北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年11号の感想

 屋宜先生の新作が来る。てか、ブログ更新時にはもう来てる。ショートフロンティアに続いてメガネだぞ。絶対傑作だからもしも未読の人がいたらこんなブログはいいからマジで読んで~。(読む前に書いた文章)

shonenjumpplus.com

表紙

 新連載。沼先生おひさ。

読者プレゼント

 チャーリーならぬ、「ジャーニーのチョコレー当工場」。一瞬混乱したがジャーニーとは例のジャンプマークのことらしい。細かいことを言うと、元のタイトルであるチャーリーは工場長(ウィリーウォンカ)ではないのでややこしい。まぁ、「ウォンカ→ジョニデ→ジャックスパロウ→海賊→ジャーニー」という連想ゲームが可能ではある。
 各賞品の紹介がチョコダジャレになってて楽しい。個人的には「トリュフぉうだい」が好き。音にすると理解できるダジャレだけど、字面がひどいw

巻頭カラー『超巡!超条先輩』沼駿

 新連載。柱のチゲ情報が懐かしすぎて泣いた。
 自己紹介的な内容になるはずなのでぶっちゃけ読切のリメイクくらいの内容だと思ったんですが、結構違った。たしか田舎だったよね? 繁華街の方がいろいろ話を作りやすいという判断なのだろうか。新宿漫画がまた一つ増えてしまいましたね(こないだの週ちゃんであった特集)。
 ヨーヨーとミニ四駆が懐かしく、それが大人による意図的な流行というギャグで笑ったんですが、それをしっかり伏線のように引っ張ってくる展開も良かった。せっかくなら黒塗りの車でミニ四駆とかやってほしかったですな(大破壊しか選択肢なさそう)。ヒロインのツッコミで勝負する作品だと思うんですが、モブキッズがやたら魅力的なフレーズぶっ込んでくるので好き。ワンワンとか見事すぎるでしょ……(それでいて子供らしい発想)。
 ウィキペディアのくだりも良かったんだけど、あれがマジだとするとめちゃくちゃ生きるの大変というか、誰彼かまわず感情移入しちゃって大変そう。周りがクズばかりだからそういう心配はないってことなのかしら。だとすると子供と仲良くしてた理由も分かる。

『SAKAMOTO DAYS』154話

 扉。各層のキャラ配置を見せるのですが、デフォルメの鹿が可愛すぎる。まぁ、鹿島はデフォルメしなくても可愛いから驚きは少ないとも言える。
 そんな各層の配置を見せてから、本編では階の違いをぶち抜いてシシバたちと合流するので熱い。扉がフリ。
 それはさておきスラー。マジで刺されてるので笑った。先週めっちゃ怪しんでる風だったのに……。何かしらの理屈で復活はするんだろうけど、それでも「気づいててわざと刺されました」とまではならないと思うんだよなぁ……。
 シシバとシンがまさかのコンビ。意外であった。シシバとはいえ2人相手は不利すぎると思ってましたが、加わるのがシンとは。絶妙に心許ない。が、コンビとかチームとして立ち回るとシンは単独のときよりも実力を発揮できる(連携しやすい)と思うので、そういう意味では絶妙な加勢と言える。ただ、シンのグローブに磁性があったら即死ですね。トンカチよりも絶望的な武器。

