北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年49号の感想

 フリーザーex、カスミ、表、表、降参。

表紙

 『逃げ上手』。いかにも美ショタで勝負てしそうな表紙なのに付録が「おじさん大集合シール」なので笑った。考えたこともなかったが、たしかにおじさんキャラが多彩だ。歴史モノだと不可避ってことなのだな。

読者プレゼント

 桃太郎。グラビア衣装が4種類もあって豪華……はさすがに言い過ぎだが頑張ってると思う。あと、グッズ紹介の家来ダジャレがそれぞれ2つあるのが良かったです。普通は1つ入れるだけで満足しそうなもんですが。
 あと、最近ずっとハガキの送料が無料で、「やっぱ無料であるべきだよな」と思ってたんですが、それとは別にハガキの送料も値上げがえぐいので、アンケートの量が激減することを警戒してるだけかもしれない。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』179話

 巻頭カラー。いわゆる学パロというやつ。女性陣だけコスプレしてて本当に謎だと思うんだけど、これは私が世間知らずなだけで、本作の女性陣普通に人気あったりするのかしら。いや、人気作だからそれ相応の人気はあるだろうけど、若に全振りみたいな印象がどうしても強い。
 本編。ミまのその後。寝取られメールみたいな話だ。というか、よく読んだら若がツッコみはするけど、止めてない(ので実行してる)ので笑った。……「ミま」ってどういうこと? 何か引用なんだろうけど、何をどうしたらその表記で後世に伝わることになるのか。
 塩温泉。山なのに塩なんてことあるのか。驚いてしまったが、よく考えたら『ナニコレ珍百景』で似た話を聞いたかもしれない。場所は覚えてないので、ひょっとしたら同じところかも。……調べてみたら同じだ。すげぇ、変なところで知識が結びついて快感。
 貞宗。すっかりおじいちゃん。ちょっと驚いた。おじさんシールに入れないではないか。人生の幕を下ろそうとしていたところ、若の噂を聞いて最後の一踏ん張り、というのが良かった。なかなか見ないパターン。そもそもここまで年月が進む作品もジャンプだと珍しいか。

『あかね噺』133話

 過去編。どうやら一生メインで進むらしい。今後のことを考えたら当たり前かもしれないが、ちょっと意外だった。あとこれは先週も思ったけど、2人の師匠の名前が出てこないのね。無駄に本名出してもややこしいからという配慮なのか、本名出したらちょっと驚くような仕掛けがあるのか。さすがに前者かな。後者は思いつかない。
 一生の親父の話から、先週のクズの親父。父子の関係としてどちらが理想的なんですかね。からの師匠という新たな父の登場。
 ヤクザの親父が出てきたビッグネームに怯んで逆に息子をボコる。ちょっと『ジョンウィック』一作目みたいな瞬間だ。それだけで、だから何だとという話ではある。

『SAKAMOTO DAYS』188話

 坂本とトーレス。師(一方的)曰く、 “殺し屋ってのはもっと何か1つに突出してなきゃ勝てねぇんだよ” 。シンの限界の話と同じですね。本作独自の世界観というか、強さの指針なんだと思う。基本的に超能力はない(例外もある)設定でこの考えになってるのが面白い。ORDERとかがオモシロ武器使ってるのもこの理屈ですね。もちろん漫画としてのオモシロのためで、その補強となる理屈なんでしょうが。
 からの妻子。「妻子に紹介したくない師匠だな……」と思ったが太郎的には問題がなく、話としては妻子の才能(てか常識的なスキルと知識)にトーレスが驚く。漫画的な誇張が強いので葵さんの料理スキルは本当に超人的なのかもしれないが、話としては普通に料理しながら会話する人に対して驚くってことだと思う。
 こうなるとトーレスの異常性が単なる変人ではなく、出自、おそらくアルカマルとかそういう類の悲劇を考えてしまう。漫画的に楽しいギャンブル廃人という「キャラ付け」ではなく、おそらく殺連による被害者。天弓みたいな成功例かもしれないが、天弓よりかなり高齢なので事情が大きく違ってそう。ORDER入りも追加徴集だったわけだし。ギャンブル廃人だったのも保留のための措置かもしれない。
 トーレスが過剰に驚いてるだけかと思ったら、常識的に家事を手伝える坂本の成長ラインの話になるので驚く。真に受けていいのか少し悩むが、たぶん本当なんだろうな。「洗濯物干すのもHiphop」の殺し屋バージョン。『大東京鬼嫁伝』でもZORNの引用してたのを思い出す(あっちはほぼ確だと思うが本作は怪しい)。
 んで、天弓。狙いは葵さんと花ちゃん。衝撃の事実みたいに出てきたけど、妻子が狙われるのなんて真っ先に発生する問題だと思うので不思議な気分にもなる。まぁ、敵陣営のボスが有月なので「それはダメです」とブレーキかけてくれてた、となるのは良い理屈。そう考えるとやはり怖いのは殺連の方で、やはりコンビニフランチャイズによる乗っ取りが急務。

