北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年45号の感想

 ここ1年くらいはずっとブログを書き終えた瞬間次号が手元にある、という状況だったので、次号の発売を楽しみに待つという行為が新鮮でありました。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。サナ。初登場のコマ、マジで誰だか分かんないことになってるのな。たしかに初登場はこういう距離の取り方だったか、と懐かしい。

表紙

 『ONE PIECE』。ルフィvs黄猿。最終章なので決着まで行くのかな? という雰囲気を一時は感じてたけど、そんなことはなさそうですね。

読者プレゼント

 「たまランナー」。運動の秋だからだとは思うんですが、どうしても懐かしのゲームタイトルを連想してしまう……。話それるけど、現行の「映画泥棒」を観ても連想してる。
 ランナーダジャレも多めなんですが、個人的にはやはり「一心不RUN」が好き。次点で「これでお財布も超回復だ」。プリペイドカードのプレゼントで「超回復」は思いつかんって。

巻頭カラー『ONE PIECE』1094話

 一応新作アニメ制作快調を記念する表紙と巻頭らしい。制作してる限り無限にできるやつだな。それにちなんで巻頭カラーは侍キャラ大集合。懐かしのあの人が今の絵で、というのが嬉しい。一方、たしぎが除外されたのは少し謎ですね。剣士ではあるけど侍ではない、という線引きなのかしら。
 本編。ボニーの加齢銃。銃弾に特殊能力を込めて撃つのが『アンデッド』の風子みたいで良かった。あと、殺しはしない、という一線も好き。ハンコックの無双シーンとか、「これで死ぬのか……」ってなるんですよね。イヤな死に方だなぁって。
 海軍中将。ノリノリの実。何でも乗りこなすらしい。超複雑な機構のパシフィスタも乗りこなせるってなかなか強力ですね。乗り物認定できれば問答無用という感じなのかしら。敵の海賊船に潜入してこっそり船を乗りこなし、海軍基地までご案内、とか強そう。
 五老星登場。こんな第一線に現れるとは意外。直接の戦闘力が高いイメージはなかったんだけど、少なくともそれなりには強そうな雰囲気。「偉い=強い」の法則はここにも当てはまるのか。イム様が普通に戦うのとか想像できないんですが。
 魔法陣。映画の『FILM RED』を観た際、「何だよ魔王ってふざけてんのか」と深刻にガッカリしたんですが、尾田っち、最終章にかけてこういう悪魔の実以外の超常現象を持ち込む気なのかしら。かなり懐疑的というか、正直やめてほしいんだけど、しっかりと設定を凝るならまだ分からんので、今後に期待。
 ラスト。ノコノコと第一線にやってきて、部下を自ら殺したりもしてるのに、あっさり敵に暗殺されるのはあまりにもつまらないので本話のオチとしてほとんど機能してない気がする。別に面白いイベントではないのよ。引きとしての前提が成立してない。

『僕とロボコ』156話

 ロボコの新作漫画。トンデモ漫画というよりは、ロボコのパクリ癖についてフォーカスする感じ。果たして創作とパクリの線引きとは……みたいなテーマにはならないです。一瞬そんな予感がしたんですが、私の予感センサーがバカだった。
 ただ、叱ろうとするボンドに対して理論武装して勝利するロボコ、というのが憎たらしくて最高。たしかに、明確に説明するのは難しそうな話。
  “左側やられ過ぎじゃない!?” はボケもツッコミも最高だった。左に進行するメディアの都合上、左向きになった際に目立つ位置に傷を付けたいんでしょうね。こうして集められると壮観w 今回なかったのだと『夜桜』太陽と、『鵺』の学郎も揃って左側。
 ごった煮なはずなんだけど、妙に『トリコ』ネタが多い印象。これはジャンプ漫画の王道イメージを最も体現してるのが『トリコ』ということなのだろうか。まぁ、フルコースのくだりとかはあの作品の持つトンチキ感を拾ってる形だけど。
 今回の目玉と言えるであろう、蘭姉ちゃんからの “いねえよなぁ!!?” 。念のため画像検索してみたら、「え」が大きくて「ぁ」が小さい、そして「!!?」、さらには改行の位置と完コピしてるので笑った。見ながら描いた証拠になって裁判で負けるぞw
 禁断の他誌ネタで大いに笑ったんですが、一通り笑ってから気づいた。本作の最も根っこの部分の元ネタって『ドラえもん』じゃん。