『呪術廻戦』250話

 乙骨パイセンの領域の説明。コピーした術式ガチャらしい。ガチャなのかよ。何だか作劇の都合の良さを感じるルール(制限)。まぁ、一応手に取った瞬間に本人は分かるので、初見殺しの不意打ちを連発できるってわけで十分強いわな。
 そして、ガチャなので、本人の意図とは関係ない選択がなされる。最終戦感がすごい豪華さだ。特に意味のない、隅っこのキャラを引っ張ってくることも可能。隅ではないが高羽の悪夢が再び……という可能性もあるw
 とか思ってたら虎杖とリカちゃんが仲良くコンボ決めてるので笑った。人間投擲、まさか『逃げ上手』とネタが被るとはなw
 虎杖と乙骨。2人が並んで走るコマとか、「ダブル主人公待ってました!」みたいな決め絵をちょくちょく挟んでくれるのも嬉しい。能力の内容と使い方で頭でっかちになりそうな話なのに、しっかり動きとして気持ちいい要素が入るのが本作らしくて好き。
 んで、ガチャ大当たりでエンド。直前に「五条のはコントロールできないから無理」と説明し、その直前に両主人公が細切れになり……という事前のフリがキレイ。大雑把に斬撃を飛ばすだけなのでコントロールの難しさはないよね、と腹に落ちる。しかし、こうして考えるとラスボスの能力、マジで大雑把で良いな。雑に強いって感じで好き。その雑さが人間ナメてそうでキャラにも合ってる。

『キルアオ』40話

 どっかで見た立ち絵。表紙構図のセルフオマージュとかめっちゃオシャレじゃん! と感心してたら全力でギャグにしてくるので笑った。
 みんなジャンプの例えが絶妙に古いというか、最近完結した今ではすっかりレジェンド枠って感じで「本当に中学生か?」となるんだけど、『BLEACH』は最近アニメが作られたから意外とリアル中学生にも人気かもしれない。わんわん隊長可愛いよな。アニメではもう卍解したのかしら。
 新たなユニコーン。まさかの風紀委員。部活じゃないパターンもあるのか。一気に今後の選択肢が広がった感じあるな。最後はやっぱ生徒会長かしら。部下の能力を向上させる能力とか持ってそう(それはバスケ部)。
 スーパー風紀委員なのでリアル逮捕も可能。殺し屋で、それでいて殺しはしない今の十三にとってはまさかに天敵。こういうタイプの天敵が出てくるのは意外だったなぁ。まさか殺し屋としての十三を直接叩こうとする生徒キャラが出てくるとは。とはいえ、警察官と同じ権限を与えられてるって何? 『名探偵コナン』でもそこまで極端な奴は出てこないぞ。

『人と龍』波風凪

 ペンネーム面白い。どっちだよ。
 『ヒロアカ』が休載ということで読切。15ページなのでおそらくジャンプショートフロンティアだと思う。代原だと目次コメントが付くよ。
 本編。逆鱗を求めて龍の背中に乗った男。ワンシチュエーションで話が完結するのはショート読切らしいんですが、それが飛行中の龍の上というスケールのでかさが楽しい。私はやったことないけど『ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム』がこんなゲームだと思う。やりたい……(やると身を滅ぼすから我慢してる)。
 主人公が常に人間代表として振る舞ってるのが良い。話が単純化されておとぎ話みたいな味わいになってる。ノミが雑魚敵として出てくるのが申し訳程度のバトル要素のようでもあり、龍が主人公を放置してる理由にも思えてくる。本当にうざいだけだったら振り落とすのも簡単だと思うんですよね。観察するのが楽しいし、ついでにノミを駆除してくれるからとりあえず放置、という理屈だと思う。
 ラストが突拍子もないラブコメ展開に思えたけど、「ジジイみたいな喋り方」は丁寧なフリだったと思うし、悠久の時を生きてるから永遠に若々しい、みたいな理屈も通るのかな。「勝手に絶滅とか俯瞰してんじゃねぇ」という主人公の言い分が刺さったのだとしたら、人間堕ちするのも筋が通る気がする。ただ、人類が誕生するよりも前から生きてると思う龍が都合良く人間の形になったのはおかしいと思う。そこそこチカラが残ってて体を調整した、とかそういう理屈か?
 クソシンプルで絵代わりもしづらい(けど描くの大変w)、一対一の会話のみ、という限定された状況と物語が面白かったです。味が濃い作品ではないけど、「爪痕を残す」的なガツガツした作品ばかり読むのは疲れるのでこういうのが読めるのはありがたい。『ヒロアカ』休載でも全然問題ない。

