- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『アオのハコ』180話
- 『あかね噺』142話
- 『ONE PIECE』1136話
- 『魔男のイチ』18話
- センターカラー『夜桜さんちの大作戦』258話
- 『逃げ上手の若君』187話
- 『SAKAMOTO DAYS』197話
- 『悪祓士のキヨシくん』28話
- センターカラー『JK勇者と隠居魔王』初雛まつり
- 『僕とロボコ』217話
- センターカラー『しのびごと』17話
- 『シド・クラフトの最終推理』8話
- 『カグラバチ』64話
- 『キルアオ』85話
- 『ひまてん!』26話
- 『アンデッドアンラック』238話
- 『願いのアストロ』37話
- 『鵺の陰陽師』82話
- 『ウィッチウォッチ』186話
- 『超巡!超条先輩』46話
- 『白卓 HAKUTAKU』16話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
アニメ『SAKAMOTO DAYS』。つまらないとは言わないが、思ってたより面白く……ない……かも……。見るからに金掛かってそうな、ブリンブリンな仕上がりかと思ったのですが。ただ、「初期はあらすじ的なオモシロが少ないからこれから良くなる」という気持ちはある。同時に「イマイチと感じたのはそういう問題じゃなくない?」という気持ちもある。けど観る。尾久駅に期待だ。
表紙
『アオのハコ』。大喜と朝のランニングしてほしいのは娘じゃなくて父親なんだよなぁ……となる呪い。
読者プレゼント
北風と太陽。脱衣という分かりやすいオチ、オモシロがあるのにその扱いがめちゃくちゃ小さく、北風と太陽を示す顔面の圧力がすごい。それとタイトル文の「持って来た風」「あげたい陽」のダジャレが結構好きです。他にも「クール」「ホット」でそれぞれ2つずつダジャレを用意しててなかなか好印象。
巻頭カラー『アオのハコ』180話
巻頭カラー。背中合わせがエモいのですが、バスケだと試合中にこういう背中合わせになることも実際にありそうですね。
本編。モブ生徒たちの青春。運動部だけでなく、美術系、果ては受験勉強を含めた頑張ってる生徒たち。そこに理想や憧れ、そして今の自分という現実を映し出す。これは巻頭らしい本気回ですな。この2ページで三浦先生の「今週はちょっと覚悟しといてください」というメッセージを感じる。『ハイキュー』的に言うなら「私たちもやってたよ 青春」みたいな。やはり『ハイキュー』は至高だな……(最低の結論)。
お義父さん、娘の友人と大喜に圧倒されるの巻。若者バイブスに面食らっちゃうの可愛いですな。頼りになるはずの大喜があっち側に回っちゃうのも微笑ましい。そして、若者バイブスが爆発する “何言ってるんですか!!” のフキダシで顔が埋もれる匡が面白すぎる。そういうタイプではないもんなw
夢佳の幻影に囚われてた千夏の心の向きがついに変わってエンド。新たに向いた先が自分であり、過去の自分だったのも良いですね。大舞台に立って過去を見るのはまぁある程度当然の反応だが、見るべきは夢佳ではなく自分だったと。 “努力してきた自分を” “今の自分が” “報わせてあげるんだ” も平易ながら面白い言い回しになってて好き。
『あかね噺』142話
ガールズパワー全開なジャンプ巻頭の流れ良いですね。このあとが『ONE PIECE』じゃなくて『魔男』だったらもっと良かったのですが(デスカラス回なので)、まぁ『ONE PIECE』が4本目まで下がるというのもなかなか難しいのかな。
本編。激動の3年間を振り返るコラムでスタート。あかね、3年前から消えていたらしい。びっくりだわ。てっきり苦虫噛みしめながら修行を重ね、実力がついてある程度自由にできるようになったのでパリ、かと思った。ただ、この「3年間何してたんだ」という視点が読者が一致するので良いですね。前回ちょうど「その3年何してたか気になるんですけど……」となったので。そういう意味では『ONE PIECE』の「2年後」とはちょっと違うアプローチ。
