北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年12号の感想

 3/3から『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』が各種サブスクで観れるようになるからみんなよろしくだぜ。未読やシリーズ未見でもでもかまわんよ。知らない人たちがバレーやるだけだから大丈夫。

表紙

 『ウィッチウォッチ』4周年。一瞬ハロウィンかと思ったが、よく見たら全然その要素なかったわ。ツーショットが珍しいんですが、今週の本編と合ってて良いですね。

読者プレゼント

 オタカラパゴス諸島。かなり苦しいが、各種ダジャレ動物のイラストがしっかりしてるので楽しい。担当は判田智規。個人的には「人気ゲームプレイングアナ」が好きです。ダジャレの強引さも良い。イングアナ。

巻頭カラー『ウィッチウォッチ』190話

 ニコ、11歳になったらしい。ちゃんと成長を感じるというか、11歳になった機微が感じられるのですごい。絵を繊細に描き分けてるのか、私の絵を見る目は節穴なので不明ですが、洋服の効果が大きいのかな。とはいえ、キッズの細かい年齢の違いを反映した服装を考えるのもめちゃくちゃ大変そうですね。篠原先生に子供がいるかは知りませんが、いるとしたらさすがに娘なのでしょう。そして娘以上にその年代のファッションに詳しそう。キモがられててほしい。
 ニコ以外が幼児化。身長とか頭身とかに違和感があるんだけど、「とりあえず小さくなった」くらいの認識で読むべきなんだろうな。ちゃんと計算してて、合ってるなら本当に申し訳ない。
 「おいおいケイゴだけ似てなさすぎだろ」と思ったらちゃんと理屈があるので驚いた。というか完全に忘れてた……。そういや魔法も使えるんだっけか。スポーツマンで、しかもフィギュアスケートというかなり特殊な環境に置かれるスポーツなので、と面影がなさすぎるケイゴ像が固まっていくくだりが面白かった。反動もあるんだろうが、変わりすぎである。
 んで、11歳になったニコ、恋心が芽生え始める。個人的にモイニコの恋愛には興味ないんですが(世間的には人気すごそうなイメージ)、この子供ニコ側の芽生えというのはちょっと面白そう。厳密に考えたら今のニコが抱く恋は「素敵すぎるお兄ちゃんのモイちゃん」なのであって、元のニコとの間には違いが確実にあると思う。そこらへんのすり合わせが面白そう。あと、前にも書いたと思うけど、問題はモイちゃんの方で、「ニコの子育て」を経験してしまったモイちゃん、今後ニコが元の年齢に戻ったとしても、恋心に戻るの難しくない? 「大きくなったなぁ……」という感動はあるだろうけど、そこからかつての恋心に繋がるのはめちゃくちゃ難易度高いというか、何なら娘感覚が抜けなくて恋愛に対して忌避感あってもおかしくなさそう。自分の記憶の中に眠る恋愛感情に対して自己嫌悪に陥ったり。魔法かけられたり大変すぎるな、モイちゃん。脳味噌グチャグチャになっちゃう。

『アオのハコ』184話

 サブタイにもある “親公認だね” がキラーシーンなのは分かるが、それやるならお義父さんから「娘公認だな」もやってほしい。まぁ、仲良くなってしまったが故の「呪い」というギャグ的なオチに繋げたのは良い着地だったと思います。本作の抱える「エロに発展しなさすぎじゃない!?」という問題(でもないが)に対するアンサーとしても機能しそう。逆に考えると、千夏パイセンに対してエロを感じるとお義父さんの顔がチラつく呪いにかかったということは、お義父さんにエロを感じるようになるまであと一歩ですな。パブロフの犬で説明できる。頑張ってくれ(何をだ)。
 んで、お遊びのミックスバド大会。兵藤妹で分かりやすく恋愛にフォーカスしてから、匡へと繋がる流れが美しかったです。勝ったら菖蒲が映画デートに行くというジレンマ……を回避したと思ったらさらなる罠が待ってるのが地獄すぎて笑った。