センターカラー『アオのハコ』136話

 カラー扉がバレンタイン仕様で、本編はバレンタインの余波なので混乱する。
 そんなきょーちゃんの幼馴染。もっとギスギスするかと思いきや、 “彼女さん?” 発言で少し安心……だが、そこにも間違いなくマウンティングの匂いはするぞ……と菖蒲とまったく同じことを考えてしまった。あの近所のお姉さんムーブを意識的に演じてる、というフィルターが劇中で加わるの良いですね。やってることは超ベタなんだけど、しっかり味わい深い。
 一方バド部。遊佐兄弟対決が近い。かもしれない(勝ち進めれば)。遊佐兄の登場は確定ですね。これは朗報。大喜と遊佐兄の絡み好き。そして、菖蒲の恋心についても進展(一区切り)がありそう。
 体育館内でのかけ声の伝播。めっちゃ良い。体育館の中の絆という本作らしい良さが詰まってる場面だった。そして、そのかけ声はおそらく応援に来る千夏パイセン、という今後の展開にも繋がる。

『ウィッチウォッチ』143話

 大晦日。バレンタインの次は大晦日か。ややこしいぞ。てか、律儀に季節イベントをこなしすぎである。いや、本作は子供がいるからより意識的にやってる可能性もあるか。ならしゃーない。
 モイ父が帰ってくるが、ニコの魔法で一同へべれけ。父親なんていたな……と『あかね噺』にも似た感情を抱いた。とはいえ、父がめっちゃツッコミに奮闘することになるので笑う。正直常駐してほしいくらいツッコミが楽しい。
 酔い方大喜利。各人ちゃんと「何か分かる」というバランス。既存のキャラクターを極端にして酔っぱらいウザムーブとして整えた感じ。モイちゃんもらしくて好きだが、こういうときのケイゴ、良いよね。こういう側面のウザさ好き。嫌いすぎて好き。
 モモチのスナックのママ感は笑ったけど、「モモチって成人してなかったっけ……?」と基本的なところで躓いてしまった。調べたら19歳らしい。成人してるけど飲酒はNGというめんどくさいライン。
 ラスト。モイちゃんが大人としての役目を忘れ、ご褒美をもらうのが感動的だった……が、よく考えたらつい先週もまったく同じ感動をしていたな。ちょっと残念。いや、先週は恋人(幼馴染)として、今週は息子として、なので別に問題ないのかもしれない。

『あかね噺』97話

 あかねの大一番。自己紹介から始まるのがドラマ的にも熱いのだが、その自己紹介という部分こそ今のあかねの真価である、と続いていくのが気持ちいい。おっ父に見られてるという状況もそう。そこに「化ける」というテーマで包むのも最高。普通に言ったら「成長」なんだけど、新しいあかねは変化が分かりやすい上方向ではないので「化ける」が非常にしっくりくる。

「Jスカウトキャラバン2024のススメ!!」片岡誉晴

 そういや、ちょくちょくこういう1ページ漫画を新人に描かせる風習あったな。懐かしい。片岡先生は過去の読切が図抜けて面白いのでそこに起用されるのも納得。
 ただ、作者が漫画の中に登場して読者に向かって高説かます漫画になるとは予想外だったなw とはいえ、持ち込みを怖がってるそこのあなた、怖がってるからこそ持ち込みに向いてるよ、というロジックは見事でした。持ち込みのメリットを肌感覚で知ってる人の言い分って感じで説得力がある。

センターカラー『アンデッドアンラック』194話

 ビーストさん、森の動物たちを操るらしい。ぶっちゃけ「それってそんなに怖いことなんです?」みたいな気持ちになった。風子は相性悪いだろうけど、他の実力者を考えたら困る要素はないように思う。まぁ、動物のことは安易に傷つけられないし……みたいな事情は別として(そういう話にはならないと思う)。
 ジュリアは参加しないらしい。ジュリアが覚醒したら下手すりゃワンパンもありそうだったんですが、まぁ話の流れ的には変ですね。とはいえ、ジュリアをほぼ一般人のまま放置しとくのも変に思えるんだよな。どうするんだろ。トップたちの話をやるならジュリア普通に邪魔なだけに思えるんだけど。さすがにそんなことにはならないだろうから楽しみですね。ただ、ジュリアが横槍入れて勝つような展開だったら今回の熱血コールが無意味すぎるので笑う(それもないと思う)。

