北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年08号の感想

 スーパー今更ながら『ゲゲゲの謎』観ました。おで、水木すき……。

表紙

 『アンデッド』。4周年ということで。主役カップルに周囲からペンキぶっかけてる一同が小さくて可愛い。可愛いが、ペンキというテーマがよく分からんな。アニメ化→色が付く→ペンキ、ってことかしら。

読者プレゼント

 日進月ポワロ。なんでポワロなんだ……。しかもポワロ要素が語尾の「ポワ」のみというのもマジで謎(ビジュアルでは一応ヒゲ)。灰色の脳細胞とかいろいろ出来ただろ。

巻頭カラー『アンデッドアンラック』191話

 巻頭だからなのかアンディが大暴れする景気の良い回。結構突拍子もなくアンディが出てきて、特に喋るでもなく機械的にバトルするので結構驚きました。毎度毎度あの勢いで出てこられたらマジでストレス溜まりそうですね。DNAさんのキレっぷりにも少し同情してしまう。
 マスターの人たちがそれぞれ戦ったりするので、何を司ってるのか、どんな能力なのか、クイズを出されてるようで楽しい。個人的にはキャラデザ面が好きなので、そっちの意味でも良かったです。
 逆に、一席だけはデザイン的にも、能力的にもパッとした特徴はなかった……のに強そうなので「お楽しみに」的な引っ張りなんだろうな。魂魂言ってるのでそっち系なのかもしれないけど、本作の魂の話、正直そんなに惹かれてないので別のオモシロが隠れてることも期待しちゃう。

『夜桜さんちの大作戦』210話

 突然めちゃくちゃ前の方に出てくる、というのが本作あるあるだと思う。突発的な人気爆発というのも考えたことあったけど、大人の事情とかの線も考えちゃうな。「アニメ化が控えてるので定期的に前に出しましょう」みたいなそういうの。
 本編。敵の猫耳お姉さんがひふみとエンカウント。ひふみを殺すはずだが、子供好きなので超躊躇。可愛い同士の心温まる交流路線で行くのか。弟妹思いという年上キャラなのが良いですね。
 ひふみは信じるが、二刃は疑う。2人とも「勘は当たる」という根拠だが、細かいセリフを見比べると二刃は “そいつは敵だよ” 、ひふみは 猫耳姉ちゃんは良い人だよ” 。一見すると二刃が100:0で正しいように見えるけど、実際は2人の「勘は当たる」はそれぞれ正解なんでしょうね。ひふみは「悪い人」とは言ってないので、「敵だが良い人」ということなのでしょう。まぁ、こういうフィクションの勘とか(占いとか)は大体当たるのでそういう見方になるのが自然なのではないか。

ONE PIECE』1104話

 くま、殴る。ごちゃごちゃ抜かす悪い権力者を黙ってぶん殴る。本作で度々見られる場面ですね。大体はルフィがやるんだけど、まさかのくま。もう主人公じゃん。
 くまが動き出した理屈。前回の時点ではちょっとバイブス重視すぎて好きじゃなかったんですが、今回「完全停止スイッチ」というのが出てきて、それを押したことで逆に命令から解き放たれた、みたいな説明が出てきてちょっとだけスッキリ。良かった。前回のアレで押し通すつもりじゃなかったのね。疑ってごめん……。
 一味が暴れ出すんですが、明確にレーザーを発射したフランキーの罪が一段と大きそうだ(そんなの気にする人一味にはいないだろうけど)。殴るのはくまだけ、と線引きすると思ったらフランキーがものすごい軽いノリで攻撃するので良かった。まぁ、そんなの気にしてらんないわなw
 バスターコール。正直いろいろインフレした状況では「まだバスターコールでいいんすね」って感じもある。
 あと、バスターコールという単語は公式のクソ寒グッズ展開を思い出すので文字列を見るだけで気分が暗くなります。

