北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

週刊少年ジャンプ2024年02号の感想

 俺のことはいいから映画『窓ぎわのトットちゃん』を観てくれ。

背表紙

 「ジャンプキャラクタースマイルコレクション」。デク。頑張らないって感じの時期のデクだ。
 今気づいたけど、本コーナーと目次のマニアッククイズ、毎号同じ作品がお題になる可能性が高いですね。

表紙

 『ONE PIECE』。ルフィとスノーボード。本編でやる様子は全然想像できないけど、ルフィの猿っぽいポーズとスノボーはかなり親和性ある。

読者プレゼント

 マリアナ海溝。かなり良いテーマだと思う。タイトルのダジャレは弱めだが、各種深海魚を交えたダジャレが良い。そして、何気にイラストも好き。ダジャレに沿った深海魚がちゃんとデザインされてて良い仕事してるぜ……。当選者発表ページも同じ人(辻二十日)が担当してるが、あちらは王道デザインのハロウィンモンスターが可愛くてこれはこれで好み。今までイラストにそれほど注目してなかったとは自覚してるが(ダジャレがメインで写真の次点くらいの感覚)、ページ担当とイラスト担当がちゃんと連携してるというのが感じられて今回のはかなり良い。

巻頭カラー『ONE PIECE』1101話

 3年前のルフィ。旅立ち直前って感じか。オノの発明時が描かれててファンのノスタルジーを刺激してくるけど、やっぱこれも実写版ありきのチョイスな気がしてしまうな。もちろんただのイーストブルー編という括りの可能性もあるんだけど。
 そんなルフィ、正直「出てきただけ」という印象も強いのだが、ドラゴンから “子は… 親の弱点だ” というセリフが聞けただけでも良かった。ドラゴンのルフィについて語るのってマジ珍しいと思うので。何なら初とかそういうレベルじゃない?(私の記憶は曖昧です)
 まめに手紙を送ったが、破られてしまい届かない。「今時そんなベタなイベントある?」とか正直思ったのだが、このくらいのストレートを何のてらいもなく放ってくるのが『ONE PIECE』の強さなのかもしれない。寓話感みたいなものも出るし。
 ボニー、思ってた以上にニカ大好きガールに育ったが、ルフィに対してどういう気持ちなんだ。映画のウタみたいに、後付けで因縁の深い女性キャラがまた1人。

『鵺の陰陽師』30話

 妹、後輩ムーブがうまい。学郎がコミュ症なのと対照的にコミュニケーション強者、それ故に相手が望むキャラを演じられるという感じなのかな。変人女子がまた1人加わってしまった印象もあったが、これはうまいこと馴染みそうだし、良い潤滑油になりそう。
 ミッション。鵺さん抜きで山に行く。仕事だが、合宿感もある。が、そこに妹が “どっち狙ってんの?” と余計なことを言い出して学郎、ボロボロになる。今までは普通に接せられてた2人だけど、一度でもそういう考えが生じてしまうと変に意識してしまって途端にポンコツに逆戻り。ただのラブコメ的トライアングルというだけでなく、同時に隊長としての初ミッションでもあるので、学郎には荷が重すぎる。相変わらず本作はコミュ症描写の精度が異様に高い。何とか常人のように振る舞えてたのに小さなキッカケ一つで瓦解してしまうのがリアルだし、そのポンコツムーブが妙に生々しくて何なら泣いちゃう。さらには、そのポンコツな姿を2人よりも以前からの知り合いに見られる、というのがつらすぎるw
 トドメとなる水着で死んだ~と思ったらエッチマンのトラウマ(克服)を思い出して逆に冷静に、という流れも笑った。笑ったけど普通に良い話でもある。あと老婆心だけど、「エッチマン」は軽くミーム化してるワードなので、今回も出した方が良かったと思う。ファンの反応を読み違えてるのが窺える。そう考えるとやはり本作の独特のギャグとかワードセンスは狙ってるものではなく天然なのかもしれないな。好だぜ……。

