北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年10号の感想

 ファンタスティックフォ~♪

表紙

 新連載。新連載。本編読む前は気にならなかったが、この表紙で主人公、高校のユニフォームで10番つけてるんですね。普通に無理だと思うんだけど、あくまでもイメージってことだろうか。

読者プレゼント

 招き猫。ダジャレの弱さに驚く回。やる気あんのか(たぶんダジャレ路線を頑張る気がそもそもない)。とはいえ、ダジャレの虚無っぷりが逆に珍しいので見応えがある回なのかもしれない……。倒錯。

巻頭カラー『エンバーズ』車裂圭 西井総太郎

 新連載。作者はそれぞれ原作と作画。どちらも初めまして。サッカー漫画ですわよ。個人的には死ぬほどシンプルなタイトルの時点でもうちょっと好きです。打ちやすい。
 巻頭カラー。 “今やサッカーの栄光は独占された” から始まる檄文がなかなか良い。近年のサッカーは高度に戦略化され、そして選手も大資本による超長期的な育成の産物という側面が強くなってきた……のはサッカー詳しくないけどそれなりにリアルだと思う。そしてそんな閉塞感に包まれてるのはサッカーに限らず、今の世界、どこにでも広がっているんじゃないですかね。まぁ、社会のはみ出し者がエリートに一泡吹かせる、ってのはスーパーベタなんだけど、この切り口で語られると響く人は多そう。M-1の二連覇で「漫才を研究すんなよ」ってなってる人いるらしいけど(ラジオで聴いた)、それも遠くない話だと思う。あとは、極一部の超金持ちが社会的な影響力を持ちすぎて格差を再生産する構造をより強めてる、みたいな話でもいい。
 本編。めちゃくちゃヤンキーしてる開幕なので少し笑うと同時に心躍った。ここまで直球なの珍しいですね。最近こういうの少なかったことに気づかないくらい縁遠かった気がする。
 そんなヤンキーがジジイの先生に目をつけられる。不良としてのスタンスが「反撃しかしない」なのかと思ったら普通に死体蹴りまでしてて驚く。ここまでちゃんと悪い人、久しぶりだよ……。ただし、その死体蹴り、劇中で唯一描写される積極的な加害は先生によって阻止され未遂に終わる。漫画の中では死体蹴りは一切してないことに。まさにこの瞬間、暴力の世界からサッカーの世界へと足を踏み入れた、という象徴的な場面だったと思います。
 そんなジジイ。60手前なんですが、今時の60ってそこまでジジイ然としてないと思うので、あまりにジジイキャラ(親父キャラって感じか)なのですごい。頭に関しては個人差しかないので仕方ないが、他の部分は「ジジイキャラの方が都合がいいので」という先生自身の判断なのかもしれない。そういう風に演じてるというか、自己演出してる可能性。
 ジジイとサッカー対決、そして敗北。それを機にサッカーに励むようになるんですが、ジジイに転がされてる主人公が可愛い。何度も同じ展開を繰り返す場面がチャーミングでありつつ、サッカーの基礎をたたき込まれてるのが分かる。良い場面。
 腐った蜜柑理論を論破するジジイ。厳密に言うとあの例は箱の中に腐った蜜柑が一つでもあると周りの蜜柑も腐り出す、という収穫後の話なので育て方は関係ないです(超野暮)。とはいえ、腐った蜜柑理論とは逆に、サッカーへの情熱がヤンキー仲間へと伝播していく、という展開になるのでここであの理論を持ってきたのはうまいと思う。ぶっちゃけジジイは主人公の才能に一目惚れしてしまっただけなので、不良の更生全般にはそれほど興味がない、というか他の友達については二の次だった可能性がある。まぁ、サッカー沼に落とすためにはチームが必要なので当然手は尽くしたでしょうが。
 んで、素人だらけの即席チームで試合デビュー。相手チームには天才くん。初読時、ここらへんで「ちょっとこれ『ハイキュー』じゃない!?」ってなったんですが、読み進めるとマジでどんどん『ハイキュー』なので笑いました。たしかに『ハイキュー』の初回は神懸かった完成度だとは思いますが、それがジャンプのレガシーとして再利用されてる。さすがに天才くんと高校で同じチームにはならないと思いますけど……と初読時は感じたんですが、2周目、巻頭カラーを見たら同じ高校のユニフォーム着とったわ。影山かよ。ピッチ上の王様かよ。スルーパスを味方に無視されてそう。
 というのは全然冗談ではないんですが、さすがに競技が違うので、天才くんとの関係が今後も『ハイキュー』と同じになるかは正直怪しい。主人公にはジジイに憧れてディフェンダーを頑張ってほしい気持ちもある。が、ジジイがホレた才能はおそらくオフェンスですね。まぁ、始めたばかりなのでどのポジションやりたいとかも定まってない、という話になるのかもしれん。んで、いつか才能が開花、もしくは見つかる。
 初試合。アクション的見せ場はディフェンスのみ。最初は「地味~!」とか思いましたが、サッカーにおいて最も敵と体をぶつけ合うディフェンスは意外と漫画映えしますね。少年漫画映えというか、バトル漫画みたいな迫力になってて面白い。なかなか目から鱗でありました。サッカー漫画詳しい人からしたらそんなに珍しくないのかもしれないけど。
 主人公の才能。ジジイがホレたのは間違いなくオフェンスだけど、アクション描写として気持ちよく描かれてたのは、後ろもしくは視野の外への驚異的な反応ですよね。どちらも手が出てしまうので面白い。ヤンキー時代の呪いでもあるが、おそらく彼の持つ最大の才能。試合で使われたのはディフェンスなので、今後もディフェンスやってほしい気持ちが現状強いんですが、視野の外への反応という意味ではオフェンスでも活かされるのかなぁ。オフェンスの才能を見出されても本人はジジイへの憧れの念からディフェンスに執着していてほしい。そしてジジイと再会して「オフェンスにホレたんだけど……」と言われて転身、みたいな。
 てか、視野の外である後ろ方向への鬼反応というのは、やはり中学時代味方を置き去りにしたスルーパスに主人公だけ反応できる、という話になるのでは……。目つぶってシュートしてそう。目開けて打ちたいっってなって喧嘩してそう。
 終わり。『ハイキュー』すぎるとは思うんですが、逆に『ハイキュー』じゃなかった本作の美点はどう考えてもあのジジイですね。不良の更生というドラマと相まって特別な魅力を生んでいたと思います。難点としては、あのジジイの出番が来週以降作りづらい。運命の女ならぬ運命のジジイなので、さすがに初回限定のキャラとして終わるとは思えないんですが、とはいえ中学の先生に過ぎないからなぁ。今後もベッタリになるとも思えず。キーとなるエピソードで再登場する、みたいな感じが妥当でしょうか。期待してます。最近のジャンプだと『白卓』の佐野くんが一番近いと思うんですが、最終回前の身辺整理みたいな話なので縁起が悪い……。ジジイには出ないでほしいかもしれないw

