北区の帰宅部

映画の感想を書きます(嘘&希望)

映画『アメリカン・ハッスル』の感想

ジェニファー ローレンス最強伝説

 アカデミー賞関連で話題の『アメリカン ハッスル』。『世界にひとつのプレイブック』から2作連続で演技部門全ノミネートというのがスゴイですね、デヴィッドOラッセル。そして数の関係でノミネートから漏れたジェレミー レナーがかわいそうです。

  • あらすじ
    • カジノ作ろうとする政治家をハメる

 実話ベースの嘘のような嘘についての話、ということで『アルゴ』を連想してしまったんですよ。アカデミー賞が云々ってのもそうですし。
 んで、『アルゴ』に比べるとイマイチだったかなぁ、と勝手ながら思いました。「ホントに実話かよ」って驚きもそうですし、エンタメ作品としても『アルゴ』の方が楽しかったなぁ、という感じ。作戦が始まるまでの序盤、中盤が結構だれたんですね。ジェニファー ローレンスが出てくるトコは楽しいんですが、彼女も物語の主軸とは全然関係ないキャラでしたからね(前半は)。

 とはいえ、つまんかったというとそういうワケではなくて。やっぱり役者の演技を見るのは楽しいのです。普段は演技の良し悪しとかよくわからないんですが、それでも「こりゃすげーわ」という魅了されました。
 一番わかりやすいのだとクリスチャン ベイルでしょうか。映画が開幕すると同時に現れるデブでハゲのオッサン‥‥だけど顔だけはクリスチャン ベイル。一瞬アイコラかと思いましたよw
 嘘についての映画の冒頭に、嘘を生業にしてる人物が嘘で塗り固めてる(ヅラ装着)シーンで始まる、というのはうまいイントロでしたね。プロが一仕事する前に準備をするシーンって大体カッコよくなると思うんですけど、これに関しては笑えました。
 そんなどーしよーもない見た目なのに、なんでか魅力的に、というかセクシーに見える瞬間があるから驚きでしたね。もちろん顔がクリスチャン ベイルだから、というのもあるんでしょうが。「悔しいけどモテるのも納得」って感じでした。

 本作の中では、個人的にはジェニファー ローレンスを推したい、っていうか本作を観た人のほとんどそうなんじゃないですかねw とにかくすごかったです。メインの役者陣の中では一番若いのに、一番ふてぶてしいというか、「こいつには絶対勝てない‥‥」というパワフルさがありましたね。
 それまでは充分に魅力的だったエイミー アダムスもジェニファー ローレンスと同じ画面に入ると劣って見えちゃいましたからね。まぁ、それでも「あの百戦錬磨の女が負けてる‥‥」という演技の魅力はあったんですが。そういう意味でも、本作で一番感情移入しやすいのはエイミー アダムスの役ですかね。あのジェニファー ローレンスと対峙したら誰でもああなってしまうというか。
 そんなジェニファー ローレンスで好きなシーンは電子レンジ壊すトコ。それ以前にも「よく火事を起こす」というのが言葉で説明されてて、「さすがに言い過ぎだろw」とか思ってたんですが、ホントに火事起こしちゃったっていう。100%彼女に責任があるんだけど、面と向かって言い合ったらすぐに文句言えなくなっちゃうのがよくわかります。いくら理屈で勝っていても彼女には勝てない‥‥という感じですかね。ああいう人がリアルにいたらマジで泣き寝入りです。

 ジェレミー レナーはアレですね。見た目。あのだっさいリーゼントがクセになります。真っ白とは言わないけど真っ黒なワケがない、大悪党なはずがない、というのが一目でわかるのが素晴らしかったですねぇ。
 そんな見た目だから、騙すのはチョロいけど、騙してるうちに嘘であるはずの友情が本物になってこっちが勝手に罪悪感抱いてしまう、というのがリアルでした。ラスト、彼との別れを決定づけるシーンは結構涙腺にきましたよ。けど、見た目は馬鹿らしいまま、というのがサイコーです。

 主要キャラの中では(個人的には)一番印象の薄いブラッドリー クーパーなんですが、ラスト、作戦が成功したと勘違いしてバカ騒ぎするシーンは大好きです。あのシーンだけ『ハングオーバー』状態でしたよね。彼の成功が悔しくて苦虫噛み潰してる上司のモノマネする所とか完全にフィルでしたよね。そのままラスベガス行きそうなレベル。それだけバカ騒ぎしたからこそ、騙してたのが明らかになった時の「ザマァww」という快感が増したのだと思います。

 主要キャラ以外では、ノンクレジットのカメオ出演のあの人、どーよテル(違)。当たり前ですけど、知らなかったのでビックリしましたよ、マジで。
 あのキャストのスペシャル感が「あっ 違う世界に入っちゃったな」という感覚に通じているようでおもしろかったです。
 そして、あのアラブ語を話し出した瞬間、空気が凍り付く感覚ですよね。「オワタ‥‥」という血の気が引いてく感じ、疑似体験だとものすごく楽しいんですよね。ワタクシはメンタルが弱いので、実際にあったら多分ゲロ吐くか失神すると思うんですけどw ああいう悪夢体験というのが映画ならではの魅力なんじゃないかな、とか偉そうなことを考えちゃったりしました。本作のジェニファー ローレンスに魅了されるのと似てますね。現実では絶対に関わりたくないけど、映画の中だと超魅力的、っていう。


 ということで、『アルゴ』よりおもしろくなかったとか言いつつも、おもしろかったんですよね。当たり前だけど『アルゴ』とはまったく別の魅力に詰まった作品でしたし。
 70点。

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