北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2025年01号の感想

 来年の『名探偵コナン』の映画、監督が発表されました。近年のローテーション的に『ハイキュー』の満仲監督がかなり怪しかったんですが、無事別の人でした。これで『ハイキュー』新作は満仲監督継続の可能性がぐっと上がりましたな。コナンくんからの札束ビンタに耐えてくれた監督に感謝。まぁ、言うて日向も100億でビンタできるのか。

背表紙

 「毎週月曜! 元気になれる一言コレクション」なるコーナーがスタート。要するにポジティブなセリフのコマを引っ張ってくる、という感じだと思う。ただ、去年度のスマイルと同様に、「そんなとこから引っ張ってくるの?」的なチョイスの妙は味わえるというか、選者のセンスは結構露骨に出るコーナーだと思う。

表紙

 『カグラバチ』。謎仮装してるのでもうちょっと衣装がはっきりと見たい。統一のコンセプトがありそうだけど、緋雪だけ違う気もする……というかほとんど見えないw

読者プレゼント

 卓球。タイトルの「贈りマッシュ」がのっけから雑。ちゃんと「スマッシュ」でかけようよ……。
 好きなものとしては、「最新大人気ゲームがやっチキータ」。苦しくて好き。「チキータ」で何かダジャレが言いたくなる、というのはちょっと分かる。卓球でしか聞かない、語感だけ聞くとちょっとオモシロも感じる単語。

巻頭カラー『カグラバチ』59話

 バトルが成立せずにチヒロが死ぬのでびっくりした。これを巻頭でやりたかったのか……。チヒロが動揺してまともに戦える状態じゃなかった、というのが良い。大人になりきれてないチヒロと、悪い大人としてのサムラ。まぁ、サムラの攻撃条件的に、一応殺気を出すくらいはチヒロも臨戦態勢に入れたってことなんだろうけど、とても戦えるような状態じゃないのに無理矢理戦おうとしたことにより、サムラ的には開戦判定、話にならないレベルで負ける、みたいな感じかな。
 んで、死ぬチヒロ。ぶっちゃけ本当に死んだと思った読者はほとんどいないと思うし、衝撃の展開としてもそれほど機能してないと思うんですが、それでもネタバラシを今週のうちにするとは思わなかった。早かったですね。死ぬ系主人公としては『呪術』以来になるのかな。もうちょっとあった気がするし、そもそも本作の場合は単に偽装だった可能性もでかそう。
 敵アジトにカチコミ。『呪術』の五条じゃないけど、こういう極端すぎるパワーバランスの戦況、ワクワクしますね。「この人だけで普通に勝てますよね?」みたいな個人がいて、しかも悪役サイドと敵対してるのに主人公サイドとしても普通に危機だし、それでいて圧倒的な存在の割には意外と拮抗というか膠着もしてる、みたいな。
 毎段落で『呪術』の話して申し訳ないけど、昼彦はちょっと真人ポジみたいな雰囲気もありますね。真人よりは無垢な存在なので面白い。子供寄りの存在というか。
 そんな昼彦、放置の件がちゃんとフォローされてて良かった。すごい気になってたよ。可哀想だよねw

『逃げ上手の若君』183話

 諏訪の援軍。クソみたいなロジックによる誓約破りにはちょっと萎えたんだけど、「時間が経ったので動き出す子供」と「時間が経つほどに動けなくなる老人」という対比は良かった。因縁の相手なのでこんな勝手に弱体化されると本来ならつまんないんだけど、そこらへんの無情感が歴史モノっぽい味わいなのかもしれない。
 そんな貞宗に決定的な援軍が来るが、こちらも意図的に時間をかけて現れたらしい。中心地にいる貞宗だけが超大変で、時間によるダメージを受け続ける。そのまま退場となるとつまらないので、ものすごく劇的な形で若と再会。いかにもフィクション臭い展開なのですが、それはそれで面白くもあり、真っ先にやるのが戦いではない、というのも良い。

