- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『ハルカゼマウンド』後藤冬吾 松浦健人
- 『魔男のイチ』38話
- 『SAKAMOTO DAYS』217話
- センターカラー『あかね噺』162話
- 『ウィッチウォッチ』205話
- 『僕とロボコ』237話
- 『鵺の陰陽師』102話
- 『アオのハコ』199話
- 『悪祓士のキヨシくん』48話
- 『灯火のオテル』6話
- 『ひまてん!』46話
- 『愛する者の祓い方』KOJIRO
- 『しのびごと』37話
- センターカラー『キルアオ』105話
- 『逃げ上手の若君』207話
- 『NICE PRISON』8話
- 『エンバーズ』19話
- 『Bの星線』18話
- 『シド・クラフトの最終推理』28話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
映画『ドールハウス』、めちゃくちゃ良く出来てるし、とにかく面白いのでオススメです。ホラー耐性がある人に限る。私は中の下くらいなんですが、怖すぎて(イヤな場面が多すぎて)ちょっと心が折れかけました。ちなみに、コミカライズを凸ノ先生が担当してるので実質ジャンプ映画ってことでいいんじゃないかな。
表紙
新連載。「双子の野球ストーリー」とあるけど、主役として2人が対等な扱いになるかは結構怪しくない? 初回を読んだ感じ。
読者プレゼント
裁判の勝訴確定。あのよくある、裁判所前のカメラにダッシュしてきた「勝訴」の紙を掲げるやつ。そこにいろんなワードを入れて遊ぶ感じなんですが、結果的に流行語の発表とか、新元号の発表みたいな感じになっちゃってたと思う。そもそも「勝訴」か「敗訴」しかないからそこを変えちゃったら何やってるのか分かりづらくなる。細かいこと言うと「違憲判決」とかバリエーションはあるけど、どのネタも裁判結果っぽい要素はないわけで。
巻頭カラー『ハルカゼマウンド』後藤冬吾 松浦健人
新連載。作者はそれぞれ原作と作画。野球で、双子の主人公がいて、天才な弟を持つ兄の物語。これで弟が死んだら星屑ロンリネス不可避ですな……と思ったけど、どうやらその心配はなさそう。
本編。2人で同じ目的を持ち、同じフォームに憧れて同じフォームを獲得したが……という才能の壁。そこに「本当にそうなのでしょうか?」と理詰めで迫ってくるような話になってて面白かった。双子で利き手が違うんだけど、同じ体で投げる手が違うだけと思いきや、内臓は左右対称じゃないので投げる手が違ったら大違い、らしい。このハッタリと理詰めのバランス、ものすごく好みでした。スポーツ科学とか理論としてどこまで正しいのかは知らんけど、漫画としての説得力は充分だし、さすがに「回転」のくだりはリアルだと思うので面白い。最近の野球事情を全然知らんのですが(昔も知らない)、回転が重要視されるのですね。目視だと判断が難しいと思うので、外から評価する人は大変そう。サッカーとかでも走行距離とかダッシュ回数とか細かくデータ化した上で判断したりするけど、もう現地に行ってただ観戦するだけでは無理じゃね? っていう。
日常を荒らすキャッチャーの登場。そして、彼に引き出される弟の隠れざる本気。「まだ全力じゃなかったのか……」というのは強キャラ描写として定番だけど、それが弟を追いかける兄にとっては心をへし折る絶望の一球となる。そのことを隠す兄、その機微を見破る弟のクソデカ感情、と素晴らしい場面だったと思います。クールな天才くんの “…じゃあ 約束はどうなるの?” とちょっと精神が不安定になりつつ初めて本音が吐露されるくだりとかキャラ的に非常においしいのですが、かなり心配にもなる場面ですな。「弟は弟で悩んでる」と考えたらキレイな話だけど、実力が追いつかなくて苦労してる兄からしたら「それどころじゃねぇんだよ」感もあってとても良い。弟のメンタルがあまりに幼くて不安になるんだけど、よく考えたらまだ中学なのでまぁこんなもんか。とはいえ、この大変めんどくさいまま高校野球界のエースになってもらいたい気持ちもあるw
