北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年20号の感想

 某所で『ハイキュー』研磨のぬいぐるみを見かけた。ネコになってるやつ。めちゃ可愛くて「グヘヘ……撫で回してやろうか……」と思ったけど、「元は人間なんだよな」という考えが頭をよぎりやめました。嘘。軽く触る程度に撫でた。その点モルカーは撫でやすくて良い。ケツ撫でまくりだし、匂いも嗅げるぞ(買ったやつです)。

表紙

 新連載。巻頭カラーでも思ったけど、キャラが多い。やっぱこういう作家は1年保証(家電みたいな言い方)とかされてんのかな……と思ったけど、初回からキャラ多いので、元々そういう話なのでしょう。まだ出てないキャラもいるので、たぶん。
 てか、まつげ率高いですね。

読者プレゼント

 シェイクスピア。タイトルにある「ジェンブスキヤ」って何? シェイクスピア用語なのかな? と数秒考えちゃったけど、シェイクスピアのダジャレか。よ、よわい……。
 最近このパターン多いけど、各商品紹介のダジャレが良い。「推セロー」とかも良いけど、個人的にはやはり「気分はウハウハムレット」。文字数多いのに1文字しかかかってない。これでしょ。

巻頭カラー『願いのアストロ』和久井健

 新連載。篠原先生が似たようなタイトルでやってた気がする……『彼方のアストラ』。思ってたより近くて安心した。
 本編。ヤクザの組長の葬式。養子がめちゃくちゃ多いが、主人公は唯一の実子で、当然跡目争いに巻き込まれる。王位継承戦じゃん。『HUNTER×HUNTER』は再開しなくてもいいから連載の形態がどうなるかだけ教えてほしい。
 表紙と巻頭カラーにキャラ多くてびっくりしたんですが、「こんな大きな葬式やっちゃって」と圧倒される初回だったので、とにかくキャラが多いことも大事だったのでしょう。特別突飛なことしてるわけじゃないけど、結構新鮮なシチュエーションで面白かった。くせ者がたくさんいて、実子以外で最大の実力者が周りで噂されてて……みたいな。この葬式のくだりが今回一番好きだな。
 父親。社会貢献するヤクザという少年漫画とかでお馴染みのアレ。『ニセコイ』でもあったけど、活躍の場として夏祭りが描かれてるのが妙にリアルで面白い。
 葬式や遺言(嘘)による跡目の指名はあったが、意外とあっさり終わり、流星群。のんきに願ってると「近すぎない?」となって、大爆発。この大災害感は良かったな。こちらに天井を向けて飛んでくるビル、という絵も素晴らしい。
 ビルの下敷きになった相棒(跡目)を助けるために親父譲りのパンチを繰り出したいが、そこに謎パワー注入。パンチが弾丸ってのは分かるし、その比喩を妙にリアルに説明するのとか面白かったんですが、弾丸パンチでビルに穴あけるのかと思ったらビル全体を吹き飛ばすので最高。「そうはならんやろ」「吹き飛ばされた先で同じ被害が……」とか3割くらい考えちゃうんですが、この単純化されたバランスと絵面が気持ちいい。ここで「パンチしたらビルごと吹っ飛ぶんですよ」と思いつけるのが漫画家という職業なんだろうな。マジでちょっと感心というか、想像力の限界を感じた。
 要するに異能ってことなんだろうけど、それは街中で、強者弱者の区別なく発生した現象らしい、となるラストも良い。主人公の特権的な能力ではなく、世界が丸ごと変わってしまった……という感覚のまま初回エンド。まぁ、あとは主人公は意志のチカラが強いとか、強さのイメージが具体的だから強いみたいな話になるんですかね。
 ヤクザ設定とか、その描き方、そして異能の設定とか若干の古臭さも感じるんですが、そもそもヤクザという存在が古臭く、古いままの姿では絶滅不可避なものとして扱われるので途端にリアリティと魅力を放ち出す。ここらへんのバランスが見事でしたね。読んだことないけど前作の評論で「ヤンキーを時代錯誤なものとして扱った上でそれをタイムリープで飛ばす」みたいなものを読んだか聞いたことあるんですが、それと似た発想を本作にも感じました。まぁ、私の和久井先生情報がそれくらいしかないから、そこにすがってるというのはあるかもしれないw