『逃げ上手の若君』189話

 こないだ映画『室町無頼』を観たんですが、『マッドマックス』みたいな世紀末時代劇で面白かったです。ちなみに時代設定は本作の大体100年後なので、「若がどんなに頑張ってもあんな世の中になるのか……」と少しげんなりします。いや、無関係な2作品が線で結ばれる感覚が面白いです。スーパーライトな時代劇エンタメだと思うのでオススメ。
 本編。尊氏。普通につまらない悪役に感じるんだけど大丈夫なのか。今までにカリスマ性を感じてたわけではないが、変人としての魅力はあった。しかし今週はかなり凡庸な印象。信心を集めることで神パワーが強くなる、みたいな漫画的なロジックで説明したいのかもしれないが、個人的にその部分好きじゃないのできつい。歴史的に扱いが難しい、みたいな作者の都合を感じてしまう。そして、この「松井先生は歴史をこう料理しますよ」みたいな情報が作中に入ってくる感じもあまり好きではない。
 そんな尊氏陣営の不和、から若陣営の不和に繋がるのだが、こちらは完全にラブコメなので笑った。すごいギャップだ。
 寝込みを襲うらしいけど、若を捕縛するってめちゃくちゃ難易度高くないか? ラブコメ脳でバグってるから大丈夫ってことなのかもしれないけど、個人的には逃げの才能(変態)は何よりも優先されてほしい。「寝てるのに寝相で避けられる!」みたいな。

ONE PIECE』1138話

 ケルベロスのくだり、具体的な能力が謎なのはいいんだけど、何やってるのかめちゃくちゃ分かりにくいし、こないだの矢印キックと同じで「普通に斬ると何か違うんですか?」と見えてしまうな。特に前者の何やってるか分からない問題は千話以上の付き合いなのでかなり驚いた。話もそうだが、ゴチャゴチャしすぎ。
 シャンクス愛を語るルフィ、を微笑ましく見守るナミが良かった。あと手持ちのブリキ人形みたいな扱いになってるフランキー。この期に及んでお馴染みの一味の何てこない場面で魅力を感じられるのはすごい。
 空白の時代を語る絵……と思ったら場面転換なので「また無駄に焦らしやがって」とかガッカリしてたら、場を改めてマジで見せてきたのでビックリ。この手の予言で物語を進める手法ってあまり好きじゃないんだけど、それはそれとして、本作がこんなことしてくるのは普通に驚きでした。めちゃくちゃ新鮮。1138話なのに。

