北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2023年47号の感想

 アニメ『呪術』の最新回(お兄ちゃん戦)、この回だけ制作チーム丸ごと変わったのか? と思ってしまうほどに良かった(いつもが悪いわけではない)。

背表紙

 「ジャンプキャラクター初登場シーン集」。チヒロ。幼少期ではない。この線引き、ちょっと面白いですね。アニメだったら担当声優が変わるみたいな一線はあるけど、漫画だったら同じ人じゃん。

表紙

 『夜桜さんち』。双子の表紙デビューというのが大きなポイントですかね。そのおかげもあって登場キャラ数がすごいことになってる(10人)。

読者プレゼント

 芋。ひたすら芋ダジャレを繰り返しててなかなかの迫力。「いも」の2文字のダジャレが多いんですが、その多さに圧倒される。単語を跨ぐダジャレ好きです。普通に感心しちゃうんですが、そんな中「ゾッコンニャク」とかいう雑なのが突然出てくるので笑う。急に頭悪くなっちゃった。

巻頭カラー『夜桜さんちの大作戦』199話

 巻頭カラー。前話ラストもそうだったけど、カラーでシャツのボタンを外すセクシー太陽がデカデカと描かれてて面白い。今まで太陽のことをそういう目で見てこなかったので妙にこっぱずかしいんですが、同時に「たしかにこういう目で楽しむファンも全然いそうだな」と納得してしまった。
 スケベ太夫の誘惑にも目もくれず、家族大好きな太陽。良いこと言ってるのに若干のキモみが発生しちゃうのには笑った。婿入りとはいえ、夜桜家の男系の系譜をはっきりと感じる。血の繋がりはないのに、という意味では太陽は百と一番近いのかもしれませんね。別個に百と長男は似てるので、間接的に太陽と長男が似てるという形。あの一族の環境にいると自然とああなってしまう可能性。
 巻頭ということもあって、太陽のバトル回。主張のぶつけ合いの代替行為としてバトルが行われ、それはまさにコミュニケーションそのもの。インタビューという形式を取るのも象徴的で面白かった。先週の『アスミカケル』も思い出しちゃう内容ですね。
 んで、巻頭回最大の目玉はラストのスーパーソメイ人2。桜モチーフだから髪とかオーラの色が白くなる(モノクロ漫画において)のは納得なんだけど、パワーアップ変身すると色が変わるってのはストレートすぎて驚いちゃう。元から髪が白いキャラはどうするつもりなんだ。あとモノクロ2色の六美とか。

『SAKAMOTO DAYS』140話

 決戦前に高まる緊張感、であると同時に決戦前の情報整理みたいな回。三竦みそれぞれの目的を明確化したラストが良いですね。どれも以前から分かってた情報なんだけど、それぞれの計画や持ってる手段、目的の詳細が明らかになった状態で改めてドン、というラスト。意外なことは何もないのにしっかりアガってしまった。
 どこも目的はシンプルだが、スラー一味は目的が多い。坂本一味は直接バトって解決するような目的じゃないので少しややこしい。そして、ORDERの目的は最もシンプルだが、それ故に周りを気にしない。その気にしなさのしわ寄せが坂本たちに来てるし、何ならスラー一味を生んだ遠因とも言えるかもしれない。読者の多くはおそらく「まぁ会長は最悪死んでもいっかなぁ」と感じてると思うので、こうして並べてみるとスラー一味よりもORDERの方がヤバい気がしてくるから面白い。