んで、キャッチャーくんがあまりに有能で主人公の才能が開花。アンダースローが適性だったらしい。弟とまったく同じフォームを会得したことが彼にとっての呪いだった、というのが野球の理屈としても、物語としてもものすごくキレイ。そして呪いでもあった一度決めたフォームへの執着というのが新たなフォームの会得に対しての大きな才能としても機能して……と本当にキレイ。めちゃくちゃ面白いですな。と思うと同時にここらへんで「ひょっとしてこの話読んだことある……?」と気づきました。調べたら2022年に同名読切がありまして、何というか本当に申し訳ない気持ち。同名で連載化したってことはそれなりに評判が良かったということなんでしょうね。
エピローグ的に高校に向けた話。双子は別の道を進み、兄は例のキャッチャーと新設の野球部を目指す。「野球部新設の噂ってそんなことある!?」と少し不思議だったんですが、実際のところはよく分からん。
現代野球はデータ解析が複雑化しすぎた結果、個性が違う選手を画一的に育てるようになったので変則的な才能を持つ選手が育ちにくい……という説明が正直ちょっと飲み込みづらかった。データ解析が進めば個々人の資質に合わせたトレーニングがしやすくなるんじゃないの? まぁ、3年で入れ替わる学生スポーツの世界だと分かりやすい才能に特化したシンプルな戦略が効率的、というのは分かる。『ハイキュー』の白鳥沢ですな。つまり本作、おそらく双子の戦いはコンセプトの戦い。メガネがいないと勝てない。
終わり。非常に面白かった。ちょっとキャッチャーくんが都合の良い存在すぎるとは思ったけど、まぁそこの掘り下げは今後あるだろうからそちらに期待。そもそもの話、キャッチャーは低身長でもハンデにならないのでは……。たぶんこれは私の野球知識が不足してるからだと思う。思うが、キャッチャーがどう高身長を活かすのかはまったく予想がつかないな。てか、野球ってスポーツ全体の中で見ればかなり身長による有利不利の少ない競技だと思うんだけど、違うのかしら。ピッチャーだと腕が長い方が有利とかはちょっとありそうだけど、他は特に想像できない。いや、バッター全般は体大きい方が多少は有利なのかな。モノを飛ばす動作なので体重もあるに越したことはないだろうし。まぁ、そこらへんも含めて今後に期待。
『魔男のイチ』38話
姉上に近づくバクガミ(人型)。究極の選択のように「私を抱け」と迫ってくるのが不気味で良かった。そこから「抱く」の意味を掘り下げるようにドラマが展開していくのもキレイ。この国において救済だと思われてた「抱く」が実は搾取だったが、それが今回姉弟愛の行為として弟を抱きしめてあげるべきだった、とリチアが気づく。とても美しい。が、それでも私はバクガミ様(ブタ)なら抱きたい……。特に初期型。今回のバクガミ(人型)もブタの姿で迫った方が成功率高かったと思う。
んで、弟がブチギレ100%パンチ。100%は負担が大きいからやめろってw と思いつつ、分かりやすいクソ野郎に分かりやすくワンパン決めて超爽快、というのは『ONE PIECE』を連想したくなるブチアゲ展開でしたな。殴って何とかなる話ではないので100%はマジでやめた方がいいと思うんだけど、まぁ殴らないわけにもいかないのも分かる。
『SAKAMOTO DAYS』217話
シンの一計。一度きりの思考ジャックを使って、スラーを攻撃させる。それでタカムラ殺意スイッチを起動させて「あとはよろしく」。なるほど、これは鮮やかなアイディアだった。その後の牛頭の水浸し&電撃コンボはさすがに予想できたけど、それが軽パニックの仲間たちを一斉に制止させ、同時にタカムラを眠らせるのに使うとは思わなかったのでこれまたお見事でした。やっぱこういうハッタリの利いたアイディアと決め絵の面白さは本作絶品ですな。
てか、トーレスはシンのジャック攻撃を一度受けてるので、今回関係なかったのね。それなのに巻き添えでタカムラと戦う話になってたので可哀想すぎるw
