北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年40号(紙版)の感想

 ネットフリックス加入者は『木曜殺人クラブ』おすすめじゃよ。

表紙

『しのびごと』1周年。専心ポーズで「1」にするかと思ったけど違った。調べてみたら専心の指は2本なのでそもそも間違ってました。

読者プレゼント

 すごろく。正直言うと、グラビアもダジャレも特にこれと言った特徴を感じなかった。つまんないとか滑ってるというよりもひたすら味が薄い。すごろくのルートに沿って賞品を紹介したいんだろうけど、そのルート(たぶん背景のイラスト)も全然見えないしな……。

巻頭カラー『しのびごと』47話

 巻頭カラー。5ページもあるのでびっくりした(知らなかった)。2号連続カラーからの巻頭5ページがカラーで、表紙もあって、ってカラーを描くマシーンと化してる。
 本編。6号オペさんがチラリと登場。1周年でも9号はまだまだ焦らすぜ、という気概を感じる。頑張ってほしい。まぁ、ここまで引っ張られると今後「ついにオペさんが……!」みたいな大ネタになりそうだけど、正直そこまで大事にしなくてもいい気がする。
 最悪のシチュエーションで相手は5人。守る人も多く、体調も悪い。そんな中で、最悪な情報として「置いておいて」の負債を持ってくるので面白い。この期に及んでそのネタ続けるのかよ……と思ったらかなりマジな話として掘り下げるのでやっぱり面白い。まさかの「ピンチからの覚醒」という超定番展開のロジックとしてあの箱を使うのか。キャッシュでパンパンになった脳味噌がすっきりすることで本来のパフォーマンスを取り戻す。ただし、ヨダカの性格的に日常的にキャッシュ(考え事)を溜め込むので、今までその境地に達したことはない、故に端から見ると「覚醒」。変な漫画だ。好き。スポーツ実況とかフリースタイルのラップとかダンスとかで、「準備はするけどそれをすべて捨てて頭からっぽの状態で本番を迎える」みたいな話はよく聞くんですが、今回のヨダカもそんな感じですね。
 しっかし、再現性のない覚醒ですね……。今後どうするんだろ。この経験を活かしようがないというか。スーパーサイヤ人とかギア2とは全然違うと思う。

『魔男のイチ』48話

 あんだけイチ周りの物語が盛り上がったのに、いきなり一歩引いた別の視点に移っての話。前から思うことはあったけど、本作は一話ごとの区切りが強いというか、連続はしてるけど独立性も強い構成になってて面白いですね。こういうのは西先生の持ち味という認識で正しいのだろうか。めちゃくちゃ良い。
 というのは面白かったんですが、ラストのびっくり展開、特に最終ページは背景とかの情報を読みとりづらいので、正直何が何だかよく分からないまま終わった。パーティーのシーンに戻った(会議以降全部夢だった=精度の高い予知なのでほぼ事実)とか思ったけど、たぶんそこまで大げさな話ではない。

ONE PIECE』1158話

 正直世界一の美女とか興味ないんすわ……というのが今回の回想でちょくちょく引っかかる点だとやっと気づけた。単純に美女キャラにそれほど魅力を感じないというのはあるが、そもそも尾田っちが、美女キャラも美女キャラにまつわるあれこれを描くのがそれほど向いてない(少なくとも私の好きな感じにはならない)というのがあるんだと思う。新キャラのハラルドとかは普通に面白いのに、ロックスとかロジャーが出ても美女が絡むと途端に読むテンションが下がる。
 ロックスの暗殺指令。すごいあっさりと終わったというか、爽やかに喧嘩して終わるので驚いた。カラッとしすぎている。もっとジメジメとした悲劇になると思うじゃん。まぁ、殺しに行って殺せなかったんだからそれまでなのかもしれないが、一旦指令を飲み込んで実行しようとして失敗したら、そのまま放置して済む話ではないよな。チグハグな印象。
 からのシャンクス。忘れてた。そういう話もしてるんだったわ。これまた本題でした。ちゃんと結末に向かってる感があるのは嬉しい。正直シャンクスの生い立ちにはそれほど興味はないが、進んでる感は大事。