ONE PIECE』1132話

 虹の橋出てきた!! おもくそ直球の、そのまんま虹でできた虹の橋が出てきた!! 前回までに出てきた橋を虹の橋に見立てるのかと思ったんですが、そんなことはなかったぜw ものすごいズッコケを体験してしまった……。
 エルバフ上陸……というか、エルバフ到着を実感する入村。ややこしいが、念願のエルバフなのでその感慨を改めて強調してくれたのは素直に嬉しい。ややこしかったけど一味が集合して改めてスタート、というのも分かりやすくて良かったです。始まりが特殊すぎた。
 謎引用オープニング演出はリトルガーデンのときの再現だと思うが、よく考えたら島自体の不思議感という意味ではリトルガーデンと大差ないですね。今回の感慨は「あのエルバフについに来た」というものなので一般的な説明とは全然噛み合わない。島の特徴にワクワクする意味では数話前の島の全景の方が全然大きかったと思う。

『ウィッチウォッチ』181話

 思わぬタイミングで敵とエンカウント。なかなか引き込まれるハラハラ展開だし、互いに幼いとはいえ明らかに味方サイドの方が劣ると分かる対応の違いも良い。戦う必要がないと即判断したので落ち着いていて、多くを語ろうとしない敵が魅力的……かと思ったらものすごい勢いで生い立ちを語り出したのでびっくりした。そんなことある? 森の中、棒立ちしながらあれだけのことを語り尽くしたんでしょ。それも結構な距離を取った状態で。どんだけ同情してほしいんだ。まぁ、実際同情してほしいんだろうな。
 その過去自体もあまり興味がないというか、教授との出会いと恩みたいな部分は良かったけど、肝心の悲劇の部分がかなり雑。魔女と全然関係ないところから悲劇が始まるのでちょっと困惑した。もちろん、ちょっとカッとなった段階で瞬発的に殺すまで到達してしまうのが魔女故の悲劇なんだけど、それにしても唐突すぎる家事代行サービススタッフの凶行。急すぎるというか、謎すぎて「家事代行にそんな偏見ある!?」みたいなところまで行ってしまった。まぁ、ここでの犯罪描写をガチめにするとちょっと手に負えなくなるから、ふわっと雑にしたら結果的によく分からなくなってしまったという感じかな。

『僕とロボコ』212話

 『アンデッド』回。クソデカフォントで遊ぼうの回。「クソデカフォント」という名称、先週知ったばかりなんですが早速当たり前のように使ってる人がいてちょっと驚きました。
 後半の「アン」大喜利は面白かったけど、前半のパロディに関しては、正直元ネタをあんまり覚えてないので「何か面白いことをやってるんだろうな」という感じで終わってしまった。ポーズとか明らかになぞってるんだろうけど、そんなお馴染み感ある場面だったっけ……。せめて絵柄を寄せてくれたら助かるんだけど、宮崎先生的に相性が悪かったのかな。普通にクセの強い絵柄してると思うからそれを真似したらそれだけでそこそこ面白かった気がする。なので不真実のところは良かった。

センターカラー『アオのハコ』175話

 お義父さんとのBL回、意外と早めに終わってしまった。残念すぎる。大喜にはもっと誘惑してほしかった。
 BLが終わったと思ったらかなり急な勢いで千夏と夢佳が始まるので結果オーライ。両組とも魅力的なので、大喜と千夏パイセンには「別れるのもアリじゃないかな……」みたいな気持ちになってしまう。というか夢佳は元々好きなんじゃ。もっとイチャイチャしてほしかったので今回のスポーツ寄りのエピソード、俄然興味が出てきたぞい。最終的に「大喜くんごめんなさい……」ってなってほしい。いや、この2人は必ずしも恋愛として決着してほしいわけではないんだけど。
 てか、久々に衝撃を受けたが、夢佳、顔が良すぎる。(千夏視点で)運命の女すぎるだろ。

