北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年36・37号(紙版)の感想

 今、一週間で一番楽しみなことは『ちはやふる -めぐり-』です。

表紙

 合併号なので集合だが、特別企画でポケモンコラボ。連載陣がそれぞれ1匹のポケモンと組んで、各作者が描く。ただ模写してもつまらんが、大きく崩したり我を出したりもしづらい……という重い空気が楽しめるぞ。単純に方向性が違いすぎるので寄せるのが超むずいってのもあるか。
 それと、折り返し仕様の表紙になってて、表(閉じた状態での普通の表紙)は『ONE PIECE』『SAKAMOTO』『アオのハコ』『カグラバチ』『魔男』の5作品のみ。いつもの全員集合でやったらポケモンのイラストがあまりに小さくなってしまうための措置だと思う。『カグラバチ』と『魔男』は今号センターカラーというのもあるけど、まぁ普通に考えて今のジャンプのトップ5なんでしょうね。先行公開されてた『ロボコ』が裏に追いやられてて可哀想。

 ルフィとピカチュウ。大人の事情で選択の余地がないんだと思う。先週も書いたけど、ピカチュウはエネル顔をするべきじゃった……。
 坂本とチコリータ。千夏とワニノコ、チヒロとポカブ。最新作の御三家らしいです。先週の先行公開(ルフィロボコ千夏)の段階では謎チョイス感あった千夏パイセンだが、この3作品の中だと一番ちゃんとしてるな……。マジで意味不明すぎる坂本とチヒロが悲しすぎる。坂本はカビゴンだと思ってたんですが、そもそも坂本は表紙で太ることが禁じられてたかもしれない。本編でも太ることなくなってきたが。
 イチとエルレイド。エスパー(魔法)と格闘(野生)でおまけに短剣っぽい刃も備えてるという見事なチョイスだと思う。今回の序列的に「奴は四天王の中で最弱……」ポジションなんですが、唯一自由に選んだ上で表紙に載れた一番の勝ち組。
 以下折り返し。ロボコとメガバシャーモ。膝ポケモンってことですな。老人としては「膝蹴りと言えばサワムラーじゃない?」とか思ったんですが、サワムラーは絵的に膝感が足りない。
 時行とイーブイ。たぶん成長する「若」感としての進化ポケモンイーブイ……だろうか。ここの理由が一番自信ない。松井先生、ポケモンイラストめちゃくちゃ苦手そうなのが逆に良い。他は我を殺してうまく描きすぎなので。
 ニコとピッピ。ゆびをふる!! ニコの魔法をランダム性と解釈してピッピを持ってくるのうますぎる。ポケモンとポーズ合わせてるのも可愛いし、個人的に優勝かも。ピッピの技でカンシがオモチャにされる未来が見える。
 あかねとソーナンス。見て真似して技を覚えるのが落語と同じって感じだろうか。「どうもすいません」で落語というのもありそうだが、本編が頑なに実在の落語家ネタを避けてるので違う気がする。何にせよ、あかねが楽しそうで何より。ニコもそうだけど、相互作用あると嬉しい。てか、よく考えたら千夏パイセンもポーズ合わせてると思うので(ロボコも)、女子キャラはポケモンと交流しがち、という傾向がありますね。ひまりだけ例外。ひまりはヨダカと合わせてるように見える。浮気か?
 十三とメガヘルガー。一瞬なんでか分からなかったけど、オオガミとオオカミですね。意外とうまいことハマるものだなぁと感心した。
 学郎とメガアブソル。中二感と刀要素ってことかな。「刀と言えばカモネギだろ?」と思ってしまう私は老人。チヒロとカモネギだと予想してたんですが、何もかもが違った。
 キヨシとメガゲンガー。目次で臼井先生めっちゃ喜んでるので何よりだが、組み合わせ的にゲンガーがぶっ祓われる未来しか見えない。まぁ、ネハンみたいに友達の可能性もあるか。
 ひまりとウォッシュロトム。家事ということで家電ですね。「それなら殿一の方だろ?」と思ってしまうが、ひまりは殿一のことを考えながらロトムを選んだんだよきっと……(てきとー)。
 ヨダカとゲッコウガ。忍者ですね。『スマブラ』プレイヤーは気持ちよさそうに名前を呼びたくなってしまう。
 模範囚とクレッフィ。ごめん、ここだけポケモンの名前調べた。鍵ポケモンなんていたのか……。比較的鬼門の作品かと思ったけど、ちょうどいいモチーフがあるもんですね。
 オテルとメガリザードンX。炎は確定として、氷感を出すために青い炎のメガリザードンXが選ばれた感じかな。氷と炎タイプのポケモンって未だにいない?
 凪春とガブリアス。マウンドのサブマリンだから地面で鮫のガブか。ここも鬼門だと思ったけど、めちゃくちゃうまいチョイスなので唸りました。
 コウとギャラドス。中国の伝説「登竜門」を元にしたポケモンだからですね。中国の伝承繋がり。ここもうまい。めちゃくちゃ良い結びつけだが。遥川先生はモフモフか可愛い系のが見たかった……けどうまい……。
 信長とギャロップ。速そう。スポーツ作品はどれも難しいと思ったけど、ちょうどいいのがいるのですごい。
 平とニャース。「お前の特徴卓球じゃなくて金なのかよ」とちょっと笑った。卓球でいろいろ考えたけど、そっちか。あと、ニャースが程良く漫画に寄せたデフォルメになってて何気に良い。漫画映えしやすいポケモンというのはある。