牛頭。相性の良さもあったのでしょうが、底知れない実力が感じられて良かったですね。それと同時に有月との旧友感、マブダチ感も強調されてて面白かった。
ということでシン万事休す。からのワンミニッツレスキューで主役登場。かっこよくてアガったのですが、同時に「有月のアレ結構簡単にちぎれるんだね……」と変なところが衝撃だった。
センターカラー『あかね噺』162話
人気投票の結果発表。あかねぶっちぎりなので良かった。とはいえ、2位のダブルスコアになるほどちぎるとは正直意外。あと、からしひかるは意外と低かった印象。今後爆発的に伸びるキャラも想像できないので、第2回があってもそのままあかねが勝ちそうかな。もう一度やるほど面白くはない、と言えるかもしれない。最近の話的にタイソンあたりはそこそこ伸びそうだけど、トップ層に絡むほどではないだろうし。
本編。からしとひかるに捕まるあかね。仲良く待ち伏せして説教かましてくるのでまぁまぁ面白い。からしは相変わらず意識的に煽ってる感じあるけど(怒りもある程度マジだろうけど)、ひかるはマジでただの激重ムーブかましてくるだけなので面白いですね。ひょっとしたらからしはこのことを心配して同行してくれたんじゃないかと妄想しちゃう。もしくは自分の怒りを自分以上に伝えてくれるので重宝してるとか。ひかるが重すぎてそろそろヤバいというタイミングでからしの煽りの対象がひかるに移ってバランス取ってるように(話をまとめてるように)見えるんだよなぁ。そりゃからしの方が人気出るわ、という感じであった。激重も面白かったけどね。迫真すぎて「ちょっとヤバい人じゃん……」みたいな印象に一歩踏み込んでた気がする。
『ウィッチウォッチ』205話
思春期突入のニコが自分が逆ハーレム状態だと気づく。女子コミュニティの中で自慢するという話になるのがマジで意外だったというか、盲点。言われてみればこの特殊な状況、調子こいてもおかしくないですね。考えたこともなかった……。
買い物に行きつつ、男子陣の競争意識を煽ってボディガ自慢。初手ケイゴの映画『レオン』で爆笑してしまった。植物小脇に抱えてんじゃないよ。牛乳の方が手頃だと思うけど、日本だと紙パックしか入手できないから諦めたのでしょう。おそらくだけど、『レオン』のチョイスでケイゴらしい(クソ)サブカル臭を出したかったんだと思う。何となく分かるけど、正直『レオン』って少女を守るというよりはただのロリコンおじさんみたいなところあるので結構最悪なチョイスだとも思う。そのズレも含めて面白い。
モイちゃんの『ターミネーター2』も笑った。ボディガードというお題(?)において『レオン』よりも適切であり、意外と似合ってるのもあって笑う。この映画2本を比較して考えるとやっぱ『レオン』はサブカル臭のあるチョイスって意図なんでしょうね。あと、ミハルの女装はありがとう。ほんとありがとう。ただし意図はよく分からん。
『僕とロボコ』237話
風紀委員の使命に燃えるガチゴリラ。多重人格から仙水で落ちるのは意外だったというか、予期できなかったのがちょっと悔しい。
そんなガチマジメ。マジメすぎて困るという話をやりたいのだと思うが、彼が没収したもの、半分以上が「そりゃ持ってきちゃダメでしょ……」と納得せざるを得ないので、話としてはちょっと変だったと思う。今の小学校事情は知らないけど、教室でジャンプもスマホもゲームもダメでしょ。
からの千鶴の髪色。漫画のお約束じゃなくて、実際に髪染めてる設定らしいので驚いた。そりゃ結構すごいな。
『鵺の陰陽師』102話
子育て開始。赤ちゃんが緊張しちゃうので女性は1人ずつらしい。妙にちゃんとした理屈を通すのやめてほしい。代葉2.0が赤子の扱いうまいのも彼女の出自を考えると「似たような経験があるのかもしれない……」と真面目に納得できちゃうのもやめてほしい。ナンセンスギャグじゃないのかよ。