そして、偶然あかねを見つけてエンド。運命に引き寄せられるような流れが良かったし、丸々一話かけてあかねが1コマだけ登場するだけ、というのも思い切ってて好き。そんなあかね、微妙に見た目が違うというか、ちゃんと3年を感じるバランスになっててすごいですね。分かりやすくキャラデザが変わったとかではなく、雰囲気で年齢の違いを感じる。まぁ、この微細な変化を通常の小さいコマのときにも描けるのかは少し疑問ですが、この年齢の3年は大きいから変化があって当然とも思うので期待しちゃう。
『ONE PIECE』1136話
ニカの話。下手すりゃ「今ここで見せてやりゃいいじゃん」という話になりかねないんですが、大技すぎるので出し惜しみするのにも納得できる。変身自体はやろうと思えばいつでもできると思うんですが。
ルフィにしては珍しく積極的に情報を引き出そうとする……そんな違和感にゾロが気づく。めちゃくちゃ良い。正直私は違和感を抱かなかったというか、作劇上の都合とか考えて飲み込んでたんですが、たしかに読み返してみればいつものルフィらしくないですね。このルフィの機微と、ゾロとの関係性描写は見事だわ。からのナミが加わって最初期の3人が揃うのもエモい。千話以上ぶりに感じて今更かもしれないですが、この3人の収まりの良さ、バランスの良さはすごい。
『魔男のイチ』18話
デスカラスちゃん無双。「召喚系は好みじゃないんだよなぁ……」と思いましたが、その後続々と、全然違う魔法が飛び出てくるので面白い。この魔法の脈絡のなさ、関係のなさは本作の設定ならではの魅力ですね。イチの時点では気づけなかったけど、味方サイド最強格の人が戦うことで本作のバトルシステムの魅力が鮮明になった。あれだな、『呪術』で五条が山頭火と戦ったときみたいな感じのデク。
デスカラスちゃん無双なんだけど、話の中心にはイチがいる、という扱いも良い。あくまでも敵が嫌がる煽りとしての「あんな奴に負けたのに」という文脈なので、そこまでデスカラスちゃんが後輩に優しい先輩みたいな雰囲気にならないのも良い。
忘れてたけど、習得のための試練システム。そもそもの話だったけど、試練を提示する前に人間殺していいんですね。ものすごくずるい気がする、というか不条理な気がするんだけど、今後告解魔法のないイチの前にそういうスタンスの魔法が現れたらどうするんだろう。殺そうとして脅すってのも、殺せるんだったら別に習得せずに殺してもいいじゃん、ってなるよね。特にイチ。
センターカラー『夜桜さんちの大作戦』258話
最終回。複製原稿はないんですね。企画自体をやめたならいいけど、作品によってランク付けしてるんだったら感じ悪くてイヤだな……(意味も分からない)。
本編。初回パロとか、高校の同級生とか、正直まるで覚えてない。ただ、疎外感というよりは「いろんな変化があったんだな……」というエモがあってなかなか好き。変化という意味では本作の主人公相当すごいと思うので、その実感。
スーパーでの兄弟姉妹のワチャワチャからの、自宅での受胎告知。これだけ重要な話を切り出すきっかけになったのがアイさんという揺るぎない事実。やはりアイさんが太陽六美夫妻の長子ってことでいいんじゃないかな。下の双子に対する「君たちは妊娠状態を見るの初めてかもしれないけど」という先輩マウントのようにも感じられる。いや、アイさんはそんなことしないか。
驚きと喜びで爆発する一同……の中、知ってた人だけが驚かない。「てことは長男は知ってたのか(気づいてたのか)」と思ったら別の理屈での硬直なので笑った。そこで素直に喜び純度100になれるから偉いよ。偉いのか成長したのかは知らんけど。
家族写真でエンド。壁に飾ってある写真を入れることでお亡くなりになった面々も一緒に撮影してるのが良いですね。いや、祖父母は存命。ちゃんと太陽サイドの家族にもスポットが当たったのが感動的でした。
ということで祝完結。ありがとうございました。お疲れ様でした。まさか2番目の古株になって完結するとは思わなかった(そういう貫禄を感じるタイプの魅力ではない)けど、それだけ続いたというのはめでたいことですな。そして来週またしても2番目の古株が完結するという……(デビュー作だし本作以上にそういう貫禄を感じない)。
『逃げ上手の若君』187話
テレビアニメでありがちな時間稼ぎのための総集編回、みたいな始まり方をしたので驚いてしまった。実際は全然そんなことないです。普通。ちょっとダイジェストっぽい進行だったってだけ。