『あかね噺』106話

 難しい話は一端置いといて、口上やりーの一席やりーの、からの本題。打ち上げ。いや、打ち上げというよりもうちょっと本番感、オフィシャル感あるやつか。結局酒を介してもっかい祝うんじゃ意味ないじゃん、と思わなくもないが、畏まった祝いの場しかないのもイヤな気持ちも分かる。
 酒の席。未成年の、しかも女子。いろいろと無理があるので下手に描かず省略した方がいいと思う。酒飲む人たちのバカ騒ぎというのを魅力的に描くのがかなり無理筋だと思う。そう思ったんですが、最後に「上半身裸でサボテン」という謎の絵面が飛び出すので笑っちゃった。リアリティは感じないが、不健全な要素のない「バカ騒ぎ」感として何とか成立してたというか。
 けど、無理して未成年が混じって楽しまなくてもいいと思うよ。手伝いに専念するとかでもいいし。
 ……とここまで書いて不安になったけど、今のあかねってもう成人してたっけ? 少なくともまだ酒は飲めない年齢だった気はするけど。全部間違ってたらごめんね。

『超巡!超条先輩』10話

 思春期の中二がやってくる。エロだ。超能力とエロの話だ。たしかに本作の設定なら不可避のテーマだし、むしろ10話まで騙し騙しうまくやったと思う。色っぽい要素を徹底的に排除するが、それでいてクズ男描写の邪魔にならないようなバランスを保つ。何気にものすごいことをやってたんだと思う。超巡の年齢が高めの設定だったのはそれもあるんでしょうね。ポンちゃんに対してマジで興味ない、と読者が自然に思わなければならないw
 そんな伴。キャラが強すぎるというか、当たり前のようにメタへと到達するので笑う。その認識を持てるのはもはや一種の超能力なのよ。
 伴くん、タブーに踏み込むみたいなギャグになってるけど、実際のところはこういう疑問は遅かれ発生するので、その言い訳と説明ですね。そして、伴くんが「日和ってんじゃねぇぞ」という旨の発言を繰り返してるけど、彼はもう沼先生のオルターエゴでしょ。正直話のオチが弱いというか、伴くんの件が解決した感が全然ないんだけど、沼先生の中の天使と悪魔が言い争いしてるだけで一話作れちゃうんだから強い。作れちゃうというか、さらけ出しちゃうんだから強い。メタ発言がなくても剥き出し感がすごい。

センターカラー『アンデッドアンラック』203話

 人気投票の結果。ファンが3位でびっくり。しかも票数がエグい。差が1%ちょっとしかない。どんだけ僅差なの。ファンが1位でも全然あり得たレベル。正直どういうファン層なのか分からない……ファンだけに、ってなっちゃうのがイヤだ。まぁ、強さへの執着みたいな部分がウケやすいってことなのかな。
 本編。この場にいる中では人気トップのファン。ファン感謝祭みたいな回……マジで意味が分かりにくい単語だ。
 本編1ページ目でファンが転送されてきたのかの疑問をクチにするので信用できるんだけど、その答えは出ないまま話が進むので信用できるのか分からない。
 ランゲージの次は「進化」。進化からイメージされる何かが現れるのかと思ったら彼女自身が進化するのでワケ分からん。何を言ってるんだ。まぁ、勝手にルールを変えちゃう不条理みたいな話なのかもしれないけど、普通に興味がなくなる方のが強いかな。
 あと、ランゲージが進化したら帽子のバベルの塔が完成しちゃったんだけど、逆じゃない? あの塔が崩れた出来事が言語に関係するのであって、別にあの塔自身は言語を象徴するわけじゃないじゃん。あの塔自体はあくまでも「調子に乗った人間の愚かさの象徴」だと思う。それを強くなったランゲージが被るのが分からない。最初は完成してた塔がフェーズが進むに連れて崩れていく……だと思うんだけど。どうなってるの。
 あとメガネ外さないでほしい。いや、外す描写を入れてほしい。ただ消えるのは悲しい。そもそもランゲージが大人になったらメガネが消えるってのも意味分かんないし。肉体的成長で視力が回復したら苦労しないよ。
 ニコとファンのコンボ。2人が協力すれば強い、くらいの理解は追いつくんですが、ファンがわざわざしりとりで一手使わないと技を繰り出せないのがやっぱり分からなくてですね。即興らしいので、今まで存在しなかった技をしりとりのイメージを具現化するチカラを利用して完成させたってことかもしれないけど、即興の技名は普通にしりとりに使えないでしょ。「東風」を生み出して、冷気とその風を利用してファンが「東風弾道脚」という技を繰り出す、なら分かるんだけど。難解……。