 ということで個人的な優勝はピッピかエルレイドかなぁ。じゃあ、ニコとの合わせが良いので、ピッピで。ギエピーのせいでアニメでフィーチャーされる機会を失ったみたいな噂も聞くんですが、どこまで本当のことなのだろうか。
 ポケモンのチョイス以外で言うなら「ポケモンの絵がいじりづらいならこっちのキャラをデフォルメして調整してやんよ」というアイディアが鮮やかだったあかねもすごく良かったと思う。ソーナンスだからできたバランスだったかもしれないが、ツーショットとしての魅力はあかねとニコが頭抜けてる。あとロボコ。やはり女性キャラのが空気読めるというか、男はカメラ向けるとかっこつける一辺倒なのでいけねぇ……。

追記(2025/08/08 22:19)

 コメントをいただき、イーブイの特性が「にげあし」と知りぶったまげました。完璧な理由あったのかよ……。
 気付けなかったのが悔しくて他のも含めいろいろ調べたんですが、そもそもイチの相方は「メガ」エルレイドで、オスしか進化できないという特徴があるので、それが第一の選出理由っぽいですね。これまた完璧すぎる理由……。
 ということで悔しさのあまり追記しました。他にもいろいろ怪しかったり、至らぬところはありますね。結構うまく書けたつもりだったんですが、うぬぼれでした。

読者プレゼント

 エクストリームバイク。バイクはバイクでも……という一捻りが良い。まぁ、捻った先で特別良いダジャレがあるわけでもないですが。
 ただ、グラビアの男性の、イラストバイクに乗ってる感はかなり良い。具体的にどの程度難しいのかは知らないけど、結構頑張ってるんじゃない?

巻頭カラー『ONE PIECE』1156話

 ロックスから離れてシャッキーの話とか出てくるので、「これは誰の回想なんだっけ?」とかなる。まぁ『ONE PIECE』はずっとそう。ワクワクする部分はあるけど、正直読者への情報開示が第一になってる感じがして乗り切れないところもある。
 ただ、シャッキーの美貌にクラッときてるレイリーがあまりに可愛いのでときめいてしまった。それが今の夫です、みたいなラジオの投稿メール感。そんなシャッキー、絶世の美女にタバコを吸わせるのが珍しくて良かった。まぁ、今はタバコ自体が軽く珍しいんですが、美女イメージにつけるのはもっと珍しいと思う。昔はそんなことなかったと思うけど。

