北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年09号の感想

 『デビザコ』面白すぎる。信じてよかった平方先生。

表紙

 『若君』。3周年ですが、今年はアニメスタート時に表紙がほぼ間違いなくありますね。
 てか、若よりも馬の方が顔が大きい。

J金未来杯の結果

 絵描きバトルのやつでしたー。マイベストとは違うが、何となく優勝(受賞)なことには納得できる。設定面白かったよね。

読者プレゼント

 ガリレオ。タイトルの文章のダジャレはいつも通りって感じの詰め込み具合なんですが、グッズ紹介の方が「動く」のダジャレ一辺倒でちょっと手抜きを感じる。「動」オンリーはいいけど、使い方は変えてよ。強引なのでいいから。

巻頭カラー『逃げ上手の若君』142話

 合戦と常軌を逸した強キャラ、そして奇想天外なアイディアによる逆転、そして主人公。やはりめちゃくちゃ派手な回だ。先週はこのための「捨て」だったんだな。松井先生でもこういうこすいことを未だにやるのか……と意外。いや、松井先生だからこそそういう工夫を絶やさない、なのかもしれない。
 合戦における戦術が出てきて面白い。てか、超好き。『三国志』(横山)好きなのでああいう図解されると反射的にワクワクしちゃうんだよな。現実的な戦術だけど、トドメの部分は顕家による必殺技的な活躍、というのもハッタリが利いてて良い。
 んで、敵。部下の命を弾(物理)にして攻撃。これまたハッタリの塊なんだけど、そこに「歴史では謎の部分をこう解釈しました」とナレーションを入れるのが独特。正直このシステムには疑問を抱くこともあるのだが(いちいち言い訳しなくていいよ)、とりあえず今回は普通に面白かった。まぁ、投げられた人間が何の理屈もなく爆発するのには納得いかないけどね。人体が爆散してそれでダメージを与えるほどの速度って無理でしょ。知らんけど、空気抵抗とか強度の問題で投擲の強さに関わらず無理だと思う。人の命を愚弄する姿勢に戦意喪失してしまった、とかの方が現実的にはありそう。
 投げられた人が爆散する速度で投げる人が、そこそこ本気で振るった刀を2人で止める。無理じゃろ。強さのバランスがよく分からん。まぁ、この手の投げ系は他の強さとバランス狂いがち、というのは少年漫画あるあるなのかもしれない。

『ウィッチウォッチ』141話

 サンタさん問題。ここらへんの子育てあるある、篠原先生の実体験だと思うんだよなぁ。ここらへんのリアリティ(説得力)がニコが子供になってからの本作の大きな魅力だと思う。もしくは作家性ver.2。てか、魔法を使える少女が相手だと余計に話がこじれますね。
 ミハル(24)。もっとサービスショット的な方向に振ってもおかしくなさそうなのに、当人が積極的にボケに回ってて面白い。「わけさ」の語尾も謎で超好き。何その24歳像w
 空飛ぶトナカイはいないけどドラゴンならいるよ。からのソリが「むいーん」問題。おおっ、これは『サイボーグクロちゃん』でお馴染みのギャグだ(2週連続で登場)。フライングヒロスエ! これであのギャグが2024年の今でも普通に面白いと証明されてしまった。篠原先生に感謝だ。『新装版サイボーグクロちゃん』の2巻収録分なので、気が向いたら是非~。新装版が出るまでは入手困難だったんですが、今は良い環境になったものじゃ……(ボンボン老人)。



ONE PIECE』1105話

 ウソップの “バスターコール何回くらうんだ おれ達ィ!!!” で笑った。もっともである。インフレによってバスターコールの価値が相対的に下がってしまっている。
 サターン聖。直接戦うのもいいが、部下に無茶振り的な指令出すだけで本人は鎮座してるのもクソ野郎感あって良いですね。特に板挟みの黄猿と、ベガパンクにとって最悪の事態であるパシフィスタが出てくるのでクソポイントが高い。黄猿くんには頑張ってほしい(は? お前が頑張れ似非評論家)。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』211話

