北区の帰宅部の意訳

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COMIC X-EROS(コミックゼロス)#78 の感想

 ゼロスリニューアルだそうです。驚きました。
gohomeclub.hatenablog.com

COMIC X-EROS #78 2019年 6月号

COMIC X-EROS #78 2019年 6月号

『いつもの通勤路』駄菓子

 メガネ。仕事中のみメガネですね。スイッチの切り替え。タイトルでありオープニングである通勤の電車の場面ではメガネをしてなく、ページをめくると仕事中でメガネつけてガミガミ言ってるのが印象的です。豹変としてのメガネ。そんな人生に空虚を感じているんですが、その本音を隠すかのように豹変するんですね。そのビジュアル的な変身としてメガネが機能してる。ビジュアルとしても好きですが、こういうマンガ的な記号としてのメガネも大好きです。
 そんなヒロインが軽蔑してた部下と。バカにしてた部下が実は鋭い観察眼を持っていて、みたいな場面、すごい好きです。彼への好感が爆発すると同時に、彼の底知れなさ、ちょっとした不気味さも感じる。すげぇ怪しいけど、まだ彼の正体わからないじゃないですか。良い人かもしれないだろ、と夢見る余地はまだあるw このどっちなのか分からないグラグラ感が非常に楽しかったです。続き物ならではの魅力ですよね。はよ続きちょうだい! と思ったら続き結構先でしたw 次次号だけど隔月だから9月。ぐぬぬ
 とにかく空虚さ表現が秀逸ですよね。そのぽっかり空いた心に事故的にエロが入ってきてしまう。そらハマるわ、と説得力ヤバイのでエロの臨場感がやんごとないです。

『ぷちゅぷりえんげき!』いつつせ

 演技以外は常に無表情なヒロイン。序盤にある感情表現が無のセックスがすごい。顔とセリフが一致してなくて、下手な人が描いたエロマンガみたいなことになってるw この究極的な違和感はマンガならではの表現な気がします。マンガの自由さを感じるというか。まぁ、もちろん恋人がそんなだったらつらいですけどね。彼は最後まで完走しただけ偉いと思いますw
 からの演技セックス。このアイディアすごいなw それぞれの「役」が単なるコスプレではなく、ちゃんとプレイの内容にも反映されてる。それが何度も繰り返されるので満足度がすごい。内容が多種多様なので何度繰り返されても飽きないですよね。産卵プレイも十分すごいんだけど、本作はその先の受精プレイに行くのでマジビビりましたw 私が無知なだけかもしれませんが、これ発明なんじゃない?
 ダジャレ的なギャグも飛び出すんですが、最終的にはヒロインが解放される話になるので普通に良い話ですよね。なんなら感動してもおかしくないレベル。荒唐無稽なことをやっておきながら物語としてもしっかりしてるので見事だと思います。
 てか、ラストのアリスずるいよなぁ。めっちゃ可愛いのに終わってしまうw

『オナホのおひめさま』flanvia

 オナホの擬人化かと思ったら、ファンタジー世界からの転生が加わってくるので驚きました。「おひめさま」って比喩でも何でもなく、マジのプリンセスなのねw
 そんなお姫様感を補強してるのが執事の存在だと思います。絶対作者も意図的だと思いますけど、めっちゃ可愛くて「彼女のエロももっと見たい」ってなるじゃないですか。序盤にいきなりエロをこなすので、後半また出てくるのかと思ったら、ない。脱ぎもないまま作品が終わる。絶対に手が届かない存在ですよね。もちろんヒロインのお姫様も可愛いし、充分すぎるほどの満足度あるんですが、読み終わったあとに「あっちも……」と欲張ってしまう。これは後引く。
 オナホ転生という設定の掘り下げも面白いです。処女で嫌がってるのを見た主人公が “俺… 痛いのとか血とか無理なんだけど…” と軽く引くんですが、オナホとしての経験があるので問題ない。エロマンガの言うだけ野暮なツッコミとして「処女なのにそんな気持ちよくなるかよ」がありますが、本作はそれを華麗にクリアしてる。処女だけど、めちゃくちゃ相性が良い、というウルトラCが成立してしまうw