『呪術廻戦』238話

 スクナが変身して思い出したけど、そもそもスクナって元ネタとなる神話があるんでしたね。芥見オリジナルの存在ではなかった。前回「今後は変身して戦うのか」とか思ったけど、変身というより、ようやくスクナらしい姿になる、という感じ。そして、その元のキャラデザが『呪術』の設定に当てはめて解釈してみた、というのが最高。
 そんなスクナ。顔における特徴が右側に集中してますね。迎え撃つ側のキャラだから右向きの顔が映えるようなデザインなんだと思う。
 カシモ、正直話にならない。電気使った方が強いのでは……とか思ってしまうのだが、端からカシモで引っ張るつもりはないってことなんだろうな。
 からのラストの見開きが熱い。めちゃくちゃ熱いが、一瞬した後「この2人なの?」と意外ではあるな。超かっこよかったのでまんまと騙されてしまったが。まぁ、実際の実力的に楽しみというよりは、話的に面白そう、という意味でのワクワク。まぁ、本命登場に向けた作戦がある、ってのが一番ありそうな線か。

センターカラー『アオのハコ』120話

 横向きのカラー扉で、「巻頭カラーでやればいいのに」とか考えてしまう。どうせまたすぐにやるでしょ。
 本編。4月。大喜たちが晴れて2年。新章スタートというか、新章のセッティングのような回。正直既存のメンツで十分魅力的なので、「そういう感じで広がっていくの!?」と意外な内容であった。
 まさかの遊佐ブラザー。いや、厳密にはまだ劇中で確定的な情報は出てないので遊佐ブラザー(仮)。リアル兄弟だとすると、クソ生意気でおそらくコンプレックスまみれであろう弟に突っかかれて苦労する遊佐くんが見たい。新キャラの登場によって既存キャラの新たな魅力が生まれる好例になる予感。まぁ、遊佐くん最近はマジで全然登場しないのに、話として言及される回数ばかり増えて面白いことにはなってますね。まぁ、大喜にとって運命の人、ということなんだろうなぁ。
 だけでは終わらず、まさかの弟妹大集合スペシャル。兵藤妹(これは確定)。いかつい兄と可愛い妹はたしかに鉄板ではあるけども。あと、兄は男子校なので、という都合良く弟妹が集まってくる理屈があるのは良かった。めっちゃ良い理屈。マネじゃなくてプレイヤーなのも良い。女バドの存在、すっかり忘れてた。
 そんな兵藤妹。ドジっ娘(少し死語)を地で行くようなベタなキャラクターで笑ってしまった。本作にこんなの出てくるのかよ。ただし、衝突してセクシーシーン、みたいなお約束は断固として拒否してるので、作者からの「ウチはそういうんじゃないんで」という強いメッセージに思えた。読切のときにはパンツだか下着の描写があったけど、あれイヤだったんだろうなぁ。担当に言われたか、もしくは作者自らが「少年漫画ならこういうのもやらなくちゃ」という呪いにかかってたか。
 そんなドジっ娘(死)キャラにメタ的な笑いがあったんだけど、「じっ」のコマではまんまと可愛かったでござる。本作にいなかったタイプだ。いかにも妹らしい1コマ。
 そんな兵藤妹。まさかのラブコメの予感。これまたベタで笑うんですが、現在の大喜の目標は「挑戦者の立場から脱却する」だと思うので、それを考えると「大喜のことを下から憧れる人が現れる」はめちゃくちゃ正しい展開にも思えてくるから不思議。まぁ、雛のこと振ったばかりなので、似た話をやるならそれはそれでつまんなそうではあるんだけど、たぶん本作なら大丈夫。個人的には菖蒲視点の回が楽しみになってしまう。
 本編後。1年編の振り返りとして人物相関図。矢印が多くて面白いんですが、今一番面白い矢印は菖蒲の疑惑矢印なので、それも相関図に入れてほしかったな。