『アオのハコ』145話

 扉。2年組がメガネで遊んでて最高……。ランゲージに失望して荒んだ心が潤う。やはりメガネですわ。メガネかけてない人が遊びでメガネをかけるのもおいしいし、メガネくんがメガネを没収されるのもおいしい、やることなくて無理矢理メガネポーズする大喜も可愛い。仲良しグループのメガネいじり。助かる。
 本編。勉強。試験前ってのもあるけど、3年は受験もあり、「3年は受験なのか」と2年が気づいてエモくなる。
 からの1年、遊佐弟。最も勉強に興味がなく、そこを雛に絡まれる。正直あの絡み方は相当うざいと思うんですが、雛としては少しでも勉強をサボりたい(「飲み物買ってくる」の時間で勉強以外のことを考えたい)心理もあったんだろうな。
 遊佐弟の、兄うざいという相談。 “座んの!?” となると雛に笑ったんですが、腰据えて語りたくなるくらい、相談の内容が刺さった、共感したってことなんでしょうね。もちろん土台にはサボりたい気持ちがあって、饒舌なのは最初はサボりたいからもあっただろうけど、徐々に語りがマジになっていく。ふざけたノリだけど……という機微が最高。こういうのだけ見てて楽しいから本作は強い。話の着地が “私みたいな人の地位を脅かす” なのも良い。雛の頭にはお手本サンプルとして大喜がいるわけで、大喜が雛を脅かす(脅かした)とは……とか考えるだけでおいしい。そして、のんきにこんな話をできるようになったんだねぇ……と雛の成長が感慨深い。
 大喜は自宅でも勉強。当然千夏パイセンと一緒にやることになるんですが、近くに親がいるので……とこそこそしてるのが最高ですな。最高なんだけど、シチュエーションが完全にエロ漫画なんだよな。この2人が付き合いだしてからはマジでエロ漫画的なシチュエーションが多すぎる。エロくなくても魅力は生まれるのか……と謎の感心をしてしまうんですが、おそらく別にエロ漫画的なシチュエーションじゃないんだと思います。発想が汚らわしい。くそぅ。

僕のヒーローアカデミア』420話

 白雲復活……と安易にはならないが、ここで相澤先生が “…でもこいつは雄英生のまま死んだ” と言うのが良い。すっかり大人だが、彼は今でも高校生のまま。先週から急に「アカデミア」要素がバンバン出てきて面白いんですが、まさか白雲も先生と生徒に着地するとは思わなかったな。めっちゃ良い。
 何やかんやあって到着。相澤先生とデクといえばエリちゃんなので、ここでエリちゃんの話もクライマックス。ツノを煎じて飲むのか……(違う)。エリちゃんを戦地に連れてくのは違和感すごかったんですが、こういう形でデク復活(仮)になるとはなぁ。見事でした。せっかくなら映画『ヒーローズライジング』の活真くんのチカラも借りたいんだけど、彼の場合は本人が来ないと話にならないですね。困った。
 からの無数のワープゲート。先週も書いたことなんだけど、『アベンジャーズ エンドゲーム』やないかい。やはり最終章はこれが一番アガるということかw
 アカデミアキャラ大増量に思えたけど、よく見ると後ろの方にプロもいそうですね。たぶん。まぁ穴がたくさんあるならそりゃプロ呼んだ方がいいんだけど、アカデミアとして最終決戦するのが面白そうなので、ちょっと残念というか、重傷な生徒は「帰った方がいいんじゃない?」とか空気読めないこと考えちゃう。