『カグラバチ』92話

 剣士がいっぱいで、ごちゃごちゃした戦況は楽しいし、容赦なく不可逆的(たぶん)な怪我を負うのも面白いんだけど、剣士バトルに終始するあまり「溜めて……どん!」という見せ場が繰り返されるのでちょっとだれる。飽きる? 乱戦なこととの矛盾もあるのかな。情報が処理できなくなるようなノンストップ性が魅力だと思うんだけど、溜めてどんの繰り返しは無理でしょ。あとはめっちゃ喋る。つまり止まる。
 外薗先生のオモシロバトル博覧会の中の一つの、変わり種の出し物というのは分かるが、本作の最初の方でこういうのが出てたらそこまで本作にハマらなかったと思う。逆に言うと、人気も評価も安定してきたと思うので、新たな挑戦をしてるのは良いことだと思う。

センターカラー『僕とロボコ』247話

 カラー裏で4コマ。特に作品外の情報が品薄になってきただけなのかもしれないが、4コマがあるのは嬉しい。すがぬま先生に触発された可能性もあるかもしれない。あったらいいな的な妄想です。
 本編。ロボコのファンが現れる。ファンの一方的な愛にロボコが逆に振り回されるのとか、見栄のために弟子として振る舞うよう強制されるキッズたちとか面白かったんだけど、そこらへんのオモシロと関係ないところに着地するのでちょっと消化不良だった。シンプルにあの輩が可哀想というのもあるのだが、あの雑すぎる暴力は結構好きだったな。そっからうまいこと言って良い話に落とすのはさすがに無理がある。ロボコだから「無茶苦茶言ってるだけ」で済むと思ってるのかもしれないけど、まぁ普通にそんなことはない。
 ……というか、感想に文句が多すぎる気がするんですが、暑くてイライラしてるのでしょうか。してるんだと思う。

『悪祓士のキヨシくん』58話

 突然の体育祭。使い捨てとしか思えない「速い脚なり」くんが妙に凝ったデザインしたり、良い奴だったりするのは面白い。
 とはいえ、キヨシが本気出していいならそりゃバトン渡った時点でゴールされてなきゃ勝ち確だろ。何をマジに喜んでるんだ……と思ったら、 “戒力はまだ戻らないのか?” 。うっま。うますぎでビビるわ。本作こんな気の利いたことしてくるタイプだったっけ。突然ギャップ萌えみたいなことしてきよる。
 からのパラディンクロスに推薦。意外な展開っぽい雰囲気出してるけど、単身で大魔王倒したんだからそりゃそうでしょ……としかならない話だよな。逆に言うと、今まであった「最強なのに組織の中ではそんなに偉くない」というオモシロが失われてしまうのでちょっとだけ心配ではある。新たなオモシロになるとは思いますけど。

『SAKAMOTO DAYS』227話

 警官らしい武器を次々出してくるのめちゃくちゃ良いですね。拳銃使うより全然面白いので彼の言い分との矛盾は生じてしまう。難しいところだ。
 ルーと宮バア。まさかのタッグで面白いし、宮バアの針バトルとか最高にワクワクしたんですが、「平助は1対2だったのに今度は逆なのか」と変なところが気になってしまう。たぶんだけど敵の強さはあっちの2人の方が絶対上だと思うんですよね。下手すりゃ単身でも。ルーは出番がなかったので強さがあのときのまま……という配慮なのかしら。そこまで細かく考えなくてもいいというか、今回の相手は新キャラなのでそこらへん自由にできた気もする。とはいえ、宮バアの針はかっこよすぎる。『キスオブザドラゴン』ですね。
 ルーのゲロファイア。平助の炎と呼応させるのがオシャレで良かったんですが、とにかく汚すぎるので笑う。バトル的にはかっこいいし、盛り上がる展開なのに、なのにゲロ。ルーの酒と宮バアのタバコが掛け合わさるオチになっててめちゃくちゃキレイなんだけどね……。
 アルコール90%のヤケクソ数値も好きです。『酔拳2』のラストで工業用アルコールを飲む展開があるんですが、それへの対抗心だろうか。