『SAKAMOTO DAYS』147話

 特殊護衛分遣隊。完全に無視してた勢力だけど、シンたちレベルで考えると普通に強いらしい。そりゃそうか。年齢層高めのメガネオッチャンというのが個人的に好みで、そういう意味でも嬉しい。幅が広がる。
 そんなわけで、強さのバランス的に虎丸が圧倒的に危機。どう考えても死ぬ……からの謎のサンダル登場。という決め絵が相変わらずかっこいい。隊員が倒れて、 “ゴッ” という吹き出しが出るんだけど、その動きの先に謎の人物の足下が映り、それが坂本だと特定するサンダル。芸術的である。足下だけで坂本だと認識させることで、「たとえ太っても推しは推し」という虎丸のドラマへと繋がる効果もあったと思う。

センターカラー『累々戦記』2話

 演劇部の人気者、というか普通に学校レベルに収まらない有名人。このままイケメンくんがレギュラー入りしてキャッキャウフフ不可避だな!! と思ったけど、先週の巻頭カラーにイケメンくんいなかったのでちげーわ。あくまでも剥がし屋としての一日目を描くのが主題か。
 そんなイケメンくん、可愛い系のニュアンスが入ってて、イケメン像としてなかなか新鮮。学校一のモテモテくんがああいうバランスなのって意外と珍しいと思う。可愛いニュアンスはあるけど、中性的とはちょっと違うし。
 イケメンくんがやけに掘り下げられるけど、正義マンのメガネくんが今後どのようにバトルに参加するか、という話。彼のバトルに対する考えの第一は “学校を壊すなあアア!!!” なので、今回結界を展開してバトルフィールドを別途用意する能力を身につけるのはかなり良かったと思う。彼の信条がそのまま反映されたサポート系の能力。ちょっと発動条件とかは都合良すぎる気もしたんだけど、彼の行動原理とバトル時の活躍の内容が完全に一致してるのは見てて気持ちいい。

『アオのハコ』129話

 インターハイに向けた各人の思い。「これは本作もいよいよ本格スポーツ漫画路線に舵を切るのかな?」とか思ってしまうが、おそらく本作が描きたいのはこういうスポーツを介したエモいドラマの部分なので、スポーツそのものはそれほど描かれないままだと思う。大喜の成長とかは理論的に語られてるので、そこはさすがに描かれるだろうけど。
 遊佐弟。バドのことを “1人で全部出来ないと勝てないなんて大変なスポーツっすよ” と言ってて一瞬正論に思えてしまったが、個人の対戦競技って全部そうだろ。それこそ『アスミカケル』のMMAとかやること多すぎて大変って説明だし。自分の考え持ってる風に描かれてるけど、実のところは頭がそんなに良くない……とか思ってたら、兵藤兄に即ツッコまれてるので笑った。ちゃんと考えが浅い(雑)な人として描き分けてるのすごいな。
 兵藤妹から大喜へのプレゼント。事前にインターハイに向けた1年からの御守りを描くことで「私的なプレゼントかな?」と思わせてからの、兄貴の試合映像。あくまでバド部であり、兵藤妹としてのプレゼントに徹してるのが良い。ただ、その弁えた態度が大喜には響いてしまうのもアンビバレント
 それを見た兵藤兄、 “猪俣ならまぁいいぞ” 。マジか、こんなキモ兄貴発言してしまうような人だったのか。結構引いたわ。いや、あれだけドジっ娘(死)な妹で日頃世話を焼いてるとそのくらいのスタンスになってしまうのかもしれないけど、彼氏の許可制とかマジで人格疑うレベルだ。先週は「可愛い兄貴め」とか思ったのに、こんな仕打ちが待ってるとは。
 真面目なことを言うと、巨大な疑問を抱いたのは兵藤兄に対してではなく本作に対して、ですね。今まで信頼してた部分に急にヒビが入った気分。大丈夫なのか? 大丈夫だとは思うけど……。