 猫耳姉ちゃん、目的物を前にし正体を明かす。片方のミッションは完遂し、ひふみの命は見逃す。これが精一杯という判断。めちゃくちゃ甘いと思うが、本人はめちゃくちゃ苦悩した結果だと分かるのが良い。
 ひふみは意外にも動揺がなく、逆に逃がしてくれる立場に。そこに現れる二刃……とここまでは先週と大体同じ展開でオモシロはそれほどないんですが、心臓を目にした二刃がブチギレとまでは言わないが完全にスイッチが入る。ここ良かった。心臓を見た際のひふみと二刃の違いというのがよく出てるし、事態が決定的に、どうしようもないレベルで進行してしまったと一瞬で分かる。絶望感があるんだけど、絶望するのは敵側、という捻れも面白い。この思わぬタイミングでの激昂というのは先週の『鵺』と似てるんだけど、やはり本作はロジックが丁寧というか、前フリが丁寧で、それでいて決定的な瞬間には言葉による説明は皆無。素晴らしい。

『アオのハコ』134話

 怪我後の千夏パイセン。「大丈夫」の言い過ぎでウンザリしちゃう感じがリアルだった。そこに「家まで」という別の事情が絡んでロボット口調になっちゃうのが微笑ましい。ギャグなんだけど、同時に、今の彼女に寄り添えるのは大喜だけ、という布石になってる。
 川原で号泣。無数の水の前ではいくら泣いても大丈夫。こっちは分かりやすいというか普通に発想の範囲内だったんですが、風が強いので声を出しても気にならない。こっちの理屈が意外というか、「そうなの!?」と少し衝撃の情報だった。大喜の独自理論なのかもしれないが、川好きにとっては常識なのかもしれない……。

僕のヒーローアカデミア』413話

 OFAを捨てる件。「譲渡で特攻すんだよ!!」という理屈なので笑った。あまりに乱暴というか、正直机上の空論に思えてしまう。が、OFAの本質である「譲渡」こそがAFOに対抗しうる唯一の手段、という意味ではかなり良い。物語的な感動すらある。
 砕けるほどの勢いの譲渡なので、受け取った側が使えない。さらには現在デクの動きを止めてるツケを踏み倒すこともできる。後者の方は「脳味噌スクラップ&ビルドで術式が焼き切れても大丈夫!」という五条先生みたいな豪腕さを感じる。それでいて五条先生よりもリスクがでかい。机上の空論っぽさにも通じるが、こういうの理屈をこねてく感じ、ゲームっぽい発想だと思う。『アンデッド』にも感じるノリ。
 スパイダーセンスを失ったのでマーベルに怒られる心配がなくなったと安心してたんですが、黒鞭で強制的に動くスタイルは再びスパイダーマンめいてきたな……(アイアンスパイダー)。元々鞭を使った移動がスパイダーマンだったというのに。

『僕とロボコ』170話

 劇中ドラマのタイトルが「ハニーレモン脱走だ!」で笑った。ダジャレとして秀逸。ヤクザと恋したり、タイムスリップして特攻兵と恋する時代なので、脱走兵くらいだったら普通にありそうと思えてしまう不思議。無実な罪で「私だけは信じてる」みたいな状況が想像でき、めちゃくちゃTLっぽい。
 掃除中に漫画読み始めたら止まらなくなる、の作詞版。あるあるな状況だが、その漫画が『ONE PIECE』だと量が膨大なのでまた特別なニュアンスが生じてしまう。今回は5時間半無駄にしたわけだが、それでも空島だもんな。先は長い……。
 妥協案を捨ててからは一気に捗る。ロボコの自己肯定感ギャグのようになってたけど、「自分でも分かるクソ」を少しずつ書き換えることで満足するものが完成する、という行程にはリアリティを感じた。まぁ、作詞とかそれに類する創作とかしたことないんでアレですけど。