『僕とロボコ』181話

 アカネちんの兄貴。中二らしい。どっかの中二と違って無欲で素晴らしいなw いや、こんだけ年の離れた妹がいたらそりゃ性欲どころじゃなくなるのも分かる。しかし、本作っと『超巡』はよく話のネタが被るな……。
 話としては、彼がシスコンで、妹に彼氏疑惑を抱き、調査するが……と正直かなりベタな感じ。意外なことが何一つ起きない。ガチゴリラに対して誤解をするが、というのも本作の中で最も古いギャグの一つだもんな、もはや。
 ただ、ガチゴリラがジャイアンのようにガキ大将を自認する歌を歌ってるのは面白かった。忘れてるだけかもしれないけど、ガキ大将なんだっけ?
 あと、善人は動物好きだし、動物にも好かれる。そもそもガチ家は動物病院なので、動物に過剰に優しかったり、ケガしてる子を連れてこうとするのはそういう事情があるよね。知らないとちょっと誤解しそう……いや善人なのは間違いないので誤解ではないが、受け取るニュアンスが違ってそう。

『SAKAMOTO DAYS』162話

 シシバの方が気になるんですけど……と思ってたが坂本たちの再会も普通に面白かった。
 赤尾 in スラー。シンがいないので「冗談じゃない」と南雲が理解するのが遅い。しかも南雲は変装の名人なので人の言動や行動、仕草の解像度が高い。ので最初はモノマネを疑うが、あまりに精度が高いので本物だと信じるようになる。このワンクッションが面白かった。
 んで、正体。とりあえず、有月が彼の中の記憶を元に生み出した別人格、らしい。本当は正直少し怪しい(赤尾との付き合いは坂本たちのが深いので)が、とりあえず。ものすごく現実的な範囲の理屈を持ってきたのが少し意外で、個人的にかなり良かった。南雲の言う「モノマネ」はあながち間違いじゃない。しかもそのことを赤尾(再現)自身が説明してくる。この過剰に引っ張らない感じ、やっぱ本作良いよね。
 からのまさかの3人仲良しで行動開始。意外すぎる。もっとサスペンスな話になると思ったら、めっちゃ明るい。「気絶したら戻っちゃう」というルールはシンプルながら奥が深くて良いですね。寝れないと思うけど。

センターカラー『鵺の陰陽師』46話

 やっぱ本作は謎にカラーが良い。謎じゃないか。
 本編。膳野くんが学郎の理解者ポジになってて最高。後方腕組み友人ヅラだ。
 修行。ゲームみたいな設定の修行を課される。ルールが凝ってて面白そうだが、実際にその様子を描きはしない。不思議なバランスだ。修行が終わったあと、この修行の内容を踏まえた活躍が描かれなかったとしたら、マジでそれっぽい内容の修行を、設定だけ考えたってことになるが、結構マジでなりそう。
 共同生活の方。学郎のコミュ障ぶりと、先輩の先輩ぶろうとしてる(若干無理してるようにも見える)のが面白い。コミュ障は自分でいっぱいいっぱいなので仕方ないとはいえ、自分を卑下して性的に意識したことを謝るが、告げることでその件が無視できなくなるので悪手なんだろうな。ラブコメ的に楽しい場面だが、相変わらずコミュニケーション論みたいな部分の解像度が妙に高い。

『ウィッチウォッチ』152話

 ニコが幼稚園でおゆうぎ会。そりゃ感動するだろうな、と冒頭で分かってしまう。もはや本作は篠原先生の子育てエッセイ漫画なのかもしれない。
 実際に描かれるのは、ニコが家庭のことを話すが、言葉足らず(と前提が突飛すぎるの)で誤解される。勘違いが次々と重なっていくくだりはやはり面白い。個人的にはカンシとバンがヤンキーカップルに見えるくだりが目から鱗で好き。言われてみればこの2人はそう見えるな。納得。
 歌。手話? 手遊び風の振り付けがあるのが良いですね。良いというか、効率的に親を殺そうとしてるのが分かる。ちょっと子供よりも親を泣かすことに主眼を置きすぎてる気はして違和感もなくはないが、たぶん超リアルな光景なのでしょう。あと、歌詞に英語出てきてびっくりしちゃった。定番曲なんでしょうね。というか、篠原キッズが実際に歌ったとしか思えないw

