北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年28号(紙版)の感想

 実写版『リロ&スティッチ』、まさかのハワイ先住民の貧困問題を深堀する激渋アプローチのリメイクなのでオススメです。

表紙

 『キヨシくん』1周年。チーム集合という感じなんですが、並びで見るとアカリだけど扱いが雑というか、女性の添え物感あるな。強さについてけない問題はまぁ分かるのだが、それにしても。

読者プレゼント

 トライアスロンということで、3種それぞれのグラビアがあるんですが、凝ってて良い。チャリとか実物用意してるし、逆に虚無の水泳の頑張りで笑ってしまう。

巻頭カラー『悪祓士のキヨシくん』47話

 遊園地での大魔王戦。遊園地というロケーションを活かしたバトルというのは正直『SAKAMOTO』が偉大すぎるのでかなり分が悪いと思うんですが、本作では「遊園地デート」という別のアプローチで個性を出す。なかなか面白かったんですが、大魔王の言い分がどんどん過激化してきて、デート、セックス、結婚と表現がどんどんキモくなっていくので笑った。ちょっと思ってたタイプの悪役ではなかったな……。まぁ、主人公のこと溺愛みたいな悪役も一つの類型ではあるんだけど、極端さで光るものがある。突然のナポレオン肖像画とか意味分からなくてマジで笑ってしまった。恋人になぞらえるコンセプトを無視してるので本当に分からないw
 クソハデバトルに間違いはないので、1周年記念の巻頭回にふさわしいっちゃふさわしいんだけど、大魔王のキャラ立ての部分が異様なまでに目立ってるので「これでいいのか……?」と変なとこ気になってしまう。

『魔男のイチ』37話

 相変わらずすごい位置。イチだけにってことか……(今気づいた)。本当にバクガミ編が人気なんだろうな。まぁ納得の面白さではあるのだが、正直「玉4つを根性で乗り越えちゃったの?」と結構引き気味というか、ゴクラクとは違う意味で正気に戻ってしまう感覚があった。西先生の他作知らんけど、そっち方向の趣味は合わなそうなのが分かった……と一旦判断して問題ないと思う。
 国中からの憎しみを背負ってきたゴクラクが今、国中の悲しみを背負うことになる、という回想は良かった。酷い話ではあるんですが、悲しみを取り除いても憎しみが生まれる構造をしてる人間の醜さが良いですね。バクガミを傷つけられた悲しみをバクガミに癒してもらえばよさそうなのに、憎しみの対象が目の前にいるとそっちに釣られてしまう。妙にリアルで、おとぎ話として面白い。
 ゴクラクとイチが男の友情を育んでる一方で、国民が餌にならないように魔女協会が画策。方法が政治……というか直球の嘘なので笑った。イチたちのあまりにプリミティブな姿との対比。そしてやはり縛られてるバクガミ様(豚の方)、良いよね……。正直緊縛の趣味って全然ないつもりだったけど、惹かれるものがある。ついでに言うと大量の目のモチーフも超苦手なんだけど、閉じててくれれば愛せる……。

ONE PIECE』1151話

 キリンガムの人獣型。悪夢の能力は当然麒麟のものだと思うんだけど、だとしたら人獣になったら麒麟率減って弱くならない? なんか本気出すために人獣になったみたいなノリだけど、よく分からん。
 ヤーさんを追ったチョニキがルフィたちの元へ墜落。2人分の衝撃をガードポイントで何とかできるのが少し意外だった。まぁ、バトル時の使用だとどうしても「ガードが通用しねェ」的な扱いになっちゃうので、こういう人命救助のときには輝いて見えがちか。
 そんなヤーさん。No.3はイヤらしい。 “譲れないものがあるんだ!!!” が良かったなぁ。忘れてたけど、『ONE PIECE』のこういうフレーズめっちゃ好き。事態の深刻さ、ヤーさんのすごい人感とのギャップもあって超楽しい場面。
 んで、イム様降臨の覇気爆発で実力者たちが危機に気づく。理屈を超越した “チョッパーもういい わかった!!!” なのが最高ですね。ルフィらしさが全開だし、覇王色の設定を活かした語りになってて本当にうまい。あれだけの外道ムーブをする悪役を前にしても「よく知らんけどとにかく強い奴を倒せばいい」という判断でルフィが動く話になってるのですごいですね。様式美。