『アオのハコ』182話

 夢佳からのパス。独善的にも思えるほど突出した才能を持つスタープレイヤーが味方を頼り出す、という展開は定番で普通に感動的なんだけど、「絶対に打つと思ったのに」というパスの場面が普通に分かりにくい。独りで全部決めちゃうかっこいいシュートの方が漫画的に描きやすいんだろうな。戦略的にも少し難しくなるし、漫画としての描写も難しくなる。
 終盤も終盤、カウントダウンは明確に感じるが、終わってほしくないという強い気持ち、からの差し込まれるフラッシュバック。それも夏の日の体育館の中の静かな一時。いやこれ『ハイキュー』だろ。『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』のあのラストプレーのとこだろ。今週の新連載といい、『ハイキュー』が偉大すぎて後発の作品はいろいろ大変なのかもな……と勝手な同情をしてしまった(本作はややこじつけ)(または偶然)。『ハイキュー』との違いを挙げるとすれば、そもそも試合時間が設定されてる点ですかね。「終わらないでくれ」というプレイヤーの悲痛な願いは『ハイキュー』のメインテーマとも言える部分ですが(なのでとにかく負ける描写が光るし『ゴミ決』も負けの視点)、バレーは「目の前のボールを落としたら試合が終わる」なのに対し、バスケはほっといても時間が経てば終わってしまう。その無情感が良かったよね。まぁ厳密にはルール上止まってることは許されないんだけど、その両スポーツの「止まらなさ」は青春の輝きを描くのに持ってこいと言える。
 バスケ詳しくないから秒数のイメージができないんだけど、さすがに残り3秒でシュート打ったらそれで終わりだよね。そっから相手チームが超長距離のヤケクソシュートを打ったら入っちゃって試合終了、みたいな悲劇も考えてしまう……。『ハイキュー』のことばっか考えてるから「このフラッシュバックは負け確演出では」って心配しちゃう。

『僕とロボコ』219話

 アカネちん、ダブルデートかと思ったら円ちゅわんがドタキャン。ガチゴリラとのサシになると期待したらボンドが来てる、というズッコケから始まるわけですが、「女性を上納するときの手口だ」と思えてしまい、とてもギャグ漫画を読むテンションではなくなる。漫画のベタも楽しめなくなってしまって悲しい。クソ共がよぉ……。
 頑張って気持ちを漫画の中に戻すと(頑張らないと楽しめないのでクソ)、サシデートの邪魔者枠はむしろ彼女の方だった、となるのには笑った。というか、普段のボンゴリモツの様子を考えれば「男子だけのデートの解釈になるのが当然じゃん……」と激しく納得してしまう。なぜ勝てると思ったのか。
 ボンドに協力を求めるも、おかしくな方向に鈍ちんなので「アカネ→ボンド」と誤解される。パワーゲームというか、ラブコメ的な関係、情報がややこしすぎるので笑った。からのボンドが真実に気づいてしまって……とマジで怒濤の展開を続けるのですごい。めちゃくちゃ面白い。
 からの円ロボコという女子たちに客観視されるボンド。ロボコが普通にただの女の子として「空気読めよ」となってるのも良かったし、この女子会感もめちゃくちゃ良いな。小学生男子にそこまで恋愛の機微を把握すべしと期待するのはちょっと可哀想だと思うけど、「あのロボコがツッコミに回るレベル」というので笑ってしまう。

センターカラー『SAKAMOTO DAYS』199話

 安藤はシンパパでほぼ確定。良かった。変に話を引っ張らなくて。それはそうと、「心読んでさっさと確信を得ろよ」とは思う。まぁ、怖くて最後の一歩が踏み出せない子供らしさ、と考えたら案外リアルなのかもしれないが。
 船に爆弾が仕掛けられていて、安藤が死ぬと爆発する。なので、一般人を殺すことできない殺連(サ↑ツレン)の坂本は手が出せない。ヒーローに対する揺さぶりとして定番の手口だけど、それが組織の規定を踏まえた作戦になってるのが面白い。殺し屋だけど殺さないように頑張る、という話は現在の坂本とも通じるというか、現役時代の話なのに今の坂本とも重なるようになってて面白い。
 オーダーを名乗る坂本がかっこいいのは分かるんだけど、正直それよりも「後ろのウォータースライダーで戦うの楽しそう~!!」ってなってしまう。多くのの読者はそうなってしまうのではないか。

