北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年43号(紙版)の感想

 実写版『銀魂』は未見です。『BLEACH』は観た。面白かったので続編やってくれ。実写版『ヒロアカ』より観たい(監督が同じです)。

表紙

 『sakamoto』実写映画化発表。まじか~。イニャキくん以来の実写表紙が来るってことですかね。てか、何気に鈴木先生、実写化は2作目ですごい。
 アニメは漫画の再現に注力しすぎて微妙な感じになった印象にあるので、実写映画は実写アクションとしての本格派を目指して頑張るのが最も手堅く面白くなるし、みんなが喜ぶ道だと思う。……まぁ、そんなことが実現しないのは続報が来なくても分かってましたよ。主演は伊澤彩織がベストだったと思う。

読者プレゼント

 ミステリーでホームズ風の衣装だけど、脱出。何かそういうの流行ってると思うので、そういうことなんだと思う。具体的な名前が分からない。

巻頭カラー『SAKAMOTO DAYS』230話

 カミハテ登場。交友関係のめんどくささが全開で、平助の良い奴感が光る。というか平助の手にかかればこんなにめんどくさい奴でもゴロニャンですよ、というハーレム系ラブコメ主人公ムーブ。
 狙撃以外でも活躍するカミハテ。近距離戦も強いというよりも、手足が少しずつ出る方が重要そうですね。平助に心を開けば開くほど、露出部が増える。
 カミハテは銃を失っても強い。というか、彼の狙撃の真価は現場の状況を細かく把握、解析する能力にあるので、それを平助に伝えれば良いだけのこと。この瞬間に初めて手が、剥き出しで現れる、というのも良い。
 ヘリの中にマイク持ったレポーターしかいないのが緩すぎて笑ったんだけど、トンネルを銃身にして逆転の一射、というのはやはり熱い。本話の序盤でクマノミが電車を飛ばしてきたけど、あれと良い対比になってて好き。線上のものを飛ばすクマノミと、線上の筒を利用するカミハテ。

『ウィッチウォッチ』218

 冒頭、一方的な映画談義にご満悦かつ手応えを感じるケイゴ、というのが痛すぎるので笑った。サブカルクソ野郎ネタでまだこんなにも切れ味の鋭さが残ってたのか。恐ろしすぎる。サブカルクソ野郎だと顕著ってだけで、広く男女で起こりがちなすれ違いな気もしますね。マジで恐ろしすぎる。
 と冒頭が面白すぎたので、すぐに普通の恋愛エピソードに移行するのにちょっとついていけなかった。温度差というのもそうだし、「これされて冷めないの?」とすらなっちゃう。ギャグをやりたい篠原先生と、真面目にロマンスをやりたい篠原先生の葛藤を感じる。
 ネムとウルフに遠慮して我を出せないケイゴ、というのは良かった。サブカルクソ野郎みもあると言えばあるけど、ケイゴの言い分が特別間違ってるわけじゃないのが良いね。逃げ道が正論で舗装されてるので逃げたくなっちゃう。
 なので、ケイゴが頑張るべき道、成長するべき道は「自分が強くなる」ではなくて、「思ってることを普通に伝える」だと思う。あの修行は自己完結してて結局サブカル独り語りしてるときと根本的な問題は変わってない気がするんだよね。まぁ、その間違いを指摘できないモイちゃんもまた問題を抱えた、悪い意味でナルシスト男である、という話だと考えたらかなり良いのかもしれない。ニコとの件でモイちゃんも問題を抱えてるので(魔法が全部悪い気もするが)。

『魔男のイチ』51話

 次にくるマンガ大賞1位おめ。なんだけど、ジャンプ作品は読者の総数が多いのでファン投票だったら圧倒的に有利という前提がある、といつも思う。なのでジャンプ作品を除いた最高位である2位の『COSMOS』が実質の優勝……ジャンプ作家じゃねぇか。どっちもおめでとうございます。
 空飛ぶ移動手段。魔法ボードが総合的に便利だが、魔法の箒も気になるご様子。トンガリ帽子被って空飛んで~。「Defying Gravity」かけて~!!

youtu.be

 んで、箒は保留で、次のミッション。時間の魔法で、船らしい。時間魔法でクロノスタシス。『ブラクロ』でありましたね。
 とはいえ、冒頭の飛行手段をかっこよく、立体的な構図で見せてエンドというのが鮮やかでした。『オテル』と同じことをより面白くやるのはやめろ!! という気にもなったんですが、あっちは一応船旅終わった状態なので良かった。