『魔男のイチ』9話

 サメの試練開始。はいいのだが、ルールがすげぇ雑な状態で始めるので今後が不安になる。急にサメが “もう魔男ちゃんがラストね” と言い出すのとか、今回はそれなりに数こなしたからイヤな感じは薄いが、運用上「そういうのは先に言ってくれないと」とは思う。
 んで、そのイチが「私にいい考えがある」と某司令官みたいなことを言って乳首披露。雑だけど、男性キャラの乳首久しぶりですね。いつ以来かは知らないけど。
 ……などと考えていたら次が『アンデッド』なので楽しい。現役最強の全裸主人公。

『アンデッドアンラック』229話

 戦争経験組と戦争の戦い。なるほど、これは面白いな。全然気づいてなかった。そこで人間側が “戦争にもルールがある” とルールの話を始めるのも良い。戦争法ってやつですね。主人公サイドが戦争を主張として掲げるのって相当やばめな話だと思うんだけど、「戦争法大事!」と主張することで何となく印象が緩和される。まぁ、否定者がルールの肯定してるのでややこしい場面ではある。それが面白いとも言う。
 ソウルがジュリアを襲い、否定者サイドが集まって時間稼ぎ。熱い展開ではあるが、私は本作の魂について何も分かってないので、ソウルがどういう攻撃をしてるのか未だに分からないのであった。味方サイドの魂の運用も全然分からん。『逃げ上手』の神力と本作の魂、現ジャンプにおける二大難解設定だと思う。いくら説明されても目が滑る。あまりに分からなすぎて「どうせ作者もよく分かってないんでしょ?」と失礼なことを考えてしまう始末。3割くらい本気。
 アンディが真っ二つになることによって初めてヴィクトルの話になる、というのも良かった。具体的な理屈が通ってるかは知らんが(たぶん通ってない)、絵的に、象徴的な納得度として好き。

『アオのハコ』171話

 傷心の匡のために何とか、と頑張る大喜。良い。めちゃくちゃ良い。女子陣の傷心を癒す友情も良かったが、男子陣営もそういう関係があるのが良い。
 そんな女子傷心、傷心癒され経験者である雛がその場に合流。傷心相手(大喜)がいる目の前で匡の傷心の件を聞いて同情するのとか事態が複雑すぎて、というか大喜が気まずすぎる。あそこであっけらかんとしてる大喜、及び彼がああなるような3人の関係性は魅力的ですね。あなる。いや、大喜が無頓着すぎるのではないかと数%不安にはなる。
 傷心組が偶然2人きりに。同じに思えた2人だが、 “相手がいる人はダメだよ” と2人の違いが決定的に示される。匡のがつらいという話にもなるが、この理屈は咲季の傷心(現在)にも当てはまりますね。もうちょっとまともに、真正面から迫っていたら彼女の印象もかなり違ったんだろうな。雛の失恋と咲季節の失恋が同じものとはどうにも受け付けづらい。

センターカラー『カグラバチ』56話

 悪いなのび太、このどこでもドアは4人用なんだ……みたいな話。いや、本作の場合はスネ夫が単身残ってのび太たちをどこでもドアに詰め込む。
 先週のハクリから死にたがりとか自己犠牲の美しさを強調しすぎててちょっと食傷気味だったんですが、今週のラストでそのハクリが「全員助けるんだよ」とするので良かった。それならどこでもドア発動しなくて良かったと思うんですが、まぁ妖刀持ちなら特に考慮するほどの距離ではない、という感じか。
 前から分かっていたが、ハクリの能力が便利すぎる上、いきなり妖刀持ち2人出現みたいなことになるので、話にならないレベルで勝てそう。なので、逆に何かビックリ展開があって大敗北しそう(ネガティブ思考)。もしくは便利すぎるのでハクリは1年くらいの出場停止処分。