『僕とロボコ』158話

 マルチバースロボコその2。理央ちゃんが都合のいい解説役として出てくるのが面白かった。便利キャラすぎる。そして出番は特にない。
 話としては驚くほどに進まない。てか、真面目に考えて話が進んだのは冒頭の理央ちゃんと、ラストのUFO襲来のみだと思う。その間はずっとマルチバースロボコで遊んでるだけなんですが、これが本当に面白い。このまま話を進めずに1ヶ月くらい続けてほしいレベル。
 特に昭和のギャグ漫画ロボコが好き。結局こういうノリが一番楽しいよね……と懐古的なテンションにもなってしまう。いや、昭和のギャグ漫画は全然通ってないんですが、あのロボコのノリ、平成にも全然あったと思う。
 5億部王道ロボコ。基本コンセプトは『ONE PIECE』だと思うんですが、ネタの詳細が全然『ONE PIECE』じゃない。トーナメントもしないし(一度変則的にはあったが)、無駄に間を取ってコマがデカいというのも『ONE PIECE』の特徴とはまるで真反対である。逆に詰め込みすぎてどうかと思うこともあるレベルだよね、あっちの5億部。
 ページの使い方に文句を付けれるのはギャグ漫画の住人たちのみ(昭和と令和)、というのも意外とルールがしっかりしてて好き。そして、5億部と昭和の衝突。バトル漫画に有効打を与えてしまうギャグ漫画の住人、というのは『ドラゴンボール』の世界に現れたアラレちゃんって感じですね(両さんとかでもいいけど)。ここに “ギャグのツッコミも受ける側がシリアスならダメージをうけます” と無駄に細かい理論化されるのもめっちゃ良かった。良かった上に、ちょうどこのテーマって今週の『呪術』でも出てくるんですよね……。『呪術』だったらギャグ漫画特有の爆破オチを戦術的に利用、とかやりかねない。
 先週、『アクロス・ザ・スパイダーバース』を観た人だけが「ガチゴリラの死はカノンイベント……」とざわついたと思うんですが、そこまでがっつり掘り下げないものの、しっかり今週の話の中に “もうガチゴリラを消すしかないか…” と出てきたので笑った。ミゲル・ロボコ。
 強大な敵が現れてマルチバースのロボコたちがチームアップ。正直ラストの場面は普通にかっこよかった。やっぱ『スパイダーバース』と同じ高揚感を得てしまいますね。急にマジな顔になる昭和ロボコとか役がおいしすぎるんだよな。『スパイダーバース』でいうスパイダーハム。

『アオのハコ』122話

 今日も今日とて2人の蜜月を邪魔しに現れる兵藤妹。まぁ習慣だから当たり前なんですが。それはさておき、この掲載順で見るとどうしても彼女が「ラブコメ漫画の住人だ……」とマルチバース的な思考になってしまう。言動、リアクション、ドジっ娘属性とかさっきのロボコと同じようなギャグなのではないかと頭が混乱する。
 一方、遊佐弟。周辺の人からしか弟認定されてないので、何かトリック……までは行かないまでも単純じゃない事情があるのかとも疑ったんですが、今回普通に回想の中にいつもの遊佐くん(兄)が出てきたでござる。肩すかしというか、何か意外だったな。落ち度とまでは言わないが、謎の余白があった。
 シリアスに活躍する大喜に対してラブコメの波動を放つ兵藤妹(とその友人)、からの暗黒千夏パイセンで笑った。やっぱ兵藤妹、マルチバースからの来訪者としか思えない。1人だけジャンルが違いすぎる。菖蒲が登場したときも似たような感想を抱いたけど、彼女は彼女でしっかり『アオのハコ』の住人らしいバランスに収まってたと思うんだよな。今回の兵藤妹は作者の中でタガが外れちゃったような思い切りを感じる。

