北区の帰宅部の意訳

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マンガ『サイコメトラー』(14巻)の感想

サイコメトラー(14) (ヤンマガKCスペシャル)

サイコメトラー(14) (ヤンマガKCスペシャル)

マンガ『サイコメトラー』(13巻)の感想 - 北区の帰宅部

 大体1週間遅れでしょうか。まぁ、調子いいと言える範囲。

 収録内容としてはシンプル。「ペニスコレクター」のみ。前巻のラストに冒頭がちょっと入ってますが、14巻は「ペニスコレクター」の巻ですね。
 とにもかくにも「ペニスコレクター」ですよ。もうタイトルが素晴らしすぎてウットリですわ。ペニスをコレクトしちゃうんでしょう。絶対おもしろいですやん。

 冒頭は騙され体質の彼女がなんだかんだで彼氏とイチャイチャして終わり。犯人が「チュパチュパ」して出てきますけど、それがなかったら完全にブレイク回ですよね。ブレイクにしなかった意図とか何かあるのかしら。

 志摩さん登場で本題突入。フルチン‥‥と思いきやチンコのない死体と使用済み近藤くん。「ペニスコレクター」ってのはやっぱチンコをチョキチョキしてコレクトしちゃう犯人なワケですね。これはアガる。けど、想像するだけで痛い。自然と背中が丸くなります。
 サイコメトリーする遺留物が近藤くん、ってのがサイコーです。これはエイジに同情するわw

 と、すべてがサイコーなんですけど、額についた「λ」が「入」に見えるってのはちょっと無理あるっつーか。どう見てもラムダじゃないですか。エイジの単独捜査なら全然いいけど(葛西の協力で気づくとか)、志摩さんがいてラムダ気づかないってのはちょっとなぁ。謎を引っ張るという作者の都合で志摩さんがバカになっちゃってる気がする。

 んで、サイコメトリーしたら「オーバーザレイボー」が聴こえてきました。さーむうぇーおーばーざれいんぼー♪
 老婆心だけど、映画『オズの魔法使』は「い」を表記しない方がいろいろ無難だと思いますよ。結構気にするファン多いイメージっす。

 サイコメトリーの中で出てきたブレイク回(違)の騙され体質ちゃん。玄関入ったらいきなりおセックス、というのはロマンですなぁ。不意打ち的に相手を抱きしめーの、カバンばさって落としーの、とつぎーの。

 てなワケで、ラーメン屋バイトの彼死亡。なーむー。
 チンコちょん切られた彼の死体の前での志摩さん阿部さんの会話シーンが最高。いろんなアングルで死体が映るけど、志摩さんの足や吹き出しによって肝心のチンコ部分隠され続けます。こういうチン隠しシーンって個人的に大好きなんですよね。いろいろとアイディアが必要とされます。
 そんなチン隠し。シーンの最後には隠すのを放棄します。引っ張って引っ張って‥‥ドンと見せつけるワケですね。まぁ、チンコが切られてるから、血で黒塗りになってりゃ問題ないってスンポーですね。チンコあったら血みどろでも凹凸でアウトですから。

 帯にもあった「犯人の性別はどっち!?」問題。エイジと志摩さんは犯人の断片的な情報しか持ち得ないからこそ、男の要素も女の要素もくみ取ってしまったワケで。

 そして、近藤さんサイコメトリー再び。今度は露骨にチン毛が付いてて笑える。
 てか、使用済みの近藤さんをビニールに入れて封して保管するワケだけど、開けた時って臭くないんですかね。そんな状況なったことないからわからないんですけど、もし臭いんだったらトオルは営業妨害で訴えていいw

