北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年06・07号の感想

 みんなあけおめ。ことよろ。よろしくね~。

表紙

 合併号なので集合。テーマは龍。辰ですな。干支が中国由来だからなのか、龍のデザインがかなり画一的だった印象。週ちゃんがちょうど龍特集でしたけど、龍のデザインってバリエーション豊かなはずなのにね。そういう意味では完全にドレスコード間違えちゃった感のある『ウィッチウォッチ』の龍(西洋風で赤系)がナイス。劇中に龍キャラいるのにそれとは別路線だったのも何か好き。『ツーオンアイス』も色味が浮いてて好きなんだけど、まぁこれは緑の解釈違いという線もある。

読者プレゼント

 こちらも辰年。「タツ」ダジャレが豊富で良かった。「立つ」が多いものの、その中にもバリエーションがあるのを感じる。
 それはさておき、予算増額らしく、プレゼント内容がめちゃくちゃ豪華で驚いちゃった。予算増額はいいけど、その増えた予算の使い道がプリペイドカード(1万円分)ばかりなのはちょっと笑う。いや、確実に嬉しいやつだけども。3種類あってそれぞれ10名ずつなのでマジで景気が良い。ここだけで30万。

巻頭カラー『ONE PIECE』1103話

 前回かな、「くまは娘にも会えないのも可哀想だけどルフィのニカを一目見させてあげたかったな」みたいなこと書いたんですが、そのどちらも実現しそうな雰囲気になったので笑う。同時にアガる。ただ、「本能の欠片」とか意味の分からない理屈でそれが実現したのは少し萎える。
 ボニーのトシトシの実(だっけ?)は本人が信じるあり得る未来を実現できるらしいので、ニカを見たらニカの再現レベルが上がるってことなんでしょうね。ルフィは数秒しかニカになれないけど、それを見たボニーが戦闘を引き継ぐ、とかなったら熱そう。何ならくまはルフィのニカよりボニーのニカ見た方が幸せでしょ。

『SAKAMOTO DAYS』150話

 カチコミ三人衆の元にシシバが到着。磁石に対策打ってきてるのが良いっすね。本作だと結構珍しい展開だと思うけど、ちゃんと事前に情報収集する話があるんだったわ。
 本題は南雲。シシバの方で壁ぶち抜きの決め絵がかっこよかったんですが、こちらでも当たり前のように壁ぶち抜いてて最高。壁を抜けるとまったく別の世界が広がってる感じとか、いかにも本作らしい楽しさ。
 オモシロ武器対決かと思いきや、南雲が割と普通のソードアクションに落ち着いちゃいそうで少し残念。まぁ、とはいえ、ラストの「まだ見切れるから余裕」という相手に対する「見切れる余裕」を利用した一手は鮮やかでした。『魔々勇々』の焦点ずらしを物理的に再現してるって感じですね。逆に言うと、強制的で、連発できるあっちの人の恐ろしさを改めて感じる。

『呪術廻戦』247話

 スクナ、日車の学習能力がいたくお気に入りの模様。読者的には頼もしい限りなんだけど、それでもスクナは遊んでるだけなのでやっぱり怖い。てか、日車への圧が強すぎて可哀想になってくる。急に重荷すぎる。
 反転術式の試練は何とかクリア。さすがにスクナに一矢報いるという程は善戦できないんだけど、今度は日車がスクナの手を落とすことになる、という収まりの良さが好き。
 日車はリタイヤだけど、虎杖が裁判ソード継承。なるほど~、こないだのナナミンソードはこの場面をやるための仕込みだったわけですね。これはうまい。とはいえ、虎杖、いろんな大人(スーツ系)に託されすぎだな。変人の自称兄貴に好かれすぎ問題もあったが、それと似たような現象が起きてると思う。
 そんな日車の一計。直前のスクナがやった「自ら手を切断」の意趣返しのようにも見えますね。スクナの場合は自分の命を残すために余計な部分を切断しただけど、日車の場合は命を捨てて呪いを残す。めっちゃ良い場面……なのは分かるけど、まぁ命のバトン(命でバトン)展開はちょっと食傷気味かもしれん。本作の場合、今更な話なんだけど。

