス

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9月はまだまだ暑いので、セルフメンテナンスの話。「まだまだ暑い」が雑すぎるし、漫画関係者と編集者に向けてるのが謎だし、その内容が暑さと関係ない。突然やりたかっただけ感がすごい。
 ということで、漫画関係者(に編集者も含まれると思う)は体に不調を抱えやすいので、ストレッチとかツボとか。急に掲載する雑誌を間違えたかのような特集だ。2ページでやるにはちょっと量が多すぎると思うというか、詰め込みすぎてちょっと読みづらいレベルなのだが、週ちゃんは毎週ツイッターで公開してるので、この2ページがツイッター上に放流し続けるのは案外有益なことなのかもしれない。

次号予告

 新しい連載が流れてきたぞ~っ! 他誌でヒット済みの人気作家である。和久井先生から始まった流れはやはり続くのか。ちなみに「次にくる」で2位だった作品の原案者なのでタイムリーです。和久井先生が次号センターカラーなのには何かメッセージを感じてしまうな。マガジン、チャンピオンと来たので、せっかくだからサンデーから誰か来て四大誌の人気作家がアッセンブル、みたいな展開見せてほしい。そのためには来週の新連載と『アストロ』には人気を続けてもらわないと。
 が、正直そんなこたぁどうだっていいんですよ。いや、読んだことないからってのもあるけど、問題は原作ではなく作画の方。宇佐崎先生がついに連載に凱旋である。熱い。あまりに熱い。過去作が好きとか関係ない別の軸で、「とにかくめでたい!!」と祝福の気持ちが湧くレアパターン。少年主人公でファンタジーで、おそらくバトルらしい。普通に楽しみになってきたな。狩り暮らしの少年が魔法ファンタジーの世界で活躍する話っぽいので『ブラクロ』『マッシュル』あたりを連想したのですが、肝心の『入間くん』のこと知らんので何とも言えない。
 新連載2本目は『アメノフル』コンビ。食べ物バトルではなく忍者っぽい。たぶんバトルなのかな。食べ物で忍術やってほしい。3本目は初連載……だが、ジャンプ初掲載は2014年だと思う。10年戦士でもはやベテランと呼ばれても不思議じゃないレベル。これまた熱い。現状、ジャンルが1ミリも想像できないという意味でも楽しみです。マジで何にも分からん。
 楽しみなのは新連載です。そりゃそうよ。

目次

夏休み西日本でたくさん釣りしてきました!あとサウナと美味い飯!ドーミー!
(『僕とロボコ』)

 他にも将棋や麻雀が好き。宮崎先生、理想のオジサン像を体現してるような人だ。なんでジャンプで連載してる、それもジャンプ作品大好きな作風で連載してるのか不思議になってくるレベル。

愛読者アンケート

 読切についてと、『カグラバチ』ポストカートについて、そしてジャンプPRESSについて。あれだよね、youtubeでやってるニンダイ(その他ゲーム会社自身による発表)みたいなチャンネルのことだよね。知ってるが観たことはない。発表はすべて誌面でやってほしいのう……という老人だから腰が重い。し、話題になったら何かしらの形で耳に入ってくるだろ、とタカを括ってるのもある。

総括

 何とか水曜深夜に終わった。きつかった。正直また木曜にしてもよかったくらいの進捗なんですが、別のことがあるのでとっとと終わらせたかったです。終わって良かった。

 今週のベスト作品。作品ではないが、一番心が動いたのは間違いなく次号予告。まぁそういう楽しみ方が好きな人こそジャンプPRESS向いてると思うのですが。
 次点は読切と、『極東』『ひまてん』『SAKAMOTO』。

 ベストコマ。『夜桜さんち』より、ゴリアテの左パンチ。ゴリアテが活躍するゴリアテ回だとああいう可愛さは逆に描きにくいと思うので(最終章だとなおさら)、マジでめちゃくちゃ嬉しかった。欲を言えばこのノリでアイさんも見たいのだが、さすがに無理なのかな……。

 ベストキャラ。『ロボコ』よりカヲル。「エロ漫画設定ギャルだ!」と喜んでたら母親監修という牽制球がドタマに飛んできたので笑いながら死にました。
gohomeclub.hatenablog.com