『アオのハコ』198話

 冒頭のギャルたちが最悪なので笑った。良すぎる。1ページ目が独立した面白さを放ちすぎている。修学旅行が楽しみになってきたんですが、おそらくそんなにフォーカスされることはないんだろうな……。
 いろいろあるけど、やはり高砂くん。高砂くんが良すぎる。菖蒲の周辺に優れた人材が揃いすぎてる。まぁ、今回の件で彼がシロだとはっきりしてしまったので、そこは残念ではありますね。不穏さ込みで好きだったので。とはいえ、ようやく高砂くん視点の話が描かれたことで、全うな形で掘り下げられたので、やはり高砂くん好きだぜ。主人公の周辺人物としてやたら濃いキャラクターをしてる菖蒲を恋人に持つ、本来なら主人公とは絡む余地がないキャラの薄い高砂くんの悲哀、という物語が発生してて非常に熱い。謎に良い奴すぎる友人も良かったですね。 “お前に彼女がいないのが不思議だよ” に関しては「この2人が付き合うってことじゃん!」としか思えなかったんですが、それもおいしそうだけど、普通に菖蒲と付き合っててほしい。そして匡の脳味噌は爆ぜろ。
 そんな高砂友人と対になるように出てくる、雛友人。友人の恋模様に口を出すのは同じだけど、 “意外とオススメかもしれない” 発言は普通にキモかったな……。別に彼女の中で見直すのは全然いいけど、雛に変な絡み方するのが結構きついというか、「ほっとけよ」としか思えない。同じ友人を思っての言動でも、高砂友人とは巨大な一線があり、完全にアリとナシだったな。まぁ女子コミュニティ的なノリとして描き分けたかったのかもしれないけど、他人の恋愛に余計な影響を与えようとしてるのがキツすぎる。勘弁してくれ。「彼のこと応援したくなってきたかも」くらいなら全然いいんだけど、「オススメ」がどうしても何様……。

『カグラバチ』82話

 サムラの殺す殺す詐欺だったので笑う。マジで誰も殺せてないし、殺す気がない。せめて昼彦は瞬殺してほしかった……。
 1人ですべてを背負って1人だけ死ぬ気でいる……のをチヒロが救おうとする、というのはまぁ面白いのだが、ほとんどヒロインみたいな立ち位置になってしまったな。大人としてシビアな決断を下すサムラと、子供なのですべて救おうと必死で頑張るチヒロ、という対比が熱いわけですが、大人代表の割には全方位的に激甘だったと分かってしまった。かっこいい大人キャラとして「大丈夫なのか……」的な気持ちにもなる。まぁ、娘との接し方を見ても大人としての振る舞いが普通に超下手、という話ではあるかも。