『ウィッチウォッチ』215話

 生徒会の世代交代。ジキルがやる気いっぱいなのに、相手にされず、注目されずでちょっと可哀想。一応「モイちゃんを勧誘するのは無意味な習慣」とは言ってたが、ただの言い訳のようにも思えてしまう。
 んで、モイちゃん立候補。不在のニコの話がこのような形で絡んでくるとは思わなかった。そんな変なところに理屈を通してくるとは。記憶が完全復活するわけではないらしい設定は目新しくて面白かったが、ちょっと都合も感じるところかもしれない。今後どうなるかによるけど。

『アオのハコ』209話

 3年の卒業式。高校の卒業式とか何も覚えてないというか、「親とか来る感じだったっけ?」とかそういうレベル。自分の親が来た記憶も、友人の親と挨拶した記憶もない。
 こないだの『ウィッチウォッチ』における感謝の手紙にも感じたことだが、千夏パイセンの答辞で泣かせようとする手法には全然ピンとこないな。別にスピーチで泣きたいわけではないので。あと、答辞ってあんな私的なことを語るものだったっけ……とこれまた記憶にない。聞いてなかったんだろうなw

センターカラー『ふつうの軽音部』クワハリ 出内テツオ

 読切。ジャンププラスからの出張。作者はそれぞれ原作と漫画。未読です。評判なのは知ってる。
 本編。16ページ(本編は15)しかないので何するのかと思ったら、学校説明会に来た中三(たぶん出張用の子)の視点で主人公が属するバンドを紹介する形。なるほど~自然だ~、と思ってたらすぐにバンド視点の話に移るので少しずっこける。まぁ、出番は増やさないとまずいか。正直ブレたし、ちょっと出番を増やしたところで誰が誰だかよく分からんのは変わらないので、少しイマイチだった印象はある。まぁ、16ページの出張がそもそも無理ゲーという話なのかもしれない。とはいえ、主人公を崇拝してる子は未読者でも分かりやすいので楽しかった。他の子は正直区別がつかん(とっかかりがない)。
 んで、いきなり本番。たぶん堂々と既存曲をやるのが目新しくて、そっち系が好きな人には刺さると思うんだけど、ワシはバンド音楽が苦手でな……。何の説明もなくお出しするのが本作の魅力なんだろうと想像はできるけど、「まぁ知らないですし……」と冷めてしまう。知らない人が、知らない人の知らない曲を歌っている状態。無理だろ。演奏の良さ、曲の良さを伝えるのは普通に無理だろ。演奏してる絵面があればそれだけでエモい、みたいなこういうノリ、バンドシーンのこういう図々しいところが昔から苦手なんだよな。と嫌な思い出が甦ってきた。まぁ、かつてほどバンド音楽が日本の人気の中心に位置するものではないと思うので、そういう時代の無邪気な邦楽ロックファンの女の子たち、というある種のオタク趣味的なニュアンスが背景にある作品なのではないか……と想像はできる。私的な背景で悪いことばっか書くのも申し訳ないので必死に考えた結果の想像ではある。
 終わり。シンプルで愚直な感じが魅力なんだろうとは思うけど、本編の半分以上を演奏シーンに費やした読切としては「知らん」「分からん」の印象が大きかったな……。あと、あの主人公を崇拝してる子が面白いのは良かったけど、本当に迷える中学生を救っちゃったので、その上であのオチにするのはちょっと違うというか、キモいまでの崇拝が結局正しかったとなるのはギャグになってない気がする。本当に崇拝するに足る存在にしていい話なのか? まぁ、これは本編知らんから分からん。主人公をほんとにすごい人としたい話なのかもしれない。タイトルと今回の内容的に的に違うと思ったけど、まぁ所詮は情報が限定的なので。
 誰も彼も悪い人とは思わないので、「好きな人同士で楽しくやってくれよな!」という爽やかな気持ち。

『ハルカゼマウンド』11話

 蒼風の試合をやるのかと思ったら、回想入れつつ、他者として登場する凪春との電話で殻を破っていざ本番(イマココ)、となる構成が面白かった。1話で終わらせる手際が見事。正直、必殺ボールの派手すぎるエフェクト表現はあまり好みではないが、今回のような語りにおいてはめちゃくちゃハマるのも分かる……。こないだのもそう。
 別視点の話をほぼ一話完結で突然ぶっ込んでくる、というのは今週の『魔男』とも似てると思うんですが、どっちも「うまい……」と呆気にとられる印象。