僕のヒーローアカデミア』403話

 見開きで「ボ」のコマ割り楽しい。最近の『魔々勇々』大人しいけど、初回のときのような本気がまた見たいものですな。週刊連載が大変でそんな余裕ないって事情なのだとしたら悲しい。慣れるまで続いてほしい。
 そんな『魔々勇々』と同じ話なんですが、パッと見は超楽しいんだけど、劇中の細かい動きとかは把握しづらい。普通に何が起きたか分からないところをかっちゃんが自分でベラベラと説明しだして、それで初めて分かった。まぁ、かっちゃんらしい煽りムーブとしての説明なのでそれほど違和感はないんだけど……。
 ホークスの活躍は笑った。笑ったけど、理にかなってるし、何よりヒーローの「人気者」としての側面を生かした活躍になってて何気にめっちゃ良い話。かっちゃんはまだまだ一般人気を得るようなヒーローにはなりづらいだろうけど、その分をホークスが陰ながらサポート、みたいな構図に見える。

『キルアオ』33話

 筋肉痛ゾンビで変人以外リタイヤ。奇しくも十三と2人きりになったノレンは意識しまくりのラブコメムーブだが、十三はそれをすべて把握する。そこは鈍感でいてくれよw いや、ここでしっかり大人としての考えに至れるのが十三の魅力で、本作の魅力。
 雑念だらけのサーフィン練習だが、乙姫ちゃんの協力で思わぬ効率化。おそらくサーフィンの知識は現状最も優れてる人物がアドバイスしてくれるのめっちゃ心強いな。さすがに「これで勝機が見えてきた!」とまでは言わないが、勝負としてそれなりに形になるレベルにまでは行きそう。その説得力の準備が見事だ。
 夜。恋バナの次は変形肝試し「絶対に声を出してはいけない!! 学校警備員」。唐突ながら学生が遊びでやることのリアリティを保ちつつ、「年末の風物詩ですもんね……」というメタ的な目配せを含めたすごい展開w

『僕とロボコ』165話

 バミュ小、二十歳の同窓会。成人の日ってことでいいのだろうか。一ヶ月ほど早い時事ネタ。
 そんな同窓会に歴代の成人男性キャラが総出演。「まだいたか!」という驚きが最後まで続くので面白かった。ほとんど『僕とロボコ』カルトクイズみたいな感じになってたな。マジで全員出たんじゃないかと思ってしまうレベル。ファミチキ先輩は出なかったけど、あれは版権キャラ(?)なので事情が特殊か。
 終盤は完全に「分かるわけねぇだろ!」みたいな人選になるんだけど、最後の最後がチャパオで「これは覚えてる!」となるのが絶妙で面白かったな。
 ロボコが完全にツッコミに回るのが楽しい回。 “ちょっと面白い奴がいる” のくだりとか特に好きです。ただ、サッカーのスペイン代表からのヒスパニックは微妙に意味が繋がってないのでそこは気になる。サッカーワールドカップだとメキシコ代表の方が流れとして自然だと思う。完全に無関係なワードでないのが逆に気になるというか。

センターカラー『夜桜さんちの大作戦』206話

 ひふみが目論むふたご大作戦。再び双子中心の物語になりそうで安心すると同時に、子供が勝手に最前線に出ようとするの普通に心配してしまうな。この手のフィクションではありがちな展開だけど、毎回のように「いやマジで心配だから……」となっちゃう。しかも本作は明確に強さが足りてないのが説明されてるし。覚醒とか暴走で安易に強くなられても引くしなぁ。どうなるんだ。
 「子供が余計なことする」も定番だけど、予言も定番ですね。これは子供の件よりも苦手。正直知らんのよ。予言の謎の文とか言われても。どうせ作者は今後の展開知ってるんだから逆算して書いてるだけでで別にすごいとも思わないし。『ウィッチウォッチ』の予言もあまり好きではなかったな。そういやあっちにも子供出てきますね。不思議な一致。

グリーングリーングリーンズ』3話

 バイト開始。曲者揃いでワクワクするが、気づけばそのバイト仲間視点の語りが増えていく。主人公があまりに良い人すぎて、そのナイスガイぶりにバイト先でも無双することになるので、このバランスはうまい。下手すると「また俺何かやっちゃいました?」になる。そのくらい主人公が圧倒的に強い(ゴルフ以外の意味で)。
 しかし、通用しない人もいて、それが嘲笑してくるモブ客。素人がコソ練できる環境がない、というゴルフの特殊性が現れてて面白かったのだが、主人公の集中が外からの視線を意識して途切れる、と前回以前から一貫したものが描かれる。自意識はキャラクター的な問題であるけど、「新たなスポーツを始める」というテーマにおいては不可避なんだろうな。
 いきなり勝負。勝負とかできるレベルにまだ達してないんだけど、ゴルフ特有の「ハンデ」によってそれが成立する。ちゃんとゴルフならではの要素が次々に盛り込まれてて面白いな。自意識とか熱血キャラ(ウザいけど良い奴)とか、普遍的だったり定番のものを揃えながら、しっかりゴルフしてる。