『アオのハコ』132話

 千夏パパの毒親エピソードが見れておらワクワクすっぞ。いや、厳密にはクソ親父と判定していいか微妙な描写に留まってて、そこらへんのむずむず感も込みで好き。すごくイヤな印象が最近は特にあるんだけど、それはあくまでも海外赴任を受け入れられない千夏パイセン視点の話かもしれない。
 バスケ及びその練習が生活の一部になる。その生活を父親が奪う、という話で繋げたのが良かったんですが、そこからさらに生活の一部という継続のチカラを感じさせるシュートで落ちるラストが見事だった。当然彼女にとっての継続とは朝練であり、そこには大喜が絡んでくる。うまいぜ。

僕のヒーローアカデミア』411話

 弔がスパイダーセンスを使い出してさらに厄介、という話だが正直スパイダーセンスのすごさ描写としてはそれほどパッとしないものだったな。単に「避けただと……?」とびっくりする場面でも全然代替可能だったというか。やっぱスパイダーセンスは今の本作において面白く描くのが難しいので没収です、という大人の事情も少し勘ぐってしまう。
 富士山。新年号らしい要素を一番似合わない本作が持ってくるので笑う。今まで散々『スターウォーズ』のダジャレ地名を出してきたのに急にリアル。まぁ、弔が起こす崩壊の究極系が「世界の崩壊」であり、とりあえず手頃な世界として日本、その象徴としての富士山ってことなんでしょうね。ヒーローの象徴はオールマイトだったけど、日本(手の届く範囲の世界)の象徴は富士山。
 てか、富士山の噴火で世界の終わりが始まるって理屈、『斉木楠雄のΨ難』と同じだよな。あちらは富士山ではないけど、まぁほとんど富士山でしょ。

センターカラー『マッシュル-MASHLE-』

 TVアニメ2期開始記念で凱旋。あれから1年後の話。続編だが、外部の新キャラによって、マッシュたちの愉快で異常な日常を新鮮な気持ちで見つめ直す話になってて、ちょっと出張読切みたいな味わいに近いですね。自己紹介的な。キャラとコンセプトがはっきりしてる本作にはそれがめちゃくちゃハマってた印象。「まぁこういう読切になるよね」的な印象もあるんだけど、それ込みでめっちゃ良い。完結後の読切として結構理想的な面白さだったと思う。まぁ、こないだの『dr.stone』みたいな「がっつり続きやんの!?」というコンセプトも面白かったけどね。
 本作。最終章あたりではインフレ極まったバトルとか、シリアスなバトル(の間にギャグ挟むけど)が多かったけど、本作はそういう緊張感を捨てて基本コンセプトを振り返るような内容なので、「こういうのが面白いよね」という本作の魅力を改めて感じた。まぁ、マッシュたちの強さは一応インフレ後、というバランスになってたかも。巨岩を浮かすくだりとかそうだよね。 カワセミさながらの安定感…!!” が良すぎる。
 本作の主人公。エリート教育を押しつけられるが、それとは別の本が好き。マッシュの筋肉と対応させるのが無駄な知識(本)というのが良かった。シンプルな対比ではあるけど、出来損ないキャラとして本好きってのはちょっと意外で好き。そして、無駄な魔法と無駄な知識を踏まえて、マッシュの補助としてちょっとだけ活躍する、というラストも話としては当たり前なんだけど、ベタながら的確。
 やっぱ良い作品だったよな。終わってしまって惜しいぜ……という気持ちになれた。

『キルアオ』36話

 二重人格同士が風呂の中で対話。風呂というシチュエーションめっちゃ良いな。1人(2人)きりになる場所なので二重人格じゃない人でも「たしかにこういう自己対話が発生しそう」と説得力があったと思うし、ついでに水モチーフも入れてきててうまい。
 実体はギャル姫の方だと思うけど、彼女と違って乙姫の方は水に沈んで髪を濡らしてる。実体だったらそんなことはしない(髪が濡れてめんどい)という表現だと思ったが、これは風呂ルーティンの個人差の問題かもしれないですね……。私は風呂(髪洗ったあと)で髪濡らしたくない。
 対決スタート。波の選択が重要になってくるらしい。ノレンは小さめの波を確実に乗りこなし、「結構いいじゃん」くらいの評価を得る。これでギャル姫がビッグウェーブを狙って失敗すれば勝ち……と予想はできるんだけど、まぁいくらなんでも安直なのでそう単純ではないんだろうな。
 無理してビッグウェーブを攻める必要もないのだが、ここはギャル姫の性格も関わってきそう。「ウサギ相手でも全力で殺す」的なことしてきそうなイメージもあるし。