おしっこビームで水没の危機。ビームじゃなくて本当に水なことにも驚いたんだけど、そこに真面目に謎解き要素入れてくるので面白すぎる。ただ、真面目に考えるなら、寒いのを嫌がった赤子が寒さを止めるためにエアコンを狙い撃ちしたというのは無理があると思う。寒さの原因がエアコンにあると気づく知識も知恵もないでしょ、さすがに。とはいえ、 “あら 大きくなって…!” のくだりとか圧倒的に面白いんだよな。マジで川江先生、ゾーンに入ってると思う。もしくは黒閃3発くらい決めてる。
『アオのハコ』199話
扉。跳び箱の中からひょいと顔を出す雛。ハコモチーフで可愛いので良いと思うんだけど、結構な怪力だよな……。不可能とは言わないけど、なかなか重かった記憶がある。
本編。菖蒲の歴代最悪な元カレと、今カレの友人。 “人は変わるの!” とあったが、おそらくあの元カレと付き合ってる最中は彼の影響を少なからず受けて「変わった」と思うので味わい深い。今現在、高砂くんが菖蒲の良い彼氏であろうと頑張ってる件とも通じる話。とはいえ、あの元カレくんのクソムーブ、「彼氏いるのを分かってて誘ってくる」だけなのが本作らしいバランスで良いですね。ジャンプの他の作品だったらもっと直接的にイヤなことしてきたり、下手すりゃ暴力とかになりかねないと思う。しっかりクソ野郎というのは分かりつつ、そこまで劇的なことはしない。
ということで、身の振り方を考える菖蒲。高砂くんは既に歴代最長の彼氏なので大事にしたいらしい。そこに姉のイチャイチャぶりを見てるので、というのが加わってくるのも見事でしたね。そんな相談をするのが学園でも有名な彼女を持つ大喜、というのもこれまたうまい。さすがに大喜と話してても嫉妬はしないでしょ、ということだと思う。そうだとしたら、今後匡と2人きりで会話するのを避けたりする可能性もあるので最高ですね。真面目な話、菖蒲周りが突出して面白すぎる、という問題があると思う。「大喜のイチャイチャとかどうでもいいんだよ!」という気持ちにたまになる。ただ、烏骨鶏バームクーヘンはおいしそうなので興味を引かれた。
『悪祓士のキヨシくん』48話
サカキさんの博徒バトル。『HUNTER×HUNTER』のカイトがまさにそうだったけど、運で強さが変わるのって面白い話にしづらいというか、勝つか負けるか極端な話にしかならないと思うんですよ。ギリギリの戦いをすればするほど「強さが拮抗するような出目を作者が選んだんですね」ってなっちゃうので。
そこで本作が選んだ出目が大ハズレ。能力ナシで124秒という大ピンチ。そう来たか。めちゃくちゃ良い。意外性も絶望感もあるし、それでいて一旦能力を捨てて奮闘してみせることで「運関係なく超強い」という説得力を持たせる。からの圧勝というのも、一度ハズレを引いてることを思えば納得できる。そもそも124秒の相手に殺せなかった相手が悪いよね。
『灯火のオテル』6話
修行の終わり、旅の始まり。説明になるとマジで説明臭いのが本作らしいのだが、一応旅なので絵が変わるのでギリ楽しい。モンタージュしていくくだりとか本作の資質(決め絵偏重だと思ってる)にもハマってて何気に良かった。
んで、程良く難しくなさそうなトラブルに遭遇して、人助け。アイススケートで戦うのは良かったなぁ。言われてみれば「そりゃやるでしょ」というくらいシンプルかつ収まりの良いアイディアなんだけど、まったく予期してなかった。ただ、細々とした振り付け(バトルのね)を考えるのはかなり難しそうなイメージなので、これまた圧勝か惨敗の両極端になりそうな気はする。細かい攻防とかしてる絵面が想像しづらいというか。
『ひまてん!』46話
ひまりとの学祭デート。すごい見てくる中での風船釣りというのがなかなか面白かった。静かながら今のひまりの特殊性が分かりやすく現れた良いエピソードだったと思う。全然取れないという情けなさも含めて好きな場面。ひまりの静かな怒りを風船ベチベチで示すのも楽しい。