内容としては、晴れて足利の天下となったが、徐々に反乱、分裂が芽吹き始める。その直接的なきっかけとなったのが土岐であり、土岐の怪我、つまり若にあった、という連結が見事でしたな。さすがにこのことは尊氏は知る由もないだろうけど、是非とも教えてあげたいw
そんな土岐の死を描くことで、無双系の武将で何とかなる時代じゃなくなった、という時代の変化、変革を象徴させたのもうまい。正直、組織のチカラで土岐に勝った、という説得力はそれほど感じなかったが。
そして、モテ出した若でエンド。よりによって表紙巻頭へ繋がるので笑った。松井先生の狙いが分かりやすすぎる。
『SAKAMOTO DAYS』197話
シンが超能力で父親の情報を見つける。サクサクと話が進んで気持ちいいんですが、そのシンが坂本を巻くくだりが豪腕すぎるので笑った。まぁ、本作はこういうノリが突如として出てくるのが魅力だし、「商店街の人は強い」というのは『こち亀』でお馴染みの定理ですな。
早速親父疑惑の男性に近づくが、あまりの姿に幻滅。そして認知もしてもらえない。ただ、あの距離で、あの質問を投げかけられたら心の中で「あのときの子供か」とかなっててもおかしくないですよね。もちろん逆に「マジで知らないんですけど」となってもおかしくない。シンはテレパシーで真偽を確認してたが、漫画上ではその描写を控える、みたいなもったいぶりは本作はしないイメージなので、これは普通に言葉の通り「父親ではない」で決まりなのかな。ただ、このまま過去編が終わって、後日また本当の父親の話になるのはダルいので、来週以降ある程度すっきりする結論は出るんだろうな。してくれ。
『悪祓士のキヨシくん』28話
キヨシ凱旋、からの美女来店。おおっ、この美女キャラ良いな。別に個人的な好みに刺さったとかそういう話ではなくて(普通に好きではある)、いわゆる美女キャラとは違うけど、見た印象としてしっかり美女としての説得力は感じるバランスが面白い。変におっぱい描写に頼らずに、「オムライスを食べて感想を一言」だけでしっかり美女っぽくなってるのも良い。お色気ギャグとかは本作にあまりに似合わないと思うんですが、それでも「男子ってバカねぇ」的なギャグはやってのける。結構難しいバランスだったんじゃないですかね。すごいと思う。エロ的なアプローチは全然ないのに「大人の色気でキヨシをたぶらかす」を完遂してる。
センターカラー『JK勇者と隠居魔王』初雛まつり
読切。手塚賞受賞作家ながら、本誌は初ですかね。掲載先で変に扱い変えるのやめた方がいい(賞のランク自体を変えればいい)と思うんですが、今はまったく関係ない話ですな。
作者。この名前で誕生日が3/3じゃない、けど近いのが面白い。なんでだよ。
本編。タイトルから分かるように、ゲームファンタジーの路線。異世界ではなく、異世界的な話が現代までひっそりと続いてた、みたいな。正直私はこの手のゲームファンタジーのノリが苦手というか、単純に読んだり観たりを全然してないのでちょっと戸惑う。ジャンプにはこういう作品全然なかったと思うので(小さい読切であるくらい)、雑誌としての方針として避けてるのかと思ったんですが、どうやら違ったらしい。
そんなゲームファンタジーな異世界観(本作は異世界ではないが)。普通に読めたので「そんなに食わず嫌いするほどでもなかったかな」という気持ちと、「とはいえこのゲーム要素マジで無駄じゃね」という気持ちが同居する。「対象にならない」スキルのくだりはまぁオチに関わるから面白かったけど(基本的には食わず嫌い要素)、レベルアップのSEのくだりはマジで余計だったよなぁ。「魔王が助けにくる→めちゃくちゃ喜ぶ→めちゃくちゃレベルアップ→最強勇者復活」みたいなオチになると思ったんですが、普通に王子様に助けられ待ちの時代錯誤なディズニープリンセスみたいな終わり方だったのが個人的にめっちゃきつい。ラストに「そんなド直球に恋愛的な成就に至るの!?」と驚きはしたものの、別に成就すること自体は別にどうでもよくて、せっかくのJK勇者が勇者らしくないまま終わったのが残念だったなぁ。白馬の王子様が助けにやってきて頭ポンポンしてハッピーエンド……が個人的にマジできつい。まぁこれはゲームファンタジーの食わず嫌いはもはや関係なくて恋愛観(恋愛描写観?)の話ですね。長年のライバルだからこそ高度な連携が取れるので劣勢を覆す、みたいな方が絶対に良かったと思う。