『SAKAMOTO DAYS』216話

 シンの首チョンパ詐欺はアタリの強運大喜利でクリア。「2作続けて殺すフリしすぎでしょ」と乾いた笑いが出てしまう……というか結構マジでこの「結局死なないんだ」的な感覚を強調するのは悪手だと思う。心底冷める要素なので。
 とはいえ、「死んでないんかーい!」の部分のロジックにおいてはやっぱ本作の方が断然好きというか、やっぱ外部の要因で殺しが回避された、のが良いよな……。サムラは「どんだけ甘いんだこの人……」という路線の魅力で勝負することになったわけなので、それはそれで良さなのかもしれないが。
 というか、斬ったはずなのに殺せてない事実を目の前にして困惑するタカムラじいちゃん(有月)がめちゃくちゃ可愛いのでちょっと困惑してる。まぁ、アタリの登場でシンの殺意が完全に消えたので、タカムラの緊張感がゼロに戻るということもあるんでしょうが、自分の刀チェックしてるの可愛すぎる……。
 んで、今度は凶運大喜利として敵陣営大集合。あくまでも運が悪くて集まっちゃった、なので笑える。結構大事な局面だったと思うのにみんな自由に行動しすぎである。スラーは単身スカイツリーに突っ込んだんだぞ。リーダーを少しは見習え。
 水槽破壊の状況に電撃使いが来ちゃったのが壊滅的にヤバいと思うんですが、どうやら次はシンのターンになるらしく、シンは電撃使いのこと知らないのでたぶん関係ないんだろうな。いや、一応シンなら心を読んで電撃使いを利用する線もあるけど、ちょっと無駄にややこしすぎる気がする。

『あかね噺』161話

 あかねの本番。ジャンルを横断するいつもの遊園地スタイル。滑稽のくだりは笑いが生じちゃうと思うんだけど、直前が怪談だったのと、スキルで圧倒されて笑うに笑えない、ということなんだろうな。ちょっとありそう。笑いよりも「すごい」が上回っちゃう感じ。それが評価されるべきなのかは意見が分かれる余地ありそうだけど、とりあえず出場者の中で誰が良かったかを選ぶ賞なので、評価されやすいというのはありそう。比較しづらいとは思うが。
 んで、予選はギリ通過。そんなショック受けなくてもいいでしょ……と驚いたんですが、3位ですらないからダメと言いたいんだろうな。正直、この手の賞の細かい順位ってあまり信用できないイメージがあるので、ここに一喜一憂する語り口になるのはちょっと不安。

『ひまてん!』45話

 ファッションショー。カンナフレンズが明け透けに恋の話に乗っかってくる感じが面白い。あとは殿一の先輩ムーブ。カンナだけを相手にしてると忘れがちだったけど、友達が現れることで殿一の「先輩」の要素が強調され、それがフリとして利いてくる。
 制服を着崩してオシャレ私服として成立させるカンナのスキルがすごい! ……というよりは殿一の立場だったらすごい恥ずかしいだろうな。意味不明すぎて気持ちの切り替えができないというか。挙げ句本番の最中に「何かやって」と振られるのが地獄すぎて同情するw
 ということで、よしよし。ラブコメ作品のイケメンムーブとしてのよしよし。「普通に考えてそんなにかっこいいのか!?」と甚だ疑問なのですが、本作は殿一がそれを実行するまでに何重にも言い訳を用意してるので面白い。一応先輩で、仕事を応援する立場にあり、深く考える余裕がないタイミングで無茶振りされる、がすぐに後悔。「そんなに言い訳が必要ならやるなよ」という気持ちもあるんですが、様式美的な展開を何とか成立させてみるという気概は感じられて結構好きです。

『僕とロボコ』236話

 スイッチ2を買う話。さすがの超時事ネタだ! と思ったけど、正直話としてスイッチ2らしい要素は皆無なので、ぶっちゃけ何にでも置き換え可能な話ではありましたね。そもそもデパートに並んで買う、というのがそもそもスイッチ2購入の実状にあってない。まぁ、「ネットで抽選だ!」なんて話として面白くなりようがないのかな。
 んで、福男みたいなレース。サイレント進行は前にもあった通り、大して機能してないというか、普通に文字が出てくるので企画倒れだと思う。まぁ、難しいってことなんだろうな。
 「ディパーテッド」の念能力は、名前も内容もちょっとありそうなので笑った。「ありそう」の感じだけが煮詰められててすごい。ただ、犬よりネズミの方が適切だと思う。
 ラスボスがファミチキなのは意外で笑ったけど、よく考えたら過去の出番を考えたら納得の人選ですね。謎の説得力。

