北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年15号の感想

 勉タメ。ナプタくん読切よりも『ハイキュー』監督インタビューが読みたいかもしれない。満仲勧を信じろ。唯一監督が抜けた4期だけちゃんと出来が落ちたんだぞ。信じるほかない。

表紙

 『呪術』6周年。7周年は来ないという話は本当なのだろうか。まぁ今の本編のスピード感、出し惜しみのなさだとちょっと説得力も感じちゃうが。ケンジャクの件が驚くほどにどうでもいい決着を迎えたからなぁ。やっぱそっち系の話には興味がない作品だったんだなぁ、と好感。

読者プレゼント

 紫式部。観てないけど大河ってことなんでしょうね。「センス光る君へ!」は一瞬うまいと思ったけど、そのまんまですね。
 ただ、各グッズを各章を踏まえたダジャレにしてるのが良い。ダジャレ自体が良いものもあったし、頑張って古語っぽいい雰囲気を出してるのも好き。「アゲ総角になれり」とか非常に良い。

巻頭カラー『呪術廻戦』253話

 頑張る真希さん。やっぱステゴロで戦ってるときが本作は輝きますね……とか思ってたらスクナが切り出した話がまさにそんな内容なので面白い。術式も良いけど、肉弾戦が最高だよね、という話。スクナ見下々先生による『呪術廻戦』自己批評という感じだ。
 五条以後、スクナ的に一番楽しいのが今の真希さんらしい。「乙骨の評価が低い……!」と絶望を感じるところかもしれませんが、「とはいえ日車相手にウキウキだったじゃん」とスクナ評の甘さも感じちゃう。辛口評価みたいな雰囲気だけど、結構ザルというか、めっちゃ満喫してる気がする。
 真希さんのアシスト組。ナナミンソードはもはや物質なので誰が使うかのアイディアで不意打ちが可能……なはずだった。これも良い。単にナナミンが生きてたのでは出来ないことを今やってる。
 久々の黒閃パンチ。真人戦で黒閃がインフレした印象があり、黒閃の価値が今どうなってるのかよく分かってなかったんだけど、未だに超すごいことらしい。今までの超常バトルみたいな雰囲気だったけど黒閃は不発だったってことか。まぁ、そもそもパンチでどうこうしようとする人が少なかったってのもあるか。
 日下部。サボりたがりだけど、外堀を埋められるというか、体裁が整っちゃうと「逃げれねぇよなぁ~」ってなっちゃうのが人間臭い。問答無用でトンズラこいたらただのクズだけど、あれやこれやで「俺の出る幕じゃない」という理屈をこねてるタイプ。

 んで、人気投票やるらしい。さすがに最後だと思う。2連覇中の伏黒が肉体乗っ取られた挙げ句変身したので心身共に原型留めてないのが面白いですね。これで「伏黒票はスクナに入ります」みたいな運用されてスクナ優勝だったら笑うけど、まぁ普通に伏黒は伏黒としてカウントするんだろうな。ある意味囚われのヒロインポジションなわけで、出番はないけどそれなりにおいしいと思う。

『アオのハコ』140話

 針生先輩視点の大喜。たしかに大喜みたいな人は、主人公だけど別キャラの語りで「奴はすごい」的な扱いを受けてるときの方が輝くタイプだと思う。比較的味薄めのキャラクターなので。
 そんな大喜のすごいところ。一言で言えば「向上心」。それはバドについてもそうだし、恋心についてもそう。そうか、この両面の語りができるのが針生先輩の強みか。
 そんな恋模様の経過を観察してたはずの針生先輩の方が大喜の魅力にアテられてしまって……という転換も良い。これぞ主人公って感じの輝きだし、第三者を気取ってた針生先輩が当事者としてコロッと落ちてしまう感じが可愛い。
 目下急上昇中の可愛い後輩だけど、インターハイの枠を競うとなったら話は別。大喜、急速に進化するお前に俺は負けるのかもしれない。でも、それは今日じゃない……『ハイキュー』及川のアレだ!!(アニメ観てるのでタイムリー)
 マジで『ハイキュー』面白すぎますね(こっから脱線)。試合シーンのオモシロとしては春高予選の青城戦がテレビシリーズの中では断トツのクオリティだと思う。白鳥沢戦は話として面白いけどアニメ描写としてはその前がピークなのではないか。4期は監督が変わったせいか、コロナ禍突入のせいか試合シーンの描写的には大きく落ちます。そっからの映画で大爆発なので熱い。一番面白いのは間違いなく今の映画だぞ。10年以上のシリーズなのにまったく観たことない『ハイキュー』になっててぶったまげる。みんな映画館に早く行ってくれ。