あと、これまた食わず嫌いとは関係なく単純に作品の手落ちの部分だと思うけど、終盤の “魔王に勝って無力化した勇者なのに 案外たいしたことないのね” の部分がマジで意味分かんない。平和ボケして勇者としてのチカラが弱くなったのなら実際にそういう描写を入れないとダメだし、そもそも文章として「なのに」の連結おかしくない? 「無力化したのに案外たいしたことない」ってどういうことだよ。「魔王に勝った勇者なのに案外たいしたことない」なら分かる。「無力化した勇者だからたいしたことない」でも分かる。誤植を疑ってしまうレベルだが、どうなんだろう。
なんかネガティブな感想しか書いてない気がするんですが、まぁそれなりには面白かったです。2人のキャラクターは魅力的だったし、絵も好き。「魔王」とはまったく別軸の「エイリアン」という脅威が出てくるのは面白かったし、あまりに安直な人名も好き。あと、ラストの「それ結婚ってことじゃん!」となる父親と祖父のネタを拾ってくるのも鮮やかだったと思う。
本当にとばっちりだし、全然関係ないのは分かるんですが、「やっぱゲームファンタジーは私はいいや」という食わず嫌いが強まる結果になってしまった。もっとこじんまりしたエロ漫画とかだと全然大丈夫だが。そういえば、扉にあった色っぽい感じの描写が本編に全然なかったのは良かったです。まぁ、双方の衣装が無意味にスケベなので「この衣装結構きついよね」「昔はそこまで違和感なかったのだが」みたいな言及はあって良かったかも。いや、スケベ衣装で健全なラブコメをしてるところに魅力があるかもしれないので、まぁここらへんは妄言。
『僕とロボコ』217話
老婆と老ロボの良い話。急に泣かせようとしてるけど正直全然面白くないというか、わざわざやるほどうまくもないと思う。ホラー回とかはちゃんとしてて好きだったんだけど、今回は上辺だけなぞった感。
死ぬ(死にそうになる)というお手軽泣かせ展開がうんざりするんですが、実際に起こるまで「どっちなのか」分からないのは面白かった。個人的には『ドラクエ7』が好きなので婆さんの方がアレしちゃって「すーぷサメタ。ツクリナオシ……」の再現を期待しちゃったんですが、良い意味で裏切られました。ここは良かった。とはいえマジで勘弁してほしい。全然面白くない。
センターカラー『しのびごと』17話
せっかくのカラー回でめでたいので、バトルがもうひと盛り上がりするのかと思った。実際はバトルではなく、別軸の物語が激動する。それもちゃんと冒頭のバトルで語られてることから地続きのテーマになってて相変わらず見事でしたね。個人的な好みで言うと、バトルのが好きだけど、とはいえ話の連結が普通にうまいので納得しちゃうし、本作のフェーズ2が始まった感としてセンターカラー回にふさわしい内容だったと思います。
トビ。負けたものの “君は凡人として体術を極め切っている” “だが… 忍者の真髄はもっと上にある” 。そっち系か。お薬的なパワーアップかと思ったけどこの言い分だとどうやら念能力的な未知の世界が広がってるパターンっぽい。だとしたら忍者の里連中が無能すぎないか。知ってて隠してるパターンもあるのかな。どう理屈つけるのか楽しみではある。
ヒバリのツンデレ。だが、この場面で一番重要なのはヒバリではなく、ヒバリのツンデレをまったく理解できないヨダカと、理解してるオペさん。これがラストの場面へと繋がる。ヒバリは踏み台で少し可哀想ではあるが、まぁしゃーなし。
安堵するアオイさん。急接近かつラブコメ的に盛り上がる場面だが、アオイにそんな意図は全然なく、彼女の環境を考えるとむしろ超自然な反応。だからこそヨダカは「守りたい この笑顔」と思いを新たにするが、同時に忍者としてではない気持ちも湧く。やはりこのアオイさんの底抜けに良い子な描写は本作強い。