脱出ゲーム。ありそう! 今の学園祭でめちゃくちゃありそうな出し物なのでちょっと感動しちゃった。「どいつもこいつもメイド喫茶やりゃいいと思いやがってよぉ……」みたいなところもちょっとあったので、これは良い。それなりに再現できそうな感じが良いよね。これは小野先生が天才というよりは「普通にいろんな学校でやってることなので」という話で、私が勝手に感動してるだけかもしれないが、まぁ感動は感動である。
『愛する者の祓い方』KOJIRO
読切。15ページ。『カグラバチ』が急遽休載だそうです。告知ページにいるチヒロが入院着なので笑ってしまった。ぴったりなコマ探してきたじゃねぇか……。
読切が15ページということで『カグラバチ』の新刊紹介が3ページもされててかっこいいんですが、そのオチが巨大な「黒翼の剣士」なので笑っちゃった。あれ本編にはない文言なのよ。アオリが勝手にノリノリだっただけで。気に入ってるというか、ウケが良かったのを自覚しちゃってるんだろうな。調子乗ってるのが透けて見えるけど、悔しいけど好き……。作者急病のバタフライエフェクトとして「黒翼の剣士」ネタ再び。病原菌に感謝しないといけないのかもしれない。
改めて読切。ちょくちょく読んだことある人ですね。コジローじゃないよ、コージローだよ。
本編。音楽室の自縛霊の元に凄腕の霊能者が現れるが、無数の霊を引き連れたアイドル的な雰囲気。なるほど、霊能者の「見える」を捻ってアイドルファンの「こっち見て」にしたわけだ。見事すぎる。出オチ的な設定とはいえ、ショート読切としてはもう勝ちでしょ。正直お腹いっぱいなくら面白かった。
実際の除霊。霊の心を満足させて成仏に導く。つまりアイドルのファンサである、という展開が最高。アイドル除霊のアイディアが豊富なので、それを楽しんでるだけでショート読切がほぼ終わる。
んで、オチとして語り手たる自縛霊。彼女はピアノの演奏を聴かせて呪い殺す。ここで初めて霊能者の「見る」ではなく「聴く」にフォーカスするのが展開としてキレイだし、アイドルの比喩がなかなか生じにくいので強敵感もバッチリ。アイドルとファンではなく、同じパフォーマーとしてセッションする流れになるのも勢いはギャグなんだけど、何気に良い話。横に並ぶことで初めて彼の耳(の出血)が見える展開とか鮮やかでしたよね。トドメとして金賞を持ってくるのも見事だったというか、意外とリサーチした上で最適解を準備してきてるのかもしれない。ちょっと仕事っぽい印象が強くなりすぎるのだが、最後の花で死者への敬意がしっかり明示される。
終わり。いやマジで面白かった。出オチ的な設定だし、その通りの面白さではあるんだけど、その応用、発展がいちいち見事だったと思います。今までのKOJIRO作品の中でも断トツだと思う。
強いて言えば、強いて一瞬だけ夢から覚めてしまった場面をあげるとするならば、アイドル登場シーンで彼の顔中にキスマークがあって、「アイドルにキスするのは犯罪だよ……」とちょっと冷めた。BTSにキスして書類送検された人いたじゃろ。
『しのびごと』37話
対ムクとエナ。唯一の血界持ちなので当たり前っちゃ当たり前なのだが、スズメにしか興味を示してないのが意外だった。というか、そこにはちゃんと警戒するんだ、っていう。
ということで、場の中心として活躍するスズメが楽しいのだが、王子様ムーブを交えたバトル、というのが直前の読切とそっくりなので笑った。アイディアの角度は同じなんだけど、細かい内容はそれぞれ独自性があるのでどちらも最高。本作だと、アイドル役がキスとハグをモチーフにした攻撃にさらされる。そして、アイドル役が注目を集めることでサポートに回る。からのトドメとして顎クイ(遠距離)なので笑ったぜ……。「実は遠い」という仕掛けがマジで鮮やか。
センターカラー『キルアオ』105話
会長と十三。カメラオフで本気バトルをご所望。なるほど、そっちに行くのか。たしかに十三の縛り、ギャグとしては楽しいがバトルとしての熱さはどうしても出せないもんな。そこに会長の負けず嫌いという性格表現を絡ませるのがキレイ。