センターカラー『さむわんへるつ』2話

 くらげさんの日常を覗き見しようの回。前回の感想で「主人公くん大喜利よりツッコミの方が向いてるから芸人目指しなよ」的なことを書いたんですが、今回いきなりそのツッコミスキルの有用性にフォーカスされる話なので驚いた。前回、勝手な電波をキャッチしたのではなく、ちゃんと意識的に示されたものだったのか……。
 そんな適切なツッコミ(リアクション)を入れると静かにめっちゃ喜んでくれるうなぎポテトさん、というのが今回めちゃくちゃ良かった。同時に自分勝手にボケまくる彼女は彼女で結構な問題児、もしくは変人ですね。クラスでも一目置かれる美少女に都合良く気に入られる話ではなく、変人の変人性が全然気にならない(むしろ好ましい)ので2人は仲良くなる、というのが良い話。自販機相手でもボケちゃうくだりとか、「これは実際に目にしたから結構キツいかも……」という感じで良かった。
 主人公が「俺のツッコミがないと満足できない体になっちまったようだな……」的な話で、その関係性自体はとても輝かしいと思うんですが、独りよがりなボケをかまされても “あんたまた変なこと言ってぇ” と意味は通じてないけど友好的な態度を一貫してくれる女友達もめちゃくちゃ素敵だったと思います。まぁ、逆にあんだけ好きにボケても人に嫌われない、というのは彼女の人柄、人徳のなせる技なのかもしれない。陰キャが頑張ってウケを狙うと目も当てられないような事態になると思うんだけど、彼女の場合はボケは伝わらなくてもちゃんと話の邪魔にはならないので。……まぁ漫画だからそう描いてるだけで、実在したらただの激イタガールになってしまう可能性は十二分にあるかも。陰キャリスナー同士仲良くなる話でも私は嬉しいです。
 ラジオ番組はポイント制で、半年に一回優勝者を決めるらしい。そんな分かりやすい目標設定しなくてもいいのに……とは少し思った。あまりに少年漫画(ジャンプ漫画)の定石すぎる。
 繰り返しになるけど、主人公のツッコミが貴重という話になったのとネタ職人の物語が合致しない気がするんだよな。日々有名職人のボケの相手をし続けることで、彼にもボケの発想力が身につく、みたいな感じになるのだろうか。ネタより日々のツッコミを頑張った方が彼女に好かれると思ってしまう(もう好かれてるが)。まぁ、昔だったらカリスマ職人が進む憧れの道というのは放送作家だったけど、最近は芸人になる人も多いので、本当に本作が(かなり)長期連載になったら芸人編もあり得るかもしれない、かな。ジャンプの投稿ページにいた職人でも芸人なった人いますよね。

『カグラバチ』94話

 正直よく分かってない真打と蔵のルール設定について改めて説明が入り、「結局よく分からないな……」となったのですが、それでも「ということは……」程度のワクワクは得られたので親切設計だったのだと思う。
 真打サイドで犯人探しの緊張感を煽り、クリフハンガーでバトルの現場。そこで大きく事態が動く。めちゃくちゃ良い展開、構成だったのではないか。あの人がめっちゃ活躍するなら現場にチヒロがいてほしいのですが、まぁそろそろ来そうなので大丈夫か。敵サイドのパワーアップがえぐいけど、よく考えたらチヒロチームのパワーアップもすごいので、なかなか面白くなってきたのではないでしょうか。
 んで、次号が「2号連続カラー第1弾センターカラー」。つまり次次号は表紙なのかな。国語の問題かよ。

『アオのハコ』212話

 憧れのパイセンの座を欲しいままにする大喜。部長じゃないのも逆にエース感あって良いかもしれない。大喜のイケメン度(ここでは見た目の意味)は以前から特に変わってないと思うけど、バド部における活躍によって人はかっこよく見られるようになる。ここらへん妙にリアルで面白かった。
 一方、大学。ジャンプでは珍しい大学描写にテンション上がる。意外と『エキデンブロス』ではないですね。運動部漫画あるあるかもしれない。まぁ、本作もそうだが。
 んで、その大学に例の隣人がいる。イオザキさん。読めない。スター選手で遊佐兄の先輩。針生先輩の目がキラキラしてしまうほどの憧れの存在、という描写が可愛いので笑った。似合わなすぎる。
 んで、イオザキと遊佐兄。良い意味での煽りもあるんだろうが、嫌な先輩バイブス出してるのが妙に似合ってて好き。体育会系の嫌いなところがよく出てる。
 大喜は相手してもらえないのに、遊佐兄は相手してもらってて……という千夏パイセンの焦燥感、みたいな感じだろうか。「千夏ちゃんが言うこと聞いてくれるなら彼氏くんの練習見てあげてもいいよ」と弱みにつけ込まれる展開しか連想できないのだが、絶対に違うな。

