- 表紙
- 読者プレゼント
- 巻頭カラー『ONE PIECE』1161話
- 『魔男のイチ』51話
- 『SAKAMOTO DAYS』231話
- 『ひまてん!』60話
- 『ウィッチウォッチ』219話
- センターカラー『カグラバチ』95話
- 『アオのハコ』213話
- 『しのびごと』51話
- 『僕とロボコ』251話
- 『呪術廻戦≡』4話
- センターカラー『鵺の陰陽師』116話
- 『さむわんへるつ』3話
- 『悪祓士のキヨシくん』62話
- 『恋と夜ふけとヴァンパイア』ダンジョウ
- 『あかね噺』176話
- 『ハルカゼマウンド』15話
- 『逃げ上手の若君』220話
- 『灯火のオテル』20話
- 『カエデガミ』14話
- 『ピングンポング』12話
- 『エキデンブロス』13話
- 巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
- 次号予告
- 目次
- 愛読者アンケート
- 総括
我ながら情けないことなんですが、『さむわんへるつ』初回の記事で名曲「ハガキスターの悲劇」を参照するのを忘れてました。ハガキが読まれないハガキ職人はただの職人よ。
読者プレゼント
『国宝』!! 映画の『国宝』。そのポスター風なんですが、完成度高いので爆笑してしまった。マジな話、今週のジャンプで一番面白かった……。中央にドン! じゃなくて、左上にひっそりとしてるのも最高。元のポスター(の片方)をなぞってるんですかね。いや本当に見事な回だったと思う。グラビアの本気度以外は割と普通なので年間大賞にまで届くかは分からないけど、個人的には年間ベストレベルの傑作回だったと思う。ページ全体がゴチャゴチャしてない(本ページにしては)のも良いんだよなぁ。渾身と思われるグラビアもそれほど大きくないし。
映画『国宝』がヒットしたのでそれネタにしましょうよ、とまでは誰でも思いつくと思うんですが、ポスターをこのような形で持ってきたのがすごい。
巻頭カラー『ONE PIECE』1161話
カラーの見開き。ゲーセンのぬいで、歴代キャラを一味が奪い合ってる感じなんですが、どのキャラがどのぬいを取ってるのか、とても面白いです。
からの扉連載。カラーの見開きは扉じゃなかったのか。本作は巻頭率が高いのでなかなか扉連載進められない、ってことだろうか。もしくは本編を右ページから始めたかった(見開きで始めたかった)とか。
本編。シャンクス(でいいと思う)が怪我するんですが、デフォルメされたタンコブなので可愛い。かなりシリアスな場面に不釣り合いで面白いんですが、さすがに赤子にリアル負傷は描きづらかったか。
んで、シャッキー。「厄介だから殺してしまえ」となるのが、筋が通ってるだけに恐ろしかったし、そっから本作ではあり得ないほどに甘いロマンスに着地するので面白い。ここまで本気で恋愛を描くのはマジで珍しいですね。それも大人の恋愛。
とはいえ、あの状況で敵を殺せてないというのは結構違和感だったりする。キャラの格的に。救出で頭がいっぱいだったとかそういうことだろうか。
『魔男のイチ』51話
時間の魔法登場。登場もかっこよかったし、初手でいきなり時間狂わされて意味が分からなくなるのも最高だった。そんな不条理に冷静に対応するゲスカラスちゃんも歴戦の猛者感あって好き。能力が強いとか、バトルが強いだけではない頼もしさ。ひょっとしたら事前に対策を考えていた組織としての強さでもあるかも。からの魔法にまつわる衝撃の事実でエンド。マジでびっくりしてしまった。まんまと、である。異種との共生というのは『モジュロ』でもやってて最近頻出のテーマですね。まぁ、普遍的に正論すぎるのでそりゃいつだって少年漫画の「正しさ」として出てくるだろって話なんですが。現ジャンプの活きの良い看板作品が同じことやってるのは興味深い。
あとはアレだ。巻頭『ONE PIECE』に続いて、大人の恋愛オチですね。こっちはマジで珍しいと思う。家族テーマの派生と考えればこれまた少年漫画で定番ではあるんだけどね。
『SAKAMOTO DAYS』231話
