北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年18号の感想

 みんな映画『ハイキュー』を観てくれ……(再び鑑賞したので発作)。

表紙

 アニメ化記念『夜桜さんち』。この表紙を見て初めて「アニメ化記念の巻頭なのに本編に太陽がいない!」と気づいたのだが、まさか巻頭カラーでセルフツッコミ入れてくるとは思わなかった……。アニメでは六美との馴れ初めが描かれるのに、今号ではその六美との息子が登場してるんだからすごい。思えば遠くに来たもんだ感。
 そんなアニメ。夕方で2クールやるらしい。ちなみに4月からの『ヒロアカ』も夕方。チャンネルは違うが連続した時間。ちょっと前までは「アニメ化ってもう深夜にしか枠がないんだよな」みたいなことを言ってたと思うんですが、アニメ人気が高まりすぎてさらに一周してしまった。とはいえ少ない枠をジャンプが2つ押さえたのはやはりジャンプブランドの高まりでもあろう。この調子で人気が高まり続けたら水曜夜7時台とか日曜夜7時台のフジテレビで放送したりするのかな(ジャンプ作品が放送されてたイメージ)。まぁ、問題はフジテレビの方の人気がかつてからは信じられないほどに落ちてる……。
 ちなみに『アオのハコ』は24時ちょい前らしい。これこそ夕方やりそうな健全さだが、本作の持つ「ジャンプっぽくない」が逆に働いた可能性とかあるのかしら。

読者プレゼント

 桜。関係ないけど『夜桜さんち』とのも一致も感じてしまう。ただし、現実世界で実際に満開って地域はまだ限られてるんじゃないかしら。今年は遅いですね。
 各グッズを桜の名前でダジャレしてて楽しい。特にギフトカードに添えた「欲しい物河津にはいられない!!」は普通にうまい。
 鬱金桜のダジャレがあるんですが、これを見て初めて『夜桜さんち』に出てくる鬱金が桜由来の名前だと知りました。ちょうど今本編でも活躍してますね。

巻頭カラー『夜桜さんちの大作戦』220話

 成長あるふぁとフィジカルモンスターの辛三。そもそもあるふぁの武器が辛三由来ということもあって予想以上に辛三が圧倒。あるふぁがかっこつけてるんでかなり意外だったんですが、あるふぁに怪我させてしまったことに責任を感じてるからこその本気、と説明されるので腑に落ちる。ひふみでもいいけど、基本的には愛されてるから手を抜かれがちな関係だと思うんですが、だからこそ偽りのない本気というのが成立する状況。これを作り上げたのが改めてすごいと思う。
 キレイなあるふぁ(成長)が登場。マジであるふぁのバリエーションが多すぎる。まぁ、脳の超人なので精神世界で理性を司る自分と対話する、という展開にはそこそこ納得できたので良かった。基本的に精神世界あまり好きじゃないので。
 かと思ったらさらにもう一つ、あるふぁに新しい姿が生まれてエンド。マジで多すぎる。あと、気味悪系のデザインだったのが結構ショック。目って苦手なんだよな。まぁ、脳から直接目が生えてくるのはちょっと理にかなってる(そうか?)感じがして嫌いじゃないけど。

『アオのハコ』143話

 兄弟対決。ゆさゆさ。兄が好きなので久々の登場嬉しかったんですが、あまりにあっけなく終わるので驚く。「まぁ大喜との試合が本番ですからね!」とか思ってたら、それも今週で終わるので驚く。急に早すぎるよ。どうしたんだ。人気も高いだろうに。
 まぁ、真面目に考えるならば、遊佐弟も大喜も遊佐兄と魂の対話をするだけの実力を発揮できなかった、ということなのかな。悔しがる大喜よりも針生先輩に嫉妬する遊佐くん、というのが出てきたのは非常においしいです。クール系選手に本気を出させるドラマというと今は個人的に『ハイキュー』の連想不可避なんですが、バドの、しかもシングルスなのでバレーよりも剥き出しの魂がぶつかり合う感じがして別のおいしさがある。濃厚にコミュニケーションを交わす競技だが、ネットを挟むので肉体的にぶつかり合うようなまったくない、というのは『ハイキュー』と同じですね。とりあえず、出番が少ない割に遊佐くんがおいしいので良かった。やっぱ良いキャラ。作者からの寵愛も減ってないようで安心。
 からの千夏パイセン、応援の謎。バレ寸前って感じで良い。千夏自身はそのリスクを知ってか知らずか大喜の元へ駆けつけてしまう……が、今大喜と話す権利が与えられるのは千夏ではなく針生パイセン。ここめっちゃ良かった。マジで良かった。彼女はすべてに優先する、みたいな恋愛中心的な考えで物語が進行しない。正直それだったら台無しだったとすら言える。
 話がめっちゃ進んで驚いたけど、普通に面白かったですな……と満足したんですが、よく考えたら菖蒲は!? 遊佐くん出して菖蒲のドラマ進めないのかよ。もう興味がないかもしれない……みたいな方向でも何かしらの出番はあるかと思ったでござる。