『ツーオンアイス』3話

 曲をかけての練習。ジャンプとかの技の話になると思ってたので、あの音楽描写が入るのは意外だった。ダンスとかだと音ハメが重要になってくるので、ダンス漫画だったら当たり前に出てくるイメージあったけど……よく考えたらフィギュアも同じですね。
 内容は覚えてても、曲をかけながら通しでは滑れない。彼の持つ変人的な出自に関わる「リンクの使い方」の話も面白かったし、格上の相手が自分に合わせてくることのストレスも生々しく描かれてて良かった。これは相変わらずのストーカー気質ですねw そこに「本気を出させる」という表現を使ったのが良かった。意味としては同じなんだけど、この表現で特別なエモが生まれる。
 からの「たっくん」。元彼(比喩)来たw 絶対出てくるテーマだと分かり切ってはいたけど、やっぱりめちゃくちゃ面白そうで良いな。ペアは競技人口が少ない(少なすぎてビビった)ので今からでもトップを目指せるという話も単純に面白かったんだけど、そこに元ペアのドラマが絡んでくるの最高だなぁ。やはりたっくんが別の女に手を出した(現トップペア)みたいなのがあり得そうなところだろうか。NTR

『SAKAMOTO DAYS』138話

 ピースケのピンチを前に平助がコツを掴む。銃弾を曲げる。映画『ウォンテッド』だな。あれは拳銃だけど。めっちゃ面白いからオススメだけど吹替で観ちゃダメだよ。
 前回は敵の弾道を完コピだったけど、今回は曲げる。同じ撃ち合いなんだけど、絵面が全然違って、そのスケール感も込みで素晴らしかった。スナイパー対決でもちゃんといつも通り面白くなってるの、よく考えたらすごいことですね。全然違うルールによる戦いなので。
 あ、てか、平助は顔の右側に記号ありますね。敵キャラでもないのに珍しい。