『SAKAMOTO DAYS』152話

 楽、すぐに手当しないと死んじゃうレベルの負傷。からの “制限時間があったほうが燃えんだろ” 、そして “ぶっ殺しRTAだ” 。ゲームをまじえるのが楽らしさなのだが、制限時間とRTAが意味として噛み合わないのでちょっとうまくない。無理矢理ゲーム用語入れました、みたいな違和感のが強い。
 からの決着。先週の南雲の活躍(逆転)が超良かっただけに、今回のは何か「本気出したら普通に勝った」以外の理屈を感じなかったな。正直いまいち。人気キャラの死(脱落)を描く上で特に理屈のない死は結構萎える。RTAの比喩がうまくないって件とも通じるけど、RTAなら最初から全力でやれよ、って話じゃん。
 あと、スラーと合流後も普通に仕事続けそうで少し心配。さすがに何か回復する手段がないとダメだろ。反転術式とかない世界なんだからとりあえず今回のミッションからは外れる、くらいが妥当だと思う。

センターカラー『アイシールド21稲垣理一郎 村田雄介

 読切。作者はそれぞれ原作と漫画。読んでないのでとても困ったお祭り読切。古典扱いするにはまだちょっと新しいし、みたいな時期なのが本当に絶妙というか、私的に一番興味がない……は乱暴な表現だが「未読なことに後ろめたさがない」時期の人気作品って感じ。
 それと似た話だけど、絵(デザイン)が絶妙に古いというのも今回感じた。だから悪いという意味ではなく、そういう時代の作品という意味で、ある意味今回の読切で一番面白く感じた点かもしれない。絵はうまいし、漫画としての迫力もあるんだけど、なぜか古さを感じるんだよな。現在上映中の某ガンダム映画も「2024年にこのデザイン!?」と度肝抜かれたんですが、こういうタイムカプセル的な現象が起こるのは時代を越える作品ならではだと思う。
 説明パートにおける掛け合いの楽しさ(=個人的には苦手なノリ)が『dr.stone』と一緒で感動した。それまで稲垣作品読んだことなかったから分からなかったけど、あの感じは稲垣印だったのですね。まぁ、Boichi先生の単独作でも苦手なギャグは出てきたので、相乗効果ってこともありそう(もししくは稲垣先生の影響をBoichi先生が受けた)。
 あと「1000億%」みたいな言い回し、こっちの作品でもやるんですね。まぁこっちの人は全然いいんだけど、科学者の千空がああいうこと言うの違和感がすごい。
 冒頭のカラーページの使い方が変則的で惹かれたんですが、試合シーンのコマ割りが見開き前提のものが多くて超好き。ちゃんと非試合シーンでは一度おとなしくして、再び試合でブチアゲ、という構成も熱い。正直戦術面とか1ミリも分からないし、あまりに急激な速度で「残り1秒」になって笑ってしまったレベルだし、ルールを知らないので「1秒で走りきれるわけないじゃん」とか的外れなことも思っちゃったんだけど、それでもちゃんと漫画としてのオモシロが感じられる。
 あとは一見さんならではの気まずさであり、楽しさだったのが、ちょくちょく試合中にカットインしてくる訳知り顔の知らない人たち。後方彼氏面、彼女面を目の当たりにしてるようで面白かった。
 AI打倒のくだりは正直つまらなかった。中身のない根性論だったと思う。ただ、機械では出せないアイディアとしての第三の選択肢というのは素人からしても明瞭で、今回の読切だけ読んでも分かる成長になってて面白かった。見開きカラーの一つ前の見開き、下段にY字のゴールポストがあるけど、それが見開きの中央にあることで、本のノドを含めてトライデントを示してる(たぶん)のもオシャレで良かった。
 ラスト。結局ヒル魔という人との決着は着いてないと思うんだけど(最後の対戦相手が分からん)、あれで良かったのだろうか。試合は勝ちで、選抜も主人公なのは分かるが、「ヒル魔に勝った」感が全然ない気がする。ヒル魔との最終的な決着を今描くのは野暮、みたいな判断なのか。ちょっとそこらへんの機微が分からん。まぁ、これは仕方ないことだな。分からないなりに全然楽しめた方だと思う。