『夜桜さんちの大作戦』222話

 あるふぁの脳味噌の処理能力が極端にした結果、予知が可能となり、今確認できる無数の可能性の未来をみんなで見て楽しむ。ラプラスの魔みたいな理屈から可能性の未来の話に続くのとか完全に『ゆらぎ荘の幽奈さん』ですね。あの作品はそこから「ハーレムモノのマルチルートエンディング」へと話が続くので最高なんだぜ。そのくせ話としてはヒロイン総取りにするつもりはサラサラない、という誠実の極み。面白い作品だったなぁ……。段落を一つ無駄にしてしまう。
 とにかく不良ルートのあるふぁが爆イケなので死んだ。権平先生はもっと可愛い系が強いと思ってたけど、こっちも全然いけるやん。あるふぁが不良になるように慎重に育てていきたい。
 そんなのほほんコメディ回かと思ったら、突然の決戦開始。無茶なタイミングでカチコミを始める敵のボス。ふざけた空気から “不服か?” と突然凄みその場を締めるのかと思ったら “凄んでも騙されないよ!?” と普通にコメディのノリを継続するので強い。むしろシリアスな空気をぶっ込んでくるのは夜桜陣営の方で……となる意外性。敵会議の定番描写のスカシが見事でしたな。

『キルアオ』49話

 大人に戻った理由。大人に戻る薬だった。案外そのままだ。繰り返しになるが『名探偵コナン』みたいな話だよな。メガネだし、(元)妻がエリだし。
 ということで車内。緊張状態のまま目的地とかどこかに降りるのかと思いきや、車内で銃撃戦。禁煙ルール無視が開戦の合図となるのが良かったですね。十三としては本気の左手を隠し玉のように使う作戦だけど、タバコを持つことでその左手をさりげなく強調してるのがうまい。
 一般社会の至る所に潜んでる敵組織の末端殺し屋。この日常風景が殺し屋に上書きされる感じはこの手の作品でお馴染みですね。というか、この異様な光景に魅せられた人がこの手の作品を作るようになると言えるのかもしれない。『SAKAMOTO』もそうだし、あとやっぱ映画『ジョンウィック』ですね。2作目以降。狭い車内の銃撃戦を車の外から俯瞰するコマがあったけど、あのちょっと間抜けにも見える異様さが『ジョンウィック』だよなぁ。具体的には『2』の駅の場面。
 てか、今週の十三、人殺してない? いいのか?

『逃げ上手の若君』153話

 ダイジェストっぽく話が進む回。このブログを続けて長いので、感想が書きにくいと感じることはほぼゼロなんですが、本作のダイジェスト回は書きにくい。つまらなくはないんだけど、情報の羅列だからな。感想が書きやすい、書きにくい要因とかをもうちょっと掘り下げて考えたら面白そうではあるが、別に感想論を突き詰めたいわけでもないし、時間もないのでスルー。こういう関係ない話をすることで何となく文字数を稼ぎ、パッと見した際「ここだけ少ないな」とならないように体裁を整えてるのである。いや、そんな体裁気にしても仕方ないんだけど、マジで書くことない。
 それでも執事の話が続いてて、その執事の有能な策が無能な部下によって崩れてしまう。こないだは味方サイドで起きたことが敵サイドで起きる。ちょっと都合も感じるが、まぁどこでも起こり得る話ではあるよな。このくらい。何ならコラムの方が感想書きやすい(執事回で面白いよ)。

『カグラバチ』

 緋雪が現れて事態が混沌とするが、力士の結界で静か。便利だな。ああいう状況下でも話し合いの場を設けられるのか。よくバトル漫画だと「戦いながらこんな複雑な会話できるか?」となったりするけど、本作だと話し合いは話し合いでしっかり分離してやる。
 チヒロとしては想定内の事態で、作戦は、情に訴える。情に訴える!! そんなことがあるのかw マジで超意外だったけど、チヒロは大真面目に、それも戦略として勝ち筋があると思ってやってるのが良い。良すぎる。もっと派手な緋雪とのバトル回になるかと思ったら、まさかすぎるのよ。最高。
 結界に入る前と、出る瞬間。上段見開きで対比させるのとかも素晴らしかったですな。「バトルせんのかい!」となる回だったけど、しっかりバトル的なかっこいい絵は飛び出す。

グリーングリーングリーンズ』19話

 初コンペを経てゴルフ欲が爆上がり。どんな形でもゴルフの、できれば新しいものに触れたい。しかし大会には出れない。応援も行けないのには驚いた。大勢の客を管理するのが大変だからってこと?
 ということで、王賀さんのキャディとして参加決定。抜け道~! そして、それをただのラッキーとして終わらせるのではなく、キャディとして参加するならそれはそれで準備が必要となるのが良い。ちょうどその前にしてた「慣れ」の話とも通じますね。意外と知らないゴルフのリアルな世界が知れて面白いのと同時に、主人公の貪欲さと誠実さがよく現れてる。本作にはよく感じることだけど、地味にも見えるがめっちゃ良い話。
 てか、ゴルフでこんな「コンビ」の話になるとは思わなかったな。始めたてのアマチュアの話だからこそ成立する特殊な、おそらく一度きりのコンビ。熱い。