『SAKAMOTO DAYS』158話

 相撲。噴水&氷結玉で拘束。そもそも攻撃が利かないはずだが、猫騙し。ここで相撲要素か。すごく良かった。噴水のネタとか結局スポーツとは関係ないところに活路を見出すのでちょっとモヤモヤしてたけど、猫騙しで快感。
 そもそもハルマほどの強者を「ただの氷」で拘束できるのか怪しいんですが、まぁ一瞬の隙を作ったくらいの認識でいいのかな。それよりも気になったのはアイスクライミングで反撃のくだり。土俵に手ついたから負けじゃない? アイスクライミングに移行した時点で相撲ルールは破棄してるのかと思ったけど、ラストのトドメに一発(予定)は張り手だったし、謎だ。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』217話

 あるふぁが気になるので心臓泥棒の件は早々に決着。敵の最後の手が猫耳お姉ちゃんの爆破で、こちらの最後の判断がひふみに任せられるの良かったですね。詰まるところこの2人の話なので。
 ひふみの判断。要するに次期当主なので長男でさえ判断を仰ぐ。試験的なニュアンスもあるんだろうけど、今後のことを考えて、みたいな。次期当主のことはまだ全然考えてなかったので、ここで当主を見据えた話になるのは意外で面白かった。まぁたしかに開花もしちゃったし、敵との決戦も秒読み段階なので、大人たちが次期当主のことを考え出すのは納得できる。
 あるふぁ。風邪(的な何か)なのは間違いないが、自作自演。おじおばも一網打尽にするはずだったが、さすがにあちらのが一枚上手。さすがに七悪相手にウイルスの件で勝負するのは無理があったって感じですね。てか、あの夜桜にだけ作用するウイルスって無防備の七悪だったら本当に作用したのだろうか。後手でも普通に対処できそうだが。残りの3人なら仕方ないが。

『ウィッチウォッチ』147話

 元悪役の更生。すごく良かった。結局のところ美少女キャラは再利用しないともったいない、みたいな計算も感じるが、アバンで出てきた水の人(マジで忘れてた)のエピソードが超良い。「倒して終わりじゃないよ」と本話のテーマを提示する意味でも良かったし、さりげなく “一度使ったことでまた力を呼び覚ましてしまった” と本話のクライマックスの下準備をしてるのがうまい。てか、読み返すとマジでまったく同じ話を繰り返してるだけですね。かなりすごい構成というか、大胆だと思う。人助けに魔法を使ったのなら魔法が戻ろうと問題ないよね、という話。
 ということで、傘抜刀で人助け。傘に「抜刀」要素ないので魔法発動しないと思うんだけど、そこはいいのか? 折り畳み傘だったら袋があるのでそっちの方が適切だった気がする……が、絵としてかっこいいのは通常の傘ですね。傘でああいうポーズ取るのはあるある。
 魔女に理解のある学校に転入。魔女は分かるけど、さすがに真剣はまずいんじゃないの? 普通に法律に触れる行為だろ。こないだどっかの学校で先生が真剣持ち出して生徒に怪我させたみたいなニュースがあって耳を疑いました。