『アンデッドアンラック』187話

 太陽到着。いきなり不燃で太陽活動停止。はえ~。はえ~けど “不燃で消してもこの熱量…” とか何言ってるのか分からなくて面白いぜ。燃焼だったら「熱いけど燃えてない」の状況も分かるのだが(いわゆるバックドラフトが起きる寸前)、核融合における「熱いけど燃えてない」とは一体何なのか。くられ、来てくれ~!!
 んで、マスタールールさん登場。DNAの二重螺旋の髪型がイカス。不変に対して “私の器なのね” と意味不明のことを抜かして終わるのですが、マスタールールには器が存在して、おそらく風子の一味にそれぞれ対応する人がいるのだろう。DNAモチーフで、不変と対応する何かなので、進化とかそういうものが連想されたけど、別に進化は人類に対する災厄じゃねえな。まぁ、キャラデザだけでクイズ出してくるのが面白い、ということでここは一つ。
 二重螺旋にワクワクしたんだけど、よく考えるとシックは音符を使ってたので、「まさか関係ない……?」とか少し心配にもなってきた。シックと音符に関連性があるなら知らん。ご一報ください。
 ラスト。「誰この紅茶……」とか思ったんだけど、ジュイスか。そういや私服姿知らねぇわ。不正義に対応するマスタールールも気になってくるな。戦争とかやってきそう。

センターカラー『魔々勇々』14話

 仲直りかと思ったら “まずは小指” なので笑った。世界観の違いを示す良いギャグ。
 食い逃げした店への補填。男子2人は配達。食い逃げシーンと同様に疾走する2人が描かれてて面白かったのだが、そこから「犬に襲われるモブ」という雑すぎる展開によって2人の「正義」を対比させるので唸った。世界観の違う2人の勇者ならではの違いが象徴的に描かれててお見事すぎる。『ヒロアカ』あたりが嫉妬する名場面なのではないだろうか。割とマジで。
 そして、林先生も空気階段ファンなのか……という可能性。ただ、ジャンプ誌面上で行うオタ活としては『あかね』コンビ(特に末永先生)がトップオタすぎるのでちょっと分が悪いですね。まぁ、勝負じゃないからいいんだけど。

『ウィッチウォッチ』136話

 えっ、マジでこのままレギュラー化すんの? と前半では思ったが、終盤の子煩悩ぶりを見ると、「学校に通う高校生に子育てが出来てたまるか!」という篠原先生なりのマジレスだったのかもな、と納得もした。外部の手助けが必須、というリアリティ。誠実さのようなものを感じる。
 そんな妙にリアルなバランスが面白かったので、逆に言うと「子供にアルコールブレス吹きかけないで……」とか思った。ただ、育児中に飲酒する描写がないので、子育てのリアルを感じる。
 ドラゴンブレスは温度調節ができるので冷風も可。いかにも篠原作品らしい展開で面白かったのだが、前振り段階で “熱風が吐けんだ” としたのはちょっと雑に感じた。こういう細かい言い回しにおける「嘘は言ってない」という理屈の通し方が面白さの一つだと思うので。

『あかね噺』90話

 そういや見たことなかった、今のからしの落語。師匠の指導方針により今は完コピ路線らしい。前にあった講談のエピソード、「とにかく器用」というのと結びついてて良いですね。この後のヤンキーの暴走族落語とかモロだけど、落語がそのキャラクターを示すものになってる。よくバトル漫画だと特殊能力がそのキャラの個性と結びついてることが多い(てか普通そう)けど、本作の場合は本人がそういう落語、そういうスタイルを選択してるので、必然性も感じるし、自己表現としての説得力が生じる。
 開口一番を託されたのは、あかね。前半にあった「感謝の言葉を遮るからし」とは対照的に、あかねは熱血な依頼に対して真正面から熱血で返すので良い後輩ムーブしてる。逆に言うと、からしにはちょっと問題感じますねw 漫画としては魅力的な言動なんだけど。