『ひまてん!』17話

 一人暮らしの女子の家再び。ひまりのときは汚部屋。今回は引っ越ししたてでモノが氾濫。あまり色っぽい雰囲気にならないのが絶妙である。「良い匂いがする」みたいな気持ち悪いリアクションをする余地がない。セーフだ。
 カンナは殿一のエプロン萌え。制服というか、職業服萌えってどの業界でもあると思うので納得しつつも、目から鱗だった。女子側の性欲(性癖)の話になるのも面白い。
 ……とか思ってたら、もっと特殊な好みの話になるので笑った。笑ったが、まぁちょっと単純化されたようでもあるな。彼女は執事属性萌え。思いっきりフィクションの属性だが、それを現実に置き換えるとまさに殿一。エプロン萌えも納得である。
 現在のジャンプに、カンナの好みに合う人がいるのか考えたくなってくる。執事といえば『逃げ上手』だが、女性に仕える男性執事はいないので、一番雰囲気が近いのは『しのびごと』あたりだろうか。「メガネ出張ってくんな」とか物騒なこと考えていてほしい。男男の執事でいいならお死枚さんもいるな。あとは『鵺』の凶骨あたり。年齢差(的なもの)があるのでちょっと違うかもしれないが、実際に結構人気ありそうなイメージ。……現連載陣から少し離れていいなら『ヒロアカ』のジュリオが正直強すぎて試合にならないレベルで強いと思う。カンナは早く『ユアネクスト』観てくれ。
 そして、 “好きな子以外にも優しい所が 家守さんに似てるんだよね…” らしい。二番手上等なスタンスがちょっと都合良すぎる気もするのだが、殿一を取り巻く恋愛事情がすべてほのかありきで構築されるのはむしろ良いかもしれん。あと、この説明が執事に当てはまるのかちょっとピンとこなかったです。これは私の執事(キャラ)の知識不足かもしれない……。基本的に振り向いてもらえないスタートの作品が多いってことなのかしら。ジュリオは殺そうとしてくれるのでおいしいぞ。

『願いのアストロ』28話

 テラス戦。テラスのバトル的な成長が描かれるのかと思ったら、何も描かれないまま決着がつくので少し笑った。ツメゲリ部隊を倒したクロコダイルみたいになってるけど大丈夫?
 前回のポセもそうなんだけど、風のアストロを後付けで付与された人の名前が「風香」なの面白いな。めちゃくちゃ風アストロをもらうために生まれてきてるじゃん。分かりやすさを出したかったのかもしれないけど、ここは関係ない名前の方が良かったと思う。氷室が氷使いなのはいいのよ。冷徹な奴だから願いも氷になるって設定なので。
 そんな風香の過去。アストロのない氷室の仕事がクソすぎて笑ってしまった。凶悪すぎる。冒頭の包茎の罵倒もそうだけど、マガジン系列のバイブスを感じてしまうな。偏見もあるのかもしれないが。さらっと描かれる悪事が妙にリアルというか、堂に入った雰囲気がある。
 んで、ヒバルと氷室。ドーピング展開が『忍者と極道』っぽいんだけど、本作は主人公が極道なのでややこしい。

『白卓 HAKUTAKU』7話

 プログラマーのスカウト。逃げられたので電動キックボードで追跡。原チャリに追いつける速度が出るのか知らないんですが、 “なんでそのトシでクレジットカード決済ができるんだのとさん” は笑った。「クレジットカード決済」という身近だがジャンプでは見かけない文字列。
 んで、公園で遊具を奪われた子供たち。ゲーム作りの根幹であるオモシロルールの発想力が発揮されるシチュエーションとして面白い。本作のこういうとこ丁寧で好きだよ。ただ、敵となったり、話を進めるためのキャラクターがやや……かなり類型的になりがちなのは気になる。学校のイジメクズ野郎とかかなり良い予感がしてたんですが。

センターカラー『復活神ハンザキ』大川カズヒコ

 読切。金未来杯5本目。最後。初めましてかと思い進めたらものすごい既視感。「ベタな話ってことかな」と納得しかけましたが、調べたところショートフロンティアで一度掲載されており、それを元に本作を作り上げたって感じですね。ベタではなく、普通に見たことある人だった。ごめんよ。


