北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』の感想


『アイアンマン』と『ソー』とのリンクは強いけど・・・・・『ハルク』ハブられてる?


 『ジ アベンジャーズ』の公開がいよいよ来年に迫っているマーベル シネマティック ユニバースの最新作。
 公開順(アメリカ)でいうと、『アイアンマン』→『インクレディブル ハルク』→『アイアンマン2』→『マイティー ソー』→『キャプテン アメリカ』 という世界観を共有した複数のヒーローたちが『ジ アベンジャーズ』で集合し、お祭り映画となる、という頭のクラクラするような計画。正直ここまで順調にするとは思ってなかったです。『ソー』あたりでコケるかと思いました。5作あってコケ作が1つもないのはスゴイです。信頼のブランドになりつつあると思います。

 あらすじ
第二次世界大戦下のアメリカ
もやしっこの主人公、お薬打ったら超マッチョ
お国のために戦います 

 日本での知名度だとどうなんですかね。ソーよりは高いかな。
 とはいえ、キャプテン アメリカですからね。設定からして、映画化して大丈夫?って感じがビンビン。星条旗をモチーフにしたコスチュームの実写化というのにも半笑いを禁じ得ない。

 そこで、本作はその半笑いの視点を取り込む。「キャプテン アメリカってww」という視点を作内で描くんですね。ここが本作最大の白眉。
 スーパーパワーを得た主人公が最初に取り組む仕事ってのが、舞台でのミュージカル。星条旗をあしらったコスチュームをまとい、国債集めのためのマスコットにされる。戦線に慰問公演に行くと、兵士たちにおもっくそ笑われる。モノを投げつけられる。この時のキャップは劇中で一番コミック然としたコスチュームをしてるんだよね。
 そこから、コスチュームが(少し)現実味のあるモノに変わり、戦地で戦うようになる。
 最初にキャップがバカにされるトコを描くことによって、「バカにするんじゃねぇ!!」って気持ちが生まれるんですね。

 さらに、舞台の問題。第二次世界対戦ですよ。そこにスーパーヒーローが参加して活躍を見せる・・・・・・・って大丈夫?という問題。
 ナチスの中の科学組織ヒドラ。当時の科学力を凌駕した力を得たヒドラは、ナチスの指示を無視し、暴走を始める。そして、アメリカの特殊部隊にいるキャプテン アメリカは、このヒドラに戦いを挑む。
 映画を観てると、いつの間にかアメリカ対ドイツじゃなくなってるんですね。ここらへんから政治色は皆無。好きなだけマーベル印のアメコミ映画に出来る。うまいなぁー。

 主人公のキャラクター。もやし出身のヒーローっていうと、スパイダーマンがいるんだけど、似てるようで全然似てない。力が弱いだけで、気持ちが超強い。チビでガリガリのくせにヤンキーにケンカ売ったりしちゃう。友達に助けてもらって、「一人でも勝てた」とか言っちゃう。
 負け惜しみと思うでしょ? 後で明らかになるんだけど、キャップはケンカの時に、いくら殴られても立ち上がり、相手が諦めるまで挑み続ける、ケガはするが勝負には負けない、って戦法を取る・・・・・・・・・・・・・・・・・って、「さようなら、ドラえもん」ののび太かよ!!
 驚くことにキャップ、この戦法を日常的に使っていたらしい。のび太にとっては一世一代の作戦なのに。やべぇ、もやしっこだけど男だぜ。

 個人的な要素が強くなるんだけど、本作最大の魅力というのがヒロイン。ペギー カーター。
 簡単に言うと、超かわいいんですね。久々にこんな真っ当なヒロインにホレた。演じてるのは、ヘイリー アトウェルって人。初めて見ました。多分ね、カーターの時が超絶タイプなだけで、この役以外の時にヘイリー アトウェルさんを見ても、いまいちピンと来ないんだと思う。
 『トロン レガシー』のクオラには萌え死になんだけど、それ以外のオリヴィア ワイルドは別に・・・・みたいな。

 映画観終わった後に、なぜこんなにハマったのか考えてみた。その結果、2つの説に落ち着いたので、その混合が正解だと思います。

 1つ目。巨乳だから。乱暴ですね。要するに、彼女自身の魅力、ということです。
 ただ、映画観たらわかるんですが、デカイですよ。驚きのデカさ。軍服時なんて、全体のバランスがおかしなことになってる。『プリンセス トヨトミ』の綾瀬はるかと肩を張る目立ち方でした。
 軍服を着て、男勝り。マッチョな男にも殴りかかっちゃうようなキャラクター。もやし時代の主人公にも光るものを見つけ、気をかける。それでいて、おそらく色恋沙汰とは縁が遠いようなことが伺わせる感じがしていじらしい。
 もやしが薬でマッチョになった時に、思わずウットリしちゃってる表情が超かわいい。

