- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『さむわんへるつ』ヤマノエイ
- 『魔男のイチ』50話
- 『ONE PIECE』1160話
- センターカラー『呪術廻戦≡』2話
- 『しのびごと』49話
- 『アオのハコ』211話
- 『SAKAMOTO DAYS』229話
- 『逃げ上手の若君』218話
- 『カグラバチ』93話
- センターカラー『あかね噺』174話
- 『ウィッチウォッチ』217話
- 『ひまてん!』58話
- 『悪祓士のキヨシくん』60話
- 『僕とロボコ』249話
- センターカラー『灯火のオテル』18話
- 『ハルカゼマウンド』13話
- 『鵺の陰陽師』114話
- 『ピングポング』10話
- 『カエデガミ』12話
- 『エキデンブロス』11話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 愛読者アンケート
- 総括
『ラップスタア誕生』が始まったからみんな観てくれ。
表紙
新連載。前号の予告では放送部とかの可能性も考えてましたが、リスナーである。それも深夜ラジオ。そう来たか……。一話完結とかではたまにある題材ではあるが、連載だと珍しいですね。
あと、本編だと普通にワイヤレスヘッドホン使ってたのに、表紙だと有線使ってて、しかも片耳なので気になる。ファッション目的で有線ってのは聞いたことあるけど。
読者プレゼント
化学反応。2つのグッズを抱き合わせでプレゼント。珍しいアプローチで面白いですね。需要があるのかは分かりませんが、具体的に使用してるところがイメージしやすくなる、みたいなメリットはあるかもしれない。とはいえ、アマギフとクオカードの抱き合わせはマジで意味が分からないw
巻頭カラー『さむわんへるつ』ヤマノエイ
新連載。初連載ですが、過去に芸人の出てくる読切やってましたっけね。お笑いを題材にしたい系の人か。その中で学生主人公でやりやすい設定としての、深夜ラジオであり、ハガキ職人。なかなかざわつく題材である。楽しみ半分、不安半分。うまく行ってくれ~というのが全開。
本編。月曜の27時放送の番組らしい。「どうせ最近の子はオードリーが圧倒的に人気なんじゃろ」とか思ってたので少し意外。オールナイトの2部か? とはいえ、あまりにも「ただの大喜利」をコーナーでやってるのでちょっと意外。数年前にM-1(的な大会)で優勝したコンビのオールナイト2部といったら今マヂラブがいるんですけど、絶対に想定はしてなさそう。まぁ、ここらへんは漫画で扱う際のチューニングかな。あと、パーソナリティである芸人コンビ、及び放送作家からの投稿者への暖かい視線描写が正直ちょっとキモかったのですが、ここもたぶん同じ。ただ、芸人側の描写が最初から描かれたのは興味深いですね。今後はこっちを掘り下げる可能性もありそう。まぁ、別の番組も聴く、送るのが普通だと思うんですが、それも今後の選択肢なのでは。もう一つ、今後が気になるのはSNS。今の投稿文化、若者のラジオの受容文化においてSNS(実況とか)ってめちゃくちゃ大きい存在だと思うんですが、SNSは漫画的に扱いが難しい題材だとも思うので、今後がどうなるか気になる。今回の劇中で、有名職人にプロ芸人の噂が流れてたと言ってたけど、つまり主人公はSNSをやってるってことなんだと思う。逆にヒロインはやってない(少なくとも職人アカでは)。そこを掘り下げるかどうかだよなぁ。
主役の2人。お笑い好きそうなセリフ回しで、普通の作品でこれやったら滑りそうな気もするんだけど、本作は「お笑い好き」「素人だけどちょっと参加してる」「けど所詮は素人」というバランスなので、言い回しの変さも含めてかなり良い感じに収まってると思う。お笑い意識の低い陰キャ、みたいなこと考えたら変さも愛おしく思えてくるというか。