『悪祓士のキヨシくん』30話

 決戦開始。入り口に結界を張ってるのでザコは自動で除去できる。味方は少数精鋭だが、敵側も足切りされるので少数精鋭に近づく。なかなか良いロジックなのではないでしょうか。合戦とか無双アクションも楽しそうだったけど、「幹部級のキャラとタイマンを繰り返す」というこの手の漫画では定番の展開に向けてものすごく自然な道筋を作ってる。作戦としての合理性も感じるし、漫画としての都合の良さも兼ねてそうですごい。
 んで、変なデザインの魔王が続々。楽しそうやんけ。謎の超巨大な手に乗って登場するのもかっこいい。「お前が来いよ!」とはなるが、おそらくポータルが小さすぎるのでしょうね。幽田の限界。へんてこデザインの魔王が思いの外多くてすごく良いです。好き。みんな人型なのには限界も感じるが、とはいえめちゃくちゃ良い。まぁ、へんてこデザインに喜びながらも「スーツの奴が一番強そうだな」と自然に思ってしまったので良くない。こういう偏見が人型強キャラを再生産させるのですね。

『しのびごと』19話

 血界の説明。もったいぶると思ったらめちゃくちゃすぐ、簡潔に説明してくれたので逆に驚く。説明する理屈はないのだが、そこをギャグで処理できるのが本作の強さですね。無駄に引っ張っても仕方ないと思うので、これで良かったと思う。
 そんな説明。今まで念的な設定かと思ってたけど、一族秘伝の技ではなく、一族のみが持つ特殊な体質。体質か。血筋なのか。なるほどね。ヨダカが修得する話にはならず、ただの肉体由来の強さのみで超人忍者と戦うことになる。当然門外不出なのでいくらヨダカとはいえ、オペさんも教えてくれない。これは納得だわ。納得できる説明が来るとは正直思ってなかったので驚き。
 めっちゃ良かったのだが、今後ヨダカの隠された生い立ちが明かされたりしない限りは、ただの体術で忍術と戦うことになるわけで。それはもう『マッシュル』なのよ。マジかよ。本作『マッシュル』だったのか。ブリンバンバンボンかよ(アニメ未見)。こっちも流行らせてくれ。
 からのスズメの性別が明らかになって終戦。壁ドン床ドンのくだりはくだらなすぎて笑ったんだけど、ヨダカが性別を知るスズメの胸元が安易な「おっぱいどーん!」的な感じではなく、引き締まった、ガチで運動やってそうな雰囲気なので良かった。ぶっ刺さった人は多そう。個人的には男だと思ったらキャラが実は男装で、今後はスカート穿いてくるというのがめちゃくちゃ良い。最高じゃん。いや、女子でもズボンでいいとは思う。リアリティ的に。
 てか、先週の分を読み返したらちゃんと「女子が王子様を演じてる」という風に見えたのですごい。生徒としての名前がマコトなのもそう。てか、勘の良い読者は察しがついてたんだろうな。そのくらいちゃんとしてる。
 スカートの件。普段はスカートで、イケメン女子として振る舞ってるが、初めてアオイと接点が生じる日なので本気モードとしてズボン穿いてきた、と考えるのが一番自然ですかね。バストアップのコマでは違いが分からない、というのが画角のマジックである。『暗殺教室』で渚くんが女装したときも「スカート穿くだけで女装が完成するなんて……」と涙を流したものですが、それの逆。
 男装で嬉しいとは別に、先週のスズメのイケメン言動、女子や女性教師は女子だと知った上でキャーキャー言ってたのですね。だとするとかなり過剰な王子様ぶりにも納得できる。先週はそういうギャグだと思って納得してたけど、「女子が過剰な王子様キャラを演じてくれてる」とした上でその理想の王子様の再現度の高さに黄色い悲鳴があがってたわけで。宝塚じゃん。
 それはさておき、「女ならアオイの恋人役は話にならなくて安心」みたいな扱いはちょっとした危うさも感じる。スズメの性的指向性自認を掘り下げる話にはならないと思うし、先週恋人役に執着してたのも自分の技術に自信があるからと思えば全然悪い人には見えなくなるので見事なんですが、読者が「女だったら安心だね」となるように物語が設計されてるとしか思えず、それに関してはちょっと引っかかる。
 てか、先週は普通に使い捨ての敵キャラだと思ってたので、今週の反転にはマジでしてやられてしまった。正直ベタさもあるというか、前述の通り先週の段階で予想できた人がいておかしくないと思うので、若干こっぱずかしい思い。ちゃんと読め。ごめんよ。