グリーングリーングリーンズ』6話

 良い掲載順。『キルアオ』と同じく素人が「普通に超強い実力者」に挑戦する話。そして、本作は事前にハンデが設定されたはずが、本話で相手がフルの実力を発揮してくる。彼は彼でリスクを背負って勝負してきた、という理屈の部分も楽しい。
 普通に考えたら無理ゲーなんですが、ここで主人公が覚醒……というか隠された資質が明らかになる。「結局才能で勝つんかい」とかそこらへんの作品だったらなりそうな話なんですが、本作はその才能が「ねじり」というすげぇマイナーな才能で、ゴルフというマイナー(高校生がやるスポーツとしては)な競技の話なので意外とそういうイヤな感じはしない。普通に生活してたら絶対に気づけない才能に様々な人との出会いを通じて気づけた話、という感じ。運動音痴の私でも体のどっかの部位に何かのスポーツにドンピシャな才能が隠されてる可能性が……? とか考えちゃう余地がある。これが実際に若い人だったらもっと魅力的に見えるんじゃないかな。やっぱ人生何があるか分からないからいろんな選択肢を試してみるのが良いんだろうなぁ。

『アンデッドアンラック』190話

 ゴールドの次はプラチナか~とか思ったら話とまったく関係なかったw 風子とジュリアのフェンシング対決。正攻法では勝てないと踏んだジュリアがまず風子の肌に触ることにした策は面白かったんだけど、サーベルぶん投げに対して風子が普通に対応できてなかったのが少し違和感(これで決着じゃないから別にいいんだけど)。風子にとってフェンシングルールって苦手な分野じゃないですか。フェンシングから離れたフリーの戦闘の方がむしろ風子に有利だと思うので、ジュリアがフェンシングの道を捨てて一瞬の隙を作り出すってのが解せない。風子の実力と経験値だったらあのくらいの不測の攻撃、冷静に対処できそう。まぁ、ジュリア(ジュイス)に対するイメージである種の緊張感が欠けてた、とかは考えられるのかな。
 細かい説明はさておき、とっとと次行くぞ! となったラストの駆け足ぶりは好き。毎回そうですけど、説明すべきことが多すぎるので、毎回そこを誠実に対応する描写入れてたらかったるいですよねw

センターカラー『首化粧』白井カイウ 浜田志紀

 読切。作者はそれぞれ原作と作画。白井先生カムバックが新年号らしい豪華企画なんですが、片方だけで新年号の目玉になれちゃう白井先生すげぇ。
 戦果としての首を洗い、化粧する仕事。そんな彼女に対して綺麗事だと突っかかる粗暴な男。特殊な職業の時点で面白いし、ワンシチュエーションのみで話が完結し、舞台が限定されてるからこその意外な情報、飛躍というのが非常に面白かった。めっちゃ良い読切。「語り手が死者」という某有名ネタバレ厳禁映画を思わせる仕掛けなんですが、要するに本作で描かれた不思議現象は、化粧人(?)が兄の仇の首を化粧してる際に見た幻想ってことなんでしょうね。化粧の仕事を極めると自然と「首との対話」という側面が出てくるので、その超レベルアップ版という超常現象。身も蓋もない説明をするならこんな感じではないだろうか。説明はないがそれなりに説明がつく、ついた気がする、というバランスが良かった。
 ……というのが初読時の感想。読み返したら、すべてが幻想ではなく、前半部(首を絞めるまで)は実際に起きた出来事で、首を絞めた直後に逃げ、すぐに殺された運ばれてきた、という線もあるのか? 普通に全部幻想の方がキレイだと思ったけど、こちらの方が普通に理屈は通るのかも。
 仇の首。ボコボコにされてて、ただ殺すだけじゃなかった加害が加えられたというのが見て分かる、そしてそのボコボコは化粧で直すべきもの、というようになってるのとか超良かった。
 前半、仇の右手がないのが意味深なんだけど、彼は既に死んでる的なことなのかしら。ちょっと無理があると思うし、もっと明瞭な意味がありそうな気がする。時代劇の素養が必要な領域だったりするのかな(例えば罪人は手を落とす慣習があったとか)。読解力不足を突きつけられるようで悲しい。
 背中の傷。そんなゾロじゃないんだから……とか思った。別に誰かを助けようと覆った状態で殺された、とか全然ありそうなシチュエーションなのに。まぁ、首と同じで死体の状態からその人がどんな人で、どんな死に方をしたのか、と話が膨らんでいくという意味では全然良かったです。