『カグラバチ』6話

 敵からの急襲。謎の攻撃に防戦一方で苦戦……と思ったら既に一旦負けていた、というツイスト。間に情報屋という現実の場面を挟んだのがうまいですね。嘘は言ってない。
 児童虐待からのシャルの正体。治癒能力を持つ一族って最近のジャンプ漫画で見たことありますね。なぜ子供キャラにこの能力が与えられるのか、とか考えたら面白そう。積極的にバトルに繋がる能力ではないが、物語の中心になるのにふさわしいスーパーパワーであり、一族の負の面を継いでしまったという悲劇性が子供キャラにふさわしいって感じか。
 そんな児童虐待シーン。説明のためとはいえ、普通にやめてほしい。「治るからいいのよ」じゃねぇのよ。正直あの時点でチヒロは主人公としてあるまじきレベルの敗北なので、これでいいのか的な気持ちになっちゃう。
 ただ、その虐待シーン、暴力そのものを直接映すわけではない、という演出は素晴らしかった。児童虐待は普通に見れたもんじゃない、という事情もあるけど見せないことで事態の深刻さが増したという効果もあるよね。
 その後のチヒロの活躍もそうだけど、本作はこういう直接の暴力やグロをあえて省略(婉曲)する演出がめちゃくちゃうまい。映画のレイティング対策みたい。首チョンパとかコマの中いっぱいの顔面アップにすることで斬られた部分は一切見せないが「これは首が飛びましたね……」と一発で分かる演出になってて最高。漫画とはコマ割りの芸術ですね、と改めて思い知らされる。この演出はアニメ化不可避なんだよなぁ。画面内でコマを割るみたいな漫画的な画作りにするしかないと思う。気になるので人気爆発してアニメ化してくれ。
 そんな「見せない」「見せる」を劇中のキャラ(シャル)の視線を外から意識させる構図になったラストの見開きも圧巻。かっこよすぎるでしょ。手前(かつ右端)に子供の顔面の正面ドアップ、その奥(左)にシャルの首を掴んだ人がぶった斬られる様子を配置する。子供にはあんな惨殺見せられないよ! というのを1つのコマの中で完結させたのが最高。めちゃくちゃ映画的な見せ場なんですが、奥行きを漫画らしい右から左の視点移動で表現したのとか素晴らしすぎてマジ感動しちゃった。こういう決め絵のかっこよさは以前からもあったけど、個人的には本話がぶっちぎりな印象。先週は『ツーオンアイス』に対して「神回来ちゃったな!」と感じたんですが、今週は本作だわ。

センターカラー『鵺の陰陽師』23話

 本編始まるとすぐに「これまでのあらすじ」みたいな説明セリフをだらだら語り始めたのでびっくりした。センターカラーで、非バトル回なので目に留まった人向けの配慮だろうか。昔のアニメとかである冒頭の時間稼ぎパートみたいな雰囲気だった。
 話としては、隊長会議。正直会議側のメンツにそれほど魅力を感じてなかったんだけど、今回普通に面白かったな。ちゃんと会議としての舌戦が描かれててすげぇ好き。鵺さんがハチャメチャなことをするんだけど、実は理にかなってて……みたいなとことかとても良い。最大のカマシである “ですよね マスター” のくだりとか最高にふざけてるんだけど、「たしかにこの線なら理屈は通る……」と納得しちゃう部分もあって最高。
 からの捕虜カートに載ったSD化されたオッサンも好き。本作特有の突如として間の抜けた雰囲気になるのが楽しいってのもあるんだけど、オッサンがあの空間に入っても全然成立するのでちょっと驚く。失礼な話、漫画として下手だからあの間の抜けた感じになると思ってたけど、何かもう様になってるような印象にすらなってきたから不思議だ。もう自分も信用できない。
 からのビジネスギレ。いるよな、こういう人。考えもないのにとりあえずキレムーブすることで強引にその場の中心になろうとする人。それを戦略的に行ってる、というがリアルだ。こういう人すげぇ嫌いw
 一方、学郎も考えがないので本心で聞かれたことを話すしかない。その内容があまりに緊張感のないものでギャグっぽく思えたんだけど、その緊張感のなさこそが相手の考えを改めさせる一手となり得る……という着地になってて鮮やか。しょうもないギャグを入れてるのかと思ったらしっかり話が進んでて、しかもちゃんと前進してる。

