原作は読んだことありません。テレビアニメは7割くらい観たけど、途中で録画失敗してしまって「もういいや‥‥」ってなりドロップアウトしました。必死扱いて観るほどハマったワケではない、という感じ。話題だからどんなもんか気になっただけですし。
なので、個人的に『進撃の巨人』というコンテンツに吸引力はありません。惹かれたのは脚本を担当してる町山智浩です。初めてこのニュースを見た時の衝撃は忘れません。
樋口監督には特に思い入れありませんね。特撮とかVFXに熱い思い入れがあるワケでもないですし。ただ、『巨神兵東京に現わる』は大好き。本当に好き。なんなら「進撃の巨神兵」が見たかったですよw(ムリダヨー)
嫌いな点。
前後編なトコ。最近多い印象なんですが、前後編の公開スパンが異常に短いヤツ。多分レンタルとかテレビ放送対策なんでしょうけど、ホント嫌い。すぐに続きやるなら3時間でも4時間でもいいから1つの映画にしろよ、とか思ってしまう。
本作のことを「90分というコンパクトさが好き」っていう意見をどっかで見たんですけど、前後編だったら意味ないと思うの‥‥。
これは作品にハマれたら気にならないことなんですけど、話が全然終わってないのもキツイです。『ホビット 竜に奪われた王国』とかも全く終わってなくて笑えるレベルなんですけど、あっちは好きです。まぁ、ただの好みですわw
そもそも本作の終わりって「作戦は大失敗だけど何とか生き残った」ですからね。何も終わってない。そしてその作戦も成功したところで全然終わらない。壁の向こうがどうこうって話をしてるのに壁にあいた穴を塞ごう、って作戦ですからね。
超大型巨人があんま働かない。働いてないように見えたんですよね。なんつーか、直接壊してる感じがなかった。登場シーンとかビジュアルはすごい好きなんですけどね。巨神兵みたいにもっと街をボッコボコにしてほしかった。そもそも全身像見えないですし。壁壊す時も、壁が爆発して壊れただけ、という印象でした。いつの間にか消えちゃうし。もっと大々的に壁壊してくれよ。口からビーム出して火の海見せてくれよ!!(それは巨神兵)
赤ちゃんの件。いろいろ粗のある作品だと思いますけど、個人的に一番気になったのココかな。2年後に赤ちゃんがいるワケないだろ。アイツは母親だから子供の声に敏感、とか関係ないですよ。おかしいって。生存者が複数いて、その中で子作りして、その子供が泣いてる、って勘違いしたてことなんですかね。泣いてるのが巨人という発想が先に生まれると思うんですけど。劇中の人間でもそれくらいの察しは付くんじゃないのかなぁ。
アクションが見にくい。人同士のケンカも立体機動も。人同士ですと、武田梨奈が突如として本領発揮したトコが一番スゴイと思うんですけど、そこもイマイチだったかなぁ。暗いし狭い、ってのはわかるけど、どう動いたのか把握しにくかったというか。
ダブル三浦がケンカするトコもありましたね。跳び蹴りが決めショットとして用意されてたのは好きなんですけど、あそこで着地失敗するので少し笑えました。まぁ、これは「リアルでいい!」ってなるパターンもあるから単なる好みかも。とはいえ、あの跳び蹴りは巨人化してからもやってほしかったですね。そうじゃないとあの巨人が三浦春馬だって認識できなかった気がする。
立体機動に関しては、予告よりはよかったです。予告は本当にひどくて観るのが嫌になったんですけど、本編は全然マシでした。なんで予告はあんなことになってしまったんだ‥‥と変な所に疑問を抱いてしまうw
とはいえ、立体機動シーンも見にくいし、暗いし、高揚感もあまりなかったかな、というのが全体の印象。思ってたよりよかった、というだけで。初めて立体機動で巨人を殺すシーンで「これを待ってた!!」ってなりたかったんですけどね。ぶっちゃけ長谷川博己の準備描写の方がカッコよかったです。
三浦春馬の初飛びシーンはドラマチックで燃えたし、徐々にうまくなっていく修行感も好きなんですけど、よく後から「立体機動の訓練って既に済ませたんじゃないの?」って考えたら少し萎えました。あそこで初めて立体機動装置使いました、って感じなら燃えるけど、立体機動はみんな出来て当然なんですよね。じゃあ、「飛べ!」って言われる前から勝手に飛べよ、って気も。
三浦春馬の初飛シーンもそうなんですけど、要するに地獄巡りをしたエレンが抑圧から解放されるカタルシスを楽しむ映画だと思うんですよ。それがイニシエーションになっていて‥‥というのは町山智浩の好みなのかなぁ、とか少し思いました。寝取られもそうかなぁ、とも。