『サソイミズ』ひっさつくん

 悪徳スカウトに捕まる話なんですが、それだけで終わらない要素がいくつもあるのが面白いです。悪徳スカウトに捕まったと思ったらヒロインの方がエロ的な強者であるのもそうなんですが、そこにヒロインの友人の存在もドラマとして大きいですよね。ナメてた相手が実は圧倒的強者という話は割とあると思いますが、そこにエロとは関わってこない友人が絡んでくる。このあとの『エデュケイション』がまさにそうですが、実はこっちの方がモンスターだった話だと、そのキャラの人間性などはよく分からず不気味な存在としての魅力が第一になると思います。ただ、本作のヒロインはそこに友人が出てくるんですよね。友人のため、というワンクッションが入ることで彼女の人間性、優しさが見えてくる。もちろん彼女は真っ白な存在ではなく、かなり倫理観がゆるんでるんですが、だからこそそんな彼女が大事にしてるものが光って見えるというか。このキャラクターが良かったですね。何考えてるか分からない系のキャラクターでは全然ない。不気味さとは反対にギャグ的なニュアンスまで出てくるから面白かったです。ラストの “うわー… 尊い…” とかすごい良かったですw

『エデュケイション』鬼頭サケル

 後編。前編がマジ壮絶で、この半年komifloで読んだ中で最も読むのがつらい作品だったんですが(ほめてる)、後編そうなるのかーw 同じくらい壮絶な復讐劇になるのかと思ったら、そんな簡単な話ではなかった。読者の想定を一歩も二歩を先に行くのが見事ですね。女の子が2人いて、悪意にグラデーションがあるので「片方は助かるのかな?」とか思ってると「そんなわけねぇだろ」と叩きつけられるw
 コンドームを1つ落として奪い合わせるのとか、超然的なヴィランとしてかっこいいですよね。てか、『ダークナイト』のジョーカーですよ。ビリヤードのキューへし折るやつw 偶然かもしれませんが、『ダークナイト』好きなのかしら。だとしたら嬉しいなぁ(大好き)。
 徹底的に復讐して「ざまあ」と言い返して終わり……だったらどんなに良かったかw そんな安易な救いではなく、ひょっとして前編以上にバッドエンドじゃない?? とすら感じてしまうオチが待ってるので最高。元々やばいやつだったのを刺激して目覚めさせてしまった、と分かるすごいオチ。身構えてるとその真裏からスコーンと殴打されるような作品でした。

『羽化』高橋屋たかべえ

 オタク的に熱中する彼氏に彼女がかまってもらおうとする話、はよくあると思いますが、本作はその趣味が蝶なんですよね。これは相当珍しいと思います。エロマンガで蝶を、羽化をモチーフにすると、特殊性癖の目覚めとか、未知の世界へ羽ばたいていく話を連想してしまうんですが、本作はあまりそういうのではなく恋人のイチャイチャ。
 蝶、そして羽化になんの意味もないのかというとそんなこともなくて、要するに服を脱ぐ行為を羽化に見立ててるんですよね。これ良かったなぁ。めちゃくちゃ面白い。最高なのが本作のヒロインのパジャマ、色(トーン)が劇中に出てくるサナギと一緒なんですよ。これマジ最高ですね。なので当然、最初に全部脱いだりはしません。プレイの展開とともに徐々に脱いでいき、最終的にすべて脱いで羽化。そんな見立てあるのかよw と笑いながらも感心&感動してしまいました。いや、ホントすごい。好き。