『灯火のオテル』5話

 北欧のつよつよ女戦士が見れる、という意味でディズニープラスの『プレデター 最凶頂上決戦』オススメです。本当に面白かった。
 本編。念みたいな能力の修行。緊張と脱力がポイントらしい。このコツだけちょっとありそうなので面白い。いろんな修行に当てはまりそうな感じ。
 ふわふわ師匠はふわふわしてるので教えるのがクソ下手だが、そのふわふわした生き方が極意を体現してるらしい。なるほど……と納得して少し経ってから「そうか?」となる。一瞬納得できたので満足。
 んで、緊張と脱力のコツは笑い。なるほど、これはめちゃくちゃ良い。筋トレ中に声出してカウントするのも緊張しすぎないための効果があるらしいけど、それと似た理屈。それを父の英雄譚の思い出から掴むのも良い。良いは良いのだが、関係のないところで「『ヒロアカ』のオールマイトってことですか?」ってなった。『ヒロアカ』に逆輸入しても面白くなりそうなロジックでしたね。

『鵺の陰陽師』101話

 こちらも修行。新人が真面目に修行してた直後に101話のパイセンが超ふざけた謎のノリで修行回を行うのが面白すぎる。5話の後輩を踏み台にすんなよ。
 とはいえ、最近の本作はマジですごい。ふざけたノリのコメディがめちゃくちゃ得意になってるというか、使いこなしっぷりが本当にすごい。それこそ緊張と脱力のバランスをしっかり取れてる感じ。いや、本話とか明らかに脱力に偏りすぎてるんだけど、意図的に傾いてるだけで崩壊はしてない。
 乗車中の席の攻防。運転中は危ないから普通に席に座ろうな……とつまんない大人みたいなことを思ってしまった。
 突然気を引き締めてからの頑張れ出産。からの赤ちゃんを介したラブコメ。マジですごい。川江先生、最近山にこもって英気の修行をしたんだと思う。完璧すぎる。
 ただ、ラブコメの材料として赤ちゃん(それも一過性ではない存在)が出てくるのはちょっとキモい。恋の相手に母を求めるなよ。学郎の成長として父の要素を取り入れるというのなら、学郎単体ならまだ分かるんだけど。

『しのびごと』36話

 6号部隊とぶつかった際の9号部隊の作戦。ヨダカを置いて逃げる。めちゃくちゃ意外だったが、札のルール、そしてヨダカの特性を踏まえて考えると最適解と言わざるを得ない説得力。正直この忍法勝負でこんな作戦の面白さが描かれるとは思ってなかったよ。マジで面白すぎて感心しちゃった。
 マルチタスクが苦手なヨダカにとっては「ただ敵がいるだけ」の状況は逆に好都合。ものすごい説得力を感じたが、よく考えたら敵が複数いて同時に攻撃を仕掛けてくるのはマルチタスクになりそうな気もする。まぁ、それは「戦闘」の範疇なので余裕ってことなんだろうな。