センターカラー『キルアオ』37話

 カラー扉。めっちゃ車。今時珍しいくらいの車でちょっとびっくりしちゃった。アップすぎるので車の描写を堪能する感じではないんだけど(省エネの意図もあると思う)、オシャレ感は全然出てる。車ネタも含め、多少古臭い雰囲気が出たとしても「そういう作品だからね」と成立しちゃうのが強い。
 本編。ギャル姫の「人によるはずるい」論。ギャル姫の言い分は「ありえない」なので、100人中1人でもアリなら破綻する。のでノレンの「人による」は感情論ではなく立派な反論だと思う。運転免許の不条理マルバツ問題でも、こういう言い切りは大抵バツだ。
 意外とガチ恋だったギャル姫と、そこに疑いはなかった十三、それを見て諦めモードのギャル姫にハッパをかけるノレン。十三のナイスガイぶりも魅力だが、それよりも気の強い女同士の友情みたいな雰囲気になってるのが良い。勝負を度外視したノレンが見事ですね。普通にこのまま「喧嘩したらもうマブダチだぜ」的な流れしか見えないw

『SAKAMOTO DAYS』151話

 南雲の武器。前回「結局剣に落ち着きそうで残念」とか書きましたが、普通にいっぱい変形してたので安心。ただ、ビジュアルが変わるだけでバトルの内容にはそれほど影響がなかった気がする。結局全部剣のままでも成立する……とか思ってたら最後にものすごいのが出てきてアガる。あーこのための溜めというか、あえての単調さ、あえてガチャガチャ変わる「見た目」に注目させたってことか。これは一本取られた。攻撃が成立して初めて(血)で見えるようになる、というのもロマンだ。
 楽の集中モード。自分を俯瞰するのでゾーン的な表現で、それをゲームで示すのが面白いが、あのゲームハードおそらくスイッチライトだと思うけど、それにしてはスーファミみたいなドット絵だ。「ゲームっぽい絵」をやろうとしたらああいう粗めのドット絵になってしまう、というジレンマなのでしょう。

僕のヒーローアカデミア』412話

 ガクが寸剄だったけど、デクは発剄。ロマン漢字というか、ロマン概念なんだろうな。剄。
 スパイダーセンス持ちだったので、それに頼って戦うことの危険性も、それの崩し方も知ってる、というデクの戦略が面白い。
 デクの青すぎるヒーロー論。弔に否定されるのは当然なんですが、そろそろOFAからの反発も大きくなってくる。そうだろうとデクが意見を変えるはずもなく、デクの目指すヒーローの物語としてOFAはもはや必要なものではない、という結論。もちろん「どうすんの!?」とはなるんだけど、各人の言い分から考えるとめちゃくちゃ納得できる話なのが面白いな。そもそも『ヒロアカ』という作品は初期の頃ずっと「デクは無個性のままが良かった」とか言われがちでしたからね。正直しつこすぎて「最近の読んでる?」とか疑問に思うこともあったんですが、彼らの言い分として筋は通ってて、その証拠として数年越しのアンサー。これはなかなか熱いな。前回「最終章はやることリスト消化していく作業になりがち」的な話しちゃったけど、この話は「この項目は盲点だったぞぉ~!!」って気分で最高。