銃という暴力を与えられてスラーを心酔する民衆と、クソデカ銃を剥き出しで走るカミハテ、という絵面が面白すぎる。ここらへんのトンチキなバランス、最高ですね。どこまで真面目に扱いたいのかが分からなくなる。んで、JCC。入学式の兄妹(双子)。袴ガトリングはロマンですな。いきなり敵攻撃されてピンチ!! みたいな雰囲気出してるけど、まだ何もバレてないのである。どこまでサスペンスを感じればいいんだ。
それはさておき、本作の女性キャラには本作にしかない色気があるので好きです。そして一番は葵さん(中身太郎)。たぶんだけど、本作のことイケメン方面で熱狂してるファンも似たような話だと思う。そういうのがうまいんだろうな。
『ひまてん!』60話
“気を遣い合うのもう辞めよう” というテーマはとても良いと思うんだけど、個人的にこういう「敬語はやめようぜ~!」的な申し出をしてくる人が苦手なので、今回の殿一には反射的に不信感を抱いてしまう。
ひめのの先生のアシストというのは分からんではないんだけど、事故的(意図的)にほのかと2人きりになって……のシチュエーションはちょっと複雑すぎるというか、意味不明だった。「そういうシチュエーションを与える」というメタ的な人物が劇中にいるせいで何でもアリになってしまった結果、「えっ この状況何!?」っていう。
健全な「寝る」と、ドキドキワードとしての「寝る」。事前に殿一は “お風呂意識しないの!!” と注意されてるので、彼だけはエロい方の「寝る」まで頭が回ったと思うんだけど、そこまで掘り下げないし、説明もしないバランスが良い。まぁ、普通に両者共にあのイメージは事後だろ、という見方は普通にできる。
『ウィッチウォッチ』219話
カンシが魔法でオモチャにされる回。ニコ不在でも可能なのか。 “魔女の文字には呪いの効果がある” が怖すぎるので笑った。モイちゃんが言ってるのも味わい深い。
そんな呪い。LINEスタンプになる。映画リクエストのくだりが面白いので、正直これを1話丸々使ってクイズ大会やってほしい気持ちがある。まぁ、あまり漫画向きではないというか、どこぞのテレビ番組とかでできそうなアイディアではあるか。どっかでやってたら観てみたい。youtubeなどでも可能か。動画運営をやってる読者がいたら是非とも真似してほしい。今回の場合とか、カンシとの関係性がなかったら『ダークナイト』かバートン版『バットマン』との区別がまだつかないので、結構クイズとしての面白さは深いと思う。出題側にも回答側にも。『ダークナイト』特定のために「コイン」を足す、みたいな戦略性も妄想できる。
センターカラー『カグラバチ』95話
妖術師のいる世界に秩序をもたらすために真打はどうしても必要、という過激思想に囚われた人物が、正義の組織のトップ層にいる。面白いですね。核兵器のメタファーって感じもするし、組織の頼りなさがバトル漫画として面白そう。真打を無視して、隔地の妖術師組織の話でエピソードを水増しすることもできそう。……まぁ、最近のジャンプ作品はこういう寄り道、水増しエピソードがないので少し寂しいですね。アニメオリジナルエピソードとか、劇場版のオリジナルエピソードとしか使い勝手が良さそうだけどそういうのも最近ないし。「○○編」と総集編で映画ビジネスするのやめてくれ。そういう意味で『ヒロアカ』は偉かった。話は戻って。理念を語る裏切り者に対してワンパン決めておしまい、というのも爽快で楽しい。圧倒的な頼もしさを見せて「ひょっとして最強では?」と期待させた薊がそのまま最前線に参戦、という流れも熱い。情報的なストーリー進行がバトル的な盛り上がりに直結する。
からのバトル。どんどんラフになっていくので笑う。ニューヨークで仕事なんてするから……。これは双城が銭湯に行く日も近い。まぁ普通に休載でいいです。
『アオのハコ』213話
バド部エースとして順調だが、本人としては悩みも多い大喜。運動部漫画の3年編としてシンプルに面白い。チームスポーツじゃないのも何気に珍しいと言えるかもしれませんね。近年のジャンプ作品で、進級を扱えるほど人気(長期連載)で、スポーツ漫画で、個人種目と絞り込んでいったらかなり少ないんじゃないかしら。本来は個人種目でもチームとして扱う(団体戦とか)、みたいな作品も多かったし。『火ノ丸相撲』とか。1番面白いからに決まってんだろ!(脊髄反射)『しのびごと』51話