『しのびごと』21話

 微増ページ。やけに前の方に配置されてるし、軽く勝負の回って感じか。とはいえ、そこまで魅力が爆発するような回ではなかったと思う。普通に好きだし、普通に面白かったけど、本作が跳ねたときはもっと面白いので。
 別の忍者部隊。コゲラと、ヒヨ。ヒヨドリを略してヒヨかな。今気づいたけど、みんな鳥なんですね。自分の察しの悪さに驚いてしまった。ヨダカもヒバリも鳥を連想できてなかった。今後連載が長期化してアホみたいに強さのインフレを果たしたら、恐竜の名前を冠した忍者とか出せばいいと思う。
 オペレーターの号数。約100ある忍者部隊の序列らしい。ヨダカのとこは9号。くっくっくっ、奴は1桁の中で最弱……。まぁ、1桁は基本スーパーエリートの一族が担当しがちなので、血界も持たない民間出身者が入ることが超異例、と考えればなかなか良い落とし所か。いや、この世界における民間って何よ。結構ここらへんの設定面白そう。
 ラスト。 “明らかに鬼上司だ!” が間抜けなので笑ってしまった。本作のこういうノリ良いよなぁ。勝負の回にふさわしい内容なのかは知らんが。あと、「バン」も鳥らしいです。これはマジで知らなかった。クイナの仲間らしい。あの死因を擦られ続けてるあの人も忍者ってことですな。

センターカラー『Bの星線』2話

 カラー扉が何となく「星線」のことを示してそうな雰囲気。具体的な説明はないが、少しずつ外堀を埋めてる感。
 本編。「ドイツ三大B」なるものがあるらしい。これは今後バッハ、ブラームスを連れたライバルキャラが登場する布石じゃない? まぁ、背後霊だったらそういうのもやりやすそうだけど、リアルオジサンだからなぁ。毎度毎度ライバルとオッサンがセットになるのもクドいか。どうなるのかしら。
 主人公の心のマスター。マスターが師匠ではなく喫茶店のマスターだったのは面白い。その後の「復習」のための演奏というのもなかなか良いですな。話として面白いとは別軸だが、こういうのが当たり前のように連発されると非常に気持ちいい。
 そんな主人公の悩み。それを聞いたベートーヴェンが「資格」に爆笑。心の傷に寄り添ってくれるみたいな優しい話ではなく、あくまでもレベルの高すぎる「音楽観」の提示によって主人公が救われる。ここめちゃくちゃ良かった。未だにあまり深いコミュニケーションが取れてるとは言えない関係だけど、彼の音楽観だけは信頼でき、そこだけは抗い難いほどの説得力を持つ。先週あった「昔とピアノが違う」の件とも通じる “全ての楽器は音楽という神に仕える為に生まれてきた” というのが熱い。奇しくもマスターの主張とも合致するのでマスターすごいですね。ベートーヴェンの境地に達してるマスター何者。

『悪祓士のキヨシくん』32話

 各団のチームとしての個性が発揮されてるのめちゃくちゃ良いね。こういうのって雑だと団長の強さ大喜利みたいになって単調だけど、どのようなチームを形成してるか、部下にどのように慕われてるか、みたいな部分が予想外に魅力的。敵味方共にほとんど新キャラが次々出てくる話なんだけど、予想外の魅力が詰まってて朗報。
 オノヨーコの武闘派団に対する武人魔王。このマッチアップも楽しいのだが、すべてをかっさらっていくネハンとジャックジョー。スパイダーマンっぽい移動もワクワクさせられたし、普通にめちゃくちゃ楽しみなのだが、個人的にオノヨーコの活躍はちゃんと見たかったなw さすがにこのまま助けられて終わるとは思いたくないが。
 ネハン。普通に考えたら参加するのは無理あるんだけど、ジャックジョーが聖剣相手に善戦したことを考えると別に何の不思議もないですね。良いバランス。まぁ、「ジャックジョー単体で戦えば?」とはなりますが、たぶん来週そこらへんの説明は来ると思う。契約者と一緒に戦うことでパワーアップする的な。んで超仲良しの2人は本来ではあり得ないほどパワーアップできる的な。

『SAKAMOTO DAYS』201話

 シンパパの光堕ち。まぁ、シンを捨てた経緯からして光の誘惑はあったので、まぁ当然っちゃ当然と言えるのかもしれない。「最初っから素直になってればさぁ!」とか思わんでもないけど、まぁ悪さしてる最中なのでそうも言ってられなかったか。
 急にメロくなって面食らうところもあったが、読心大喜利のアイディアはさすがでしたね。漏れちゃったのか、伝えようとしたのか、を考えるのも味わい深い。ただ、錨の人は可哀想。仕方ないとはいえ。

