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『八乙女×2』18話の感想

八乙女×2 - 氏家ト全 / 【第18話】スポーツの秋はやっぱりダルい | マガポケ
 遅かったですが、ついにこの季節がやってきました、性欲のアキ!! と言いたかったのに通り越して寒い。
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第18話「スポーツの秋はやっぱりダルい」

 全12ページで、すべて4コマ(8コマはある)。まさかの構成であった。一応前半後半の区切りはあって、後半がマラソン大会なんですが、ショート漫画にするほど大きなイベントではなかったということなのかしら。まぁ、去年もあったからね(運動会)。
 マガポケだとサムネに起用されてる通り、全体的にアユムの出番が多く印象的だった回。最初もアユムだし、前半で描かれたネタが後半の大オチでも再び、という構成。アユムが背骨となって一本通ってるような印象。

 前半。学校での日常。文芸部のネタもあるし、1本だけ八乙女各母のネタはあるし、満遍ない。予想はできてたけど、文芸部の中でも芦田ホシノの出番が多め。武隈アキナはもちろん、門脇先生と組ませてもいい、当然どっちの八乙女と絡ませることも可能で強い。
 そんな中でもハルルを囲む女子たちのネタ、両八乙女のみのネタなど、本作の基本とも言えそうなネタもしっかりある。先日少年マガジンの方で出張読切(新作)があって、その内容が新規に向けた自己紹介的な内容だったんですが、本話の前半もかなりその趣が強い。
 意外だったのは6本目「行動力MAX女子」にまさかの川村さん登場。同小の(やや)レアキャラである。背景として登場するのではなく、がっつり話の中心に彼女がいるネタになっててとにかく新鮮でした。一般人の川村さんにハルルがいつものように下ネタで絡み、ルイが全力で阻止する、という布陣は本作の中ではかなり新しく、川村さんのキャラが確立されたという印象すらあるネタ。まぁ、『生徒会役員共』だとムツミもしくはカエデがこんな立ち位置になることも多かったですが、川村さんは彼女らほど個性が(まだ)光ってないのでこれはこれで新しい印象。完全にフラットという感じ。
 直後7本目「輪」。両八乙女母による雑談からのいつものようにカイ母による下ネタなんですが、そのフリとなる2コマ目の描写の細かさに読み返した際に笑ってしまった。オチを読んだ直後に目が2コマ目に飛んでしまうような内容なんですが、そこでの指の描写が細かいというか、よく見ると輪をやや小さくしてるのが見て取れるw
 8本目「ハルルかます」及び9本目「荒ぶる本木さん」では、アユムの新たな一面が明らかに。笑いの沸点が低いとあるが、今までこんなビビッドな反応は見れなかったので、単にダジャレ好きというような気もする。まぁ、今までは下ネタが多すぎたので、それは範囲外だったのかもしれない。これは今後もアユムの出番として頻出しそうな予感。ツッコんでくれるカイやルイを相手にボケてたハルルが、今後はアユム相手に(ダジャレ方向)でかましまくる未来が見える……。そんなアユムが笑わせられる話から、最後の最後では最近はほぼ毎話出てくるアユムの成長期ネタへと繋がっていくのもすごく良かった。バタバタと爆笑してたのから一転静まりかえってしまうのが可愛いのですが、カイがいる状況というのが悲劇性を生んでてまた面白いですね。カイはその場を離れてあげてw(たぶん気づいてない)

 後半。こちらも4コマでマラソン大会。小学生の頃の運動会と同じくハルルはアユムと連むもののとにかく意識が低い。意識の低さがひっくり返って逆方向に意識が高くなってしまった、という謎の現象には笑う。
 2本目「マラソン談義」。注目すべきはスターターの先生。ほぼモブですが、先日の少年マガジンへの出張読切に初登場した先生である。キャラが立つほどの出番ではなかったがキャラデザがしっかりしてて独特の魅力を感じていたのですが、早速の再登場。まぁ、スターターを務めるだけでほぼ背景ですが(7本目でも背景として出てくる)。
 5本目「ギリギリセーフ」。心臓破りの坂を登りきると景色がキレイ、という2コマぶち抜きを利用した美しい場面があって好き。これはショート漫画で大きなコマを割くのと違った、ゆっくりとしたカメラワークのような味わい。そして、湖? 大きな池のようなものが見えて「普通の住宅地」という扱いにしてはやけに個性が強い風景。学校を出発して、全生徒が参加するマラソン大会なのでそれほど普段のエリアから距離はないと思うし、背景が住宅地のコマが多いので学校の近くをぐるりと一周する感じだと思うんですが、近くにこんな湖(たぶん)があったのか。
 6本目「100%中50%の力しか出せなかったよ」では同小の男子が少しだけ登場。まさか川村さんの方が出番多くなるとは意外でしたねw オチはひょっこり顔を出してきた芦田ホシノが下ネタをぶっ込んでくるんですが、カイとしては同小友達の前で困った先輩が現れて困惑、みたいな心理になったりもしたのだろうか。8コマのネタなのでそんな繋がりも考えてしまう。そんな芦田ホシノのオチ、ノーブラ(たぶん嘘)というものなんですが、何気にこれが直後である本話の大オチへの布石のようにもなってて面白い。
 そんな大オチである7本目「最終局面」。ビリ争いのハルルとアユムがついにゴール(ハルルはビリを目指してる)。ゴール直前では順当にアユムがリードするが、急に失速、そのままゴール。その理由は本人に聞くまでもなく、ハルルは謎の敗北感。前半パートの最後のオチ、そして、直前のネタの芦田ホシノのオチが関わってくるので、説明的なセリフは必要とせず、そのためカイはピンと来ずにツッコミも発生しない、という静かなエンディングがめちゃくちゃ良かった。ちゃんと本話全体を通じてのオチになってるのが相変わらず見事ですね。オール4コマで12ページというのはかなり長尺ですが、それにふさわしいラストだったと思います。それを担当したのがアユムだったというのがまた意外で良いなぁ。


 終わり。運動の秋でしたが、次回は文化祭らしい。文化の秋ですね。文芸部は何をするのか気になるところですが、文芸部の出展を見に来た同小メンツの出番とかにも期待してしまう。武隈アキナと絡んだりしないかな。初対面で素敵な先輩かと思ったらすぐにガッカリされるみたいな。
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