『アオのハコ』133話

 スポーツ描写が冒頭から延々と続いてちょっと意外だったんですが、その結論も意外。まぁ、スポーツ漫画としては定番の話ではあるんですが。コート上の語りを一切排することで、「いつの間にこんなにもダメージが……」という絶望感に浸れる。
 スポーツを描く上で不可避なテーマだとは思うんですが、まぁ不条理みたいなものも感じてしまうよなぁ。現実におけるスポーツ(観戦)があまりに好きになりきれないことの要因としてこういう怪我があるかもしれない。スター選手とかが怪我とかいう不条理な事故で脱するのが普通に萎えるんですよね。ファンの勝手すぎる言い分なんですけど、それでも怪我を完全に防げないシステム側の落ち度をどうしても考えてしまう。大谷翔平とかも「また手術すんの~?」とか正直感じたことある(野球は興味ないので極端だけど)。怪我のリスクを抱えながら、蓄積しながらスーパープレーすることに手放しで賛辞を送る気にならないというか。毎月スリの銀次の出現に怯えてるようなもん、と言えば伝わりやすいだろうか(逆に伝わりにくいと思う)。
 漫画としては。試合から離脱、そして試合が終了することで大喜は初めて千夏パイセンの物語に関われるようになる、という矛盾も感じらて面白い。そこに入ってくる夢佳も最高。悲劇として最高なのだが、私の中で悪魔が「このまま闇堕ちしたら嬉しいんだろ?」と囁いてくる。そこまでクズじゃないと思いたいが……。

『呪術廻戦』248話

 五条や日車といったらスクナの中で小さなリスペクトが湧く敵とは別に、虎杖と対面して初めて他人を思いやる心が芽生え始めるスクナ。理由は、虎杖がかつての自分だから。これは面白かったなぁ。他人には1ミリも興味ないのがスクナの基本スタンスだったが、虎杖は物理的に「自分」だった存在なので……とその絶対のが価値観が揺らぐ。話としては普通に強敵と戦うことで分かり合えた、とかなればいいものをここに「自分」という理屈を持ってきたのがフレッシュで超良かった。
 ケンジャクの保険発動。圧倒的にヤバいのは重々承知なんだけど、同時に「ケンジャクの話はマジであれで終わりなのか……」という不思議な気持ちになった。物語的にはスクナよりもケンジャクが重要なのに、キャラ的にケンジャクが弱すぎる、というのが本作の抱える問題(というか矛盾)だと思ってたんですが、今回ケンジャクの退場がほぼ確定してしまったので、マジで小さいキャラのままだったな……。イビツだ。めちゃくちゃイビツ。変な作品だな、『呪術廻戦』。
 同時に、ケンジャク退場確定なので、急速に『呪術廻戦』という作品が終わりに近づいてるのを意識した。マジでもうちょいで終わりじゃん。絶対『ヒロアカ』が先に終わると思ってたけど、ちょっと分からなくなってきたな……。
 スクナの心理的成長(仮)。 “成り行きではなく 明確に今一度” “お前たちの理想を” “切り刻むことにした” となった直後に世界を終わらせる権利を手にしたのが大きい。 “明確に” 虎杖たちを殺すことを第一目標に据えたので、とりあえずこのバトルが続いてる間は安心、というスンポー。これも面白いな。めちゃくちゃイビツと感じつつ、しっかり出来てるという感心もしちゃう。
 んで、時系列としてケンジャク死亡の時点なので、ということは乙骨パイセンの参戦が確定。事前に瞬間移動による運搬を見せたのもうまいし、ルール改定というショッキングな出来事が同時に乙骨参戦を知らせる出来事として機能するのもうまい。

センターカラー『姫様“拷問”の時間です』春原ロビンソン ひらけい

 アニメ化記念の出張。作者はそれぞれ原作と漫画。2人ともそれぞれ別の作品で以前に読切載せてたと思う。
 プラスで連載開始になった頃、数話、数ヶ月?くらい読んでました。基本フォーマットの繰り返しだった頃で「はい 分かりました~」ってなって読むのをやめた。こんだけ長いということはさすがにいろんな変化もあるんだろうな。同じままだったら逆にすごいけど、普通につまらなそう。
 本編。そんな基本フォーマットが冒頭3ページで完結するので笑った。圧倒的な手際の良さ。いや、元々そんな大した話ではないってのもあるか(そういう軽さがプラスの掲載作品としてハマるってのも分かる)。
 そんな本題。「こいつそんな人気なの!?」と浦島太郎的に驚いた。ただ、無駄に話を広げたり、人気キャラを一通り出したりしようとせず、ワンコセプトに徹底したのはむしろ成功だったと思うな。おそらくアニメで今やってる内容は初期の基本フォーマットのくだりだと思うんだけど、それの裏側を見せる話として機能してるのも良いコンセプト。良い出張というより、良いアニメ化記念の読切って感じ。一応プラスでの最新回へと繋がるらしいけど、ぶっちゃけあの内容だったらどのエピソードに繋がっても成立しそうだと思う。私の解像度がボヤボヤなせいで細かい情報を拾えてないのだろうか。
 そういや、剣のツッコミが好きでした、と思い出した。最後の最後に出てきて「そうそうこれこれ」ってなった。このキャラ(システム)はアニメにもハマりそう。