『累々戦記』5話

 嵐の前の静けさであり、主人公2人がより深く交流する話でとても良かった。そこに「うちの子に友達ができて……」と感慨深くなってる保護者が関わってくるのもとても良い。友達ができたのは嬉しいけど、期待したほど深く分かり合ってなさそうなので、おばば様が一肌脱ぐ。この世話焼き感も好き。全体のあらすじだけを考えると確実に抜け落ちる一話だけど、何なら今までで一番良かったかもしれない。本作の魅力であり、現状私が好きな要素が丁寧に掘り下げられてた。
 ただ、難としては、ボール鬼のルールがよく分からないまま始まってしまった。 “知ってるだろ…” とか言われても知らないんですよ。そんな遊びしたことないんですよ。ボールの個数とか細かい部分が気になるんですが、そんなのを置いて話が次へ進んでしまうw
 決着。気の利いた一計で勝利する感じではなかったけど、その愚直さが逆にらしくて好き。メガネくんのらしさであり、メガネくん相手に当たり前に手を抜いてしまうおばば様らしさ。メガネくんはおばば様が少なくとも自分には当てないと見抜いた上であの行動に出た、とも取れますね。そういう説明がないまま終わったバランスも良い。ただ、メガネくんはそういう策略とか抜きにがむしゃらに体張っただけ、の方が感動的かもしれないのでここはちょっと悩むな。

『あかね噺』93話

 あかねの修行。今のあかねは優秀だが、お利口すぎることが頭打ちの原因でもあるので、彼女のスキルの根底から見つめ直す。すなわち、江戸弁の禁止。面白いな。バトル漫画のオモシロ修行エピソードの王道って感じで超好き。
 今まで本作に感じてたし、何度か感想にも書いたと思うんだけど、あかねってギャルなのにギャルらしい要素はあまり物語に出てこないよね。そんな疑問が今回そのままテーマとして出てきた感。計算してたんだとしたらすごいな。後付けでも同じくらいすごいけど。
 あかねのカラオケでの持ち曲。昭和歌謡なのはいいけど作曲がTKなので笑った。なんでだよw

『鵺の陰陽師』33話

 現実的に逃げるしかない状況だが、2人さらわれる。妹は変わらず逃げ一択だが、学郎は当然揺れる。最近繰り返されてるヒーローの2択って感じで面白いですな。最初、学郎は結論ありきで助ける口実を考える。当然それでは相手は納得しない。そこから紆余曲折あって「今行った方がいい」理由を見つける話になってて面白い。まぁ、理由なんてなくても助けに行くんだよ、みたいなヒーロー像も求めてしまうが、学郎(と妹)のことを考えると、少なくとも今回はこの形、理詰めが最適だったのだと思う。
 正直それだけで十分面白かったんだけど、さらわれた2人が同じように「私たちが何とかしなくては!」となるラストが意外で面白かった。そして、意外なだけでなく、彼女たちをただの助けられ待ちのお姫様扱いせず、主体的な存在として描くのめっちゃ良いな。信頼できる。今回は特に「先輩として」みたいな気持ちも大きく関わってるっぽいのが良い。

『ウィッチウォッチ』139話

 やったー、篠原先生のクソゲー大好き……と思ったらちょっといつもと違う形であった。現実のおもくそ大人気ゲームで、まぁそれ自体は別にいいんだけど、『スイカゲーム』は現実世界において偽物が蔓延ったことが問題になったので、今回お気楽に「ケイゴがパチモン作ったのでやってみよう」とやってて不安になる。まぁ、今は公式の安定供給が整ったからネタにしてもいいよ、ってことなのかな。時事ネタにしては妙に遅れてる気がするのだが、それが原因かもしれない(単にニコが小さくなるイベントが長かっただけかも)。
 ゲームを我慢してる最中の禁断症状、めちゃくちゃリアルだった。リアルというか、普通に身に覚えがある。せっかくゲームから離れてるのに「あそこをああすれば先行けるんじゃね?」とか良いアイディア思いついちゃったりして結果「早くやりてぇ」と症状が悪化する。リアルすぎてちょっと気まずい気持ちにもなったんですが、あれが「あるある」として描かれたことに少し安心もしましたw

