観ました。『イップ マン 葉問』。新宿武蔵野館です。
ここで、ややこしいのがワタクシがなにを観たのか。ちなみに、この「葉問」と書いて「イップ マン」と読むのが正しいです。中国読みでね。イップ マンという人物の半生を描いた作品です。イップ マンというのは、詠春拳を広めた人で、ブルース リーの師匠として有名な人です。
邦題が大変わかりにくいので、原題で説明します。
原題:『葉問』 邦題:『イップ マン 序章』
原題:『葉問2』 邦題:『イップ マン 葉問』
なので、一番困るのが「葉問観たよ」という発言。どっちのことかよくわからない。『1』の原題なのか、『2』の邦題なのか。
そして、ワタクシが観たのは『2』です。
『1』はまだ観たことないです。なぜなら、日本公開されてないから。
新宿武蔵野館では、本作『葉問2』の動員が5千人を超えたら、前作『葉問』も公開する、というキャンペーン中。
「水増ししてるんじゃないの?」という疑惑が言われてて、そこらへんもおもしろいんですが。
ワタクシとしては、『2』からでもいいから公開してくれてありがとう!!! という気持ち。
けど、頭に乗られるとムカつく。ちゃんと『1』から公開しろよバカヤロー!!!
ちなみに、『1』公開を渋ってるのは、日本兵が悪役として出てくるから、というのが一般的。そんなんで日和ってんじゃねぇよバカ!!!!!
タイトルもややこしいし、日本の公開の順番もおかしい。
ちなみに、本編終了後に『1』の予告編がつきます。これもおかしな話だよ。
おかげで、『2』本編を観てると、中盤に「お前はあの時の!!」 「久しぶりだな、助けにきたぜ!!」と知らないキャラが登場して困惑します。みんな『1』を観ればわかることです。
ついでに、『2』での主人公イップ マンは寡黙で、感情的にならず、平和主義なキャラなんだけど。『1』の予告ではイップ マンが怒りにまかせて戦ってるシーンがあったりして。多分、『1』観てると、キャラクターの変化も楽しめたのだと思います。
『2』の中には、「師匠、十人同時に戦うことになったらどうする?」 「逃げる」 ってシーンがあるんだけど。『1』の予告に十人くらいと戦ってるシーンがあったんだけど。ひょっとしてあのシーンと呼応してるんじゃないの?
まぁ、いいや。おもしろかったもん。
例の水増し疑惑の話によると、『1』の公開は決定したようなもんらしい。まぁ、いいじゃないか。うれしいよ。観たいもん。今年の年間ベストテンに2作入るのはほぼ間違いないんじゃねぇの? 『2』より『1』のがおもしろいって話も聞きますし。楽しみだよ。詠春拳VS極真空手。
あらすじ
詠春拳を広めるため、イップ マンは街に道場を作る
弟子が集まり出した頃、地域の道場の組合長に文句つけられる
我々組合の師匠たちと戦って実力を証明しないと道場は作っちゃダメ
師匠たちと対決
対決を通じて絆を深める
イギリス主催のボクシング大会で、中国武術が侮辱される
直接対決
ボクシングチャンプとの戦いの末、師匠が死ぬ
亡くなった師匠のため、中国武術のため、イップ マンはチャンプに勝負を挑むことに
まず、ワタクシ、カンフー映画に関してド素人なんで、そこらへんの細かいことはわかりません。申し訳ないです。
なんだけど、単純に超スゴかったのはわかりますよ。本作のアクションが。てか、イップ マンを演じたドニー イェン、通称ド兄、はやすぎだよ!! 手が見えないよ。
それに、殺陣も各種あって飽きない。みんな違ってみんなカッコイイ。巨大テーブルの上での師匠たちとのタイマンとか、魚市場での大勢が武器を持って襲ってくるのをすのこ1つで返り討ちにしたり、なによりも最後のボクシング対カンフーの異種格闘技戦ね。テンション上がるわぁぁ。ボクシングVSカンフーというのを、筋肉VS非筋肉、ビッグマウスVS謙虚という風に描いたのもわかりやすくてイイ。まぁ、ビッグマウスとかの前にイギリス人がみんな嫌なヤツなんだけど。
イップ マンが勝利者インタビューでもの凄く謙虚な受け答えをするのね。そして、観客の西洋人スタンディングオベーション。イチローとか松井秀喜が活躍した時も謙虚な態度が好評だった、ってのと一緒ですね。欧米の奴らは下品だからな(←失言)。
試合中にさ、イギリス人が「ヤバイ、負けそうだ。次のラウンドからは蹴り技禁止にしよう」って言うんだけど。
カアァァ―――――。西洋人っていっつもそんなんばっかだな。試合に負けるとすぐルールを変える。中国とか関係ねぇよ。アジアと欧米の問題だね。日本人だって何度もそれで泣いてるよ。
本作を観て一番驚いたのが、泣きそうになったんだよね。エモい。ものっそいエモーショナル。泣かせにくる。クソ邦画みたいな泣かせ方じゃないですよ。共通点として、「人が死んで泣かせる」というのがあるけど。病気だとか事故で人が死んだって別に泣かねぇよ。バーカ。戦って死ぬから泣けるんだよ。負けると、死ぬとわかっていても戦う姿に泣けるんだよ。イップ マンがタオルを投げようとするのを止めるシーンでの涙腺破壊力は凄まじいですよ。「自分のために戦うのではない。中国武術のために戦うのだ」つって。この師匠は以前から「自分のことしか考えてない」っていうのを言ってたんだよね。それがここに呼応して、泣ける。
そんな師匠の姿がラストバトルの時にフラッシュバックするんだよね。イップ マンと師匠の姿がシンクロする。そして「これはクリリンの分!!」ときて再び涙腺がヤバイ。
そんな師匠とも、最初は対立してたんだよね。それが一騎打ちをしてから仲良くなっちゃって。そんな描写も大好きである。ある日のこと。
「お前か。なにしに来た?」
「別に・・・・。通りかかっただけよ。あっ あの・・・・・今度のボクシング大会のチケットが余ってるんだけど・・・・・・よかったら一緒に行かない? べっ 別に同じ武道家だから誘ってるんであって・・・・勘違いしないでよね!」
なんというツンデレ。萌えた。
えっ? 実際は女言葉じゃない? 実際は太ったオッサン?
うるせぇよ!! あそこで手ぇ出したらイップ マン不倫になっちゃうじゃねぇか! そういう配慮だよ。実話が元になってるからそういう配慮が必要なの!!!
・・・・・・多分。
とにかく、萌えと燃えが両立してる映画に間違いはないの!!『キック アス』だってそうだろうよ。クロエ モレッツがサモ ハン キンポーになっただけだよ。些細な問題である。
完全なネタバレだけど、最後にブルース リーがイップ マンの元に弟子入りしようとやってくるんだけど。カンフー門外漢のワタクシとしては「李小龍」と聞いてもブルース リーと理解できなかったのがお恥ずかしい。けど、おかげであの少年が小生意気に鼻をクイッとこするシーンで感動の爆発を得ることができたけど。
まぁ、タイトル問題、公開問題、水増し疑惑といろいろとありますけども。こんなバカみたいなことは言いたくないんだけどさ、
イイもんはイイんだよ!!!
90点。

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