ヨダカサイドは一旦勝ったので、アオイさんを追いかける。先に現地に到達する “一番頼りになる忍者” というのが熱い。バトル的な強さだけでは計れない頼もしさが本作にはある。珍しいというか、偉いと思います。言うて忍者だからね。
車の音でトビが本領を発揮できない(たぶん雨音も)、という強さのバランス描写も好き。本当はもうちょっと前から追いついてたけど、橋の上で交戦したいので泳がせてた、みたいな補足妄想をしても楽しい。
そんな小細工を戦闘力で覆す相手に対し、単なる戦闘力で頼もしい2人が参戦してエンド。頼もしさとは別に、ブラコンお姉ちゃんがちょっと面白かったです。若干のキモさがある。
火と雷なんですが、雨というシチュエーションにどうハマるのかも楽しみですね。火は雨に弱そうだけど、油でもあるからいろいろ応用はありそう。
『僕とロボコ』251話
ミステリー回。ジャンルパロかと思ったら意外とちゃんとしているジャンル回として、面白さがあるのは分かるんだけど、正直ミステリーに関してはそんな何度もやらなくていいかな……。面白くはあるんだけど、「意外とちゃんとしてる」の新鮮さがないので「お上手ですね」くらいの気持ちになってしまう。ホラー回は繰り返されても好きなんだけど。ミステリーの方が器用さが目立ってしまうということだろうか。アイドルがテクニカルなラップしてるのを観て(聴いて)、「お上手ですね」と虚しくなるのと似てる。
静岡すぎる人名は面白かった。
『呪術廻戦≡』4話
地味めなミッション(たぶん)が続くので嬉しい。やはり『呪術廻戦』本編でやるべきことは延々とスクナと戦うことではなく、三馬鹿の通常任務だったのではないかと思えてくる。
こじんまりとした事件で、「犯人はいるけど悪人はいない」というバランスで、最終的には子供をまじえて良い話で終わるのも非常に良い……と思ったらのツイストも最高でした。ああ、まんまと騙されてしまった。いつから同じ場所にいると錯覚していた……(穴掘ったとこから)。
ちょっと『呪術廻戦』関係なく面白いので、すごいですね。人気が確約されてるので好きなことを、試したいことを伸び伸びとやってる感じ。それを高クオリティで出力してくれる岩崎先生という相棒の頼もしさもすごい。やっぱあのガイコツのインパクトで騙されたところは大きいと思うんですよ。
センターカラー『鵺の陰陽師』116話
姫と結婚しないための方法。姫様を屋敷から奪う。花嫁泥棒やないかい。
んで、試練。姫様も全力で抵抗するので、まずは彼女を捕まえる。屋敷を自在に操る能力が見応えあって最高。ひょっとしたら無限城編より面白いぞ。初手の畳の質感が好き。
そんな鬼ごっこが面白かったので、すぐに終わって次のフェーズに移ってしまったのが少し寂しい。まぁ、話がどんどん次に進むのは魅力なんでしょうけど。
学郎が奪ってきた純潔。しょうもなくて笑った。「純潔改札口」は伏線だったのか……(違うよ)。
『さむわんへるつ』3話
カラオケのあるあるが分からないので実際にカラオケに行く。なるほど、大喜利を口実に実生活を充実させていく流れが自然というか、職人友達の青春として魅力的。やってることは『アクタージュ』でお馴染みのメソッド演技と同じアプローチである。そんな大それたものではないが。
2人でカラオケ、というのはミメイも初めて。リスナー友達ができることで、未知の世界が少しずつ埋まっていく、というのがとても輝かしい。そこで体験する小さなエピソードの数々が、かなり意図的に「カラオケあるある」の定番になってるのも面白かったです。カラオケあるあるを体得することによってネタが思いつく……となるのは凡人、と最後に捻ってくるのも良い。たしかにカラオケあるあるとして定番すぎるので、あんなん体験しなくても思いつけますわな。何をどうインプットしたら読まれるネタをアウトプットできるのか、という格の違い。
今週のラジオネーム。「バットばつ悪」がめちゃくちゃ面白かったです。いそう。
『悪祓士のキヨシくん』62話
かっこいい任務コスとしてMA-1が出てきたのが珍しくて良い。が、これは個人的な感覚によるものかもしれないが、言うほどかっこよくはなかったと思う。まぁ、MA-1がそもそもそんな好きじゃないというのはあるかもしれない。