センターカラー『ケモノクル』旅頃九時

 読切。作者は金未来杯の優勝者。即連載にならないのが可哀想ですな。ただ、優勝作のカンバスを使ったバトル設定と、本作の召喚設定はちょっと似てたと思う。まったくの別物にはならないあたりがマジで連載に向けていろいろ試してる感ありますね。
 そんな金未来杯の優勝作。正直なところそこまで面白くはなかった印象……なのだが、本作はめちゃくちゃ面白い。マジでちょっと普通に面白すぎて感動した。この手のバトル読切においてトップクラスに面白かった気がする。設定もシンプルながら奥深く、その設定の運用自体が意外で面白い。バトル描写も良いし、特殊な設定を踏まえたバトル展開が個性豊か。部分召喚がおもしれぇのよ。まぁ、初読時は夢中で読んだが、2周目になると「あの骨の竜の活躍が消化不良だな」とはちょっとなった。分かりやすく面白いのはやはりあそこなので。ただ、物語としては当然少年が頑張る方が適切なので、そっちに重心が移ったのは正解だったと思う。先週の読切みたいに語り手となる少年が超人お兄さんに助けられるだけの話はあまり良いとは思えない。好みとしては断然こっちの方向性。
 マジでジャンプのバトル系読切としては100点の満足度というか、ほとんど理想的な作品だったと思う。すべてが適切なバランスで整ってたというか。こうなると恐ろしいのが、金未来杯のときに大して喰らわなかった点ですよ。節穴なのでは……。というか金未来杯で投票した人たち、見る目ありすぎかよ……。
 何気に珍しいと思ったのは、オモシロ設定を掘り下げすぎないバランス。設定の面白さは十二分に感じるが、召喚術のことも、骨竜のことも、骨竜を連れた兄ちゃんのことも、ヴァチカンの協会も、召喚術が浸透しすぎた江戸も、面白そうな予感がした段階で撤退、そういうのが次々と出てきたような印象。突然の説明ゼリフで設定語りとかするのがジャンプ読切の様式美(悪い意味で)だと思ってたんですが、その点が素晴らしいバランスだったと思う。それでいて、召喚のルールを踏まえたら応用で驚くような展開もしっかりあって、ちゃんと納得できる程度には説明がされてる。考えれば考えるほどに良くできた一作だったというか、私が日頃ジャンプのバトル読切にいろいろストレスを感じていたのだと痛感させられてしまった……。ないと成立しないと思ってたけど、なくて面白いの普通にできるんじゃん。できるんかい。特に意味のない固有名詞が本作にはまったくないんですよね。感動。

『NICE PRISON』7話

 父親登場。彼の下に四天王がいる、という感じの認識で合ってると思う。最後の和子は順当に笑ったけど、穴埋めとして暫定的なメンバーという割とちゃんとした理由がつくのも面白い(ちゃんとしてるのか?)。その枠を息子に与えたい、と話が連結していくのもちゃんとしてるというか、ぶっちゃけ本話においては4人の中で一番意味のある役割になってる。ナンセンスギャグかと思ったら。
 んで、足枷が負傷。囚人博士のくだりがまさかの再利用されて次章へ続く。その場所が荻窪なので笑った。シャバはシャバでも駅のチョイスが絶妙すぎる。まぁここは土地勘にもよるので「名前は聞いたことあるけど……」くらいの読者がいても不思議ではなく、その人が面白いのかはちょっと自信ないかな。

『キルアオ』104話

 覚醒したノレンとターミネーター。ノレンの強みをアクロバティックな移動に集約したのが良い。サバゲーとしてのスキルとか、殺し屋のスキルからはちょっと離れる気がするんだけど、一点特化な特殊能力的に描くことで分かりやすさがある。
 十三のお椀カウンター。超人技と絵面の間抜けさで笑ったんだけど、下手に銃撃スキルを披露するよりも目立つと思うので少し心配。まぁ、殺し屋と結びつかなければいくら超人と思われても平気、ということかな。弾速と距離にもよるが、ちょっとだけありそうというか、銃弾で銃弾を撃ち落とすのよりはかなりリアリティを感じた。まぁさすがに発射元まで帰っていくのは無理だが(全部無理だよ)。
 ノレン。普通に負けるが、家庭科部の絆で逆転勝利。最初に根性見せたノレンと同じことを行う、というアイディアが素晴らしかったですね。同じ修行をした人なので「そりゃ出来ても不思議じゃないか」となる。とはいえ、普通に危険すぎるので強制終了してもおかしくないと思うw 教室の固定されてない机の上をピョンピョンするのも危険すぎてヤバかった。絵面としてかっこいいのは分かるけど。

『逃げ上手の若君』206話

 直義の一人息子が死んで、直義の正気が心配。恩賞はもらえたが、その権利を実際に実行するまで直義が天下人でいてくれないと安心できない、というのはクソみたいな話なので面白い。言わんとすることは分かるけど、あまりに不条理。
 そういうみみっちい実際の運用的な話を突き詰めても面白そうなんだけど、さすがに地味すぎるからかちゃんとすぐフォローが入るので良かった。同時に少し残念。エモめな良い話風の雰囲気かと思ったら先ほどの心配を取り除く結論に着地する感じとか何気にキレイな構成だったと思う。