僕のヒーローアカデミア』418話

 精神世界で弔を止める方法。すべての元凶である弔の手を、デクの手で止める。最高。イメージの世界なので崩壊の問題は少しだけ有耶無耶にできる、というバランスも良い。この世界でしかできない、2人の手による直接対決というのがどうしたって感動的。弔対策みたいな理屈をこねるのではなく、問題である手に対して最短距離で、愚直に突っ込むのが良い。 “だから……来たっ” で締めるのも最高でしたね。ヒーローとしてのデクが完成した瞬間。これにて『僕のヒーローアカデミア』完!! 『呪術』より先に終わるとは予想外だったなぁ……とマジで大満足してしまったので、再びAFOが暴れ出す展開には良い驚きよりも「もういいよ……」的な気持ちも少しある。デクが良すぎるので。今のところは。
 ただ、弔の中に存在する「誰か」の記憶として登場し、彼の主観映像なので彼の顔は見えず、見えるのは彼の手のみ、という手演出は相変わらず冴えてるのでそこは良かった。あと、クソデカな登場も何か良かった。とはいえ、もはやAFOに悪役としての魅力は感じないんだよなぁ。また新たにドラマを描いてAFOのキャラを立てるところからやらないといけないと思う。

センターカラー『あかね噺』104話

 三馬鹿の過去編。予想以上に若泰全が可愛いので良かった。正直「そんな寄り道しなくても……」とか思ってたのですが、やはり馬上先生のキャラデザ大喜利が圧倒的。
 そんな過去編、すぐ終わる。良かった。というか、すべては「今の泰全の落語」しか描いてなかったと言えるレベル。もはや過去だと思われたパートはほとんど今で、今やってる落語がそのまま過去。ほとんど私小説的なアプローチだが、あかねの成長物語として描かれた最新のテーマは自身のキャラクターの反映なのでめちゃくちゃ腑に落ちる。あかね以上の実力者が我を打ち出した落語をするんだからそりゃ一瞬過去編が始まるくらいの演出がされてもおかしくないわ。

『ウィッチウォッチ』150話

 バレンタイン。意外と小さいエピソードだったというか、こじんまりと収まった印象。
 ネム視点なので仕方なかったのかもしれないけど、誰か1人(というか消去法でモイちゃん)にはチョコを用意してほしかった。友チョコの概念は出てきたけど、それなら男子の誰か(モイちゃんしかいないが)がチョコを用意してもおかしくないでしょ。ニコもいるわけだから、モイちゃんがバレンタインを教えてあげようとはりきってチョコを用意してもおかしくなかったと思うんだよなぁ。「一番ガチじゃん」みたいなギャグも目に浮かぶ。まぁだからモイちゃん中心になるのが問題だったのかもしれない。
 あと、ウルフにチョコあげるのは普通に当然というか、みんな「意外なアイディア」みたいなスタンスでいるのが結構酷い。そんなこと言い出したらバレンタインに限らないけど、みんなそれなりにお世話になってるし、そこまでの悪人じゃないと今では知ってるわけだから忘れないであげてよ……みたいな。
 メインイベントとしては性別変更で女子会。わちゃわちゃした会なのはいい。それはいいのだが、その導入として “みんな女の子になればいいのにな” というネムの心の叫びがもう『ツーオンアイス』にしか思えないのよ。しかも極悪として扱われる言葉。しかも先週それがちょうど描かれたばっかだし。ものすごい事故もあるもんだな……。
 性別変更とか正直大好物なイベントではあるんだけど、全然ピンとこなかったのは『ツーオンアイス』の件もあるけど、単純に篠原先生の絵(デザイン)との相性もあるんだろうな。あまり意識してなかったことに急に気づいた。ありがとう性別変更。
 モイちゃんが唐突にメガネしてたのは単なる「性別変更」ではなく、ネムによる「願った姿への変身」だったからなんでしょうね。ここらへんに理屈が感じられるのは好き。同じ理屈で「ケイゴだけやけに美形に変身」とかなっても面白そう。