『ひまてん!』56話

 ひめのの先生に対抗心を燃やしたカンナが頑張る。前もそうだったけど、カンナの友達(取り巻き)が良いですね。友達のためにキレれるのが良い。
 んで、妹の誕プレ選びのために豊洲ららぽーと豊洲ららぽーと! 急に馴染みのあるとこ出るので笑ってしまった。映画目的で結構行きます。ユナイテッドシネマは割引が良いんだ。映画泥棒を予告の前に流すのもポイント高い。10番スクリーンはでかいので覚えておくといいよ。
 根津神社からの後楽園は距離的にまぁ分かるんですが、結構突拍子もなく豊洲に飛ぶので妙な縁を感じる。本作全体というよりはカンナに偏ってるのがまた不思議。強引に意味を考えるならば、ららぽーと豊洲の特色と言えば何と言ってもキッザニアなので、今後弟妹を連れて豊洲に来る話でもやるのだろうか。「仕事」のテーマも本作にぴったりですし。他にわざわざ豊洲を選ぶ理由が分からない。ちなみに、劇中に出てきた本屋は最近できた別館に入ってるので、外観のコマに出てきた建物にはありません。聖地巡礼したファンが迷う……は言い過ぎかもしれないけど、ちょっとモヤモヤすると思うw
 さらにちなみに、本編でちょっとだけ言及された下着の店、映画館の下にあるぞ。映画に来たキッズがよく気まずそうにしてる。その下にあるパン屋にあるレーズンパンがうまいぞ。スタバが混んでたらそこでお茶だ。

『逃げ上手の若君』216話

 決戦前の準備から別れの予感という流れは良かった。めちゃくちゃ年を取る作品らしい良さがあった。この状態を保っていられるのはもうこれが最後だという予感と実感。
 本編後の歴史コラムは相変わらず面白かった。何なら本編より面白いときがある。今週はどっこいどっこい。

『カエデガミ』10話

 冒頭4ページかけてシユウとのイチャイチャをたっぷり描く。未だに慣れないというか、「ちょっとキモいかもな……」となったんですが、ちゃんと部外者からのツッコミが入るので良かった。そりゃそうじゃ。
 ということで、人間の組織。子虚が出てくるんですが、暗い部屋に椅子が2つ、そこにだけ照明が当たって……というのがかっこよすぎるので笑う。中二的かっこよさがすごいぞ。知らない建物、知らない組織に案内されて、あんな部屋に通されるの嫌すぎるw
 んで、人間の組織に査定され、クセが強そうな幹部キャラが一気に出てくる。めちゃくちゃよくある話になったな。急によくあるやつだ。シユウの人外ママ要素に特色があるのだが、それを含めても『人造人間100』とよく似てる。あっちは組織の話が特に描けずに終わってしまったので、本作には頑張ってほしい。まだ10話なのでいけるぞ。
 クセ強キャラには興味がないが、「悪い虫」には過敏に反応するシユウ、というのは面白かった。母子関係のキモさが冒頭で描かれたのも利いてる。面白くなってきた感ありますね。いいぞ。
 そして何よりも、メガネが多い! 組織の人間キャラ、8人いてメガネが3人。すごくない? こういうグループって大抵「メガネ枠」として1人で終わることが多いのに、本作はむしろメガネがデフォみたいな勢いを感じる。本話で特に重要だった3人に絞ると、3人中2人がメガネだ。すごすぎる。……まぁ、最後に出てきた悪い虫の人はメガネなのか少しだけ怪しいけど、たぶんメガネだよね。頼むよ。