ということで、ヨダカに芽生えたのは恋心……なのか肋骨の骨折なのか。実際には普通に恋心で『しのびごと』の物語がフェーズ2に入ったという感じなんですが、わざわざ2ページたっぷり使って行われるミルクボーイ問答が面白すぎるので笑った。ものすごく今更だけど、あのフォーマットの優秀さには恐れ入る。鬼子母神。そしてサブタイ「骨の折れた日」でもう一つ意味をプラスしてくる。お見事でしたな。最後にどん!とサブタイが明かされるパターンも楽しいけど、最初からしれっとサブタイを見せて、読み進めてる最中は普通に「超大変だった日」という意味として気にもとめなかったのに、最後に別の意味だと気づかされる。そこにミルクボーイ。面白すぎる。
『シド・クラフトの最終推理』8話
犯人とエリオ。あまりに犯人に同情してしまうがあまり犯人の心に響く。それは歌の場面の再現でもあって……というのはなかなか良かった。エリオの自覚してない才能。まぁよく考えたら文才があるのは分かってるので、そういう人の気持ちに訴えかけることに長けてるのでしょうね。自然と人の心を動かしてしまう、とかそういう。ただ、小説家とは思えないほどに、シドとの妄想未来予想図が陳腐なので笑った。そんな解像度で小説やっていけるのか。劇中の恋愛が成就したあと一気につまらなくなるパターンの作家かもしれない……。
んで、自爆を阻止しようと奮闘するエリオを救いに現れるシドと、突然のルル。鍵開け名人として超便利スキルとして突然出てきた感が面白く、そっから回想で説明するのも良い。このルルの突然の登場に興味を奪われ、「あれっ そういうえば……」と誰かがいなくなってることに後から気づく。いや、さすがに普通に気づいた読者も少なくないと思いますが、目眩ましとしての機能があるのは明白だし、それが漫画の進行を邪魔しないものになってるのは普通に良かったと思います。
そんなルルの回想。とにかくコミュ力が弱弱で人との情報共有がままならないのだが、彼女がパクパクしてる間にシドは持ち前の推理力ですべてを察してくれる。デコとボコが合致する良いカップルじゃないか……と妙に感動してしまった。オタクに優しいのはギャルじゃなくて探偵なのかもしれない。そういえば、探偵オタクに優しいギャル、という作品を稲岡先生がやってる。
『カグラバチ』64話
変態悪役の新星、クグリ。思ってたよりも魅力的だったというか、今回魅力がちょっとどうかと思うくらい爆発してましたね。あまり意識してなかったけど、本作の魅力の土台としてこのちょっと変な悪人たち、というのはあるかもしれない。当たり前のように毎回魅力的なので、普通に超うまいってことじゃないですか。『鵺』のギャグとかは「えっ これ狙ってんの……?」と読みながら困惑してしまう感じが込みで魅力ですけど、本作はしっかり計算して再現性高い存在として間の抜けた悪役ギャグが出てくる。
そんな剣士ガチ勢がクグリが偶然にも今のチヒロの良い教師になる。今のチヒロに足りないもの、すなわち伸びしろは基本的な剣術にある、という説明のくだりも面白かったです。まぁ、正直言うとちょっとだけ「すべてが念で説明できそうなことをわざわざ言い換えなくていいのに……」とは思った。
今までは常人離れのスーパーパワーに頼っていれば無双できたが、コントロールが雑なのでそこの精度を上げればさらなるレベルアップが期待できる、という意味では『キヨシくん』と同じタイプの成長ラインですね。本作はそこまで最強主人公という感じではなかったと思うけど、説得力ある成長の話を突き詰めると同じになってしまう、というのは興味深い。
斬欲もあるが、同時に教育欲もあるクグリ。昼彦がクズなだけにチヒロのひたむきさが刺さってしまう。面白すぎるな。みんな面白すぎる。そしてチヒロ、敵から好かれすぎである。
『キルアオ』85話
「バーで探偵と言う勿れ」の新刊が出たので買いに行く。有名ミステリータイトルとしてパロられるには珍しい2つが組み合わさってるので面白い。この作品がどんな内容かは知らんが、たぶん主人公はモジャモジャ。
からの師匠が姉のデート疑惑を目撃してしまって加速度的に闇堕ち。ユニコーンとシスコンの組み合わせが見事でしたな。天馬が悪い奴じゃないのはすっかりお馴染みだけど、距離を置いたシスコン目線で見るとこの上なく憎々しい……という最悪のムーブを連発するので笑ってしまった。
ダークサイドのチカラで天馬とやり合う、というのも面白いし、本作ならそれをシリアス展開に組み込むことも可能かもしれない……と少し期待も膨らんだ。暗黒面のパワーはすばらしいぞ!