互いに投稿者だと明かして関係が深くなる。2人の秘密が濃くなっていく感じが魅力的。投稿の話を他人とすることで初めて自分の異常さ(もったいなさ)に気づく、というのも良い話。一通入魂スタイルからのカルチャーギャップ良かったですね。彼のキャラクターが反映されてるし、ヒロインと出会うことで知らない世界の扉が開く感じ。あと、あの「とりあえず送れ」スタイルが成立するのはお笑い界でもネタ職人特有のものかもしれないですね。門戸の広さを感じる。ジャンプの投稿ページ常設してくれ。マジで。本作のページを2ページ分け与えてもいい(そんな権限はない)。
知らない世界が広がっていく感じとしての、27時のお出かけ。不良だ~(やっぱ27時の放送リアタイは深すぎる)。そしてエモい。ちょっと美化しすぎててキモい気もするけど。これは深夜ラジオに陰の偏見を持ちすぎてるだけかも。さっきも書いたけど、投稿者に優しい、かっこいいお兄さん感のある芸人パーソナリティという描写も相当キモいぞ。キモい投稿者とキモい芸人の交流であってほしい。偏見の煮凝り。
ノベリティもらってリスナー人生の第二章が始まった、というところでエンド。良い終わり方。お揃いのくだりもうまいし、構成がキレイな初回でめっちゃ良かったと思います。これは、なかなか良いのではないか……? 正直『モジュロ』より全然好き。『モジュロ』は正直来週突然完結してもまぁいいや、くらいの気持ち。
変なボケと丁寧なツッコミのやりとりがなかなか良かったので、「これは投稿よりもツッコミの才能が開花して芸人の道を目指すことになるのでは?」とか少し思いましたが、普通に深夜ラジオのコンセプトがブレるのでやめてほしい。あとそれだと『あかね』コンビの読切『タタラシドー』すぎますね。何ならクロスオーバーしてほしいくらい。両作家公認で、知ってる人にだけ通じるようなバランスで、特に説明もなく出してほしい。まぁ、ビジュアルが空気階段すぎるという別のノイズが発生してしまうから無理か……。
最後に。途中に出てきたモブネタ職人のラジオネームが「ヘイトフルエイト」なのがめちゃくちゃ気になった。タランティーノすぎるじゃん。もじってすらいない。あと、関係ないけど私の「北区の帰宅部」という名前はラジオネームっぽい雰囲気を目指して付けました。あのノリ好き。今後もモブ職人のラジオネームには注目です。かなり楽しみ。
『魔男のイチ』50話
首チョンパで生首が宙を舞うが、首は常にコマ枠に見切れる構図になるので、ショッキングにはなりすぎない。そういうとこ気にするタイプだったのかと少し意外。けど、直後に断面は見せる。
お馴染みのゲロらせ魔法がまさかの反射。ミステリアス美女を気取るデスカラスちゃんの危機……をマスターシップでねじ伏せる。良い展開~! バトル展開としてはまぁよくある感じだと思うけど、本作らしい設定が活きてて超好き。そこから「魔法を無理矢理使役しててやっぱ最低」と敵側の言い分に直結するのも鮮やかすぎる。やっぱ本作は基礎的なレベルがめちゃくちゃ高い。そんな印象がずっとある。
『ONE PIECE』1160話
大物海賊が集結して盛り上がってきたのだが、大トリがガープなので面白い。そこに並ぶほどだったのか。いや、たしかにそういう扱いもあったけど。実写版だとシーズン1に出てきて、ちょっとだけ戦ったようなキャラなのに、頂上決戦みたいなとこに大物感たっぷりに登場するのすごいですね。出世を嫌ったので、現代パート(本作の初期)では過小評価されてる情報しか入ってこなかった、みたいな感じか。
センターカラー『呪術廻戦≡』2話
文字が多すぎる~! 新人が新連載でやったら絶対に注意されそうなやつだ。ここらへん、芥見先生の「2周目」感ですね。こういうのが気兼ねなくできるから新規の作品よりも続編(スピンオフ?)が魅力的な選択肢に思えた、みたいな。あと、ファンは普通に文字情報の方が喜びやすい、というのはあるかもしれない。
少年少女がこっそり山を登ったらUFOと遭遇。ジュブナイルSFすぎて素敵やん。ほとんどスピルバーグ映画(昔)みたいなワクワク感があって超良かった。山の上で2人が見上げてるだけ、でもうめちゃくちゃエモである。
『しのびごと』49話
事態の深刻さに反して、ヨダカの脳内が可愛すぎる。この温度差が成立してしまうのが本作の魅力ですね。魅力の根幹と言っていいかもしれない。