 本編。ウーパールーパーみたいな神様だが、サンショウウオ。知らなかったけど、分類的にかなり近いらしい。なので本作は厳密には違うけど、ジャンプでウーパールーパーが題材の作品、結構多いですよね。ざっくりとした印象だと、野球漫画よりウーパールーパー漫画の方が多いと思う。
 邪神との掛け合いも楽しいのだが、ドラマパートの重要部分を占める主人公とジャイアン(違)のこじれた関係も面白い。深刻なイジメの話にも思えて、どこか深刻になりすぎないギャグ的なバランスでもあり、イジメとは別の深刻な事態へと発展していく。この温度がめちゃくちゃ良かった。超好き。ギャグとシリアス、水と油の撹拌具合が大変好み。ジャイアンが自身の危機に気づくまでのタイムラグとか超良かった。ギャグのノリからシリアスな危機へと変容する1ページ。
 エピローグで、主人公の湿布とジャイアンの絆創膏。非常においしい。モブっぽかった残りの2人も出番は少ないながら血の通ったキャラクターになってて良かったです。放置されたのは可哀想だが、まぁそれは尺の問題か。
 終わり。良かった。ウーパールーパーと邪神といえば上木先生を思い出すので(『マグちゃん』後の読切がウーパールーパー)、正直少しノイズにもなったが、それでも面白いは面白い。かなり良かったのではないでしょうか。ギャグ混じりにドラマを進められるので強い。

『僕とロボコ』208話

 町おこし用のPR動画にロボコが主演。ロボコ抜擢のくだりを除けばそこそこありそうなスケールの小ささ。目新しいシチュエーションなのに、ありそう。すごいところに目を付けたと思う。
 完成品。『ドラゴンボール』とかのパロディを除くと宮崎先生の思いついたギャグをそのまま出してる感じでかなり好き。ぶっちゃけすべてが面白かったわけではないが好き。逆に言うとパロディは手堅く面白いやつを隙間に入れていったって感じのデクかな。

J新世界漫画賞大募集中

 藤巻先生によるアクションシーンの描き方。カメラワークの話なんだけど、いわゆる「イマジナリーラインを越えるな」という話をしてる。ただ、それを専門用語ではなく “自分がカメラを持って撮影してるつもりで近づいたり離れたりして” と表現してるので目から鱗だった。カメラの瞬間移動は基本ナシ。これでイマジナリーラインの説明の代わりになりますね。映画だったらカットを割るごとにカメラが瞬間移動することになるけど、漫画だとページを跨ぐのが似た感じかな。
 『キルアオ』もっと読みてぇ~ってなったが、今週の『キルアオ』にアクションはあまりなかったです。少しだけある。

センターカラー『しのびごと』8話

 抜け忍の上司。部下への接し方でクズであることを示すんですが、そのクズさがちょっと予想と違うというか、怖いんだけど少しピントがずれてておかしくもある。このバランス好き。
 ヨダカとアオイ。周囲から手下のように見られてる、からの若干のキレも混じった(ようにも見える)「友達」宣言。熱い。からの、2人きりになる発端となった野球部のボールが飛んできて……というのも話としてキレイですね。いや、キレイすぎて「あの野球坊主が暗殺者か!」と一瞬誤解しましたw

HUNTER×HUNTER』405話

 ヒソカ(本物)登場。本章初登場ってことになるのかしら。覚えてない。誰に聞かれたでもないのに突然独り語りで「蟻には興味がなかっただけ」と謎の言い訳をするので笑う。いや、読者の間ではちょくちょく話題になってた件だけど、ぶっちゃけ重箱の隅をつつくような話じゃないですか。それを真に受けたかのように説明されると、個人的には萎える。蟻編でインフレをしたのは確かだけど、その後の話でインフレを抑制するようなバランスにはなってたと思うので、説明がなくても全然ヒソカのカリスマ性というか、不気味さは保たれてたと思う。「そんなに気にしてたんだ……」と悪い意味で人間臭さを感じてしまった。
 ヒソカのオナニーは「マスベ」。レオリオは「センズリ」「ズリセン」だったと思うが、オナニーの言い方にそんな個性出されても……となるので正直ノイズではあった。というか、気取った台詞回しの部分はどうしても「昔の作品」って空気が漏れ出ちゃいますね(マスベに限らず)。あまり直視したくない事実だ。
 ボノの変身。踊りの能力の一環ってことだと思うけど、「変身するためには裸になって踊る必要がある」ってかなり面白い制限だと思う。潜入とかに向いてる……とも言えない。意味不明な理屈だが、魔法少女アニメとかで一旦全裸になるのと似てるので何か飲み込みやすい。ボノも変身するときアニソンで踊ってほしい。
 心配される団長。冷静さを欠いてて危なっかしいと見破られてるの面白いな。だから先にヒソカを見つけて戦闘員グループに戦わせたい。旅団としてのカリスマ性よりも人間味を打ち出してますね。過去編で決定的だが。
 それはそうと、巨大な吹き出しに挟まれながら喋る団長のコマ、超面白かった。「コマがテキストで埋め尽くされてるよ!」というのは今までもあったが、それでも漫画として違和感のないように体裁を整えてたことが分かる。今回のはかなり厳しい。