 2つ目の説。主人公に感情移入するあまり、彼女に恋に落ちちゃった、ってパターン。
 もやし時代の主人公はモテないんですね。体の問題もそうだし、性格もあるのかな。そんな彼の前に現れた姐さん気質のヒロイン。主人公はマッチョになって、対等以上の目線を持つ。すると、ヒロインの中に女らしい面を見つけたりして。けど、主人公は非モテ&マジメすぎるから、全然恋愛が進展しない。これが超いじらしいんですね。
 劇中、戦場の様子を撮影した資料用の映像に主人公がヒロインの写真の入ったロケットを見つめてるトコが映る。フツーだったら、「狙ってんの見え見えなんだよバーカッ!!」って言いたくなるけど、主人公が主人公だけに超微笑ましい。それを見てキュンとしちゃってるヒロインが超かわいい。

 要するに、2人の関係性萌えなんですね。主人公もヒロインも積極的じゃないから観てて、「あぁっ! もう焦れったい!!」ってなる。
 そんな2人がカン違いで嫉妬し合うトコの破壊力たるや・・・ですよ。超ジェラスなヒロインがかわいすぎる。女の方から強引にされたキスを見てしまったヒロインがプンスカしてる姿をずっと見ていたい。それに対してキャップ、「おっ お前だってあの男とフォンデュしてたんだろう!」 とか言っちゃって。「フォンデュって食べ物のことだけど」 とか言われちゃうキャップもかわいいぜ。
 ツイッターで見かけただけだから正しいか知らないけど、「フォンデュ」のことを「fun do(楽しいこと→エロ)」とカン違いしてたらしいですね。単純に「フォンデュ」を知らなかったキャップがエロい言葉とカン違いしたんだと思ってた。どっちにしても、キャップかわい〜い〜。

 今年一番「幸せになってほしい」2人でしたね。ベストカップルです。
 それだけに、最後がね・・・・・・・わかりきっていた結末とはいえ、泣けました。「ダンスの約束」ね。それに最後、ヒロインが見つめる写真がキャップのもやし時代の姿、というのがまた素晴らしいじゃないですか!
 『アベンジャーズ』シリーズ初の失恋ですかね。あの恋愛があったから、ラストのあの超展開にキャップの悲しみが伴い、味わい深いものになったんだと思います。。

 その他、いくつか。

  • キャップも悪役も能力が超地味。力が強い、ってだけだからラストバトルが地味だったかな。シールドを使った独創的な殺陣が見たかった。もしくは、先述の「のび太戦法」を使ってほしかった。
  • アイアンマンのパパ。ファンサービス程度の出演と思ってた出ずっぱりで驚いた。あの親子は魅力的だね。万博が見れたのはうれしい。
  • スタンリー トゥッチ演じる気の良すぎる博士が超よかった。イイ人オーラが出すぎですよ。『ラブリーボーン』のロリペド殺人鬼とは思えない。
  • 劇中、キャップが拳銃フツーに使っててギョッとした。ただ、敵に超科学兵器を使わせることによって、拳銃が紳士的な武器に見えるから不思議。
  • 劇中、キャプテン アメリカのコミックが発売されてたのもビックリ。メタ視点? ってことは、トニー スタークとかブルース バナーとかが「キャプテン アメリカ」のコミック読んだことあったとしてもおかしくないんだよね。世界観がわからない。
  • ラスト。現代に訪れるキャップ、ってシーンがエンドクレジット前にあったけど、唐突じゃね? クレジット後にあった方が見やすかった気も。
  • んで、そのエンドクレジット後にある『ジ アベンジャーズ』の予告。超アガったんだけど・・・・・・・・・ハルクいた?


 本作は相当おもしろかったんだけど、クレジット後の予告でテンション上がりすぎて、本編の興奮を忘れかけてしまうのが難点。キャップは、アイアンマンとソーさんに振り回されたら、イイ味出そうですね。ただやっぱり、シリーズを振り返ると、ソーさんが強すぎて、パワーバランス大丈夫?ってなる。腕相撲大会やったらビリになっちゃうじゃないかなぁ。
 なにより心配なのが、キャップの次の恋。性格上、気持ちを切り替えられるのか不安。ウィキペ見たら、ペギー カーターの孫が出てくるみたいですね。ただ、スーパーヒーローが4人もいるのに、色恋沙汰まで描いてたら尺が足りなくなっちゃう気もしますね。そもそも、ヒロイン陣はそんなにキャスト発表されてないですし。

 ともかく、おもしろかったですよ。まさかマーベル映画観てキュン死にするとは思わなかったです。
 80点。


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