ボロボロになりながら戦うヨダカと、傷を負えばより強くなって再生する敵。良い感じに対照的。不死身キャラとか、サイヤ人設定は定番だけど、この「強くなって再生する」という組み合わせは結構珍しかったんじゃないかしら。この設定自体も面白かった。
んで、オペさんとヨダカのなれそめ。オペさんが常に語りかけてくるのはシングルタスク自暴自棄を阻止するためであったと。愛ですわね。今までの本作では「ツッコミ」というオモシロ要素であったオペさん実況に突然エモのニュアンスがぶっ込まれる。そこに「空っぽ」のキーワードを持ってきて、今のいっぱいいっぱいな状況が幸せであることの現れだとするのもうまい。「空っぽ」と言われると反射的に「夢が詰め込めるのでは?」と思ってしまったんですが、別に夢ではなかった。
からの師匠到着。熱い。かつての超強キャラの限定的な現役復帰、みんな大好きな展開である。ただ、話の流れ的に「最強の師匠が圧倒する」になっちゃいけないんですよね。 “ここからはみんなで戦おう” なので。ちょっと1人で圧勝するところも見たかったので複雑なところではある。
んで、今週が増ページで、来週がセンターカラー。前前前号がセンターカラーで、前前号が表紙だったのに? 忙しすぎである。「こいついくらでも仕事できるぞ」と目を付けられてる恐れがある。
『アオのハコ』211話
千夏パイセンの隣人。まさかの遊佐ルートであった。バドプレイヤーかよ。一気に話が単純化されたようで少し残念ではあるが、「千夏の浮気か?」という話から一気に「大喜が遊佐兄と浮気か?」という話に移ったので、個人的にワクワクせざるを得ない。何なら本作で一番好きな可能性がある。何なら遊佐兄がイケメンムーブかまして菖蒲の寵愛もかっさらってほしいくらい。雛も誘惑して弟を怖がらせましょう!
雛の誕生日プレゼント。各人のプレゼントが、各人と雛との関係性を感じさせるものになってて見事だ。遠い人から、徐々に雛との関係の深さ、理解の深い人へと移っていく感じが良い。
からの遊佐弟。最近は弟のことも単体で好きになりつつあったが、「3年編は遊佐兄の件がっつりいくよ!」と宣言されたあとなので、やっぱり遊佐兄への踏み込み台みたいな印象も強い。やっぱ遊佐兄には菖蒲と雛をはべらせてほしい。はべらせた上でそれを無視して大喜とイチャイチャしててほしい。
『SAKAMOTO DAYS』229話
磁力攻撃、乗用車バックドロップ、からの平助が磁力を利用してレスラーを強化狙撃。派手な技の連発から3人の位置関係をうまいこと整理し、分かりやすく提示しての大技。お見事すぎる。3人のバトルをうまいこと描いてて本当に感心しちゃう。
からのルー。喋れないピースケがスコープをあてがうことでメッセージを伝え、瀕死の平助がルーを助けるために会心の一射に至る。まったく別の場所で戦ってる平助とルーが物理的に繋がるだけでも面白いのに、そこにピースケを絡め、世界記録更新の報酬として助っ人登場。鮮やかな連結である。あの位置で登場するカミハテが頼もしいのかは少し謎だが、こういう困った状況でスナイパーはどう戦えばいいのか、という平助にとってのお手本になりそうで、そういう意味でも楽しみ。
『逃げ上手の若君』218話
重要キャラかつ、若と対になる最後の幹部キャラみたいな登場をした割に全然出番がなかった命鶴がいよいよ活躍……と思ったら、思わせぶりなだけで大したことないヤツ、という扱いでアッサリ終わるので笑った。笑ったし、あまりに意地悪な扱いなのだが、「思ってたほど伸びなかったなアイツ」という期待外れ感を物語上でうまいこと描いてて見事だと思う。こういうギミックはやはり松井作品強い。ただ、普通に期待外れでつまんない、となる読者もいるかも。
まぁ、よく考えたら本話の序盤で、 “尊氏様を促して上の排除を進めてきた” と言ってて、「いや尊氏のアレは悪神とかいうつまんない設定の現象だから関係なくない?」と違和感はあったんだよな。ちゃんと意味のある空振りだったのか。細かい。
『カグラバチ』93話