僕のヒーローアカデミア』416話

 前回「子供の脱走を止められないプロヒーローってどうなの……」と感想を書いたんですが、今回普通に止めてるので驚く。まともで良かったけど、それはそれで「じゃああのヒキはなんだったの!?」とはなるな。休載挟んじゃったので余計に。
 そんなエリちゃん。緑谷兄ちゃんファンクラブ、キッズの部を設立。映画『ヒーローズライジング』の活真くんも入れてほしいな。子供たちでデクとの関わりの深さでマウンティングし合ってほしい。
 弔とデクの手対決。弔の手は「閉じる」「拒絶する」だが、デクの手は「こじ開ける」そして「首を突っ込む」。いや、手の話で首は良くないか。何だろ、ちょっかいを出す?
 んで、弔が閉じこもった果てにあるものとしての、家。心の壁が物理的な壁として出現するの面白いですね。デクが「壁なら俺が壊してやる」とかグレートティーチャーみたいなこと言い出したらもっと面白いんですが、やらないでいいです。

『あかね噺』101話

 絶賛ゾーン中のあかね。パフォーマンスとしては良いことだけど、仕事でもあるので与えられた時間のことも考えなければならない。ここらへん覚醒して最強状態だがちょっと暴走気味なバトル漫画の主人公って感じですね。
 ただ、そんな彼女を止めるのが、おっ父。どんなに夢中になってもおっ父の小さな声(音)があかねには届く。ここで直接的におっ父が絡んでくるの面白かったなぁ。バトル漫画っぽかったけど、この部分は明らかに本作独自。
 おっ父、意図的にやったと思うけど、だとしたらかなり反則スレスレでもありますね。というか普通にアウトだと思う。頼もしく成長したが、まだまだ拙い部分もあるのでちょっとだけおっ父が手を貸してくれる、というあかねの至らなさ込みで感動的な場面だった。
 んで、オチで微笑むおっ父と、終わってからメガネをずらして涙を拭く……が涙は見せない。ここらへんの絵のみで感動を伝える語り口がここ数週すごいレベルになってると思う。あれだけ盛り上げた最後、見せないのがオシャレ。

『Dear Anemone』4話

 話せるし、事情にも詳しそうな新敵。初のほ乳類かと思ったらラーテルでした。最強動物談義で高確率で名前の挙がる、逆に言うと最強談義以外ではあまり注目されない珍獣だ。「今後もオモシロ動物ネタで行くよ!」という感じでワクワクする。が、ラーテルは結構大ネタだと思うので今回みたいな軽い扱いで終わるのが悲しい。毒耐性の話とかまったく出なかったしな。毒キャラメタとして活躍する可能性もあっただろうに。
 んで、もっと事情に詳しそうな人が出てきてエンド。巨大リボンなのかケモミミみたいなデザインが可愛いね。

センターカラー『グリーングリーングリーンズ』14話

 オリバーくん、ウッキウキで1ホール対決をセッティングしてくれるので笑う。闇に染まりすぎな王賀さんとのコントラストが最高。
 勝負は421yのPAR4。大きく曲がっていて、長距離とばせるならショートカットが狙える。なるほど、珀にとって最もバーディが狙いやすく、王賀にとってバーディが狙いにくいホールなわけだ。
 ということで、1打目はほぼ理想ムーブ。ただし2打目は苦手な100y以内。ここはオリバーの策ナシ。オリバーのスイングを見て再現するも失敗。100yを狙うのに誰を、何を再現すればいいのか。ゴルフは再現のスポーツであり、自分の感覚は自分だけのもの。これまでに何度も出てきた話だが、今回珀が見つけた再現すべき対象は自分。初めてゴルフに夢中になった際の、ひたすら打ち続けてたときの自分。他人ではなく自分に理想を見出したってのも感動的だし、珀にとっての出発点が殻を破るきっかけになったのも熱い。こうしていろんなコースを回って、いろんなショットを打って、経験値を貯めていき、「再現すべき自分」の数を増やしていくのがゴルファーとしての成長なんでしょうね。めっちゃ良い。ちゃんと「ゴルフとは」という話を元にドラマを組み立ててて超好き。

