パイは剣より強し
前作の大ファンです。前作がヒットしてから割とすぐに「続編あるかもよ」みたいな話を聞いたと思うんですが、意外と時間かかりましたねぇ。
3D字幕で観ました。3D映画としては、最上級に向いてる素材だと思うんですが、その期待に応えてくれる出来だったと思います。いつも書いてると思うけど、映画冒頭に3D効果の強いシーンがあると、「コレコレェェ!!」とテンション上がりますね。本作だと記憶を失ったマーヴがぐるぐる落ちていくというイメージショットとか、すごくよかったです。
まぁ、不自然なくらい飛び出してもアリになっちゃう素材だとは思うので、もっと飛び出してほしかった気もしますね。まぁ、けど、充分。
- あらすじ
- 前作の皆生きてるよ(1人例外)
本作といったら唯一無二と言えるあの映像美でしょう。アレに再び出会えただけで、ファンとしては満足なのですよ。大満足。
まぁ、正直なところ、前作を初めて観た時のような衝撃はなかったんですよ。当たり前ですけどね。初めてじゃないんだから。だから、どこまで自分の印象を信じていいのかわからないんですが、ビジュアルセンスが前作よりも劣ってるような気がしないでもないです。フランク ミラーの監督業がより前面に出ることによって‥‥みたいな考え(予想)もあるんですが、まぁ、細かい事情は知らないので邪推です。
ただね、『300 帝国の進撃』の時のような、「前作の方がセンスよかっただろー」って明らかに感じる程ではなかったですよ。まぁ、『300』は意図的に毛色を変えるつもりだったんだと思いますけどね。監督が交代してるので、同じものを目指してたらもっと「なんか違う‥‥」という微妙なものになってたかもしれません。
映像以外にも、ワタクシは『シンシティ』における、ちょっと古臭いと言われるかもしれないハードボイルトな世界観も大好きなのですよ。とにかくナレーションで語りまくって、酒を飲んで、コートを着て、車に乗って、女のために銃をブッ放つ。「ちょっと今風ではないのかもしれない」という世界観が例の映像美と相性バッチリなんですよね。本作でも痺れました。
本作の邦題に付いてる副題「復讐の女神」ってのはジェシカ アルバ(ナンシー)のことでいいんですかね。「前作の続きが見れるよ!」という続編らしさはナンシーの章が一番、というか唯一だったと思います。
ただ、原題に付いてるのは「A DAME TO KILL FOR」なんですよね。これは役者が変わったドワイトの章のタイトルなんで、原題と邦題でどこに重きが置いてあるかが違ってる印象。まぁ、『ベイマックス』ほどではないですけど。
ワタクシとしては、やはりナンシーのその後が気になってたのですよ。もしくは、ジェシカ アルバの美貌。なので、とりあえずはナンシーの章を期待してたんですが、意外とそれ以外の章でもナンシーの出番多かったですね。てか、どの章でも例のバー(ケイディ)が出過ぎててちょっと笑った。世界の中心すぎる。
まぁ、そんなワケで、ナンシーの出番が多くて個人的には大満足。しかもダンスシーンが超増えてますからね。やったねたえちゃん。ダンスが増えるよ。
そのダンスシーンっていうのも、毎回衣装な髪型(ヅラ)が変わってるので、「いろんなジェシカ アルバが見れる!!」という超お得な作品になってました。ごっつぁんです。
一方、復讐じゃないけど女神なのがエヴァ グリーン演じるエヴァ(スペル違う)。もうこれは誰もが認める本作のベストキャラでしょう。完全に魅了されましたよ。最強すぎる。
おっぱいを武器に男を手玉に取るファムファタール‥‥という言葉では表現しきれるのか不安になるレベルの怪物。屋敷の2階から来訪者を見下すシーンと風呂で電話に出るトコとか、特にヤバかったですね。エロ的な魅力とは別の悪役としてのカッコよさが尋常じゃない。
そんなエヴァ グリーンにまんまと騙された挙げ句身を滅ぼすのがモート刑事なんですけど、この人に対する同情、感情移入がすごかったです。観てて「コイツはオレだ!!」という気持ちでいっぱいでしたよ。そりゃあんなおっぱいに迫られたら‥‥。ベッドで横に寝てる妻にチンコが1ミリも反応しなくなる感じとか‥‥見ててつらかったw
