- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『あかね噺』170話
- 『あかね噺番外編 あにめ噺』
- 『魔男のイチ』46話
- 『ウィッチウォッチ』213話
- 『ONE PIECE』1157話
- 『しのびごと』45話
- 『SAKAMOTO DAYS』225話
- センターカラー『アオのハコ』207話
- 『エキデンブロス』7話
- 『悪祓士のキヨシくん』56話
- 『ピングポング』6話
- センターカラー『こち亀』
- 『カグラバチ』90話
- 『ハルカゼマウンド』9話
- センターカラー『鵺の陰陽師』110話
- 『カエデガミ』8話
- 『キルアオ』113話
- 『ひまてん!』54話
- 『僕とロボコ』245話
- 『逃げ上手の若君』214話
- 『灯火のオテル』14話
- 『NICE PRISON』16話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
『ジュラシックワールド 復活の大地』めちゃくちゃ面白いです。グロくはないが、初期スピルバーグの『ジュラシックパーク』くらいには怖いので苦手な人は気をつけてね(ホラーブームの昨今で優しすぎる注意書き)。
表紙
『あかね』。tvアニメ化発表。マイクが置いてあるくらいで特にアニメ化感はないかな。
今のジャンプで総合的に最も面白い作品だと思うので、アニメ化に驚きはないんですが、それとは別にアニメ化難しそう~。というのはある。
そんなアニメ化。監督がまさかの渡辺歩なのでびっくりした。世紀の珍作『ドラえもん のび太と緑の巨人伝』じゃないか!! ……というのは半分冗談。珍作なのはマジだが、渡辺監督自体はのぶドラ最末期からわさドラ初期を支え、声優交代以上の変化をもたらしたと言っても過言ではない巨大な存在だと思います。『緑の巨人伝』はどう観ても「スケジュールが足りなくて収集つかなくなってる」という感じ。アニメ業界のことは知らんが、たぶん今回の座組、かなり良さそうってことになるんじゃないかしら……。脱ドラ以降の渡辺監督は普通に順調そうに見えるので、特別変な仕事を任せられるとも思えない。
てか、ジャンプ系列という意味で『サマータイムレンダ』が参照作品としては適切ですかね。面白そうかもしれないと思った状態のまま放置してる。ひょっとしたら『あかね』が始まるまでに観るかもしれない。まぁ、他にもたくさん渡辺歩作品はあって全然未見なんですがー。
読者プレゼント
浦島太郎。「うらやましい」かと思ったら「うれしい」だったのでプレゼントページは奥が深い。
今回が初かは自信ないけど、スイッチ2専用ソフトが7名に当たる。「肝心のスイッチ2がねぇんだよ!!」って人は多いだろうな。逆に言うと、スイッチ2がまだ完全に出回ってない今は抽選の競争率が低いのかもしれない。まぁ、1万円分のプリペイドカードも2種、7名ずつあって、こっちのが方が豪華なんですが。
巻頭カラー『あかね噺』170話
さすがに巻頭カラーでは一同のワチャワチャだったけど、本編はからしなので面白い。
擬古典の魅力と、ハードルの高さ。という解説が入るが、審査的に最も重要な正明師匠のリアクションは一切出てこないので気になる。擬古典自体を否定することはないだろうけど、わざわざ擬古典をやる意味の部分の判定はより厳しそう。
からしと師匠。下積みa.k.a.雑用時代。効率主義のからしとは相性最悪に見えるが、俯瞰視モンスターなので耐えられる。先の道が見えてるから、というのが明瞭な理屈で良かった。あの修行にどういう意味があるのかは謎だし、そこを受け入れるのを是として良いのかは疑問も残るが、からしが続けられる理由としては良い。
『あかね噺番外編 あにめ噺』
アニメ化発表記念の特別読切。要は収録現場にお邪魔した作者による半ルポ漫画ということだと思うが、あくまでもあかねがお邪魔する体であり、一応本編の中の時間軸に置こうとしてるのが少し謎ではある。ただ、作者の2人が収録現場にお邪魔した経験をギャルに憑依して語ってる、というのはちょっと面白い。