『鵺の陰陽師』34話

 これまで散々私的な感情と公的な正義の2択の話を繰り返してたけど、ここで妹の方が「私的」に暴走してしまうのか。なるほどな~、こいつぁやられたぜ。展開としてめちゃくちゃ気持ちいい。
 ただ、「見てると思ったら見られてた」というホラー演出は前回やったのでいくら何でも同じ演出を繰り返しすぎだと思う。まぁ、怖かったですがw
 あと、「レベル3はぶつぶつ喋り続ける」という設定も突拍子もなく出てきたし、今回の暴走も本筋のサスペンスから大きくそれるのでそういう意味ではちょっとマイナスだな。もちろんミッションを無視した行動を出てしまうって話なのは理解してるけど、ミッションどうこうの前に、それまで楽しんでた感情や緊張感とまったく無関係なオモシロが突然放り込まれたので戸惑ってしまう、みたいな。

『累々戦記』6話

 先生可愛いよな。可愛いがちょっとバランスがあざといに振れすぎかもしれない……とか勝手すぎることも考えた。
 前半。仲良しパーティー結成後の学校(行事)での日常って感じで超好き。やっぱ3人以上で初めてグループになるって良さがあるよなぁ。異性が入ったというのも大きそうだが。別にラブコメとかそういう意味ではなく、2人とか属性が大きく離れた人が加わることでグループ全体のバランスが良いというか、幅が広がる感じ。
 おばば様に特訓させられた件。修行が『酔拳』のアレなので嬉しい。水瓶のやつとか、師匠に棒で引っ張られるやつとかもやってほしい。
 話としては、別の剥離師が現れるが敵意剥き出しで困った。それは分かるんだけど、メガネくんが蹴られたのマジで意味分かんなかったな。説教されてウザかった、みたいなのがあるならまだ分かるけど。まぁ、最初から顔を確認して敵と認識してた、みたいな感じかしら。

『ウィッチウォッチ』140話

 ニコ、幼女向けアニメにハマる。バンもハマってたからあながち幼女向けとは言えないかもしれない。『スイカゲーム』みたいに今回も許可取ってどっかの実在アニメの話にすりゃいいのに……とか思ったら、オチありきの逆算だったのだな。
 んで、中学組。フランの本体の話から各人のコンプレックスへ。ミハルが犬歯を見せるコマ、良いですね。とても良い……。歯が好きなのか、口内が好きなのか、見せてるのが好きなのか自分でもよく分からん。
 女子の家に行くくらいでドキドキするイメージ、ミハルになかったが、フラン(機械)が躊躇なく背中を見せてくるのでさすがにアタフタ……という場面は良かった。中学男子らしい微笑ましさ。いや、よく考えたら成人してようが大抵の男性は照れると思う。いや、別に性別に限らないか。特に性差のないエロ。そう考えるとエロとして超強いな、背中。みんな好きじゃん。
 フランのコンプレックス。声らしい。「いや漫画だから知らねぇよ!」と一瞬思ってしまったのだが、話としては「他人は気づかないレベルだが本人にとっては重大」なのでむしろ読者には1ミリも伝わらない要素だったのが逆に適切なのかも。
 そんな他人のコンプレックスに理解のあるミハルくん。 “それよりボクは完全無欠なフランちゃんがコンプレックスを話してくれた事の方が嬉しいよ” のコマでしっかり彼の犬歯を描写してるのが見事ですね。これ見よがしじゃないけど、ここで彼のコンプレックスを同時に描くのは大事。