センターカラー『グレイキースの魔界語訳録』帆上夏希

 読切9連発企画。1/9。帆上先生のこと好きだった記憶はあるけど具体的にどこらへんが面白かったのかよく覚えてない……という状態で今回読んだんですが、めちゃくちゃ面白くない? 何この人早く連載しろよ。やはり『鬼滅』を憎むべきかw まぁ、良い人材すぎてすぐ持ってかれた、というジレンマですな。特別なフックとか抜きに、基本的なオモシロの基準が高い。これ級が9週続くんだとしたら楽しみですね。正直帆上先生は楽しみだったけど、それを除くと「ショートフロンティアでいいのに」という気持ちもあったんですが、少しだけ心変わりしました。来週は連載経験者ではないようなので、それが「いつもの読切と変わんなくない?」だったらまた文句言いたくなるかもしれません。まぁ、連載の誰かに休みが入れば実質ショートフロンティアみたいな作品が載るので9週お預けが確定というわけでもないですね。それに期待するのもどうかと思いますが。
 本編。話が長ぇのよ。魔界と接続して70年経った日本におけるとある翻訳家。どうでもいいけど、序盤のナレーション、 異世界と交流を初めておよそ70年” というのは誤字ですね。始めて。
 それはさておき、翻訳家が魔法使いのように活躍してる設定が面白い。他文化を吸収できることはほとんどスーパーパワーに等しい、というのが一発で分かる。言語の修得がスーパーパワーとイコールになる感じは映画『メッセージ』っぽいかもしれない(原作小説は未読)。あれは他文化の吸収ではなく、文法の理解がそのまま、元の人類からしたら超常的なチカラへと至る話なので細かくは違うが、まぁそんなややこしい話をジャンプではしない。少なくとも読切では。
 魔界。正直最初はそれほど心躍る設定ではなかったのだが、実際に魔界へと移動するとそのビジュアルにワクワクさせられた。忘れてたけど、シンプルに帆上先生の絵が好きだったのかもしれない。絵も、か。正直悪役のワンコたちにはちょっとキュンキュンしてしまったよ。
 なぜか本に執着する依頼者と、事態の全容をほぼ把握してるのでお節介を出さざるを得ない翻訳家。言葉の壁によるディスコミュニケーションと、それでもその壁を越えようとする人々の姿勢の美しさ、というのがそのままキャラクターの魅力や話の面白さになってるのも良かった。というか素晴らしかった。個人的に最近この手のコミュニケーション論みたいなテーマに弱いってのもある。そのコミュニケーションの壁を越える手助けをするヒーローとしての翻訳家。めちゃくちゃ良い。通訳じゃなくて基本は翻訳、テキストベースなのでちょっと間接的なお手伝いなのが良いですね。
 んで、ワンコたちに襲われてピンチ。伏線が全然伏せれてないので「どうせしずかちゃんのお風呂みたいな人でしょ~」とはなりましたが、翻訳家自身は決して強くならないまま終わったのが良かった。あと鍵の使い方。庇護対象の2人を先にドアの向こうに転送して自分だけが残る、とめちゃくちゃヒロイックに見えるけど、その後の鍵を使った逆転を考えると、逃がすためと同時に逆転するために扉が必要だったと分かる。
 ということでしずかちゃん。これまたビジュアルが良い。というか、魔法(と周りが呼ぶもの)のビジュアル全般も良かったですね。そんなしずかちゃん。あくまでも翻訳家は「超強い人と話すことができるから強い」という扱いになったのが良い。言葉を知らないと命乞いもできない、というのがマジで痛快でしたな。ワンコ語の断末魔のくだりはちょっと描写が少ないので初読時は一瞬理解に詰まりましたが、分かるとちゃんと味わい深い。翻訳家がワンコ語も理解してると最後に示すのもオシャレで良いですね。言語の違いをビジュアルで分かるように示してたのも結構驚きました。そして、その魔界語のビジュアル表現も “リボンが素敵だねってさ” のくだりでサラリと紹介済みという。
 そして、婆さんが残した「魔法の言葉」というのもオシャレで感心しちゃう。ただ、あそこは翻訳家が “強いて訳すなら意味は” なので、実際は「萌え萌えきゅん」とかだった可能性も否定できませんね。
 ということで終わり。ちょっとどうかと思うくらいに面白かった。偏愛的な刺さり方をしたわけではないんですが、総じてめちゃ面白いし、全体的に漫画としてゴージャスだったと思う。映画でいう「予算かかってそう」。やはり帆上先生を『鬼滅』スピンオフに縛り付けたのは大いなる損失だったのではないか……(しつけーよ)。まぁ、あれも面白かったのでしょうね。