ちなみに、全編デフォルメ。省エネ目的だろうが、全然嬉しい。むしろ嬉しい、というのまである。あかねたちも可愛いが、実在のアニメ関係者がばんばん同じ温度のデフォルメで出てくるので圧巻。ここらへん馬上先生無双という感じ。声優ファンも嬉しいだろうし、名前はお馴染みの林家木久彦の登場も嬉しい。
とか思ってたら、今回のほぼ主役級に渡辺監督出てきたので笑ったわ。落語好きらしい。その他、『あかね』本編に出てくるようなカリスマ感があるわけではないただのおじさん男性キャラがばんばん出てくるのが逆にレアで眼福でした。驚異のメガネ率がリアルだぜ……。通常の漫画だと絶対にあり得ないと言っていいレベルのメガネ率。これが中年男性のリアル……。
あとは突然の『トリック』ネタが面白かったです。今回は快諾パターンだが、断る際は「おとこわりします」になるんだろうな。
『魔男のイチ』46話
スピカの策略が始まる。とんだ毒姉で、そのことがクムギのトラウマなのかと思ったが、発端はクムギの失敗にあり、それによって姉に傷を与えてしまい、それが眼帯となって常に視界に入ってくる。ぬわっ、思ってたより地獄だ。いや、そこまで凄惨なことが起きたわけではないんだけど(大変ではある)、子供の心に深い傷を残し、その傷をいつまで経っても癒させてくれないという地獄環境の説得力がすごい。スピカお姉さまが、いざとなったら眼帯アピールすれば妹を操れると分かってそう……というのが具体的な説明より先に仕草一発で示してるのが見事だぜ。夫婦で、不倫をした夫(どっちでもいい)を嫁が「この件で一生優位に立てるから」みたいな理由で許すケースがたまにあるみたいですけど、それと似てあのときのスピカは眼帯の一件を何ならラッキーとか思ってそうで怖い。
んで、スピカが今やろうとすることが、クムギの代わりにデスカラス班に入ろうとする、というまぁしょうもないレベルのことなのも良かった。決して極悪非道とは言えないが、クムギの人生を踏みにじる行為ではある。妹のものを何でも奪おうとする姉、というのはよくある話だと思いますが(逆も然り)、完全にモラハラとして描いたのが見事。
それに対してイチが、あくまでもクムギの意思を確認しようとしてるのも少年漫画っぽくて良いわね。言ってしまえば『ONE PIECE』ナミの「助けて」待ちのやつ。実写版も好きやで。
ということで、いろいろ異論でエンド。前々前世みたいなやつだ!(違うよ)
『ウィッチウォッチ』213話
正直ああいう手紙で泣かせようとする展開ってテレビの便利イベントという印象が強すぎるので少し引いてたんですが、そこに「実は白紙」とか言われても知らんがな感がある。もしくはタモリ。奇しくも今週の『ロボコ』にタモリが出てきたので何か得した気分です。
告白はするが返事はいらん、というのも漫画の都合がめちゃくちゃ感じられて萎える……のだが、これに関しては過去に私が好きな作品でも似たような展開があった気がするのでアレか。いや、漫画の都合が目立つのは確かだし、告白投げっぱなしで、相手に結論を出させないというのも結構乱暴というか、一方的に相手に負荷を与える自分本位な行為なのであまり好印象はないな。まぁ、2人ほどの長い付き合いだとそう単純じゃないのかもしれないが。
『ONE PIECE』1157話
世界政府に迫害される非加盟国をハラルドが救おうとするが、エルバフは加盟希望の状態なので政治的に動きづらい……が目の前で人が殺されたら動くに決まってんだろ、という2ページ。素晴らしかった。現実におけるイスラエルのガザへの虐殺を描いた寓話にしか思えない。また偶然とは思えないほどに一致してしまった映画『スーパーマン』と、これまた一致である。『スーパーマン』の脚本はガザ虐殺より前に書かれたものなので本当に偶然らしく驚きなんですが、漫画の制作はさすがに映画ほど時間かからないだろうから、多少なりとも意識して書いたってのはあると思う。というか、意識したくない(結びつけられたくない)なら逆に変更するべきだと思うし、そういう助言が入ると考えるのが自然だと思う。個人的には、尾田っちが『スーパーマン』観て触発されたパターンも考えたいが、それはさすがにハードスケジュールすぎるのかなぁ。ギリ不可能でもない気もするが。