センターカラー『僕とロボコ』168話

 まさかの占い。『ロボコ』らしい企画で面白かったんですが、贅沢を言うとガチの占いの人を連れてきても面白くない(ガチの占いがそもそもインチキだと思う)ので、全部宮崎先生にテキトーなこと書いてほしかった。もしくは担当。全部「ラッキー部位は膝」とか期待しちゃったよ。
 本編。大事な年なので運気を高めたい。ので、占いらしいのだが、ジャンプで運と言ったら食運だろ。普通に絶好のネタだと思うんだけど、まぁ『トリコ』の中でもかなり上位の謎概念だからな。ネタにしづらかったのかもしれん。

『逃げ上手の若君』140話

 強者は改造しない方がいい。根底からひっくり返されるのでマジ笑ってしまったんですが、今後さらなる強敵が現れることを考えると、「この人を改造したらもっと強いんだろうな」と変な雑念が湧いてしまうので、今回「改造による強化は雑魚に限る」とルール付けするのが大事だったんだろうな。ギャグだと思ったけど、実は大人の事情にまみれた話なのではないか。
 若。死んだと思ったら生きてるし、そのまま勝つ。実は生きてるの部分、相当つまらなかった。「若が避けれない速度で射る」という話だったのに、それを「クソ重鉄棒で防ぐ」とか言われると萎える。そんなんできるなら普通に若が避ければ良かったと思う。あと、鉄の棒は貫通しないと思う。
 前回の内容、描写を読み返したら少し印象が変わるのかもしれないけど、正直クソ萎えたのでそんな気力は起きない。まともなロジック思いつかなかったんだろうな、で終わってしまう。

『カグラバチ』16話

 シャルの再生能力、他者にも使えるらしい。大切な人にだけ使える、という理屈自体は陳腐だが、チヒロが苦労して到達して、感動の再会をしたからこそ治してもらえるというのは普通に感動的。
 あと、ヤクザに捕まって人体実験されてる少女を背負って、瀕死の状態でスーパーパワーを発揮してる主人公が治癒されるという状況は『ヒロアカ』を連想した。エリちゃん。原作の方の出番はあまり期待できないので、映画とかでまた出ないかなぁ。
 必死の作戦でインターバルを作った方。惜しくも全滅らしい。普通に全滅だと思うが、あまりにドライな幕引きでびっくりした。「えっ……全員死んだってこと?」ときょとんとしてしまったというか。あれだけキャラたったチームを殺すことよりも、その死の瞬間の省略ぶりに驚いてしまう。まぁ、何かしらの理屈で生存する可能性もあるけど、かなり難しいと思う。
 刀の理解を深めることが刀のチカラをより引き出すことに繋がる、と以前から説明されてたけど、それがレベルアップすると刀を手放した状態でもアレコレできる。この飛躍は面白かったな。超意外だけど、同時に「何か分かる」と理不尽は感じない。迎え放電の理屈は若干分からんけど(体に纏う雷は刀から出るイメージだったので)、体のない刀、刀のない体をそれぞれどう使っていくか、という部分のアイディアは面白い。

『夜桜さんちの大作戦』209話

 長男とひふみ。糸とヨーヨーなので当然相性は良いよね、という発想の気持ちよさから「生理的に無理」というあまりに残酷な話に繋がるので笑った。糸で繋がり、細かい機微を互いに感じ取るからこそ、軽く手を握るとかよりもキツいものがあったのだろうなw
 生理的な問題を解決するために長男が化ける。あるふぁに化けるのは大失敗。ひふみが大好きな男性と言えば……と天敵とも言える太陽の案が出るのが最高。意外だけど超納得。それでいて「凶一郎と太陽は実は似てる」という話だと思うんですが、ひふみはそこまで理解してないだろうけど、読者的にはかなり納得できる話じゃないですかね。思いっきりギャグなんだけど、この「凶一郎と太陽は実は似てる」の部分はちょっと読者的に感動的というか、感慨深いものもあった。