『僕とロボコ』221話

 クラブ活動というまったく新しい概念。校内で月刊誌を作ってるらしい。すごすぎでは。いや、新聞部とかの存在を考えるとあながち荒唐無稽な話とも言えないのかも。作品のクオリティはさておき、月イチで1話完成させる小学生って相当な超人だと思うので、そこらへんは多少の飛躍なのかな。
 打ち切りラッシュ。理由が小学生らしい理由なので笑った。そのまま打ち切り大喜利みたいな感じになるのかと思ったら、打ち切りエンドについてはかなり好意的な扱いで意外。良い。
 ということでスカスカの誌面を埋めるべく会議。絵がうまい子は丸パクリかイラストを描くだけ、というのにもリアリティを感じる。こないだの『ウィッチウォッチ』の「女性キャラだけエロくなる」の件とも通じる、ファン心理が色濃く残ったまま作家になってしまった弊害という感じか。
 オチ。穴埋めとして駆り出された、ジャンプのコネを使った作家はロボコ。ガッカリ的な意味のオチなのは分かるが、それまで “「あり」だ” と判断されてきたキッズ作家のことを考えるとロボコの作品めちゃくちゃまともじゃない? まともというか、普段と遜色ない気がしてしまう。下手すりゃ少年バミューダにおける看板作家になってもおかしくないというか。

センターカラー『魔男のイチ』22話

 先週の私同様、イチがデスカラスのことを母親視してて良かった。ぶっちゃけ姉って感じじゃないよなぁ。母親視に至る経緯は違うが。
 血判状。本作特有の文字で書かれてるのに、要所だけ漢字とカタカナも使われて不思議ではある。ガチの契約書っぽい日本語の羅列があるとファンタジー感なくなっちゃうから避けた、とかそんなだろうか。
 血判状には2つの効果があって、という対照的な見せ方も良かった。デスカラスちゃんのふざけた言動からの覚悟が定番ながら熱い。命令を断れない設定は便利すぎるというか、便利すぎて逆に難しくなる気もするんだけど、そこらへんの扱いも楽しみです。
 んで、次のミッション。マジでミッションが与えられるので意外。都合良すぎる気もする。まぁ、それよりも大事なのは魔法の習得を目指す男の存在。男キャラ大増量の流れか。魔具(だっけ?)を使って超強くなれれば魔法を殺せる……までは行かないまでも死なない程度に殺し続けることができるので習得への説得が可能。理屈は何となく分かるのだが、それだけだとかなりシンプルなロジックなので、その程度の奴なら以前にも普通にいておかしくなさそう。どうなるのかしら。