センターカラー『キルアオ』115話

 最終回。そしてアニメ化発表。そう来たか~!! 先週の感想を読み返してくれ。アニメ化もちゃんと考慮してた。選択肢としては浮かんではいたんだ。その上で「それはないか」と否定してしまってる。途中式は良かったのに結論で台無し。そういうとこだぞ。
 とはいえ、先週も書いたけど、アニメ化がハマりやすそうな作品な気はするし、昨今のジャンプブランドの爆アゲと、クール制でしかtvアニメが作られないことを考えると115話で完結するようなジャンプ作品がアニメ化するのは良い傾向というか、今後も続いてほしい。まぁ、今回の場合は藤巻ブランドが別個に関わってくるので、あまり参考にはならないのかな。
 ということで、移籍はなかった。普通に終わり。115話完結で、カラーで、アニメ化発表というなかなかイレギュラーな展開で面白かったですね。終盤の加速ぶりを思うと打ち切りだと思うんですが、それでもカラー。

 本編。ガレキで子供しか通れない。『名探偵コナン 時計じかけの摩天楼』だ!! 赤がどっちか分かんねぇ!!(感想)
 んで、オジサンの魅力に目覚めたノレン……を断る十三。当たり前ではあるのだが、断る理由をわざわざ用意してるので驚いた。「いや普通にダメでしょw」で済む話ではあるんですが、ちゃんと考えてくれてるのが優しい。「対等」というキーワードでシンプルに説明したのも良かったですね。そこに十三の若者に対する引け目も込められる。
 ということでエピローグ挟んで終わり。何より前述の断りのくだりが良かった。最終回でやる内容としてめちゃくちゃふさわしく、あの言い分が身を引く十三の結論として、物語の結論として機能してる。終盤は少し急ピッチな感じもあったけど、最後の最後はしっかり良いオチがついて良かったです。

『鵺の陰陽師』112話

 115話でアニメ化するんだから次は本作だよなぁ、という気持ち。ただ、本作の魅力である変なノリのギャグ、あれを再現するのは至難の業というか、『あかね』の落語より難しそうなイメージ。『SAKAMOTO』のアニメも変なノリのギャグに手こずってる感があるというか、失敗してる面もあると思うんだけど、本作はあれ以上にワケが分からないじゃないですか。
 本編。先週までの感想で「もう嫁が本当に嫁でいいじゃん」的なことを書いてたら、本当に本当の嫁に一歩近づいてるのでちょっと面白い。指輪の件とかマジで1ミリも覚えてなかった。今はそれどころではない。そして、学郎がただのプロポーズなので笑う。正直な話、学郎側が無理にラブコメのノリにあわせる必要はないので、あそこで「2人で」とプロポーズ的ニュアンスを込める必要はなかったと思うんだけど、それは私の好みだろうか。
 あと、嫁が必死に防いでどうのこうの、という展開はさすがに同じことの繰り返しすぎて少しだけだるい。能力的にあのノリしかないってことかもしれないけど。

『あかね噺』172話

 創作古典の中で、観てきたという体の芝居の内容を創作する。メタいぞ。即興の創作(デタラメ)なので、その場その場で考えながら創っていく(体)。鼓を叩くフリが、そのまま尻になるのとか伝聞であり落語らしい転換で面白かったですね。中身がないけどガワを詰めていくからしのキャラクターとも合致してる。