『それゆけ!TANPONMAN』麻冬HEMP

 1ページ目1コマ目のヒロインのバカっぽいポーズからしてもう最高です。あれで彼女がどのようなキャラクターか大体分かってしまうからすげぇよ。
 てか、ホント彼女がめちゃくちゃ可愛くてですね。明るい寝取りという不思議な作品なんですが、「彼女にホレる気持ちは分かるよ……」とタンポンマンにちょっと同情もしてしまいますw 無知で可愛い……だけでなく、めちゃくちゃ良い子なんだもんなぁ。人を疑わない心が眩しすぎます。ぶっちゃけタンポンマン最低なんですが、そんな彼にも自然と優しさを示すくだりとかグッとくるもんがあります。タンポンマンは罪を背負うわけですが、これを機に彼は少しまともな人間になるかもしれない……みたいなことに思いを馳せてしまいます。懲りてないのも想像できちゃうんですがw

『鬼乳3』オノメシン

 3話目。1話目で『ドラクエ』ネタがあったんですが、『ドラクエ』でオーガっつったら『ドラクエ10』だよなぁ、と勝手に嬉しくなってました。アストルティア民だったりしないかしら。私も(決めつけ)オガ子が一番好きです。てか、本作で出てきた水着も似た感じの『ドラクエ10』にあったな……(一度思い込むとすべてがそう見えるタイプ)
 んで、内容としては海で姉妹をいただく。1話が姉で、2話が妹、本話は両方。毎回オタクネタが妙に細かくて好きなんですが、今回も少な目とはいえ、しっかりあって良かったです。オタク趣味の深さの差によってメインヒロインが勝つ、というのも展開として気持ちいいです。
 てか、ヒロインが複数いると、なあなあにどちらも愛するパターンが多いと思うんですが、本作はしっかり選択してるのが良いですね。もちろんどっちともやるこたやるんですが、それでも明確に選択がある。ちょっと「偉いぞ」みたいな印象もありました。おいしい思いをしても許せるというか、応援したくなる気概を感じる。

『ムッツリ彼女のムネの内』gonza

 お淑やかだと思ってた彼女が実は。ピンクローターでオナってるだけかと思ったら、布団の中が明らかになる場面で笑いました。あそこは完全に彼氏と同じ驚きがあったなぁ。想像を超えるえげつないの出てきた!! というビジュアルの衝撃。
 彼氏の方が最後まで優しいんですよね。役得みたいなものを感じつつも入り口としては優しさが一番大きいと思います。それもあって、彼女がお淑やかであれという抑圧から解放される物語としても成立してると思います。そういう意味では感動的なんですよね。まぁ、同時に「やべっ手に負えねぇ」みたいなことになるんですがw
 あとは、風邪であり、汗であり、潮でありヨダレであり、ととにかく湿っぽい。あと涙もか。あの湿度表現は見事でしたね。布団をあけたらモワァッと蒸気が広がってくる感じ、めちゃくちゃリアルでした。生理反応であり、それがエロの説得力になってるわけでして。

『ほろ酔い感染♡』神谷ズズ

 後編。いざ本番! という場面からが後編なので連続性が高いというか、各話の独立性が低い感じですね。要するにもっかい前編から読もう、という話。
 オタク女子が酒の力で暴走してる感がめちゃくちゃ可愛いですよね。可愛いけど、計算がないのが伝わってくるのが非常に良いです。本能むき出しというか、思考と行動が直結してる感じが小動物的な魅力を生んでる。それだけに、酒が抜けた状態が描かれるエピローグの魅力がまたヤバいんですよね。冷静になっても可愛い。暴走する彼女に振り回される形になるんですが、その際に男の方にも優しさが見えたり、彼女に夢中になってる描写が丁寧に入るのもすごい良かったと思います。そりゃあんだけ入れ込むわ、と納得しかないw

『シュヴァルツヴァイス』サバイバル刃

 まさかのファンタジーバトル。サバイバル刃先生の作品、男性ホルモンむんむん、筋肉隆々な男キャラが多くてそれも魅力になってたと思いますが、美少年も良いな……(趣味)。てか、本作めちゃくちゃ特殊で表情によるエロはほとんど男キャラなんですよね。口元しか見えない中で感情表現するヒロインもいいんですが、やっぱここは主人公っしょ。可愛い。
 ただ、本作で圧巻なのは主人公が完全に落ちてからのクライマックスでしょう。なにあのコマ割り!! すごすぎでしょ。めちゃくちゃかっこいいし、奇抜なことをしながら読みやすいし、意識が遠のく主人公の感覚の表現としてハマってたと思います。いやマジですごすぎ。
 からのラストページでも剣を介して2人の顔が重なる描写とかヤバいんだよなぁ。ヒロインの顔が見えない件についても意図的なのが分かるし、あの場面ですべてがスッキリするというか。とんでもない作品だったと思います。すごい(語彙)。