『SAKAMOTO DAYS』224話

 覆面レスラー。マスクのデザイン的に、ルチャリブレというよりは日本型のイメージ。プロレス詳しくないのでマジぼんやりとしたイメージ語りで申し訳ないですが。
 一旦彼の強さの謎で引っ張るのだが、単純に考えるとスーパータフみたいな感じだろうか。プロレスは相手の技を受けてナンボ、みたいなそういう発想。
 自暴自棄になるアタリ。彼女の運システムがあるとああいう考えになるのも分かるので面白かったし、そんな「女の子」を相手する葵さんの出番が素晴らしい。トーレスでもあったけど、太郎と結婚した葵さんはやっぱ只者じゃない、みたいな話好き。肝座りすぎウーマンみたいな感じか。
 んで、平助が単身頑張る。それ自体はまぁいいのだが、それとは別に「キンダカはすぐ追いつけれるから置いてけば?」とか思ってしまった。

『悪祓士のキヨシくん』55話

 ヤマダのおっちゃんをここで持ってくるのめちゃくちゃ良い。前話ラストで深呼吸のルーティンが出てきたけど、それを改めて強調する冒頭1ページ。
 キヨシのタトゥー、意味があったらしい。あれは出オチでありギャグなので、シリアスな意味付けとかしないでほしかったな……。まぁどういう理屈かはまだ分からんけど、『鬼滅』みたいな謎遺伝みたいな匂いがするので心配。あれ全然好きじゃなかったので。というか、よく分かってない。

センターカラー『魔男のイチ』45話

 クムギ姉。素敵眼帯だが、効率主義の恋愛脳という感じか。魔女候補の筆頭だが、彼女自身は実力で魔女に食い込めるとは露ほども思ってない。ので、政治的に動いて出世を目指す。そこに魔男は絶好のターゲット。こんなにも嫌な政治ムーブするキャラが出てくるとは思わなかったので面白い。
 と、理屈的な説明が多かったけど、最終的な着地は「一目惚れ」なのがうまいよな。一話としての作りが完璧というか。
 そんなイチ。まぁ今までも美男子なのは何となく分かってたけど、今回明らかに着飾った状態でお出しされてるので笑ってしまった。そして、化粧の有無という漫画だとかなり描きにくいであろう題材を一発で見て分からせる絵としての強さがすごい。一目惚れされるのも納得なんだけど、同時に「このイチを見て判断するとはまずいかなぁ~」という別のオモシロも出ますね。絵だけで。

『ひまてん!』53話

 ひまりの話もうちょい引きずると思ったら、アイドルのひめのの。隣人になるのが『アオのハコ』すぎて笑ってしまった。あちらの隣人も「大人」属性を感じさせる新キャラだったが、それは本作も同じ。同じ大人感でも違うのが、酒乱。酒乱設定自体はかなり定番だと思うけど、本作の大人を感じさせる新キャラの大人感として酒が出てきたのはちょっと面白かった。仕事論に徹する本作において、オフの楽しみとしての酒。
 そんなひめのの。まさかの教師。意外だった。もうちょっとアイドルを仕事論として描くのかと思ったら、別の職業になるのか。
 特に恋愛に発展することはないと思うが、それはそうと色気がすごい、という扱いになるのも良かった。少年漫画だと、色気を感じたら即恋愛! みたいな単純思考になりがちだと思うけど、本作はたぶん違うと思う。以前にドキッとしたのもアイドルとしての職能によるものだし。

『しのびごと』44話

 夏祭り。ヨダカよ、浴衣を着てこい。浮いてるぞ。
 花火。この手の話だと、爆発する気持ちのメタファーとして扱われるのが定番だけど、本作は「えっ?」と不意打ちみたいなタイミングで上がるので面白い。どうせ溜めて溜めてドン! だと思ってたので。ただ、基本的な意味は同じで、本作はそこに一捻り入れて「もう既に爆発してました」ということだよね。珍しくて、それでいて今のヨダカにふさわしいのですごく良かった。
 あとは、過ぎゆく時間、青春のメタファーみたいなところもあるけど、これも定番ですね。一瞬だからこそ美しい、的なノリ。儚く消えてしまうけど、すぐにまた上がるから大丈夫。