『超巡!超条先輩』5話

 ローボくんがクビの危機。ファミレスのアレを回避するために大物の逮捕に乗り出す。ガストでチゲ喰いながら考えたみたいな話だ……。
 すべてが順調に行き、何の問題もなく逮捕に至ったので比較的(かなり)緩めの回ではあったが、正直3人のやりとりを見てるだけで十分楽しい。ローボくん、初の2話連続の主役回だっただけのことはある。
 まぁ、ローボくんじゃなくて暴走王の車を直接念動力で持ち上げれば話は早かったと思うんですが、たぶんロボの変身展開やりたかっただけなんだろうな、という納得もある。

『逃げ上手の若君』148話

 臨死体験かと思ったら普通に生きてた。普通に致命傷じゃなかったし、普通に戦闘が終わって寝てた。なにそれ……。正直めっちゃつまんないんだけど、「吹雪と一度戦って負ける(が生存)」というエピソードを作るのが難しかったってことなのかしら。
 んで、師匠である吹雪越えを決意。若にとっての成長は「すべて避けてみせる」なのが良いですね。平和。
 逆に「男子たるもの」の訂正ギャグはつまらないというか、余計なことしてつまらないとかマジでやめて。こういう「意識や認識のギャップをネタに昇華できますよ(全然できてない)」ってネタ、最近多いというか、ああ何も分かってないのに自分は分かったつもりになってるんだこの人は……って悲しくなる。分かってない人が分かってないまま謝っても意味ないし、結局のところ「言ったら謝らせられる」という勝手な被害者意識でしかないんだよな……。
 もういっちょ裏切り展開があるが、今度はお見通しなので裏切りを利用した情報戦に持って行く。吹雪のトラウマを再現しつつまったく別の展開になってて面白い。

 本編後の歴史コラム。悪口表現として少年誌とは思えない内容の話がされてて面白かった。当時から相手の母親を使ったマッチョな悪口があったことにも驚くし、何よりその後に説明される「でべそ」の意味が衝撃だった。普通に出っ張ったヘソのことだと思ってたんですが、下ネタだったのかよ……。悪口の中でも幼稚な、子供だけが使うものだと思ってたんですが、普通にR18みたいな内容じゃん。てか、よく考えたら「でべそ」は歴史と関係ない話だなw

『キルアオ』44話

 正体カムアウトだが、それは一旦置いておいて敵が逃亡。が、発信器あるのですぐに追いつく。ホントにただのステージチェンジでしたね。観光バスというステージがあまりに面白そうなので「場所変えてくれてありがとう……!」という気持ち。あと、大量の人質を怪しまれずに運ぶ方法としての観光バスってのは普通に良いアイディアですね。ギャグっぽい雰囲気だったのに感心してしまった。
 あの狭い一直線上の中で2対2というのが最高にワクワクするんですが、それと同時に人質に囲まれながらの戦闘ってのも良いですよね。流れ弾とか心配になる意味もあるし、同時に「敵を倒したら即人質奪還」となるのも分かりやすくて良い。まぁ、厳密にはまだバスガイドと運転手が2人残るんだけど。

『僕とロボコ』176話

 喧嘩中のモツオとガチゴリラが謎の大会ベストバディ選手権に出場する。が、出場の時点で既に仲直りしてる。なにこの無駄な捻りw すべてが無駄な話と言えるんだけど、この捻りが本作らしさ、この2人らしさなんだろうな。
 オチも捻った先で何も捻らない内容で不思議な味わい。なぜ最初に捻ったのかw とはいえ、「したいこと」を外しにいって「仲直り」で合致、というのは少しうまいロジックだったと思う。仲直りしたいのに仲直りするのが恥ずかしくてできない、というのは割と子供あるある(大人もそうか)だと思うが、その無駄な自意識を捨てさせるロジックとして理にかなっていたと思う。