センターカラー『しのびごと』50話

 ミミズクの本気モード。現役の強さを再現するのではなく、アオイの子育てを経験したからこその存在になってるのが良いですね。
 ただ、前回の感想にも書いたけど、今のヨダカには「みんなで勝つ」を示さないといけないんだけど、めちゃくちゃ独りで勝てそうな雰囲気。拍子抜けとは違うんだけど、「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」になっちゃってる。悪い意味で。まぁ、次回以降何かあるんだろうし、今回は今回で楽しかったからいいけど、ちょっと呆気に取られた感覚がある。

『あかね噺』175話

 漆黒アイズのあかねスタート。不気味なほどローテンションだが、噺としては普通に面白いので笑える。どうやら演者の作意を捨てて、作品の魅力のみで勝負しろ、ということらしい。この教え自体はすごくよく分かるんだけど、あんな伝え方で分かるわけないというか、あんなの後から「客が笑ったから普通にアウトだよ」とか言われないか不安になってしまう。
 とはいえ、ここでテーマが一気に作品主義(正明師匠)に近づいてきたので面白いですね。複数の問題が一点に集中してきた。

『悪祓士のキヨシくん』61話

 懐かしの再会から次のミッション。パラディンクロス推薦に関する大人たちの画策になるのかと思ったら、割と普通にキヨシが仕事でどっか行く話になるのね。もちろんパラディンクロス関連ではあるんだけど、ちょっと意外だった。
 しかも魔界遠征。めちゃくちゃ意外やないかい。昇格とか関係なく、普通にめちゃくちゃ目新しい展開。

『呪術廻戦≡』3話

 前回ラストからの連続性は低めで、普通のミッションを普通にやる話。意外だが、めちゃくちゃ嬉しい。こういうこじんまりとした普通の仕事をする回が見たかったんや。本編最終回がまさに「こういう回良いよね」という内容だったと思うんですが、長期的な物語がガチッと決まってる作品の連載だと案外やりにくかったりするんですかね。そういう意味では今回のスピンオフ(?)企画に感謝の念が大きく湧いた回。
 森にサメ、というワクワクする絵面が良い……と思ったらあまりにナンセンスなオチがすぐつくので笑った。マジで「ワクワクする絵面」を一発入れたかっただけ、という感じだ。『チェンソーマン』の映画(『シャークネード』回)が絶賛公開中なのでそれオマージュかもしれない。違うと思う。
 そんなナンセンスギャグかと思ったら、急にアーバンベアとか気候変動の問題をモロに打ち出してくるので笑える。メガソーラー陰謀論に触れそうなのは少し心配にもなったが。ここらへん近未来設定だから伸び伸びやれる、みたいな側面はあるかもしれない。
 んで、「共生」をテーマにした、未来にちょっとだけ希望が抱けるラストを迎えてエンド。超良い回だったと思うけど、子トラに対して刀を「チャキ」ってしたの何? 誰に向けたウソだったの?

『ひまてん!』59話

 ほのかと母校の中学訪問。「寿退社程度でそんなことする?」と心底不思議な気持ちになってしまったのだが、教師に恩も感謝も抱かずに卒業したからなんだろうな。あんなに仲良いとかファンタジーに思ってしまうんだけど、本作のノリ的にたぶん「全員とは言わないけど結構あるよね」くらいの感じなのでしょう。マジでか、かっちゃん……。