『アスミカケル』28話

 お嬢様のフェンシングパンチからの打ち合い、その前のめりになったところを間接で狩る。多彩な技に対して手持ちのカードで最適な選択肢を瞬時に考える、という意味でたしかにMMAの楽しさがよく現れた決着だったと思う。相手の本気パンチに対して、一応、一度は打ち合いにして、相手が冷静さを失ったところで忘れてた関節技に持ち込む。冷静さを最後まで保ち続け、思考を止めなかった方の勝ちというのが二兎(奈央さんもだが)の暴走モードに対する解答のようでもあった。
 んで、二兎のデビュー戦。相手がリング外で揺さぶってくるのが面白い。ただのスポーツではない面白さがある。引退をちらつかせ、坊主にまでなって自ら「ストーリー」を背負い込んで観客を魅了し、味方にする。若造の新人に対してやることかよ、と思うけど、そういうこすい作戦も戦略の一つなのでしょう。相撲とは大違いだ。
 てか、二兎もギザ歯のマウスピース使うのですね。お揃いかよ。

『暗号学園のいろは』55話

 フラッシュ暗算。難しくて真似するのは到底無理だと分かる一方、漫画としての読み応え、楽しさは皆無ですね。作る側も簡単そうだし、この魅力のなさは何なのだろう。せっかくあれだけの強キャラが揃ってるのに、何の理屈もなく次々と脱落していく。ダメな漫画の例でも見てる気分だった。せめて終盤までいろはが生き残れた理由くらいは欲しい。ダンスが得意だから計算に集中できるとかそういうつもりなのか?
 一応最後にルールの穴をつくような戦略が出てきて、そこは面白かったけど、冷静に考えれば普通にルールの不備でクソゲーだよな。まぁ、「この攻略法に気づけますか?」という課題なのだとしたら納得。
 フラッシュ暗算に面白さが欠片もないと作り手側も分かってるだろうから、ダンス要素を足し算してくる。絵的に楽しいし、本作のダンス要素好きだから嬉しさも少しはあるんだけど、正直戦略とかドラマと一切関係ないから、逆に「大人の事情で足された要素なんだな……」と強く感じてしまう。

『魔々勇々』17話

 氷の魔王、身ぐるみ剥がされてて笑った。思春期コルレオと、氷魔法の弱点に詳しいエリシアという対比も良い。
 まさかのグリシャ登場。そのままなだれ込むように事態が収束。意外という意味では面白かったが、もうちょっと今回の戦いのスケールの大きさを感じたかった気もする。まぁ、コルレオにのみフォーカスするという意味ではいいのかもしれないが。
 事態収束のウルトラCとしてのミネルヴァ。マジメに考えた作戦ではない、というのが妙に間抜けだが、それが逆に「置いてけぼりを食らうコルレオ」を見せる効果があったのかもしれない。ミネルヴァとグリシャ、2人のノリのみで話が急速に進む。
 ということで、急に「ミネルヴァ奪還編」みたいな雰囲気になってきた。今時珍しいくらいのお姫様救出のストーリーだ。アイドルのミネルヴァらしいっちゃらしいのかも。ジャンプ作品だと『BLEACH』の2章が代表格だろうか(実写化してほしい……)。その例に則るなら本作はあっちの世界へと冒険することになるのだが、そこまで進むのかは不明。