『ツーオンアイス』5話

 綺更とたっくんの呪い。やばい、今週もめっちゃ面白い。確変状態入ったような勢い。あれだな、忘れてたけど、狂人系主人公は往々にして主人公よりもその相棒となるキャラの方が人気が出やすい(輝きやすい)んだったな。本作も、少なくとも今は完全にそれだ。綺更がキルアルート入った。
 女子フィギュア選手はそもそも構造的に悲劇になりがち、という初手から地獄。競技フィギュアの世界が救いがなくて笑ってしまうレベルなんだけど、現在におけるフィギュア、特に女子フィギュア人気を考えるともう引き返せないところまで来ちゃったというか、その地獄の構造の上である程度歴史が積み重なってる現状(現実世界)があるので本作がどうこうの話ではなくなる。ジャンプ主体の競技である以上、女子フィギュアに救いはない、と言われてるようでつらすぎるな。
 そんな中で出会う憧れだったのが例のたっくん。イケメン王子様ムーブをするのかと思いきや呪いの言葉を吐きかけてくるので笑う。地獄すぎるだろ。最初は天然迷惑野郎による悲劇かと思ったけど、途中で「いくら何でもたっくんが迂闊すぎる」となり、最終的には「いやそれどころか意図的もしくは悪意的なクソ野郎なのでは……」という予感もする。まだ、確信的な要素はギリないと思うんですが、最後の空港の場面最高すぎるな。漫画として最高だけど人としては最低……なのかもしれない。もはやグルーミング一歩手前みたいな恐ろしさ、おぞましさまであって、思ってたよりもたっくんが地獄……。表面上は王子様キャラとの素敵な思い出となってもおかしくないバランスなのがまたたまんねぇなぁオイ。
 かと思ったらたっくんとは別のところで児童虐待が出てきてつらい。『カグラバチ』もそうだけど、地獄エピソードのためとはいえ子供を安易に傷つけないで……つらい……。
 んで、現在パート。 “私は 選択肢を奪わない” がたっくんにかかってるのだとしたら、綺更自身たっくんが底なしのクソだということにうっすら気づいてるってことなのかな。もうシングルやってくれ。『ツーオンアイス』なんて作品は終わってもいいから……。いや、シングルはシングルで地獄なので競技フィギュアをやめるしか……。
 というのはさすがに言い過ぎだけど、隼馬のペアかシングルかの2択を「道」という表現をしたのがとても良い。先週の時点で気づくべきだったかもしれないけど、高橋大輔という男子フィギュアの歴史的演技の曲というだけで終わるのではなく、高橋大輔はシングルからペア(厳密にはアイスダンス)に転向したこととも掛かってたのね。キャリアの延命としてペア(アイスダンス)という道が先週の時点で既に示されてたと。
 だとすると、高橋大輔は自分がシングルを引退したあとの保険として自分に憧れる少女に呪いをかけてたってことになるよな。見損なったよ……(嘘だよ)。

『ウィッチウォッチ』130話

 モイちゃん復活の儀。不死バラを奪って、復活したら再び引っこ抜くんだと思ってたんですが、全然違った。ミスリードというほどの釣り針はなかったけど、「こういう誤解する読者いるんだろうな」的な思惑もあったんじゃないかしら。わざわざ不死能力をアイテム化したんだから考えちゃうじゃん。
 ランが頑張ってくれたおかげで痛み分け。敵がドヤを保ちがら逃亡して痛み分けという着地、なかなか好き(まだ逃げてないけど)。敵の敗因はランの母親を侮辱したこと、というのもモイちゃんが「ランはマザコンこじらせてるだけ」と見抜いたことと対比になっててキレイ。
 んで、モイちゃん復活。死にかけのモイちゃを魔法で治すにはそれと等価値の何かを失う。命だと思いそうなものだけど、ニコとモイちゃんの関係性が特別なので命じゃなくてok、となるのも好き。魔女が逆転の一手として自らの記憶を失う選択をするって完全に『ギンカとリューナ』ですね。本作が延々と日常コメディをしてたのは『ギンカとリューナ』終了のほとぼりが冷めるのを待ってた可能性があるな。篠原先生気を使ってくれてありがとう!!
 と思ったんだけど、微妙に違った。リューナは娘なので体まで子供にならなくてもよかったけど、ニコは恋人なので体も子供になる必要があった、みたいな説明もできそう(無理矢理ではある)。
 これが一過性のものか、しばらく続くのかは分かりませんが、後者だとしたらタイトルの「ウォッチ」に子守の意味が生まれて面白いですね。

『キルアオ』26話

 ニコがシリアスに子供に戻った直後に本作を配置するのはやめなさい。あまりに子供ライフを満喫してるので笑ってしまったじゃないか。
 竜胆兄弟が転校してきて十三愛しの学生生活は崩壊寸前。ということで校内殺し屋サミット。竜胆兄弟もそうだけど、シンのキャラがよりパワーアップしたのが嬉しいな。殺し屋としての顔も強くなったし、変人としてもキャラも強くなった。天馬が良キャラすぎるのでシンが相対的にショボくなってたので、この調整はありがたい。竜胆兄弟が加わったけど、話の本題は彼らではない、というのも良い。