『夜桜さんちの大作戦』249話

 双子、戦闘の最前線にぶつかる。クソハデなモンスターバトルが飛び込んでくる絵面には笑った。からのホログラム作戦の有用性というのも良い。
 すぐにバレるのには笑ったけど、その後すぐに旦に対してもすべてを白状して、その上で実力を認めさせて合意を得て走り出す。意外であり、2人が悪い子にならない絶妙なバランスで見事だったと思う。長男の開花に勝つことが卒業試験みたいに機能してるのもキレイですよね。合理的に考えたら「そんな強かったら手伝ってもらったら?」となるんだけど、当然2人にそんなことさせるわけはない。

『悪祓士のキヨシくん』19話

 サカキさんの本気。出目によって強さにブレがあるらしく、最初の傘はショボめらしい。それでちょっと不安にさせておいて、実力で圧倒。敵が悪魔パワーで逆転したら、今度は良い出目でさらに逆転。平たく言うと「サカキさんのが強かった」で済むんだけど、それを適度にハラハラさせつつ見せてくれる。細かい能力の内容は知らんけど、前半に出たショボめの傘の方が能力がシンプルな分、汎用性が高い、みたいな印象も受けた。強い人が使うとメインウェポンっぽく思えるくらいの説得力。
 悪魔に魂を売ったチカラ、からそれの源と推測される右腕を斬ったのも良いですね。強さで圧倒する展開だが、意外と優しい。
 んで、サカキを引きつける作戦だったらしく、本命はオカ研による大魔王召喚。これはオカルルコ、使い捨てで終わりそうな予感……。非常にダメそうな気がする。オカ研、好きだったのになぁ。

『鵺の陰陽師』73話

 バトル……の前に結界。副隊長を殺しても結界は保たれるらしく、暴力で解決の線は早くも詰み。学郎が説得するはずが、諦めるしかないと2人から言われる始末。良い絶望スタート。
 戦っても無駄と独りで諦めてる藤乃をよそに、というか彼女を見て余計に足掻きまくろうと決意する学郎。良い。解決策も、その糸口も分からないけど現状が良いはずがないのでそれを変えようと足掻くしかない。そのことに迷いが一切ない、のがヒーローですね。
 そこに副隊長が自身と藤乃を天秤に掛けさせて、という2択も良い。正直「どんだけ自分を高く見積もってんだよ」という話ではあるが、藤乃さんが前フリとして入るとめちゃくちゃ気持ちいいというか、非常に熱い。まぁ、副隊長の言い分は出会った頃から一貫してるので、ここで問うべきは「好きでもないこの女のために」的な追求だと思う。そこを避けたのは少しだけ都合も感じた。恋愛方面で学郎はまだ結論を出す時期じゃない、という事情。

『超巡!超条先輩』38話

 犬飼Ωによるゾンビっぽいウイルス。結局アンブレラ社が悪いので笑った。やはり日本ゾンビの最大手ってことなんだろうな。
 籠城する非感染者と、そこにすがる主人公、そこに感染者疑惑。ゾンビと違って確認方法が簡単なのには笑ったが、リリちゃんの答えた「メグルの良いところ」がちゃんとリリちゃんの考えた良いところになってるのがキモくて最高。犬飼Ωの思想をなぞってるわけではなく、大好きな気持ちだけが感染し、リリちゃんの巡知識の中で良いところを考えてる。残酷すぎる。正気に戻ったあとのリリちゃんが可哀想だ……。
 警視、贖罪として海外派遣、てか捜査。事態が事態だけにご褒美を与える話にはならないのが妙に誠実。からの再びのビデオレターなんですが、今週もまたJASRAC申請を回避するリクエスト曲が素晴らしかった。音楽情報は何も描写しないが、例のイントロを読者に幻聴させる。それに伴う新宿感。本作が近いのは『こち亀』だと思っていましたが、新宿の先輩にレジェンドいましたね……。