んで、加盟を条件(エサ)に、ハラルドにロックス殺しの命令。最近いろんな漫画で見かける展開ではあるが、ちゃんとハラルドの話であり、エルバフと世界政府の話に収束してきた感があるので面白くなってきた。ロックスの圧倒的主人公感はたしかに魅力的だけど、「今何の話してるんでしたっけ?」と常々なってたので。あくまでもハラルドとエルバフの悲劇として、その一環としてロックスが出てくる。
『しのびごと』45話
アオイさんとのラブコメが本格化したと思ったらヨダカの「置いておいて」借金地獄になるので面白すぎる。あんなにもかっこよく見えたメンタルコントロールが、ここまでしょうもないものになってしまうとは。まぁ、思春期のリアルは感じますね……。
ハヤブサが登場して説明的な話が始まるのだが、それに対して “なんか…難しい話が始まった…” とそのまますぎるリアクションをするのも良すぎる。激戦のあとの今後に向けた情報の小出しってのは定番だけど、そこの段取り臭さを半ばメタ的にギャグにしてるのが痛快。
んで、ハヤブサと別れて、再び元のグループに合流。アオイさんに “遅かったねー” 、そして “っていうか 野月くん顔赤くない?” と言われてしまうんですが、これはヨダカハヤブサのBL疑惑勃発だろ!! ……と鼻息荒くなってしまった(普通に知恵熱)。合流が遅くて顔赤くしてるの、怪しいというか、2人で良からぬことしてたとしか思えない状況証拠である。アオイさんの中でBL疑惑が膨らんでてほしい。百合に挟まれるの逆パターン。
ギャグっぽく語られてたけど、ハヤブサの懸念とはちょっと違った危機、抜け忍の襲来。忍者の内ゲバが十分面白いので忘れてたけど、基本的には目下のメインストーリーはここでしたね。忍者陣営のゴタゴタも関わってきそうだし、これはまた面白そう。
『SAKAMOTO DAYS』225話
平助がんばる。遠距離(のみ)で戦う平助の見せ場がかっこいいですな。よく考えたら攻撃が銃なのが珍しいのか。今後トンデモ銃に進化する予感がしてきましたが、極端な進化はしないといいな。まぁ、今でも十分トンデモではある。それはそう。
敵。磁石で遠距離、プロレスラーが近距離。メリハリがあって面白く、それでいて圧倒的に実力で劣る平助がそこそこ善戦できてる(時間稼げてる)ことにも説得力を感じる。このレベル差で近距離戦オンリーだったらさすがに瞬殺だと思うんですよね。もちろん現状でも瞬殺じゃないのはおかしいとなる人がいてもおかしくはないが。
センターカラー『アオのハコ』207話
修学旅行帰りのサツアイ。花恋の茶化しがとても良い。いなかったら静かにイチャイチャするだけだった可能性があるので。
そんな花恋。針生パイセンとの関係が不調らしい。不調というか、受験勉強で大変なので会えずにいる。まさに来年の大喜って感じですね。そんんな花恋によるキスキャンセルが伝統芸能のような美しさだったわけですが、本当に恐ろしいのは大喜千夏カップルではなく、花恋たちの方ですよ。久々に会えて大喜びというのはあっちも同じわけで、キス以上に大変なことになってしまうのでは……とそわそわしてしまう。そっから場面が変わって翌日の針生パイセン(学校)になるので面白い。事後。
『エキデンブロス』7話
メンブレ先輩。正直話に具体性がないというか、「圧」がよく分からないんですが、とはいえ試合中にランナー同士がある種のコミュニケーションを取って勝敗がつく、というのは漫画的に分かりやすいオモシロなのかな。素人としては「自己ベストを短くして本番でもなるべく自己ベストに近づけるしかやることないんじゃない?」となってしまうが、そう単純に自己完結できる話ではないらしい。