『MMーミリメートル-』片岡誉晴

 読切。ジャンプショートフロンティア。同じ作者がショートフロンティア2度やるのがかなり珍しいというか、初? たぶん。あと、卓球という題材も2度目ですね。さすがに作者は別だけど、スポーツの中で頻出なの卓球になるんだ、とすげぇ意外。
 話としては、卓球プレイヤーの父の活躍を見て育った主人公がオリンピックの大舞台で戦う。のだが、語り口がめちゃくちゃ不思議な作品。とにかく時制が飛びまくる。今へ昔へ、あっちこっちに飛びまくる。具体的には3つくらいの場所を行ったり来たりしたのかな。はっきり言ってめちゃくちゃ分かりにくいんですが、実際のところ「卓球をやる」以外に大した話はないので、時制についてハッキリと理解しながら読む必要もないのかな。この感じはショート読切ならではの味わいだと思う。グチャグチャ~としてるんだけど、そのグチャグチャ感そのものが一つの楽しみとして成立してる、みたいな。
 物語的にはマジで全然中身がないんですが、漫画としてのビジュアルとしてはめちゃくちゃ特徴がある。それは、卓球で真剣での斬り合いに似てる、というビジュアル。ここ面白かったですね。狭い中を細かく、素早く動いて相手の一瞬の隙をついて斬りかかる、腕を大きく振る。それが卓球と真剣勝負でイメージが重なる。単に侍イメージでのみ描くのではなく、現実の卓球フォームを並べて見せて、「あーたしかに似てるな」とさせられるから痛快。基本的には一瞬で勝負は決まるけど、たまにものすごく長い斬り合い(ラリー)になったりする、という意味でも似てそう。その真剣勝負を延々と繰り返す競技なんだから卓球は面白いに決まってるだろ、と自然と納得させられる。
 真剣勝負という一種のメタファーを具体的に掘り下げて「こういう刀の使い方をしたので実際の台の上ではこういう展開になる」とかならないで、イメージの提示だけで終わったのも良かった。ショート漫画でしか成立しないバランスという意味でもそうだし、スポーツを極端な比喩表現で描いたら、それはそれで少し陳腐だと思う。
 しかし、マジで物語的な要素は全然ない、すごい不思議な作品だったな。感想が書きにくいということは全然ないんだけど、面白さを言葉で伝えるのは難しいというか、ここまで私が書いた感想、ちゃんと伝わったのか不安になるw めっちゃ面白かったんだけど、大丈夫かな……。

『Dear Anemone』9話

 オオカミ少女。仲間が起きて事態の説明が厄介……と深刻な空気から急にふざけたノリになるので笑った。何か最近の作品にはギャグセンスが不思議というか、コメディのノリ、空気が不思議な作品が多い気がする。正直最高。みんな頑張れ。変なノリのギャグいっぱいやってくれ。
 場面は戻って主人公……というかロベリアの語り。彼女の拒絶の発露として「踏みつける」が描かれたのが良い。初回で本作の主人公の主人公性は一歩踏み出す「足」にあると示し、だからこそアネモネの足としてふさわしい存在だったわけだけど、自立歩行ができるロベリアは足の使い方が逆。そして、さらに「踏みつけられてる人はほっとけない」という別のヒーロー性の絡んできて、最終的には 拘束()が緩んだな” 。最高。
 そして、2人は初めて精神的にも結びつき、進化ならぬ深化。今度はこっちがバトルするのかと驚きましたが、おそらくそのバトルをするのが「手」。見事でしたな。初回の足の使い方はめっちゃ『ヒロアカ』っぽかったんですが、こちらも手の話へと行き着いてしまった。いやまぁ本作の場合は足担当な立場は今後も継続するので手オンリーになるとは思えないのですが。『ヒロアカ』はいつの間にか手にしか興味なくなったよね。