『呪術廻戦』255話

 マジでミゲルやるの? と困惑しながら読み始めたんですが、割とさっさとミゲルはどうでもいい話になるので良かった。「なんでミゲル(たち)の登場こんな引っ張ったの?」という点にも一応理屈を通しつつ、だからこそ今が最大のチャンスとして隠し玉たちが一斉に出てくる展開も熱い。
 そんなミゲル。普通に肉体が強い。GIGAもしくは映画の段階である程度戦士として完成されたキャラなので突飛な能力にすることができなかったんだろうな。五条相手に本気を出さない理由が1ミリもないので。知らない人が見たら普通に戦ってるように見えるけど、実はビートを奏でてたんです~、という後から何とでもなる設定。これはうまい。
 ただ、体が強くてリズム感が良いってのはマジで黒人へのステレオタイプですねw 酷い話だけど、劇中で酷い話(しかも五条が言う)として扱う。成立してるかは分からんが、こういう意味でも五条先生のキャラクターは便利。
 ミゲルもステゴロ、虎杖も出てきてステゴロ、そしてフィジカルお化けの真希パイセンまで出てくる(剣持ちだが)。結局ステゴロに落ち着く感じが本作って感じのデクだ。オモシロ術式大喜利みたいな方向に対しては “まぁ特に面白味のない術式だな” と劇中で一蹴してるのが良い。

『超巡!超条先輩』8話

 先輩に恋人疑惑。スマホのロックを解除せずともLINEの通知で文章がちょっとバレる、というのには普通に感心してしまった。たぶんお馴染み感じる人も多いんだろうけど、「めっちゃ怖くない!?」と新鮮に驚いてしまった。
 謎の女性「チヒロ」から自室へのお誘い。今は『カグラバチ』でチヒロという男性が主人公やってるのでこのトリックはいくら何でもまずいというか、担当ストップが入って然るべきだったのではないか。まぁ、男性とバレること自体は承知の上でさらに驚かせる、ということなんだろうけど。女性ではなく男性で、それどころかキッズだよ……と読者に疑わせる意図があったように思う。「大人の時間」というのが前フリに思えたし。子持ち疑惑も「そっちかよ」となる助走だと思った。まぁとにかく、結局は沼先生の手の上で楽しく踊らせていだたきました、という話。
 そもそも仕事があるから先輩ストーキングできないよね……と思ったところに登場する警視で笑った。存在が便利すぎる。理性を働かせるポンちゃんの背中を押し、仕事面の問題をクリアしてくれる。そして何より何の前触れもなく登場しても許されるのが強すぎる。

センターカラー『僕とロボコ』179話

 伏線に憧れるロボコ。こないだの『ウィッチウォッチ』でお笑いドキュメンタリーに憧れる話あったけど、今の世の中の空気をキャッチするという意味でものすごく鋭いと思う。鋭いというか欲望に忠実すぎるというか。よくそこまで身も蓋もないことに気づけるし表現できるね、みたいな。
 ただ憧れるだけではなく、もう既に伏線はやってるし、回収もしてる。過去形なので笑ったし、この剥き出し感が強い。宮崎先生やっぱすげぇよ。てか、普通に良い伏線とかあったよね。紹介された中で。もうこれ以上はないくらいしっかりしてると思うんだけど、人の欲望には底がない。
 作画ミスを伏線として人類に潜入してるオーダーメイドがいる説は笑った。実際にそういう作品もありそうだし、何より「考察」を武器に活動してる人こういうこと言ってそう。最近のそういうシーンには疎いのですが、昔だとコンビニに置いてあるような考察本(当時読んでたわけじゃないよ)とか。てか、真面目に考えて最近の考察ブームってああいう本とほとんど同じなんだよな……と思うとやっぱり萎える。
 他作の伏線を勝手に回収する。ワンピースが出ちゃったけど、他に「伏線」の大手って何になるんだろうか。『名探偵コナン』の「あの方」とか? それも半分くらい明らかになったし、ワンピースと並べる感じではないのかなぁ。そもそも巨大な伏線(というか謎)を掲げるタイプの作品は少なくなってるのかな。発想が一昔前というか。
 ラスト2ページが今後の伏線。すごく良かった。ダメな伏線の例って感じで超好き。意味不明なことを声高に叫んで、それを数年後に説明するのが伏線(と呼ばれるただの謎)……ってつまらないよね、という話をしてる気がする。いや、宮崎先生もそっち側の人間だったらショックなんだけど。