センターカラー『カグラバチ』89話

 新キャラ(実質)の紹介。それも2人も紹介して、対戦カードが決定して終わる。カラー回になんと地味な話を……。まぁ、本作はもうカラー回を意識して勝負するような段階ではないんだろうな。
 とはいえ、マジで2人の紹介をする回だったので地味だ。知らん人が2人出てきてひたすら説明してくる。まぁ、新キャラ登場RTAみたいな趣としては面白いです。2人も紹介したわけで、その手際と、一旦文字情報が全然ない数ページが出てくる緩急とか良かった。

『ピングポング』5話

 おもしろ。特別神回という感じの面白さではないが、何つうか読み味が圧倒的に良い。読んでて気持ちいい。食の比喩だと喉越しのが適切か? 描かれた漫画的情報を飲み込み理解するだけで一定の快がある。まぁ、話としてクソほどシンプルだからこそ成立するってのもあるけど、冒頭の見下ろしの見開きで、男湯と女湯が隣通しのハラハラ感、そして卓球台の特殊さ、そして本話のオチとして出てくる電気風呂の位置関係を自然と読者の脳にインストールさせて、そっからシンプル大映しの敵キャラの下段に移り、彼女の伸びた手に沿ってコマが進み、その手の先に本話でキーとなるラケット(桶)。漫画的に美しいというか、圧倒的に読みやす~い。漫画の読みやすさ、読みやすいのに情報がグイグイ入ってくる感じ、漫画を読む快感ですな。
 女性相手に銭湯で戦うということで、気になってたのはポロリ問題なんですが、さすがにポロリのサスペンスまでは描かないっぽいですね。股を開いて大きく踏み込むとポロリしちゃう……みたいな制限がかかるのも面白そうとか思ったんですが、どうやらタオルは鉄壁らしい。いや、鉄壁ではないけど、考えなくていいらしいです(目次)。

『アオのハコ』206話

 正直雛の失恋については「もう終わった話じゃない?」という気持ちもあったんだけど、たぶん大喜千夏カップルにちょっとした困難が生じると思うので、その前フリとしての浮気相手みたいなものだと思えば納得できるかも。言い方が悪い。こっちと恋人になる可能性もあった、みたいなマルチバース
 あとは、反省&謝罪するダウナーギャルたち、というのが面白かった。

『ハルカゼマウンド』8話

 必殺の決め球を100%の威力でぶつけるための事前準備。『ハイキュー!!』である(違)。
 そんな溜めた果ての必殺技なのにアンダースローのかっこいい絵が一切なくて少しフラストレーション溜まったんですが、伸びる球がアホみたいに派手なのでちょっと笑ってしまった。これもある意味配球の話と同じかもしれませんね。
 左投げ、しかもアンダースローで、上に伸びて曲がるボール、と相対する右バッター、という位置関係がめちゃくちゃ見開き映えするのでかっこよかったです。内角高めの位置感も一発で分かりやすかったし、見事だったと思います。投球フォームを見せ場にしなかったのも納得。
 どこに投げるかだけでなく、混乱してるところに「すぐ」投げるという別の配球の妙が重なるのも面白かった。まぁここらへんは単純に私の野球知識のなさが良い方に働いたパターンですね。考えたこともなかった。奥が深いぜ。