 そして、拉致られた被害者と犯人のやり取り。「『これ』をとってよ‥ お願い」「とれないよ それはキミの一部だもの」「両方あるなんて贅沢ですばらしい事じゃないか」 だって。
 げえっ、女に彼氏のチンコくっつけてんのかよw これはキッツイ。おえー。
 んで、言い争いになって、結局殺し。チンコ付いたまま死ぬのはイヤだろうなぁ。男としてもチンコ取られて死ぬのイヤだけど、チンコ付けられるのも同等、もしくはそれ以上にイヤだろうなぁ。安らかに死にたい。

 エイジと志摩さんのデートごっこでの捜査。
 服屋に見るからにガチホモっぽい人がいたのがおもしろいですね。ミスリード‥‥ってのは大げさだけど、男or女で悩んでる時に、その両者が入り交じった第三の選択肢を思いつかされた感じ。まぁ、あのマッチョさんは盗撮してシコシコやってたワケだから、ただのストレートだったワケですが、読者的に「男でも女でもなくLGBTという可能性も‥‥」と何となく考えさせられます。思考誘導というか。

 続いてフレンチでのデート。ここでも変態さんに目を付けられてただまされ体質の彼女。どんだけモテるんだ。いや、モテとはちょっと違う感じですかね。変態ホイホイというか、バカを釣り上げやすい独特のフェロモンというか。一般的なモテとはちょっと違う類な気がする。なんとなく。

 デートごっこは佳境。公園でペニスコレクターの一本釣り。
 公園にあるドームを見て「あん中でおっぱじめるヤツはけっこう多いと思うんだよなー」ってエイジ言ってますけど、ついこないだの「ラストドラゴン」で9Jがこもって胎内回帰願望を満たしてた場所が一気に下衆くなってしまったw
 んで、一本釣りのためにキス&おっぱい揉みを果たすエイジ。おめ。
 そして、ギャグのために乳首をさらした志摩さんドンマイ。これも「ヤング誌ならではの」ってことで。

 そろそろチンコの解凍を始めるペニスコレクターさん。やっぱモザイクって偉大ですね。状況を想像したら気持ち悪くてゲロ吐きそうですけど、モザイクがアップでどん!と出ると、ちょっとだけギャグっぽく見えますもん。黒子状態の犯人とモザイクまみれのチンコだったら全然ギャグ足り得ますからね。くっそエグい凶行ですけど。

 んで、ラムダ謎解き。まさかの恵美ちゃんであった。絶対葛西だと思ってたわ。ギャル文字(?)からの連想、ってのはうまかったけど、ああいうギャグ文字的な使い方をしてる人は多分「なんかおもしろい記号」程度の理解しかなさそうではある。まぁ、「λ」って記号がある、って事実がわかればいずれわかることなので省略しましたってことかもしれん。てか、恵美ちゃんフツーに高校レベルの数学とか物理やってるんだから知ってても不思議じゃねぇわw
 んで、ラムダはLGBTのシンボルマークだそうで。これは知らんかった。へぇー。
 レインボーも似たような意味がある、ってのは知ってた。シドニーオリンピック日本選手団が開会式で虹色のマントを着用してたら、「ゲイなの?」って言われて不評だったヤツですよ。別にLGBTの人を支持するような意味が込められてれば良かったんでしょうけど、確かたまたまなっただけ、みたいなオチだった記憶。
 ちなみに、『オズの魔法使』はゲイカルチャー的にもすごい人気で、主演のジュディ ガーランドは有名なゲイアイコンになってますね。

 んで、犯人発覚。ペニスコレクターはかわいいあの人でしたー。
 本性が露骨に描かれるようになってからのペニスコレクターの百面相っぷりはかなり好きですね。ちゃんと顔や体が男っぽくなってて、印象がコロコロ変わるのが楽しいです。
 まぁ、難を言うなら、LGBTというテーマはおもしろかったのに最終的に行き着くのが二重人格ってのは『サイコメトラー』的にはお馴染みすぎて新鮮味が薄まったかな、という気もします。精神が分裂して奇行に走るオモシロ犯人ってのは何人も見てきましたからね。LGBTという要素も結局そこに組み込まれちゃったのは、ちょっと残念だったかも。てか、二重人格の場合って何になるんでしょうか。あんま詳しくないからわからないんですけど、一口にトランスジェンダーって言っていいのかしら。
 あと、男と女の精神、肉体が同時に宿ったキャラクター、というのは楽しいのはわかるんだけど、肉体はどうしようもなくね?とか思ったり。男のマッチョな体はカズミモードになろうが不変だろうに。まぁ、ここらへんはマンガならではの誇張表現として許容範囲ですけどね。実写は無理。

