難病×コメディーということで話題になっている本作。最近のセス ローゲン出演作は日本公開されますね。素晴らしいです。
あらすじ
病名が覚えきれない程めずらしいガンになりました
ガンになるのはみんな大好きジョゼフ ゴードン レヴィット。『(500)日のサマー』『インセプション』と去年は大活躍だったJGL。本作の次は、『ダークナイト ライジング』『リンカーン』と来年も絶好調でございます。
ジェームズ マカヴォイと区別がつかないとか言ってはいけません。てか、本作はマカヴォイが演じるはずだったらしいですね。製作陣も区別ついてねぇんじゃねぇの。
本作はガンの経験を持った人が脚本にしたのをセス ローゲンらが映画化に持ってったらしいです。『スーパーバッド』『グリーン ホーネット』とかもそうだけど、脚本も製作もやっちゃうセス ローゲンの才能が怖い。
特徴としては、無駄にイイ声してるから声優業もかなり忙しい。今年も『カンフーパンダ2』『宇宙人ポール』がありますし。
そんなJGLとセス ローゲン。演じる役としては、いつも通り。パブリックイメージそのもの。JGLは『(500)日のサマー』の役そっくり。セス ローゲンはいつものセス ローゲン。まぁ、『グリーン ホーネット』でもいいですし、『ノックトアップ』でもいいですよ。
そんないつも通りの2人なんだけど、新鮮なのが、ガン。JGLがガンなんですね。生存率50%。そしてセス ローゲンはというと・・・・・・・いつも通り。ガン持ちのJGLの親友役をいつものセス ローゲン、というのがおもしろい。「50%? カジノだったら間違いなく賭けてるぜ」 「ガンだって言ってナンパすればすぐにヤレるんじゃね?」 「犬散歩させてる時に犬連れてる女にナンパすればすぐヤレるに決まってる」 と、二言目にはナンパ→ファック。これが主人公のガン前と後でまったく変わらないからおもしろい。
さらに、難病モノなので、当然気の滅入るシーンはあるんですよ。抗ガン剤の副作用とか手術とか。そんなシーンで観客が「うげっ・・・・」と思った瞬間、スクリーンの中でセス ローゲンがその十倍「うげぇぇぇーーっっ!!!」とリアクション取ってくれるので重たい気分にならず笑える。
髪を剃るシーンのセス ローゲンはサイコーでしたね。「剃るぞ、剃るぞ・・・・・・・ダメだ! 俺には出来ない!!」っていう。あぁ、癒されるわぁ。本作でのセス ローゲンはマジ癒し系でした。重い空気を未然に防ぎ、バカなをことを言い続けてくれ、KYな発言、行動も取るも結果的には好転する、っていう。
んで、超バカ、超KYかと思われていたセス ローゲンだけど実は・・・・・・っていうのがラストの手術前に描かれる。主人公がセス ローゲンの家に行くと、そこに「ガン患者と付き合うには」みたいな本が置いてある。これ見た瞬間ワタクシなんかは「はいはい、ガン患者の友達って立場を利用して本屋の女の子をナンパするんでしょ〜」なんて思いました。迷わず思いました。そのくらいわかりやすいキャラクターだったので。しかし、その本をめくると、ありとあらゆるページの耳が折られていて・・・・ナンパ目的じゃなかったんですよ。もう見た瞬間に、「疑ってごめんよ〜!!!」と心の中で号泣してしまいました。今年もっとも涙腺を痛めつけたシーンだったと思います。まさかセス ローゲンに泣かされそうになる日が来るとは・・・・・・。
一方のJGL。主人公のキャラクターを説明する上で、イントロが素晴らしいです。朝、iPodを聴きながらランニングしてるんだけど。
ランニングという健康的な習慣、規則正しい生活を送っているということ。ガンが発覚する前の生き生きとした姿を描くことで今後のフリにもなっていて。車道に車が1台もいなくても赤信号なら止まるようなマジメな性格。家に帰りシャワーを浴びるシーンで、カノジョのシャンプーを借りることでカノジョとのパワーバランスがわかるし。シャワーから出てきた頃にカノジョが起きてきて、カノジョが歯磨きしながらキスをしてお見送り、ということで2人の関係性がわかる。そして、家を出たら友人のセス ローゲンが車を運転してくれる。「運転免許を持ってない」っていうのを「大人になってない」って解釈するのは嫌いですが、不完全さは伝わります。「ヤバイ、遅刻しちゃう!」 「とりあえずカフェでコーヒー」 という会話で2人の関係性までわかってしまう。
と、映画開始の数分で主人公のキャラクターが大体すべて伝わってしまうんですね。あとは、ガンが発覚して周囲の状況がどう変化し、主人公がどう成長するのか、って部分に焦点を当てるだけ。非常にスマートですね。本作の上映時間は100分を切っていて、全体的にもキレイにまとまってます。
たまたま同じ日に観た『ステキな金縛り』は142分ですからね。『ステキな金縛り』よりもストーリーは詰まっているのに、ですよ。(・・・まぁ、三谷幸喜が短くまとめるのドヘタってだけですが)
と、無駄のない作りで、それでいてキャラクターや心情の表現は丁寧に描かれていて素晴らしかったです。JGLとセス ローゲン以外のキャラもみんな魅力的でしたしね。アナ ケンドリックは相変わらずかわいいし、初めは鬱陶しかった母親が次第に・・・・・ってのもよかった。そしてブライス ダラス ハワードですね。主人公のカノジョ役。この「コイツの気持ちはわからんではないが、うっぜぇな!」って役も見事にハマってましたね。てか、なんかブライス ダラス ハワードって最近いけ好かねぇ女の人のイメージが強くなってきましたね。別に美人さんだとは思うんだけど。『ヘルプ』でもむっかつく役やってるんでしょ。役損だなぁ。まぁ、役者としてはイイことですが。
・・・・・・・・とすべてのキャラが素晴らしいんですが、結局のところ、セス ローゲンですよ。もうすべてセス ローゲンが持ってってます。あのキャラ、現実にもいねぇかなぁ〜、なんて考えたくなってしまうほどです。一緒に日本の難病モノ映画観て爆笑したいです。
85点。
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