センターカラー『ZOOKEY!!』嶽辻円盤

 読切。金未来杯その4にしてラスト。作者名は、がくじゆーふぉー。
 本編。ゾーキーとは不死身の改造人間のことらしい。最近不死身大喜利を武器にする作品多いですね。今は『アンデッド』が粗方やり尽くしてるから焼け野原じゃろ……と思ったら本作も普通にフレッシュなアイディア出してくるので面白かった。
 左手ソードとか完全に『呪術』で見たことあるんだけど(こないだアニメでナナミンにボコされてた)、「抜刀」として自らの左手を切るのとかめっちゃ面白かった。まぁ、よく考えると「別に左手ソードが特別強いって説明はないよね……」とはなるんだけど、ハッタリとして楽しいのでok。あと、中指の決め絵もかっこよかった。芥見先生が嫉妬してもおかしくないレベル。
 ただ、不死身ネタとしての開幕を飾る「下半身で壁を食い止める」の場面がちょっと分かりにくかった。少女が「何が起きたの?」となる場面だったらあの省略演出も良かったと思うけど、単純に分かりにくかっただけだと思う。とはいえ、切った無数の下半身すべてにズボンを穿かせてるのは笑った。無駄な手間すぎるw
 少女も改造人間だったという展開は面白い。彼女の親が恩人という件がキレイに繋がるので気持ちいい。いいが、彼女の天才頭脳アピールが少し足りなかった気もする。天才頭脳が活躍するようなシチュエーションじゃないから仕方ないのかもしれないけど、彼女が改造人間であることにあまり意味を感じなかったというか。最後の作戦もバトル漫画の住人だったら普通にああいうアイディア出しそう、という印象。
 敵のオッサン。両手のそれぞれ2本の指を立てて“お礼”のダブルクオーテーションを示すやつ、英語圏の映画観ててめっちゃ憧れる仕草のやつだ!! こないだ『カグラバチ』でも出てきて可愛かったけど、本作は「1→2」という前振りまで完備してて感動した。マジで映画の気取った会話シーンで出てきそう。まぁ、文字のある漫画メディアでそれをやったところで特に意味はないと思うんだけど、「映画とかで見るアレかっこいいよね!」という無邪気さ込みで好き。
 クライマックス、盛り上がってきたところで少女との思い出話になるのはちょっとイマイチだった(別に彼女と友達だった必要はないと思う)けど、ドーナツの由来は良かったし、ラストショットもオシャレで良かった。最近ああいうラストにタイトルを持ってくる作品多いですね。好き。
 終わり。面白かった。今回の金未来杯の中でもかなり上位の面白さ。先週までの印象だと「普通にショートフロンティアやってた方が平均点高い気がする……」だったんですが、今週のでこっちの平均点が一気に上がった。
 私的なベストは1本目か本作のどちらかだな。別にベストに投票する企画じゃないから意味ないんだけど、強いて言うなら……1本目。

『魔々勇々』7話

 魔王くん、普通に悪人だったらしい。そうなると組織の方がクソって話の方がデカい気がするのですが……。まぁ、コルレオに本気魔王戦を経験させるためのドッキリという線も残るのかな。ちょっと敵のバトル中の煽りがスパルタ教官のようでもあったし。感情の高まりが紋章術のキーになるので、ドッキリという作戦は理にかなってるとも思う(そんなことする人大嫌いだが)。
 んで、バトル。変態的なコマ割りは少なくて、わりかし「普通に面白い」。普通のも全然面白いとか最強じゃん。まぁ、息切れの結果だとしたら少し寂しい……けど毎回アレはさすがに疲れるからたまにやるくらいがちょうどいい気がするなw