『カグラバチ』24話

 今戦う理由はない、からの競りが始まったらカムナビが真打ちゲットなのでそれはチヒロにとって敗北に等しい、ので今戦う。と同時にハクリがお兄ちゃんに襲われてる知らせが入って柴さんが駆けつける。ちゃんと「戦わずに逃げよう」という冒頭の場面で柴さんが言ってた内容が捻った形で次の展開に連結するので気持ちいいですね。瞬間移動能力者のガチバトルという意味でもワクワクするんだけど、瞬間移動らしい読者にとってもまさに不意打ちだった登場シーンがかっこいい……。ただの瞬間移動ではなく横の位置関係を上下に変化させてるのも面白いですね。どの状態からでも確実にマウントが取れる。地味つよ。
 ついでに言うと、お兄ちゃんのキャラクター、狂い方がまた最高。弟を溺愛してるが愛情表現の術が暴力しかなく、同時に「女が弟をそそのかしてる」と勘違いした被害者意識をこじらせてる。クソ人格として最高だ。兄弟愛というホモソーシャル(家族関係もある)を脅かす存在としてのよその女性。狂ってるんだけど、この狂い方はありそうなんだよなぁ。妙な説得力を感じる。
 そんなヒナオを助けようと “その人ァ… 関係ねぇ” と言っても誤解の火に油を注ぐことにしかならない、というクソめんどくさい事態も最高。柴さん登場でブチ上がりましたが、正直この地獄兄弟関係をもうちょっと見ていたい気持ちもあったw

『アンデッドアンラック』198話

 神的な人が紅茶すすってんの、神感なくてダセェ。もろに人間の文化じゃんか。強者ムーブの発想と人間と同レベルすぎて残念。常識や価値観が根底から違う存在、というのが見たいのに。
 からの解説入れてくる感じもウザかったな……。まぁ、こっちは「苦労してビーストに勝ったというのに敵のボスは余裕」という描写なので狙ったウザさなんだけど。偉そうでむかつくんだけど、「偉そうでむかつく」キャラとして描かれてるだけの話。
 サンとかムーン(ルナ)、さらにはソウルとか妙にポケモン感のあるワードが並びますね……。よく考えたらゴールドも既出。

『鵺の陰陽師』41話

 学郎たちが倒したのは敵の家族だった。そもそもあのレベル3は学郎たちにとって家族の仇だったわけだけど、それと鏡合わせ。そしてそういう人間臭い感情がレベル4にはある。やっぱとっととレベル4になって良かったなぁ。
 レベル4は喋れるので会話によって時間稼ぎができるかも……と思ったら相手も時間稼ぎしていた、と逆転される。これも良いね。単に強いだけではなく、知性でも一枚上手。
 結界が解けるまで時間稼ぎという話だったのに、解けきれなくても大丈夫だよ、というサプライズ展開で救援、そのまま次号センターカラー。熱い。緊張状態からの解放が「結界の破壊」によって描かれるので最高に気持ちいい。

『ツーオンアイス』23話

 たっくんのパートナー決定。母親の支配が強そうな17歳。17歳だが精神年齢はもっと若そう、いや幼そう……というのが最高にキモい。やっぱりたっくん最高だぜ。まともな選手はあの子くらいしか描かれてないから人選自体に驚きはないんだけど、そこに「シンデレラ」という要素を持ってくるのがキモいというか、あまりに意地が悪い話で笑っちゃいそう。地獄みがすごいのよ。てか、「母親の支配が強そう」ってのが既にシンデレラだったわけですね。当然ではあるが、もちろんここでのシンデレラはいわゆるシンデレラコンプレックス的なネガティブな意味も内包する……てか「シンデレラなんてロクなもんじゃねぇ」というのが大前提で話が進むのでめっちゃ面白い。さすがだ。
 小柄で幼い雰囲気の女性を選ぶのは競技的に「投げやすいから」とかのメリットもあるんだろうけど、当然綺更に対してこじれたたっくんの心理が反映もされてるよなぁ……とか考えるとマジキモすぎて無理。最高。大好き。大嫌い。
 書類選考で落ちたゴミ女ちゃん。これはシンデレラの姉とかそういう位置づけだろうか。もしくはパーティに招待されなかったという意味でマレフィセントとかそういう。たっくんを中心に女性たちが狂っていく、というのが地獄すぎて面白いんだけど、ちょっと予想以上に地獄なのでビビってきたというか、不安にもなってきた。
 大会前。綺更が有線イヤホン取り出して曲の確認。キラキラしてエモ~い。もちろん外界からの遮断的な意味合いも感じる良い場面なんだけど、キラキラしすぎてまたたっくんの闇が深まってしまうぞ!! とワクワクしてしまう。
 一方たっくんの滑走前ルーティンは小説(物理)でお気に入りの一節を読む。奇しくも綺更と似たもの同士だ……。ただし、こちらは個人で済ませる、というのも良い。てか、リスト好きだな。風評被害だ。