魔界遠征のルール。「不干渉が無理なんだろうな~」と明らかすぎるフリに思えたんですが、本話の中で早速実現するのには驚いた。もうちょっと引っ張ると思ったのに。まぁ、どうせやるなら早くやった方が良いのかもしれませんね。
『恋と夜ふけとヴァンパイア』ダンジョウ
読切。ジャンプショートフロンティア。今月の『100分de名著』、テーマが『ドラキュラ』なのでみんなで観ようぜ。
ダンジョウ先生、過去にも読切載せてて、結構面白かった記憶。感想を読み返したら、「あらすじ的には普通だけど地力が感じられて面白い」的なことを言っていた。まんま新作の感想に当てはまるので流用させてください。特別意外なことは起きないんだけど、読み味としてはすごく良くて、読み終わった際の満足度がとても高かった。話は普通なのに……と漫画の奥深さというか、メディアとしての魅力を改めて感じるような作品。ショート作品でコンパクトにまとめたという意味でも良かったですね。ヒロインに恋に落ちるキッカケとか、変に説明とか回想入れなくても、店の裏で落ち込んでるところに優しく話しかけられる場面があれば好きなのは十二分に伝わる。冷静になって考えるとマジであの女性のこと(読者は)何も知らないんだけど、「主人公は彼女のことがめっちゃ好き」という説得力はしっかり感じられたわけで。
本当に意外性のない展開は特になく、女性に正体がバレても受け入れられてハッピーエンド。それ自体はあらすじ的には「まぁそうなんでしょうね」としか思わないんだけど、その彼女のリアクションを “私も映画観に行きたい” という一言で済ませたのがスマート。主人公が声をかける、誘う、守る、という話だったけど、最後の最後に彼女の主体性として「行きたい」に着地したのも最高ですよね。頑張った主人公に対して、彼女も同じように頑張ってくれる。2人のこと全然知らないけど、なんか尊い気がする~。
問題はアレですね。あらすじという記憶のとっかかりがないと、後で振り返ったときに「あれね 面白かったよね」となりにくい点だ。なので入念に書いておきます。話は普通だけど面白かった。というか、真面目な話、あらすじ的な面白さにばかり気を取られるのも良くないと思うのでね(あらすじ以外の面白さが詰まってるはずなので)、そういう意味でもあらすじ以外が面白い作品の存在はありがたいですよ。
『あかね噺』176話
あかねはその漆黒アイズで何を見るべきなのか。答えは自分。客を見てる自分、という感じだろうか。いわゆるゾーン体験としてよく言われるやつですね。芸能関係でも起こり得る話だったのか。
極限までに精度が上がり、密度が上がるとどうなるか。実際の現象として客はどうウケるのか、の部分を説得力たっぷりに描いたのもすごかったと思う。爆笑ではないが、あかねが提供した笑いが100%そのまま伝わってる感としてものすごく説得力あったし、漫画的な表現になってて好き。おまけにトドメとして出てくるのがメガネ演出ですよ。なるほど、「見る」と「視点」の話をする上でメガネはめちゃくちゃ便利アイテムですね。顔の正面を捉えて、彼が何を見てるかが絵として分かる。はい、今週のベストコマ。
『ハルカゼマウンド』15話
恵まれた環境にいたからこそ、魅力的な選択肢を無数に提供され、取捨選択できずに潰れてしまう。ジグソーパズルの表現も非常に分かりやすくて良かったんですが、「抱えすぎて潰れる」という問題を比喩として物理的に見せ、その解決策が「捨てる」なので、急に『しのびごと』とそっくりで驚く。解決策は「置いておく」やないかい。箱の借金で死ぬぞw
決め球と、「何でもマン振り」作戦の心理戦もめちゃくちゃ面白かった。面白かったんだけど、最後に語られる新しい決め球の詳細な説明がマジで何一つ分からないので我ながら情けなくて笑ってしまった。知らねぇ用語で知らねぇ用語の説明をされているw
『逃げ上手の若君』220話
本作のバトル描写は結構好きだったんだけど、ラスボス戦という気合いなのかエフェクトが多くなりすぎてる印象。いや、エフェクトというより、一方的な戦況というのが原因かも。よく分からんけど、若干何やってるか分からん。そういうのは『オテル』だけにしてくれ。尊氏個人との対決だが、同時に周囲の戦況も重要なファクターであって……というのは本作らしくて面白い。尊氏が舐めプに入ってるのは食い合わせ悪いけど。まぁ、いくら相手に加勢が来ても問題ないってことなのかもしれない。