『逃げ上手の若君』219話

 何か急に、ものすごくサクサクと尊氏に到達して、ラスボス戦が始まり、順調に作戦が決まり、ラスボス変身まで進んだので呆気に取られた。これがもっと若い作品だったり、後ろの方に掲載されてたら「打ち切りってことか……」って絶対になってたらスピード感だ。謎すぎる。
 背中が弱点だが、母衣が厄介なのでウンコ爆弾で母衣を除外……なんだけど、爆発が派手すぎるので「やったか?」という絵面になってるので笑う。というか、逆にあそこまでの危険が迫ったら悪神の自動防御機能が反応して然るべきだと思うんだけど、あれはあくまでも漫画的な誇張で意味がないのか、よく分からない派手さだったな。
 ということで、ラスボス戦が本格スタート……ということでいいと思うんだけど、盛り上がらないというか、気持ちが全然乗れてない。元々悪神の設定が嫌いってのもあるけど、それとは別に本話の内容が謎。

『レンデルシュタイン万貸店』石川理武

 読切。ジャンプショートフロンティア。突然、意外な位置に掲載しよる。
 本編。絵画から馬を取り出す謎の男と、その絵画の魔力に取り付かれた小悪党。うまい話には罠がある、的なオチに向かってひた走る話で、連載の中の一話とか、そういう怪しい絵画を巡る読切作品っぽい内容なんだけど、本作はその絵画を担いで旅する何かの目的を持った謎の男、という主人公の話になってるのが面白い。さすがにショート読切では捻りすぎというか、ちょっと尺が物足りない感じもあるんだけど、普通に小悪党が痛い目見て終わる話だといくらなんでもシンプルすぎるので、定番ジャンルの変わり種構成という意味で面白かった。ショート作品の戦い方としてもかなり珍しくて好きですね。長い物語のあまりに短いエピソード、ほんの一日のみを描くんだけど、主人公についての説明は最後にちょっとだけすることで読み味が最後に一気に変わってそのままエンド。大傑作というほどのインパクトではないものの、一直線に進行するのにいろんな読み味へと変容していく内容はすごく良かったと思います。真相を語るのに「回想」を入れなかったのも英断ですね。本作は15ページ、ひたすら絵の近くの場面しか描かない。文字通り話を進める視点という感じではないけど、絵の中から人間の様子(愚かな様子)を高見に見物してるような感じですかね。すんなり読めて、すんなり終わるんだけど、意外とめっちゃ珍しいことしてる気がして個人的には好きです。

『灯火のオテル』19話

 精霊バトルは劣勢。逆転するには長い溜めが必要なので王女が時間稼ぎ。敵も精霊の吸収に時間がかかるので、王女の相手には精霊を使わない。強さのバランスは取れてると思うのだが、あまりに都合良く敵が弱くなってくれてるというか、待ってくれてる感がある。 “一番嫌いだ…” と言った直後なのに全力で殺しに来ないのも少し感情の流れ的にも違和感。まぁとはいえ、バトル的には楽しいので良かったです。代わり映えするのが良い。
 んで、商人なのか船乗りなのかのスキルを活かした秘策があるらしい。本章のこの部分、かなり好きなので楽しみです。物流カッケェ的なキャラが好き。

『僕とロボコ』250話

 ロボコ、名台詞を模索する。既存のジャンプ作品にあやかったものになるのが本作らしいのですが、アレンジがちょっと自由すぎるのでほとんど宮崎先生のフリーギャグみたいになってる。それはそれで好きなのだが、元ネタとの絡め方に無理があるというか、全部自分で言っといて「名シーンが台無しになってしまった」的なツッコミを入れられても乗れない。
 最近多い気がする、ワンテーマでひたすら押し進んで最後まで行っちゃう感じは好きです。今回はあまり面白くなかったが。

『ハルカゼマウンド』14話

 やっぱダイジェストみが出てしまうのが野球漫画の難しいところですね。「そんな簡単に1点返していいんだ」みたいなテンションの差を感じちゃう。区切りの強いスポーツだから漫画に向いてる面もあるんだろうけど。まぁ、ダイジェストになって場面が飛ぶ問題はほとんどのスポーツ漫画にもある話ですかね。バレーにもあったし。
 陰キャには陰キャの強みがある、という凪春の言い分はすごく良かった。彼自身が影に潜んでいたからこその説得力、というか凄み。
 からの凪春の活躍なのだが、ツーストライク取るまでの薄味さがやはりダイジェスト問題と似たものを感じる。ファウルは別だけど、あんな簡単にストライク取れたなら、それをもう一回取ればバッターアウトじゃん。それを劇的に描かれてもねぇ、みたいな。実際はそう単純じゃないのも分かるけど……。