『ひまてん!』26話
カンナの家にゴキが出没。恐ろしすぎる。独り暮らしでイヤなこと第1位じゃないか。26話で出していいテーマじゃない。
殿一が王子様的に現れるが、別に得意なわけではない。そもそも清潔に保つのが仕事なので汚くなったあとのことは知らない、というのは正論で笑う。まぁ、厳密には汚部屋状態の掃除を任されることもなくはないと思うので、その際にはエンカウントの確率も高そう。
肝心のゴキは早々に解決し、話は不甲斐ないカンナの頑張りに移る。今の彼女には仕事以外に誇れるものが何もない、だったら仕事関係のスキルで何とかお返しを……というロジックでメイドコス奉仕に至るのはちょっと面白かった。クソ雑サービス展開みたいな話なのに、そこにものすごく真面目なロジックを持ち込んでて、真面目なのかふざけてるのかよく分からなくて好き。
「コスプレ用のメイド服って自前なの!?」と度肝抜かれましたが、インスタ用と言われると途端に何も言えなくなってしまう。何も知らない。グラビアアイドルってインスタでそういう活動するのか……?
料理を頑張るカンナに好印象は抱くが、それと同時に教えたい欲がうずうずと湧いてしまう殿一。それが普通に失礼なこととして扱われるのも良かったし、そのくだりがあるからこそ不格好ではあるが、それが努力の証のように感じられる、という流れも良かった。殿一の “オムライスだったんだ” というリアクションもどこか抜けてるというか、「そこじゃねぇだろ!」感あって好き。
『アンデッドアンラック』238話
解散してから新宿に行き、ソウル。記憶復活のくだりとか、ソウルと不滅の悪役反省会みたいな組み合わせはめちゃくちゃ好きだったんだけど、アンディが最初から “アテならある” となるのが個人的にはちょっと好かん。アテがないのに記憶を失うことを恐れないのがアンディと風子のかっこよさであり、2人の尊さだったわけじゃん。「記憶ならすぐ取り戻せるから大丈夫」と最初から考えてたのは結構台無しだと思うの。まぁもちろん、本作は元から底抜けに明るい、すべてが解決するハッピーエンドを目指してたので、風子の記憶も「新しく思い出を作ればいい」ではなく「元の記憶が戻る」にしないといけなかったのかもしれないけど、なんかアッサリすぎるというか、アンディが余裕綽々なのがちょっと飲み込みづらい。それならまだ、不滅が現れて「ソウルなら何とかできるかもしれない」と教えてくれる、みたいな方が良かったな。
『願いのアストロ』37話
よくあるトーナメント展開なんだけど、やっぱ本作の土台となる治安の悪さ、それと同時に王道少年漫画感のブレンドが何とも言えない魅力。客席のガヤのガラの悪さとか最高だし、クズ弟が現れての人身売買の話、それに対するギャグ的にリアクションとか本当に良い。結構ギョッとする話が連発するんだけど、なぜか少年漫画感、それも対象年齢低めな少年漫画バイブスも同時に感じられる。なんでや。
『鵺の陰陽師』82話
扉。文字の配置込みでデザインされててかっこいいんだけど、それだけにアオリが「お邪魔します……」と所在なさげになってるのが面白い。絶対にいらないw
シッポを使ったバトルも珍しくて面白いんだけど、常軌を逸したアンテナ感度の秘密がクラゲだったのも面白い。珍しい要素が次々と出てきて最高なのだが、バトル漫画のモチーフとしてのクラゲは『キルアオ』で出てきてるんですよね。なんで、よりによって被るネタがクラゲなんだよ。めちゃくちゃ珍しいはずだろ。
『ウィッチウォッチ』186話
モモチ巨大化。中途半端な巨大化のサイズ感が面白すぎる。『ロボコ』の巨大化回もめちゃくちゃ面白かったですが、あれは明らかに怪獣表現を高度に再現してるから面白かったわけで、本作の巨大化は決して怪獣というほどではない。文字通り屋内に収まるギリギリのサイズ感。故に何とか手に負える範囲ではあるが、それにしても不自然。このバランスがめちゃくちゃ面白かったですな。もちろん巨女属性が好きな読者が鼻血垂らして喜ぶのも想像に難くないんですが、そういう見方を抜きにしても部屋の中で狭そうにしてる巨大な女性、という絵面にはセンスオブワンダーを感じてしまう。篠原先生、やっぱ長々と過去編とかやらなくてよかったんじゃ……。そんなことを思ってしまうくらいマジで面白すぎる。モモチの顔がアップになるコマとか、本来ならサイズを感じにくいはずなんだけど、絶妙に首を傾けたり、あり得ないほど下を向いて話してることでちゃんと巨大なのがすべてのコマから伝わってくるんですよね。計算上どこまで正しい描写なのかは分かりませんが、「巨大感」描写としてはマジで絶品だと思う。