『シド・クラフトの最終推理』27話

 トビーが思いの外良い。いや、前回も似たような感想を書いたので相変わらず良いになるのか。闇感情にまみれたキャラがこんなにも輝くとはマジで驚きでした。筒井先生のまさかすぎる資質である。
 そんな闇感情を隠さない2人の男の殴り合い。めちゃくちゃ良い場面でした。何なら『魔男』よりも好きかもしれない。シドが自分の秘密(探偵やりたくない)を吐露してるのが良い。殴り合いながらダークサイドに浸ってた表情が徐々に浄化されていく、という描写も見事である。
 マジで良すぎた弊害が生じてしまったというか、正直なところ「スフレよりトビーの方が興味湧いちゃったな……」という気持ちがある。というか、やはりシドの話が好きすぎるので、そことあまり関係がないスフレの恋模様にあまり惹かれないというか。シドの闇の部分に関わるという意味では、トビーやルル、エリオの方が深いよね。エリオはやや間接的だが(シドが勝手に救われた)。まぁ、一応スフレがいるから探偵続けてきたという話なので関わりは深いはずではある。「元凶では?」とか少し思ってしまったが、まぁ順当に考えるなら「もう探偵しなくてええんやで」的な話になるのではないか。その先の結論はさておき一旦。

『Bの星線』17話

 文化祭(ちょっと違う)。いきなり戦後の場面が出てくるのが突拍子もなくて面白い。一見すると困ったときには何の役にも立たないピアノ演奏が、何よりも大事な役に立つ。荒れ地の中のピアノ、という絵面も良い。「そんなことあり得ねぇだろ」とはなるけど、良い。
 文化祭のメイド喫茶で「メイド長」の役職があるの何気にすげぇ新鮮。まぁただの現場リーダー的な意味でしかないんだろうけど、ごっこ遊び感としてものすごく良い。
 んで、コンクール開始。「そうだった 本作こういう話してるんだった」と新鮮な気持ちで驚いてしまう。紆余曲折ありすぎたというか、かなりチグハグだが、ついにベートーヴェンが逆水の演奏を目の当たりにする、というシチュエーションは素直に熱い。まぁ「どんなにすごくても所詮は高校生じゃん」とか思わんでもないが、少なくとも演奏技術とか、曲の解釈の幅やバリエーションは当時よりも現代の方が遙かに高度だと思うので、案外今の高校生がベートーヴェンの度肝を抜くのもあり得る話なのかもしれない。今のプロはもっとすごい、という前提に立たざるを得ないのが少し萎えるが。

『エンバーズ』18話

 練馬くん、ついに目潰し喰らうようになってしまったので正直笑った。いや、「見えなくなる」を超ハッタリきかせた版ってことなのは分かるけど、目潰しの絵が怖すぎるのよ。とはいえ、練馬が灰谷を本能的に忌み嫌う説得力としては充分ですね。そんな動揺もあるからボール取られてしまう、という意味でも。
 んで、覚悟を決めた鷹見。練馬から酷い言われようなのは笑ったが、あまりにみっともない手段で一矢報いる。意外性という意味では面白かった。「そういう未来は見えないの?」という点も、「灰谷に影響された人物は見えない」と繋がるので面白い。すべては灰谷が悪い、と練馬くんが勝手に被害者意識こじらせていくのとか人間臭くてちょっと好きです。勝手に目玉泥棒にさせられてる灰谷は普通に可哀想w
 サッカーにおいて、たった1人で得点を決めるってなかなか荒唐無稽な話(練馬がそう)なんだけど、今回のファウルもらってフリーキック叩き込む、というのは非常に現実的な話で良かった。クソ曲げシュートに関しては根性論すぎる気もしたけど、まぁ1人で完結してしまう分ロジックを入れる余地がないってことなんだろうな。