『アンデッドアンラック』233話

 なぜ間に『アオのハコ』を入れたんだ。謎すぎる。普通に連続させればよかったのに。というか『ロボコ』、先週やるべきだったよな。
 本編。完璧な状態で神戦まで来れたけど、結局最後の心器をゲトらないと話にならない。一瞬「何のためにチームを集めたんだ……」とか思ったけど、勝つためじゃなくて救うためか。
 ということで宝探しではなく、謎解き。ニコの “このタイミイングで謎解きかよ!!” が痛快。マジで一字一句同じことを考えてたw
 キーワードは「プレイヤー」なので、本作の主人公である風子に隠されてた、というのは面白い。本作の物語(連載)が始まってからその場所が移動してない、という点も結構好き。風子が長生きしたからこそ神への勝利の活路が初めて開かれる、というのも本作を総括するような答えになってて面白かった。ちょっと『夜桜さんち』に続いて主人公の心臓ネタが頻出しすぎとは思ったが、まぁ命の象徴として心臓が扱われるのは仕方ないことなんだろうな。

『SAKAMOTO DAYS』192話

 シンの坂本家家訓は太郎の記憶の中の葵さん由来。ややこしいが非常にシンらしく、それでいてあくまでも超能力で坂本を覗いたに過ぎないという距離感があって良い。葵さんが期待した太郎にはなれない、という諦め。正直この天弓絶許のくだり、「まぁよくある話だよね」と冷めたところもあったのだが、ここで一気に引き込まれた。
 そんな絶望したシンの心境を反映するかのように到達するB3。これまた素晴らしいステージチェンジ演出。天弓が弓で直接殴ってきたときは「ついにやりやがった!」と少しおかしかったんですが、めっちゃ良いシーンだったじゃないか。
 んで、トーレス登場。一応獄中なのにこいつ自由かよ。ORDER特権なのかトーレスの暴走なのか、たぶん後者だろうけど、侵入方法とかいろいろ気になる。とはいえ、「師匠の教えに従えられない」と絶望するシンの元に(近くに)師匠の師匠が現れるってのは面白い展開ですね。

センターカラー『あかね噺』137話

 格を重んじる一門。弟子の破門命令もそうだけど、襲名後のスタイルも指定してるのが地味にうざい。というか、「条件は一つ」みたいな雰囲気だったのにずるい。
 んで、本番の日。何事もなく当日を迎えてる時点で決断は分かってるんですが、そこから志ぐまのみが真実を知る。なるほど、ここで知ってる知らないという決定的な違いが2人の間に生まれるのか。そして知らないまま初高座を迎える一生。これはこじれるな。師匠との関係もそうだし、2人の間もこじれる予感。一生としては結果的に「部外者」になってしまったわけなので、彼が一番狂ってしまうのも分かる。

『シド・クラフトの最終推理』3話

 列車。超定番にして鉄板の列車シチュ。探偵は列車が似合う。炭治郎よりも似合う。
 問題としては輸送中の色仕掛け詐欺師。毛先のクルクルがすごい。彼女が警部とのラブコメを茶化してくる形になるので、本作のミステリーとラブコメの融合に違和感がない。これなかなか良かったんじゃないかしら。今までの中で一番うまく機能してたと思う。そういう意味で現状ベスト回かも。
 手をふさがれた状態で胸の大きさを変化させるってビックリ人間すぎるし、へこませてもあの服の着衣を維持できるのが理解できないんですが、一応「彼女は体の大きさも無視できる」というのが本話のミステリーの前提として機能してますね。意外と丁寧じゃない?
 警部がしてやられて、詐欺師が逃亡。警部が気絶した直後に場面が変わるので「ばっかもーん こいつがルパンだーっ!」って一瞬で分かるんですが、ちゃんとそれとは別の筋で犯人を特定する話になるので良かった。あと、こないだ『HUNTER×HUNTER』で似た話があったのも「こんなもん誰も騙されねぇだろ」となった一因かもしれない。満を持して久々の本誌連載を開始する直前に大御所が同じ展開をやってたときの筒井先生の心境や如何に。
 警部がポンコツのまま終わるのではなく、人柄で詐欺師に一矢報いる(本音に迫る)というのも良いオチでしたね。逆に、詐欺師は自分の弱みを嘘で隠すような人物、そういう人生だったというのが垣間見える。
 ただ、個人的には警部は唐突に可愛くなるよりもかっこよく探偵の相棒(ライバル)みたいになってくれた方が好みなので、やはり筒井先生とはラブコメの趣味が合わない。とはいえ、探偵は色仕掛け等に普通に弱いと分かったのも重要で、そういう意味では助手よりも警部の方がラブコメ的に強そう。いや、助手のことを男と認識したままドキドキして「まっ 男でもいっか」となったら最高なのだが、筒井先生はそういうことはしない。これは絶対に当たる自信があるからみんな待ってろ。というか、雑にギャグにすると普通に良くないから気をつけて。