『呪術廻戦』239話

 ケンジャク。こっちに移るのか。まぁ、物語の本筋として大事なのはこっちだからな。それなのにこっちのキャラが弱すぎる、というのは本作が今抱えてる最大の問題だと思う。ので頑張れ。
 歯爆弾。まさか読切とネタが被るとは驚きですな。しかも左手ソードとかやってくる作品と。ちょっと運命感じてしまうレベル。
 そして、まさかの高羽参戦。しかも単独。戦術的に彼を選んでるから何か勝機や作戦があるってことなんだろうけど、シリアスなケンジャクの攻撃をギャグ漫画として無効化し、そのまま相手を巻き込んでいくのは面白いな。面白いけど、ちょうど今週の『ロボコ』で説明してたやつ。なんでこんなキテレツな理屈がドンピシャで被ってしまうのよ……。まぁ、『ロボコ』の理論とは微妙に中身が違うし、本作は本作で理屈をこねてバトルを展開させていくだろうから普通に楽しみですね。『ロボコ』はマルチバースという突如として出てきた話だけど、本作はすべて術式という今まであった設定の中に「ギャグ漫画として無効化」というのを組み込んでるから面白い。『ドラゴンボール超』におけるベジータvsアラレちゃんを大真面目にやろうとしてるわけだもんな。一過性のギャグでは終わらせず、その先の理屈をこねて勝敗とかつけるんだろ。そりゃもう楽しみよ。
 最近だと『ONE PIECE』のギア5も同じノリだけど、あれはギャグ漫画じゃなくてカートゥーンだと思う。そういう意味では『スパイダーバース』のスパイダーハムが近い。

『あかね噺』83話

 丁半博打。冒頭に説明があるんですが、肝心の勝ち負けの部分が間違えてるので笑う。知らない人がこの説明を頼りにしたら永遠に迷ってしまうぞw
 丁半。イカサマだったというオチはつくものの、フェアな丁半博打だとしたら流れなんて存在するわけはなく、常に確率は50%ですよね。3連続で丁が出てるから次も丁が出る確率は6%とか言ってるけど、普通にバカだと思う。「次の丁半」は50%だよ。劇中で「んなわけないだろ」とツッコまれるならいいんだけど、彼は「素直すぎる」という判定を受けるだけ。何か心配になってしまう。6%はマジだということにしていいの?
 最後の丁半。あかねがテキトーな理屈で偶然正解をするんだけど、あれで当てたら計20枚。その後にイカサマを見抜いてるからしが13枚の状態から9枚かけるんだけど、8枚でよくね? 当てれば21枚であかねに勝つので。もしくはどうせ丁が出ると分かってるなら全13枚かければいいのに。謎だ。
 まぁ、そんな細かいところはどうでもよくて。話としては、丁半の勝敗は見せかけで裏の意図があった。こういう裏の意図を見抜く試験みたいなやつリアルであったら超むかつくんですが、今回の場合は誰かを落とすためではなく、3人のことをプロファイリングする目的があったとなるので意外とそういうイヤな感じはしない。極端な話、あかねは屁理屈で半にかけて負けたとしても稽古はつけてもらってた可能性がある……気がする。

『アンデッドアンラック』180話

 リップ戦線離脱。意外だ。風子の手術の手伝いをするわけでもないし。しかも、近くにいたせいで事故的に風子の髪に触れてしまって隕石襲来って邪魔しかしてないじゃん。悲しい。別にリップに責任を問いたいわけではないんだけど、話として、漫画の展開として整ってない気がする。端的に言って、不格好(否定者みたいな表現を必死に探した結果)。
 まさかのアンディ降臨。ちょっと意外すぎて呆気にとられた。もうちょっと大事な局面で感動的に出てきてほしかったなぁ……と思ったら「分身なので」と言い訳がつくのは面白かった。
 細かい設定覚えてないけど、今回あの病院内で風子とアンディ(分身)がした会話って記憶としてアンディ(本体)に引き継がれるのだろうか。引き継がれない方が理屈としては分かりやすいし、2人のドラマとしても(焦らしとして)良いと思う。

『逃げ上手の若君』130話

 冒頭で “それがこの時代” とか言って悦に浸ってるけど、本作的には2023年よりこの時代の方が良かったと思ってるわけでしょ(前話)。ちょっと意味の分からないエモさだったし、やっぱり前話はクソだったと思う。「そういう考えの人なんだ……」と根底から信頼が消え失せるようなヤバさ。