そんな会長。スーパー努力型の凡人。負けず嫌いが根っこにあるが、この成長超人になった最大の理由は達成感という快感が忘れられないから。この細かい理屈が面白い。というか、十三が中学生になって勉強の楽しさに取り付かれたのと似てますね。ある意味「学生」らしさをひたすらデフォルメした存在と言える。おそらく学生キャラ最強となるこの子をこういう裏付けにしたのが本当に見事だったと思います。まぁ、その負けず嫌いを実現する理屈がショートスリーパーってのはさすがに弱すぎると思うけど。学習効率をあげないと絶対的な時間が足りないと思うのだが、それだとよくいる天才キャラになっちゃうのでダメなんだよな。難しい……。
『逃げ上手の若君』207話
尊氏一世一代の会議。あまりのふてぶてしさに周囲が飲み込まれてしまう、というのは普通に超面白いのに、そこに歴史改変みたいな余計な要素を入れるので白ける。本作のかなり根本的なコンセプトに未だに乗れないというか、ファンの方はマジでここを楽しめてるのか不思議に思えてくる。キャラ人気とかそっちならまぁ分かるんだけど。
このままだと尊氏が世界征服で、ペストも尊氏のせいらしい。乾いた笑い。今時「世界征服」を掲げる悪役というのは面白いと思うが、1351年の日本が世界に影響を及ぼすというか、世界の中心になるのがちゃんちゃらおかしい。空虚な絵空事で萎えてしまった。どんだけ図々しいのよ。いや、尊氏がどこまでも図々しい言動をして、その一環として「海の向こうも支配する」的なことを言い出すならまだいいんだけど。
『NICE PRISON』8話
ペストからの荻窪なので良い。荻窪がやっぱり面白いんだけど、実際は刑務所内のリトル荻窪なので少し残念。「シャバ出ちゃうの!?」という面白さが間違いなくあったので、そこが否定されるのは寂しい。
ただ、作り物の荻窪だからこそ、荻窪民を演じるよう洗脳されてる、というのは面白かった。リトル荻窪だからこその不気味さ。というか、やってることが完全に『ワンダヴィジョン』ですね……。『ワンダヴィジョン』的な大仕掛けでやることが荻窪なので面白い。作り物だからこそ「阿佐ヶ谷も作ったの!?」というギャグへ派生するのも見事だったな。作り物で残念だったけど、その穴を補って余りあるほどの笑いはあったので悔しい。
『エンバーズ』19話
勝ちへと続く一本道が退屈と言う練馬くんに対して「負けるかもしれないのは怖いよ?」と説く監督、という切り口が本話全体を包む。見事な構成だったと思うし、本当は最初から負けが見えてて目をそらしてただけ、というオチがつくことで、冒険を楽しむどころかみっともないほどに恐れていたとなるのが痛快。あと、灰谷の目潰しイメージについて「勝手すぎる被害者意識じゃない!?」と少し困惑してたので、負けを恐れるが余り現実(?)から目をそらすみっともない奴の妄言、とオチがついたのが地味に嬉しい。さすがに目潰しは完全なる濡れ衣である。ヤンキー時代にそれなりの暴力沙汰にはなってたと思うけど、さすがに目潰しはしてないと思うw
んで、灰谷vs練馬の真っ向勝負でついに灰谷勝利。これも灰谷が変に覚醒したりするのではなく、(勝手な)恐怖に溺れてしまった練馬の自滅、としたのもフェアなバランスで好きだぜ。
ジジイ的には「練馬ざまぁ」というよりは「敗北を知ることで次なる成長へ繋がる」的なことなんだろうけど、それにしてもいくらなんでも自チームのピンチを後方師匠ヅラで悦に浸りすぎだと思うので、いざとなったら “リトリートだ!” とちゃんと監督らしい仕事をするので安心しました。練馬は言うだけ無駄ということなんだろうな。地味に見捨てられてて可哀想w
んで、灰谷が奪ったボールが鷹見に渡り、先週の得点シーンで見せたクソ曲げシュート……が入らないのまでは見えたが、という最後の得点。灰谷になるのはちょっと少年漫画的な都合も感じるがそれはそれで熱い。あくまでも練馬の語りで「負ける話」として描いたのも良かったですね。敗北を自覚、受け入れた練馬が監督を見ようとすると敵チームの孫JK監督とJKマネージャーが喜ぶ姿が目に入り、そのJK2人の間から敵チームの勝利をどこか喜んでそうなクソジジイ見える。めっちゃ良いじゃん!! 何なら灰谷がボールを奪ったり、得点した場面よりも良かった。カメラがゆっくりズームしていくだけでとてつもないドラマが生まれてる。