センターカラー『部屋の一族』櫻井樹

 読切。金未来杯その2。ちなみにヒロインの顔の傷は右(そろそろしつこいとは思いつつも面白くて注目しちゃう)。
 部屋から出られない(出ようとすると別の扉の中へワープ)呪い。それを駆使する泥棒が、ある少女をさらう。めちゃくちゃ面白い設定で、見映えもするし最高のアクションシーンじゃん……とか思ってたんですが、おそらく本作がやりたいのはアクションではない。「この設定でこんな地味な話になるのか」という驚きが逆に良かった。こういうの好き。超常現象は出てくるけど、大事なのは人間の心理とドラマ。
 序盤の部屋移動連発シーンとか最高で、本作の設定を魅力的に描いてると思うし、「部屋の中」が漫画の「コマの中」とリンクしてくるような表現で面白い。ただ、読み進めるとあの場面、読者(と少女)に向けた説明以外に何の意味もない。マーキングした部屋にはいつでも行ける、という設定が後から出てくるので。なら最初からそこ行けよ。やっぱ本作の興味はここにないんだろうな、と思うと納得なんですが、だとしてももう少し見せ場として理屈は欲しかった。
 設定が面白いのに話が地味、なのは良いし、むしろチャームなんですが、だとしても若干喋りすぎ。ただアップで喋るだけの場面が、特に終盤の一番エモが高まってる場面で多いので結構だれる。中盤の2人の幸せな生活をモンタージュしていく場面とか、あえて同じアップのコマを連発させて時間の経過と関係性の変化を見せてて圧巻だったし、その後の2人の背景がコロコロ変わっていく2ページも素晴らしかった。そこらへんはめっちゃ工夫してあるのになぜか終盤で急に退屈になってしまうんだよな。中盤のくだりは正直超良かったし、本作ならではのドラマの語りになってて「これは傑作では……」となったんだけどね。終盤は、エモくドラマを語ろうとしたのか、ただの顔漫画になってしまった。
 あと、暗い。紙読者としてはつらい。単に読みづらい。これは作者というよりは編集部が判断するべき領域だと思う。紙と印刷のこと考えろよ。そんな大した印刷してないんだから。正直商品としてどうなのか疑問に思うレベル。連載だったら「単行本が本番なので」という理屈も通るけど、読切は雑誌に載って終わりじゃん。禁止しろとはまでは思わんけど、注意くらいしてあげてよ。した上でアレなら作者が悪い(そんなことはないと思ってますが)。
 まぁ、これは、最近の映画とかでもたまにある現象で。カメラとか上映設備の機能が向上すると今まではあり得ない暗い中での機微が表現できるようになるので、それを積極的に扱おうとする作品が出てくる。だけど、必ずしもその表現に見合った映画館がすべてではないので、古い映画館(てか大多数の普通の映画館)で観るとマジ暗くて何が何だか分からない。
 ということで『ザ・バットマン』暗すぎるのマジ何とかなりませんかね、という話でした(違う)。まぁ、暗さは些細な問題ではあるけど、終盤の失速、話の盛り上がりに反して盛り上がりにくいのはちょっと問題だったと思う。印刷が悪いから別に夜景もキレイじゃないしな(エモさも誘われない)。
 ただ、ラスト。ここで急に盛り返す。主観ショットで見せるが、明らかにそこは屋外なので……と物語の決着を言葉では説明しないのがオシャレ。あと、「この話の続きを連載でやらせてもらえませんかね?」みたいな読切作品が正直好きではないので、ここまで潔く「旅に出たけど全部終わりました!」というラストが意外でもあり、痛快でした。読切はやっぱすっきり終わってほしいよね。ありがとう。

『カグラバチ』4話

 先日足立区生物園に行ってきたんですが、巨大水槽に大量の金魚が展示されててめっちゃ良かったです。正直交通の便は悪いのですが、行けそうでしたらオススメ。特に外薗先生。
 あとモルモットが撫でれるので最高。小さい動物園なのに異様にモルモットが多い。ぷいぷい。
 本編。バトルと同時に本作のバトルの基本設定を説明する内容にもなってて良かった。なかなかスマート。子供の存在は偉大。
 バトル。相変わらず決め絵は魅力的だし、あれだけクソハデな戦いをしてたのに決着はめちゃくちゃ静かなのもオシャレで良かったんだけど、若干動きとか位置関係が分かりにくかったと思う。あと、説明とバトルの内容がそれほどリンクしてないようにも感じた。基本の説明なのでまったく無関係とは言わないんだけど、妖術と妖刀の違いとかあんまり関係ないところで勝負がついた印象。

『キルアオ』24話

 アクション多めの学園ラブコメ。めっちゃ好きなジャンルだ。ずっとこの方向の話になるといいな、とまではさすがに思わないけど、ちょくちょくこういうノリあったら嬉しいかもしれない。
 シンの不在には泣いたんだけど、師匠の “破門” には笑った。新キャラの天馬が魅力的すぎるが故に旧キャラの居場所がなくなっていく。ジレンマ。
 突然大人になったのは飲食物に反応した可能性。これは例の中国酒が怪しいですな……。『ロボコ』のボンドは本作に対しても「他誌ネタはアウト!!」とか言うのだろうか。今週蘭姉ちゃんをネタにしたのは「子供になった高校生」という設定をイジると『キルアオ』にも流れ弾が当たるからだと思う。
 ラスト。かっこいいノレンというギャグで見過ごしそうになったけど、告白が完遂してしまったのですね。結構取り返しのつかない問題だと思うんだけど、どうすんだろ。2人以外に誰も聞いてないなら最悪催眠術で記憶消しちゃうとか? そんな『メンインブラック』みたいな雑な方法でいいのか、とは思う。