『空への標』田中邦明

 読切。ジャンプショートフロンティア。学生主人公がエモめみ語ってたら謎の美少女が現れて、という冒頭で「苦手なやつだ……」とか思ったんですが、すべてが違ったw いや、エモめに語るのは事実だけど学生ですらないのには笑ったし、美少女もいなかったので面白い。よく車とかバイク好きな人が愛車を女性にたとえたりしますけど、そういうことね。まぁ、あんだけ若い設定なのは結構変わってると思うがw
 ということで、不思議な世界かと思ったら実は……と一気に現実に戻され、すべての不思議が解消する。どんでん返しと言っていいのかは分かりませんが、短いページで見事な反転があって楽しかったですね。初期のショートフロンティアらしい雰囲気を感じる。大好き。
 実は飛行機のパイロットだったという話。この時点である程度満足してしまった感じもあるんですが、そこからもう一つ、謎の少女の正体が……という展開が待ってるので良かった。「副操縦士だと思うじゃん?」という引っかけが見事。たしかによく読んでみると副操縦士だと辻褄が合わない要素が散りばめられてますね。あと、副操縦士が女性だったとして、それを走馬燈の中で学生のツインテールヒロインに仕立て上げるのはなかなかキモいw ちなみにあのカクカクしたツインテールはちゃんと両翼を模したデザインになってて良かった。
 スーパー蛇足だけど、奇跡の不時着をした島が反政府ゲリラに支配された世界最悪のエリアだった……という『ロストフライト』が去年観た実写映画の中で一番面白かったのでオススメしたいです。機長がかっこいいのよ。ちゃんと機長としてかっこいい。

『累々戦記』13話

 工事現場でポーズ決めてる1ページ目が「いかにも」で最高。本作の、こういうてらいのなさを全力でやってくるところ好きです。中でもやはり足場の上にバイクってのがロマン。
 事情を分からない主人公陣営はみんな意識を失い、代わりに事情通の組織と、事情通のおばばが登場。話がサクサク進むが駆け足な印象は少なくスマートにまとまってたと思う。先週はかなり急いでる印象だったけど、今週はめっちゃ良い。すごい勢いで話が収束して次の場面に移るんだけど、それが「プロの仕事」って感じ。
 まぁ、かっこよくバトル始めた直後に逃げられた報告が入るので悲しいけど、代わりに唯一勝てたのが涅森(弟)だった、というのが現状の実力不足を痛感させられて良い。
 一気に人数増えて目立つんだけど、本作めっちゃメガネキャラ多いですね。メガネの種類が多様だ。足し算方向のデザインが多め、ということなのかな。マジで老若男女がメガネしてる。すごいことだと思います。

『魔々勇々』25話

 結構マジでラスボス戦をしっかりやってるので驚く。別人のようにコルレオが強くなってるけど、ちゃんと既存の能力の超レベルアップ版というバランスに留まってるのが良いですね。そして、コピー能力だと明言された上で、クライマックスでは意外な人のコピーを披露する展開も熱い。
 コピー能力と斬撃を飛ばす能力。乙骨とスクナやないかい、と今更ながら思った。どっちも過去に紹介されてる能力なんだけど。まぁ、どっちも特別珍しい能力ってわけじゃないから仕方ないですね。斬撃の方がやや珍しいかも、ってくらい。
 グリシャも知らないカードは使ってこない。基本的にはワープの穴を使ってあれこれする。ワープの穴で足を切断するくだりとか、言葉による説明がないけど分かりやすくて良かったですね。そして、そのワープ切断の技が、バトルの最中に差し込まれたマママの場面の終わりに披露されるのが不穏。マママが危ないってのは雰囲気だけでも分かりますが、ワープがあるから危ない、とより具体的に示唆してるのがマジうまい。