『魔男のイチ』13話

 チクトゲさん、協会内の評価もバカ高。ガールクラッシュなキャラクターで良かったんですが、いわゆる委員長タイプではなく(その側面もあるが)、かなり振り切れた脳筋タイプだったのも面白い。まぁたしかに、キノコが広範囲に広がってるのを全部凍らせて捕まえようとしてるんだから脳筋ですわな。真面目故の脳筋、言われてみれば納得できる。そして委員長っぽいけど基本体育会系で、それでいて本人が一番努力するタイプなので直属の部下からは超慕われる(ほぼホレられる)というのも分かる。キャラクター造形が見事というか、まだ数話なのにチクトゲ像がガチガチに固まっててすごい。
 チクトゲは超広範囲にマクロで攻めるが、イチはピンポイントにミクロで攻める。おそらく菌対策と思われるゴーグルとマスクがサイコパスみがあって良い。顔を隠すイチと、そもそも顔がないキノコ(だけど感情表現豊か)というのも良い。そういう意味では、鉄仮面的でもあるチクトゲを含めた三竦みと言えるかもしれない。

「ROCK THE JUMP」

 shudou回。彼の曲にはあまり興味がないんですが(『東京ポッド許可曲』リスナーなので彼自身には勝手な好感がある)、読者へのオススメ曲としてZORNを挙げててブチ上がってしまった。当たり前ではあるが、人気も評価も高いんだなぁと改めて実感。さすが日本のRap God。

センターカラー『悪祓士のキヨシくん』23話

 サカキの使い魔の名前は「イッチカ=バッチカ」。やはり本作もネーミイングが最高だ。本作、そして『イチ』『最終推理』と若手作品にオモシロネーミングが偏ってますね。うまさの概念を捨てつつある『イチ』だけちょっと違うルールで戦ってる感ありますが……。
 んでブラックパレードが行われそうだが、内通者もいて心配。なので少数精鋭でチームを組む。王道だが熱い。内通者対策としてサカキの知ってる人の中から選ぶので、本作の今まで出てきた人に偏る、となるのも良い。このワンロジックがないと作品世界に狭さを感じてしまう。個人的に嬉しいのは何と言ってもオノヨーコの再登場です。
 ネハンも参加したがるが、普通に断られる。親御さんを気にするサカキが正論すぎて面白かったんですが、ジャックジョーは普通に即戦力として使えそうだよね。ネハンだけ置いてくのがベストだと思うんですが、まぁ漫画的にそれは絶対になさそう。

HUNTER×HUNTER』409話

 ゲームは続行。そもそもこの警報がフェイクの可能性も考慮しつつ、異常事態だからこそ読み取れる情報がある、とただでさえややこしいゲーム中の語りに、さらに一層情報が加わるので笑う。ややこしすぎる。
 キス。キャラ萌え的な楽しさがあるのは分かるが、正直ちょっとダサさを先に感じてしまった。『マトリックス リローデッド』のパーセフォニーのくだりを連想してしまったというか……。
 まぁ、そこからキス中のイカサマ疑惑へと話が発展するのでそこは良かった。そしておそらく逆にイカサマをする話に繋がっていくので、キスが転機と言えそう。
 二者択一に成功して喜ぶ演技が臭すぎるのですが、ちゃんとそれが猿芝居だったと明らかになるのも良かった。ページをめくるまでの短い間「大丈夫か……?」と心配してしまった。信心が足りない。