『累々戦記』18話

 修行を振り返りつつ、巨大モンスターを一蹴しつつ、兄貴と戦いつつ、兄貴との回想(と思ったら精神世界)を挟みつつ、決着。先週も思ったけど盛り込みすぎである。それでいてダイジェスト感は意外となく、すべての魅力が立ってる。かなりすごいことをやってると思うが、この急激なまとめスキルという存在が少し寂しくもある。いや、すごいものはすごいで感動しとけばいいんだけど。コマが小さくなったり、セリフが過剰に多くなったりしそうなもんだけど、そういうのがないんだよね。それでいて決着の見せ場では贅沢に見開きを複数使ったりして。見開きどっちも超良かったです。まぁ、細かいことを言えば、決め絵しかバトルを構成するものはなかったと言えるんだけど、『魔々勇々』が最終決戦にめちゃくちゃ尺をかけたのにまとまり切らなかったことと対照的。

『ツーオンアイス』28話

 最終話。前回あったように、たっくん不在のクリスマス決戦。対決とか主人公ペアの成長ではなく、ペアという競技自体の隆盛にフォーカスした内容が素晴らしかった。いきなり結論めいた話になるけど、作品として結構完璧なレベルで完結したというか、仮に連載が伸びてたとしても、今までの28話の中で描かれたことに肉付けしていくような形になったんじゃないかと錯覚するレベル。まぁムカウのくだりはいかにも「せっかくだから出しました」な感じではあるが、そのくらい。
 冒頭、隼馬の “カッケすぎない?” が初心を思い出させてくれるようで感動的。あと、カメラの前であたふたしてる隼馬、おそらく人気出ちゃうぞ。隼馬古参勢がピリピリする話見たい。
 そんな隼馬古参ファン(厄介ファン)の仲間入りしそうだったのが、たっくん。正直このくだりは少なくとも1話丸々かけてやるくらいのボリュームだったとは思う。ゴミ女ちゃんが彼の期待した通りの信者で、綺更にとってのかつての隼馬。彼女のキモオタ(性的なニュアンス多め)ムーブは連載が長くなったら人気出てただろうな。作中世界ではなく読者に。かつての隼馬と同じなんだけど、あれは思春期男子として微笑ましかったが、成人女性となると途端に「これはアカン」感がすごい。いや、偉そうなこと言ってますけど、私が彼女の立場になったら同じようにキモくなると思います。それこそ好きな漫画家のサイン会行ったとき、自分ではまともに会話してるつもりでも端から見ればデュフデュフしてただろうし。
 そんなゴミ女さんのコミカルな雰囲気から一転、完全に地獄の住人である前コーチ。モニター越しで場面が完結するのが逆に彼女の存在を超常的な雰囲気にさせてて良かった。「何幸せになろうとしとんのじゃ」という言い分はもっともだし、おそらくたっくんの自責の念の現れでもあるんでしょうね。「実際にコーチは来てない」という話でも全然成立すると思う。
 そして、たっくんが救われる話ではなく、彼がゴミ女さんを救わなければならない、と決意したのが超良い。ゴミ女さんは漫画としてあまりに楽しいキャラだが、「このままで良いわけない」と当たり前の評価が下される。誠実。いつか彼女のことを正しく導き、そのことで彼自身が少しだけ救われたような気分になった頃に、ユキ様被害者の会が牙をむく……みたいな地獄展開が見たいなw
 たっくん、最終的に隼馬沼にハマりそう、というのが良い。厄介ファンになってほしいw 信者製造機だった彼が最終的に信者になって終わる、というのも構造的にキレイだと思いますし。まぁ、そんな簡単な話ではないか。隼馬は今後女性人気が出ても不思議じゃないと思うんだけど、そうなったらたっくん的には地獄というか、余計にこじれて過保護な厄介ファンムーブかましそう。
 んで、ペアが滑走が始まる直前に円陣。ゆにこたペアが『ララランド』やるって言ってるのが超気になる。真っ黄色のドレスも氷上で映えると思うし、曲もメジャーで客ウケ良さそう。そして何より、ネタバレになるけど、『ララランド』は順風満帆に思えたカップルが最終的に破局する話ですからね。イチャイチャでエロエロな演技の中にやがてすれ違い破局するニュアンスを込めるのだとしたら面白すぎる。そして、元恋人ペアであることをさらけ出すようになったことに2人の成長を感じる。というか、あの2人にこの曲(映画)を当てるだけでドラマが浮かび上がると分かってる逸茂先生がちょっとバケモノだな……。女性の方が気持ちに整理がついててキッパリしてるのが余計に『ララランド』っぽい。チョイスが完璧すぎる。
 んで、きらはゆ滑走直前のキラキラタイム。隼馬のスケート人生は恵まれすぎるんだけど、彼がそのことに気づき感謝するのが最終回として良すぎる。そして、隼馬と同じレベルで彼(ら)のことを見守る周囲の描写にチカラを割いた本作そのものを自己批評してるようでもある。
 今に始まった話ではないけど、きさはゆの2人の間に恋愛感情が発生してどうの、みたいな話にならなかったのも何気に良いよね。滑走直前の会話に「好き」とかの言葉は出てくるんだけど、そこに性的なニュアンスはまったくない。無垢でキラキラしてるから最高である。まぁ、もちろんいつもまでも無垢さが続くとは思えないので、今後は分からんけども、2人が愛された理由でもあるでしょうね。
 終わり。マジで信じられないくらいキレイに完結した28話だったと思う。このこなれ感は一体何なのかと不思議になってくるレベル。終盤になって駆け足になってる感が全然なかったのがマジですごいというか、謎スキルすぎる。個人的に打ち切りの判断にキレイに合わせるスキルってなくてもいいものだと思うんですが、謎にそのスキルが高い作品だったな。マジで最初から28話完結のつもりでした、という雰囲気すらある(ムカウは別として)。超好きな作品だったというか、かなり早い段階から疑いようもなく今のジャンプで一番面白い作品だったと思うけど、このあまりなキレイな終わり方に「なにこれ?」となかなか感じたことのない感情に陥る。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 第五回消印選手権。すごい、2つのコースの優勝者が同じ、そして前回もダブル優勝。どちらもジャスト。ガチ勢すぎるというか、消印選手権の「攻略法」を見つけてしまったという感じだな。
 両優勝の人は一つし送ってなくて、それで両方とも優勝なので決め打ちってことなんでしょうね。逆にAコースでは2位、かつBコースで同率優勝(ジャスト)してる人はランキングのほとんとに入ってるんじゃないかという大量投稿。これはこれですごいというか、こっちの方が労力がすごい。明示されてないので疑うのも申し訳ないが、運営側も想定してなかった往復ハガキの裏技を使ったのがこの人なのかな? それでも全然すごいけどね。過去4回やって誰も思いつかなかった抜け穴。