センターカラー『バカバトル』島袋光年

 間違いなく合併号の目玉なはずなのに、ポケモンのせいで表紙での扱いがめちゃくちゃ悪いでお馴染みのしまぶー新作。
 本編。バカがモテる文化圏の島国にたどり着いたバカ少年の話。バカばっかだ全く。フリーバカギャグをただ羅列したいだけの設定という感じで、ここまで極端な一点特化が許されるのもベテラン作家の特権なのだろうな……とか。正直好きなタイプのギャグではないが、他ではなかなか読めないと思うので価値があるというか、ちょっとありがたい気持ちにもなってくる。そういう意味で面白かった。
 などとちょっと引いた目で面白がってたんだけど、最後の最後、大オチが何気に超面白い。ズッコケ的なオチで、投げやりのようにも感じられるんだけど、「誰もがモテを目指してるのにそもそも異性がいない島」というバカな事実が(同性愛とかあると思うのが自然だが一旦置いといて)、「漠然とモテに圧倒的な憧れを抱くが実際のところは男にしか興味がない」という男の愚かさを表してて、寓話としてめちゃくちゃ良くできた話だったんじゃないかと思う。しまぶーがそんなことを考えていたかは知らん。たぶん考えてないけど、無自覚だから真理を突けないとは限らない。よく女体は好きだけど女は嫌い、みたいな人いるけど、方向性はそれと近いんじゃないかな。この島の人たちは嫌うほど知りもしない、というのが実状ですが。モテに憧れてチンポの大きさ対決に夢中になるあまり「もう君たちチンポの方が好きだよね?」という話。ホモソーシャルお伽噺としてかなり芯喰った内容だったと思います。男って「バカ」をナルシシスティックに語るケースも多いし、マジで深いテーマを直接は語らずに描ききった作品だったんじゃないかな。たぶん違うよ。しまぶーは非現実的なモテでは満足せず、実在の女子を求めて実行できる人なので(婉曲表現)。意地悪な話になったが、そんな前科があるので、モテという題材にしながら「女子がいない」というオチにしたのは賢明だったとも思う。出しても面白くなりようがない……。
 ギャグ漫画としては、ツッコミ役が正しい立場から間違いの人に指摘するのではなく、下から上の人間を羨望するスタンスを徹底してたのがかなり面白い試みだったと思う。まぁ、それが「君たち絶対男の方が好きでしょ」という感想に繋がるわけですが。
 好きなギャグとしては、馬鹿の鐘を突いたら「バカーン」という音がする。平然とこういうことされると弱いんだぜ……。
 逆にイマイチだったのは、参加希望者はバカだからそもそも会場に辿り着けない、という件。それはもう辿り着いた人たちの方が「バカじゃない」ってことだよね。矛盾じゃない? とバカ設定の限界を感じた。
 終わり。短めなのも気楽な読切って感じで良かったと思います。ベテラン作家のこういう出方、すごく良いと思う。来週の『こち亀』はまたちょっと別次元だが。

『カエデガミ』7話

 手を食べる虎。丸呑みなのか咀嚼したのかの描写は必要だったと思う。前者だったら倒したあとに取り返せる可能性あるが、後者だとちょっと怪しくなってくる。ただ、どちらにしても「ごきゅ」と飲み込むまでにものすごく時間がかかると思うので、ちょっと無理を感じる場面だったな。『呪術』みたいな指で相当ギリギリだと思う。たまに自分の拳骨を口にいれる特技を持つ人いるけど、大きさ的にはあの絵面がとても参考になるわけで、何かかっこつけて食べてたけど、もう口の中いっぱいいっぱいで大変なことになるのよ。
 からのパワーアップした敵のバトル。省略が多いのもあるが、ちょっとバトルシーンの限界を感じるような場面だったな。これまではギリ何とかやってきたが、そんなに得意ではないんだろうな。今後どうするつもりなんだろ。話的にはバトルをどんどんやる感じになると思うんだけど。
 手を取り返したら撫で撫でしてもらえる。とコウが考えてしまった。私のガチ予想だったのに、こんなこと言われたら絶対外れじゃん。悲しい。他に手って何するんだろうか。そもそも食べたのに取り返せるのかは分からん(まぁダメでももう片方がある)。
 んで、コウ死にかけ。そこにシユウが乗り移る。「魔が差した」みたいな描かれ方をしてたのが不気味で超良かった。バトル的には変身によるかっこいい逆転展開なんだけど、2人の関係としては決して健全なものではない、と後ろ髪引かれる印象。ドロドロ溶けて入っていったであろう描写も気持ち悪くて良かったですね。こういうホラー系の方が明らかに魅力的。