『ひまてん!』21話

 重版らしい。めでてぇぜ。
 本編。のっけから雑すぎるスチームガードに笑ってしまった。本作はそっちの需要そんなないと思うので、特にサービスとして機能しないとすら思ってしまうのですが、それ以前に「そんな下手ならやるなよ!」という心の叫び。いや、描写のトンチキ具合はちょっと愛おしく思えてくるかも。
 殿一、リップのジンクスを知る。主人公の立場として結構外道だと思うんですが、それを教える友人の趣味が悪すぎると直後にギャグになるので納得である。ラブコメにいがちな友人ポジ、どうしても観察者という意味合いが強くなると思うんですが、そこに “性格悪!!” という扱いを持ってきたのは慧眼だな……。
 恋愛未経験な自分を恥ずかしく思うひまりと、それこが彼女の良さだと示す殿一。ちょっと先週の怪我のくだりと同じ話すぎると思うんですが、まぁ本作の本質というか、2人の関係性の本質を示すものなのかもしれない。あと、ちゃんと殿一も “性格悪っ!!” と言われてるので良かった。言及されてないけどリップのことを知るのも性格悪いぞ。
 んで、ほのかの口元に注目を集めてエンド。そして次号センターカラー。おおっ、これはカラーでリップを表現する特殊演出が入るとしか思えない。けど、同時に「そんな単行本で死ぬ表現を本編に持ち込むか?」という疑念もある。けどこのもったいぶった終わり方はいかにもやりそうだよなぁ。

『願いのアストロ』32話

 対モンスターのバトル。なかなか良かった。氷室が憎まれ口を叩きながら別の顔がそれぞれ叫んでるのも不気味極まりなくて好き。
 チームプレイという戦術も面白い。レリ姉は(戦闘員としての)関係が薄いので、冒頭で噛ませ犬を演じて終了というのもまぁ分かる。あと、彼女を戦術として組み込むとどう考えてもトドメ役になっちゃいますね。
 チシャ猫で囮をやるのは納得なんですが、「普通に致命傷食らっちゃわない?」と心配。ただ、よく見たら巨大なシッポで防御してたようにも見えますね。情報の詰め込み方がスマート。
 水中落下でバトル終了。氷室がヒバルの姿を見て格の違いを感じて終わるのが良かったですね。ヒバルの相手と戦う際のスタンスが徹底された終わり方。
 そこからヒバルに一計があって脱出するのではないのも良い。当たり前だが、それをしたら台無しである。暑苦しい語りから徐々に静かになっていき、最後の2ページは完全にセリフが消失する。オシャレやん。そこでの酸素の供給は、『名探偵コナン 14番目の標的』もしくは『黒鉄の魚影』なんだけど、この2人には特にラブコメ的なドキドキがなさそうなのも良い。何の説明もないけどキンパビームでヒバルを覆う氷を溶かしてるのも理屈的に正しくもあり、「ヒバルに一筋の光が射す」という直球そのまま演出になってて素晴らしい。あまりにさらっとすごい能力を使うので驚くんですが、たしかに光だったら水を通過して熱を与えることは可能そうですね。海面からどんだけ距離あるか分からないので、そのくらい強い光が必要なのかは分かりませんが、めちゃくちゃ良い場面だった。普通に見開きでやるべきレベルの名場面だと思うんですが、おそらく2ページ見開き完全サイレントという流れをやりたかったんだろうな。
 というか、今週のジャンプ2つもキスシーンがあるのですね。1つでも珍しいというのに。そして、『HUNTER×HUNTER』よりも本作の方が圧倒的に良い。まぁ、あっちはキス自体には何の興味もない、という攻防の話に移るのでらしいっちゃらしいか。