『逃げ上手の若君』137話

 敵陣の配置。くじだが、くじじゃない。あまりに極端な言動、松井作品らしいと言えるんだろうけど、時代劇ということもあってより極端になってるのか知らんけど、普通に引くんだよな。意味不明という意味でもそうだし、「これが面白いと思ってるのか……」って寂しくなる。
 味方陣営の本命は顕家なので、余り物を引いた貞宗が若とエンカウント。「2年後」展開らしい因縁の相手とのリベンジマッチで良い。ワクワクする。するが、よく考えたら貞宗はもう一旦若に対して情を抱いてしまって、あの場面は超感動的だったので「蛇足にならない?」と少し心配ではある。てか、歴史詳しい人はあの別れを見て「この2人また戦うよね……」ってなってたのかw

『アスミカケル』25話

 奈央さんの格闘家としてのオリジン。因縁の相手との運命の出会いを果たすのとか感動的で、野良試合を始める感じがかっこいいんだけど、大人目線で考えると「ある日帰ったら娘が骨折してた」なわけで、悪夢だなw
 そんな骨折だが、骨折させた方がファックと怒りを露わにするのがこの業界ならではの事情って感じで面白くもあった。フキダマリのエピソードもこの骨折が一つのテーマになってたので、骨折する側の話が描かれたことでより味わいが増す。
 そんな怒りの原動力が語られるが、それとは別に「試合に勝つ」ことの快感は何事にも代え難い。この怒りで始まり、勝利の味を知りより格闘家を目指すようになる流れが二兎と同じなのが良いよね。怒りのエピソードとか、そりゃ漫画のキャラだとそういうのがある方が面白くはなるけど、そんなエピソードがなくても、格闘技はスポーツとしての魅力があるよ、というのが本作の素敵な姿勢だと思う。これは『ツーオンアイス』でも感じることで、おそらくだけど今後『グリーングリーングリーンズ』でも明確に語られると思う。逆に、『アオのハコ』は以外と競技特有の事情みたいなものはそれほどない印象。まぁ、あれはスポーツと恋愛のハイブリッドだからそこらへんの境界は感じる。
 対戦相手、大人のして、勝利のために出来ることは何でもする。ケアセンターで二兎の強さの秘密を聞き出そうとするくだりにはゾッとしました。言われてみれば当たり前すぎる情報源なんだけど、マジで1コマ前になってもまったく気づかなかったw
 からの奈央さんの対戦相手。マッチョ執事に腹パンされてるお嬢様。ちょっとこの状況、信頼の証としての腹パンにはちょっとときめいてしまったな……。

『暗号学園のいろは』52話

 プレイヤー同士で戦う方がお手軽に面白いってのは分かるんだけど、基本的にはゲーム攻略を競う話なので、ちょっと多いと萎える……は言い過ぎだけど、話が止まる印象がある。
 世界の硬貨でオセロ。基本ルールがシンプルなので非常に面白そう。「日本の500円玉って結構珍しいんだ?」みたいな知的好奇心もくすぐられる。ただ、絵面として示されると、しかもそれが漫画だと、とてもじゃないけど盤面を見て理解できるようなものではないので机上の空論というのも感じてしまうな。まぁ、だから本作でも具体的な戦況みたいなものは全然描かないんだけど。「熱い戦況のバイブスだけは感じてくれよな!」という見開きとか素晴らしかったと思います。空中で回転するコインがよく考えると意味不明なんだけど(あんな宙ではひっくり返さない)、理屈は通らないけどバイブスで伝わる、というのはある意味すごい。ハッタリの魅力。
 ただ、目を瞑ってる間に……のくだりですべてが萎える。マジでこれは面白いのか? からの飛行機ごとひっくり返すのも「そういやエアフォースワンだったね」という面白さはあったけど、同時に「そんなキレイにひっくり返るわけないじゃん……」という萎えがデカすぎる。「リアルだからズルはアリなんです」という理屈を通すなら、都合のいいところでリアルを無視しないでくれ……。
 マジで面白さが意味不明なレベルなので、逆に熱心なファンの人の感想とか読みたくなってくるのだが、たぶん精神衛生上よろしくないし、そもそも発想が性格悪すぎて自己嫌悪なので読みません。