『逃げ上手の若君』144話

 十歳の女児にベタ惚れ。笑った。そこはツッコまない方がいいというか、「そういう時代なんで」みたいな感じで処理されるのかと思ってたが、普通に “男以前に人として…” となるので笑う。
 からの土岐めっちゃ強い。馬を殺せばとりあえず進みは止められると思うんだけど、悪手なのかな。『三国無双』とかだと馬から降りた方が強いから悪手だと思うけど。
 そして顕家の復活。やせ我慢なんだけど、そこに「文化」を持ち込んだのが良い。前半にゲンバが “やだな 武士のこういうとこ” と言ってたのも生きてくる。こういうのはやっぱうまいですね。

『カグラバチ』20話

 新キャラの掘り下げになるかと思ったら別の新キャラが出てきて早速バトルであった。忙しい。まぁ、景気が良いのは好ましいことだと思うけど。
 エレベーターが開いたら……の演出。ここらへんは映画だよねぇ。もちろん漫画として超ハマってるんだけど、絶対作者映画好きでしょ。映画としての気持ちよさのエッセンスを感じる。
 んで、カムナビのエース。刀でもなく、術でもなく、妖怪を使うらしい。そういう感じか。まったく別の理屈で強いタイプになるのか。ややこしすぎると思うけど、双城との決戦でとりあえず一区切りついた今だからこそ出せる新キャラってことなんだろうな。

センターカラー『魔々勇々』21話

 カラー扉。間の抜けたポスターアートみたいでめっちゃ良い。可愛い。そしてモニカがめっちゃ白い。意外だった。
 本編。怪談からのエリシア拉致。怪談の暗闇演出でモニカに意識を向けさせて……というのが見事でした。いなくなってるの普通に気づかなかった。 “コルレオいるのよ…?” “いるよ 大丈夫” のやりとりが超良くてニコニコしちゃったんですが、このときには既にエリシアがいなかったのだろうなw くそぅ、まんまと……。
 引きこもりサディコに対するドアトントン。怪談を踏まえたかっこいい場面なはずなんだけど、トントンが絵として表現できてないというか、あんまトントン感がないのでいまいち気持ちよくない。
 んで、サディコ。ジーサンだと思ったらバーサンだった。『人と龍』とまったく同じサプライズなのでちょっと予想が付いたというか、可能性の一つとして身構えてしまっていたな。『ヒロアカ』休載の思わぬ余波w
 とはいえ、和モチーフの世界で、降霊なので、イタコとか巫女みたいなイメージと繋がるのには納得がいくので結構好き。いくらなんでも女性キャラ多すぎだとは思うけど。

『鵺の陰陽師』37話

 あっ、これはいけない。非常にいけない。バトルが複雑になり、三者(四者)がそれぞれの能力やルールの運用で戦況が変動しまくるので、話の展開としては、バトル漫画として非常に楽しくなってきたのだが、そこに絵としての納得が全然追いついてない。全部絵の次のコマでセリフによって説明してやっと展開が分かる感じ。いや、絵だけで充分な場面もあるのに、いちいち懇切丁寧に説明セリフを入れるから読み味がめちゃくちゃテンポ悪い、とかそんな感じかもしれん。実況形式でバトルが進行していく作品が全部ダメとは言わないけど、今回のは実況の入れ方が相当悪かった。正直今後がめちゃくちゃ不安になった回。まぁ、タイマンで普通に強さ対決みたいな話だったら大丈夫なのかもしれないけど、こんなに酷くなるのは予想外だったな。カラー連発しすぎて不調を来してるんじゃないかと勝手な心配をしちゃうレベル。
 あとはアレだな。今回の敵が喋れないくせに無駄に知性があるから、それに対していちいち翻訳を入れようとしてるのがダメなんだろうな。そういう意味では今後はそんな多くないだろうから安心かも。着ぐるみの横にいるお姉さんが「何々?」っていちいち聞いてからこちらに伝えてくるみたいな間抜けさがあった。とっととインフレしてレベル3と戦わないようになるといいな。どうせ普通に喋る人型とか出てくるでしょ。やはりこういうモンスター戦は難しいんだろうな。