グリーングリーングリーンズ』7話

 萩尾、ゴルフやめない。王賀さんの “困っちゃうな” のコマ、ギャグとしては楽しいけど、個人的な王賀さんの魅力とは結構乖離してるというか、いわゆる解釈違い。彼女にああいうタイプの可愛さは求めてないというか、「たしかに王賀さんを好きになるのは分かるぜ」という気持ちから急にハシゴ外された。まぁ、大げさな表現ですけど。
 お次はゴルフ本番デビュー。だが、その前にパターがむずい。なるほど、ドラコン対決は最初の一打だったけど、パターは最後の一打ってことだ。どんなに飛ばせてもパターで打数増えたら意味がない。これは良い展開。ストーリー的にも面白いし、リアルなゴルフ成長行程としても説得力を感じる。
 海外からの使者。外の世界からヒロインを娶りに来る感じとか、行く先がエリート学校なこととかちょっと『食戟のソーマ』を連想したな。あと、2人連続で王賀さんに求愛してんのいくらなんでも偏りすぎだとも思うw(どこまで本気かは不明)

センターカラー『あかね噺』94話

 ちょう朝と志ぐま。あかねを巡って成人男性と老齢男性が言い争ってるのめっちゃ良いな。あかね、落ちサーの姫じゃん。いや、保護者の立場を争ってるって方がニュアンスは近いが。
 あかねの江戸弁禁止落語。修行が順調にも見えるが、爆発はしてないので「このままでいいのか?」的な余地もあって面白い。修行が面白そうなだけに簡単に成果が出ちゃうともったいないと思うんですが、今回の引っ張りは絶妙だと思う。
 雑誌サイドから見ても落語協会のイザコザは明らか。大人の世界の確執というイヤな話がここまでメインになるの良いですね。あかねの成長やあかねの父の件もあるけど、個人的にはこの大人のイヤな世界というテーマが一番惹かれる。『ツーオンアイス』もそうだけど、作品が扱う世界を美化しすぎないというか、構造的な問題にも直視してるのが良いよね。主人公はそれを知った上で「それでも」と歩み出すのが感動的。

『逃げ上手の若君』141話

 正直ダイジェストみたいな内容なので感想に困る。本作たまにこういう回があるんだよな。今のジャンプで感想に困る回が最も多い作品と言えるかもしれない。歴史モノだとどうしてもこういう回が出てきちゃうというか、松井先生ほどの手練れでもそこは割り切ってるというか、甘んじて受け入れてるんだなぁ、という感じ。そしたら来週巻頭らしいじゃん。完全に今週は捨てて、来週アゲてくぜ、というのが見えてしまう。まぁ、それでも本作に熱狂してたら細かい描写とかギャグ拾ったりして「いくらでも語れますけど?」みたいな感じになるんだろうな。
 そういう意味では、先週から繰り返されてる「作画手間」のくだりは好き。『呪術』とかしょっちゅうそのミスをしてるイメージ。最近だと『SAKAMOTO』南雲のタトゥーか。

『僕とロボコ』169話

 本作の良い話要素あまり好きじゃない(うまくないと思う)ので、それが多めの今回はイマイチだったんですが、ゴミ集積場のマッドサイエンティスト、子供、からの最強を諦める博士とそれを説得するロボットというところに『サイボーグクロちゃん』を感じた。つまり良い。もう理屈とか抜きに私の中では『サイボーグクロちゃん』は「良い」「好き」とイコールなので。ぐるぐるニャー。
 あと、ラストページの “もー! ダメだよ 弱いものイジめしちゃ” と、 “弱い者イジめはしていませんよ” の表記が不思議。「イジめ」って初めて見た。そして弱い「もの/者」と表記がブレてるのも謎だ。