『Bの星線』18話
シンドラーのどこまで信じたらいいのか分からない記録が出てきたのはいいが、結局 “が” で安易に肯定する立場になってしまうのは何だか惜しい。というか、史実のオモシロに対してあえて平易な解釈に行くようでもったいない。まぁ、そこらへんをマジで掘り下げ始めるとそれがメインテーマになってしまうので仕方ないのかもしれない。とはいえ、現代にベートーヴェンがいる、という設定を考えると不可避なテーマにも思える。ちなみに、そんなシンドラーの胡散臭さを扱う日本映画がもうすぐ公開なんですが、「面白いのか……?」とものすごく困惑してます。
んで、逆水。徹底したアンチエリート。エリートというか金持ちか。クラシックの話をするなら、それも学生でするならこれも不可避なテーマだよな。何なら主人公が掲げてもおかしくないので面白い。何ならヤソーと仲良くなる余地が大いにあると思うんだけど、ヤソーも結局は良いとこで育ってるのでめちゃくちゃ恨まれる素質もあるので悲しい。エリート教育の負の側面を十二分に味わってきたのに、アンチエリートの人に恨まれてしまう。
演奏前のヤソー、緊張してるがメイド長が解す。若干出番不足の感もあるが、ヤソーが長い旅の果てに出会った彼の最大の理解者は本作の物語が始まる前からの知人であった、というのは結構良い話だと思う。出番不足が逆に良い味わいに繋がってる気もしてくる。
『シド・クラフトの最終推理』28話
最終回。まさかの大増ページであった。謎だ。人気的にはさすがに『超巡』の方があったと思うんだけど。
本編。まずはほぼセリフなしで獄中のトビーを描く。やっぱこういう描写が最高だよなぁ。まぁ、どういう状況なのかちょっと分からなかったけど、模範囚なので融通を利かせてもらった、みたいな感じだろうか。「親に会わせればアイツは絶対に落ちますんで」とスフレが画策したというのはちょっと考えたくないなw
シド。順調にスフレと結ばれて物語が終わろうとしてるところへ、花婿泥棒(たち)。全部バレた上で猛烈にアピールするエリオはなかなか面白かった。さすがに連載が長引いてもこの状態が見れるのは最終回だけだったろうけど、これで終わっちゃうのは惜しいほどの魅力。
逆に、最後まで秘密をバラさないまま終わったルルはちょっと消化不良なところありますね。「探偵やめたい」の物語もスフレの方で結論が出ちゃったのでルルとの物語がかなり宙ぶらりんの印象。個人的に一番面白かったのここだと思うので残念ではあるが、まぁこれで急に最終回がルル主役になるとは思えないのでしゃーない。
んで、最後のシドの推理ショーみたいな形式で結論発表。からのダイイングメッセージは笑った。くだらなすぎるが、くだらないなりに謎解き要素をここにも入れてくる姿勢は好き。
マルチエンディングにせずちゃんと1人を選んだのは偉い。正直かなり否定的だったよ……(前本誌連載)。ただ、ダイイングメッセージの誤推理でサービス的に選ばれなかった2人の「選ばれたリアクション」を見せたのは結構自然で面白い。マルチルートを見せつつの真エンディングという意味では『ゆらぎ荘の幽奈さん』の方が面白かったと思いますが、「何話かけてんだよ!」という話なので比較するのはあまりふさわしくないと思う。思うが、それでも言及しておきたい。
そんな2人の誤推理。エリオはさておき、ルルの誤推理はルーチェさんにも当てはまるよな。『ドラクエ5』のルドマン枠。
ということでスフレwin。初恋至上主義みたいな価値観はあまり好きじゃないし、何ならそういう子供時代の呪いは「探偵やりたくない」の物語とも重なると思うので、テーマ的に非初恋組の2人の方が適切だった気もする。ただ、スフレはスフレで誤推理みたいなオチがついたのには笑いました。うまいw