『夜桜さんちの大作戦』213話

 敵家族に加勢。それもおそらく長男で兄弟姉妹の中では最強。こうなるのか。超意外だった。めっちゃややこしい話になってきたな。ひふみが、おじさんとおばさんを相手にする話だと思ってたのに、別の角度の脅威が来てしまった。
 戦況が複雑すぎてどうなっちゃうの~!! とか思ってたら、結局はめっちゃシンプルな話。新キャラが一手に憎まれ役を演じてくれるので、みんなで彼と対峙する話になる。そうか、敵の敵は味方理論か。ちょっと肩透かしもあるが、これはこれで面白い。話がややこしすぎるとひふみが輝きにくいと思うので。
 んで、ひふみブチギレで完全開花。見開きで横に広がりながら、左ページは完全な余白として終わらせる。めっちゃかっこよかったですな。ひふみのあの髪をフィーチャーするの!? ととにかく意外。まぁ、たしかにヨーヨーっぽくはあるか。凶一郎や二刃とも通じるモチーフなので、そういう意味では収まりの良さを感じる。

グリーングリーングリーンズ』10話

 オリバーの弟、ジョアンくん可愛いじゃないか。小憎らしいが、そこに知性も感じるというか、兄とはまったく別の路線というのがよく分かる。ぽっちゃりだから運動が苦手というのはちょっと単純すぎるというか、あんな年齢における体型はほとんど意味ないというか、これからグイグイ成長していくわけだから今の体型は何の参考にもならんと思うが、まぁそこは漫画的なデフォルメですね。あとはジョアンくん本人による負い目としては納得できる。
 珀が徹底して兄ムーブしてるのが良い。ジョアンくんもそれが分かってるから珀に対しては静かに心を開いてて、そんな大人な面が可愛くもある。が、もっと子供らしくしていいんだよ……的な心配にもなりますね。なので、珀が狂人系主人公として覚醒。ジョアンくんのワガママを代わりに叶えようとする、という展開が熱い。まさかこんなところで、こんな脇道にそれたところにいる少年と絡むことで珀が主人公として覚醒してくるとは思いませんでした。いや、ゴルフと関係ないところだからこそ彼の真価が現れる、という意味では非常に腑に落ちる話。
 そんな珀がキレる最後の一押しになった「オリバーが現れない階段」というのも素晴らしかった。何か劇的なことが起きて主人公ブチギレってのは定番ですが、今回は逆に何も起きないことに対してキレる。だから彼の中で静かに怒りの炎がともり、それがじわじわと燃え広がって表面に現れる。その場で相手してるジョアンくんからしてた「いつからキレてんのよ……」となってしまうよな静かさが逆に怖い。
 そんな階段を登らず座ることしかできなかったクソヘタレ兄貴のオリバー。そんなオリバーと最後の場面では珀が同じベンチで横に座って……というのも素晴らしい。最後の “遠慮しろよ” はギャグ的にクスッときてもおかしくない場面なんですが、今回のオリバーの体たらく、そして珀の圧倒的兄貴ぶりを考えると「そんなこと言える立場じゃねぇだろ」みたいな気になってしまうw
 珀があまりに理想的な兄貴として描かれるけど、同時に今回ジョアンくんと交流したことで珀の中でも大きな心境の変化があって……というのが例の写真の削除で描かれる。あれは “この写真は戒めだな 変に冒険心出さないよう” で、それをジョアンくんと共有し、さらにはジョアンくんのためにオリバー打倒を決意する(=冒険心を出す)。今回のエピソードは珀の心の中にあったストッパーを外す儀式だったのですね。「超かっこいいお兄ちゃん」という話では終わらず、彼もジョアンくんと出会うことで大きな飛躍を遂げる。やばいな、ここ数週ずっと本作面白いんだけど、今回またそれらを圧倒するレベルで面白かった。珀の主人公性の話になったのが決め手なのかな。それにしても諸々ドラマがうますぎる。