『超巡!超条先輩』48話

 話の順番を無視した感想になりますが、「オイオイこっちは女装かよ」ってならざるを得ない掲載位置。ポンちゃんとリリちゃん、どっちが男装似合うか部室トークしたくなりますね(帰宅部だったけど)。
 戻りまして。伴くんが催眠でイケメンになる。正確にはイケメンという自認を得る。イケメンだと思ったので自然と表情が変わっただけ、というキャラデザの変化が見事。デフォルメされた中でめちゃくちゃリアル。そして、いざイケメンになるとモテたいという煩悩とは無縁になる矛盾も面白い。煩悩がないからモテる、とも言えそうですね。『キルアオ』ロジック。
 催眠(にかかりたい思い)が強すぎて本来の人格が死にそう。なので性癖に刺さるシチュ大喜利で煩悩を呼び起こす。それを女性陣に押しつける、というのが若干アレだが、その内容がラブコメあるあるという健全さなのでやはり本作はすごい。性的なゲスさを感じさせながら、まずい一線は決して越えない。それも結構手前。そして、結局超巡の女装というオチになるのも見事すぎる。
 ポンちゃんのターン。先輩女子。ポンちゃんの珍しい先輩キャラが意外ながらハマってて面白かったのですが、劇中で言及された『アオのハコ』だったら制服姿で伴くんの朝練を労う、なんてことはしないですよね。あの作品は一緒に朝練するのが味噌なので。リリちゃん、『アオのハコ』解像度が低いぞ!(激キモ)
 リリちゃんはオタクに優しいギャルで勝負。『ゴルゴ13』全巻は笑う。『ONE PIECE』全巻の時点で普通にすごいが、それを遙かに越えてくる作品持ってきやがった。ネットミームからの評価の転換(これもミーム)、からのさらに一捻りを入れてくるのが見事すぎる。まぁ、『こち亀』でいいじゃん!(香取慎吾)とも思うが、『こち亀』じゃないからリアル、とも言えそう。もしくは巻数の多さを徹底するながら『ゴルゴ13』になるのも分かる。
 てか、『ロボコ』に続いて本作もギャル漫画のラブコメ回だったことになりますね。厳密には本作はラブコメ回ではなくラブコメ論。それにしてもすごい一致。そしてどっちもめちゃくちゃ面白い。我々は茶化しながらも普通にラブコメが好きなのかもしれない。そして、今のジャンプ、ギャグも複数あるし、ラブコメも複数あって、スポーツも複数あるのですごいですね。今更気づいてびっくりしてしまった。逆に言うと、それでも女性主人公(単独)は1作しかないので鬼門。『あかね』超すごい、でもいい。
 そして、次号は1周年でセンターカラー。1周年で表紙がもらえないというギャグ漫画あるある……! そう考えると『ロボコ』ってすごかったんだな。現連載陣におけるナンバー2(連載歴)も納得かもしれない。

センターカラー『あかね噺』144話

 パリが終わってしまって悲しいと思ったら1話だけ回想してくれるので嬉しい。
 ホームシックになるあかねと、行きずりのパリキッズ。ショタに優しいギャル!(どちらかというと優しくされたのだが) 言葉の壁を示す場面でありつつ、あかね(というか落語の学習法)の耳コピスタイルを踏まえて初見キッズを笑わせる、という展開が見事でした。正直ちゃんと伝わってるか分からないが、その機微も込みの描写になってて面白い。決して「あかねのスキルで笑わせた」というだけではない味わい。それをあかねのパリでのファースト落語として今後の3年間を象徴させたのが良い。
 どうでもいいけど、フランス語で「歌」ってシャンソンなのですね。日本語だと歌の中のジャンルとしてシャンソンがあるけど、フランス語だと歌すべてがシャンソン。チゲ鍋みたいなややこしさで面白い。

『魔男のイチ』20話

 起床。3日寝てたので治療はすべて終わってる。めちゃくちゃスムーズ。うますぎて感心しちゃった。大技ぶっぱで気絶設定をキレイに使いこなしてる。
 予言の魔女、ジキシローネ。直知ろうね! またしても天才かよ。シラベドンナを越える名前はもう出てこないと思っていたが、マジでそれ級なのが当たり前のように出てくる。ちょっと動揺してます。底なしのアイディア。
 そんな予言。また予言か。予言で話を引っ張るタイプの語り苦手なんだよな……と書くの今週2度目。まぁ、内容は割とよくある感じで謎がどうこうってイメージはなかったのでそんなに苦手意識はない。一応終盤に「どうやって予言を回避するのか」のロジックが楽しみなくらい。
 予言よりも、イチよりもおいしかったのはデスカラス。冒頭の場面で「あんたも付き添ってくれてたんかーい!」とはなったが、想像以上にイチにメロメロ、というかほとんど母性みたいなものが湧いてる可能性。その機微をセリフなしで描いたのが見事でしたね。単に悲しそうなのではなく、イチの “やる!” に対しては「こんなに立派になって……」的な感慨もありそうなのがまた良い。