『魔々勇々』5話

 扉となる1ページ目がめちゃくちゃかっこいい。扉の一枚絵という感じではないんですが、実質扉という扱いが最高。サブタイ(つまり本話のテーマ)を明確にする見事な1ページ目だったと思います。
 2ページ目。当たり前のようにコマが左から右に進むので笑った。先週の読切も左から右の動きはあったけど、あれは視点の移動であって、本作は完全にコマの移動になってるのがすごい。実験漫画かよ。
 エモめの会話をこなしていると、急襲。そういう状況だから仕方ないのかもしれないけど、「またかよ」とは少しなった。ちょっと単調。
 バトル。互いに弱いと言ってたのに「そこそこ強いやないかーい!」という話なんだけど、 “これで弱い…!?” という理屈が入るのが良い。まぁ、だったら彼女が戦えば良かったのではないかと思うけど、威力不足とかそんな感じなのだろう。たぶん。
 んで、決死の紋章術からの初勝利。コマと擬音と一体化した演出とか相変わらず最高なんだけど、肝心の一回転して敵を斬る場面が若干何やってるのか分かりにくい。『カグラバチ』と同じ感想なんですが、本作の場合は変なコマ遊びやろうとした副作用なので細かくは違う。 

『ウィッチウォッチ』128話

 バラを口移しする鳥が可愛すぎて頬が緩む。何あれ、私もやりたい。誰か変身魔法教えてくれ。
 モイちゃんが肺が弱点だと見抜くくだり、篠原作品らしい理屈っぽさと本格バトルの融合って感じで素晴らしかった。たぶん一番良かったと思う。その後の目潰しからの攻防が延々と続くのもすごい。
 すごいが、ランの不死を利用したアイディアはちょっと『アンデッド』感あるわな。不死大喜利という意味ではさすがに『アンデッド』という先人がデカすぎる。とはいえ、目を潰された隙の糸を頼りに攻撃したら、それが自ら切り落とされた片腕だった、という部分は本作独自のアイディアになって超良かった。

センターカラー『あかね噺』81話

 ちょう朝の一席。テクニック面というよりは、徹底して彼のキャラクターであり、彼のスター性によってその場をロックする。アイドルのライブでファンがよく言う「目が合っちゃった!」というのを落語で再現してて笑ったし、実に漫画らしい演出でそれを端的に示したのも最高。客と目を合わせた直後にはついには画面(つまり読者)に向けても同じことをする。「巻き込む」のが彼の魅力だとしたら、我々読者も巻き込まれるような感覚に誘う。
 ちょう朝の魅力が遺憾なく描かれてて最高だったんですが、それとは別に「看板の一」のオチがめちゃくちゃ見事で感心しちゃった。超面白いやんけ。あそこで読者が観客と一緒に騙されるのはまさに「巻き込む」の魅力ですね。

『逃げ上手の若君』128話

 鬼丸って『火ノ丸相撲』やないかい……って感想は以前にも書いたな。普通に忘れていて新鮮に驚いてしまった。
 ヘンテコ刀対決。ミニ四駆の肉抜きみたいなデザインしてるのには笑った。さすがに強度が足りんじゃろ。まぁ、物理的に重い鬼丸と物理的に軽い刀の対比で話としては面白い。
 子供の体では鬼丸は重すぎる。が、若の背負った宿命はそれどころじゃないほど重いであろう、という理屈は分かるし、それなりに面白くもあるんだけど、正直なところは「精神論かよ」。刀を使いこなすようになる、という激アツ展開なのにこれは少し残念だったな。しかも松井作品で。