『逃げ上手の若君』151話

 信頼のできる実力者に囲まれてるが、偉いだけで実力のないポンコツが参加してきて不穏。これは面白い。当時のリアルも感じるし、同時に「全然今でもあり得る話だろ……」と気が重くなる。さらには、先週やってた敵側の合理主義の話と対になるというか、「こういうのが嫌いで象徴天皇制(違う)をやりたいのだな」と納得できてしまう。
 早速敵軍。早速ポンコツが馬脚を現し、早速敵のトップが目の前に。あまりに早速すぎて打ち切りを疑ってしまうスピード感。もしくは死んだと思ったら悪夢でした、みたいなオチが待ってそう。そのくらい現実味がないというか。まぁ、相手の策が完全にハマるとまさに「あっという間に」襲われることの表現なんでしょうね。
 雫がセクシーアピールでエンド。超意外。若以外に興味あったのか。松井先生の興味というのもそうだし、読者の引きという意味でも。
 真面目な話、神力みたいな話はあまり好きじゃないというか、「じゃあもう神力で天下統一してくれよ」みたいな気持ちになってしまう。本作の今までの扱いもそれほど良かった印象がないし。普通に神力で天変地異起こして敵陣潰せば勝てるでしょ、って件が放置されるので真面目に戦してるのが馬鹿らしくなるというか。……というように延々と愚痴を言いたくなってしまう。

『キルアオ』47話

 獅童、普通にプロの殺し屋に勝つ。超意外だ。最後に十三がひっそり助けてくれてて、それが因縁の銃によるものだったのとかすごく良いんだけど、十三がいなくてもプロと差し違えるってすごすぎだろ。
 十三の銃についてもそうなんだけど、獅童と武器の話で統一されてるのも良かった。敵は本来武器ではない触手と武器に使い、獅童はそれを奪ってムチとして使う。そして十三は人を殺すための銃で獅童の命を救う。本話全体が「武器とは」という話になっていて、今後おそらく獅童が成長する(考えを改める)話になるんだと思う。

『カグラバチ』27話

 柴さんがコマに見切れることで情報収集してるのだと分かるオープニングめっちゃ良いね。いきなり内部にいて、だからこそ敵に疑われないのもテレポーターならではの活躍。そしてそれが俯瞰の視点となることで、キッズの語りを経由したチヒロの登場という変則的な構成が締まる。一話区切りの完成度が見事でしたな。
 Mr.イナズマって何ですの?(勘が悪い)となり、柴さんによる暗転を挟んでからのチヒロの隠し玉。相変わらず暗闇の使い方がうまい。そしてフキダシがちっちぇ。

『Dear Anemone』7話

 本来植物には脳がない。それが人間との最大の違い。めちゃくちゃ面白い導入だったのだが、正直この話が本話内でその後意味を持つことはなかった……ように思う。要領を得ない会話で別の場面に飛んだりが本作は多い印象。
 人間側にも化け物はいるし、死んだと思った人も殺されることで適合する可能性もある。これは良いな。まったく新しいキャラではないのに、本作の可能性が一気に広がった感覚。謎に印象深い “スッポンポンやないかい…” もカメレオンの能力で透明人間やるには裸が適切ってことなんだろうな。いや、この理屈だと常時裸で行動することになるのでさすがに現実的ではないのかもしれない。即裸になれるバスローブみたいな感じが最適だろうか。AVの出演者みたいだ……。