『あかね噺』95話

 泰全、計画的な遅刻。なるほどね~、仕事は落とさんが、あかねの落語は見ないので推薦は出さなくてもそこに個人の判断は存在しない。めちゃくちゃずるいし、胸糞悪いが、板挟みの中の精一杯であり言い訳としてはめちゃくちゃ面白い。板挟みの中でのギリギリの譲歩という意味では今週の『夜桜さんち』とも通じる話だが、そのアイディア自体の面白さでは本作のが圧倒的。
 そんな板挟みでグチャグチャになる泰全の心境を水面に映った彼の姿が波紋で歪む、という1コマで示したのも超オシャレ。映画的とも感じるが、1コマの完成された絵で示す、というのは紛れもなく漫画的なんだろうな。あと鳥が可愛い。何でもいいから動物は出してこ。

『キルアオ』38話

 ギャル姫が完璧と思える演技(でいいのか?)をし、勝ちを確実なものにしたが、ノレンが規格外のビッグウェーブに挑む。個人の実力はひっくり返らないが、波の大きさは運によるのでその点においてジャイアントキリングは可能、という理屈は面白かった。めちゃくちゃスポ根だ。
 ただ、ラスト、助けに行くのは普通にギャル姫だと思った。女同士の友情の方がメインテーマだと思ったので。それにギャル姫はサーフィンに特化した選手ではなく、水関係全般って設定だったと思うんで、水中では十三よりも頼もしい(となっても違和感がない)じゃないですか。まぁ、これは来週以降まだあり得る話か。

センターカラー『鵺の陰陽師』35話

 カラー扉、そして3巻の表紙かっこいいですね。やはり黒は良い。中二心をくすぐられる。
 本編。レベル3の説明。からの “四衲の階級は1旗 レベル3と戦うには” で途切れるナレーション。「実力が足りない」と続きそうなもんですが、事前の説明を考えると「仲間が足りない」と続くんでしょうね。まぁ、どんなに集めても7名には届かないので事前の説明と完全に合致するわけではないですが。
 捕らわれ組のトイレガチャ。面白すぎる。やはりこの急に間の抜けたノリが本作の武器だ。偶発的に出る感じが良かったわけだが、今ではすっかり使いこなしてる印象。成長が頼もしくもあり、少し寂しい……。
 究極の2択でまたしても悩む学郎、の元に現れる第三の選択肢。熱いぜ。ちゃんと本話の中で “山外周にかかる幻妖拒絶の術で狂骨も呼び出せない” と前フリを入れてるのも良い。あとは、個人的に静かにキレるスーツ男というのが良かった。ちょっと女性キャラに偏りすぎだった(そういう方面にそれほど興味はない)ので。
 関係ないけど、『ゲゲゲの謎』でもキーとなる妖怪が狂骨でしたね。ゲゲ郎も来てくれ~!(というのは嘘であの映画観ながら本作のこと思い出してました)