『ルリドラゴン』8話

 扉がバレーボール。よし、『ハイキュー』の映画見に行こうぜ!!
 雷も火拭くのもきっと運動不足。血流の説明は「なるほど」と「そうか?」が同居したちょうどいい説得力だった。体を自由に動かせるようになるとドラゴンの能力も操ることに繋がる、みたいな理屈を予想してたらちょっと違った。まぁそういう要素もあるのかもしれないけど。
 いろんな運動がちょっとずつ出来る場所として、スポッチャが出てきたのも良い。いかにも学生が行きそうな場所。ドラゴンの悩みが、友達とスタバに行くのと同じノリで語られる。母親の頼もしさを感じる話になってるのも良いですね。常にちょっと疑問は残ってるけど、一日を通じて母への好感と尊敬が少しずつ増していく。良好な親子関係、それも母娘というのがシンプルながらめっちゃ良い話。身体の変化に戸惑う思春期女子の相談に乗ってくれる母親、と言い換えると途端に現実でもありそうな話に思えてくる。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 3月のネタハガキ東西戦。お題は「新世代のウグイスは『ホ~ホケキョ』ではなくなんと鳴く?」。音やリズムが決まってるのが今までにないタイプで良いお題だったと思う。どれも面白かった。
 東。ふみとさんの「ポ~、ポティトゥ」。東の最優秀だったのも納得。音としての楽しさがあって、つい音読したくなる。さらにはネイティブ発音した方が近くなるので、より音読の仕方を細かく指定されてるようで楽しい。ネイティブ発音によって元とのイメージの距離感がより大きくなる感じもおかしい。
 虹谷ユメ子さんの「フ~フカキョン」。これもポティトゥと同じくらい音のハマリが気持ちいい。ホケキョの言い方でフカキョン言いたくなるw
 西。石光亮一さんの「ビ~トゥギャザー」。フカキョンもそうだけど、妙に古い感じが意外性で笑ってしまう。「少年」ジャンプに載せるネタではないと思うがw
 照りさんの「ポー…トフォリオ」。頭は「ほ」「ポ」でめっちゃ近いのに下の句でどんどん日本の雅な世界観から離れていくのが面白い。あと地味に横書きで改行してるのも好き。

目次

 JUMPマニアッククイズ。『鵺』に出てきたカップル無料券の喫茶店。こういう店名はクイズに使われがちですね。若い作品だとクイズにする余地が意外と少ないというか、こういう店名みたいな固有名詞が便利なんだと思う。

知らずにししゃもをレンチンしたら爆散。自分の残酷さに泣きそうになりました
(『キルアオ』)

 映画『キックアス』に電子レンジ(木材の乾燥用だったかな)で人殺す場面あるのでオススメ。

愛読者アンケート

 旧ツイッター。やってる。ブルースカイもやってる。スレッズはアカウント作ったけど、ブログ更新告知でしか使ってない。フォロワーもいないので虚無。
 紙ジャンプ歴。10年以上。読み始めたきっかけは、『ONE PIECE』を少しでも新しく読みたいから、だったような……。あとは友達。

総括

 終わったけど、もう少し早く終わらせたい~。遅いのよ。

 今週のベスト作品。読切ですね。超良かった。
 次点は『ウィッチウォッチ』。あと『逃げ上手』のコラムも良かった。

 今週のベストコマ。読切の美少女の頭にバードストライク。あの絵面がめっちゃフレッシュで衝撃的だったし、その衝撃がちゃんと物語のキーと密接に関わる。

 最後に今週のベストキャラ。漣宗也。狂った価値観の上で冷静に考えてる感じがリアリティあって好き。
gohomeclub.hatenablog.com