『灯火のオテル』20話
そんな『オテル』。バトルが盛り上がってきて嫌な予感もしたんですが、互いに距離を置いてのクソハデ攻撃の連発になると、逆に「位置関係とかどうでもいいや」という感じになるので案外乗れる。「対策」が大事なテーマになってるのもあって、バトルロジックもしっかりあってなかなか楽しい。精霊の組み合わせとか良いよね。火は風に弱いけど、火を強くするのもまた風。
まぁ、風の精霊に関しては、ちょっとやりすぎだと思う。
『カエデガミ』14話
美でモブを殺す。女同士のキスってのは割と定番のモチーフなのでまぁそんなにインパクトないかな……と思ったら首もげてるので最高だった。やっぱ本作はこういうホラーシーンが最高に面白い。吸って殺すのは超常的な方法としてありきたりかと思ったんですが、普通に首っていう。
カジのバトル。まぁ正直コウたちが到着するまでの前哨戦なのは分かるし、それよりも敵との因縁のドラマを語りたいのは分かるんだけど、札を持った構えとか普通にかっこよくてワクワクしたので、場面が変わったらいつの間にか負けてるので少し拍子抜けだった。いや、ここで尺を割いても「どうせコウがやるんじゃん」となるんだったら仕方ないんだけど。理想はカジのバトル的な頑張りが、コウたちの苦境を救う的な感じだと思うので、次回以降そういうのに期待だ。ただ助けられるだけで終わるのは勘弁してくれ。
『ピングンポング』12話
スクランブル交差点での試合開始。さすがに広すぎ&カオスすぎ&情報量多すぎなので、結果的にバイブスのみが伝わってる感はちょっとある。
ただ、そんな中でも適切に情報を整理して、自分のルートも解析できるコーチが強い、というロジックが出てくるのはさすがの面白さ。才能の塊だった平の輝きに恐怖を抱いていたコーチと、そんなことは露ほども知らない平、という対比も良い。過去の因縁がそのまま現在の戦況に反映されてるんだけど、そもそも過去に因縁があった(嫌われてた)ということを平は知らない。この知らない、見えない、気づいてないというところが彼のスター性であり、今はそれが弱さ。
そして、見下ろせれば……という状況を打破すべく、物理的に見下ろせる作戦に出る平。ここも「注目を浴びる」「人を惹きつける」の派生になってて見事ですね。カオスな試合なのに、謎に話の筋がしっかり通る。事前にスタバから文字通り見下ろす視点が描かれたのもすごく良かった。具体的な位置関係が分かりやすくなるわけではないんだけど、「見下ろしたら全体が簡単に分かる」というのを自然と体感。コーチが人混みを縫いように走るシーンがヘビモチーフということもあり、「地を這うように」という「下」だったのも最高ですね。過去の場面においても、コーチは “知られちゃダメだ!!” と隠れる方向性だったのに対し、平は「上」で、徹底的に「目立つ」方向性で勝負する。やっぱ面白いな。すごい。
『エキデンブロス』13話
圧倒的スター選手に対するライバル心。天才を目の当たりにした話というのは直前の『ピングポング』と同じだけど、本作の方は目の当たりにしても「主役になりたい」ので面白いですね。主役を奪われ続けてきた悔しさ。
冒頭の “ようこそ的射劇場へ” は若干滑ってると思ったんですが、高校時代に経験した記者からの取材(脇役として)に起因してると思うとめちゃくちゃ腑に落ちるし、面白い。多少仕方ないとは思うけど、やっぱ可哀想だよなぁ。
駅伝らしい「山登り」のスキルがテーマになったのも面白い。主役になる、目立つという話が「上へ」の動きと合致してるようで良いですね。直前の『ピングポング』のトンデモオチと同じで、スターは自然と上へと登ってしまう。本作はそこに前後の関係性も加わるので、そのまんまではあるが「抜かれる」「追いつけない」という関係性も生まれるので良い。まぁ、何をやっても結局相手の方が速い、というのはロジックもクソもないのでやりすぎると漫画的にはまずいことになると思うんですが、まぁ作中でも最強格の人なので別にいいか。
巻末解放区!WEEKLY週ちゃん