『しのびごと』12話

 それぞれ増援。当然新キャラである味方サイドの方が強い。二刀流の逆手持ちという超ロマン特化型なので最高であった。
 そんなメガネ二刀流。アオイさんの運転手。一番近しいところに超強キャラを配置してたのは納得ですね。8年も継続してるベテランだが、それよりも「2人きりで気まずい」となるので笑った。そっちかよ。まぁ、あの後の2人きりだと話さないわけにもいかないのも分かるがw
 めっちゃ褒めてくれるギャグも笑ったんですが、その褒めには現体制への感謝があった、と繋がる。アオイを囮のように使うのは少し残酷にも思えるが、彼女自身の幸せを考えた上での判断でもあった、となるのが良い。
 8年の任務を経て初めて見るアオイの伸び伸びと楽しそうな笑顔、というのも普通に超感動的だし、それと平行してオペさんの株がちょっと信じられないほどに急上昇する展開も超良かった。意外な新キャラで魅了するのも定石ですが、初回からヨダカの相棒とも言えるオペさんの、ヨダカがいないところでの彼への評価というのが熱い。静かに見守り、いざとなったら助け、子供たちの活躍に感動する、という大人キャラのスタンスも良いですね。いや、オペさんの年齢は分からないので、実は年下みたいなサプライズも可能性としてはなくはないんですが。

『鵺の陰陽師』77話

 最後の一振り。こちらの剣を片手で止められ万事休すと思いきや、一度手を離し、両手で握り直すことで「両手対片手」で勝利。なかなか面白い攻防でしたな。急にグロいのも含めかなり好きな決着。実力というより最後まで機転を働かせたことが勝利に繋がる。このことが最後まで諦めなかったことの現れのようでもある。
 勝ったけど結局諦めてくれない副隊長。それどころか一面水責めで両者共に死にそう。ので藤乃さんが頑張る形。良い場面だけど、今週の『アストロ』と似てるな……。あちらも名場面だっただけに両作共に可哀想というか、もったいない。
 ボディランゲージで指示を出す学郎。内容が明らかに複雑すぎるのでちょっと笑った。「この人を先に」くらいは分かるけど、その後の補足説明がどう考えても難易度高すぎる。パントマイマー目指そうぜ。というのは半分冗談で、ここで「言葉を交わせない」というのを強調しておくのが大事だったわけですね。これはうまい。
 んで、カラスを引き連れて学郎の救助。カラスは捜索用で良いアイディアですね……と思ったらもっとすごかった。藤乃さんが明らかに口に空気を溜めて学郎に近づくので「おいおい 『14番目の標的』のやつは今週の『アストロ』でやったぞ……」とマジでハラハラしたんですが、空気の使い方が違った。そして、『アストロ』では光で熱を届けたわけだけど、本作では大量のカラスの入水によって、空気を届ける。お見事すぎるやろ。「あれっ てことはキスしないの?」と思ってからの告白ドン。お見事。お見事でしたな。面白すぎるぞ。『アストロ』も面白かったが、ちゃんと違った魅力、違った能力の活かし方をしていてどちらも素晴らしい。冷静になって考えると「今は空気の使い道それじゃなくない?」とは思うんだけど、その間違いこそが若さだぜ。眩しい。『アストロ』の感想と被るけど、暗く静かな海中で死にゆく学郎の元に希望(空気)が届く、というのが理屈的に正しくもあり、絵的な象徴としても正しくもあり、それが告白というキャラクターの感情の爆発になるから素晴らしい。いや本当に良かった。
 どう見ても超良い場面で、おそらく作者側も「これは人気出ちゃうだろ」とニヤニヤしてたと思うんですが、勝負の号のジャンプ開いたら『アストロ』が超似たことやってるので戦慄したでしょうね。本当に危なかった。なぜか恋愛要素の薄い『アストロ』の方がキスしてるんだから分からんものです。

『夜桜さんちの大作戦』253話

 太陽と旦の最終戦が開幕して始まるのかと思ったら、丸々一話使って開戦の儀式を行うような回であった。まぁたしかに、ここで二刃の開花春来をやっておかないと、「どうせ二刃も参戦するんでしょう?」とメタ的に余計なこと考えちゃうからね、そこに牽制球放る意味でとても大事な行程だったと思う。ロリ天女(ロリではない)で可愛かったですな。コスプレシリーズだと辛三が個人的に好きだけど、今回のも円モチーフを盛り込んでて面白かったです。
 良かったけど、太陽が結局自己犠牲のつもりで決戦に臨んでた、というのは正直イマイチ。安易な決意としてありがちで、本作はそれを承知の上で「大丈夫なんだよね?」「分かっててもイヤだよ」という話をしてたので、裏の裏で結局自己犠牲となるのはあんま乗れない。