からの両監督。「駅伝は速いランナー×4なのか」という意見が真っ向からぶつかってて面白い。学生スポーツだと鉄板のテーマなんだろうな。『ハルカゼマウンド』もそうだし、あとはやっぱり『ハイキュー』の「コンセプトの戦い」。よく聞く話だが、駅伝はタイムを競う競技なので「速い人が4人いる方が勝つんじゃないんですか?」と考えそうになってしまう。
『悪祓士のキヨシくん』56話
ついに決着。なのだがごめん、正直息切れに感じる。バトルのシンプルさが本作の魅力だが、シンプルが故に長丁場のバトルになるとちょっと単調に感じてしまう。前回までの戦いとどう違うのかがピンときづらい。あとは、このタイミングで合併号休み入って1週休みになったのが痛かったのかもしれない。
ただ、大魔王のキモいアプローチが決着の瞬間、死の瞬間初めてキヨシと通じ合ったというか、まともにコミュニケーションが成立したのは良かった。感動的というか、今まで言い続けてきた大魔王の言い分がようやく分かった。同レベルの殺し合いを通じてこの上なく濃密なコミュニケーションが発生するので、そのことを大魔王は一貫して恋愛になぞらえて表現してきたと。
『ピングポング』6話
試合を早く終わらせるためにKO勝ちを狙う平と、勝てればいいのでじっくり攻める番台。この違いがあるので番台が圧倒的に有利である……と思ったら平が理屈に合わない捨て身の全力プレーに走るので困惑。そこに女湯への秘密の件がバレてもうひと展開。今回は戦略的な話ではないところに注力してるので面白いですね。こういうアプローチもあるのか。試合(プレー)外の部分の攻防というか。そして、一貫してるのはプレー外の攻撃を意識する番台に対して、平は一貫してとにかく目の前の一球に全力。その「バカ」と「こざいく」の差が勝敗に直結する。試合観というか、哲学のぶつけ合いみたいな話で、それが勝敗の理屈のように機能してくるのが見事ですね。
そして、見開き使いがめちゃくちゃ気持ちいい。絵を見て、それを漫画として順序立てて理解していく、という一連の読書体験が最高に気持ちいい。やってることはポロリサスペンスという心底くだらない話なのに、漫画の教科書みたいな魅力すら感じる。新人なのに。新人だからか?
シャワーで女湯まで吹き飛ばしたり、単に頑張って男湯まで戻ってきたりと、本話で一気にフィクションレベルが上がった感ありますね。今後はこれを基準にトンデモルールの卓球を行うのか。平の運動能力が人間離れしてきて、選択肢が一気に増えそうですね。
んで、試合終了。現状どう考えても磐梯山(誤字)が一番可愛いと思うのだが、普通にもう出てこない気がする。来週から学校の話やるのでそこに出てくる可能性はなくはない……のか? あとは、人気の反映として今後再登場することはあるかも。
あと、一番可愛いというのは、やっぱ試合を通じて平とのコミュニケーションを取ったので抜群にキャラの魅力が濃い、というのはありますね。何ならバーのマスターが一番可愛かった可能性もある。初回の人以外、魂の対話を通じて互いにリスペクトし合い、互いに成長させ合う関係になってるのが良いよね。
センターカラー『こち亀』
カラー裏で記念館の情報はあるものの、漫画としては極めて普通。連載中に真夏に掲載された一話という感じ。いいぞ。毎度毎度冒頭数ページを挨拶みたいな話で埋めるのはもったいない。
ということで、暑いので納涼。巨大クルーズ船で夏祭り(代わり)。バスを降りたらいきなり見開き……もっかい見開き、というサプライズが匠の技なので面白いと同時にちょっと感動もしてしまった。一発目はシンプルなんだけど、次の見開きは文字量多めで、巨大とあわせて「どんだけあんだよ」感。 “略して「J」です” も面白かった……。やっぱ『こち亀』はギャグ漫画としてシンプルに強い。当たり前の話なのに忘れてしまっていた。
そんな船内。突然『こち亀』カルトクイズみたいなノリでキャラが次々とチラ見えするので驚く。最終回か何か?