『アンデッドアンラック』201話

 対ランゲージ。直接のバトルではなくゲームらしい。しりとり。正直本作が出してくる独自ルールってあまり相性が良くないので、普通に戦ってほしかった気もする。まぁ、普通にランゲージが強いってなるとそれはそれで違和感なので難しいところか。
 先攻後攻でしりとり。それぞれ出した言葉が具現化するのでそれで攻撃、防御するらしい。ここまでは分かった。ややこしそうに思えたけど絵的に単純で助かる。ただ、全言語の部分がぶっちゃけさっぱり分からん。何を言っているんだ……。
 全言語と風呂敷を広げたものの、日本語、英語の次にアイヌ語が出てきてややこしい。アイヌ語のカタカナ表記で混乱する。どうせ第三の言語出すならもうちょっと離れた言語を出して……。まぁ、まったく知らん文字を出されたからと言って「それは面白いのですか?」という感じではあるよな。来週どうなるんだろうか。

『鵺の陰陽師』44話

 バケモノの会合。例によって妙に間の抜けたギャグセンスが最高なのだが、この場面においては「人間の真似事をするバケモノ」なのでその変なリズムが不思議なリアリティを生んでたとも思う。
 学校。俺の妹のコミュ力がこんなに高いわけはずがない(元ネタよく知らない)。学郎とのギャップや彼のリアクションが最高に楽しかったのだが、若干の問題としては妹のコミュ力発揮シーンを具体的に描かれると「これそんなにウケるか?」とか違和感を覚えてしまうこともちらほらあるな。本作はギリギリのバランスの上で成り立っているのがよく分かる。そのギリギリさが安定しない(たまに失敗してる)のが逆に読んでて面白い要因でもあると思う。
 膳野くん、今回はかなりまともというか、ひょっとしたら本話の中で一番言動に安定感のあるキャラだったかもしれない。おそらく妹持ちの先輩という立場だからでしょうね。思わぬ形で活躍するというか、頼もしい。
 そんな膳野くんの言う通りにデレる妹。膳野パイセンマジスゲェッス! という感じだが、そんな妹に対して学郎が先週得た評価に基づいて「誰も死なない隊長におれはなる!」と目標設定する。とても良い。 “お前を消滅させてやる” よりもかっこいいし、学郎らしさというか、地に足着いた感じがある。いや、レベル4に因縁が生じた以上この2つに難易度的な違いは大してないので「誰も死なない」の方が地に足着いてるというのは錯覚なのかも。

『魔々勇々』28話

 エンドの回想。魔王の紋章持ちを次々に殺すことで紋章ガチャを回し続ける、という発想は禍々しくて良かった。良かったが、ちょっとだけ『アンデッド』の風子を連想してしまったな。別に殺してるわけじゃないから全然違うんだけど、「UMAは増えても問題ない!」と断定するくだりがうまく飲み込めなかったので。
 そんなエンドの生い立ち。実際にはそれなりに面白かったんだけど、謎の存在だから面白かったエンドが「可哀想な少女」というよくある話として回収されることに寂しさも感じた。本作が悪いのかはよく分からないし、理屈を通されることで広がり続けていた物語がゆっくり閉じていく展開にネガティブな印象を抱いてしまうのは一般的な最終章あるある。今最終章やってる他の作品にも感じたことはある。てか、本作はやっぱり最終章なのか? 「違うと思う」というスタンスで読み始めたのだが、よく分からなくなってきたな。今週の『ロボコ』の伏線回収論とも少しだけ重なるけど、あんまこの手の伏線回収に興味がない……は言い過ぎだけど、そこまで盛り上がらないんだよな。
 良かったところでいうと、囚われの少女に同情する看守という定番の話が展開すると思ったら “そんな軽めで良いんっスか…?” と彼も十分狂っていたと分かる。この場面超良かった。救いのないない、根本から狂った世界というのがよく現れてる。それはそうと “良いんっスか” って不思議な文章。