『カグラバチ』66話

 かの戦争についての説明。意外と語られたこなかった全貌が明らかになる。突然現れた外界人による侵攻、みたいな感じだろうか。急にSFだな。そして、その外界人の行方も気になる、というか今後の新たな敵なんでしょうね。もしくは既出の人の中にそっち系の人、そっち系の出自を持つ人がいてもおかしくない。アダマンチウムみたいなスーパー貴重メタルが採れるので政治的な駆け引きが発生すること不可避なのでそっち系にも期待。そもそも本作における外国ってどうなってんだ。ちょうど来週末公開の『キャプテンアメリカ ブレイブニューワールド』がそんな話らしいですよ。『エターナルズ』勢歓喜である。
 妖術禁止の殺戮ホテル。完全に『ジョンウィック』におけるコンチネンタルですな。ただし、その妖術禁止のルールを踏まえて何を描くかというと、剣術のみで戦う昼彦。なるほど、チヒロと同じ境遇になるわけだ。これは面白い。悪役サイドの主人公という感じ。『ヒロアカ』でいう弔。『呪術』だと真人かな。ただ、よく考えたら昼彦が剣術のみで戦うのは、サムラの監視で妖刀を使えないからであって、殺戮ホテルとは実はあんまり噛み合ってない。これで来週「もう妖術使わないなら結構です」と話が終わったら面白いな。「殺すな」とはまだ言われてない。

『キルアオ』87話

 ガチガチの本気バトル。いきなり最終回間際というくらいの盛り上がりだが、校長の “いくらなんでも急すぎませんか?” がちょっとメタくて面白い。この後どうなるんだろうか。マジで終わっちゃうじゃん。まぁ、後から「実は複製個体で本人はもっと強い」とかでもいいのか。もちろんまったく別の驚異でもいい。
 バトル。静かに2人の動きを描写しながら唐突に荒唐無稽な攻撃が飛び出てくる。緩急が良いですな。見せ場となるコマが見にくい……とはちょっと違って、一瞬「はっ?」と理解が追いつかなくなるような感覚になれるのがめちゃくちゃ楽しい。思わず読む手を止めてしまうんですが、それがまさに「速すぎて目で追えない」感覚。

センターカラー『シド・クラフトの最終推理』10話

 唐突すぎる温泉回。これこれぇ! こういう開き直り的な雑展開がないと筒井作品じゃないぜ!! と晴れやかな気分になる。最後のルーチェさんもそうなのだが、この手の作劇上便利な金持ちキャラはよくいるので、今後も便利キャラとしてお世話になるかもしれない。結構好きです。
 そんな温泉。各人がトンチキな事情を抱え、その上で高度な心理戦を行う形で温泉回のセクシーを満喫するので正直楽しい。みんな間抜けなだけで基本良い人なのが微笑ましい。……いや、ルルは良い人とはちょっと違うか。
 あまりに都合良く気絶する探偵と警部。裏のない2人だけが気絶し、裏のある2人が意識を保つ。都合良くもあるが、死活問題の度合いが意識を保った2人だけ高いと言えるので、それが勝敗の差を生んだのかもしれない。行動原理が強いというか。
 てか、ルル。直接の弱みとは言えないかもしれないが、男だと思ってる助手が実は女、というのは使いようによっては探偵を弱体化させられるのではないか? 普通に結構な秘密をゲットできてると思う。