クルーズ船の中の寿司屋。非常に興味深い。札束でひっぱたかれた職人が乗ってるイメージだったけど、クルーズ寿司にはクルーズ寿司にしかないやりがいがあるらしい。意外性と説得力ある話で面白かった。寿司屋の特殊性が反映されてるのも良い。高級寿司だが、タダで食べられる(実際にはタダではない)というのも職人目線ではありがたいこと、というのも目から鱗。
サプライズで一泊。「予定外の一泊は普通に迷惑なのですが……」となる人も多いはずだよな。と変なことを考えてしまう。こないだの万博で徹夜をエンジョイした人のニュースとかも「普通に地獄な人が大半だろ」ってなった。大学生がカラオケ行って飲んでたらノリで一泊、が楽しめるギリだと思う(集団の場合)。というか、今回の『こち亀』が万博の話じゃなくて良かったわ。今やってる方の具体的内容をやる可能性もなくはなかったと思うけど、マジで関係ない普通の一話なので最高でした。
『カグラバチ』90話
斬ちゃん。男尊女卑クソジジイに反発するためにあえて巨大刀で戦う。全身と刀身を使って巨大刀をさばいていくアクションは死ぬほどかっこいいんだけど、クソジジイへの反発というロジックとは微妙に合致してないと思う。「女だから普通に持てないんだろ」ってなっちゃわない? あの理屈だったら川口勇貴作品のようなワガママボディで巨大刀を片手で振り回す、みたいな方が適切だと思う。現実的なことは度外視するものとする。
獅子舞。斬ると体が重くなってしまうらしい。侘助だ!! 『BLEACH』が『呪術』とか『ヒロアカ』くらいのバトルロジックで運営される作品だったら「これ使ってハメれば誰でも楽勝じゃん」となり得る能力だったと思う。まぁ、そんな能力だらけの作品だからまともなロジックが組み立てづらいというのはある。『カグラバチ』はまともにロジック組み立てたいと思うので、侘助のような倍々ゲーム設定はないのが残念ですね。「少し重くなる」というぼんやり具合がゲームバランスを重視した結果という感じ。一戦したら弱体化する、というのも今後の展開的に便利そうではあるが、やはり「倍になる」というシンプルに夢が広がるハッタリ感には見劣りするところがありますね。というか、なんであの能力が作中最強キャラでもなければ、特別な強キャラでもないんだよ。何をやったら負けるんだっていうカタログスペック。書いてあることは強い。
『ハルカゼマウンド』9話
伊吹にハッパかけられて成長したアタルと、成長すると信じて警戒してた伊吹。言葉は交わさずにプレーの中でツーカーな関係になってて良い。からのラストプレー。ファールフライを伊吹が取りに行くが、それが相手チームのベンチ前、というのも良かった。こっちに関しては野球漫画では定番のエモ展開かもしれない。汎用性ありそうなので。
回想を2度も挟むんだけど、エモというかテンションが一直線に繋がってて非常に良い回、良い構成だったと思う。が、『キヨシくん』の感想と被るけど、1週休みを挟むとちょっと気持ちが冷めてるので……という惜しさはあったな。本作は何も悪くないです。
センターカラー『鵺の陰陽師』110話
カラー扉。嫁をお姫様抱っこ。どういう状況なんか全然分からないけどなんか良かった。ラブコメ感じゃないからかな。
本編。学郎、かなり健闘するが、本来実力では敵わない相手に、あれこれ手を尽くして何とか食らいついてる感があって非常に良い。嫁の頑張りと学郎の頑張り、それぞれ別個に描かれてたものがクライマックスで文字通り結ばれる、というのもエモかつ熱い。「そんなマチの縫合みたいなことできるの!?」とは思ったけど、展開が良いので乗れてしまった。良かったので、「もう本当に結婚すればいいんじゃないかな」とか思ったけど、その糸の強さは嫁単独の頑張りではない、と最後にバランスを取るので面白い。いろんなところに気を使うのな。偉いぞ。
『カエデガミ』8話
シユウの憑依でバトルが加速するが、やはりバトル描写はイマイチだな。いや、イマイチと切り捨てるほどではないが、絵のうまさと(バトル)漫画のうまさはイコールじゃないのだなぁ、と改めて感じる。『オテル』以来そのことをよく考えるので、本作についても似たようなことを思ってしまった。
んで、勝利。だが、コウは限界で……という落差が良かった。シユウが高揚しきった戦神の顔から、一気に母の顔に変わっていくくだりが味わい深い。ここらへん絶品だと思うし、バトル終わってからのが俄然面白くなった感。
『キルアオ』113話