『鵺の陰陽師』115話

 学郎の現状の異常性にひたすらツッコミを入れる話で面白かった。そりゃそうよ。あんだけぶち上げてたのに放置したまま終わってる夏祭りの件について言及されたのも良かったが、言及されたということはマジであのまま終わるってことなのかもしれない。無茶苦茶さを作品が自覚的にギャグにしてるのは面白いけど、その無茶苦茶さをコントロールできてるのか、非常に怪しくなってきたな……。一時は神懸かり級の面白さを感じていたが、あれは後先考えない捨て身だからこその輝きだったのかもしれない。
 告白されて放置してる3人と、嫁に対するほぼプロポーズみたいな発言の重みが学郎の中で同じっぽいのもかなり変な話ではある。マジな話、学郎の「返事」的なアクション(それはリアクション)は嫁にだけしたわけじゃん。じゃあ、嫁を選んだってことになったんじゃないのかしら。多重婚という選択肢はこの際一端良いとしても、その前提には全員の了承が不可欠なわけで、一人にだけ返事をして(多重婚ではない返事)、勝手に多重婚を考えて話を進めようとしてるのはいくらなんでも無理があるのでは。そんな真面目に考えても仕方ないことなのかもしれないけど、マジとギャグのバランスが本作の肝だと思うのでやっぱ大事。

『カエデガミ』13話

 今回の黒幕がカジと因縁のあるのは前回ラストで分かったので、とっとと本題に入ってほしい気持ちがある。じっくり進むのもまぁ面白いし、3人のキャラのアンサンブルも相当良いと思うんだけど、大まかには知ってる話を改めてゆっくりエモめに語られてもちょっと乗りにくいというか。前話ラストと本話ラストの驚きがほとんど同じ。
 とはいえ、コウのお人好し感というか、持続可能な関係ではないと分かった上で共生を果たすことの美しさが語られたのはすごく良かった。シユウとコウの話が、そのままカジの話になって、彼女の指針になるかもしれない。いや、指針はたぶんちょっと違うか(普通に悪い奴だと思うので)。参考になる、くらい。

『ピングポング』11話

 渋谷デート。話としては地味というか、真意が分からないままフラフラと進むので盛り上がりはしないのだが、渋谷の様子をリアルに描けば描くほど、「ここでどんなピングポングを……?」というワクワクが生じてるので良かった。最終的に「渋谷といえば」極まりない場所で行うことになるのも良い。何なら本話の1ページ目、1コマ目が答え。
 まさかのコーチ登場。平の過去が多少なりとも掘り下げられるのかと思ったら、即試合。コーチどころじゃなくなる特殊ルールに突っ走るのも楽しい。いや、普通にコーチとの話も気になるんだけど。
 本作で初のモブのいる試合。というか、モブが台。『sakamoto』的な虚無リアクションをするモブの世界ってノリになるのかな、さすがに。いや、多少はリアクションしてくれた方が特殊ルールとしては面白いのかもしれない。そんな特殊ルールが極まったような試合なんだけど、相手の実力はリアル卓球の圧倒的格上、というのも情報が多くて良い。まぁ、無茶苦茶すぎて「まとまるのか……?」と少し心配ではある。