『エンバーズ』3話

 目つき悪い系女子、世にも珍しい現役JK監督でした。なるほど、そういう感じで女性キャラを当事者として参加させるのか。『ハイキュー』は好きだけど、「結局女子はマネちゃんでマドンナなのね」と限界も感じてたので、これは結構目から鱗。まぁ、JK監督自体は『黒子のバスケ』でもあったので私が過剰に驚いてるだけか。「女子がスカウト役やってたらマネージャーだと思うじゃん?」という誘導をキレイに決められた形。そんなJK監督、ヤンキー転がしがうまそうなので早くもなかなか魅力的。人の資質を見抜き、適切な扱い方も心得てる感じが監督としての優秀さを感じさせる。
 Aチーム選考会。単純に私が高校スポーツに詳しくないのと、強豪校を舞台にしたスポーツ漫画をあまり読んでこなかったのもあるが、強豪校ならではの設定がめちゃくちゃ面白そう。サッカー全体の縮図が一つの学校の中にも存在する、って感じでめちゃくちゃ良い。なるほど、強豪校設定だとこういう魅力もあるのか。テストという分かりやすい困難も漫画っぽい。
 日向影山みたいな対抗意識も微笑ましいのですが、やはりここでの魅力はJK監督ですよね。 “雪月監督 世界じゃぞ デカかろう” “かっこいいね〰” のコマとか最高。心ない言葉でヤンキーの転がしてるの超良い。
 手握っただけで相手の状態や実力を見抜く。スーパーパワーじゃん。そっち方面に行くのか。いや、行くにしても味方チームにしか使えなさそうな能力で大丈夫なのか? まぁ、試合前とか握手する機会もあるか。あと試合中に倒れた相手を起きあがらせるときとか。途中交代で入った謎の選手を起きあがらせたときにパイセンが震え上がる、みたいな展開ありそう。使い捨てではければ。
 ということで因縁が発生していざテスト。なのだが、よく考えたら例のパイセン、なんで後輩(やBチーム以下の子)を絞め殺したがってるのかが謎ですね。新入生いびりと同じ感覚なのだろうか。能力的に監督に協力を求められてもおかしくないと思うんですが。『黒子のバスケ』のJK監督にも似たような能力あったよね。最初だけで全然使われてなかった気もするが。

『逃げ上手の若君』191話

 足利の内紛は「天下」という座(目標)があるせいで起きた。だからそれを捨てれる若は身内との幸せを得る、という話の接続は面白かった。普通に感心もするのだが、公的な大義を(部分的に)捨て、私的な幸福も追求する姿勢が現代人的な価値観に響く……そのくせ重婚になるので、結局歴史物であることを都合良く、恣意的に活用してるように思えてしまう。あと、北条家としての目標よりも自分自身の目標を優先するんだったら、即セックスになるのがおかしいよね。子作りにはどう考えても北条家的な目標がつきまとってしまうし、何なら3人同時に関係を築いたら子供ができる順番とかギスる要因になりそうなので兄弟で殺し合うようになった足利との対比になってないと思う。結局「全員と結ばれる」という大々的なハッタリに向けた屁理屈をコネコネした結果、普通に都合の良さが目立ってしまった印象。

『あかね噺』146話

 学問先生。あちこちに顔を出しすぎなのだが、まぁ今回はパリでのコネのことを考えると自然ですね。
 ガチガチの空気の中での「あくび指南」。客席の空気をまさに解きほぐすような一手で最高。見開き自体もそうだが、見開きに向けた助走も相変わらず最高ですね。部分的な描写を重ねて見開きで超引きで全体をドン。という漫画的な描写が、小さな描写の積み重ねで全体の光景を想像させる落語そのもの。
 あくびの伝播、及びそれに対する “みなさんはあくびしなくていいですよ” で爆笑。わざわざ一旦メタに入ることでしっかり笑いという成果を生じさせてるのも良かったし、客席を味方につける効果にも説得力が生まれてて素晴らしい。あくびが移るのは人間の共感能力が生み出した現象らしいので、この大仕掛け、理論上は現実的な話ですよね。いくら敵対してても、そういう空気が流れていても強制的にあくびに引きずり込む、というあかねのオラオラな姿勢も現れてて良い。
 パリでの3年という飛躍を挟むことで、読者が知らないネタをあかねがいきなり披露できるようになったのも良いですね。正直めちゃくちゃ面白く、何なら一旦キレイすぎる完結をしたみたいな印象もあるので、「この勢いのまま次号表紙!」というのが逆にちょっと乗れない感じはある。区切りがついてしまった感があるというか。まぁどうせ来週も読むから関係ない話なんですが。