『ツーオンアイス』12話

 ペアとして始動。次なる目標の設定と、そこに向けた具体的な練習の開始。お勉強的な説明パートが楽しいんですが、その後直面する問題がそういうお勉強要素とかけ離れた「思春期のリアル」なので笑った。スーパーピュアボーイだったから急激な変化による迫力がやばい、という理屈も良かったし、スーパーピュアボーイだったからたとえストーカーでも好意を持ててたのに……という拒絶側の心理もリアルすぎる。よく考えたらテレビにも出てたような子なので、他人の視線、それも性的な視線にはそりゃ敏感にもなるわな。急に『キルアオ』と似たような要素が出てきて面白い。もちろん「女」が彼女にとって呪いになってる件もある。
 めっちゃ笑ったんだけど、リアルでもあり、それ故に超深刻な問題でもある。これはマジで「ペア練習の第一歩」だな。説得力がすごい。本作と似たような状況になってるはずの『アスミカケル』では割と簡単にスルーされたんだけど、あっちは「まぁ組めないなら別々に練習すればいいし」で終わる話なので、だからこそ逆に簡単にクリアしても違和感がなかったんでしょうね。本作は重要かつ不可避なので雑にクリアすると違和感が出ちゃう。
 あまりに急なラブコメ要素なんだけど、「憧れのあの子をやめてちゃんと向き合う」という話としては一貫してる。目下のラスボスであるたっくんが性的な魅力のモンスターだったこととも繋がってくる。
 あと、この場面のつらいところって、相手はもちろん第三者にもモロバレってところですよね。バレてることの恥ずかしさ、というのは今週の『鵺』とも似てる(学郎は気づいてないけど読者は共感性羞恥に陥る)。
 ペアの選手としてモデルケースだった夏夏ペアは双子なのでまったく参考にならない。まぁ、実際は双子だからこそ気持ち悪くなっちゃう人とかいるんだろうけど、そこから別のペア、別のもっと地獄な状況にいるペアを参考にすることになる流れも最高。元恋人ペア、素人ながら一瞬で「こういうペアもあるよぁ~!」と納得できる。男性が振られる側というのも「このままだと隼馬もこうなる……」という現状の未来って感じで良い。

『カグラバチ』13話

 精鋭部隊が頑張る……と思ったら作戦の部分でチヒロが大いに関わる。さすが妖刀トップオタだ。誰よりも詳しいので、実際に戦わなくてもめちゃくちゃ助かるのか。妖刀設定とかバトル漫画でよくあるやつだと思ってたけど、この主人公がすべて把握してる設定(とりあえず現状は)、新鮮で良いなぁ。細かい作戦を立てるのはリベンジマッチとしての気持ちよさもあって最高。
 公的な組織なので、一般市民に迷惑をかけないのが第一。ということで最初にやるのが空中にステージを作って移動。このセリフもないステージチェンジの場面、超かっこよかった。ちょっとゲームのボス戦が始まる前の特殊演出みたいな高揚感。
 そして、この空中ステージこそが敵の本気溜め雷を防ぐ秘策であった、とオチがつく。理屈としても最高だし、やはりここでの決め絵の気持ちよさがヤバい。雷は水を伝う、それなら……ときっちり前振り込みで理屈を通すのが気持ちいい。味方陣営の能力をさりげなく説明してる風だったから、そちらを使って何とかするのかと思ったら(磁力とかいかにも怪しいw)、すべては敵の出す水と雷だけで理屈が成立してしまうシンプルさ。強い。やっぱ本作良いな。最初の頃は「妖刀で戦うだなんてそんな斬新なアイディア今の時代に成立するのかよ」とか思ったけど、めっちゃ成立してた。バトル漫画としての基礎力があればまったく問題ないのだな。これは『呪術』の大成功に関しても同様の感想で、どっかで聞いたことある設定と、モロに『HUNTER×HUNTER』そのまんまなことをやっても面白ければ面白い。