『インモラルリレーション』ひさぎ

 悪い教授に捕まる話。めちゃくちゃ可愛い絵柄でとんでもなくえぐい話ぶっ込んでくるのが強すぎる。作者が自分の能力を完全にコントロールしてる感。てか、ひさぎ先生ってアレか。『フーリッシュガール』の先生か。あれもヤバかったんだよなぁ。強烈な作家性だわ……(たまたま2作続いただけかもしれませんがw)
 教授が常に服を着たままで、チンコだけ出して行為を済ませる感じが2人のパワーバランスを象徴してますよね。パッと見の絵面で2人の上下関係が伝わってくる。彼氏はセックスのとき、しっかり全裸になるんですよ。彼氏とは対等なのが伝わってくる。だけど、気持ちよくない……というのがつれぇわw
 ラストのコンドームで隠すべき場所を隠してるショットが芸術的です。修正避けの表現でもあるんでしょうが、彼女を染め上げたという意味の表現としてもバッチリだと思います。てか、コンドームは徹底するあたりに教授のしたたかさも感じますね。

『増田大介は静かに濡らせない』焼きトマト

 NOタッチ主義のロリコンがロリビッチに捕まる話。の続編。1年経って関係を終わらせたいと切り出すも……という話。主人公の紳士っぷりが徹底してるのが面白いですね。享楽的な内容ではあるんだけど、そのことに悩み続けてるのがおかしい。
 ロリビッチに好き放題されるだけで終わらないのもすごくて。ちゃんと1年の時間経過を感じさせるんですよね。1年も関係が続いたら彼女たちの方にも心境の変化はあるだろう、という終盤の展開が最高。急に感動的な雰囲気になるので驚きましたw いやけど、あのデレの破壊力はヤバいな……。リアルで1年以上経過してるというのも何なら演出として機能してるのでリアルタイムで前作読んでた人はより感慨深いんでしょうね。うらやましいわ。

『春は光とともに!』塩おにんこ

 東京から田舎に帰ってきたヒロインと。すっかり垢抜けたビジュアルに主人公は勝手に距離を感じてるけど、向こうは全然そんなことはなくフラットで……というギャップが良いですね。情けない男の心理としてもリアルな気がします。勝手に引け目を感じてしまうというか。
 そんなギャップを埋めるように始まるんですが、男の方がちょっとヤケクソというか、逆ギレ的というか、意地に突き動かされてる感があるんですよ。なんだけど、いざ挿入したら “まさか初めて…?” となる。ここで2人の距離が一気に近づくというか、主人公側の引け目がなくなったんじゃないですかね。この2人の心理的に近づいていく様子がすごい丁寧でめちゃくちゃ良かったです。
 ただ、純愛的な話ではあるんですが、一度やってからは一気に享楽的に四六時中やりまくりになるのでエロマンガとしての強度もすごい。水と油にもなりかねない要素だと思うんですが、見事なバランスで両立してるから素晴らしいです。そっからラストにかけておもっくそ感動的な方に振れてくるのも最高でした。東京に戻りゆく彼女を引き留めるように、というので服を着たままだったのも良いですよね。彼女の都会感として服装は重要ですし。