何やかんや大変だが、カムナビの防衛戦は順調で勝ち筋も見えてる。普通に勝てるはずなのだが……という不穏さ。当然それは剣聖なのだが、それを劇中の人たちは知らない。
クシのくだりはかっこよかったけど、フキダシの位置が悪いので誰のセリフか一瞬混乱しました。かっこいい構図と分かりやすさ、どっちを取るかで悩ましいやつだ。
センターカラー『あかね噺』174話
あかねが焦る理由は師匠。物語的に面白いのは間違いないが、健康上のリスクを背負ってまで無茶はしてほしくないので、そこまで盛らなくて……みたいな気持ちになる。無茶する美談はあまり好きじゃないので。
とか思ってたら、そのちょっと強すぎる思いが問題であった、と覚醒(たぶん)に繋がってくるので面白い。理屈部分も含めてめちゃくちゃ楽しみ。
『ウィッチウォッチ』217話
ケイゴのクソゲー回。篠原先生、本当にこういう回好きですね。と思ったら一応今のモイちゃんの特殊な状況を踏まえた内容になってるので面白かった。どう考えてもくだらないゲームなのにモイちゃんとニコのことを考えると少し気まずくなっちゃうので面白い。
からのモイちゃんの真摯な姿勢が敗因となるオチ。オチ感としては分かるけど、ゲーム性としては普通にめちゃくちゃ面白そうだな……。意外とクソゲー感がなかった、という別の不満が出てしまうほどに面白そうだった。
『ひまてん!』58話
めんどくさバイブス全開のひまり。ハグはセクハラだった可能性について言及されるので笑ってしまった。たぶん今週一番笑った。昨今よくある「コンプラで息苦しい」みたいな的を射てない愚痴は本当につまらないと思ってるんですが、ひまりの言ってる「セクハラ」はかなり鋭いというか、「くだらなすぎる」と「たしかにそうだが」が両立してるので超面白い。セクハラの解像度が高い。 “雇用主のハグはセクハラでしょ!!” がパンチラインすぎるのよ。ぐうの音も出ない。権力勾配があるのでアウトだ。
元々、殿一がキモくならないための「ひまりのご褒美」という扱いだったと思うが、雇用主が自身の利益のために、承諾を得ずに行う。これはセクハラかもしれない……。案外殿一がスケベ心を全開にしてくれた方がセクハラ感という意味ではセーフだったと思うと面白いですね。
『悪祓士のキヨシくん』60話
棺くんの実家でお泊まりイチャイチャしてほしかったので、墓参りとか実戦がメインだったのは少し肩透かしだったかもしれない。もうちょっと日常感あるエピソードでも良かった。
とはいえ、体術のみの対決だったら2人は完全にイーブン、というバトル的な理屈の整え方はすごく良かったと思う。本気で殴り合えるからこその尊い友人、みたいな感じで。とはいえ、銃がメインの棺くんの方が体術関係なさそうなので、「普通にキヨシのが強そう」とかちょっと思ってしまった。天才すぎるので基礎的な体術はまだまだ未熟って感じかしら。
『僕とロボコ』249話
ドライブデート。一瞬だけ見える謎の光景大喜利。ドライバーと助手席では見てる景色が違いすぎる、というのは車あるあるですね。そもそも集中力が違いすぎる。ましてやロボコはまだ若葉で緊張感も高いし。この情報格差自体はリアルなんだけど、方向性はリアルなのに実際にやるギャグが極端すぎるので面白い。
あと、ケンコバにふさわしいめちゃくちゃエッチな格好はもっと別にあると思うというか、ケンコバはたぶん一部の層(どころか結構な層から)セクシーアイコンとして人気だと思うので。
『呪術』ネタがあったけど、宮崎先生はまだ『モジュロ』のことを知らないのかな……と不思議な感覚。
センターカラー『灯火のオテル』18話
船旅が終わって目的地に上陸。すると割と普通のバトルになるので不安が生じる。とはいえ、今週は全然面白かったので良かったです。まだ大した攻防をしてないから、というのはありそうだが。それにしても、外道な戦い方と、「対策」というキャラクターが強く反映された戦い方になってるのは普通に面白いバトルだったと思う。
肺を捨てて風の精霊を得る。「たしかに代わりになりそう」感が好き。いや、体内に常駐させるのは普通にもったいない気もするが。