『僕とロボコ』244話

 ジーサンとロボコ。喧嘩しつつも、端から見る分には仲良しに思える感じが十分魅力的だったので、何か理屈をこねて感動的な話にしなくても良かった。
 あと、ロボコの名推理がやけに凝った内容になってたのが意外で面白かったっちゃ面白かったのだが、農作業中のジーサンが倒れてたら真っ先に熱中症を疑うので、そもそも話の引っかけに乗れなかったところがある。裏の裏はただ普通の表。一応前半に暑さ描写は入れないことで誘導してたんだと思うけど、現実がマジで暑すぎるので、老人が倒れてたらそりゃもう熱中症ですよ。
 それはさておき、亡くなった私の祖父、治療の関係でカリウムの摂取を控えてたんだけど、今も生きてたらどうやってこの夏を乗り越えればいいのだろうか……と塩分タブレットを食べながら思うのであった。マジで大変ですね。大変すぎる。梅味のやつおいしい。

『あかね噺』169話

 冒頭の数学の問題。普通に超簡単なので笑ってしまった。公式とか関係なくさ、3つの点の位置を考えれば楽に底辺と高さが分かるわけで、そしたらもう小学校の計算だったろ。「難しそうな問題」という描写を明らかに間違えてると思う。せめて3つの点の位置関係を斜めにするとか……。
 そんなからしの一席。現代にも通じる江戸時代の話……を装った創作古典風落語。今までのからしの発想から発展させたものとして非常に自然だし、それでいて相手を小馬鹿にするようなスタンスも見えてめちゃくちゃ良い。
 ただ、これの何がR-1で物議を醸したのかが分からない。別にウケたならそれで良くない? ひょっとしたら番組は「古典落語をやってます」の体で放送を完結させちゃって、それがSNSとかの落語好きから指摘されてえらいこっちゃ、みたいな感じかしら。それなら分かるが、まぁ別にからしに悪いところは何もないな……。だからからしは悪びれなくて余計に炎上するってことなのかな。

『NICE PRISON』15話

 ミステリアスなセクシー女をメタる方法として実家の母ちゃんを出すのは良かった。たしかに母ちゃんを出されたら不二子ちゃんもセクシーでいられないと思うw
 その母ちゃん(家業)が別の意味で厄介だった、と続くのも良い。ふざけてるのに謎に筋が通った展開をしてて面白い。そしてさっきまでセクシーアピールしてた人が弓矢背負って戦い始める絵面もロマンですな。まぁ、武器が原始的すぎる武器商人っぽくない、というのは気になる。
 毒ギロチン、毒銃も好き。毒いらねぇだろ、っていう。いや、銃はまだ意味あるか。
 んで、アナルパンチからホレさせて勝ち。アナルパンチからの振り幅がすごい。ただ、問題のアナルは彼女の後ろ側にあって視界に入ってないのでギリ分からんでもない。分かるとは……という話だが。

 4コマ。どちらも超面白い。どちらもオチの言い分が至極全うなのが良い。それなのにオチ感がしっかりあるので4コマは奥が深い。

『エキデンブロス』6話

 寮で出会うマネージャーのシゴデキギャル。「シゴデキ」という括りがおかしくて良かった。普通に魅力的だと思ったんですが、普通に話と全然関係なく出番が終わるのでよく分からなかった。今回、話があっちこっち行ってて散漫というか、忙しい印象だったな。何だろう、走るシーンがないと読んでもらえないという焦りがあったのかしら。
 話がどこ向かってるか分からないまま、何言ってるのか分からない先輩が急に分からないまま決めゼリフを見開きで吐いて終わる。正直ついていけなかった。性急すぎない? これが16話とかだったら「打ち切り決まったのか?」とか疑ってしまうレベルだが、そんなことはないわけで。
 あと、最後の見開きの決め絵が『パズドラ』っぽい。スマホゲーム全般かもしれんが、あの立ちポーズとエフェクトの感じ。

『ウィッチウォッチ』212話

 ニコが元に戻るらしい。急すぎるので「打ち切りが決まったのかな?」って思った。そんなはずはない。けど思うでしょ。急すぎる。思春期突入してすぐじゃん。ペース配分がおかしい。まぁ、急に来ることで喪失感を煽る狙いなのかもしれんが。
 モイちゃんがものすごくギャグのノリなのに、話としてはこの上なく真面目な良い話として進行するので面白い。個人的にはモイちゃんのうざいノリが楽しいので、それがただの前フリとして消化されてるのが分かり切ってる状況には少し寂しい気持ちにもなる。