『暗号学園のいろは』45話

 特殊しりとり。基本となるクラップスの説明がないまま「これなら知ってるだろう?」と別の話になるので混乱する。まぁ、調べるからいいんですけど。
 あと、あのゲーム、せっかく「ケツの文字を複数取った方が強い」という特殊ルールがあるのに、その獲得ポイントが比率として低すぎる気がする。難しさと釣り合ってないというか、普通に1文字だけ拾って後ろの文字を長くした方が簡単だと思う。そうなるとただのサイコロの出目次第なんだよな。
 あと「言葉」っつってんのに最後に文章(短歌)を持ってくるのは普通にアウトだと思うし、それに対する説明もよく分からなかったな。宣言だからって返事してないんだから使っていいことにはならないじゃろ……。
 あと、欄外解説が逆さまになってたのがキャラクター表現の演出なのか(どういう人か覚えてない)、ただのミスなのか謎だったぜ。

『実話!竜宮城よりも面白そうな12月16日・17日9:00~17:00(最終入場は16:30)のジャンプフェスタ2024に行きた太郎』関井シモン

 ジャンプフェスタのおしらせ漫画。こんな後ろにあるの珍しいですね。『ヒロアカ』の影響か?(関係ないだろ)
 たぶん最強ジャンプの人だろうけど……とすぐに分かるんだけど、特定の漫画とは関係がないオリジナルになるのも珍しいですね。せっかくタイトルでボケてるんだから目次ページにもクソ長タイトル載せてあげればよかったのに。超小さい字で書かれてたら面白そうだったのに。
 本編。浦島太郎が竜宮城に案内される途中でなぜかジャンフェスの説明を受ける。本企画特有のあり得ない情報量の説明セリフを要求される、というのを「なんでジェンフェスの説明してんの?」というボケに組み込んでて見事だった。漫才形式にしたアイディアすげぇわ。やはり最強ジャンプの作家侮れない……。
 イメージの中で出てくる炭治郎がちゃんと最強ジャンプ仕様(絵も帆上版に近いと思う)になってるのが良かった。最強ファミリーとしての絆を感じる。絶対に学生服じゃない炭治郎の方がバリューはあると思うんですが。

僕のヒーローアカデミア』404話

 こんなところに載ってるなんて、また何かあったのかな……と本編とは関係なく暗い気持ちになってしまう。
 本編。OFAの中でオールマイトの姿が鮮明になる、というこれ以上ない死の実感。この絶望感はすごかったし、それでも助けるためにすべてを投げ出すデクの姿には胸を打たれるんだけど、助かったらあっさりオールマイト(in OFA)の姿が霧散するのには「どういうことなの!?」と混乱する。瀕死の状態だったのを治療したら霧散するなら分かるんだけど。あれはオールマイトだかOFAが「今オールマイト死にそうだな」という予測を元に鮮明になったり霧散してるってこと? 意味不明なのだが。ものすごく好意的に理屈を考えるならば、オールマイトが「もうダメだ」と死を受け入れた心理の反映としてOFAの中でオールマイトが鮮明になり、かっちゃんに助けられた瞬間「まだいけるかも」となって霧散した。オールマイトに希望をもらった2人の子供が今度はオールマイトに希望を与える話になっててそれなら感動的な気はするが、自分で言ってて結構苦しい理屈だとは思う。

『一ノ瀬家の大罪』46話

 起きてきた母に対して平然とお茶を渡す父がなかなか狂ってて不気味(好き)なんだけど、母は合意で寝てた可能性があるのか。一番メンタル喰らってたっぽいし、それなら「マトリックスのステーキ最高!」となってもおかしくない。
 からの祖母。母二連発にして、父のトラウマを優しく包む存在としての祖母(彼の母)。これ自体は良かったし、女性陣の反撃というのも痛快だったんだけど、その後明かされる「実は祖父も評価してた」というのはちょっと取って付けたような解決策に思えてしまったな。息子(父)の絵の才能に感心できるなら孫の写真にも理解を示すはずだろ。自分に近い才能を見出してしまったからそれに取り付かれてしまい……というなら少しは理解できるけど、ちょっと微妙。
 あと、やっぱ翼が何もしないところで物語の根幹に触れる部分がどんどん解決していくのは結構きついな。ほとんど部外者だった女性陣が大活躍すること自体はすげぇ良かったんだけど、翼には常に考えなしに走っててほしい。

