北区の帰宅部の意訳

映画の感想を書きます(希望)

映画『ローン・サバイバー』の感想

ファックタリバン

 『レゴムービー』を観るつもりで金曜のユナイテッドシネマ(千円)に行ったらなんと満席でした。公開初日とはいえ混みすぎでしょう。1時間弱は早く着いたんですけどね。
 ということで、悔しいのでヤケ映画ということで時間がちょうどよかった『ローン サバイバー』を観ました。‥‥上映終了後、頬が涙でグチャグチャにw 映画館で泣いたのが自分的に相当珍しいことなんて我ながら面食らってしまいました。いや、「泣く=名作」って言いたいワケではないんですけどね。

 ミリタリー関係はあまり詳しくないので、「シールズ(SEALs)」と聞いても「なにそれアベンジャーズ?」ってレベルなんですよね。なんでも「SEa(海)」「Air(空)」「Land(陸)」の合わせた言葉らしいですね。覚えました。
 そんなシールズが如何にスゴイのか、映画冒頭のリアル訓練シーンで嫌というほど教えられます。訓練なんだけど、「人道的にセーフなの?」って言いたくなるレベルのスパルタというか、ほとんど拷問。精神を鍛える意味もあるんですかね。スポーツ関連だったら時代錯誤と批判されそうですが、軍隊だとまた事情は別なんでしょうか。
 よく映画の銃撃戦で「主人公の弾は絶対当たり 敵の弾は絶対に当たらない」って揶揄されることありますけど、本作の場合は冒頭の訓練映像がその根拠になってるんですね。単純な実力ならばその差は歴然というのがよくわかります。本作の敵であるタリバンは銃の扱いヘタクソですからね。虫の息になって銃弾も切れた主人公チームの1人をタリバンが撃ち殺す時、2発も外したくらいです。銃の扱いに関してはこんなにレベルが違うのに、主人公チームはタリバンに惨敗してしまう。まぁ、数の差ってのもあるんですが、タリバン兵の身のこなしがスゴイですよね。「坂ってレベルじぇねぇぞ」っていう崖みたいな道をパルクールのような動きでドンドン下るシーンがあって、シールズにはない武器がタリバンにはあると思い知らされました。さらに、本作の中で主人公チームは逃げるために崖から飛び降りるんですよね。その時に崖やら坂を転がり落ちてものすごい重傷を負って、それが1つの致命傷になる。両方とも実話なんですが、対照的で「よく出来た話だなー」なんて思ってしまいました。

 「実話とは思えないよく出来た話」というのでは、本作で2度出てくる究極の2択もそうですね。自分の身の安全のために無関係の人間を殺すか助けるか、という2択。前半に主人公チーム、後半でアフガニスタンの村人がこの2択を迫られるんですが、2人とも助けることを選ぶんですよね。もちろんこの2つには直接の因果関係はないんですけど、映画観てると、主人公たちが村人を殺さなかったので村人に救われたように感じてしまうんですよ。そのため、ただ命を救われたという事実以上の感動してしまって。「神様は見ててくれたんだね‥‥(泣)」という感じでしたw
 ということで、この村人に救われてからのシーンがことごとく涙腺を刺激しまして。言葉の通じない村人とのコミュニケーションってのが感動的なんですよね。最初は「殺してやる」ばっかり言ってた主人公と村人が次第に心を通じ合わせていく過程がサイコーなんですよ。「ナイフをくれ」のくだりがギャグみたいになってて和むんですが、それがクライマックスの伏線になってて‥‥というのもカンペキです。
 主人公と村人は一切言葉が通じないので、主人公は「なんで助けてくれるんだ」と何度も言うんですよね。言っても通じないんですが。そして、ふとした瞬間に唯一通じるセリフというのが出てきて、それが「ファックタリバン」。元々は攻撃的な言葉なはずなのにココですごいまた涙腺に一撃。改めて「ファック」って言葉はすげぇなぁ、と。

 本作のエンドクレジットでは現実の写真が次々と出てきて、それがまた感動を誘うんですね。まぁ、実話の部分だから映画の評価に入れていいのかわかりませんが。アメリカで撮影された主人公と助けてくれた村人のツーショットとかずるいでしょう。本編終わったのにまた泣きそうになっちゃいましたよ。主人公の息子の名前が「アクス」って出てきたのも相当ずるいです。


 ということで、『レゴムービー』の代わりに観たのが申し訳なくなるくらいによかったです。まさかこんな感動要素の強い作品とは思いませんでしたがw
 90点。

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 監督の前作なんだけど、本作はどう考えても『キングダム』路線ですなw

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 「ファック」が主人公が救う映画。
 関係ないですけど、サミュエルLジャクソンの吃音に悩んだ時の克服法が「マザーファッカー」だそうです。

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