『アンデッドアンラック』178話

 「ぼくのかんがえたさいきょうのゆにおん」とシックさんのバトル。さすがに人数が多すぎたんだと思う。手に余ってるというか、正直それほど面白くない。雑に各人が大技ぶっぱして、「効いてない……だと……?」となるだけの展開は魅力に欠ける。肝心のシックも、何がどう強いのかが全然ピンとこない。
 ただ、バトル中にシックが饒舌になってるのが「マスタールールとは」の説明にもなってて、そこは面白かった。シックのキャラは立つし、マスタールールの今後も楽しみにはなるんだけど、目下の具体的なバトルがそれに見合う面白さじゃないんだよな。ジーナが捕まるくだりもよく分からなかったし。私が見逃しただけで不変シールド貫通する理屈とかあったのかしら。
 ラスト。2本の脚が知ってる脚と違う、というサプライズ。事前の足下のアップのコマがトリックとして面白かった。よくよく見るとコマの端っこにリップの片足が見える。
 それはそうと、脚の使い手の運動能力とかは問題ないのだろうか、と少し心配にもなる。まぁこれは来週以降バトル慣れしてない人が苦労する展開とか描かれる可能性があるので、そういうのに期待。

『鵺の陰陽師』21話

 バトルを終えての感想戦。マジでここまで潔くバトルの解説を入れてくるとはな。突然いつもの間の抜けたテンポのギャグになる感じも含め、この変な感じが『鵺』の魅力……!(そろそろ中毒) シリアスからギャグへのギャップの扱いがまだあまりうまくない感じが逆に良いんだよな。
 蛇口の例え、「念能力みたいでめっちゃ分かりやすいじゃん!」とアガったけど、直後の放水車とか工場の配水管へと続いていくと、そこまで細かい例えを出されると逆に分かりにくい……。ワガママすぎる。
 そんな分かったような分からないよな説明の最後に “つまり! 学郎の成長速度次第で遅くも速くもなる!” と端的な結論を、ワケの分からないポーズを添えてまとめたのとか、何気にめっちゃ良い。たぶん『トトロ』。
 んで、鵺さんの正体。それはそうと、「6体の幻妖の祖」が封印されてるのが「この町」なのが意外だった。風呂敷が思ってたより小さい!! 世界編どころか地区代表とか関東大会とかそういうスケールがまだまだ残ってるやんけ。いや、そんなにどこにでも幻妖が湧かれちゃ困るのでそこまで単純な話ではないと思いますが。

『アスミカケル』16話

 何をやっても反応のないど根性番長に対してどう分析していくか。本話は二兎が徹底して理詰めで追いつめていく話になってて超面白かった。現実世界でそれほど格闘技は観ないし、そこまで好きではないんだけど、「実際の格闘家も試合中にこんなこと考えてるんだろうな~」というオモシロは濃厚に感じた。そこまで読み取れるようになったら格闘技(観る専)も面白いのかもしれない。
 理屈で動く二兎に対して、番長は本能で動く。「技術とか知らんけどノリでやってみた」が二兎にとって最悪の選択になってるのが恐ろしいですね。そして、番長のキャラを立てると同時に “本当に危険な攻撃には反応するんだ…!!” と決定的な情報を読み取る展開に繋がっててマジ最高に面白い。アクション、リアクション、そのまたリアクションと連鎖していくのはまさにコミュニケーションだ。
 「根性でギブしない」が二兎にとって天敵となるが、それに対する打開策として「失神させる」となるので理屈として明快。超面白いんだけど、一通り楽しんだ後に「骨折るのと同じくらい怖いのでは……」と。やっぱ格闘技の世界怖いわw そんなフランクに失神させんなよ。本作史上最も殺人に近づいてる技だぞそれ。