『ぎゃるしん! -自然法爾-』池瀧玩具店

 ギャルパンデミックシリーズ。宗教要素が入ってきたのが良かったなぁ。パンデミックが神による奇跡と称してた宗教が生まれるのとか、イヤァな感じだけど、リアルなんだろうなぁw
 今回すごい面白かったのは、隣のおばちゃん(ギャル)。言われてみれば当たり前な話なんですが、だからこそ本シリーズの設定の掘り下げとしてめちゃくちゃ面白いです。
 んで、ギャル教祖とセックスカルト。おばちゃんギャルが主人公を連れていくと褒美として若い男を与えられるのとか、組織としてありそうな感じすごい。おばちゃんがギャル化したことで有り余った性欲を教祖が巧みに利用してるというか。人間社会のイヤァな感じがすげぇありそう。宗教でロジックを組み立て、セックスで人々を支配してる組織とか世界がああなったら絶対出てくるだろうなぁと納得してしまいます。世界を愛で満たすとか壮大なことを言っておきながら、実際は狭いヤリ部屋に閉じこもるだけ、とかマジありそうw
 主人公が堕ちると同時に無数の男たちがワラワラと湧いてくるのも良かったです。要するに主人公はああいう有象無象の一員になってしまったというわけで。エロの展開として盛り上がりもありつつ、話の展開としてもキレイですよね。

『熟女ファイト』よこしま日記

 #2。前回は熟女とかママさんバレーとは言いつつ、大人の年上ヒロインみたいな要素が強かったと思うんですが、今回はママさんバレー要素が全開。前作ヒロインとの関係がバレてしまう。この女性コミュニティーの中の閉塞感みたいなのがすごい生々しいです。馬並みって噂されてたらしいんですが、どういうことだよw 根拠のない噂なのか、どこからか信憑性のある情報が漏れたのか。
 本作の肝はやはり駅弁でしょうよ。3ページかけて丁寧に駅弁を完成させていく場面は迫力ありすぎてなぜか笑いそうになってしまうレベル。一気に行くのではなく、ゆっくり体勢を起こしていく過程とかすげぇリアル。女性側の「ちょっと怖いんだけど」みたいな心理も描かれ、駅弁を完遂した際の浮いたような感覚もマジ最高。駅弁すごいな。奥が深い。 “まるで小さい女の子みたいに扱われてる” とあるように、しっかり熟女という要素を立てるためのプレイになってるのも見事ですね。シリーズものとしての広がり、そして今後も気になるんですが、本作に限って言えば駅弁の存在感が大きすぎる。駅弁すごい。マジすごい。

『もったいない精神』鹿成トクサク

 怒濤のギャグ展開で最初からクライマックス感あってビビったw それで30ページあるんだからマジ驚きます。ページ数1桁のショート作品かと思ったら続く続くw
 ギャグのインパクトがすごいので終始ギャグなのかと思いきや、よく読むと案外そうでもなくて、エロパートは普通に純度高いんですよね。もちろんエロの最中にギャグも入ってきて最高に笑えたんですが、ギャグがなくなるパートも結構しっかりしたボリュームで、そこは普通にエロいんですよ。いや、むしろ他でギャグがあっただけに、それを忘れるほど没頭してる感があってよりエロく感じます。変態プレイに興じまくったあとに、シンプルイズベストになるラストもそうで、ギャグがなくイチャイチャですよね。かと思うと、エピローグではしっかりギャグで落としてくる。この落差、行ったり来たりがすごい楽しかったです。てか、こういうバランス、エロに限らず好きなんですよねぇ。

『大山くんと小森ちゃん』さつきあしゃ

 ちっちゃい大山くん可愛い&大山くんを愛でる小森ちゃん可愛い、という話。2ページ目へのめくりが見事で、1ページ目だと大山くんの身長が巧みに隠されてるんですよね。クール系の彼氏かと思ったら、という2ページ目の衝撃が良い。洋服もぶかぶかとかずるいw
 そんな大山くん、愛でられてることに気づいてないんですよね。自分が可愛いと自覚してない。イケメンとか王子様キャラだと思ってる。そのカッコつけてる感じがまた可愛いのですよ。ショタの背伸び感。そんな大山くんがリードできてる前半だと2人の体勢がうまいこと描かれてて、ちゃんと大山くんが大きく見えるようになってるんですよね。絵として見た際の印象がそのまま2人の優劣と一致する。
 そんな大山くんのプライドが折れて攻防が逆転するのが後半。そのキッカケが陰毛の有無ってのがまた最高ですよね。「もう生えてるの?」と意識するとかめっちゃ子供で可愛い。それに、小森さんそこまで生えてないですよね。一応生えてはいる、程度だと思います。それにショックを受けてしまうんだから可愛い。感情が顔に文字として現れる大山くんマジ可愛いわ。小森さんが夢中になるのも分かる。
 ラストページで大山くんがおっぱい吸ってるのも象徴的で良かったです。外聞を捨ててエロに没頭してるのが彼の変化として端的ですよね。まぁ、クールを気取ってる大山くんも可愛いので翌日には戻っててほしい気もするし、素直になったままでいてほしい気もする。悩ましいなw