三浦春馬が一番ショックを受けるのが愛しの水原希子を長谷川博己に寝取られた件。リンゴで肉体関係を示すのはよかったと思うんですよ。リンゴの持つ聖書感はさておき。よかったんだけど、水原希子と分かれてから2年も経ってるじゃないですか。2年間彼女に何があったかも考えずに「寝取られちまった!!うわああああああ!!」ってショックを受ける三浦春馬はまったく理解できませんでした。2年放置なのに我が物顔ですか。そもそも生きてたことの喜びをもっと味わうべきなんじゃねぇの、とか。
別に本作に限った話じゃないですが、石原さとみが嫌いです。元々嫌いなんですが、本作を見たら「やっぱ嫌いだな」という再確認になりました。
たまに「石原さとみだけは良かった」って意見もあったので、これも単なる好みなのかなぁ。あの「はじけた演技でござい!!」という押し付けがましい感じがウザかったんだよなぁ。
好きな点。
エンドクレジットがよかったです。まず最初に出てくるキャストのクレジット。各キャラを象徴するアイテムにキャスト名が乗っかる、というのは『アベンジャーズ』を思い出しました。すごい好き。
ただ、エンドクレジットの間に後編の予告を挟むのは本当にクソ。大嫌い。エンドクレジットの最中に次作の布石、ってのも『アベンジャーズ』感なのかもしれませんけど、『進撃の巨人』のは単なる予告ですからね。本編感がまったくない。萎える。
予告が終わった後に再開するクレジット。壁を上に登っていくのがよかったです。こんなにも高い壁よりも高い超大型巨人って怖いね、という本編の補足にもなってますかね。
本編的には長谷川博己がよかったです。ホントよかった。これだけで「観なきゃよかった!!」という感想は吹き飛びました。
1人だけ演技の高度が違うというか、大仰というか、芝居がかってると思うんですけど、それがハマってました。てか、他のキャストが中途半端に大仰なので振り切れてる長谷川博己が光って見えた、というのもあるかもしれません。まぁ、単にカッコイイ、というのがデカイと思いますけど。
他のキャラがみんな辛気臭い中、長谷川博己だけ「世界を満喫してる」感があるんですよね。これが魅力的でした。もちろん、あのキャラが清廉潔白な人物とは思えないんですが、その嫌悪感というか違和感がハッキリと出てこない感じもよかったですね。なにか悪行をする、というワケではないんだけど、強くて頼れるんだけど、一時的に師匠的な位置に収まったけど、「信用できねぇなぁ」という感じがビンビン。
あと、キャスト的な意味でよかったのは桜庭ななみ。まぁ、こいつも辛気臭くないのが魅力的ってのがあるから単なる好みもありそうか。ただ、桜庭ななみのものを食べる時の顔面がスゴイじゃないですか。なんというか、ものすごくマンガっぽい。アニメっぽい。「ムシャムシャ」という擬音が画面に出てきても違和感ないような食べっぷりだったじゃないですか。もうコレだけで満足でしたね。
弓かまえる姿も決まってたので日本版『ハンガーゲーム』は桜庭ななみで決まりやで! 日本のジェニファー ローレンスや!!と思いました。演技力はまだよくわかりません。
まぁ、「弓使ってないでさっさと飛べよ」と頭によぎったのは少しあるんですけど。
ということで終わり。まぁ、いろいろ粗はあるけど、ポジティブな面も尖ってるんでしょうね。ぶっちゃけその部分は個人的にあまり刺さらなかったです。それより長谷川博己に救われた感じ。
50点。フツー。平熱。
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科学くんの動きってすごく好き。超大型巨人よりも好き(ナンセンスな比較)。
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今回のサブタイを「寸劇の巨人」にしようと思ったんだけど、よく考えたら既に使われていた。残念。
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「PG12なのにこんなにグロい!」ってのを宣伝文句的に言ってる人を見たけど、それだったら『誘拐の掟』だって負けてないと思う。なぜか日本だけ規制が緩いらしい。
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「メジャー作なのにこんなにエグい!」ってのを宣伝文句的に言ってる人を見たけど、それだったら『渇き。』だって負けてないと思う。奇しくも『進撃の巨人』を監督する予定だった中島哲也監督作。