『僕とロボコ』172話

 ロボコに憑依した宮崎先生、デジタル作画に移行する。なぜジャンプのギャグ作家はデジタル以降を話のネタ(作品のネタ)にするのだろうか……。逆に考えれば今回の話が連載になったら(意味不明な文章)、間違いなく指南役としてミウラ師匠が出てくるのでありもしない未来に期待をしてしまう。ミウラ師匠がマジで師匠してたので笑ってしまったよ、あの作品。
 とはいえ、宮崎先生は『お約束』をネタに出せるのが強い。以前の代表作として疑いようがないのでビフォーアフターの話としてふさわしく、それと同時に「恩があるのに何やってんの」というギャグにもなる。
 私はマジで絵を見る目がないので、最後の比較ロボコを見てもピンとこず、「アオリが辛辣だな……」とか思った。宮崎先生も(半)アナログに戻るってことなのかな。

『累々戦記』9話

 メガネくん、本格バトル参戦。家がバージョンアップし、より直接的に、蒼葉の横に立てるようになる。あまりに『BLEACH』そのままでびっくりしたんですが、メガネくんがノリノリで “隊列を組め” と言いながらメガネクイッしてるので大好物でした。織姫よりも共に戦う感が強くなると思うので、ソード&シールドって感じでなかなか魅力的なコンビだと思います。とはいえ、あのクイッを初回でできる度胸は大したもんだ……。
 一方、銃と下駄。下駄!! これは素直に素晴らしいアイディアだと思う。強引すぎる和モチーフで笑ってしまうし、打撃もアリということで今後の選択肢が一気に広がった。
 初期サンジばりの直線開脚キックも最高だったと思いますが、その下でシスコンが中二イズム溢れる銃ポーズ取ってるのがこれまた良かったぜ……。てか完全に『リベリオン』のガン=カタだ。彼は初登場のときから面白かったし、相棒と組んでも魅力的だったが、今回の中二イズムで完全に好きになってしまった感ある。
 合流。ちょうど今週の『SAKAMOTO』とも似たぶち抜き合流なんだけど、見開きを使って左右から飛び出てくる二組という絵面、一目でオラつき始めるご両人、というのがとても魅力的でした。
 キャラ濃い2人と合流してもメガネくんが “凪斗さん 戸神さん 覚えました!!” と相変わらずの真面目ムーブしてるのが素晴らしい。キャラの濃さに埋もれてない。その後の肩車もそうだけど、作者に最も愛されてる、もしくは作者が最もキャラを掴んでる感ある。
 ラスト。煙の中で4人の吹き出しがあるだけで、ちゃんと誰かが一目で分かるのとか少年漫画としての多幸感に満ちてたと思う。めっちゃ良いじゃん。マジで信じられないほどの角度で面白さが上がってきてるよ……と思うと同時に、先週も書いたけど、いくら何でもオモシロの方向性が定番すぎるという気もする。というか、「こんな分かりやすいのに釣られおって……」という自分のチョロさに対する不安w

『ツーオンアイス』19話

 北京五輪の男子シングル。ロランの演技をみんなで応援しながら観るのだが……。エンターティナータイプなので大舞台の緊張ってイメージがあまりなかったんですが、だからこそ、という理屈がしっかりしてて面白い。失敗を挽回しようとするもルールが複雑すぎて “あと跳んでいいジャンプ何だ?” となる感じとかめちゃくちゃリアリティがあった。織田信成とか余計なジャンプしてるイメージあるけど、こういう心理だったんだろうな。当時は「なんでそんなことをw」とか思ってたけど、ごめんよ……。そして、このルールの把握については隼馬はもっと酷い状態なので怖い。
 隼馬たちの知らないところでたっくんが慰めてるのも良い。やはり綺更が絡まなければ割とまともな人なんだろうな……。
 ロランとたっくんを「呑まれる」で比較するのも素晴らしかった。ここで「呑む」のイメージとして蛇が出てきたけど、これは以前たっくんが隼馬に対してキレたときに言った「アダムとイヴ」の話と通じますね。めちゃくちゃ良く出来てる……。そして、呑まれるのは日本のペア業界であり、ペアの歴史かもしれない、という危機。