『カグラバチ』17話

 わずか12秒という凝縮されたバトル。12秒の割に結構な数の攻防というか、展開があったので別に「12秒」というパッケージがなくても普通のバトルとして楽しめた気もする。
 逆に12秒のギミックとして目立ったのは、突然のお茶。バトル漫画における、バトルとはコミュニケーションである、というのは定番の指摘でまぁ真理だと思うんですが、完全にそれに乗っかった上でのヘンテコ表現。イメージの世界なので何でもアリに思えるんだけど、そこにちゃんと「団子を食う/食わない」という象徴を持ってきたのが良い。言葉にして説明すると「相手の意見を飲み込む」ってことなのでものすごく直接的な表現に思えるけど、かっこよかったですよね。
 解釈論争というのも改めて面白かった。あの口論はお茶の席というイメージ空間じゃないと成立しなかったんだろうな。斬り合いながら会話したら普通にダサいと思うので。
 特に “おいよせ日頃だと……!? 彼の実像なんて知りたくな…” “知りたくない!!” のくだりが最高。双城の作品外からの情報は受け付けない姿勢、これはこれで理にかなってると思う。というか、評論の世界では普通にある姿勢ですよね(当然我々読者としても不可避のテーマ)。まぁ、チヒロからすると「何勝手なこと言ってんだコイツ」ってなるのは仕方ないですがw
 そして、そんな解釈の姿勢の話から発展して “誰もが彼の代弁者に成り得る” という結論になったのが熱い。この話になっちゃうと途端に双城の言い分の方が正しく思えてきちゃう。チヒロは完全なる血統であり、エリート。それに対する双城が掲げるのは妖刀の民主化。『スターウォーズ』でいえば『最後のジェダイ』。賛否両論じゃねぇかw(私は大好きだよ)

『暗号学園のいろは』56話

 アメリカンドッグを食べきらずに席を離れる凍。直前のチヒロと対照的な姿勢を見せてて笑う。こういうモチーフの一致を強調する掲載順は多いけど、今回のは一致の仕方がかなり珍しいというか、静かな一致で、そして2作品でそれの結果が逆。これすごい良かったな。まぁ、食べるのを拒否した時点で凍の負けが確定するんですけど……というのは『カグラバチ』に引っ張られすぎた感想。別に戦ってないし、敵に差し出されたものでもない。
 最終階。ドクロだらけの見開きでブチ上がるんですが、そこで行うのはドクロとは全然関係ない、ダジャレ的な繋がりしかない机上で紙とペンを使った対決になるので「地味すぎる……」と面食らった。あのいかついビジュアルからなんでこんな対決になっちゃうのか。そもそもゲームのラストステージらしさが皆無なんだよな。まぁ、最後はあえてゲームから離れた2人だけの世界、ってことなら多少は理解できるけど。
 あと、ドクロの密集から最後に宝の密集(それでいて屋根がなくて開けてる)という視覚的な対比は良かったと思う。