『夜桜さんちの大作戦』197話

 せっかく双子がスタンプを取得する話に戻ってきたのに、ノリでおじおばが復活して暴れ出すの正直グダグダだな。前回のスキャンダルで脅されてるギャグが台無しというか意味のないものだったし、本話前半の “大丈夫だよ おじちゃん” のギャグも無。ギャグとマジの反復で失敗しまくってる印象。双子の話が基本ではあるが、既存のキャラも魅力的なので捨てがたい、という悩みの現れなのだろうか。現状グズグズの印象なので、どっちでもいいので振り切ってくれた方が……。
 龍さんの目的についても、「本人は悦に浸ってるがどう考えてもおかしい」というギャグに四と五がしてくれたのはいいけど、それを受けた太陽が結局マジに話を進めようとするのでチグハグな気がする。

『一ノ瀬家の大罪』44話

 兄貴、早速敵に回る。短い命だったな……。二転三転し続けて常に安定しないのは本作の良いところかもしれないけど、キャラクター的な魅力を考えるとどうしても難しいところがある。とはいえ、私はもう既に颯太のこと好きになっちゃってる節があるんですが。じゃあいいじゃん。
 んで、本作の「家族」を象徴するショットである横並びの食卓。それを横から、翼の視点で捉えなおしたのが鮮やか。角度が変わってようやく分かったけど、みんなでテレビを観ることを考えると案外あり得る配置なのかもしれませんね。完全に画的な美意識が優先された不自然な構図だと思ってたけど。まぁ、あの長いテーブルは不自然。
 偽りの理想にしがみつく家族を相手に翼が動き出す、というのを家族の象徴である食卓の破壊(物理)で表現したのが痛快。別にこれで何かが解決するわけではないんですが、「こんなの間違ってるだろ」という翼の叫びとしては極めて正しい発露。家族の破壊から発展させて「家族による破壊」というカメラの話題を出して颯太の心を折りにかかるくだりとか最高でしたね。
 取り繕ってるけど問題を抱えてるのは変わらない、という主張の際、ほとんどは各人の人格的な問題についてだったのに、 “おじいちゃんの物忘れも再発する” とここだけ問題が別なのもちょっと面白い。ただ、おじいちゃんは唯一人格的に問題がないかというとそんなこともないよね。むしろ家族の抑圧をかなり率先的に行う人物で、特に颯太の悲劇については「大体じいちゃんが悪い」で済む話だったと思う。そこに付随してみんなが悪い(子供以外)。

『アイスヘッドギル』15話

 勝ったものの、あまりに苦い。話としては今回の戦いのエピローグという感じなんだけど、逃げられちゃったのを追いかけるための印が面白い。『ラピュタ』の光とかとも通じるハデさが好き。『ONE PIECE』のログポースもかなり近いけど、あれはハデさがなく、むしろアイテムとして効率化されてるところにオモシロを感じる。
 んで、パパが起きる。あんまギルの話と関係ないタイミングで起きたので若干イヤな感じはするんですが、一応ギルの死疑惑で狼狽してその隙をつかれた、という理屈はある。結構頑張ってると思う。話の盛り上がりとか、エモの盛り上がりのタイミングとしては少しおかしいと思うんだけど、「ちゃんと理屈は通るんで」としてくれたのは嬉しい。