グリーングリーングリーンズ』17話

 王賀の少女時代。奇しくも先週の『ツーオンアイス』に続く「学校ではできないスポーツの始め方と続け方」って感じだな。もちろんあそこまでの地獄は展開されないんですが、本作は本作で大変。母親がプロゴルファーで、そのことで両親が離婚。素直に母親について行けば話が単純だったが、そうも行かず悶々と問題やストレスが蓄積していく感じがリアルでとても良い。
 良いのだが、王賀母のキャディがオリバーの母親、という点が本話の序盤で説明されない(以前されたのかな)ので、「なぜ急に関係ないキャディの話が?」と少し困惑した。キャディとの関係が原因で離婚に至ったとか勘ぐってしまったレベル。
 そんな回想も交えつつの改心のロングパット成功。彼女の中でアメリカ行きを決心する重要な場面だったのだが、周囲の人は何も知らないので割とのんきにイーグルを祝福してくれてるのが良い。珀もそうだが、独りの世界に入り込むタイプなので、内なる世界のドラマが外の世界と全然合致しないことがある。外の世界であるので偽りのない賞賛の言葉で、それがそれぞれめちゃくちゃ刺さる、という関係性が最高だった。変に口出ししたりはしない……が、それでも一緒にコースを回ることでポジティブな影響を与え合うのも間違いない。

『となりのホーム』ヤマノエイ

 読切。ジャンプショートフロンティア。二度ほど読切を載せてる作家ですね。ショート作品らしく現実的な小さな物語にしてきたのが分かる。
 受験当日の主人公が受験票をなくすが、通りすがりのピン芸人(炎上中)が助けてくれる。私が若手芸人事情に詳しくなかったり、芸人のyoutube動画事情を全然知らないせいもあるんだろうけど、この炎上のくだりが全然分からない。妙に具体的な内容が語られるのだが、 “リズミカルにライオン狩りするフリップネタ” というのが「何それ!?」という感じで不思議な印象が強く残る。動物を狩る芸人のネタというのが「ダンソン」しか思いつかないので、それで炎上するイメージが湧かないし、そもそもフリップネタがよく分からないし……。漠然と「タイミングが悪くて炎上した」という話として受け取ればいいんだけど、ものすごく気になってしまうんだよな……。
 20歳の若手で、所詮はyoutubeに上げてるネタに過ぎないので炎上と言っても大した規模じゃないと思うんだけど、ここらへんの細かいバランスもよく分からなかったな。そんな気にするほどのことじゃないと思うんだけど。まぁ、「それでも本人にとっては大事なんです」的な話なのかもしれないけど。
 受験生らしさを感じる電車の中というシチュエーションが面白いのだが、芸人の本当の行き先は……となる転換のくだりは掛け値なしにめっちゃ良かった。彼女のことを助けることで彼自身も助けられていた、というのが「電車の行き先」だけで語られる。超良い。
 ひょっとしたら今週の『ロボコ』の影響かもしれないんだけど、主人公が芸人に対してタメ口な件が「何が意味があるのでは」となってしまったので、ただめっちゃフランクな人だったw 一応年上なのに……と思ったがさすがに突然出会った若手芸人相手に年齢の上下とか気にしないのかも。東京(?)で出会った関西人同士なので近い距離感になった可能性も考えたが、ラストに出てきた大学の友人も関西弁なので普通に舞台が関西って方がありそうだな。だとすると、そもそも若手芸人との距離感が私が想像してたものと根底から違うのかも。よく知らんけど、関西は独自の文化ありそうなイメージなので。
 終わり。良いところもあるが、不思議で掴み所のない印象が全体に的に広がってる作品だった。やはり最初の若手芸人観でつまずいた可能性。ライオンの死のネタが分からん。炎上するのも反省するのもイメージがつかない。芸人がSNSの発言で炎上とかなら分かるけど、ネタで炎上ってあまりピンとこないというか、記憶がない……Aマッソの人種差別漫才とかはあったか。人種差別級の大事なら分かるが、ライオンの死……不思議だ……。まぁ、これで差別だと誤解されかねないネタで炎上みたいな話だったら「いや普通に最低じゃん」となりかねないから「運が悪いだけの炎上」に説得力を持たせる具体例が難しいんだろうなw