『ツーオンアイス』16話

 無自覚に相手の地雷を踏み続ける隼馬めっちゃ面白い。仕方ないとはいえ、自己紹介が最大の煽りになっちゃうのが最高。
 そんな隼馬に触発されたというか、じわじわとキレちゃってぼろぼろと本音が漏れてくるたっくんも良い。才能の話から “ならペアを選ぶ理由が分からないな” が最低すぎるのだが、剥き出しの彼の本音が出たのも間違いない。コミュニケーションとしては噛み合ってないようで、意外と成立してる面もある。互いに本音をぶつけてるので。
 隼馬に対するイライラを言語化するたっくん。 “それを都合よく「無垢」と言い換えて” のところとかめっちゃ面白かったんだけど、直後に出るのが “僕が一人で戦っている間 ずっと二人でキラキラしてたのか?” なのでもうダメだこいつw 挙げ句、綺更に「気持ち悪い」認定されちゃっててもはや不憫ですらある。前から気持ち悪かったが、ギリギリのところで保っていた体裁が隼馬へのイライラで崩壊してしまったって感じか。
 からのヘラヘラしてるマネージャーも良い。もっと崇拝してるタイプでもおかしくないのに。おまけにマネージャーにも “キモ~” 言われてしまう始末。いや、ここでフラットに接してくれる人が仕事上のパートナーというのはせめてもの救いなのかもしれない。まぁ、たっくん的には競技以外のストレスを持ち込んでくる男なので敵みたいな認識なのかもしれないが。
 マネージャーに演説をかますたっくん。 “無垢のまま居ようなんて赦さない” の場面、両腕を広げ、手の先からマフラーが垂れてるんですが、その影が十字架に張り付けになり、手から血を流すイエスになってますね。人々の罪を背負ったイエスをたっくんに重ねるの良すぎる。彼の異名は「神の子」だ。日本のフィギュア界の歪みによるダメージを最も受けて狂ってしまったたっくんが “アダムとイブ気取りの二人” にキレる場面として本当に素晴らしい。なら赦してくれよw
 隼馬の決意でエンドなんだけど、決意の先の発想がまたしても人の地雷なので笑った。こっちの場面は「どっちも悪い人じゃないんだけどね~」という微笑ましさがある。まぁ、「無垢でむかつく」という意味ではある意味同じかも。

『アスミカケル』29話

 おっさんが準備してきた対策がことごとくハマる。大人のしたたかさってもあるし、何より経験値の違いですかね。やはりプロデビュー戦の相手として、プロデビュー戦の困難としてこの上なく的確なのを感じる。
 前足を捕るが、倒すまでは行かず、中途半端なまま叩き続けるという策も面白いし、そこからその中途半端な形における見極めと判断がMMAの極意、という話に繋がるのも最高。黒沼のファイトスタイルというか、彼の掲げるMMA像を象徴するような試合展開になってるの、フィクションとしてものすごくキレイ。
 切り札のはずだった明日見流も完全に対策されて詰み……かと思いきや、黒沼を明日見流(由来)で倒した人がいるじゃん、というラストに繋がるのも鮮やかだった。明日見流の分析のくだりで少しだけ兄貴の話が出てきてるのも布石としてうまい。

『魔々勇々』18話

 ミネルヴァ、キスしたり抱きついたりしたのはこっそりコルレオに作戦を伝えるためだった。前回、一緒にあわあわしてるグリシャが可愛かったんですが、同時に「可愛いリアクションしてないで警戒しろよ」という話だったのですねw
 ということで、次の狙い。ケモ子供魔王。アップで見ると顔のケモ具合が結構気合い入っててすごい。正直「またラブコメかよ~」とか少し思ったけど、それはそれとして非常に良いな。
 子供らしく騙されやすい。おまけにラブコメ脳。 “さっきからいっぱい触ってくるし” という判断基準が可愛い。ラブコメ的な思考ってことなんだろうけど、触る触られるが好意や快に直結する感じ、動物っぽくて良いな。デザインもだが、ちゃんとキャラクターにも動物的魅力を何となく感じる。
 相手を警戒し、下がりながら抜刀しようとしたモニカに対し、コルレオは近づき膝をつく。というのを足下のアップだけで示すのオシャレでめっちゃ良いな。何なら本話で一番良い場面だと思う。難点としては、本話で一番良い場面なのに、いくらなんでもコマが小さすぎるw