『ちゆなか』fu-ta

 ナースになった元カノと再会。ケンカ別れしたのではなく、男の方が勝手に夢の邪魔をしたくないとカッコつけて振った、というのが良いですよね。彼女の男の方も未だ大好きだし、女の方も未練たっぷり。そして、その夢がナースってんだから見事ですよ。もう我慢しなくていい、というタガが外れる理屈としても見事だし、ヒロインのナース設定を夢であり努力の結果と描いたのが新鮮でした。どうしても男目線だとナースってコスプレの延長というか、ただの属性みたいに考えがちじゃないですか。本作はそうではない。そう考えると、ラストに出てくるドクターと隣の患者のオッサンが良いんですよね。優しい世界で微笑ましいんですが、彼女の夢の職場だとあんなに良好だと微笑ましさがさらに増す。
 描写としてすごい好きだったのは、ちょくちょく差し込まれる隣のベッドから2人のシルエットが見えるコマ。2人だけの世界みたいに意識が狭まってくると、引きのショットがどーん。シルエットで想像を促すのもエロいし、ちょっと芸術的な美しさみたいな印象も湧きました。狭いベッドの上という限定的なシチュエーションを再認識させるようですごい良かったです。

ドロップアウトランデヴー』ミナギリ

 時系列もずらすし、2人のキャラクターの背景も濃いので、序盤は結構情報の把握に気を取られました。とはいえ2ページ目にエロがあるので安心設計なんですがw とにかく、準備段階がものすごく綿密なので、ついに我慢することなく発散するチャンスを得たときの高揚感がすごいんですよ。「クライマックスきたー!!」となるw 時間の制限に悩まされてたんだけど、誰からも文句を言われない形で時間を得る。ここまでのお膳立てが見事でしたね。互いの親への確執、時間、そしてバイト。それが一点に集約されるので展開として気持ちいい。
 親との問題を根本的に解決するほどドラマチックにならないのもリアルで良かったです。2人にとって互いは逃避の意味合いもあって、それがタイトルなのでしょう。だからこそバイトの休みという合法的なチャンスがアガるんですよね。全然違う2人だけど、本質は似た悩みをそれぞれ抱えていて、その穴埋めとして求め合うというのが最高です。
 てか、年上なのかは分からないけど、精神年齢が上な感じのヒロインが、ヒロイン像が良いんだよなぁ。グッサグサきました。ミナギリ先生、前の『コスパな関係』も大好きだったんですが、全然違うタイプの最高が出てきたので強い。

『咬兎死して走狗烹らる』新羽隆秀

 SFバトル。そっちがメインでも全然成立しそうなくらいの設定とデザインなので驚きます。これ1本で終わっちゃうのもったいなくない? とかマジで思います。ヒロインのメカ感もかっこいいし、ラストのエロなしのアクションも良いんだよなぁ。エロパート以外のページだけ見たら誤解する人絶対いると思います。普通に面白そうで、いざ全部見たら怒濤のエロが行われるので面食らうw
 快楽堕ちみたいな話なんですが、最後にしっかりかっこいいSFに戻るのも良かったですね。陵辱みたいな話かと思ったら、2人の関係がルパンと銭形的になるのも間接的なイチャイチャですし。