『ツーオンアイス』15話

 屁ススパイラルからの、素人ながらスマートにこなすたっくん。たっくんにも屁我慢しててほしい(話として逆なのは分かる)。
 とにかく、気まぐれで始めたペアでも完璧にこなす。ここで「イーサンの寝取られ」という予感が小さく描かれたの良いですね。ペアは恋人とイコールではないけど、たっくんの襲来で既存のペアが崩壊していく、というのは大事な話。てか、アレか。この次にイーサンとデススパイラルやったら屁扱いてペア解消ってなっちゃうパターンかw
 たっくん来日。初手で隼馬に “めっちゃ喋ってる…” と気づかれてるので笑った。たっくん、キモさを隠しきれない。やはり隼馬とたっくんはストーカー同士という対比。
 隼馬、そんなたっくんに対して敵意……ではなく、シンプルに尊敬。キモさはさておき、今の自分に足りないものがたっくん(の肉体)には詰まってる。普通に意外なラストだったが、あのピュアさが隼馬らしさだったのだろうな。いや、綺更的に頼もしい要素が一つもないので不安は残るのだが。というか、この「瞬時にたっくんに憧れる」という話を描く回なのに、「たっくんのキモさを察する」という場面が入ってしまうのが最高だな。たっくんには綺更の記憶を消して心穏やかに過ごしてほしい……。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 辰年なのでジャンプ作品に出てくる竜もしくはドラゴン。これは良い。
 基本的には西洋風のドラゴンが多いんだけど、歴代のジャンプの中でもトップクラスの『ドラゴンボール』と『ONE PIECE』が東洋風になってるのが興味深い。干支としてはこっちの方が演技良さそうな感じありますね。
 気合いの入ったデザインでかっこいいのがほとんどなんですが、端っこに微笑む女子高生がいるので笑ってしまった。そうか、『ルリドラゴン』はそのまんまドラゴンネタだったな。辰年の間に復帰できるといいですね。もちろん無理はしない前提で。

次号予告

 『アンデッド』が4周年で表紙と巻頭。ということは『マッシュル』も4周年だったのか。良い時期に読切載ったわけですね。

目次

 JUMPマニアッククイズ。『アンデッド』のユニオンエンブレムは何で出来てるか。前回に続きさっぱり分からん。記憶の引っかかりもない。遺物あたりがありそうなラインか? いや、ユニオン初登場の頃に遺物なんて説明があったとは考えづらいかも。このまま毎週困惑し続けるのとかイヤなんだけど、普通にありそうで怖いw

Aladdin Xさん許可いただきありがとうございます!我が家でもプロジェクター使ってます。
(『ウィッチウォッチ』)

 『スイカゲーム』はゲーム会社ではなくプロジェクターメーカーが作ったもの、という異常現象が感じられるコメント。

あまりに今更だけど夜桜家のキャラ名をPC辞書登録。当たり前だけどすごい楽
(『夜桜さんちの大作戦』)

 うちのブログで「長男」呼びが多いのは辞書登録してないからです。他の弟妹は仕方ないので頑張って変換しがち。

愛読者アンケート

 読切についてと、今の連載陣について。選択肢に『ルリドラゴン』が入ってるのが優しい。まぁ、さすがに「最近面白くなってきた作品」とかに入れるのは迷惑票に近い行為だからやめた方がいいと思うけど。絵柄とか普遍的な質問ならぶっ込む余地がある。
 絵柄が好きな作品。『魔』か『あかね』。せっかくだから前者にするか。ストーリーが面白い作品。『ツーオンアイス』。読みやすい作品。『SAKAMOTO』。最近面白くなってきた作品。『ツーオンアイス』。最近つまらなくなってきた作品。『ONE PIECE』か『ヒロアカ』。普通に面白いが、何か最終章のやり口が見えてきた気がするという意味では2作揃ってそう。超意地悪な表現をすると、やることリストを消化する作業みたいな感じ(もちろんそこまで極端につまらないわけではない)。そういう意味ではより終盤の『ヒロアカ』かな。逆に、よく話が見えてない『呪術』はセーフ。
 「最近つまらなくなった」で、「強いて言えば」な話ですよ。どうなるか分からない状態の方が好き、という話。ゲームでラスボス前にクリアする気が失せちゃう現象あると思うんですが、私その傾向が強いです。そんな感じ。話が閉じてく感じに「かつての楽しさはもうないんだなぁ……」ってなっちゃう。ゲームより受動的なメディアである漫画(しかも連載)はそういう意味でありがたい。どうせ読む。

総括

 終わり。前号のジャンプ記事が去年末に更新なんですが、なぜかその次が1/19というおかしな事態。遅れまくったのは事実ですけど、これでもまだ次号が出てないんですよね。セーフ!

 今号のベスト作品。読切。『首化粧』の方。連載だと『グリーングリーングリーンズ』。誰か略称決めて……。
 次点だと『マッシュル』と『累々』。

 今号のベストコマ。『鵺』の見てると思ったら見られてたコマ。あそこプロットと関係ないレベルで怖すぎると思うんですよ。

 今号のベストキャラ。千夏パイセン。久々にめっちゃ主人公してたと思う。主体的なドラマ珍しいと思うの。良かった。
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