『ハルカゼマウンド』13話
本作の唐突に見開きが来る感じ面白いですね。予期せぬタイミングで、まだ気持ちの咀嚼ができてない段階で、よく分からんがでかいエモが爆発した感触だけが残る。
試合開始。敵の作戦はバレルゾーン。フライでアウトになるのを覚悟でとにかく長打を狙い続ける。ほとんどはアウトだが、たまに相手がミスるとリターンが大きい。こちらのリスクとあちらのリスクが釣り合ってないので勝てる、という理論。めちゃくちゃ面白い。これは本作が生み出したものではないんだろうが、ものすごく良い。好き。特に高校レベルの試合だとミスの確率も高いだろうから強いんだろうな。まぁ、狙い通りに長打を決める技術を高校レベルに期待するのが正しいのかは知らない。そこらへんのリアリティは求めてない(現実の野球にはそれほど興味ない)。
『鵺の陰陽師』114話
結婚式編終了、と思ったらめちゃくちゃ早く次の話に移るので驚く。そしてまた結婚なので笑う。一応劇中でギャグにはしてたけど、どこまで計画的に、理性的に進めているのか少し心配になってしまう。そもそも告白の件とか、どう考えても嫁が独り勝ちした件とか放置して次の話行くやん。正直絶対に死ぬと思ったよ、嫁。世界に調和をもたらすために死ぬしかないと思った。
そんな次の人。裏方のスーパーエリート、というのがなかなか面白い。よく分かんないけど大量のケーブルにつながってチームに指令を出してる絵面にもロマンを感じる。川江先生の美意識(趣味)がかなり直接的な形で出てそうで好き。
そんな姫様が実はオタクで、一目惚れされる。オタクモードではメガネだし、学郎が本部にサツアイしに行くときもメガネ。オタクの好みもメガネ。ありがとう……。みんなメガネかけてくれ。特に学郎は戦術的にも効果あるだろうからメガネかけた方がいい。
そんな劇中の漫画、タイトルが「Glass of Persona」。メガネ(glasses)がメインテーマな可能性すらあるな。期待大だ。嫁はかなり好きだったし、「もうずっとこの人でいいよ」くらいの気持ちにもなったが、次章がメガネなら話は別だ。
『ピングポング』10話
先生、ルール違反しない形で暴力に頼る。コートが特殊すぎるのでまともに卓球することは不可能、とした上で勝ち筋を考えてるので面白い。暴力の是非は一旦置いておいて。
まともな卓球はできないので、暴力が成立するかどうかの戦い。形勢逆転でジリジリと平の勝利が近づいてくる感じが良い。逆カウントダウン的な。そもそも暴力による一発K.O.勝ちを狙う戦法は、戦闘で既にあったのでね。かなり飲み込みやすい。その場その場でテキトーなことやってるのかと思いきや、意外と長期的な構成もキレイなのですごい。
んで、決着。ルール違反、及び直接の暴力については運営側が厳しく対応する、というこないだ出た件を実行。これまたキレイな話。女をガソリンにして戦ってた先生が “女でも殺るッ!!!” と言ってしまうのも良いオチですね。もうダメだと分かる。ただ負けるよりも酷い。強いて言えば、ミンちゃんから復讐されるみたいな話になると良かったと思うんですが(副作用とか理屈はつけれそうなイメージ)、それは期待しすぎというか、今回のアクション(暴力)が普通にかっこよかったのでこれはこれで良い。というか、やっぱ本作の面白さはちょっと別次元にあるというか、本作の中で安定した面白さが今の連載陣の中でも余裕でトップ層にある気がする。「ひょっとして今一番面白いんじゃない?」とかじゃなくて「まぁそうだろうなぁ」くらいの感覚。偏愛的にブッ刺さるとかとも違って、普通に面白すぎる。
『カエデガミ』12話
パトロン向けのお披露目会。前回と同じように演舞だが、実戦。ほぼデスゲームですね。前回「演舞はできないけど実戦なら」という打開をしたけど、今回は逆。結果は同じなのだが今回のは明らかに不気味、というオモシロですね。こないだのロバの村もそうだけど、日常に思えた世界が実は……と不気味さが見えてくる感じが本作面白いですね。