『つくも小町の年末』迫賢利

 読切。ジャンプショートフロンティア。ここで年末、大晦日ネタを持ってきたということは、もう今年中にショートフロンティアはないってことなんでしょうね。今年も一年ありがとうございました。マジで好きです。来年もよろしく。
 新人宮司、初めての年越し。特殊なお祭りがあり、1人で切り盛りするのだが、彼女には強力な助っ人たちがいて……という話。付喪神なんですが、最初に出てくるのが傘に目玉と舌が生えた神様なので「なるほど妖怪か……」とか普通に誤解した。本作で数少ない瑕疵だと思う。唯一かもしれない。
 最初、可愛い女の子で勝負する作品なのかと思ったんですが、次に魅力的なバーサン、ジーサンが出てきて、トドメとして唐傘のお化け(神様です)が出てくるので全方位的に可愛い。ショートフロンティアでこういう勝負をしてくる作品は初めてかもしれない。とにかく絵の魅力(美少女コンテンツではない)。その後も細かい説明は抜きに次々と出てくる付喪神のデザイン、そして動きがどれもめちゃくちゃ可愛い。たしかに美少女とかよりも重要な漫画の才能かもしれないな……としみじみ感じていたら突然セクシーなギャルが飛び出るので笑った。そっちも完備かよw いやしかし、扇(扇子)の付喪神だと思うが、いくら何でも彼女だけ急に人型でかなり無理も感じるな。扇からそんなセクシーな要素連想できないしな。……もしかして「ジュリアナトキオー!!」なのか?
 扇はさておき、とにかく本作すごい。ショートフロンティアって初期の頃は特にどんでん返し系の作品が多かったんだけど、本作はプロットとしての面白さは特になく(何ならまったくない)、絵やキャラデザ、一目で分かる魅力的なキャラクターのみで構成される。何なら日常系みたいな薄味さなんだけど、この平和な空気、平穏なまま終わることのありがたさが「年末」というテーマにフィットしてる。
 細かい説明は全然ないけど、「この子は何の付喪神かな?」とか想像が膨らむのも楽しいし、人間キャラもいちいち魅力的。母親思いの少年とか、「初恋はこの宮司さんだろうか」みたいなおねショタの波動が感じられて良いですよね……(少数派だよ)。
 終わり。マジで良かった。まったく予期してなかったタイプの良さの作品なので、年末に良いもん読ませてもらいましたわ……。ショートフロンティアのさらなる可能性を感じる。これで今後迫先生が何らかの形で連載になった際、メインの女性キャラとしてギャルっぽいのが出てきたら「結局そっちかい!」と笑うと思う。完全にバランスブレイカーだったからな(好きだけど)。

巻末解放区!WEEKLY週ちゃん

 12月のネタハガキ東西戦。お題は「江戸時代にM-1があったら… 優勝ユニット名はなに?」。面白そうなお題だとは理解しつつ、最新のお笑いに疎いのでそういう機微を読み取れてる自信がない……。理屈ではなく「っぽい」で成立する面白さだと思うので。
 東。コンソメさんの「享保さわぎ・こわし」。ちょっと知的な部分を刺激しつつ、同時に増税の空気が漂う現在にも刺さりそうなネタですごく好き。
 冬眠さんの「感性の改革」。ダジャレとしてもうまいんだけど、めっちゃトガったスタンスの芸人が目に浮かぶので笑う。これで笑えないんですか? みたいな空気を出してきそうw
 西。半額カーネルさんの「天下トリオ」。言葉で説明できないけど、めっちゃいそうなネーミングセンス。
 出羽の花・命さんの「2丁老中」。リアル芸人もじり系だとこれが一番好き。拳銃と老中じゃイメージがあまりに違いすぎるw