『超巡!超条先輩』41話

 殺ロボ事件発生で名探偵降臨。「超条巡の最終推理」だ!! とはいえ、全然似てない。……最後の「チェックしてない人がまだ1人いる」のくだりはちょっと似てたかも。
 「この中にいる」という前提で話を進める以上、一旦ハセガワさんのことを整理しないといけない、という一手間がマジで余計なので笑った。たしかに、隠し部屋にもう1人潜んでいた、というのはミステリーでたまにある話だけど。
 ということで事件の真相はローボであり、落ち度は超巡にある。事の発端が「システムアップデート」なのは笑った。リアルすぎる。ローボというあり得ない存在から急に身に覚えのある大迷惑な奴が出てくるので笑ってしまった。

『キルアオ』80話

 先生たちのボーナスをかけたボーナスステージ。先週の説明を雑に読んでたんですが、先生と戦うんじゃなくて先生が出すゲームの元で生徒たちがトーナメントするのね。少しびっくりしてしまった。私の目の節穴ぶりに。
 一つ目は口喧嘩。レスバ。MCバトルじゃなくてレスバなの、漫画的に扱いやすそうで良いですね。妙案だと思う……と思ったがどうせ描写はされないのであまり関係なかった。
 二つ目はFPSゲーム。実は互いに有名プレイヤーだった、というのはオンラインゲームならではの状況で面白い。面白いが、「キタキタ郎」という名前がそれどころじゃないくらい面白いので笑った。今までは普通にイケメン的な記号として受け入れてた片目の見え方が急に変わってしまう……。
 三つ目がラーメンの大食いなのでノレン……と思ったらつけ麺。たしかに言われてみると、ラーメンとつけ麺ってほぼ同じ食べ物みたいな扱いされてる割には味の違いだけではない決定的な違いがある気がしてきた。味濃くなっちゃうしね。そのくせ最後には飲む用にスープで割る。じゃあ最初からラーメンにしとけよ……という気がしてきたw(どちらにもこだわりがないのですぐ流される)

『白卓 HAKUTAKU』11話

 先週、何でも過労で頑張りを表現するの良くない、みたいな話したけど、今回は兄貴がほぼ過労死みたいなもんだったからそれとの対比ってのもありそうですね。いや、「じゃあ尚更過労はやめろよ」と思うんですが、今回のは良い過労。良い過労……?
 発端のおばちゃん。相変わらずすべてが雑なのでマジやめた方がいい。向いてない。そしてキッズに歩きスマホの禁止というルールの遵守を期待するのは普通に無理があるので、今回の「対策はバッチリです」的な言い分としてもかなり苦しい。ゲームが楽しければ楽しいほどゲーム外のルールは忘れて遊ぶじゃろ。それが子供の良いところだと思うので、マジであらゆる方面で無理がある。イケメンジムで解決も酷い。あんなのがアリなら、最初から「ジム紹介するから公園で遊ぶの許してね」でいいじゃん。この3ページの信頼の爆下がりっぷりすごいぞ。大丈夫なのか。
 子供たちにアプデ要求させることで代わりに説得させる作戦は良かった。「一度作って終わり」ではないタイプのゲームの特徴を踏まえた話になってて面白い。とはいえ、今後このゲームに付きっきりになるはずもないので、この後ほったらかしになる子供たちは少し可哀想ですね。
 んで、仲間入り。 “お前らの思いつくもん” “全部形にしてやるよ”プログラマーの紹介をしたのは良かった。今回ARゲームを作ったのが象徴的ですね。良かったけど、子供たちの問題は何も解決してないと思うし、あのゲームの寿命もそんな長くないだろうし……(それこそ制作の2ヶ月を越えたら良い方じゃない?)。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 第一話に出てきたモノクイズ。以前にもあったクイズの、ちょっと古い版。終了済み作品版という感じか。
 終了済みなら……と真っ先に3番「そば屋台」は分かった。『ゆらぎ荘』ののっぺらぼう。この直後、この顔にワンパンすることで主人公登場。何やかんやで好きな作品は覚えてるものだな、と我ながらびっくりした。よく見ると絵がミウラ師匠っぽい……気がする。
 7の「BB弾グレネード」は名称が特殊すぎるので好きとか抜きに分かる。渚くんに抱きつかれて死にたい。けど彼には自爆してほしくないので跨がってナイフで刺してほしい。
 不思議だったのは13の「鉄塔」。おぼろげながら『べるぜバブ』という文字が浮かんできたのです(進次郎)。それがなぜか合ってた。鉄塔が印象的な話だった記憶もないし、初回がどんな話だったかも詳しく思い出せないくらいなんですが、電気だから鉄塔みたいな連想だったのかしら。謎だ。
 懐かしくてテンション上がったのは17の「立体パズル」。ウボンゴだ!! 『勉強』でやたら打ち出されてたウボンゴ。思わぬ記憶の扉が突如として開く快感ってあるよね。それだ。ウボンゴありがとう……。