『エキデンブロス』12話

 7区の兄弟対決を実現するには、6区スタートの時点で並ばないといけない。のに、5区で大幅に遅れていて……とイマココ。やはりというか、普通に試合が長すぎる(短い繰り返しが多い)、キャラが多すぎる弊害が如実に出てきた感あるのですが、まぁ終盤は普通に紹介済みの人が走るのでここからがようやく本番という感じなのかな。今回とか、知らん人が、知らん走り方をして、知らん人の、知らん走りに迫る話になってたので、さすがに無理があると思う。ハイピッチ走法自体は大変面白かったです。
 あとは、車で走りながら、情報収集しながら、という部分は今回すごく良かった。めちゃくちゃ特殊なスポーツというのが改めて実感できる。車内は隔離された空間という風に描かれたのに、ラストに一瞬だけ車内とプレイヤーが結びつく、というのもとても良い。てか、やっぱ変なスポーツだよなぁ。せっかく走ってるのに車で併走して、追い越すんだもの。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 9月のネタハガキ東西戦。キノコ狩りシーズンということで、お題は「身の回りの『キノコあるある』を教えてください!」。
 東の最優秀賞、ねこってかわいいさんの「イマジナリー松茸」はやはり面白い。キンモクセイもそうだけど、再現された商品が本物を通り越してお馴染みになりすぎたことの弊害というか、逆転現象。あるあるとしての強度は今回の中でも最強だと思う。
 西の未完の貴公子さんが「トリュフ味」でイマジナリー松茸と同じ発想のネタになっててこれも当然大好きでした。というか、トリュフ味の方が最近よく見かけるようになったこともあって、激しい共感がある。あれ、分かんないけどおいしいので謎のまま受け入れちゃってる……。
 東に戻って、照りさんの「家族みたいなエリンギ」。イラストが良すぎる。ネタの説得力が感じられるというか、見てて思わずニッコリしてしまうような良さ。
 サカナデさんの「ポルチーニに『キノコ新時代』を感じた」。分かるw 語感が新しすぎるんだよね。チーニって何よ、っていう。それでいて口に出して言いたくなるような魔力も感じる。
 西。ゲインズさんの「姫路のイントネーションを説明する時にしめじ使いがち」。初耳なんだけど、たしかにあるあるなのかもしれない、という謎の説得力があって好き。イマジナリーあるある、みたいな味わい。たまにご当地感があるネタが混じるのが東西戦の魅力だと思ってます。
 満月ポンさんの「マリオでキノコを追い掛けて穴に落ちる」。マリオがあったかぁ~!! と最後の最後に膝を打ったのですが、どうやらマリオネタはめちゃくちゃ多かったらしいのでビックリですw

目次

担当さんの口癖、「お腹すいた」と「デカい車買いたい」と「原稿いつ上がりますか?」
(『カグラバチ』)

 無関係な3つに思えるけど、担当してる(ヒット中の若手作家)の原稿を受け取ることは前2つの欲望が満たすことと直結してるので、めちゃくちゃ一貫してる。短期的な願望、長期的な願望、それを実現するために今できる具体的なアクション、という3つ。原稿が早ければ早いほど、面白ければ面白いほど願望が満たされる確率が上がる。

愛読者アンケート

 ジャンプを買ったのは誰か。自分。誰かとジャンプをシェアしてるか。してない。なかなか面白い質問だったというか、紙版ならではの展開になってて興味深い。売り上げ的にはシェアされない方がいいんだろうけど、好きな漫画の回し読みとか、良さしかない。
 漫画の大人買いについて。紙か電子か。電子であまり買わないのもあって、経験があるのは紙。大人買いの最大冊数。たぶんだけど、13かな。大人になってから『サイボーグクロちゃん』全11巻と、『サイボーグクロちゃん番外バトル』全2巻をまとめて買った。大人になって買い直す、お手本のような大人買いであった。あとまとめて買ったのは『妹は思春期』全10巻。どれも少なめの冊数で良かったと言える。(関係ない補足情報だけど、今『サイボーグクロちゃん』を大人買いしようとするなら『新装版サイボーグクロちゃん』全6巻でいいです。オススメ)。
 大人買いできると感じるコミックスの冊数。これは最近のジャンプ作品が短めに完結することと関係する質問で興味深いんですが、どうだろうな。20を越えると一度に買うのは躊躇してしまうかもしれない。時間をかけて買っていこうってなりそう。まぁ、電子でセール中とかだと話は別ですけど。物理的な大きさが主なネックなので。

総括

 木曜更新。まぁ遅いんだけど、個人的な進行感としては割と良かった。無理なく、心にゆとりをもって進められたというか。

 ベスト。『さむわんへるつ』。これはマジで面白いんじゃないか……という予感がした2話目でした。目新しいかつ個人的に馴染み深いテーマにばかり気を取られてたけど、それを抜きにしても良さそう、という今週。
 次点は読切『レンデルシュタイン万貸店』と、『呪術廻戦≡』。

 ベストコマ。『さむわんへるつ』の “んっふふ” 。ツッコミというコミュニケーションの成立を喜ぶ場面としてすごく良かった。静かながら他では得難い喜び。大喜利よりツッコミを頑張った方がいいと思う……(しつこい)。

 ベストキャラ。これは『ウィッチウォッチ』のケイゴ。とにかく冒頭の独りよがりが面白すぎたので負けだわ。映画好きに刺さるのはもちろんだけど、趣味系全般に当てはまりかねないから怖いのよ。
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