グリーングリーングリーンズ』8話

 コラム連載が始まったぞ~。やはりゴルフ解説は必要……と思ったが普通にあらすじ紹介であった。てか、今号はやたらこういうページが多いですね。まぁ、次回以降はもっとゴルフの話になると思う。
 本編。アメリカのゴルフ環境が恵まれてる。今のアメリカって物価が異様に上がってるって聞くけど、それでもゴルフの環境的には日本より安いってことなんでしょうね。ちょっと衝撃だった。アメリカは何でも高いイメージで、大会とか指導者の面で充実してるんだと思ってた。そして、ここで急に金銭面での評価が出てくるのが本作の真価って感じありますね。読切でもゴルフやってて、それが完全に金(賭けゴルフ)をテーマにしてたので。今までは「前身ではないのか?」って感じだったけど、本話で完全に決まった。継続してる。覚悟や緊張感、うまさや逆境などすべてを数値化する際の単位、それが金。ゴルフだなぁw(もちろん他の競技でも賞金はあるけど)
 オリバーくんにボコボコにされてから、苦悩しつつ “だけどさぁ…!” となる見開き2ページ、めちゃくちゃ良い。縦長のコマを並べて語るだけなんだけど、極端に縦長なので顔や全体は普通に見づらく、唯一フィットするのは縦書きの文字情報、ということで自然と主人公の内面に入り込んでいくような感覚。そこに「下を向いてから上を向く」というクソシンプルなアクション(そして伸び)を添えたのもハマってた。結局のところ、苦難にぶつかった主人公が成長するドラマってすべて「下を向いてから上を向く」に集約できちゃうよな。最もシンプルで美しい形、という説得力すら感じる。

『アンデッドアンラック』192話

 前々回に「ジュリアへの説明を省けて痛快」みたいな感想書いたと思うんですが、今回普通に説明してるので前言撤回ですわ……。結局「また説明すんのかよ」みたいなかったるさがあった。もちろんほとんど省略されてるし、ジュリアのキャラクター表現に着地するんだけど。
 んで、トップくん。陸上とは別に母親の病気という悲劇に襲われる。感染症らしいのだが、トップくんがマスクもせずに会いに行ってて違和感がやべぇ。貧困だからってんなら分かるけど、なら最初にマスク盗んでこいよって話じゃん。ただの病気で感染の恐れはない、それでも恐怖にかられて周囲の人によって生じた悲劇、という話なら全然いいんだけど(そうなりそうな気もする)、それなら最初にそう説明すればいいだけの話。不思議だ。戸塚先生、マスク否定論者なのかな……(冗談だよ)。

『累々戦記』7話

 こちらもコラムページが新設。ただ、あらすじ紹介ではなく、設定紹介。せ、説明がなげぇ……。たしかに「本作はこういう作品」というのを端的に示してると言える。それほど独自性のない設定を言い換えまくって、そして用語が多い。
 あと、意外だったのは、投稿を募ってる。『アオのハコ』でやってるようなアレですね。担当が同じだったりするのかな。「これって作品が盛り上がることに繋がるの?」と少し疑問に思ってるんですが、こっちでも始める、それも超早期に始めるってことは結構勝機があるってことなんだろうな。web投稿とかsnsは絡まず、ハガキオンリーってのも特徴なんですが、ネット民以外にもリーチしたい、ということならまぁ分かる。
 本編。敵対する(してくる)剥離師。銃使いであった。いかす。開戦と同時にフルスロットルという見開きも超かっこかった。マガジンを替えるので一呼吸、というリズムが生まれるのも良い。一気にオモシロのレベルが上がった印象なんですが、冷静になって考えると「やはり対人戦が一番」というバトル漫画あるあるですね。本作もその例に漏れなかったでござる。まぁ、対人戦にすればさらに面白くなれる、と逆に考えれば問題ないのかもしれない。別にそれ自体が悪いことではないし。
 週を跨いでも「なんでメガネくんに攻撃したの!?」の件が解決しないままバトルが進むんですが、最後の最後にオチがつくので結構キレイな構成だったと思う。腑に落ちるような理由が語られるわけではないんですが、めちゃ感じ悪いがちょっとだけ図星、みたいなバランスが面白かった。

『魔々勇々』19話

 柱のアオリ。モニカに対して「ガキ」という言葉を使うの良くない。どん引き。
 パンネロさんは強いだけなので、コルレオの情報戦みたいな活躍がでかい。手柄が実感できて嬉しい話なのだが、パンネロさんが不安になるな。頼りになると思ってたのだがw
 モニカを説得する話。「先週もやりませんでした!?」と少し心配になるのだが、今週はエリシアによる説得。とはいえ、ただの会話劇でも見応えがあるので本作の地力の強さを感じる。雨、公園の東屋(?)、屋根の外に飛ばした下駄、先週のコルレオよりも目線を下げるエリシア、と地味な話ながらオモシロ要素が次々と盛り込まれる。良い話かと思ったら信号のくだりで意気投合するので笑った。完全にギャグだが、カルチャーギャップ仲間という意味ではこの2人にしかできない話題ですね。
 敵の目的はエヴァンの降霊。本作のことずっと「初回のあのすごかったやつはどうなってしまったんだ」とか思ってたんですが、一応「とにかくエヴァン(とエンド)がすごい」という理屈なのですね。だとすると、少しだけグリシャのこと応援したくなっちゃうなw