 んで、ペニスコレクターの城からの逃亡劇。一緒にいた騙され体質の子が下着姿ってのがまた効果的だったと思います。「あのかわいい店長が男!?」という驚きがあった後なので、下着姿くらいになってくれないと美人を女だと自信を持って断定できないというかw 例の店長が一気に男っぽく見えてきた状態での、女らしさ全開の下着姿というのはコントラストが効いてます。

 状況はとても深刻で、命の危機が迫ってるんだけど、エイジが全裸で、ここでもチンコを隠すように様々な努力がなされてるからどこか笑えるのがイイですねぇ。チン隠しは正義。
 チンコ切ろうと包丁持ってる人の前で勃起しそうになる、とかすげぇおもしろいっすわ。さすがにあの状況で勃起できるとは思いませんけどねw

 いよいよクライマックス。犯人をサイコメトリーして危機を打破。
 ペニスコレクターのトラウマショーなんですけど、あっ ヤバイ‥‥。マジで気持ち悪いw
 子供のチンコちょん切るとか胸糞にも程があるというか、想像しただけで吐き気が‥‥。
 チンコなくなって「僕はもう愛し合えないの?」ってのはエグすぎる。「アナルセックスがあるから大丈夫だよ」とか優しく教えてあげたいけど、それでも男として(タチとして)愛し合えるワケじゃないからなぁ。チンコは大事だよなぁ‥‥。
 そんな胸糞の極み、そして辛気くさくなってきたところでの、ヤンマガ名物の黒豚ちゃんであるww このギャグは救われましたわw きれいにオチが付いたってのはもちろん、清涼剤という役割もあってサイコーでしたw
 そして、エピローグ。全裸について詰め寄る志摩さん。志摩さん意外とヤンデレの素質あるかもしれんw
   

 ということで、「ペニスコレクター」終わり。メチャクチャおもしろかったですよ。ひょっとしたら『サイコメトラー』になって一番好きな事件かもしれない。今までの暫定トップがなんだったか覚えてないんですけどw 「殺人名探偵」「処刑の塔」「黒眼鏡の死神」あたりだったかなぁ。だとしたら、「ペニスコレクター」のが上かな。
 ただ、さっきも書いたけど、LGBTのテーマだったのに結局二重人格だったってのは、ちょっとアレだったと思います。唯一引っかかったというか。別に男の体で生まれて女の精神持つことは全然あり得る話ですし、あんなクレイジー極まりないチンコちょん切りがあって、女性人格が生まれて‥‥ってなるとちょっと話がブレた気がするんですよね。別にただ単に男の体を持った女性(チンコ撤去済み)ってのでも全然よかったと思うんですけど。まぁ、犯人の胸糞すぎるトラウマ体験ってのは本作の売りになってる気もするので、難しいバランスですわな。「ラストドラゴン」の9Jも相当な胸糞でしたけど、今回もそれに匹敵する、てか不快感では勝ってたかもしれない、というレベルだったと思います。
 まぁ、満足度の高い巻でしたよ。15巻の「黒い山羊」も楽しみだけど、さすがに今回のは越えねぇかな?(鼻ほじ)という感じです。もちろん越えてほしい気持ちはあるんですけどね。
 15巻、11月だそうですよ。

『サイコメトラー』(15巻)の感想 - 北区の帰宅部

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