当たり前だが、会長がガン=カタ使わないので悲しい。
脅しの材料に利用される十三。銃の無情さが出ててとても良かった。少年漫画だと軽視されがちな銃の強さ。あの呆気なく、それでいて一気に死が近づく感じが不気味で良い。
んで、大人ノレンの最後。短い付き合いだったが、子供ノレン時代のこともあって十三との関係性が深く感じられて良い別れの場面だった。2つの人格の落とし所としても、綺麗事すぎないバランスになってて好きだな。本当の人格は大人で正解だがそちらは死に、それでいて子供ノレンの人格は事故的に生まれた(育った)副産物だが、そんなことは関係なく普通に尊い存在、みたいな感じ。偽物だけど本物みたいな扱いが良いのよ。あと、十三の物語として本作は「青春のやり直し」がメインテーマになると思うので、奇しくもそれの完璧な理解者が現れるが、不幸にも別れることになる、というエモ。
『ひまてん!』54話
ひめのの先生。台風の到来に動揺する女性陣という感じの話だが、それぞれのライバル視の角度に個性があって良かった。単純なラブコメだと3人まとめて「殿一がデレデレしてやがる」くらいになりそうだけど、人気者の最高風速が更新されて悔しいひまり、アイドルライブがご本人登場でかすむほのか、そして同じグラビアの業界で文字通りライバルとなってるカンナ。このカンナが白眉でしたね。まさかの同業のライバルという話になるとは思わなかった……が、アイドルが水着グラビアやるって別に目新しいことじゃないと思うのでものすごく自然。そもそも高校生と成人女性がセクシー対決することに巨大すぎる無理があるんだけど、グラビアアイドルという職業でくくると成立してしまうのですごい。本作らしいマジックだ。逆に言うと「高校生の水着グラビアって冷静に考えるとグロくない?」という話ではある。それはそう。
あと「アカンナー」がくだらなすぎて笑ってしまった。ほのかの上位互換のくだりも面白かったし、嫉妬の内容が最も幼稚なひまりも良かったけど、個人的には今回はカンナが一番良かったな。まぁ、話的には最もどうでもいいのだが。
『僕とロボコ』245話
『あかね』回。人気の割に全然ネタにされなかった感の『あかね』がついに本格的に、という感じだが、「アニメ化されたなら仕方ない」的なニュアンスも感じてしまうんだよな。というか、長期連載になりすぎた結果、本作がある種の権威化としてしまったのがやはりどうしても問題だと思う。笑いづらい……は言い過ぎかもしれないけど、「宮崎先生にネタにしてもらいました!」みたいなノリ、めちゃくちゃキモいし、そんな状態で『ロボコ』読んでもあまり面白くないでしょ。……というのは極論で、普通に読んでて面白いは面白いんだけど、無視できない程度のノイズは感じる。「アニメ化記念」というタイミングが良くないというか、「好きだからネタにしてる」感がないんだよな。
一話丸々使った『あかね』回というのは異例で面白かったけど、同時に今までネタにしづらい作品だったのかな……みたいな気持ちにもなる。断片的なネタがないので全体的になぞるしかない、みたいな。とはいえ、『あかね』という作品の個性はあの落語中の独特の話法というか、緊張感の中で落語の戦略を語る。同じ話法で進むからこそ、ロボコがポンコツすぎておかしい、というシンプルさも良い。同じことをしてるんだけど、ロボコのダメさに対するリアクションが歴史が分岐するようで面白い。
寿限無。まさかの『こち亀』との被りも奇跡的なんですが、個人的に「やぶれかぶれのブラタモリ」が面白すぎて笑ったわ。語感が気持ちよすぎるのと、あの番組がやぶれかぶれになってるところが想像できなくて超好き。
同じことを言ってるはずなのに、『あかね』とまったく逆の意味(そのまま言葉通りの意味)になってる一生師匠のオチも良かった。ロボコが『あかね』の世界に入ってるのは意味分かんなくて正直乗り切れない部分もあったけど、あのオチにはやられた。
『逃げ上手の若君』214話
夏が走る。この世界ではあり得ない情報の伝達速度が文字通り武器になる展開なので熱い。その情報速度を独占してる現状というところに本作が重ねてきた蓄積も感じさせるし、クライマックス感あってかなり良いのではないかと。実際はどうやって伝達したんだろうか……となるのは本作あるある。
決戦に向けたあれこれというのも今までの総決算感あって良い。フィクションの最終章らしい良さでもあるが、これは実際の歴史を追ってても発生するエモなのかもしれませんね。「あのときのアイツが!」というのは別にフィクションに限った話ではないので。