『カグラバチ』18話

 本作もあらすじ紹介ページがあるんだけど、本話は「双城倒して一安心」という一旦エピローグ的な内容なので、明らかに新規用の回ではないなw それでもクロスカットとか、双城爆死の絵とかかっこいいので知らない人でも「面白そうじゃん?」となる余地はあるかもしれないが、伝わりにくいだろうなぁ……。これは『魔々勇々』も同じ。一方、奇跡的に分かりやすい「主人公の成長」というアゲがあった『ツーオンアイス』は新規用のあらすじがない(別途コラムページ持ってるから)。難しい……。
 んで、お次は公権力(社会的正義)が敵になる様子。最近のバトル漫画こういうのめっちゃ多い気がする。とにかく主人公を窮地に追いやりたい、という圧力を感じる。

『ツーオンアイス』17話

 隼馬のキラキラ無鉄砲作戦、今週も相手をイライラさせる。たっくんが特殊なわけではなかった。ただ、一応案自体は呑んでくれて、実行。しかし、安全を確保するためにあれやこれやとめんどくさい行程を挟む。ここらへんリアルで良いなぁ。良い意味で子供扱いしてるの超好き。あとフィギュアというスポーツの特殊性も感じられる。さらには、その練習する際の制限(氷の上は危険)が反転して「氷の上ならイケる」という展開に繋がるのでめっちゃキレイ。
 危険を伴う技をする際、どうしても土台の男子選手がクソデカ感情を抱きがちなので、相方は適度にその辛気くささを緩和させてあげる。おおっ、めちゃくちゃ大人の世界って感じだ。良いな。軽口で相手のメンタルケアするのとかスーパーめんどくさいと同時にフィギュアの、それもペアという競技の特殊性が詰まってて最高。
 陸上よりも氷上の方がやりやすい。さすがに実感までは持てないので「ホントに!?」とかなるんですが、理屈としてはかなり面白かった。危険性は増すが難易度は下がる……いや氷上ならではの難易度は別にあるので実現可能性が上がる、みたいな感じかな。
 リフト技の恐怖。「手」によってコツを掴み、リフト技の成功によって「足」の重要性に気づく。この流れも見事だし、それを補完するかのような今週のコラムページとの相性が素晴らしかった。本来ならシングル技(ジャンプ)には細い足が必要だが、太い足でジャンプする方法を本話で見つける。
 ということで、リフトもジャンプも大成功。隼馬視点で「やったぜ!」という話なんだけど、カメラは早々に彼から離れていき、すぐさまそれを見守る大人たちの感慨を映していくのが本作らしくて好き。あと、あわあわして喜んでる2人が可愛いんだけど、その際手を取り合ってるのがまた「成長しやがって……」という感慨に繋がるよね。

『暗号学園のいろは』57話

 メタバースが終わったのでうだうだと会話。ただ、そんな本話を「嘘」というテーマで包んだのが見事だった。戦争の本質を嘘とするが、その土台の上で考えると顔色だけでコミュニケーションが取れるいろはのヒーロー性が際立つ。最初は「『暗殺教室』の渚くんと同じだな……」と冷めた印象もあったが、この結論は相当良かった。2人とも屁理屈が超うまい(大好きな)作家、という共通項も感じる。
 物語の始まりである握手で終わらせたのも感動的なのだが、最初は一瞬「デカすぎでは?」となった。一瞬した後に良さも分かるが。
 からの2年後。どいつもこいつも『ONE PIECE』の影響受けすぎだろ……と思ってしまうが、学園設定のある作品だと「1年→3年」になるので便利な数字なんでしょうね。