次号予告

 表紙巻頭は『SAKAMOTO』。アニメ化の発表せずにあと何回表紙を飾れるかチャレンジ、みたいな感じになってきたな。そういう意味では合併号の巻頭(単独表紙はないので少し損な役回り)もありそうだったんですが、どうやら違う。次次号の予想をするなら『鵺』。
 なんと『カグラバチ』がセンターカラー。マジか。これは次次号『ツーオンアイス』が来なかったら泣いちゃうぞ。仲良く3回目のセンターカラーやってくれ。何なら3回目までは既定路線、という慣例が出来てほしいくらい。

目次

 JUMPマニアッククイズ。案の定『ヒロアカ』だったんですが、クイズの内容が意外。前号の中から考えるんじゃないのかよ。デクの足の小指の関節の数だって。空で答えることは出来ないけど、おそらく第1話で出てきた話だと思うので、それを読み返せばすぐに分かると思う。まぁ、手元に単行本ないんですけど。

 ……ジャンププラスで初回は読めるじゃん。ということで読んだ。やはりあったよ。関節は2つ。『ヒロアカ』初回はデクの足に無個性の証拠になるけど、同時に誰かを助けるための第一歩を踏み出せることがヒーローの資質として描かれててキレイなんだよね。最近はすっかり「手」の執着がすごい漫画だけど、初回は足。
 普通に考えるタイプのクイズになったので、これは来週以降の楽しみが増しました。次回は『呪術』だろうけど、一体どんなものが。
 ちなみに先週の正解。「Live to eat」なんですが、ルビが「ライブ」になってて間違いだと思う。普通に考えたら「リブ」じゃろ。初回から躓いとる。

145話でセバの名前が夏樹となっていましたが正しくは夏生です。すみません
(『SAKAMOTO DAYS』)

 本編直後のキャラ紹介ページでちょうど夏生が紹介されてたので混乱しましたw 「親のつけた名前を否定するために漢字を変えたのかな」とか深読みしたけど、全然関係なかった。

愛読者アンケート

 ちいかわ、おぱんちゅうさぎ、すみっコぐらしについて。ファンシーキャラ最前線って感じだろうか。どれも名前とビジュアルくらいは知ってるけど、ほとんど知らないです。ちいかわはツイッターでよくファンがお祭りしてるイメージある、すみっコは基礎がしっかりした実力派、おぱんちゅうさぎはまだギリギリ男性ファン(もしくは一般層の広いファン)が少ないので女性ファン(若者)がのびのびと楽しんでる……そんなイメージ。私が好きなファンシーキャラであるモルカーを勝手に加えちゃうけど、どれも「不憫」みたいな要素があって時代を感じる。
 ホラー。ホラー自体は好きじゃないけど、ホラー映画は比較的好きな方だろうか。いや、ガチホラーみたいな路線に突っ切られると全然好みではないし、怖すぎると味が全然分かんないレベルになっちゃうので積極的に観ることはないんですが、映画好きやってるとホラー映画に注目せざるをえない瞬間、ありがちじゃない?

総括

 終わり。今週は本当に自分が偉い。火曜に急遽『窓ぎわのトットちゃん』の感想を、それも結構な長めの記事を書いてからの水曜更新。マジで偉い。個人的に『窓ぎわのトットちゃん』記事結構良くできたと思ってるんだけど、それに比べるとジャンプ記事は気楽でいいなぁ。読切もショートが1本で楽。感想記事を書くことの楽しさが浮かび上がってるような印象。なので、記事が面白いかは分かりません。私は面白い。

 今週のベスト。読切『つくも小町の年末』です。マジめちゃくちゃ面白かった。圧倒された。
 次点は『鵺』『キルアオ』『ツーオンアイス』あたりかな。異性との接し方難しいですね三部作。

 今週のベストコマ。『ヒロアカ』の「ボ」。勝手な思い込みだけど『魔々勇々』に対する堀越先生の「負けへんで」だと思う。

 最後の今週のベストキャラ。『つくも小町の年末』の扇ちゃんです。思わず名前探してしまった。いや、あの作品で一番好きなキャラというわけではないし、あの作品の魅力とまったく関係ないキャラだとすら思うんですが、「なんでこんな急に!?」と悪目立ちみたいな形でやたら印象に残るキャラだったので、1人選ぶとなるとどうしてもこの人になってしまう。
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