『ひまてん!』30話

 サブタイが「ほのてん!」。めちゃくちゃ重要そうなサブタイなんですが、内容は割と普通のほのか回だったと思う。
 本編。叶家。掃除のために呼んだのだが、他人を家に上げるとなるとつい自分で掃除しちゃう。これは殿一とのラブコメがなくてもこういう人、こういう客結構いそうなイメージ。ガチ掃除じゃなくても変にごまかそうとしちゃう、とか。ちょっと家事代行のリアルというか、あるあるを垣間見た感じで面白い。
  “仕事しに来たので仕事させて下さい” 。「キャー! 殿一くんかっこいいー!!」という場面ではあるものの、それ以上に殿一のプロ意識を舐めてた叶さんが軽く後悔するニュアンスもありそう。仕事を奪えば私的な時間が設けられると思ったが、そんなことはなく、それどころか殿一を愚弄する行為であったという。ラブコメそっちのけで仕事したがる本作らしい良い場面でした。
 餃子。家で餃子喰うのにニンニク抜くなんてあり得るんですか……? 驚愕だった。臭いことを除けばニンニク入りにしない理由なんてこの世に存在しないと思ってたので。カルチャーショック。あと、殿一の仕事的に、前日から料理の仕込みをしてくるのはアリなのかがちょっと気になる。そもそも持ち込む場合の材料費とかどうするのか分からないし。これは完全に現実でも当てはまる話ですが、家事代行に料理頼む場合の料金ってどうなってるのかしら。今度調べてみようかな。
 んで、仕事が終わってからようやく私的な付き合いができるようになり、そこで塾の夏期講習のお誘い。なるほど、これは面白いな。学校ではないので学校の人たちとは隔離された、別の学校的な空間。ここに金の事情が絡んでくるのも本作らしくて面白い。紹介で入会金無料という現実でもありそうな要素が2人の「負担を半分にする」の話と絡んでくる。入会金無料はあくまでも言い訳なのだが、今回の家事代行で殿一が100を担い、入会金では殿一だけが0になる。「半分にしない」話ですね。

『カグラバチ』68話

 エレベーターを使ってチヒロが昼彦とタイマンに持ち込むが、有象無象がエレベーターで現れピンチ、からのマスミもエレベーターで現れ、娘をエレベーター内で一旦避難させて皆殺し。エレベーターの四段活用が楽しい。まぁ、厳密に言うと「現れる」が2つ同じなので、三段活用かな。先週昼彦が現れたのもあるしね。
 んで、昼彦の自由剣術。背中で持ち手、持ち方をスイッチするのでほとんどの人には初動が見えない。なかなか面白い。型にはまらない特徴も感じるし、一応現実でも行えそうなラインなのも良い。それを “不可視の剣術” とかっこいい名前つけたのも素晴らしい。見た瞬間、『ドカベン』わびすけのスイッチ投法だ!! となったんですが、昼彦だと中二感が湧いてくるので不思議ですね。
 実際にアクションそのものが似てるわけではないんですが、高速で行う刃物の持ち替えというと、映画『キャプテンアメリカ ウィンターソルジャー』でのナイフが有名で、おそらくだけど今回のアイディア元なんじゃないかと思う。外薗先生がMCUファンなのは目次コメントで確定なので。ちなみに、そんなナイフのセルフパスをさらに進化させたのが現在公開中の『トワイライトウォリアーズ 決戦!九龍城砦』なので興味ある人はオススメです。そ、信一……。
 昼彦のスイッチ剣法、本来なら不可視だがチヒロの目を持ってすれば視認することが可能。思わぬ相性の良さが面白いんですが、真面目に考えると剣術を蔑ろにする天才昼彦に対して、遺伝的な才能で上回るのは話としておかしいので、チヒロは目じゃなくて真面目な剣術で何とか勝っていただきたいところ。……スイッチ剣法はもう終わりになりそうなので、結構不安です。

『シド・クラフトの最終推理』12話

 エリオのお嬢様生活。秘密を共有するじいや的な人がいるのも良かったのだが、仮(本当)の姿ではメガネをしてるのが嬉しい。オンオフの切り替えとして便利なんだろうな。小説家設定にもハマりますし。
 メガネのままシドとエンカウント。クソデカ帽子もあるし、マジでバレない気がする。メガネのまま普段の助手スキルを発揮するのも良かったんですが、それ以上にお嬢様の素養としての乗馬スキルが活かされたのが良い。お嬢様の特徴は放置して進むかと思ったけど、その両面があるのがエリオ、としたのがめちゃくちゃ良い。お嬢様のたくましい一面が露わになる意外性もあり、かっこいい活躍になるのがかなり好き……なんだけど、馬が可愛すぎますね。ご愛敬である。
 んで、過去に会ったことがあったらしい。血塗れ状態で冤罪という話をしてるので「まさか両親が殺された!?」とか心配になってしまったんですが、読み返したら前半に両親の話出てきたので普通にご健在でした。よかったね~。