『累々戦記』16話

 修行。ヘラヘラしたまま首吹っ飛ばされる絵が面白かった。やっぱ本作のとりあえずルックは整ってることの強みを感じる。あとデザイン面もそうか。
 襲撃される街。それを劇中でも言われていたように怪獣映画のように描く。もうちょっと街を蹂躙するくだりを見たかった気持ちもあるが、襲撃者に対して「残念だったな」となる話なので難しいか。そんな怪獣映画パートの始まりを、電車の中の少年にしたのが最高だった。やっぱ電車って良いよな。日常の象徴感もあって、それなりに開けた視界になりがちで、ガラス一枚向こうにあり得ないものが見えることのワクワク。それこそゴジラでも定番ですし。
 かっこつけジジイが実は非戦闘員。これも良かった。あの手の組織のトップにいるジジイがかっこつけるのも定番で「はいはいそういうのも好き」となるんだけど、戦わないのが意外。それでもトップを張るだけの実力はしっかり感じさせてくれる。まぁ、ちょっといくらなんでも便利能力すぎる気もしたけど、非戦闘員をそんな引っ張っても仕方ないのであのくらいが適切だったのでしょう。

『ツーオンアイス』26話

 きさはゆのショート。たっくんに毒されてるので2人が見つめ合ってキラキラしてるだけでちょっと笑ってしまう節もあるのだが、とても良かった。見つめ合えること自体が2人にとって巨大な成長なわけだし、キーとなってくる「2人の世界」を象徴的に示してる。2人の目的は「2人の世界を見てもらう」なんですが、見つめ合うのとは別にサイドバイサイドのときには2人の視線が外向きになり、ここで初めて外の世界への接点が生まれる。トリプルアクセルの見開き、2人が回転することで視線が外向きになると同時に互いを見つめてるようでもあり、さらには読者に向けてるようでもある。
 難易度やリスクの点からツイストリストは捨て演技として最初に組み込むのとかも戦術って感じで面白かった。こういうとこまで分かると(解説されると)フィギュアの面白さはグッと上がるんでしょうね。演技構成のこととか考えたこともない……いや、荒川静香イナバウアーは実は全然加点対象じゃない、みたいなのは聞いたことあるな。エンタメ精神でやってたらしい。
 たっくんのサイドバイサイドがウンコだったおかげでライト層の客が今回「ペアってめっちゃ面白くない?」となる流れも痛快だった。たっくんの暴挙が主人公たちの活躍の踏み台となるの最高だろ。ただ、それでも「ユキ様がペアを選んだ理由が分かった」という考えになるのがリアルで良い。
 そして、タイトルの「ツー」の意味について説明され、サブタイがタイトルそのものという着地。今週の『ヒロアカ』に続く「良い最終回でした~」という感じだ。いや、あちらのAFOよろしくたっくんが巨大化して暴れるので終わられたら困るのですが。

『ルリドラゴン』11話

 「お前はもっと最終回っぽく終わってくれよ!!」となったw いや、別に終わるわけじゃないから無理して区切りとか意識しなくていいんだけど。
 区切りはなかったものの、本話の前半は結構最終回っぽさもあった。いろいろあったが改めて日常が始まり、主人公が移動するに従って知り合いが代わる代わる出てくる。最終回っぽいやつだ。好き。
 ツインテールやめた子。そもそも現実世界では彼女が大々的に登場するのがめっちゃ久しぶりなので余計な混乱が生じる……のも一つの味わいですね。それは全然いいんだけど、ツインテール、髪色、ピアスの3つが同列に問題視されてどれか一つやめるよう注意されてたのがよく分からない。「全部いいだろ」が前提になるんですが、学校側が小うるさく言ってくるなら髪色とピアスの方がランク上じゃない? ツインテールに問題要素があると思わなかった。まぁ、これも私が無知なだけで実際にツインテールには指導が入る、みたいなクソ校則もあるんだろうな。理由が分からん……。
 多少雷をコントロールできるようになったので一発芸。これで男子はイチコロである。しょうもなさすぎるんだけど、絵として見るとやっぱ少しワクワクしてしまうので悔しいw 「ツノ触らせて」が若干センシティブなニュアンスを持つのかもしれない、みたいな話とは対になるというか、ルリ自身の選択と実力によって周囲の人を満足させるドラゴン要素、ってことなんだろうな。何気に感動的なのかもしれない。次は手から電気ビリビリ出せるようになってほしい。
 んで、体育祭。ツノがあると危ない(危ない競技もあるのか?)ので、運営側に回らないか、という提案で本誌連載はエンド。良い落とし所と思ったところもあるが、そもそも「そんなに危ないか?」とも思うので、意味なく特別扱いしなくてもいい気もする。もちろん学校全体のイベントになると奇異の目で向けられる可能性があるのでその配慮とかもあるのかもしれない。あと、体育祭に興味ないのに実行委員やらされるのめっちゃイヤですねw ここらへんは意識低い学生のリアリティを感じて好き。
 終わり。こういう終わり方をするとはな。私だったら絶対、最後に突然ファンタジー編の開幕を告げてよっしゃああああ!! って例のパロディすることが選択肢として思い浮かんでしまう。眞藤先生は我慢できて偉い。いや、せっかくだったら11話という少ない話数を拾った方が適切かもしれないか。ただ、そっち系に行くと人気作が不人気作をネタにしてるみたいでイヤな感じが出てしまうんだよな。やはり眞藤先生は偉い。応援してます。
 今後。読むけど感想は書かないと思います。今までも電子版限定の作品はスルーだったし。お達者で。帰ってくるなよ~!(『ルリドラゴン』の連載が健全な形で長く続けよの意)