次号予告

 表紙巻頭が『ロボコ』で、大型読切として白井先生と天野先生。白井先生はよく仕事するなぁ、と思いつつ天野先生お久しぶりで嬉しい。新人と組ませるのも良いけど、こういうのもテンション上がるね。

目次

 新コーナー「ジャンプのオトモ!!」。外薗先生に作画のオトモを聞いてるんですが、おそらく「○○のオトモ」という質問なんじゃないかな。まぁ毎週作画でも全然嬉しいけど。気になるのは質問相手。尾田っちから始まるなら分かるけど、今回外薗先生なので巻頭の作家に聞くってこと? 作家の偏りすごくない? 『最終推理』が1周年で表紙もらう場合、1周年判定がちょっと遅れたら一度も質問に答えることなくこのコーナー終わっちゃうよ。あと『HUNTER×HUNTER』は一生巻頭をやることないと思う(一生は言いすぎ)。「また尾田っちかよ」ってなっちゃうから普通に古株順にすればよかったのに。
 ちなみに、外薗先生の作画のオトモは『霜降り明星オールナイトニッポン』。私はジャンク派なんでバナナマン……。

最近飼い犬とよく寝ているのですが、夜になると先に布団で待っててカワイイ!
(『シド・クラフトの最終推理』)

 こういうのを人生の勝ち組って言うんだよな……。久しぶりに嫉妬で狂いそうになった。

愛読者アンケート

 カラオケ。ほとんど行かない。昔だと一時期、定期的に1人でカラオケ行きたくなることがあったけど、最近はそんな活力がないですね……。喉すぐ痛くなっちゃうし。雑魚。
 スマホ。17歳以下に聞く、初スマホの年齢と、18歳以上に聞く初スマホ年齢。18歳以上で、初も18歳以上かな。だったような気がする。
 17歳以下のスマホ課金方法。すげぇ気になる。ギフトカード一択というか、そのためにギフトカードが存在すると思ってたんですが、「親のクレジットカード」なんて選択肢があるんですね。ちょっとしたカルチャーショックだ。

総括

 何とか水曜深夜更新。今週はやる気がみなぎってるので早く終わっちゃうぞ~、なんて思ってたはずなのに。

 今週のベスト作品。『鵺』。『アストロ』と悩んだけど、前半の指チョンパも好きなのでその差で『鵺』。
 次点は『アストロ』『最終推理』『しのびごと』。

 ベストコマ。『アストロ』キンパの解凍ビーム。静かに光明が射すのがオシャレ。見開きじゃないのも良い。普通だったら『鵺』みたいな爆アゲ演出にしちゃうと思うし、普通にそれも最高なのだが。

 ベストキャラ。『しのびごと』の9号。この手のキャラがツンデレムーブかますのは定番っちゃ定番だけど、別の新キャラ紹介の一環として、大人同士、プロ同士の静かな会話として出てくるのがめちゃくちゃ良かった。このままセリフだけの状態で人気投票やってほしい。