その他、前作キャラが多数出てくるので、前作ファン的には安心の作りですね。‥‥あっ、新キャラのジェゼフ ゴードン レヴィットも超よかったです。『シンシティ』的なカッコよさに溢れててホレました。
まずは、マーヴ。キャストのクレジットが本作では一番最初になってましたね。前作ではジェシカ アルバだったのに。まぁ、そんなクレジットの位置も納得なくらいに出ずっぱりでした。とにかく元気。「困ったらバーで飲んだくれてるマーヴさんに頼めば何とかしてくれる!!」という何でも屋状態でした。
そして、意外と劇中では最強クラスのキャラだったのね、というのも本作で気づきました。ミホかマーヴの2強、という感じでしょうか。
ドワイト。前作の主人公の一角が本作でも主人公の一角。ただし、キャストは変更。クライブ オーウェンのビジュアルが好きなので残念でしたが、ジョシュ ブローリンもなかなかハマってましたよね。不倫の現場写真をおさえるだけ仕事なのに、DV野郎に我慢できなくなる感じは紛れもないドワイトだったと思います。
ジョシュ ブローリンはいいんだけど、いかんせんビジュアルがクライブ オーウェンとは違うんですよね。まぁ、整形する、というロジックがあるので理屈は通るか。
ただ、整形前のジョシュ ブローリンの頭部が丸っこくて耳がデカイ。シルエットが前作のイエローバスタードに見えるんですよ。ワタクシだけですかね? はい、そうですか‥‥すいません。
キャスト変更で残念だったのは、やっぱミホですか。デヴォン青木からジェイミー チャンへ。『ドラゴンボール エボリューション』のチチだ!!(今更それかよ)
ぶっちゃけ、役から離れてる時のヴィジュアル、役者としてはデヴォン青木よりもジェイミー チャンのが好きなんですよ。なんですがー、ことミホとなると、ちょっとなー。前作のハマリっぷりは異常だったでしょ。1人だけ戦闘能力が別の世界観というキャラの魅力もそうですし、デヴォン青木が扮するあのビジュアルの印象ががもう強すぎるんですよ。
原作のミホを見てみますと、意外とジェイミー チャン版の方が近いのかな?とか思わないでもないんですが、原作コピーとかそういう話じゃないんだよ!!というレベルにデヴォン青木が強すぎたのです。(本作で原作コピー否定したら終わりだと思いますが)
あと、地味にキャスト変更がつらかったのがマヌート役。こちらはマイケル クラーク ダンカンが亡くなられたので仕方ないんですけど、あの義眼のインパクトが強いキャラなので、義眼がない上にキャスト変更までされちゃうとマジで誰だかわかんなくなっちゃうレベル。実際、例の義眼が出てきた時に「あっ‥‥新キャラじゃなかった‥‥」ってなりましたからね。
前作ファンとかどの口が言ったんじゃボケ、という話になるんですが‥‥。
あと、最後に気になったのが時系列。各短編がグチャグチャなのはいいんですよ。それが絡み合っていく、というのが魅力なんですし。あくまでも「シンシティ」という街単位で語られる物語、という印象が強くなるのでそれは文句ないんですが。
本作と前作の各短編を適切に並び替えたらちゃんと辻褄あうの?というのが少し気になってしまって。深く考えたワケではないので、印象論ですけど、意外と辻褄あわないんじゃないかなぁ。
並び替えをやる上で重要になってくるのは、マーヴ、ドワイト(の顔)、ナンシーなんでしょうね。特に本作でのマーヴの出番は異常なので、「意外とマーヴが死ぬのって最後の最後なのね」と驚きました。前作の頭ですからねぇ、マーヴの「ハードグッドバイ」は。
ということで、終わり。前作ファンならとりあえず文句ないでしょ、というレベルではあったと思います。エヴァ グリーンが最高すぎた、という思わぬ収穫もありましたし、おっけーでしょ。
90点。
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