『アイスヘッドギル』17話

 ヘッドが揃い、敵からの攻撃も始まる。対怪獣戦が描かれるとワクワクしてたんですが、どうやら普通に人型リッチが主戦力として攻撃してくるっぽいですね。少し残念ではある。やはり人型の方が描きやすいんだろうな。せめてギルは、攻撃手段の規模が大きくなってきたので、怪獣との対決をやってほしい……が、父と再会しちゃったからどうだろうか。まぁ、父との決着をつけた後でも怪獣戦のチャンスはあると思うので諦めずに期待しておこう。門を守る怪獣と戦う、とか全然ありそうじゃん。
 喋るリス。緊張感のないやりとりが楽しいんですが、 “リスのタイプ全く興味無い” とギルが急に辛辣なので笑った。リスのことを少し下に見てる、みたいなバイアスもあるのかな。

『アスミカケル』18話

 太賀オリジン。圧倒的スター選手と出会ったことによるプロへの憧れ、そこで受け取った「裾野」というキーワード。それらが悲劇的にこじれてしまった闇堕ち。児童養護施設自体はめちゃくちゃ恵まれていたが、問題はジムの方にあって……となったのも意外性があって好き。格闘技特有の問題というのが浮かび上がってくる。今週の『ツーオンアイス』と併せて読めるのも面白いですね。「子供にかける言葉には気をつけろよ!」という地獄スポーツ二部作。
 そんなハズレジム。そこの会長(塾長)が今回の大会にもやってきてて、というラストも良かった。太賀が彼のことを逆に利用する立場になってる不気味さ。ただ、真面目に考えるならば、「もうそんなクソジムからは離れていいから!」みたいな気持ちにもなる。構造的な問題は解決しないけど、もっとちゃんとしたジム移ってくれ……。根腐れした裾野に居続けることに執着してるようで、そこがまた怖いんですよね。憎むべき相手のことを彼自身が内面化もしくは一体化してしまっている。めちゃくちゃリアルな話だと思う。つれぇわ。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 10/23は電信電話記念日ということで、架空の通信機器特集。また見事なテーマ取りだ。携帯電話やスマホが一般的であるが故に漫画の中の電話は特殊機能を備えたロマンガジェットになりがち、というのはありそう。携帯電話以前の作品も少しあるけど。
 個人的には『HUNTER×HUNTER』にビートルが出てきたときには異様なまでにワクワクしたんですが、今説明を見てみると「バカの考えた機能全部盛り」みたいで少し恥ずかしくもなるな。何だろう、スマホが高機能化し、ビートルの中の一部機能を再現できるようになったからこそ逆に全部を実現することの無茶さが実感できるようになった、みたいな。
 あと、未読なんですが『PSYREN』に出てきた、異世界に転送される公衆電話。読んでないけど、絶対これ『マトリックス』のフォロワーですよね。すべての道は『マトリックス』に通ず。そこにテレホンカードを招待状として持ってきたのが面白いと思う。

次号予告

 高羽めっちゃ主張してくる。本編読む前にこの予告ページ見ちゃったからちょっとしたネタバレ喰らいましたw そしたら『ロボコ』が似たような話ぶっ込んできたので別の意味で驚く。

目次

東京選手権大会行ってきました。鍵山選手のFSの貫禄にAさん共々脱帽。
(『ツーオンアイス』)

 取材に行くのは分かるけど、アシスタントと一緒に行くの何かめっちゃ良いですね。ピースフル。

愛読者アンケート

 読切についてと、ネット上での漫画の感想について。感想をSNSで共有、ほとんどしない。先週我慢できずに『ロボコ』のカノンイベントについて触れちゃったけど、基本はしない。SNSで他の読者の感想を見るか。見ない。先週見たやろがいって話なんですが、普段感想ツイートしない人だから……。以前からフォローしてる人がジャンプの感想をツイートしてたらそりゃ見るけど、今は積極的に求める感じではないなぁ。漫画の感想や考察を扱う動画、見ない。そしてブログの質問が出てこないので泣く(嘘泣き)。

総括

 終わり。理想としては水曜の24時までに更新したいんですが、越えてしまった。まぁ良いとしよう。

 今週のベスト作品。『カグラバチ』。
 次点は読切と『ツーオンアイス』、あとジャンプフェスタ説明漫画。

 今週のベストコマ。『カグラバチ』の最終ページ見開きの上段。かっこよ。

 最後に今週のベストキャラ。『ツーオンアイス』のたっくん。うちの綺更とは二度と会わないでください!!ってなる。
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