劇中で『ガリバー旅行記』の名前が出ましたが、『ガリバー旅行記』の巨人描写は、巨人の肌は常に肌のキメをめちゃくちゃズームして見てる状態なので正直死ぬほど気持ち悪い、だった気がする。今回の巨大化の理屈から言っても同じ現象が起こると考えられ、肌の毛穴が常に目に付くので結構気持ち悪い可能性……。巨女属性は幻想。もしくはそこらへんをカバーする理屈が必要。篠原先生そういうの得意そう。
『超巡!超条先輩』46話
ゲーセン産のぬいに悪霊が宿る。ドッキリを疑った超巡の “この名探偵超巡にはまるっとお見通しだバーロー” 。この手のミステリー有名作品ネタで『トリック』が出てくるのめちゃくちゃ良かったな。てか『キルアオ』といい、優れた漫画はミステリーネタの角度が新鮮なのですごい。
悪霊ぬい。ゲーセン産なので悪の感情が豊富という理屈も面白かったが、シンプルに超強い。普通に戦って超巡を圧倒してるのでちょっと驚いてしまった。いろいろ弱点のある超巡ではあるが、超能力の真っ向勝負で負けるのはさすがに初めてじゃない? シリアスなバトル展開もある作品だったら今後活かされそうな話なんですが、まぁ本作は関係ないな。
超巡相手でもそうだが、本作における超能力のメタはポンちゃん。の柔術。相変わらずのギャグで安心感があるんですが、それの布石として “ゲーセン生まれのスイーツ育ちにしてはルックスが古風…” を持ってきて、そこから “この部屋 透明な袖飛んでません?” と結ぶのが鮮やかすぎて感動してしまった。マジで見事すぎる。悪霊の敗因はキャラデザ。
『白卓 HAKUTAKU』16話
各方面でボコボコにされる話なのですが、プロによるゲーム評がめちゃくちゃ面白い。プロだということを感じさせる説得力、解像度の高さが見事ですね。めちゃくちゃ高度な話をしてるのは分かるけど、同時に何を言われてるのかが素人の読者(てか私)にもしっかり分かる。「プロってプレイしながらそういうとこを見るのか」とマジで感心しました。ゲーム業界のことを扱いながら、今までに意外となかった「ゲーム評」の世界。面白すぎる。大好き。
ボコボコにしてしまったが、評価してないわけじゃない、となる展開も良い。年齢を聞いて驚くのがその後に来るのも評価はフェアなものだったと思わせてくれる。同時に、ボコボコにされたが落ち込むのではなく、 “道は逸れちゃいない” と希望を見出すのも面白い。相手の言ってることをしっかり飲み込んだらそういう結論になるのも不思議ではないですよね。
そして、独りだけ評価ではない、作り手としての内面、姿勢について問われて窮地に立たされてる日隈。導き出した結論が作家としてのエゴも感じるような内容だったというか、孤独な天才が社会とどう接点を持つかという話になってて面白い。孤独を否定するのではなく、むしろ肯定し、それを追求し、その上で誰かと共有できたらハッピーだよね、という話。かなり都合の良い言い分とも思うんですが、だからこそインディーでゲームを作る理由にも直結するんだと思います。なかなか良かったんじゃないかしら。インディーゲーム論に繋げなくても芸術全般、アーティストの心持ちとしても普遍的な説得力を感じる。天才の社会性というは天才表現としてかなり新鮮な切り口になってて好きです。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
ネタハガキ東西戦。1月のお題は「ヘビたちの中で人気があるヘビってどんなヘビ?」。
東。虹谷ユメ子さんの「下から見たらめっちゃ割れてる」。漠然とヘビを想像したときにはまったく出てこない角度で面白かったのと、ヘビは全身筋肉のイメージがあるので結構的を射てるというか、少しだけ説得力を感じてしまう。