『キルアオ』112話

 話が急すぎる……が、本作は本当にそうかもしれないな。悲しい。まぁ、閉店バーゲンセールみたいな密度は結構楽しいです。というか本作の「意外な展開」結構好きなんだよな。ちゃんと意外さが楽しめてるというか。
 ということで今回のサプライズ。「1本10年」のパッケージが可愛いのでずるい。変なところで面白すぎる。
 総決算のような展開でワクワクもするが、冷静に「いやぁ中学生が殺しの世界来ちゃダメでしょ」的な印象もなくはない。が、よく考えたら会長は今までも殺し屋と戦ってたし、獅童と天馬も一応殺し屋との戦闘経験はあるのか。そう考えたら案外ない話ではないのかもしれない。
 最大の問題は、今回の敵に銃を持った奴がいないっぽいので会長のガン=カタが期待できないという点。たぶん古武術で戦うんだろうけど、私としてはディストピアSF格闘術が見たいわけで……。
 というか、会長が大人になっても腕章つけてんのめちゃくちゃ面白いですね。

『鵺の陰陽師』109話

 避難所で嫁が頑張る。そもそも学郎たちじゃなかったら信じてもらえるはずもない、という真面目な話も面白いんだけど、それよりもモブ隊士の描かれ方が学校回のクラスのモブみたいなノリになってるのが最高ですね。あの変な感じ、明確に本作の強みだよな。そして、今回の超真面目な展開でもその変さが出るってことはやはり無自覚的に変になっちゃってるのではなかろうか。『SAKAMOTO』の一般市民の間抜けさは意図的だと思うが、本作は少し怪しいと思う。どっちも好きだが、どっちの方が魅力的かと言えば、それは本作……。
 嫁による(疑似)怪獣バトル。あまりにバトル描写がなくて省エネしすぎだと思うんですが、「みんなに見守られながらのバトル」を描く意味で、怪獣バトルを見上げる状況ってのはかなり良かったと思います。バトルを見上げるモブたちによる応援って結構怪獣映画の華じゃない? 全部が全部とは言わないけど。

『逃げ上手の若君』213話

 尊氏の中の悪神描写、マジで何がしたいのか分からなかった。久しぶりにジャンプ読んでて「これを面白いと感じる読者がいるんですか……?」という気持ちになった。よりによって最終章(たぶん)の大ネタがこれでいいのか。歴史モノだったのに、なんで急にゴジラの口移しゲロビームしてるのだろう……。ちなみに、2014年公開の通称「ギャレゴジ」のフィニッシュシーンです。そんなギャレス監督の新作『ジュラシックワールド 復活の大地』が本日公開だよ。楽しみだね!
 と関係ない話で楽しそうなノリを出さなくてはならないほどにつまらなかった。後半の元の尊氏の話も全然興味ないというか、今まではそれなりに魅力的だった変人としての悪役の魅力が崩れていくようで、今後の本作に対して不安しかない。