そして、その「実は不気味」からカジがもう一捻り入れてくる。驚きはするが、それで終わるのではなく、呆れたように事態を飲み込んで次の一手。頼もしい話なのだが、彼女は彼女で別の不気味さがある。
『エキデンブロス』11話
兄弟の再会。これまた明らかに不気味、明らかに不穏なのだが、少なくとも表面上は2人のやりとりは健康的だし、友好的。外からはすぐには分からない根っこの方に何かヤバいものが潜んでそう……というのが面白い。十中八九、その元凶は父親なんだけど、父親自体は初回から出てるし、怖い監督ではあるが……くらいの扱いなんだよね。そこらへんの落とし所をどうするのか今から楽しみ。まぁ、兄にランナーとしての期待を100%注いだので弟に対しては比較的健康的に接することができた、みたいな感じだろうか。クソ親、クソ父の物語は鉄板なので良いですね。そもそも家庭とチームと一緒くたにする生活スタイルがそもそもどうなのかとは個人的に思ってたよ。漫画として面白いから別に引っかかるほどではなかったけど。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
9月はキノコ狩りのシーズンということで、ジャンプ作品の中のキノコ特集。面白い。こんなにも特徴と傾向がハッキリ出るものだとは思わなかった。これはかなりの金脈だと思う。いろんな少年漫画でもこの括り方したら面白くなりそう。たぶん少年漫画くらいのリアリティラインだとキノコを面白く扱いがち、ってことなんだと思う。現実にあるけど、得体のしれない異物。
『魔男』と『ブラクロ』。ファンタジー世界といえば、キノコが走る。絵面が同じすぎるので笑ってしまった。『ブラクロ』のこと覚えてた人は『魔男』の時点で「見たことあるんだけどw」ってなってたんだろうな。得体のしれない生き物としてのキノコってことなんだと思う。その生き物性が魔法設定によってブーストされ、走る。
『ロボコ』『暗殺』『食戟』『dr.stone』は食べるキノコ。当たり前であるが、サバイバル色が出るのが特徴ですね。特に少年漫画の場合は食材を買うという行為が縁遠いので、「正しい知識さえあれば」その辺で勝手に取れるおいしい食べ物、という感じ。とりあえず焼くだけで食べれる、というのも少年漫画的においしい要素なんだと思う。そこを逆に、あの手この手の技術を尽くして料理する『食戟』も良い。
そんな中、『ヒロアカ』だけは胞子に着目してるのでオンリーワンの面白さ。菌としての気持ち悪さというか、本気出したらマジでヤバい、という恐怖。彼女の能力が悪役陣営に取られなくて本当に良かったというか、取られたら普通に毒ガス的な恐ろしさに直結してたと思う。
次号予告
『しのびごと』のところ、 “元1号部隊忍者ミミズの実力が明らかに!?” とやっちゃいけない間違いをしてるので面白いです。気持ち悪いよ。鳥じゃねぇし。
愛読者アンケート
新連載について。ついでに普段聴いてるラジオがあるか聴かれてるんですが、まぁこれは当然でしょうね。最近はスマホとかで特定の回、特定の箇所だけ聴く方法も増えたと思うので、まったく聴いたことない、まったく縁がない人はかなり減ったんじゃないでしょうか。みんな聴いてくれ。深夜ラジオじゃなくてもいいから。
愛読者アンケートについて。何回目かと、当たったことあるか。ダブルチャンスなら当たったことある。それだけ。プリペイドカードくれ(今は送ってないです)。
総括
火曜発売で、土曜更新。うーん、遅い。生活のリズムが崩れるのでこういう事態になりがち。
今週のベスト作品。新連載。『さむわんへるつ』。馴染み深いテーマで逆に少し緊張感もありましたが、すごく面白かったと思います。『さむ』くんには頑張ってほしい。
次点は『鵺』。メガネがモリモリだからだよ。
ベストコマ。『呪術廻戦≡』の少年少女が山の上でUFOを見上げる。エモ。ジュブナイル。スピルバーグ。
ベストキャラ。『ひまてん』よりひまり。セクハラの発想が面白すぎました。ぐうの音も出ない。たしかにあれはセクハラだ。
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