『鵺の陰陽師』86話

 ママ狂骨の真相。そもそも狂骨は藤乃家が作った人工幻妖で、お馴染みのあの狂骨は最高傑作らしく、ママ狂骨は雑用を任されてる失敗作。なるほど、なかなか面白い設定だ。てか、代葉のこと「今時綾波レイをやらなくても……」と思ってたけど、本当に綾波レイなのは狂骨の方だったのか。まさかのヒロイン属性。
 そんなママ狂骨。ママ属性が出落ちのギャグではなく、ちゃんと物語に即してるので良い。たった2週でめちゃくちゃ魅力的なキャラクターになってしまった。すごい。普通に藤乃家がクソすぎるので元々反乱の種は芽吹いていた、というのも説得力あるし、そこに代葉が絡んでたというのも良い。敵の襲撃で「学郎のカチコミ」の話がブレた気もしたけど、一瞬で「代葉を守る」の話に戻ってきたのでそこも良い。

『願いのアストロ』41話

 ヒバルタイラ戦。いちいち “斬られた!!” のイメージが差し込まれるの良いですね。こういう死のイメージ演出自体はそれほど珍しくないけど、それがすぐに繰り返されるのが新鮮。そしてその繰り返しによって「本来ならあり得ない位置にヒバルがいる」という衝撃に繋がってる。面白い。てか、今更かもしれないけど、本作のバトル良いですね。かなり好きかも。
 すぐに光堕ちせず、修羅道の追求として外道ムーブを続けるのも良かった。本来ならただのスーパークズなんだけど、話の流れ的にタイラの中では一本筋の通った選択にも感じられる。冒頭の子供を助ける回想との対比としても良い。

『超巡!超条先輩』50話

 ポンちゃん、心理テストの誘導によって超巡にホレかける。しょうもなさすぎて笑ったんですが(ポンちゃんは可愛い)、そもそも心理テストを作る人、楽しませる人はそういうリアクションを想定して作ってるのかもしれませんね。火のないところに煙を立てて「言われてみればそんな気がしてきませんか?」と刺激してくる。それが恋愛系だと余計に響きやすく、非常にチョロいということなのかもしれん。もちろん今回のポンはデフォルメされてめちゃくちゃ大げさにはなってるけど、心理テストを楽しむ層は大体こんな感じなのではないだろうか。リリちゃんみたいに半笑いで軽く楽しむ人もいるだろうけど。
 そんなリリちゃん。からかいで楽しんでる面もあるけど、彼女は彼女で過剰なまでの乙女心を発揮するポンを見て恋愛中心の世界を楽しんでる節があって、そこもちょっとリアルに感じる。笑いもあるけど、どこかキュンキュンしてる感じもあったでしょ、たぶん。
 そんなポンの恋が冷める超巡の幻滅ムーブ。ツンデレ疑惑があったけど、確実に「あれ自体はマジだ」と思えるのですごい。超巡がツンデレなのはある程度正しいと思うが、あの酔っぱらいを心配したのも真。
 それはさておき、左門くんとてっしーが普通に付き合ってたらちょっとイヤだけど、超巡とポンちゃんが付き合ってるのはまぁいいかなって気分。なんでか詳しい説明はできないけど、普通に大人だからだろうか。まぁ、さすがに付き合うとしても、それは作品が終わるときにしてほしいけど。