9/30は世界翻訳の日ということで、作品名&キャラ名の中国語クイズ。厳密には台湾で翻訳されたバージョンから出題。雑草という名の草はないのと同じで、単に中国語と言った場合それは一体何なのか……とめんどくさいことになるし、言葉はアイデンティティにも関わるというか、台湾を中国扱いすると嫌がられることも多いと思う。そしてそれをややこしくした歴史の中に日本も大きく関わってるのでね、穏便に行きたいものですね……。
ということでクイズ。めちゃくちゃ面白い。漢字文化圏ということもあって「何となく分かるぞ……!」という感覚が楽しすぎる。
作品名。元のタイトルの文字を直訳したようなものもあれば、意味を咀嚼して翻訳してるものもあって最高。『ドラゴンボール』のドラゴンを「七龍」にするのとか見事ですね。あとは『ぼくたちは勉強ができない』が翻訳されるとなぜか「!」が足されてるのも面白かった。どっちでもいいけど、なんでだ。
キャラ名。日本語の「先生」が「老師」になるのは定番のオモシロだと思いますが、そこをさらに深堀りして日本語の「Mr.」が「先生」になってるのはややこしすぎるので最高。そもそも日本語の「Mr.」、って文章も一体何だ。ちなみに、「殺老師」と書かれると暗殺武術の達人みたいなイメージが湧きますが、武術の先生は老師ではなく師父です。
さらにちなみに、空手や柔道文化、『ベストキッド』シリーズのおかげで英語圏で教師を意味する「sensei」はかなり知名度のある言葉になってるらしい。普通に訳す場合、日本語の「先生」は英語だと「Mr.(など)」になることが多いですが、「Mr.」を中国語にしたら「先生」のはずなのにここでは「老師」が正解。メビウスの輪かよ。さらに言うと、英語圏で「Mr.」を意味する「san」もめちゃくちゃ有名になりつつあって、事態は混沌を極めます。大谷翔平がアメリカで野球教室を始めた場合……とか考え出すと楽しい。
次号予告
『カグラバチ』が2周年で表紙なんですが、なんと堀越老師が参加するイラスト企画があるらしい。すごい……と思ったけど、『ヒロアカ』のアニメがちょうど始まるのでその宣伝でもあるのか。うまいこと繋げてきたな。
目次
川江老師が牛歩チョコエッグを満喫中なんですが、そんなチョコエッグ界にまさかの新星。どうして漫画家はチョコエッグに惹かれてしまうのか……。真面目に考えると食べ物を買うついでに見かける最も代わり映えするものだから、だと思うので連載作家は本当に大変なのでしょう。
愛読者アンケート
話題や流行の情報を集める際、最初の媒体。具体的な目的があって調べるのではなく、何が話題なのかを調べる手段。この場合、AIは無理じゃない? 私が無知なだけだろうか。なんで選択肢にあるのか少し不思議なくらい。
続いて、情報を発信する際に活用する媒体。ブログとツイッター。
漫画の読み方。何を紙で読んでるか。ジャンプくらいかな。今となってはジャンプだけだが、感覚的には基本は紙だけど、漫画をそれほど読まなくなったのと、逆にエロ漫画は基本電子がいいな、という感じ。
ジャンプの電子版を知ってるか。知ってる。
ジャンプのみ紙という人、その理由。基本が紙という認識なので特に理由はない。選択肢の中だと「習慣になってるから」が一番近い。
総括
金曜深夜更新となりました。言い訳がましいのですが、水曜深夜の段階にはほとんど、漫画の感想は書き終わってて、木曜に最終作業して終わりだと思ったんですが、木曜に新しいスマホが手元に来まして。週末まで放置すればいいんだけど、設定作業とか始めたら思いの外時間がかかりましてね……。まだ全然終わってない。無限設定編、もしくは無限ログイン編 第一章。
ベスト作品。変則的ですが、プレゼントページと週ちゃんのダブル受賞ということで。特にこれといったのがなかったのと、めちゃくちゃ面白かったから。
次点はそれでも面白かった読切。『恋と夜ふけとヴァンパイア』。
ベストコマ。『あかね』のメガネ。理由はメガネです。メガネ演出として極めて珍しいというわけではないんだけど、一話の中で静かに盛り上がってきたのがメガネ大映しで爆発する構成なのでそりゃもう最高のメガネシーンですよ。アニメ化してほしいですね(まだ無理だよ)。
ベストキャラ。『あかね』のメガネのオッサンですね。「本話のクライマックスお前かい!」ってなったからです。ありがとう。
gohomeclub.hatenablog.com