『ひまてん!』28話

 後楽園だ! 根津神社からも近い。距離感がリアルですな。本作の聖地巡礼をするようなファン(特にカンナ派閥)人はこのコースを是非。
 弟妹に見守られながらの遊園地デート。主人公が鈍いのはお約束ですが、お約束になりすぎて劇中で「鈍すぎるのはギルティ」と言われる時代なのですね。なかなか面白い。そして今週の『ロボコ』と大体同じ。立場が違うだけ。やっぱ小学生に本作と同じ機微を要求するのは可哀想だと思うよ。
 家族ぐるみの付き合いが続いていたのはカンナが絶賛ホームシック中だから、とオチがつくのには膝を打った。普通にまったく気づいてなかった。
 からのカンナの “ていう役作り中なんです” 。これまたこの手のラブコメではお馴染みの思わせぶりな展開をしてからすぐになかったことにするやつなのだが、本作の場合はそこにカンナの職業、職能という話に繋がるので面白い。そもそも今回のデートが仕事のためであり、そのグラビアアイドル由来の演技力で殿一を振り回す。ちゃんとグラビアアイドル由来というワンクッションが入るのが丁寧すぎる。マジで本作、仕事人間すぎる。ほのかだけだよ、まともな学生は。
 そんな職業に対しては全面のリスペクトを抱くのが本作の魅力ですが、カンナに対しても同じことが起こるので、グラビアアイドル評論をする男子高校生、という謎のシチュエーションが生まれてるのも面白い。そんな冷静に語れるものなのか。特にカンナみたいなタイプは「おっぱいでけぇ~!」で終わるイメージだが、最近はグラビア観も変わってきてるのかな。

『鵺の陰陽師』84話

 バトル漫画の強キャラ描写として「仕事なので」とか言うキャラって多いけど、今回は「私情で戦ってたけどこのままじゃまずいので冷静になって本気出します」という感じになってるので結構良い。『ひまてん』からの仕事熱心な流れである。少年誌なのになんだその流れ。
 変身パワーを見せつけるような開幕の一撃でまず足場が崩れ、直線上の戦いになる。その狭い中でも学郎が善戦すると、今度は先ほどの大技をフェイントとして使って……という展開。地味ながら戦略を感じる展開が良い。最近の本作のバトル、かなり好きになってきてます。若干リアクション兼解説のセリフが饒舌すぎてちょっと好きじゃないけど。
 信じられないほど善戦はしてるのだが、それでも決定打にはならず、攻めあぐねる学郎の中で焦りと絶望が湧きそうになるが、その瞬間相手が吐血。体力無限という前振り、からの変身となったが、変身で仮面を被り、表情が見えなくなってることを踏まえたクライマックスになっててめちゃくちゃ熱い。そこで “もう少しだ” となった学郎を目の当たりにし、逆に “効いていないのか…!?” となっちゃうのとか超良い。

『願いのアストロ』39話

 応援されると強くなるホスト。ミスターサタンが持ってたら作中最強キャラになれるかもしれない。そんなことよりも興味深いのはホストか。ホストファイターだと『アスミカケル』にも出てきたけど、ホストと格闘(喧嘩?)の相性は良いらしい。別に戦うイメージないけど、オラついたマインドが似てるってことかな。そして、本作だとさらにホストと裏社会との関連が語られるのが面白い。最近はホストカルチャーに対する関心も高まってて、ホストを扱う作品も多いと思うけど、「当たり前でしょ?」みたいなツラで裏社会との関わりを語ってて最高である。もちろん、中にはクリーンな店もあるってかほとんどがクリーンなんだろうけど。
 スターモード。名前からしてマリオのスターをイメージしてるのか、「無敵」の方向性がどちらかというと守備。不死身って感じですね。攻撃力も増せばいいと思うんだけど、たぶんテラスの対戦相手として最強の防御能力を持ってきたのでしょう。
 んで、ヅラだったので弱い。勝手にヅラ取るのはさすがに酷すぎると思ったんだけど、まぁよく考えたらテラスも極道か。穏便に「バラされたくなかったら棄権しろ」と耳打ちすればいいと思ったんですが、ヤクザがそれやると逆にもっと非道感あるかも……。
 ホストの想い人(普通に恋人?)、落ち着いた雰囲気なのはちょっと極端すぎるというか、「別に派手な人を好きでも良くない?」とか思ったんですが、あそこで独りでもキャーキャー声援を送れるとテラスの作戦が丸潰れなので話の都合上、叫べない大人しい人(裏設定で病弱とかでもいい)って見えないとダメなのか。

『ウィッチウォッチ』188話

 Tシャツ魔法。篠原先生も『ど根性ガエル』世代ではないと思うんだけど、一般知識として知ってるということなのかな。あと一応実写ドラマとかもあったか。
 モノ化して、まともにコミュニケーションも取れなくなる。結構な地獄というか、普通にめちゃくちゃ怖い状況なのではないだろうか。今後のシリアスバトル回、この魔法使えば楽勝じゃない? ジャンヌダルクさんも瞬殺だと思う。ひょっとしたら『ドラゴンボール』の「世界一強いアメ玉」みたいなことになるのかもしれないけど。