井の線亭ぽんぽこさんの「半分チョコがかかっってる」。ヘビが自分のシッポを食べてる、というめっちゃ気になる絵的な情報がネタ本文とまったく関係ないのが好き。
ギザ10さんの「オタクヘビにやさしい」。「人気がある」というお題なのでこの答えはかなり説得力があるし、ネタの中に「ギャル」を入れてないのも良い。
西。満月ポンさんの「早くもSwitchの後継機を持っているヘビ」。めちゃくちゃタイムリーなので感動してしまった。今回一番好き。ドリフトが解消してるのかだけでも教えてほしい。
未完の貴公子さんの「いつも高級腕時計を身に着けている」。腕がないのに、というのを直接は示さないのが良い。ネタを読んで、映像を想像してみて初めて気づく、というちょっとした時間差。
石光亮一さんの「絡み上手なヘビ」。うまい。偶然ではあるが、前述の「オタクヘビにやさしい」などコミュニケーション強者であることを示したネタが多かった中で、普通に読んだら最後に目に入るのがこのネタだった、というのも流れとしてキレイだった印象。
次号予告
『アンデッド』が特大センターカラーということで最終回ですね。これで新たな旅が始まったらマジでひっくり返ってしまう。ので期待もしちゃうが、まぁないでしょうね。
ジャンププラスでお馴染みの四谷先生がショート読切ながら結構な告知されてて人気を実感する。個人的にはそれほどお馴染みじゃないんですが、齊藤編集長ガチ勢という噂は聞いてるので、そこらへんにも少し期待。さすがに本編は無理だろうから目次コメントとか。
個人的な注目は、目次コメントにおける戸塚先生への言及の量。
目次
『夜桜さんち』完結に対するコメントが非常に多いんですが、超大型作品が終わったときのような100%の言及ではないのが良い。完全に全員だと「言わないといけない空気なんだろうな」ってなるけど、そうではないのでみんな自主的に言ってる感があり、権平先生が慕われてることを実感する。規格外のベテラン(つまり尾田っち)を除くと、今のジャンプで最長の作品なので慕われてるのも納得なんですが、あんま交友関係広いイメージもなかったので、それでも慕われてるのが妙にグッときてしまう。若手中堅どちらからも親近感を抱かれる距離にいる作家なんでしょうね。非常に良い。なので超若手からはコメントがなくて不思議はないんですが、なぜか和久井先生だけはしっかりコメントしてるので意外。やはり筋を通す人なんだな……(作風に引っ張られすぎなイメージ)。
そして、こうなると気になってくるのが、権平先生よりはかなり若いが、それでも現連載陣では3番目の古株作品である『アンデッド』が来週完結する点。そして、作者が2人いる作品の来週コメントする作家はいろいろ気を使いそうでそこらへんも興味深い。
権平先生、5年間お疲れ様でした!作品から滲み出る優しさに癒されてました!
(『SAKAMOTO DAYS』)
描いてるの絶対いい人と確信して読んでいました。権平先生おつかれさまでした!
(『キルアオ』)
鈴木先生珍しい角度からからコメントするなぁと思ってたら藤巻先生がまったく同じ角度だったのでぶったまげた。権平先生と『夜桜さんちの大作戦』という作品のすごさを痛感。
愛読者アンケート
読切についてと、トレーディングカードゲームについて。ポケモンカードは紙とアプリ両方で遊んだことある。紙は大昔に少し。『ポケポケ』は来週からトレード機能始まるから勘定に入れていいよね? そんな『ポケポケ』、新弾の予告が発表されたのでタイムリーですね。「鋼タイプなんてあった……?」となりました
総括
一応水曜更新を目標にやってるのですが、めちゃくちゃむずいな。よくそんなことをやっていたよ。まぁ、振り返ってみると今週文字数がかなり多いので、調子が狂ってるってのはありそう。そんな語らんでいいのよ。
今週のベスト作品。『ウィッチウォッチ』。面白かったし、「こういうのでいいんだ……」という感慨もあってすごく良かった。
次点は『魔男』『しのびごと』と『夜桜さんち』。
ベストコマ。『あかね噺』のあかね。
ベストキャラは『カグラバチ』の久々季です。『キヨシくん』の黒鐘凶華で決まりだと思ってたが、後からまくられた。
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