『コス×チェン』ヂイスケ

 コスプレすると豹変する。最初はエロいけど大人しい子という印象で、男が上から見れるという意味で都合のいい存在だったんですが、コスプレすると眼福……とか思ってると途端に手に負えなくなるのが面白かったです。開けちゃいけない箱開けちゃった感w
 男たちが振り回されるものの、徐々にエロに順応していく変遷も良かったです。常にヒロインが主導権を握るのは変わらないんですが、男たちの前のめり度にはかなりの違いがありますよね。あの加速度的に暴走していく感じがリアルだったと思います。コスプレイヤーけしからん的な話でダークな印象もなくはないんですが、それを見てるだけの主人公というのがちょっとギャグっぽいので良いですね。
 ラストがすごいよくて。夢オチかと思ったら、彼女が再び覚醒し始めてエンド。あのオンとオフが混じった状態がすごいエロかったですね。コスプレしなくてもスイッチ入ってるのが新しいし、レベルアップしてしまった感w

『まさか俺が!?』tes_mel

 出会い系でやってきたのが義理の妹。コンプレックスを抱いてた相手の正体を知ってショックやらエロいやら、という悲喜こもごもがリアルなんですが、そこで手を出してしまう……のがまだ序盤なんですよね。まだ前段。そっからどうなるかが本作のメイン。これすごい面白かったですね。別にその一夜で終わっても全然いいじゃないですか。普通にあると思うんですよ。そういう作品も。出会い系で事故的に出会った2人なんだけど、最終的には自宅でやるようになる、という変遷が良いです。一番ダメな場所としての自宅。
 ラストの見開き、騎乗位を下から見上げるショットでの見開きが圧巻でした。ヒロインの体が斜めになる構図なので一瞬上下とか分からなくなるんですが、それが彼女に夢中になって頭がいっぱいになる感じとしてハマってたと思います。コマの端を縁取るように彼女の足が伸びてるのも画面いっぱいという感じで最高でした。

『エルフ姫の異世界転生』里崎

 姫が欲しいオタサーの元にリアル姫、しかもエルフが転生する。もうこの時点で楽しいですね。オタサーのみんな顔しか出てないんだけど、類型的ながらもキャラが立ってて、何より楽しそうなので「よかったな」みたいな気持ちになってしまいますw
 てか、里崎先生、2つ前にもオタサーを題材にしてるんですね。ただ、そちらはオタサーのダークサイドを描いてて、本作ではライトサイド。本作のオタサー、楽しそうなんだよなぁw エルフ姫が舞い降りるのもそうですが、二重に羨ましくもなるというか。
 キャラの配置としては『コス×チェン』ともかなり似てるんですよ。オタク(趣味の)サークルで、女性の圧倒的な色気に男たちが当てられてしまう。なんだけど、あっちは陰気で、こちらは陽気。こうも違ってくるかと笑ってしまいます。なんなら『コス×チェン』の方がサキュバス感としてファンタジーっぽさ強かったかもしれません。その分本作は誤解とギャグで明るいのが魅力ですよね。このノリ好きだなぁ。せっかくのリアルエルフ姫をただのコスプレだと思ってるのももったいなくて笑えます。

「読者プレゼント」

 ヂイスケ先生の描き下ろしサイン色紙。やばい、超可愛い。後日談なのかな、とか想像するのも楽しいです。

「読者ページ」

 投稿へのアンサーがすごい丁寧で良いですよね。ファン談義感がある(プロですが)。
 サバイバル刃先生のコラム。ここで隔月化を知りましたw 金は欲しいけど、負担が減って嬉しいというアンビバレントな気持ち、ちょっと分かるかもしれません。単純に嬉しい悲しいだけじゃなく、相反する2つが混ざってる感じ、ありますよね。
forms.gle
 アンケート。面白かった作品3つ。『シュヴァルツヴァイス』『大山くんと小森ちゃん』『ドロップアウトランデヴー』の3つかな。男の子可愛いに偏ってますが、たまたまです。最もエロかったのは『ドロップアウトランデヴー』になるかなぁ。

 ということで来月は休みで、再来月からリニューアルです。楽しみだけど、ブログが死にそうで怖いw
kitaku2kitaku.hatenablog.com