『白卓 HAKUTAKU』18話

 最終回。そうか、前回の佐野くんは身辺整理ということだったのですね。言われてみれば納得である。
 京都の大人たち。常識人と変人が逆転して会話してるのがめちゃくちゃ良い。結局この2人は相性が良いというか、深いレベルでコミュニケーション取れてるんだろうなと想像できる。
 んで日隈陣営、というか能登さんの次の目標はコミケ。傑作とか売れるとかではなく、バズりを目的にしてるのが良い。露悪的な意味ではなく、とにかく名前を売るところから始めないといけない。同人ゲームらしい目標設定で面白い……ゲームに限らないかも。そこらへん全然詳しくないので細かいリアリティは分からないけど、素人なりに感じられるリアリティがあって面白いです。
 日隈は当然バズりに特化したゲーム作りなんて方法は知るわけもないんだけど、そこを担当するのもやはり能登さんなのでしょう。具体的な方法は描かれずに終わったが、おそらく最後の “かわいい女の子を出せ” の注文がその一環だと思われる。現状日隈への無茶振りにしか思えないけど、おそらくそこに勝算があるんでしょうね。普通に気になるので惜しい話。まぁ、次の新しい仲間がバズりやすそうな女の子を描くのが得意、って感じだろうか。プロデューサーからクリエーターへの発注としてもなかなか面白かったし、やはり本作で好きだったのはこの「ゲーム作りにおけるプロデューサーの活躍」に焦点が当たったところかな。もちろん日隈の遊び方の天才という部分も面白かったが、プロデューサーって、どの業界でも知ってるようで全然知らない職業なので、「すごいプロデューサーっぽい」と説得力が感じられたのはかなり好き。
 終わり。最後にちゃんと白卓の説明がされたので安心しました。定期的に「そんな言葉ないよね!?」と思ってたので。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 江戸出版特集その2。大河観てないので「黄表紙」自体初めましてだったんですが、なかなか興味深い。ほとんど漫画のご先祖と言えそうな雰囲気ありますね。現代の漫画にかなり近づいてきてるというか。まぁ、「漫画の歴史」というのはガチで研究してる人いると思うので、ここでの感想はあまり真に受けないでください。
 特集内容が普通に面白いので、こうなると大河が観ておけばよかったと後悔の念が。途中から観るのも抵抗あるし、サブスク入るのもイヤだし、総集編から入るのも甘えだし……と腰を上げない理由ばかり探してしまう。いつもそう。渋沢栄一の年は観たが(北区だから)、近年では珍しいほど話題にならなかったよねぇ。悔しい。挙げ句人の家でションベンする始末。なんでだよ……。

次号予告

 新連載。ピアノらしい。ピアニストの話、意外と多いですね。サッカー漫画よりも多いと言える(計測範囲による)。ひょっとしたら音楽詳しい人だと「星線」というタイトルから察しがついたりしたのかな。一応そのものずばりの用語ではないらしいけど。
 あとは、前述もしたけど『超巡』が1周年だけど表紙もらえないパターン。無念。予告文がマジなら1周年をメタ的に扱う話っぽいので、劇中で表紙ではない恨み節が聞けるかもしれない。

愛読者アンケート

 新連載について。いつもと違う質問としては、サッカーについてもっとも興味関心があること。試合観戦。キッズの頃サッカー教室に通ってたけど、マジで玉蹴り遊びのレベルのまま卒業したので特にプレイヤー側としての関心はないです。
 あとは、今の連載陣、何本読んでるか。すべて。本誌以外で、雑誌で連載を追ってる作品の数。ぐぬぬ、web媒体は含めないんだったら1本だけど、含めるとそれなりに数があって考えるのもめんどくさい。選択肢の最大が22なんですが、それはさすがにない、気がする。10はある、ような気がするが、具体的に数える気力はない。

総括

 終わり。マジで木曜深夜の更新が定着しそうで怖い。遅いのもあるが、1週間のうち4日も「ジャンプ記事書かなきゃ」となるのが精神衛生上あまりによろしくない。

 今週のベスト作品。新連載。面白かったよ。『ハイキュー』メソッドは感じるが、ちゃんと独自性も感じる。
 次点は『しのびごと』『ロボコ』『超巡』、あと『白卓』。

 ベストコマ。『超巡』のオタクに優しいリリちゃん。まぁネタとしては定番なんだけど、話の流れとキャラのハマり、そして何よりアレンジが好き。

 ベストキャラ。『エンバーズ』の押見先生。絶対本話における一番人気のキャラだと思うんだけど、それにしてはキャラデザが雑じゃない? と不思議な感覚にさいなまれるので好き。作者が意図しない魅力が発生してる可能性も考えちゃうけど、話的にはどう考えてもおいしい役だからそんなわけでもないよなぁ。本当に不思議。
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