本編後。直義の死についての歴史コラムも面白かった。空想上の鳥の毒を使って殺した噂とか面白いですね。判断に困るので研究する人は大変だろうけど、その揺らぎも醍醐味だったりするのかな。
『灯火のオテル』14話
人間国と敵国の現状や目標が語られてだいぶストーリーの方向性がスッキリする。師匠が圧倒的に強かったのでバランスブレーカーっぽかったけど、今後は敵にも精霊持ちが出てくるっぽいので良い感じに収まる予感。「精霊持ちには精霊持ちしか勝てない」的なノリで。悪魔の実とかではなく、あくまでも人格のある精霊なので、敵側の精霊がどういうキャラなのか、どう決着するのか、あたりも面白そう。
忘れかけてた妹の件。そういえば本作に続いて『ピングポング』も「妹のため」が行動原理になる主人公だったのか。これはハリウッド映画に娘持ちの父親主人公が多い件とも通じそう。少年漫画なので子供を持つのは難しいので、その代替物としての妹。そして、「おいおいヤングケアラーか!?」みたいな問題は華麗にスルーして話が進んでいく。本作か『ピングポング』どっちでもいいけど、単なる設定のためだけの存在にならないといいなぁ、妹。
『NICE PRISON』16話
テラ父が現れての聖なる警棒。「死刑属性」で笑ってしまった。ゲーム的なシステムを安易に取り入れるゲーム以外の作品あまり好きじゃないんだけど、そのおかしさをネタにしてるようで良かった。
聖剣抜ける抜けないのくだり。「とりあえず台座ごと持ち上げることは可能」「しかし聖剣の効果は得られない」というのが意外性ありつつ、結構良いルールだったように思う。ピノギャグは面白かったけど、ピノにするなら墓の開き方もピノの再現にしてほしかったな。あの両端が少し取りづらい感じ込みでピノでしょ。
風神と称してマキタのブロワ持ってるのも好き。特に雷神だけど、持ち方でちゃんと再現してるのも良い。何に使うかは分からないけど、ブロワ欲しいよな。謎のロマンを感じる。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
8/19は航空の日らしい。アメリカで。苦しいぞ。なので空港シーン特集。特に到着変。
ドラマチックな場面しかない、というのが大きな特徴ですね。そして国内だとほぼ確実に沖縄。(東京発として)北海道だと「頑張れば陸路でも行ける」感が出ちゃうということなのかな。
面白かったし、良い着眼点だとは思うが、意外とサンプルは少ないのかな。古い作品が多め。そういう意味では現実の、海外の空港を出した『アンデッドアンラック』は珍しかったし、偉かったのかもしれない。あの国際感はたしかに作品の特色だったと思う。
次号予告
『魔男』が一周年で表紙と巻頭。恒例のチャンピオンでの表紙が西先生合わせになるのか~? みたいなところも気になってしまう。……調べたら違った。ブログの更新が遅れるとこういうメリットもあるのだな。
『ハルカゼ』がセンターカラー。この期の作品の2度目のセンターカラーラッシュが続くと思われる。毎号かは知らんけど。
目次
馬刺しにつける甘い醤油が好きで色んな物につけたいけどどこにも置いてない。
(『カエデガミ』)
普通に売ってると思うけど、実店舗で物色したいってことかしら。有楽町にある鹿児島のアンテナショップに行けば売ってたと思う……が、遥川先生がどこ住みなのかは知らないので、担当あたりが差し入れすればいいと思う。
総括
木曜更新。今週は何度目かの夏バテでへろへろでした。マジで室内で何もしてない時にも謎の動悸があったり、やたら体温の高まりを感じたり。体力なのか頭の疲労なのかは分からんけど、限界を感じることが多い週であった。つーかこれが限界。
ベスト作品。『ONE PIECE』かな。ハラルドが良かったし、今回の回想の本題に入った感じがある。
次点は『こち亀』『ハルカゼ』、あとは『あかね』の番外編。
ベストコマ。『魔男』、スピカの眼帯さすさす。クムギに対する見せつけであり、同時に読者やイチたちに対する「目についてクムギが何かやらかしたんですわよ」というアピールになって超最悪だった。
ベストキャラは、渡辺歩監督。今度は絶対に観るよ。それまでに過去作も何かしら観ると思う。手頃なのは『肉子ちゃん』かな……(ネトフリ)。
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