『超巡!超条先輩』65話

 最終回。残念! というか普通に意外でびっくりしてしまった。まさか新連載が4本も始まるとはな。そんな始めなくていいよ……。メンツは結構楽しみだが、本作より面白い作品が1つでもあるかは正直疑わしい。
 本編。好きな連載が終わったときにだけ許される未来視。話の都合のための能力っぽくもあるけど、ジャンプの場合、「もっと続きが見たかった……」と勝手に想像が膨らんじゃうのはよくある話なので、その感情を超巡が抱いたのだとすると、まぁ未来視くらいも出来そうな気もする。
 んで、今のところあり得る未来を見ては、ちょっと変えて再び未来。世紀末というモチーフがあって、無数に分岐する未来の話なのでちょっと『ロボコ』のマルチバース編っぽい雰囲気ありますね。まぁあれのマルチバースでは未来の分岐という要素はほとんどなかったけど。分岐するマルチバースという意味では、『ゆらぎ荘の幽奈さん』ですね。大真面目にマルチバースSFしたお色気ラブコメという歴史の特異点的な傑作。マジでもっと評価されるべき作品だと思う。十分ヒットしたとは言えるのだが。
 てか、特に何のフォローもなく「現状ローボが世紀末の原因」というまま話が進むので笑った。勘違いとかじゃなくてマジなのかよw
 冒頭の場面でポンの結婚式があったので、それも無数の未来の一つと分かる。「結婚の可能性もなくはないよ」くらいの留保でうまいバランス(とファンサービス)だと納得してたら離婚後の2人まで見れるので最高。まぁ普通に考えて失敗する可能性だって当然存在するわけで……。
 面白いのはここで離婚の未来視をしたことで、現在でお互い気まずくなり……とまた未来が変わる点。観測した時点で観測対象に影響を与えてる、みたいなエンドレスにややこしい話だ。ただ、逆に言うと、最初の世紀末の未来を確認した時点でまったく同じ未来にはなり得ない、という話でもありますね。 “ふりだしにもどる” のオチがついたけど、あれもあの未来を見た時点でまた「別の」未来が確定したわけで。散々イヤな未来を見たのは結果的に朗報というか、ある種の予防接種のような効果があり、未来が明るい可能性は残されてる、とは誰も否定できない……。穏当ながらなかなか良い話だったと思う。最終回論にもなってるのが良いですね。
 あと細かいところでは、未来の超巡が花園さんのことを “相変わらず美人の花園” と称してた点。これはつまり今の超巡も美人と認識してるってことだよね。何気に衝撃。美人とは思ってたのか。一方きらら様は “成人してやたら色気ムンムン” 。今のきらら様に色気は感じてない、という一線を遵守するあたりが本作らしい細かい気配り。マジでここらへんの徹底がすごい作品でしたね。本作自体が、濡れ衣人生だったから逆に悪事に手を染められない超巡と同じバランスになってる。花園さんときらら様の大きな一線はやはり成人か否かだと思うけど、だとすると成人してるポンは……とか妄想も膨らみますな。まぁ離婚の可能性も高いんですが。
 ということで見事な最終回だったと思います。本作より面白い新連載が来週以降始まるとはやはり思えない……。という未来視ならぬ未来予想。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 300回記念。ネタハガキ東西戦の歴代ノベルティ大放出スペシャル。この手の企画は応募しない人にとっては1ミリも興味ないものになりがちなのだが、週ちゃんでプレゼントページを作ることで全方位的なサービスを行ってるので偉い。プレゼントページが全方位的なサービスになるかは不明だが、週ちゃんファンならたぶんかなり全方位的だと思う。
 かなりちゃんとした出来なので大満足、ちゃんとしすぎてて「ちょっと違う……」な両面があると思う。やっぱ写真がないのは大きいかもしれませんね。コロナ禍では写真がないのが当たり前だったのだが、伝統が戻ってきてくれて嬉しいです、と改めて。
 というか真面目な話、別に週ちゃん内で完結しなくても実際のプレゼントページを週ちゃんチームに一度だけ任せてみる、というのも全然アリだと思うんだけど、無理なのかしら。