『灯火のオテル』13話

 何度も書いてる感想だけど、アクションが具体的に何やってるのかマジで分からない。師匠のバトルがマジで分からないのでちょっと笑ってしまった。が、まぁここは強さで圧倒する話なのでこのくらい省略しても別にいいのかな。ハラハラするような展開ではないので。とはいえ、どういう攻撃が、どのように敵に当たったのかがさっぱり分からないのでやっぱりすごい。割り切りすぎだろう。
 からの自爆の置き土産。を戦士のおっちゃんが引き受けてくれる。まぁ話として意外性があるわけではないんだけど、本作らしい死生観が現れてて良い話だったと思う。死ぬけど、オテルの英雄譚の中に組み込んでもらえるなら本望。ヴァルハラ信仰とは別物なのが良いですね。
 そんな自爆を抑える方法として、バトルのときにも見せた能力を使って、氷で包み込む。絵一発で「これならきっと大丈夫」という説得力が感じられたし、その後、何の言葉もなく地鳴りの描写が入るのもかっこよかった。やはり良いとこはとことん良い作品なんだよな。不思議な作品というか、イビツな作品である。面白い漫画って何なんだろう……とか深いことまで考えたくなってしまう。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 増量4ページ。
 前半は8月のネタハガキ東西戦。お題は「『脱力学園高校』校歌の歌いだし」。自由すぎるというか、どういうネタが来るのかさっぱり分からなかったのですが、蓋を開けてみればかなり面白い回になってたと思う。相変わらずお題を見て「これは面白くなりそう」というセンスがまったくない。
 東。最優秀にも選ばれてたこばんザメさんの「富士山だと思ってたあの山よ」。校歌にあるあるが存在するとは思ってもいなかったので笑うと同時に目から鱗だった。言われてみれば私の母校も富士山のこと歌ってたな……。
 照りさんの「揺れるネオンサイン」。オシャレな都会的な雰囲気で大人の恋愛歌われるとむずかゆくなってしまうw 校歌らしくないという意味ではこのネタが一番好きかも。
 さばねこさんの「少子化問題モロに受け~」。切実かつ社会派なので好き。これを生徒に歌わせるちょっとした気持ち悪さも含めて良い。
 ねこってかわいいさんの「甲子園~ 屋根つけろ~」。甲子園に出場してテレビ放送されるのが前提の歌詞。甲子園出れたらまだいいが、野球部が鳴かず飛ばずだった場合を想像しても面白い。野球部関係ない生徒も歌うわけですし。
 西。未完の貴公子さんの「富・名声・力 この世のすべてを手に入れた男 海賊王ゴールド・ロジャー」。アニメのオープニングになってて笑った。誰かナレーション担当の人決めて校歌斉唱の度にやってほしい。
 赤海雌細さんの「棒が一本ありまして~」。絵描き歌パターンはお見事でしたね。完全に予想外のとこから飛んできたのでやられた。1文だけで絵描き歌だと想像させ、それでいて何描いてるのかはまだまったく分からないバランスも面白い。
 Airさんの「ヒマラヤそびえるエベレスト」。東の最優秀のネタ、校歌あるあると同じ発想であり、そっから一捻りしたネタ。たしかに富士山程度であれだけ歌われるんだったらエベレストも確実に歌われてるでしょうねw

 後半。工具ガリョキンの結果発表。キングの「カンナ」は大喜利とまではいかないけど、漫画的な表現を大いに盛り込むことで、ルールの中でギリギリ外れた、目立ったことをしようとしてて好き。工具の中でもアクション性の強いカンナに目を付けた時点でかなり強い。

次号予告

 表紙巻頭はあかね。アニメ化だってよ。めでてぇぜ。ただし、本編にあかねは出てこないと思う。たぶん。
 そして『こち亀』も。記念館の経過報告かと思ったけど、通常の漫画っぽいので楽しみ。

愛読者アンケート

 読切についてと、ポケモン企画の付録について。購入のきっかけにはならない。付録の満足度だが、シールの付録には興味がなく、イラストに興味があるので何とも答えづらい。イラストの感想でいえば、概ね満足。ただ、大映しの人気作が窮屈な思いをするのは見ててつらい。

総括

 木曜深夜更新。3日で終わらせたかったけど、合併号だからいっか。

 ベスト作品。『魔男』かな。正直言うと今号はこれと言ったのがなかったので新機軸の話が面白そうだった本作を選んだ。
 次点は、読切と『ピングポング』と『ハルカゼ』。ポケモン企画も好きです。

 ベストコマ。『ピングポング』の冒頭見開き、見落とし構図のコマ。ここはずば抜けてこのコマ。本話を内容を1コマに集約させてて本当に見事だったと思います。

 ベストキャラ。『魔男』のスピカ。今までにない嫌な感じの人で面白かったし、前章があまりに濃い「男男」だったので、「男女」の価値観が中心にありすぎる人が出てきたのが面白い。イチの主人公性(変人性)を立てる意味でも面白そう。
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