『アスミカケル』30話

 第二ラウンド。兄貴の戦いから学び、明日見流をさらに進化させる。進化というよりMMAによりフィットさせる、みたいな感じか。二兎の取る選択が徹頭徹尾MMAルールに即した発想に基づいてるのが超気持ちよかった。そこに明日見流を徹底的にリサーチしたことが裏目に出る、というロジックが加わるのも良かった。読み合いの戦いだからこそ、読み過ぎることがリスクにもなる。
 成長した二兎の姿は兄貴を彷彿とさせ、自然と客の声援も増えていく。黒沼が坊主にしたり、引退宣言をしたりすることで自らを試合の「主人公」として演出したわけだけど、今回の二兎は兄貴というスーパースターを利用して(さすがに意図はしてないだろうが)主人公性を奪い取る。前からそうだが、試合展開がちゃんと攻防だけじゃないドラマを内包しててめちゃくちゃ面白いですね。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 1/29はタウン情報の日ということで、ジャンプ作品の中の架空の町の名前クイズ。
 連載中の部門からは『あかね』『鵺』『累々戦記』と和系の名前(作品)が出てきて偏りを感じる。和系の作品の方が町の名前でかっこつけたくなるんですかね。
 歴代作品部門ではほぼ半分くらい読んだことないので難しい以前に参加資格がない。

次号予告

 表紙と巻頭は『ウィッチウォッチ』。サンタ後編。そして、映画直前で『ハイキュー』祭り。本家と『れっつ』が揃って凱旋。嬉しすぎる……。ただ、よく考えたら映画直前ではないな。次次号でも何か特別企画でもあるのかしら。本家凱旋以上の企画は無理だと思うが。
 あとはショートフロンティアの復活と、『カグラバチ』がセンターカラー。次次号が『魔々勇々』で、その次が『ツーオンアイス』だといいんだけど、そろそろそうも言ってられないのかしら。

目次

 JUMPマニアッククイズ。先週の答え。ピンとこないが、まぁ名前自体がギャグになってるのは分かる。
 今週の問題。スラーが買った飲み物。知らねぇ~。何だろ、知ってる人からしたら「はいはい あれねw」となるような印象的なものなのかしら。

M-1敗退のななまがりさんのネタを何回も観てる。なんて耳に良い日本語(『ツーオンアイス』)

 漫画内では「こん中にクリスマスイブにフィギュア観ない奴いる!?」とやってたけど、普通にM-1にも興味あるのね。まぁ、そりゃそうか。

愛読者アンケート

 『アイシールド21』。読んだことはないが作品は知ってる。『dr.stone』はコミックスは持ってないが読んだことがある。『ワンパンマン』は読んだことはないが作品は知ってる。
 お小遣い。もらってないよ。それはさておき、年齢別のお小遣いの額とか普通に興味あるな。別に何に役立つわけでもないんだけど。

総括

 正直めちゃくちゃ気が重かった『アイシールド21』が終わって少し晴れやかな気分。まぁ、それなりに楽しめたから良かった。当たり前なんだけどさ。

 今週のベスト作品。どうしよ、悩むな。どれも面白かったがそれなりという感じで、困ったときの『ツーオンアイス』も面白かったが、やはり先週までのたっくんフィーバーを考えるとベストに挙げるには抵抗がある。
 強いて言うなら『グリーングリーングリーンズ』だろうか。静かながら感動的だったし、読切の要素が出てきてテンション上がった。

 今週のベストコマ。『ウィッチウォッチ』のフライングヒロスエ。『サイボーグクロちゃん』だからだよ。

 今週のベストキャラ。『累々戦記』の凪斗終。本作の魅力を大きく上げた存在だと思う。今後の本作への期待が高まったという意味でもここは選びやすかった。
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