『暗号学園のいろは』43話

 矢印かと思いきや数学記号。単体でかなり面白かったんだけど、そのシリーズが延々と続くのがまた良かった。ルールは同じなので「簡単じゃね?」とか思ってたら、終盤まったく知らん単位が出てくるので笑う。
 各階層は一度クリアしたらリセットされるので後続の人に財産を残すことはできない。それは困った……と思ったらいろはの後ろからリセットして最初からやり直した遊び人が現れる。ルールの説明をしてからルールの裏をかくような人が現れるので面白い。だとしたら、「協力してクリア」を目指すなら全員が一斉にリセットして、全員で1階から攻略してった方が確実かつ結果的にはスピーディだったりしないだろうか。まぁ、そんな連絡は取れないのですが。
 爆破オチ。ゲーム的なことを考えるならば、まだ1階で失うものは何もないので気軽にゲームオーバー(リセット)できるよね……ってなる。まぁ、実際はめっちゃ痛いらしいので絶対にイヤです。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 5回目となるメガネ特集。完全にメガネキャラ及び、メガネの使い方に特集の方向が変わりましたね。オシャレ的な方向はさすがにネタ切れというか、そんなに毎年新しい種類が生まれるわけではない。難しいな……。
 今年の一大イベントといえば『いろは』と『キルアオ』のスタート。特に前者は現在主要キャラ全員メガネ、という異常事態になってるので非常においしい。週ちゃんの特集があと数週遅かったらメタバース編についても言及できたのに……と非常に悔しい。来年扱うにしては妙に古いネタになっちゃうだろうし。
 女性アスリートのメガネオンオフが異様に多い、という指摘は目から鱗。バスケ、格闘技、フィギュアと「そりゃメガネは無理っすね……」という競技が並んでるので笑う。ジャンプの世界は過酷だ。いや、フィギュアだったらギリ何とかなるのかもしれない。特にソロだと。てか、女子限定なのも謎で面白い。まぁ、川田先生は前作でもアスリートのメガネオンオフを描いてて、それは男子なので偶然なんですが。無理矢理にでもここに意味を見出すならば、女性プレイヤーのことを描く余裕がジャンプ作品にも出てきた、という感じか。余裕というか寛容。

次号予告

 『ヒロアカ』が表紙巻頭。人気投票またやるらしいけど、さすがにこれが最後になる……のか?
 『いろは』『アスミカケル』がセンターカラー。今号ではどちらも後ろの方にいたけど、人気作家は順調に人気ということなんだろう。最近は人気あっても後ろにいくことが多くなってきたような印象がある。良いことだと思うし、正直掲載順であーだこーだ考えるのは飽きてきてるのでちょうどいい。

目次

早く連載のペースに慣れて観たい映画リストを潰していきたい。ジョンウィック観たい!!
(『カグラバチ』)

 やりたいゲームを我慢みたいな話もよく聞くけど、映画の場合は劇場で観れる期間が短いから悩ましいところ。ゲームよりは拘束時間が短いのでそういう意味では潰しやすいのかもしれないけど。

愛読者アンケート

 金未来杯。不支持。全部支持になるのも馬鹿らしいのでむしろ良かった。前作の方が面白かったと思う。
 音楽を聴く方法。サブスク、動画サイト、ラジオ。昔に溜め込んだ音楽データを聴く方法もあるけど、最近はすっかり聴かなくなったなぁ。
 ライブやコンサートに行ったこと、ある。歌ってみた、演奏してみたの動画を見たことが、ない。たぶんないと思う。そんな積極的に動画を見ないので、必然的にそういうのも見ない。「歌ってみた」の人に興味があるから見るんだよね? 心理としてはそういうことだよね。きっと。

総括

 終わり。何とか3日で終わらせることができた。結構カツカツだけど、正直2日目の進みはすごく良かったので、「これはトータル2日で終わらせる日も近いかも」とかちょっと思ったレベル。実際としては、やはり始まりと終わりの手間がやたら多いのと、その手間が楽しくないので気分が乗らないってのが問題。読切もなく、いつもの連載について淡々と書き続けてるときはやはり楽しい。大げさだがゾーンに入ったような感覚が味わえる。まぁ、読切の感想は別個の楽しさがあるんだけど、苦のなさという意味ではやはり連載が圧倒的。

 今週のベスト作品。『アスミカケル』です。
 次点は読切と、『ウィッチウォッチ』『鵺』あたり。

 今週のベストコマ。『ロボコ』の “左側やられ過ぎじゃない!?” 。マジで超好き。みんな左側に傷を負ってくれ。

 最後に今週のベストキャラ。『アオのハコ』の遊佐弟(仮)。「新章ってこういう感じになるのか~」という驚きに詰まってて良かった。兵藤妹じゃなくてこっちを選んだのは、「出番ないのにまた遊佐くんがおいしくなっていくな!」と楽しかったからです。実在ドジっ娘よりも非実在遊佐くんの方が好き。
gohomeclub.hatenablog.com