『ピングポング』8話

 先生戦。平は超天才なので、ただのスーパー筋肉くらいだったら余裕で勝てる。「普通の卓球」で勝てる。さすがにゼロバウンドは誇張だろうけど……と思って調べたらマジであるらしい。現実の卓球でも狙って打つことは(理論上)可能。すごいな、『テニスの王子様』の世界じゃん。もちろん条件が限定的でプロの戦いだとほぼあり得ないんだろうけど。理屈としては、台より下からショットし、放物線の頂点の部分が台の高さにジャストフィットするとボールは跳ねない。てか、よく見てみたら漫画の中でも台より下から打ってるわ。細かい。
 つまり、平は基本的に「現実の卓球であり得ることは何でもできる」。結構なホラを吹いてきたと思うけど、それでも全然勝てないから漫画的には面白いですね。そんな平の「現実ではあり得る卓球」をさらなるドーピングした先生が「現実ではあり得ない卓球=ピングポング」で超越してくる。やることが同じゼロバウンドだったのも良いですね。上から叩き落とすのも対照的でナイス。
 先生のドーピング。2発目は精神に作用すうるので、フィギュアが喋り出す。完全に違うオクスリ感が出てきちゃってるんですが、男性ホルモンらしいのでセーフだ。いや、妹のフィギュア作ろうとしてる人が男性ホルモンの暴走でフィギュアと喋り出すのはアウトすぎるだろ。やっぱあそこのギャグは余計だったと思う。
 先生のゼロバウンドの連発で卓球台はボコボコ。一見して「あり得ない世界」にステージが変わったと分かるのが良いですね。完全に卓球ではない。ので、平が卓球ではないピングポングの戦い方としてフィギュア対策を打つ。展開がいちいち理にかなってて気持ちいい。事前に現実のフィギュアの置き場所も明示し、先生と平のフィギュアの見え方の違いも提示。そしてラストで、平が現実のフィギュアに手を出すことで先生の妄想パワーに関与しようとする。見事というか、ちょっと面白すぎるな。ホースで相手選手を吹き飛ばすのがアリなんだからフィギュアを台に置くくらい余裕でアリだろうし、無茶苦茶な世界の中でものすごく丁寧に理屈を通してる。予想の倍くらい面白かった。

『パワーニンゲン』那波歩才

 読切。ジャンプショートフロンティア。那波先生お久しぶりやで。てか、ショートフロンティアあるなら予告に載せてほしい。以前はちゃんとしてただろ。
 本編。胡散臭い占い師と依頼人。怪現象を解決するために動く超能力探偵みたいな話で非常にシンプルなんだけど、非常にノリが緩い。オフビートというか。いやけどツッコミ(依頼人)が元気いっぱいなおかげで作品のノリはかなり良いんだよな。気づけばアホみたいにサクサク話が進んでるので面白い。2人が出会ったの2ページだけど、意味のないやりとりがあって、他はマジで無駄なくグイグイ進行していく。プロット自体はマジでよくある超能力探偵モノで、たぶん「こういう話よく見るでしょ?」というのを作者自身が重々承知の上でやってるような印象。主人公が本気を出して逆転する、という本来なら一番熱いところを緩いノリのギャグにしてるんですよね。そして、緩いけどやたら勢いは良く、そしてギャグの手数が多い。極めつけの “運気があればなんでもできる!!” で恥ずかしながら爆笑してしまった……。手前のパワーニンゲンのくだりで一旦落ちたと思って油断してたら不意打ちを食らった。マジな話、最近のジャンプの中でもトップの爆笑だったので悔しい。ツッコミ役がちゃんと猪木のことは分かった上で、直接猪木とは言わずに捻った言い回しになってるのも良いんだよな。那波先生、こういうコメディも強かったのか……。
 終わり。話自体は凡庸なんだけど、めちゃくちゃ面白かったな。個人的にものすごくちょうどいい温度のギャグだったというか。ショートの尺もバッチリだったと思うし、思わぬ才気である。

『エキデンブロス』9話

 扉。走りのフォームから逸脱しすぎない程度のアレンジでカンフーっぽいポーズにしてるのが良いね。毎回やるのは絶対無理だと思うんですが、ちょっとだけ今後も期待しちゃう。
 ただ、少し残念だったのはそのメガネくんの活躍自体は前話のラストでほとんど終わってた点。特に今回新しい展開があるわけではない……割に語りは多い。
 んで、2区。実家大学の方は1人目が怪我明けの調整に使ってたので、1分20秒の遅れ。まぁ、舐めプではあるのだが、そこまで本気の大会ではないし、怪我明けの調整ってのは現実にもありそうなので結構好き。分かりやすく追いつく話にならなくても、「1人目がいつものタイム出してたら余裕で優勝してなかった?」みたいな総括がされるような大会、現実にもありそう。