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 1月のネタハガキ東西戦。お題は「2024年は辰年だ! ドラゴン同士が会った時のあいさつは、どんなの?」。ドラゴンというお題に対するアプローチが多彩で今回めっちゃ面白かった。良いお題だったんだと思う。知らんけど(ネタ考えたわけではないので)。
 東。ゆで卵大好きさんの「お久しブルーアイズドラゴン」。一番好きかもしれない……。ダンディ坂野のあれ、好きなんだよなぁ。ゲッツより好きかも。そのしょうもなさと、ジャンプが誇る象徴的ドラゴンのかっこよさのギャップがたまらん。
 南蛇井さんの「竜テンターク」。これまた脱力してしまうようなくだらなさで好き。やっぱドラゴンのかっこいいイメージがフリとして面白いんだろうな。
 さばねこさんの「立って鼻チョンであいさつ」。可愛い。好き。かっこいいイメージからの振り幅として可愛い系に行くのが週ちゃん的に珍しく、その可愛らしさを伝えるイラストも最高だった。
 西。セッドあとむさんの「逆鱗の触れあい」。イラストも力作なんですが、シンプルに逆鱗という発想で勝ちだわ。本来ならブチギレだが、竜同士だとくすぐったいだけのじゃれ合いになる、という独自解釈が素晴らしい。黒人同士でニ*ーとか言い合うのと同じで説得力を感じる。
 くぬぎさんの「お疲れサラマンダー」。サラマンダーという発想が独自性あって良いんだけど、そこからのダジャレがあまりに脱力系なので好き。
 照りさんの「ドラゲナ~イ(こんばんは~)」。懐かしくて笑った。これまた脱力系のダジャレかと思ったんだけど、よく考えたら元ネタにナイト入ってるので夜の挨拶としてちょっと説得力を感じるというか、ナンセンスなだけではない良さ。

次号予告

 『アイシールド21』の新作が載るらしい。最終回の先の話らしい。読んだことないからマジで勘弁してほしい企画だわ。まぁ、去年の『NARUTO』読切は自分でも驚くくらい楽しめたので、そっちに期待だな。

目次

 JUMPマニアッククイズ。前回の答え。「そんなのあったねぇ~!!」とテンション上がってしまった。単語を見ただけで記憶の扉が開いた。良い企画だな……。
 今週の問題。ロボコの失恋相手の名前。わ、わからん……。五条先生じゃないの?(ロボットです) またしても1ミリもピンとこないタイプだ。まぁ、正解を見て快感を得るコーナーなのかもしれないなw

暗号試練でお世話になりました。今号原稿料を能登半島地震復興支援義捐金に。 <維新>
(『暗号学園のいろは』)

 人の寄付に善し悪し言うのも愚かな話なんですが、これめっちゃ良いな。西尾先生の経済状況(イメージ)的に実際はもっと寄付してそうだけど、「原稿料を」とすることで今号のジャンプを買った我々の290円の中から何%かが寄付された、と実感させられる。読者に当事者意識を持たせるというか、それを通り越して「お前はもう寄付している」と突きつける。

愛読者アンケート

 尾田っち原作アニメの『MONSTERS』について。知っていて視聴するつもりだ。今週中には観ると思う。短いしね。
 初期短編の『MONSTERS』を読んだことあるか。ある。単行本も捨ててないと思うが、発掘するのは難しいかもしれない……。昔すぎる。
 お年玉。もらってない。
 電子コミックの無料開放キャンペーンについて。未読の作品を無料キャンペーンで読んだことない。買うきっかけになったこともない。

総括

 終わり。今週は比較的やる気に満ちてたのでもうちょっと早く終わるつもりでいたんだけど、文字数が増えただけだったな。悲しい。

 今週のベスト作品。『ヒロアカ』。次点は『呪術』。最終章らしい面白さと意外性に満ちてて良かった。

 今週のベストコマ。『ツーオンアイス』たっくんの十字架。

 最後に今週のベストキャラ。『魔々勇々』のモニカ。奇しくも『夜桜さんち』とケモ対決になってどっちも好物なんですが、権平先生の得意分野に勝負を仕掛けたという意味でこっちを。あと『夜桜さんち』に関しては「けど私にはアイさんがいるから……」と後ろ髪を引かれたのもある。
gohomeclub.hatenablog.com