んで、探偵の呪いは解かれることはないのでした……というバッドエンド。って読まざるを得ないよな。雰囲気的に明るくまとまった感があるのは分かるが。まぁ仕方ないということで。
終わり。かなり意外なほど面白かった。やっぱルルとのくだりは最大風速的にかなりすごかった印象だし、最後のトビーも好き。『勉強』終了時よりも「筒井先生の次回作に期待しちゃうじゃん……」という気持ちは遙かに大きいです。本作が超長期連載になり、マンネリ状態に陥ったルーチェ回とかもふざけた描かれた可能性あるのかな、と思うとかなり寂しいものがあります。いや、真面目に考えるとルルの話を真面目に進めたパターンが気になるところ。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
6月のネタハガキ東西戦。お題は「週ちゃん300回突破!“だいたい300”これって何の数字?」。300だけ指定してあとはフリー。ネタの幅が広くてかなり面白かったです。
東。照りさんの「頼んでも良いかな、と思えるラーメン屋のセットメニューの額」。めっちゃ分かるw 大盛りにするくらいだったら……とか考えちゃう。
ギザ10さんの「感心する樹齢」。アイディア自体も意外で面白いが、言い回しが妙におかしいので好き。
西。ゲインズさんの「THE FIRST TAKEで歌い始めるまでにうだうだ話す時間 300秒」。今回の掲載ネタの中で唯一黒い感情がチラチラしてるので面白かった。下手すりゃ曲より長いw
だもんさんの「尾道駅から千光寺へ続く石段の数」。ご当地ネタ! このコーナーでこういうアプローチあったのかとちょっと感動しちゃったし、広島県民じゃない身としては距離感がリアルに想像できるので面白い。
石黒直理さんの「常温の絶対温度」。急に知的。お題の「だいたい」の部分を丁寧に拾い上げてる感じがすごく良かったし、「だいたい300K」というのが本当に絶妙な数値w
次号予告
新連載。おねショタ『ヴェノム』でお馴染みの人なんですが、どうやらその作品を元になってるっぽい。中華ファンタジーは残しで、おね感もステイ。問題は一番大事なショタ感が抜けてやや大きくなってる点。「そこが良かったのに……」と思わざるを得ないものの、まぁ普通に面白い読切でもあったと思うので楽しみですね。記者設定もなくなってそうなのが残念だが、これは真面目な話、『ヴェノム』すぎるから「連載では変えましょうか」って編集部判断になっただけだと思う。マジで同じだったので。
目次
松浦先生一緒に連載できて光栄です!スポーツシーンの描き方教えてください。
(『アオのハコ』)
松浦先生おかえりなさい!作家友達として同じ誌面に載れるの光栄です!焦るけど!笑 <三大>
(『しのびごと』)
松浦先生の人気に嫉妬。それと、そういえば『アオのハコ』に野球部いねぇな、と今更ながら思った。まぁいない部活を挙げだしたらキリないんだけど。
愛読者アンケート
新連載について。「野球のルールを知っていますか?」の質問が切実なので面白い。そりゃそうですよね。やたら複雑というか、一言で説明しづらいんだよな。野球って。
無料公開がきっかけで読み始めた連載作品。ない。
総括
木曜深夜更新。はい、無理でした。水曜の時点で『エンバーズ』まで終わってて、残りはすぐ終わると思って油断してたら木曜のんびりしてしまった。いつもそう。
今週のベスト作品。読切かな。『愛する者の祓い方』。
次点は新連載と『最終推理』。普通の連載の中からだと『ウィッチウォッチ』だろうか。
ベストコマ。『エンバーズ』より、JK監督越しのジジイ監督。とてつもなく良かったというか、「ひょっとして本作めちゃくちゃ面白いんじゃない?」とまでなった。安定して面白いと思ってたが、ピンポイントで超良いのが来た。
最後にベストキャラ。『ウィッチウォッチ』のケイゴ。登場シーンで笑ってしまったので負けだわ。普通に超有名映画だけど、サブカル臭もちゃんとあるのが良い。
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