『キルアオ』89話

 本作についてはずっと「いざとなったら催眠術あるから大丈夫っしょ」の気持ちでいたんですが、ついに劇中で催眠術が言及されたので笑った。さすがに無視はできなかったか。
 絶体絶命、絶望しかないシチュエーションで十三の選択は、話す。そしてそれが思わぬ形で成功するのが面白かった。校長が腑抜けになって悪さを続けないのがちょっと都合良い気もするけど、一応十三の “もう観念しちまった…” がその根拠なんでしょうね。セリフとしてはないけど、校長も同感で毒が抜けたのを示してるんだと思う。
 とにかく、秘密がバレるというピンチにおいて有効な一手は、話す。普通の話だが真理だと思う。ただし、話したのは殺し屋のことであって、コナンくんの方は秘密のまま。大人ってずるい!! 何も言わずに嘘を合わせる大人同士の阿吽の呼吸もずるいw
 んで、次の話。そもそもの話、すべての元凶はミツオカにあって、校長もでかい目標を掲げてたけど、所詮はミツオカのルールを活用して自分の利を得ようとしてるだけに過ぎず、問題の本質とは言えない。校長にはラスボスの風格あったけど、物語的にラスボスとしての資格はない。なかなか鮮やかであり、意外でもあって好き。先週まで校長がラスボスでも全然飲み込めそうだったけど、言われてみれば校長をどうにかしても何か解決はしてない。降りかかる火の粉を払ってるだけなので、今後は元の火を消す話に移る。校長に「理想の父親」という属性が付与されたのは十三との対比ですが、ミツオカという真のラスボスが明らかになった今、本当に悪い父親は誰か……という話ですね。十三が子供たちのために大人の世界をぶっ壊す話としてものすごくふさわしい着地だと思う。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 第1回おでんガリョキン結果発表。募集の段階から「これ面白くなんの……?」とよく分からないまま今週に至ったのですが、結局よく分からないままだったな。2人の講評コメントがちゃんとしてて面白かったというのはあるが……。
 そもそも、いつもの職人が送る企画なのか、まったく別の画力自慢が送るのかも分かってなかったんですが、一応いつもお馴染み職人もいたので良かった。ネタに走るべきか走らざるべきか。ちょっとネタ感あるアプローチもあるけど、本腰入れてる感じでもない、という絶妙なバランスなのも面白かったです。もっとネタ感全開でボツになった人もいるのだろうか……とか思いを馳せてしまう。分からないよな。

次号予告

 『あかね』が3周年で表紙。『SAKAMOTO』がアニメ化してしまった今、「いつまで経ってもアニメ化されない傑作」という座を維持してほしい。単純にアニメ化難しそうってのもあるんですが、そういう会議はもうとっくに行われてると思うのであんま関係ないのかな。ちなみに『あかね』以降の古株は『キルアオ』『鵺』、そして『カグラバチ』と続くんですが、この際『カグラバチ』が音速でアニメ化する未来も面白そう。その次は『超巡』ですが、個人的には『左門くん』アニメ化してほしい。『ヴィジランテ』よりも『逢魔ヶ刻動物園』アニメ化してほしい。
 9号連続読切企画。てっきり連載経験作家とか豪華めな作家が登板する企画かと思ったんですが、普通の新人作家だったでござる。本誌には過去に2回普通の読切を載せてて、その2回目、去年のやつは結構面白かった記憶があるので結構楽しみです。集合住宅という題材も超良い。

目次

「時」と打ちたいときに「土岐」と出、「勇気」が「結城」と出る。南北朝作家あるある
(『逃げ上手の若君』)

 「転んだ」を「殺んだ」と誤字したことでお馴染みの松井先生が時代を変えても苦労してるので笑った。

愛読者アンケート

 新連載について。キャラについての質問が翻訳家しかなくてJKの方が可哀想。このくらいのバランスの作品だったら2人聞くのがいつもの感じだと思ったんですが、線引きが分からん。

総括

 月曜は別の記事書いてたんで、火曜スタートで3日での更新を目指した……んですが、4日かかって金曜更新。ぐへぇ。最近マジで4日目ばっかりだ。今年に入ってから3日で更新できたことないんじゃないかしら。つらい、つらいぞ。とにかく話が長すぎる。もっと雑に終わらせていいのよ。

 今週のベスト作品。読切。『グレイキースの魔界語訳録』。普通に超良かった。
 次点は『あかね』かな。来週表紙回だけど、何かもうひと盛り上がりしきってしまった印象。

 ベストコマ。『魔男』のデスカラスちゃんが胸元をグイッと見せるコマ。ふざけた言動でごまかしていたが、彼女が本気を、覚悟を見せるときは黙って見せる。その緩急がシンプルながらめちゃくちゃ良かった。

 ベストキャラ。『鵺』のキョコちゃん。先週の出落ち的な勢いのママ狂骨も良かったが、今週語られる真相であり、ママ性の根拠がめちゃくちゃ良かった。最近の本作、変じゃないときも普通に好きです。
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