次号予告

 次号から4号連続で新連載でごわす。4つも始まるとは思わなかったんだぜ。おかげで『超巡』が終わることに……。
 そんな4作品。連載経験のお馴染みコンビに、読切の時点で結構ファンついてそうな人、本誌デビューの人、読切を頻繁に載せてて個人的に好きな人、の4人(組)。タイトルで明らかなんですが、3本もスポーツなので笑う。『エンバーズ』読んでて「たまにはスポーツ漫画も良いもんですな」とか思ってたら、いきなり3本増えるのかよ。野球、駅伝、卓球の様子。たぶんだけど、リアルベースのスポーツになると思う。唯一の非スポーツ枠は、読切であったおねショタ『ヴェノム』が相当面白かったのでどうやら違う作品らしくて残念。まぁ、あれが雛形になってる雰囲気は感じますが。
 見所としてはもう一つ。次号始まるのが野球モノということで予告ページが連載作をナインとして紹介してる点。カラーじゃない作品も多めに紹介されてるのが特徴。つまり今の連載陣の主要メンバーが露骨に現れる合併号の表紙みたいな味わい。センターカラーは『あかね』と『キルアオ』。他に紹介されてるのは『SAKAMOTO』『ウィッチウォッチ』『魔男』『アオのハコ』『カグラバチ』です。まぁ特に意外性のない選抜でしたね。ちなみにそれぞれの作品が野球の守備のポジションで紹介されてるんですが、次号休載の『ONE PIECE』が付録としてキャッチャーを担当してるので笑う。ただの付録でポジション一つ埋まるんかい……。
 野球のことはよく分からないので、どの守備位置が扱いとして強いのか判断できません。ピッチャーは新連載で、キャッチャーは『ONE PIECE』付録。

目次

休載いただきました。ありがとうございました。京都にいってきました。
(『アオのハコ』)

 「取材のための休載」って方便じゃなくてマジだったんだ……。三浦先生の京都フォルダが火を噴くぜ。

愛読者アンケート

 読切にについてと、『ONE PIECE』の付録。単行本の表紙デザインをシールにしたものなんですが、連載中の他作で同じものが欲しい作品があれば、と聞かれてる。『ルリドラゴン』の回答も受け入れてるっぽいのが面白いですね。このハガキを出す人は紙派なのであまり本誌連載中という印象はないはずなんですが。律儀に「これは本誌だからな……」と念押ししながらジャンププラスを開いてる人が多いのだろうか。

総括

 木曜更新。水曜深夜の段階で漫画の感想は終わっていたんじゃ……という言い訳。意外とそっからの作業が長いのと、非常に退屈なのでやる気的に無理なんですよね。

 ベスト作品。読切『ケモノクル』。超良かった。ひょっとしたら年間でもベスト級の読切作品だったかもしれない。少なくともバトル漫画の中ではかなり有力。
 次点は『超巡』と『ONE PIECE』。

 ベストコマ。『NICE PRISON』の荻窪。笑ってしまったのでしょうがない。駅前にバス停しかないのがネガティブキャンペーンっぽくもあって面白いが、荻窪はもっと栄えてるよ。

 ベストキャラ。『アオのハコ』の高砂くん。ひょっとしたらあの作品で一番好きなキャラかもしれない。いつから彼がこんなにも大きな存在になったのか……と乙女みたいな状況。まぁ光キャラが確定してしまったのは少し残念でもあるんですが、逆に言うと闇堕ちの道が開けたということでもありますね。期待という気持ちがすべてなわけではないが、「それはそれでおいしいかも……」と揺れてはいる。
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