『アスミカケル』32話

 最終回。終わっちゃうのか。残念。面白かったのになぁ。本作より面白い作品、超トップ層を含めて数えるくらいしかない、と私は思うのですが。分からんものです。
 最終回は一狼オリジン。ジーサンの圧倒的な暴力性に魅了されてしまうが、見守る父は去り、憧れのジーサンも記憶を失う。まさに「人生を狂わされた」という感じ。以前からただの悪役にしては良き兄としての顔も持つ重層的なキャラだと思ってたけど、それも納得の出自。
 減量。誰と戦うための減量なんですかねぇ……と予期させる感じとか見事でした。最終回なのに主人公が最後にしか出ない、という仕掛けなんですが、ただ奇をてらうのではなく、しっかり徐々に二兎の気配が高まってくる。
 J未来杯のネーミングは笑った。ジャンプで募集する新人賞みたいな名前だ。もしくは誌面上で行う読切コンペ。川田先生自身は特にそういう経歴じゃなかった気がする。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 2月のネタハガキ東西戦。お題は「冬の体育マラソン。どうすれば、みんな積極的に参加したくなるのだろうか」。強制参加じゃないのが前提になってるのが少し不思議なお題。強制だけどサボるのが当たり前ってことなのか?
 東。井の線亭ぽんぽこさんの「読者プレゼントっぽいポスターをはる」。ダジャレセンスの再現が秀逸すぎるので笑った。タイガースなので関西弁ならではのダジャレを入れてくるあたり、本家っぽいが何なら本家よりもちょっとうまいかもしれない。
 ガオさんの「お抱えのシェフ」。スープまでは分かるんだけど、最後の最後に急に「おんぶ」という根底からひっくり返されるので笑った。もはやシェフは関係ないw
 西。膝さんの「シスタークローネと並走」。個人的には優勝。学校の、マラソン、というお題から『約束』の鬼ごっこを持ってきたのが鮮やかすぎる。ちょっと前の作品というのもちょうどよくて、一瞬「なに?」となって、その一瞬後に一気に例の映像が広がってくる。
 だもんさんの「スタートと同時に新時代が流れ」。ニンジン効果もありつつ、走ってる最中の気持ちを曲で鼓舞する、というのが普通に良いアイディアだと思った。まぁもちろんAdoは呼べないが。まぁ、ゴールしたらステージ上で先生がAdoのフリしてる、とかでも面白そう。

次号予告

 もういっちょ新連載。どうやら植物系らしい。ダネフシ!
 あと、『ツーオンアイス』のセンターカラーはさすがになかったですね。やっぱ3本セット運用は無理があったか。

目次

 JUMPマニアッククイズ。「うろミラ」のマニアッククイズになってるので笑った。単に「知らねぇよ!」となるだけでは終わらないオモシロがあって良いな。個人がやってるのか順繰りに担当してるのかは知らないけど、今週の人ナイス。

愛読者アンケート

 新連載についてと、テレビ放送のドラマについて。一つも観てない。最後に観たのは実写の『幽遊白書』だと思うが、あれは配信だからなぁ。

総括

 『ヒトナー』超絶大傑作でしたね!!(読んだあとの文章) 面白いだけでなく、かなり話題にもなってるみたいで、後方で腕組みしたい気持ちがふつふつと……。

 今週のベスト作品。『ヒトナー』と言いたいところですが、『グリーングリーングリーンズ』。そろそろ略称は『グググ』で決まりだろうか。
 次点は新連載と読切と『アスミカケル』。あとキャラバンのススメ漫画。

 今週のベストコマ。『累々戦記』の開脚キックとガン=カタガン=カタすっきゃねん……。

 今週のベストキャラ。『ウィッチウォッチ』の父。有能ツッコミなので帰らないでほしい。


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