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 鉄塔編。の後編。『ハイキュー』のスカイツリー(東京タワー)があって大満足だぜ!! と思ったが「鉄塔ではなく電波塔ですが一応」みたいな扱いなのでびっくりした。違うのか……。いや、セリフでは「鉄塔」なのでこの場合私の記憶が悪いのではなく、私の鉄塔知識が低い。
 完全に覚えてなかったのは『べるぜバブ』。初回に鉄塔がクライマックスだったらしい。「そうなの?」という感じだが、電気属性ということを考えれば納得ですね。鉄塔の「電気」という要素をしっかり拾い上げてるのが意外と珍しくて、鉄塔漫画としてかなり優等生なのかもしれない。

次号予告

 『ヒロアカ』が表紙と巻頭。AFO復活が「うそうそw」となって「次週センターカラー!」となる可能性も考えちゃうな(つまり最終回)。いや、面白くなればいいんだけど。
 衝撃だったのは『超巡』センターカラー。先週もカラーでしたけど!? いくらなんでも間がなさすぎるので、超人気あるのは前提として別の事情も働いた可能性も考えちゃう。次次号が『Dear Anemone』カラーだったら、次号と次次号が自動的にもらえる新連載応援目的のカラーで、前号のカラーが異常人気の現れ、みたいな。

目次

 JUMPマニアッククイズ。『ツーオンアイス』より、2人同時に同じ振付を行うことを何と言うか……全然マニアックじゃないよね? おいおいおい『ツーオンアイス』エアプかよ。明らかに今までのクイズと毛色違うじゃん。まだ「キリンのマスコットキャラクターの名前は何」とかの方がいいよ。急に基本情報なのよ。そして今週の本編に頻出するし。マジでエアプの編集が最初の数話だけ読んでクッソ雑に「これマニアックなんじゃねぇ?」とやった以外に事情が思いつかないというか。そんなにマニアック要素なかったのか……?

中華屋で劉備関羽孔明が盃を交わすお酒の広告を見て『妙だな…』となる。
(『超巡!超常先輩』)

 めっちゃ見たい……。

今週の原稿作業のお供はマーベル映画。ウィンターソルジャーが出る時は作業を中断し注視。
(『カグラバチ』)

 今週の仕事中断情報。『ファルコン&ウィンターソルジャー』観ようぜ。

愛読者アンケート

 ポスターが買うきっかけになったか。ならない。
 ジャンプ公式youtubeチャンネル。知らないし観たことない。

総括

 申し訳ないが映画『ハイキュー』が一番面白いんだよなぁ……という気分。まぁ、漫画としての面白さではないので本誌を読む際は意外と平気だし、あくまでも映画なのでテレビアニメとしての『夜桜さんち』『ヒロアカ』とも競合しないか。競合するのは『ヒロアカ』の映画。いや楽しみだけども。

 ベスト作品。『カグラバチ』だろうか。いや、今週も安定して面白いって感じだが、今週は特筆して跳ねた作品がなかった印象。
 『ヒロアカ』は良かったが最後が「大丈夫?」ってなるので判断に困る。

 ベストコマ。『ツーオンアイス』の見開き。最初の方。

 ベストキャラ。『鵺』の膳野くん。「変な」という但し書きのないキレイな膳野くんが見れて私は満足です。いや、学校の友人筆頭くらいで落ち着きそうなことについては未だに疑問なのですが。
gohomeclub.hatenablog.com