目次

 JUMPマニアッククイズ。『累々戦記』の植物園に出てきたマスコットキャラクターの名前。やべ、存在自体を覚えてない。植物園の話はもちろん覚えてますけど、そんな戯れる場面あったっけ。すぐに襲われてた記憶。

愛読者アンケート

 新連載について。『東京卍リベンジャーズ』についての質問があるのが異様で面白い。ただ、選択肢が漫画とアニメしかなく、実写映画がハブられてるのが謎。あれ実写映画も異例の大成功を遂げた作品だと思うんですけど……。
 スポーツについて。好きなスポーツの選択肢にフィギュアスケートがないので泣いた。見る専だったら普通に人気だと思うんですが。
 コミックスのおまけページに欲しいもの。おまけイラスト、おまけ漫画、制作秘話、作者の日常エッセイあたり。ただ、あれにはお金が出ないという話を聞いて以降「楽なのでいいよ……」と悲しい気持ちになる。テキスト系が労力の割に情報量あって喜びやすいだろうか。まぁ、テキストだったら絵描く方が楽、って人もいそうだけど。楽なやつで。

総括

 疲れた。ここ数週花粉症が大人しかったんですが、火曜と水曜になって急に崩れた。調子悪すぎて熱とかあるんですが、風邪だったらイヤだな……(花粉症で熱出ることもある)。

 今週のベスト作品。『ツーオンアイス』。
 次点は『Anemone』と読切『MM』、あと新連載。

 今週のベストコマ。『累々戦記』の見開き。剣がいっぱいあるやつ。初見時「うっそーん」ってなったw

 ベストキャラ。『ツーオンアイス』のゴミ女さん。やはりこいつは人気が出る(読者にだけ)、という確信があった。
gohomeclub.hatenablog.com