『キルアオ』76話

 『プリキュア』的なものにハマる十三。長期シリーズだからこそ成立するジェネレーションギャップと取っつきやすい入り口。物質としての映像ソフトは入り口に過ぎず、ハマったら自らの意志でサブスクに加入し延々と……という展開もものすごくキレイ。昔の作品にハマる話ではあるが、それにハマる中年というのが非常に今っぽい。いや、中年に限らないか。
 からの15年ぶりの新作映画、というのもめちゃくちゃありそうで笑った。もうすぐ某『忍たま』の映画もやるし、『ゲゲゲの謎』もあった。それとも似たものを感じる。てか、『プリキュア』もやってたんだっけ? 今後も増えそうな気はする。
 そんな映画。現実を感じすぎてあまり刺さらない。結局はおじさんが女児向けにハマるという距離感が大事だったというのはいかにもありそう。……からの強盗に巻き込まれて映画の良さに目覚める。完全にギャグだけど、現実と折り合いを付ける話として何気に良い話だった気もする。気もしてしまう。
 てか、殺し屋が聖書の引用をするのは『パルプフィクション』なので映画ネタですね。普通のおじさんだったら聖書を引用するんだろうけど、という捻り。

『妖怪バスター村上』20話

 村上対山本。世界征服とか悪の定義はいつもの屁理屈のようにも感じたんだけど、 “そもそも妖怪ってそんな悪いやつらなのかな” が出てきて村上の中にある一貫した考えが見えてくる。考えというか、本作のこれまでの話で村上が経験したことに基づいてる。特に妖怪学園が大きな転機でしょうか。攻撃としての屁理屈ではなく、あくまでも村上がマジで疑問を抱いてしまった、という質問。
 からの四天王のときにもあったプロデュース的な視点になるのも良い。とにかく今までの経験が活きてる。先週「すごい妖怪らしいが何一つ知らん」と感じた読者に響く展開になってるのも良いですね。どうやらちゃんとした元ネタはあるらしいので、そっち詳しい人からするとムカつく話かもしれないが……。
 あと、世界征服の定義はアメリカ合衆国大統領になることだと思う。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 11月は修学旅行シーズンだそうで、京都以外の修学旅行先特集。京都は以前にもやった。
 圧倒的に多いのは沖縄。これといって象徴的な場所はないと思うが、どれもかなり有名ではあり、沖縄全体のネームバリューが強い、というのが作劇的に便利そうな印象。
 当然東京もあるのだが、それを担当するのが『こち亀』なので強い。正直『こち亀』以上に東京を描ける作品はないじゃろ……。
 スキー場も修学旅行としてお馴染み感あるけど、漠然と「スキー場」なのがこの並びだと少し笑える。スキー場で勝負してるとこに失礼な気すらしてくるが、具体的な場所を挙げるとそれはそれで別のどこかが「負けた……」ってなるので難しいですね。
 珍しかったのが『ぼくたちは勉強ができない』の福岡。「京都じゃなかったっけ?」と思ったら最終回周りのマルチエンディングなのであった。そんなのあったねぇ……。正直あまり良い手だったとは思えないかな、今思い返すと。

次号予告

 『白卓』がセンターカラーじゃなかった。マジか。意外。2度目は保証される印象があるので、いつか来ると思うんだけど、なんでタイミングずらすんだろう。
 代わりに『キヨシくん』がセンターカラー。ここの同期の『村上』はおそらく一生カラーは来ない。いや、1周年だとさすがにあるかな。
 個人的な注目は『白卓』のカラー。

愛読者アンケート

 読切。支持。
 付録のおじさんシールについて細かく聞かれてるので笑った。面白い企画だと思ったが、おっかなびっくりじゃねぇか。このアンケートが好評だったら今後もネタ系の付録増えるかもしれませんね。『坂本』のモブ殺し屋シールとかやってほしい。

総括

 何とか発売から3日目に終わりました。ただし深夜。よかったよかった。

 今週のベスト作品。読切です。面白かった。
 次点は『鵺』と『SAKAMOTO』。

 ベストコマ。『魔男』イチの乳首。珍しかったので。

 ベストキャラ。『SAKAMOTO』のトーレス。彼の無知に劇中の誰かが疑問を持つわけじゃないけど、明確に読者にその違和感を与える話になってて面白かった。同じ回に天弓を出すことで「要するに~?」と示唆するのも見事だったと思います。
gohomeclub.hatenablog.com