北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

『八乙女×2』出張版(週刊少年マガジン2023年43号)の感想

 出張は前にもあったけど、再録だったのでね、これで別マガ連載を知らない週マガ読者が新たなファンになるといいよね……程度に思ってたら、まさかの新作!! 4コマのみで4ページという、かつての『生徒会役員共』フォーマットがちょっと感慨深い(厳密にはちょっとだけフォーマット違う)。
pocket.shonenmagazine.com
[https://pocket.shonenmagazine.com/episode
 たぶんですが、マガポケだと永年で無料公開だと思います。第1話とは別の、名刺代わりの1本として機能しそう。

 話数とかもないので管理に困るんですが、そんなことがどうでもよくなるくらい嬉しい。以前にあった出張版は小学生時代のネタの選りすぐりという感じでした、今回は新作で、そして中学。本編はどうしても季節にまつわるネタをやるので尺が埋まってしまうので、今回みたいなノンテーマな日常回は逆に珍しい。そしてありがたい。

 ノンテーマではあるが、出張版らしく自己紹介的な内容。「同じ苗字の2人が中学校で……」みたいな感じ。1本目がまさにその設定を踏まえた、本作の超基本形って感じのネタ。てか、カイの「やれやれ」顔可愛いですね。どこか嬉しそうなニュアンスを感じちゃう。

 2本目(8コマ)。こちらも同じ苗字で双子と誤解される、という2人のあるある(読者的には初めてだが)。それと、同時にルイが登場し、「この人はこういう人です」という基本設定の紹介になってる。さらには生徒会で、風紀委員的な言動をしてるので、かつての『生徒会役員共』読者へのフックにもなり得そう。
 ちなみに、1コマ目に出てきた先生はまさかの初登場。普通に魅力的な雰囲気してるので本編での本格登場にも期待しちゃうが、本編ではお馴染みの先生が他にいるので難しいかもしれない。先生キャラを増やすのはまだ気が早いというか。

 3本目。アユム登場。とりあえず「本が好き」という一点突破。本編の方では学園生活の大きな軸となってる文芸部の話も出てこないし、最近ほぼ毎話出てくる胸についても出ない。基本を思い出させてくれるような雰囲気で懐かしい。そのままアユムがツッコむ形になるのも出張版だから人物配置や話をシンプルにしようとしてる配慮が感じられる。普段だったら隣からカイとかルイが飛び込んできそうなイメージ。

 そんな普段というのが感じられる4本目。ハルル、ルイ、アユムの息が合った(合ってない)掛け合いが楽しい。基本の紹介をしてから、やや発展させた本ネタを見せる、という構成の妙を感じる。それ故に本ネタが一番面白いというか、鉄板の黄金コンボを見せられたような気持ちよさ。

 5本目(8コマ)。自宅でのカイとハルルのネタでラスト。隣人で同じ名字という設定なので、学校の場面も多いが自宅での場面も同じくらい大事。そんな構成。やはり出張版としてよく考えられてる……。
 普通にだらしない2人の自宅での日常、からの今回では唯一の2コマぶち抜きでハルルのサービスショット(?)。アニメ化を期待するファンが増えちゃうかもしれない……(いや普通にアニメ化はしてほしいですが)。
 そんな火力高めなボケから一転、一気にローテンションになる最後のコマとかめっちゃ良かったですね。日常感があってとても好きなノリ。シンプルでそのまま言ってるだけなんだけど、ツッコミフレーズとして独自性のあるものになってるのとか、『生徒会』(以前)から脈々と続く氏家作品の醍醐味って感じで最高ですね。


 終わり。突然の新作にテンション上がって久々に4コマ全ネタの感想書いてしまった。『生徒会』連載時は毎週やってたんだよなぁ……とまた勝手に感慨深い。
 ちなみに『生徒会』連載時との大きな違いとして「……」があったりしますね。『生徒会』は「‥‥」でしたので。