『灯火のオテル』16話

 婚約の嘘はすぐバレる。まぁ、そんなしょうもないことに尺使っても仕方ないと思う(話が進まない)ので納得ではあるのだが、前話ラストの楽しいノリをすぐに撤回されると少し寂しい。
 んで、軽薄な風の商人。商魂だけは逞しい奴に見えたけど、彼の商人として目指す道には人助けも含まれてるので……と見る目が変わる展開は良い。そもそもこういうかっこいい話を「商人」という属性で語るのが珍しいのですごく好き。からの英雄譚オタクとして意気投合となる展開も良かった。
 そんな英雄としてのメンタリティの話は済んだので、実戦。今度の敵は船に忍び込んだ幽霊(的なやつ)。密室ホラーみたいなシチュエーションでワクワクするし、ちゃんと船乗りらしいロジックで有名の存在を感知したのも良い。かなり良さそうな気がする。

『NICE PRISON』18話

 アナル返しが汚すぎるので笑う。人型相手にやるのはナシだろw ちゃんと「直腸検査ですので」みたいな言い訳も入れてくるのが好きです。言い訳として意味があるかは不明。
 んで、さらなるパワーアップとして高速服役。「服役」「刑期満了」という本作の基本に則ったワードが良いですね。大ネタとしてありがたがるようなものではないかもしれないけど、収まりの良さがとても気持ちいい。ただ、もはや模範囚ではない可能性が……。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9/4はくじらの日なので、クジラ特集。割とよく出てくるモチーフではあるが、話の真ん中に出てくるのは意外と珍しく、『逢魔ヶ刻動物園』の館長と、『トリコ』のフグ鯨くらい? 前者は良いチョイスだと思う一方、別に『ヒロアカ』のギャングオルカでも良くない? ほぼ同じだろ。

次号予告

 新連載。2つ。まさかの芥見先生が原作者としてカムバック。短期集中連載。相方は岩崎先生。岩崎先生がこういう形で戻ってくるのも意外でした。あわよくば、本連載、あわよくば短期連載分を映画化して100億稼いでやろうという魂胆では……。
 個人的に短期連載という試みを本誌でやるのはめちゃくちゃ良いと思ってて、新人寄りの作家でもっとバンバンやってほしいのですが、今回のは完全に芥見先生ならではの特例だよなぁ。今後の参考にはならなそう。
 そして、あまりに扱いが小さいけど、もう1本の新連載。読切何度も載せてる人ですね。おそらく完全新作という感じだと思う。読切何度も載せてる系の人材の中だと個人的には少し意外なところではある……が、あまりに扱いが可哀想なので応援したい気持ちにはなってる。

目次

仕事場の窓の隅にずっと貼りついてたヤモリにオスが求愛にきてました。隅におけない…
(『逃げ上手の若君』)

今年も夜中に散歩してたらゴキブリに追いかけ回される季節がやってきた、走れ!
(『カエデガミ』)

 この2つが並んでるので面白かった。遥川先生も隅におけない……ってなっちゃう。

愛読者アンケート

 動画を見るときに倍速機能、使わない。ラジオ(録音)を聞くときは使います。2.1倍で使います。2倍に慣れてきたら「まだいける……」と限界を突き詰めたくなって今は2.1倍。声質によっては正直聞き取りづらい。相性もあるかもしれないが、マヂラブとか少しきつい。
 友達と雑談するときにSNSは使わない。いや、最近は全然ではあるものの、一時はゲーム内で少ししてました。
 雑誌。ジャンプより以前から購読していた雑誌。今も続けてるって意味なら、ない。昔読んでたという意味なら、コロコロ、ボンボン、小学○年生。うちはスーパーブルジョワジーだったので、「コロコロとボンボンどっち派?」みたいな論争は高みの見物でした。

総括

 木曜深夜の更新でした。水曜更新が遠い。正直な話、所要時間を考えたらまぁ不可能じゃないと思うんですが、やる気が湧かないんだよなぁ……。今週は諸事情で少し急いでたんですが、意志が弱い。

 今週のベスト作品。『ピングポング』。すごく面白かった。面白すぎてちょっとビビった。
 次点は『キヨシくん』『ハルカゼ』と、読切『パワーニンゲン』。あと『キルアオ』。

 ベスト『パワーニンゲン』の “運気があればなんでもできる!!” のコマ。ツッコミも含めて超良かった。

 ベストキャラ。『SAKAMOTO』の宮バァ。古くからいるキャラが実はバトルキャラだった、というロマン。に加えて鍼灸バトルという大ロマン。ゲロファイアも最高でした。
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